JP4003932B2 - セラミックス−金属接合体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体支持装置や電子部品などのセラミックス部材と金属部材の接合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CVD法、スパッタリング法、エッチング法等の半導体プロセスにおいては、いわゆるサセプターの上に半導体ウエハーを設置し、このサセプターを加熱して半導体ウエハーを加熱している。この際、最近は、セラミックス製の静電チャックをサセプターとして使用し、半導体ウエハーをサセプターに対して吸着しながら加熱処理を行うことが開示されている。また、セラミックスヒーターをサセプターとして使用し、このセラミックスヒーターの上に半導体ウエハーを設置し、これを直接加熱することが知られている。しかし、半導体ウエハーの生産量を向上させるためには、サセプター上の半導体ウエハーの着脱サイクルにおける温度変化を抑制するために、加熱と冷却とを応答性良く行うことが必要であり、このためにはサセプターに対して冷却装置を結合する必要がある。
【0003】
静電チャックを水冷式の金属冷却板に対して金属ボンディングによって結合する技術が提案されている(特開平3−3249号公報)。この技術においては、アルミナからなる静電チャックとアルミニウム製の水冷冷却板とをインジウムで結合している。また、特開平4−287344号公報においては、ペースト状のシリコーン樹脂からなる接着剤組成物を使用し、サセプターと金属冷却板とを接着している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インジウムやシリコーン樹脂接着剤組成物を接合材として用い、セラミックス製静電チャックと金属製の水冷フランジとを接合する際には、接合時の圧力が小さいと、接合後に、静電チャックの半導体ウエハー吸着面の平坦度が低下することがあった。ウエハー処理時には、ウエハーが静電チャックの吸着面に対して吸着するので、吸着面の平坦度が低下すると使用できなくなり、歩留り低下の原因となる。また、静電チャックの表面側へとバックサイドガスを供給することが多いが、静電チャックと金属部材との間の接合部分の気密性を高く維持することは難しい問題である。特に半導体製造システムの内部では熱サイクルが印加されるが、熱サイクル印加後にも接合部分の蜜性を高度に維持することが求められている。一方、接合時の圧力を大きくすると、静電チャックと金属冷却板との界面から接着剤が外部へとはみ出すおそれがある。また、接着剤の厚さが不均一になったり、製品ごとに不揃いになったりするおそれがある。この場合には、半導体支持部材と金属部材との間の熱伝導性能が不均一になるので、製造歩留りが低下する。
【0005】
本発明の課題は、セラミックス部材、金属部材、およびセラミックス部材と金属部材とを接合する接合層を備えているセラミックス−金属接合体において、セラミックス部材の表面の平坦度を向上させるのと共に、熱サイクル印加後にもセラミックス部材と金属部材との間の気密性を高く維持できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セラミックス部材、金属部材、およびセラミックス部材と金属部材とを接合する接合層を備えているセラミックス−金属接合体であって、接合層が、流動性接着剤組成物の硬化物からなる接着部と、樹脂からなるスペーサー部とを含み、接合層中の同一平面内に接着部とスペーサー部がともに含まれており、スペーサー部が、セラミックス部材に接触する第一層、金属部材に接触する第二層、および第一層と第二層との間にある中間層を備えており、第一層と第二層とがそれぞれシリコーン樹脂またはアクリル樹脂からなることを特徴とする。
【0007】
本発明者は、セラミックス部材と金属部材との間の接合層を、流動性接着剤組成物によって形成する接合部と、樹脂からなる異相のスペーサー部とに機能分離することを想到した。このような構造を採用することによって、セラミックス部材と金属部材とを接合するのに際して、高い圧力を加えたときに、スペーサー部によって高い圧力がある程度吸収され、流動性接着剤組成物のはみ出しが抑制され、接着剤層の厚さを均一化することができる。この結果、セラミックス部材の表面の平面度を向上させることができ、かつ接着部における気密性が高くなり、熱サイクル印加後にも接着部における剥離や気密性の低下が生じにくい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を適宜参照しつつ、本発明を更に説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態において使用する静電チャック1を概略的に示す断面図であり、図1(b)は金属部材7の断面図である。
【0009】
静電チャック1は、セラミックス製の基体2と、基体2内に埋設された静電チャック電極3とを備えている。電極3には端子6が接続されている。静電チャック1の吸着面2aに半導体ウエハーを支持し、吸着する。
【0010】
本例の金属部材7は、冷却機能を有する冷却フランジである。冷却フランジ7には貫通孔18が設けられており、貫通孔18からバックサイドガス、例えばアルゴンガスや窒素ガスを供給可能となっている。また、冷却フランジ7および静電チャック1には、半導体ウエハーを持ち上げるためのリフトピン用の貫通孔を形成できる(図示せず)。
【0011】
本発明におけるセラミックス部材は特に限定されないが、半導体支持部材や電子部品が好ましい。半導体支持部材は、半導体ウエハーを設置するサセプターであればよく、種々の機能を有していてよい。例えば、基体の内部に静電チャック電極を設けた場合には、このセラミックス部材は静電チャックとして使用できる。また、基体の内部に抵抗発熱体を設けた場合には、この保持部材をセラミックスヒーターとして使用できる。更に、基体中にプラズマ発生用の電極を設けた場合には、この保持部材をプラズマ発生用電極として使用できる。好適な実施形態では半導体支持部材が静電チャックである。電子部品としては、放熱板を接合したICチップ、特に発熱量が多いスーパーコンピューター用のICチップなどを例示できる。
【0012】
セラミックス部材の基体を構成するセラミックスとしては、アルミナのような酸化物系セラミックス、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、窒化物セラミックスを例示できる。窒化物セラミックスとしては、窒化珪素およびサイアロンが、耐熱衝撃性の点で好ましい。また、窒化アルミニウムは、フッ素系腐食性ガスに対する耐蝕性、および熱伝導性の点で好ましい。
【0013】
金属部材の種類は特に限定されない。好適な実施形態においては、金属部材が、冷却機構を備えた金属部材である。金属部材の材質は特に制限はないが、ハロゲン系腐食性ガスに対して冷却装置がさらされる場合には、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケルまたはこれらの金属の合金を使用することが好ましい。
【0014】
冷却装置において使用できる冷媒は、水、シリコンオイル等の液体であってよく、また空気、不活性ガス等の気体であってもよい。
【0015】
ここで、セラミックス部材1の接着面2bと、金属部材7の接着面7aとの一方または双方に、所定パターンに従って流動性接着剤組成物4A、4Bを設ける。好ましくは、セラミックス部材1の接着面2bと、金属部材7の接着面7aとの双方に流動性接着剤組成物4A、4Bを設ける。
【0016】
流動性接着剤組成物の種類は、後述するスペーサー部の材質を劣化させないような温度で硬化可能であれば、特に限定されないが、好ましくは樹脂である。特に好ましくは、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂である。
【0017】
シリコーン樹脂組成物としては、特開平4−287344号公報に記載の組成物を利用できるし、また他の公知の樹脂組成物を利用できる。一般的には、シリコーン樹脂は、シロキサン結合を主骨格とする珪素化合物重合体であって、未架橋、部分架橋、未架橋の各重合体を含む。例えば、下式のいずれかの繰り返し単位を主要な繰り返し単位とする。ここで、Rは、水素原子、炭化水素基、あるいは芳香族基であり、好ましくは水素原子、置換または未置換のアルキル基、または置換または未置換のフェニル基であり、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基である)
【0018】
【化1】
Figure 0004003932
【0019】
【化2】
Figure 0004003932
【0020】
アクリル樹脂組成物も特に限定されない。一般的には、アクリル樹脂は、アクリル酸およびアクリル酸の誘導体の重合体の総称であり、ホモポリマーとコポリマーとの両者を含み、架橋物、部分架橋物、未架橋物のいずれも含む。アクリル酸の誘導体は、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルを含む。
【0021】
エポキシ樹脂組成物も特に限定されない。
【0022】
セラミックス部材の接着面、金属部材の接着面に流動性接着剤組成物を設ける方法は特に限定されず、公知の塗布方法、印刷方法を利用できる。例えば、スクリーン印刷法、はけ塗り法、霧吹き法を例示できる。
【0023】
流動性接着剤組成物中には、熱伝導性の高い材質からなるフィラーを充填することによって、セラミックス部材と金属部材との間の熱伝導を促進することが好ましい。このフィラーの形態、材質は特に限定されない。フィラーの形態は、例えば粒子状、鱗片状、ウィスカー状であってよい。フィラーの材質は、セラミックスや金属が好ましい。このセラミックスとしては、アルミナ,窒化アルミニウム、炭化珪素が好ましく、金属としてはアルミニウムおよびアルミニウム合金が好ましい。フィラーの粒径は、0.5〜50μmが好ましい。また、流動性接着剤組成物中におけるフィラーの含有量は、接着部分の熱伝導を促進するという観点からは、10vol%以上が好ましく、20vol%以上が更に好ましい。また、接着部分の気密性を一層向上させるという観点からは、60vol% 以下が好ましい。
【0024】
次いで、図2(a)に示すように、金属部材7の接着面7a上に、流動性接着剤組成物4Bのない領域に、スペーサー部8、8Aを設ける。スペーサー部8、8Aは、セラミックス部材の接着面2b上に設けることもできる。
【0025】
ポリイミド樹脂は、主鎖中に酸イミド結合を有する重合体であり、好ましくは下式で表される繰り返し単位を、重合体全体の50mol%以上有する。ここで、Ar1は、少なくとも一個の芳香環を有する化合物である。イミド環を形成する2つのカルボニル基は、この芳香環上の隣接する炭素原子に結合している。Arは有機官能基であり、好ましくは芳香環を含む官能基である。
【0026】
【化3】
Figure 0004003932
【0027】
更に好ましくは、ポリイミド樹脂は、下式で表される繰り返し単位を、重合体全体の50mol%以上有している。
【0028】
【化4】
Figure 0004003932
【0029】
本発明では、スペーサー部が、例えば図2(b)に示すように、セラミックス部材1に接触する第一層8a、金属部材7に接触する第二層8c、および第一層8aと第二層8cとの間にある中間層8bを備えている。第一層8aと第二層8cとがそれぞれシリコーン樹脂またはアクリル樹脂からなる。特に好ましくは、中間層8bがポリイミド樹脂からなる。このような積層構造を採用すると、接合時に高い圧力を印加可能であり、熱サイクル後の接合部分の信頼性が一層向上する。
【0030】
スペーサー部は、金属部材やセラミックス部材の各接合面に対して、粘着性や接着性を有している必要はない。しかし、図2に示すようにスペーサー部8、8Aを固定する際には、下地となる接合面に対する粘着性や接着性を有していることが好ましい。
【0031】
本発明においては、複数のスペーサー部が接着部によって互いに分離されていることが好ましい。言い換えると、平面的に見て、接着部が連続相を構成しており、複数のスペーサー部がそれぞれ接着部によって分離された分離相を形成していることが好ましい。例えば、図5に示す例においては、接着部7は連続相を構成しており、各スペーサー部15、15Aは分離相を構成している。
【0032】
図2(a)に示すように、セラミックス部材1を支持棒9によって支持し、セラミックス部材1の接着面2bを金属部材7の接着面7aに対向させる。この時点で、接着面2b上の流動性接着剤組成物4Aと、接着面7a上の流動性接着剤組成物4Bとが、平面的に見て同じ位置にくるように位置決めする。
【0033】
次いで、図3に示すように、セラミックス部材1と金属部材7とを積層して積層体28を作製する。そして、積層体28を加熱および加圧し、接合する。この時点においては、積層体28を等方加圧しながら加熱することが好ましい。ここで、積層体の等方加圧方法や加熱方法は特に限定されない。典型的には、図3に示すように、積層体28を被膜19内に真空パックし、不活性雰囲気の充填された密閉容器内に収容し、この密閉容器内で不活性雰囲気によって積層体を等方加圧する。しかし、液体によって積層体を等方加圧することも可能である。また、流動性接着剤組成物が真空中で加熱しても硬化しにくい場合は、積層体28を被膜19内に大気圧でパックすることも可能である。
【0034】
被膜19の材質は、弾性および加熱温度での耐熱性を有する限り、特に限定されない。不活性気体としては、窒素、アルゴン、窒素とアルゴンとの混合気体を例示できる。また、不活性気体の圧力は、接合体において充分な気密性が得られる程度の圧力であれば良い。一般的に、接合体の気密性を向上させるという観点からは、密閉容器内と被膜19内の差圧が0.2atm以上とすることが好ましく、0.5atm以上とすることが更に好ましい。密閉容器内と被膜19内の差圧の上限は特にないが、実用的には20atm以下が好ましく、10atm以下が更に好ましい。
【0035】
密閉容器は特に限定されないが、好適な実施形態においてはオートクレーブである。
【0036】
本発明においては、少なくとも、加熱時の最高温度時に等方加圧を行っていることが好ましい。即ち、図6に示すように、加熱時の最高温度(T1)時(時間t2からt3の間)には、圧力が所定圧力P1に達している必要がある。
【0037】
好適な実施形態においては、最高温度T1からの降温時(t3以降)にも等方加圧を継続する。特に好適な実施形態においては、室温TRへの温度降下時(t4)まで等方加圧を継続する。これによって、接合後のセラミックス部材の表面の平坦度が一層向上する。
【0038】
流動性接着剤組成物の加熱温度T1は、特に限定されないが、セラミックス部材の支持面2aの平面度を向上させるという観点からは、150℃以下であることが好ましく、120℃以下であることが更に好ましい。なお、流動性接着剤組成物の種類によっては、加熱は必ずしも必要なく、あるいは50℃以下の低温加熱でも十分に硬化する場合がある。
【0039】
この結果、図4に示すような接合体11が得られる。図5は、図4の接合体(半導体支持装置)11において、金属部材7の接着面7a上の接合層27の平面的パターンを示す図であり、従ってセラミックス部材2は図示省略してある。
【0040】
この装置11においては、セラミックス部材2の接着面2bと金属部材7の接着面7aとが接合層27によって接合されている。接合層27は、流動性接着剤組成物4の硬化物からなる接着部13と、樹脂からなるスペーサー部15、15Aとからなる。スペーサー部の構成は本発明に従う。ここで、図5に示すように、スペーサー部15は略円形をしており、接着面7上にほぼ一定の密度で規則的に配列されている。スペーサー部15Aはそれぞれリング状をしており、ガス供給孔18の周囲を包囲するか、あるいはリフトピン孔19の周囲を包囲している。このように、孔部の周囲をリング状のスペーサー部15Aによって包囲することで、流動性接着剤組成物の孔部へのはみ出しを防止し、孔部の周囲における熱伝導の不良や剥離を防止できる。
【0041】
本発明において、セラミックス部材の表面2aの平坦度は、好ましくは30μm以下であり、更に好ましくは10μm以下である。
【0042】
接合層の厚さは、接合後のセラミックス部材表面の平面度を良好とするという観点からは、0.03mm以上であることが好ましく、0.05mm以上であることが好ましい。また、セラミックス部材と金属部材との間の熱伝導を良好とするという観点からは、0.5mm以下とすることが好ましく、0.2mm以下とすることが更に好ましい。
【0043】
参考例1)
図1〜図4を参照しつつ説明した方法に従って、図4、図5に示す装置を製造した。具体的には、静電チャック1と水冷フランジ7とを準備した。静電チャック1の基体2は、直径φ300mm、厚さ10mmの円板形状をしている。基体2は窒化アルミニウムからなり、基体2の内部にモリブデン製の金網からなる電極3が埋設されている。水冷フランジ7はアルミニウム合金製であり、寸法φ300mm、厚さ30mmの円板形状をしている。水冷フランジ7の内部には水冷溝が形成されており、かつ端子用の孔、リフトピン用の貫通孔、バックサイドガス用の貫通孔が設けられている。静電チャック1の吸着面2aの平坦度は10μmである。接着面2b、7aの平坦度は30μm以下である。静電チャックは、アセトン、イソプロピルアルコールおよび純水の順番で超音波洗浄した。
【0044】
付加反応形のシリコーン樹脂組成物を使用した。この組成物中には、平均粒径20μmのアルミナ粒子からなるフィラーが、30vol%添加されている。この組成物を、真空容器中で1Torrで20分間保持することによって真空脱泡した。次いで、200メッシュのスクリーンを使用し、接着剤組成物を接着面2b、7上にスクリーン印刷した。この際に、図5に示すような平面的パターンのマスクを使用した。一方、ポリイミドテープ(「カプトンテープ」3M製:厚さ50〜100μm)を切断し、図5に示すような形態の円形あるいはリング状のスペーサー部を作製した。次いで、図2に示すように、各スペーサー部8、8Aを設置した。スペーサー部の厚さは70μmである。
【0045】
次いで、真空容器中に水冷フランジ7を設置し、その上に静電チャック2を対向させて保持し、真空吸引して0.1Torrとした。次いで、静電チャック2と水冷フランジ7とを貼り合わせて積層体28を得た。この積層体を真空パックし、オートクレーブ中に収容し、120℃、3atmで2時間加熱および加圧し、シリコーン樹脂を硬化させた。なお、シリコーン樹脂の場合には、真空中で硬化しないことがあるので、その場合には大気中でパックする。
【0046】
得られた半導体支持装置について、初期と熱サイクル印加後との双方について、ウエハー吸着面の平面度とヘリウムリーク量とを測定した。ただし、熱サイクル印加時には、室温から50℃まで20℃/分で温度を上昇させ、次いで50℃で30分間保持し、−20℃まで20℃/分で温度を降下させた。これを1サイクルとし、100サイクル繰り返した。
【0047】
静電チャックの吸着面の平坦度は、以下のように測定した。定盤の上に接合体を設置する。この際、吸着面が上向きになるようにする。そして、吸着面の各測定点の高さをハイトゲージによって測定する。吸着面の中心点を測定するのと共に、中心点からX軸方向に沿って8点選択して測定し、中心点からY軸方向に沿って8点選択して測定する。合計17点についての高さの測定値を得た後、最高高さと最低高さとの差を算出し、平坦度とする。
【0048】
また、バックサイドガス用の貫通孔18を利用し、ヘリウムリーク試験を行った。製造条件を表1に示し、測定結果を表2に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004003932
【0050】
【表2】
Figure 0004003932
【0051】
参考例2)
参考例1と同様にして、図4、図5に示す装置11を製造した。ただし、実施例1において、室温硬化型のエポキシ樹脂組成物を使用した。この組成物中には、平均粒径20μmのアルミナ粒子からなるフィラーが、30vol%添加されている。接合時の温度は30℃とし、圧力は1kg/cmとした。測定結果を表2に示す。
【0052】
参考例3)
参考例1と同様にして、図4、図5に示す装置11を製造した。ただし、実施例1において、室温硬化型のアクリル樹脂組成物を使用した。この組成物中には、平均粒径20μmのアルミナ粒子からなるフィラーが、30vol%添加されている。接合時の温度は30℃とし、圧力は1kg/cmとした。測定結果を表2に示す。
【0053】
(比較例1)
参考例1において、スペーサー部を使用せず、静電チャックおよび水冷フランジの各接着面の全体にシリコーン樹脂組成物を印刷した。そして、両者の積層体を真空パックしてオートクレーブに収容する工程は行わず、積層体上に15g/cmの圧力のおもりを乗せた状態で、120℃で接合した。測定結果を表2に示す。
【0054】
(比較例2)
参考例1において、シリコーン樹脂接着剤組成物およびスペーサー部を使用しなかった。その代わりに、ポリイミドテープ(「カプトンテープ」:厚さ50〜100μm)を水冷フランジの接着面上に設置し、その上に静電チャックを対向させて保持し、真空吸引して0.1Torrとした。次いで、静電チャックと水冷フランジ7とを貼り合わせて積層体を得た。この積層体を真空パックし、オートクレーブ中に収容し、120℃、14kg/cmで2時間加熱および加圧した。
【0055】
参考例1、2、3においては、初期、熱サイクル後共に吸着面の平面度が高く、ヘリウムリーク量が10−10Pa・m/s以下である。比較例1においては、初期、熱サイクル後ともに吸着面の平面度が低い。比較例2においては、吸着面の平面度が十分に高くなるような加圧は可能であった。しかし、熱サイクル後のヘリウムリーク量が大きくなり、気密性が低下していた。
【0056】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、セラミックス部材、金属部材、およびセラミックス部材と金属部材とを接合する接合層を備えている半導体支持装置において、セラミックス部材の表面の平坦度を向上させるのと共に、熱サイクル印加後にもセラミックス部材と金属部材との間の気密性を高く維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態で使用するセラミックス部材1を概略的に示す断面図であり、(b)は、金属部材7を概略的に示す断面図である。
【図2】(a)は、接合直前のセラミックス部材1と金属部材7とを概略的に示す断面図であり、(b)は、三層構造のスペーサー部を示す図である。
【図3】セラミックス部材1と金属部材7との接合体28を概略的に示す断面図である。
【図4】半導体支持装置11を概略的に示す断面図である。
【図5】図4の接合体(半導体支持装置)11において、金属部材7の接着面7a上の接合層27の平面的パターンを示す図である(半導体支持部材2は図示省略してある)。
【図6】接合時の圧力および温度スケジュールの一例を示す。
【符号の説明】
1 セラミックス部材(静電チャック) 2 基体 2a 表面(吸着面) 2b 接着面 3 電極 4A、4B 流動性接着剤組成物 6 端子 7 金属部材(冷却フランジ) 7a 接着面 8、8A スペーサー部(接合前) 11 半導体支持装置 13 接着部 15、15A スペーサー部 18 ガス供給孔 27 接合層 A 加圧の方向 B ガスの流れ

Claims (6)

  1. セラミックス部材、金属部材、および前記セラミックス部材と前記金属部材とを接合する接合層を備えているセラミックス−金属接合体であって、
    前記セラミックス部材と前記金属部材がプレート状であり、前記接合層が、流動性接着剤組成物の硬化物からなる接着部と、樹脂からなるスペーサー部とを含み、前記接合層中の同一平面内に前記接着部と前記スペーサー部がともに含まれており、前記スペーサー部が、前記セラミックス部材に接触する第一層、前記金属部材に接触する第二層、および前記第一層と前記第二層との間にある中間層を備えており、前記第一層と前記第二層とがそれぞれシリコーン樹脂またはアクリル樹脂からなることを特徴とする、セラミックス−金属接合体。
  2. 複数の前記スペーサー部が互いに分離されており、かつ前記接着部によって包囲されていることを特徴とする、請求項1記載のセラミックス−金属接合体。
  3. 前記接着部がシリコーン樹脂接着剤またはエポキシ樹脂接着剤からなることを特徴とする、請求項1または2記載のセラミックス−金属接合体。
  4. 前記中間層がポリイミド樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載のセラミックス−金属接合体。
  5. 前記セラミックス部材が半導体支持部材であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つの請求項に記載のセラミックス−金属接合体。
  6. 前記半導体支持部材が少なくとも静電チャック機能を備えていることを特徴とする、請求項記載のセラミックス−金属接合体。
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