JP6176241B2 - 化学強化ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器、例えば携帯して使用可能な通信機器または情報機器等の外装部材として好適に用いられる化学強化ガラスの製造方法に関する。
携帯電話等の電子機器の筐体は、装飾性、耐傷性、加工性またはコスト等の様々な要因を考慮し、樹脂または金属等の素材から適宜のものが選択されて用いられている。近年、従来用いられていなかったガラスを筐体の素材として用いる試みがされている(特許文献1)。特許文献1によれば、携帯電話等の電子機器において、筐体本体をガラスで形成することにより、透明感のある独特の装飾効果を発揮することができるとされている。
電子機器は、機器の外表面に液晶パネル等の表示装置を備えている。これら表示装置は、高精細および高輝度化の傾向にあり、それに伴い光源となるバックライトも高輝度化の傾向にある。光源からの光は、表示装置側に照射される以外に、機器内部で多重反射し外装されている筐体の裏面に到達することがある。
また、光源を不要とする有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイであっても、同様に発光素子からの光の漏れが懸念される。筐体の素材として金属を用いる場合は問題にならないが、前述のような透明性を有するガラスを用いる場合、光源からの光が筐体を透過し、機器外部から認識されるおそれがある。そのため、ガラスを筐体に用いる際には、ガラスに可視光線に対する遮蔽性(以下、遮蔽性という)を持たせるための塗膜等の遮光手段をガラスの裏面に形成することが行われる。
前述のとおり表示装置の光源の高輝度化に伴い、ガラスの裏面(機器側)に十分な遮蔽性を有する塗膜を形成するには、塗膜を厚膜に形成したり、複数の層からなる膜を形成したりする必要があり、工程数が多くコストが高くなる要因となる。
また、塗膜が均一に形成されない場合、塗膜が薄い箇所のみ光が透過し、局部的に筐体が明るく認識される等の機器の美観を損ねるおそれがある。例えば、凹状の筐体においては、凹面側全面に均一な膜を形成する必要がある。しかしながら、十分な遮蔽性を備える塗膜を凹面に均一に形成する工程は複雑であり、コストが高くなる要因となる。
特に、外観が白色を呈する筐体を得る場合、前述のとおり透明ガラスの少なくとも一方の面に白色塗膜層を形成する方法がある。しかしながら、白色塗料は、透光性が高く、白色塗膜層を厚くしても十分な遮蔽性を得ることができない。
そのため、白色塗膜層に遮蔽性の高い黒色塗膜層を積層することが行われるが、この場合、黒色塗膜層が認識されない程度に白色塗膜層を厚くする必要がある。このように、白色塗料を用いて白色を呈する遮蔽性の高い筐体を得るのは、非常にコストが高いという問題がある。
また、携帯電話等に使用可能な電子機器は、使用時の落下衝撃による破損または長期間の使用による接触傷を考慮し、筐体に対し高い強度が求められる。このため、従来より、ガラスまたはガラス基板の耐傷性を向上させるため、ガラスを、化学強化することで表面に圧縮応力層を形成しその耐傷性を高めている。
日本国特開2009−61730号公報
遮蔽性を得る方法としては結晶化ガラスを用いることが考えられるが、結晶化ガラスをイオン交換処理する場合、イオン交換温度は通常高温にする必要があり溶融塩の蒸発等の問題が生じるおそれがある。
したがって、本発明は、電子機器の筐体に好適な遮蔽性を備え、且つ低温のイオン交換温度でイオン交換処理して高強度化させた化学強化ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
1.分相したガラスをイオン交換処理する工程を含む化学強化ガラスの製造方法。
2.ガラスを分相させる工程、および分相したガラスをイオン交換処理する工程を順次含む化学強化ガラスの製造方法。
3.分相したガラスがNaOもしくはLiOまたは両方を含有する前項1または2に記載の化学強化ガラスの製造方法。
4.分相したガラスがSiO、AlおよびMgOを含有する前項1〜3のいずれか1に記載の化学強化ガラスの製造方法。
5.分相したガラスがTiO、ZrO、PおよびLaから選ばれる少なくとも1を含有する前項3または4に記載の化学強化ガラスの製造方法。
6.分相したガラスがKOを含有する前項1〜5のいずれか1に記載の化学強化ガラスの製造方法。
7.分相したガラスがアルカリリッチのマトリックス中に、シリカリッチの分散相を含むバイノーダル状態のガラスである前項1〜6のいずれか1に記載の化学強化ガラスの製造方法。
8.ガラスが下記酸化物基準のモル百分率表示でSiOを50〜80%、MgOを5〜30%、NaOを1〜17%、Pを0〜10%、Alを0〜10%、Bを0〜6%、KOを0〜9%含有するものである前項1〜7のいずれか1に記載の化学強化ガラスの製造方法。
ここで、たとえばPを0〜10%含有するとは、Pは必須ではないが10%以下の範囲で含有してもよい、の意であり、SiOは典型的には60〜80%であり、また、前記ガラスは本発明の目的を損なわない限りこれら7成分(SiO、MgO、NaO、P、Al3、3、O)以外の成分を含有してもよいがその場合当該成分の含有量の合計は10%以下であることが好ましく、典型的には5%以下である。
また、本明細書においてはガラス成分の含有量はモル百分率で表示する。
9.前項1〜8のいずれか1に記載の化学強化ガラスの製造方法により得られる化学強化ガラス。
10.イオン交換処理された分相ガラス。
11.表面に圧縮応力層を有する分相ガラス。
この分相ガラスとしては前項10に記載の分相ガラスが典型的である。
12.3点曲げ強度試験において、ビッカース圧子挿入加重0kgにおける3点曲げ強度からビッカース圧子挿入加重2kgにおける3点曲げ強度を減じた値を、ビッカース圧子挿入加重0kgにおける3点曲げ強度で除した値が70%以下である分相ガラス。
この分相ガラスとしては前項10または11に記載の分相ガラスが典型的である。
13.ビッカース圧子を2kgfすなわち19.6Nで挿入した時に割れない分相ガラス。
この分相ガラスとしては前項10、11または12に記載の分相ガラスが典型的である。
14.分相ガラスを花崗岩からなる基台上に配置し、P30(JIS R6252:2006)のサンドペーパーの擦り面に該分相ガラスの上面を接触させた状態で、Φすなわち直径が0.75インチすなわち19.1mm、29gのステンレス鋼からなる球体を上方から落下させるサンドペーパー落球試験において、破壊時の平均落球高さが8cm以上である分相ガラス。
この分相ガラスとしては前項10〜13のいずれか1に記載の分相ガラスが典型的である。
15.表面圧縮応力が300MPa以上であり、かつ、引張応力が50MPa以下である前項11に記載の分相ガラス。
16.波長400nmでの1mm厚換算の直線透過率が30%以下かつ同波長での1mm厚換算の全光反射率が10%以上である前項10〜15のいずれか1に記載の分相ガラス。
17.前項10〜16のいずれか1に記載の分相ガラスであって、一方の分離相が独立した球状の形で他方の分離相のマトリクス中に分散した形態をとっているバイノーダル状態の分相ガラス。
18.独立した球状の形で分散している分離相の平均直径が40〜3000nmである前項17に記載の分相ガラス。
19.前項9に記載の化学強化ガラスまたは前項10〜18のいずれか1に記載の分相ガラスを有する電子機器筺体。
20.前記分相ガラスが波長400nmでの直線透過率が30%以下かつ全光反射率が10%以上であるものである前項19に記載の電子機器筺体。
本発明の化学強化ガラスの製造方法によれば、ガラスに遮光膜等の遮光手段を別途設けることなく、電子機器の筐体に好適な遮蔽性を備え、且つ高強度化させた化学強化ガラスを安価に得ることができる。
透明ガラスを用いて外観が白色を呈する筐体を得ようとすると先に述べたように白色塗膜層を何層も積層する必要があるが、本発明によればガラスそのものが乳白色を呈するので白色塗膜層を積層する必要がなくなる、または白色塗膜層を積層する場合であってもその層の数を透明ガラスのときに比べて大幅に減らせるという効果が得られる。
また、本発明の製造方法により得られる化学強化ガラスおよび本発明の分相ガラスによれば、イオン交換処理して化学強化された結晶化ガラスと比べて傷に対する耐性が優れるという効果を得ることができる。
本発明の製造方法によれば、ガラスを分相させることでガラスに白みを持たせ、低温でのイオン交換処理でガラスを化学強化することにより、結晶化ガラスと比較して短時間で深い圧縮応力層が入り、傷に対する耐性を高めた、白色化した化学強化ガラスを製造することができる。
図1(a)および(b)は、分相したガラスをSEMにより確認した結果(倍率100000倍)を示す図である。 図2は、分相したガラスの透過率を測定した結果を示す図である。 図3は、化学強化処理後のサンプル断面SEM−EDX点解析の結果を示す図である。 図4は、3点曲げ強度試験の結果を示す図である。 図5(a)〜(c)は、分相したガラスの透過率を測定した結果を示す図である。 非スロークラック割れが発生したカバーガラスの破壊起点を側方から見た写真を示す図である。 図6の破断面を模式的に示す図である。 スパイダー割れが発生したカバーガラスの写真を示す図である。 スロークラック割れの再現方法の模式図である。 図9のスロークラック割れの再現方法における化学強化ガラスの割れが発生するメカニズムを模式的に示す図である。図10(a)は破壊起点を示す図であり、図10(b)はクラックを示す図である。 図11(a)はP30のサンドペーパーの拡大写真を示す図であり、図11(b)はアスファルト・コンクリートの拡大写真を示す図であり、図11(c)はP30のサンドペーパー先端の角度分布と砂の先端の角度分布を示すグラフである。 図12は、それぞれイオン交換した結晶化ガラス、分相ガラス(バイノーダル)、参考ガラス、および分相ガラス(スピノーダル)に圧子を挿入した後の写真を示す。 図13は、それぞれイオン交換処理した結晶化ガラス、分相ガラスおよび、参考ガラスの表面圧縮応力値(CS)および圧縮応力層深さ(DOL)を測定した結果、並びに3点曲げ強度試験で破壊されたガラスの写真および模式図を示す。なお、結晶化ガラスのDOLはSEM−EDXによるKイオンプロファイルより求めた。 図14(a)〜(c)は、ビッカース圧子を挿入し、加傷3点曲げ強度試験を行った結果を示す図である。図14(a)はイオン交換処理した結晶化ガラス、図14(b)はイオン交換処理した分相ガラス、図14(c)はイオン交換処理した参考ガラスの結果を示す。 図15(a)および図15(b)は、ビッカース圧子を挿入し、加傷3点曲げ強度試験を行った結果を示す図である。図15(a)はイオン交換処理した分相ガラス、図15(b)はイオン交換処理無しの分相ガラスの結果を示す。 図16(a)はサンドペーパー落球試験の試験方法を示す図である。図16(b)はサンドペーパー落球試験の結果を示す図である。図16(c)はイオン交換処理した結晶化ガラス、イオン交換処理した分相ガラス、イオン交換処理した参考ガラスについて、サンドペーパー落球試験後の写真および模式図を示す。 図17(a)はエッジ衝撃試験の試験方法を示す図である。図17(b)は、エッジ衝撃試験の試験結果を示す図である。 図18は、各々イオン交換処理無しまたはイオン交換処理有りの結晶化ガラス、分相ガラスおよび参考ガラスについて、エッジ衝撃試験後の写真および模式図を示す。
以下、本発明の化学強化ガラスの製造方法の好適な実施形態について説明する。
本発明は、分相したガラスをイオン交換処理する工程を含む化学強化ガラスの製造方法である。ガラスの製造方法は特に限定されないが、例えば種々の原料を適量調合し、約1500〜1800℃に加熱し溶融した後、脱泡、撹拌などにより均質化し、周知の、フロート法、ダウンドロー法、プレス法またはロールアウト法などによって板状等に、またはキャストしてブロック状に成形し、徐冷後、任意の形状に加工した後、分相させる処理をし、所望の形状に加工してから、イオン交換処理を施す。
本発明に使用する原料は、酸化物、複合酸化物、炭酸塩、水酸化物等、およびこれらの水和物等が適宜使用できる。酸化物としては、例えば、硅砂(二酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン(La)、ジルコニア(ZrO)、酸化チタン(TiO)および酸化ホウ素(B)等が挙げられる。
複合酸化物としては、例えば、ドロマイト[CaMg(CO]、ジルコン(ZrSiO)、硼砂[Na(OH)・8HO]、メタリン酸ナトリウム(NaPO)等が挙げられる。
炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、ソーダ灰および炭酸カリウム等が挙げられる。水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等が挙げられる。水和物としては、例えば、ホウ酸(HBO)およびリン酸(HPO)等が挙げられる。
これらの原料としては、例えば、天然原料、精製原料および粒度調整原料等が挙げられる。また、ガラスの酸化・還元状態(レドックス)を調整する材料としては、例えば、コークス若しくはショ糖などの有機または無機のカーボンを含有する材料、塩化アンモニウムなどの水素を含有する原料、およびSnOなどの溶解時に酸素を発生させる原料などが挙げられる。
各原料の粒度についても適切な粒度を持った各原料を適宜使用できる。これら溶解時の発生ガス、ガラス中の水分量、酸化還元状態、原料粒度による各原料の溶解速度の調整により、残留泡、異物、凝集物、素地均質性等の品質向上、色味の微調整等に適宜利用することができる。
なお、本発明においては、ガラスを溶融、均質化、成形、徐冷または形状加工等の工程において特段の分相させる処理を行うことなく、溶融、均質、成形、徐冷または形状加工のための熱処理によりガラスが分相したものも分相したガラスに含むものとし、この場合ガラスを分相させる工程は当該溶融等の工程に含まれるものとする。また、ガラスを成形する成形工程の前にガラスを分相させる分相工程をもたせたものも含むものとする。
(1)ガラスの分相
ガラスの分相とは、単一相のガラスが、二つ以上のガラス相に分かれることをいう。ガラスを分相させる方法としては、例えば、ガラスを熱処理する方法が挙げられる。
ガラスを分相するために熱処理する条件としては、典型的には、ガラス転移点より50〜400℃高い温度が好ましい。100℃〜300℃高い温度がより好ましい。ガラスを熱処理する時間は、1〜64時間が好ましく、2〜32時間がより好ましい。量産性の観点からは24時間以下が好ましく、12時間以内がさらに好ましい。ガラスを成形する成形工程の前に、ガラスを分相させる分相工程においては、分相開始温度以下、且つ1200℃超の温度でガラスを保持することが好ましい。
ガラスが分相しているか否かは、SEM(scanning electron microscope、走査型電子顕微鏡)により判断することができる。ガラスが分相している場合、SEMで観察すると、2つ以上の相に分かれていることが観察できる。
(ガラス組成態様1)
以下のガラス組成は、おもにバイノーダルを例示するために作製したガラス組成(ガラス組成態様1)であるが、バイノーダルを示す組成はこれに限らないことはいうまでもない。また、ガラス組成態様1の組成範囲内においても、組成や熱処理温度等によっては、スピノーダルとなりえることはいうまでもない。本発明は、バイノーダルおよびスピノーダルの両分相形態を含む。
分相したガラスは、NaOもしくはLiOまたは両方を含有していることが好ましい。分相したガラスがNaOもしくはLiOまたは両方を含有していることにより、その後のイオン交換処理によるガラスの強度を高めることができる。ガラスにおけるNaOの含有量は、1%以上が好ましい。1%以上とすることにより、イオン交換処理により所望の表面圧縮応力層を形成しやすくなる。好ましくは3%以上、より好ましくは4%以上である。NaOが17%超では耐候性が低下する。好ましくは14%以下、より好ましくは11%以下である。
ガラスにおけるLiOの含有量は、1%以上が好ましい。1%以上とすることにより、イオン交換処理により所望の表面圧縮応力層を形成しやすくなる。好ましくは2%以上、より好ましくは4%以上である。LiOが17%超では耐候性が低下する。好ましくは14%以下、より好ましくは13%以下である。
ガラスにおいてNaOとLiOの両方を含有する場合、NaO+LiO含有量は、2%以上が好ましい。2%以上とすることにより、イオン交換処理により所望の表面圧縮応力層を形成しやすくなる。好ましくは3%以上、より好ましくは4%以上である。NaO+LiOが17%超では耐候性が低下する。好ましくは14%以下、より好ましくは13%以下である。
分相したガラスは、SiO、AlおよびMgOを含有することが好ましい。分相したガラスが、SiO、AlおよびMgOを含有することにより、イオン交換処理しやすくなる、および耐久性、強度が向上する。分相したガラスにおけるSiOの含有量は、50〜80%であることが好ましく、55〜75%であることがより好ましく、60〜70%であることがさらに好ましい。
分相したガラスにおけるAlの含有量は、0〜10%であることが好ましく、1〜7%であることがより好ましく、2〜6%であることがさらに好ましい。なお、例えばAlの含有量は0〜10%が好ましいとは、Alは含有しても含有しなくてもよいが、含有する場合その含有量は10%以下が好ましい、の意である。
分相したガラスにおけるMgOの含有量は、5〜30%であることが好ましく、10〜25%であることがより好ましく、12〜20%であることがさらに好ましい。分相したガラスにおけるBの含有量は0〜6%が好ましく、より好ましくは0.5〜5%、さらに好ましくは1〜4%である。
分相したガラスは、ZrO、PおよびLaから選ばれる少なくとも1を含むことが好ましい。分相したガラスが、ZrO、PおよびLaから選ばれる少なくとも1を含むことにより、ガラスの白みを増すことができる。その合量は0.5〜10%であることが好ましい。
分相したガラスにおけるZrOの含有量は、0〜5%であることが好ましく、0.5〜3%であることがより好ましい。分相したガラスにおけるPの含有量は、0〜10%であることが好ましく、0.5〜8%であることがより好ましく、1〜6%であることがさらに好ましく、2〜5%であることが最も好ましい。分相したガラスにおけるLaの含有量は、0〜2%であることが好ましく、0.2〜1%であることがより好ましい。
分相したガラスは、KOを含有してもよい。KOは溶融性を向上させる成分であるとともに、化学強化におけるイオン交換速度を大きくして所望の表面圧縮応力と応力層深さを得るようにするための成分である。溶融性を向上するためには、1%未満ではその効果が小さい。好ましくは1%以上である。また、イオン交換速度を向上させるためには、好ましくは2%以上、典型的には3%以上である。KOが9%超では耐候性が低下する。好ましくは7%以下、典型的には6%以下である。
(ガラス組成態様2)
以下のガラス組成は、おもにスピノーダルを例示するために作製したガラス組成(ガラス組成態様2)であるが、スピノーダルを示す組成はこれに限らないことはいうまでもない。また、ガラス組成態様2の組成範囲内においても、組成や熱処理温度等によっては、バイノーダルとなりえることはいうまでもない。本発明は、バイノーダルおよびスピノーダルの両分相形態を含む。
分相したガラスは、NaOもしくはLiOまたは両方を含有していることが好ましい。分相したガラスがNaOもしくはLiOまたは両方を含有していることにより、その後のイオン交換処理によるガラスの強度を高めることができる。
ガラスにおけるNaOの含有量は、4%以上が好ましい。4%以上とすることにより、イオン交換処理により所望の表面圧縮応力層を形成しやすくなる。好ましくは6%以上、より好ましくは8%以上、より好ましくは10%以上である。NaOが20%超では耐候性が低下する。好ましくは20%以下、より好ましくは18%以下、より好ましくは16%以下、より好ましくは14%以下である。
NaOとLiOの両方を含有する場合、LiO含有量は、2%以下が好ましい。2%以下とすることにより、ガラス転移点が低下するのを防ぎ、イオン交換の溶融塩の温度が相対的に高くなるのを抑制して表面圧縮応力が入らなくなるのを抑制することができる。好ましくは1%以下、より好ましくは実質的に不含である。
分相したガラスは、SiOおよびCaOを含有することが好ましい。分相したガラスが、SiOおよびCaOを含有することにより、耐久性、強度が向上する。SiOの含有量は、74〜94%であることが好ましく、78〜90%であることがより好ましく、80〜88%であることがより好ましく、82〜86%であることがさらに好ましい。CaOの含有量は、0〜10%であることが好ましく、1〜8%であることがより好ましく、2〜7%であることがより好ましく、3〜6%であることがさらに好ましい。
分相したガラスにおけるMgOの含有量は、0〜4%であることが好ましい。MgOはCaOとほぼ同等の作用を有する。MgOの含有量は、0〜2%であることがより好ましく、0〜1%であることがより好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
分相したガラスにおけるMgOとCaOの合量は、1〜10%であることが好ましく、2〜8%であることがより好ましく、2〜7%であることがより好ましく、3〜6%であることがさらに好ましい。
分相したガラスは、KOを含有してもよい。KOは溶融性を向上させる成分であるとともに、化学強化におけるイオン交換速度を大きくして所望の表面圧縮応力と応力層深さを得ることができる。MgOの含有量は、0〜2%であることがより好ましく、0〜1%であることがより好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
分相したガラスは、Alを含有してもよい。Alはガラスを安定化させる成分であるとともに耐候性を高めることができる。Alの含有量は、0〜2%であることがより好ましく、0〜1%であることがより好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
分相したガラスは、Bを含有してもよい。Bはガラスを安定化させる成分であるとともに耐失透特性を高めることができる。Bの含有量は、0〜2%であることがより好ましく、0〜1%であることがより好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
以下の段落におけるすべての記述は、ガラス組成態様1および2について共通する記述である。
ガラスの溶融の際の清澄剤として、SO、塩化物またはフッ化物、SnO、CeO、Sb、Asなどを適宜含有してもよい。清澄剤の添加量は前記ガラス主成分の合計量を100モル%として、これに相当するモル百分率(外割り)にて表示する。SOの典型的な添加量は、モル百分率表示にて、0.01〜1.5%、好ましくは0.05〜1%、0.1〜0.8%がより好ましい。SOの典型的な残存量は、0.01〜0.5%である。
Clの典型的な添加量は、0.01〜2%、好ましくは0.05〜1.6%、0.1〜1.4%がより好ましい。Clの典型的な残存量は、0.01〜1.0%である。Fの典型的な添加量は、0.01〜3%、好ましくは0.05〜2.4%、0.1〜2.1%がより好ましい。Fの典型的な残存量は、0.01〜1.5%である。
SnOの典型的な添加量または残存量は0.01〜1%、好ましくは0.05〜0.8%、0.1〜0.7%がより好ましい。CeOの典型的な添加量または残存量は、0.01〜1%、好ましくは0.05〜0.8%、0.1〜0.7%がより好ましい。Sbの典型的な添加量または残存量は、0.01〜1%、好ましくは0.05〜0.8%、0.1〜0.7%がより好ましい。
Asの典型的な添加量または残存量は、0.01〜3%、好ましくは0.05〜2%、0.1〜1%がより好ましい。Sbの典型的な添加量または残存量は、0.01〜3%、好ましくは0.05〜2%、0.1〜1%がより好ましい。環境への悪影響を考慮するとAsは使用しないほうが好ましい。Sbもあわせて使用しないとなお好ましい。
分相したガラスの状態としては、バイノーダル状態およびスピノーダル状態が挙げられる。バイノーダル状態とは、核生成―成長機構による分相であり、一般的には球状である。バイノーダル状態とは、具体的には、一方の分離相が独立した球状の形で他方の分離相のマトリクス中に分散した形態をとっている状態である。また、スピノーダル状態とは、分相が、ある程度規則性を持った、3次元で相互かつ連続的に絡み合った状態である。
分相したガラスをイオン交換処理して表面圧縮応力を有する化学強化層における表面圧縮応力を高くするためには、イオン交換処理に供する分相したガラスがバイノーダル状態であることが好ましい。特に、アルカリリッチのマトリックス中に、シリカリッチのその他成分の分散相が存在していることが好ましい。
また、シリカリッチのマトリックス中に、その他の成分の分散相が存在していてもよい。ただし、スピノーダル状態のものを積極的に排除するものではない。また、本発明ではスピノーダル状態のガラス組成としてSiO−RO−R’O系ガラス(R=MgO、CaO、SrO、BaO、R’=Na、K、Li)を示したが、SiO−B−R’O系ガラス(R’=Na、K、Li)を積極的に排除するものではない。
分相したガラスは白色化していることが好ましい。分相したガラスの透過率は、波長400nmの光に対する1mm厚のガラスの透過率T400は典型的には70%以下であり、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましく、5%以下であることがよりさらに好ましく、3%以下であることが特に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。波長400nmの光に対する1mm厚のガラスの透過率T400を30%以下とすることにより、分相したガラスを十分に白色化することができる。
また、本発明の化学強化用分相ガラスは、波長400nmの光に対する1mm厚換算の全光反射率が10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることが特に好ましい。全光反射率が10%以上であることにより、分相したガラスを白色化することができる。
分相したガラスに遮光性を持たせるためには、1mm厚のガラスの波長800nmの光に対する透過率T800、波長600nmの光に対する透過率T600、波長400nmの光に対する透過率T400のいずれもが30%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。分相したガラスの透過率は、通常の透過率測定(直線透過率測定)により測定することができる。なお、いわゆる透明ガラスの波長800nm、波長600nm、波長400nmの光に対する1mm厚換算の透過率T800、T600、T400はいずれも典型的には80%以上である。
分相したガラスを白色化するためには、分相状態における一相の平均サイズまたは分相したガラスにおける分散相の平均粒子径が40〜3000nmであることが好ましく、50〜2000nmであることがより好ましく、100〜1000nmであることがさらに好ましい。典型的には200nm以上または500nm以下である。
分散相の平均粒子径はSEM観察をすることにより測定することができる。ここで、分相状態における一相の平均サイズとは、スピノーダル状態にあっては相互かつ連続的に絡み合った相の幅の平均であり、バイノーダル状態にあっては一方の相が球状の場合はその直径、一方の相が楕円球状の場合はその長径と短径の平均値である。また、分散相の平均粒子径とはバイノーダル状態の場合の前記平均サイズである。
また、分相したガラスを白色化するためには、分相したガラスにおける分散相の粒子とその周りのマトリックスにおける屈折率差が大きいことが好ましい。
さらに、分相したガラスにおける分散相の粒子の体積の割合が5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、20%以上であることがさらに好ましい。ここで、分散相の粒子の体積の割合は、SEM観察写真からガラス表面に分布している分散粒子の割合を計算し、該分散粒子の割合から見積もる。
分相は結晶化を伴うことがある。結晶化は白色化に寄与する可能性がある。そのため、分相+結晶相の複合相を特に排除はしない。ただし、強度低下やイオン交換温度の上昇、イオン交換性能(圧縮応力、応力層厚み)の低下を伴う程度に結晶化がされているものは好ましくない。好ましくは、結晶相の粒子の体積/(分散相の粒子の体積+結晶粒子の体積)が50%以下。好ましくは20%以下。さらに好ましくは10%以下。さらに好ましくは1%以下。さらに好ましくは0%が好ましい。
(2)イオン交換処理
本発明の製造方法においては、分相したガラスをイオン交換処理して化学強化し、高い強度を備えるようにする。化学強化とは、ガラス表面に圧縮応力層を形成し、ガラスの強度を高める方法である。具体的には、ガラス転移点以下の温度でイオン交換によりガラス板表面のイオン半径が小さなアルカリ金属イオン(典型的には、Liイオン、Naイオン)をイオン半径のより大きいアルカリイオン(典型的には、Liイオンに対してはNaイオンまたはKイオンであり、Naイオンに対してはKイオン)に交換する処理である。
化学強化の方法としてはガラス表層のLiOまたはNaOと溶融塩中のNaOまたはKOとをイオン交換できるものであれば特に限定されないが、例えば加熱された硝酸カリウム(KNO)溶融塩にガラスを浸漬する方法が挙げられる。
ガラスに所望の表面圧縮応力を有する化学強化層(表面圧縮応力層)を形成するための条件はガラスの厚さによっても異なるが、温度条件は、350〜550℃であることが好ましく、400〜500℃であることがより好ましい。また、化学強化する時間は、1〜144時間であることが好ましく、2〜24時間であることがより好ましい。溶融塩としては、例えば、KNOおよびNaNOが挙げられる。具体的には、例えば、400〜550℃のKNO溶融塩に2〜24時間ガラスを浸漬させることが典型的である。
(3)圧縮応力層
本発明の製造方法により得られる化学強化ガラス(以下、本発明の化学強化ガラスともいう。)並びに本発明のイオン交換処理された分相ガラスおよび本発明の表面に圧縮応力層を有する分相ガラス(以下、本発明の分相ガラスともいう)は、イオン交換処理によって表面に圧縮応力層を備える。表面圧縮応力は300MPa以上であることが好ましく、400MPa以上であることがより好ましい。表面圧縮応力は光透過性があるものであれば、複屈折を利用して測定することができる。筐体用途に用いられるガラスの製造においては、ガラスが平板状である場合、研磨工程が行われることがある。
ガラスの研磨工程においては、その最終段階の研磨に使用される研磨砥粒の粒径は2〜6μmが典型的であり、このような砥粒によって、ガラス表面には最終的に最大5μmのマイクロクラックが形成されると考えられる。
化学強化による強度向上の効果を有効なものとするためには、ガラス表面に形成されるマイクロクラックより深い表面圧縮応力層があることが好ましく、化学強化によって生じる表面圧縮応力層の深さは6μm以上が好ましい。また、使用時に表面圧縮応力層の深さを超える傷がつくとガラスの破壊につながるため、表面圧縮応力層は深い方が好ましく、10μm以上が好ましく、15μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましく、典型的には30μm以上である。
一方、表面圧縮応力層が深くなりすぎると内部引張応力が大きくなり、破壊時の衝撃が大きくなる。すなわち、内部引張応力が大きいとガラスが破壊する際に細片となって粉々に飛散する傾向があることがわかっている。本発明者らによる実験の結果、厚さ2mm以下のガラスでは、表面圧縮応力層の深さが70μmを超えると、破壊時の飛散が顕著となることが判明した。
したがって、本発明の化学強化ガラスは、表面圧縮応力層の深さは70μm以下が好ましい。本発明の化学強化ガラスを筐体として用いる場合、外装する電子機器にもよるが、例えば表面に接触傷がつく確率が高いパネル等の用途では、安全をみて表面圧縮応力層の深さを薄くしておくことも考えられ、より好ましくは60μm以下、さらに好ましくは50μm以下、典型的には40μm以下である。
例えば、イオン交換処理においてガラス表層のナトリウム成分と溶融塩中のカリウム成分とをイオン交換する場合、EPMA(electron probe micro analyzer、電子線マイクロアナライザー)にてガラスの深さ方向の深さ方向のアルカリイオン濃度分析、この例の場合はカリウムイオン濃度分析を行い、測定により得られたカリウムイオン拡散深さを表面圧縮応力層の深さとみなす。
また、イオン交換処理においてガラス表層のリチウム成分と溶融塩中のナトリウム成分とをイオン交換する場合、EPMAにてガラスの深さ方向のナトリウムイオン濃度分析を行い、測定により得られたナトリウムイオン拡散深さを表面圧縮応力層の深さとみなす。
本発明の化学強化ガラスの引張応力は50MPa以下であることが好ましく、より好ましくは45MPa以下、さらに好ましくは40MPa以下、最も好ましくは30MPa以下である。なお、引張応力は式(表面圧縮応力値×表面圧縮応力層深さ)/(化学強化ガラスの厚み−2×圧縮応力層深さ)で計算される。
なお、本発明の化学強化ガラスの表面圧縮応力層の深さおよび表面圧縮応力値は、EPMAまたは表面応力計(例えば、折原製作所製FSM−6000)等を用いて測定することができる。表面応力計は表層100μm程度以内を伝搬する光の干渉により応力を測定する。従って、白色であっても、光の透過性があれば測定可能である。
(4)3点曲げ強度
本発明の一態様は、3点曲げ強度試験において、ビッカース圧子挿入加重0kgにおける3点曲げ強度からビッカース圧子挿入加重2kgにおける3点曲げ強度を減じた値を、ビッカース圧子挿入加重0kgにおける3点曲げ強度で除した値が70%以下である分相ガラス(以下、本発明の分相ガラスともいう)である。ビッカース圧子を挿入する3点曲げ強度試験による圧子挿入加重0〜2kgにおける3点曲げ強度の減少率は、70%以下であり、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下である。ビッカース圧子を挿入する3点曲げ強度試験による圧子挿入加重0〜2kgにおける3点曲げ強度の減少率が70%以下であることにより、傷に対する高い耐性が得られる。
3点曲げ強度試験は、支持台スパン30mm、クロスヘッド速度0.5mm/分の条件で次のように行う。厚みが1mm、大きさが5mm×40mmで両面を酸化セリウムで鏡面研磨したガラス板を化学強化した後、各ガラス板の中心に温度20〜28℃、湿度40〜60%の条件で、ビッカース硬度計を用いて1kgf=9.8Nから、5kgf=49Nの力でビッカース圧子を打ち込み、圧痕を形成し、曲げ強度(単位:MPa)を測定する。
また、本発明の別の一態様は、ビッカース圧子を2kgfで挿入した時に割れない分相ガラス(以下、本発明の分相ガラスともいう)である。ビッカース圧子を2kgf(19.6N)で挿入した時に割れないことで、傷に対する耐性を高めることができる。好ましくは、5kgf(49N)で挿入した時に割れない分相ガラスである。
(5)サンドペーパー落球試験
ユーザーが携帯して使用する機器を誤って落下させた場合などカバーガラスまたは筺体に衝撃を与えた際に、化学強化したカバーガラスや筺体であっても、圧縮応力層を突き抜ける傷を起点にガラスが比較的遅い速度で割れるスロークラックが生じることがある(以下、このようなガラスの割れ方をスロークラック割れと呼ぶ。)。なお、このスロークラック割れは、一般的に割れ破片が少なく、最も典型的には破壊起点から一本のクラックが延びてカバーガラスが2つに割れる現象である。
スロークラック割れであるか否かは、よりミクロには次のようにして判別される。まず、破壊起点がわかるようなものでなければスロークラック割れとはいえない。また、その破壊起点付近を観察して圧縮応力層を突き抜けるような傷すなわち圧縮応力層深さ(いわゆるDOL)よりも深い傷が破壊起点であることが確認された場合はスロークラック割れである。また、鏡面半径が長く、破面断面が鏡面でありミストやハックルが認められない場合はスロークラック割れである。
次に、スロークラック割れとの対比のため、スロークラック割れではないカバーガラスの割れ方(以下、非スロークラック割れとも呼ぶ。)について説明する。非スロークラック割れとして、ヌープ圧子をガラス表面に押し込んで生じたカバーガラスの割れについて説明する。図6は、非スロークラック割れによるカバーガラスの破壊起点を側方から見た写真を示す図であり、図7は図6の破断面を模式的に示す図である。
この非スロークラック割れの破断面を観察すると、圧縮応力層内に破壊起点が形成され、回りに鏡のように滑らかな鏡面半径の短い鏡面が見られ、さらに鏡面の回りには、ミスト面(mist)が存在する。この非スロークラック割れの破断面解析によれば、鏡面半径の短い鏡面は大きな応力により破壊が進行したことを意味し、ミスト面は、クラックが急速に成長したことを意味している。
従って、図6の破断面によれば、カバーガラスには、圧縮応力層の深さより浅い破壊起点が形成された後、大きな応力で破壊が進行しクラックが急速に成長したことが分かる。非スロークラック割れが生じると、カバーガラスは図8に示すように、蜘蛛の巣状に延びた複数のクラックにより複数(20枚以上)のガラス片となる(以下、このような割れ方をスパイダー割れとも呼ぶ。)。このように、スロークラック割れと非スロークラック割れとは、全く異なるモードで破壊が生じていることが分かる。
非スロークラック割れについては、破壊起点が圧縮応力層内に発生するため、これを防ぐためには表面圧縮応力を大きくすることや圧縮応力層を深くすることが効果的である。
しかし、スロークラック割れについては、破壊起点が圧縮応力層を超えた領域、即ち引張応力層に発生するため(傷の深さは典型的には数十〜数百マイクロメートルで、化学強化による圧縮応力層が数〜数十マイクロメートル)、スロークラック割れの発生しやすいタッチセンサ機能付タブレットPC用カバーガラスまたは筺体用ガラスにおいては、スロークラック割れにも強い機械特性を有するカバーガラスまたは筺体用ガラスを選択する必要がある。
そこで、本発明者らは、このスロークラック割れを再現するための方法として、以下に説明するサンドペーパー落球試験を採用した。そして、そのサンドペーパー落球試験から、閾値を求め、閾値以上の筺体用ガラスをタッチセンサ機能付タブレットPC用筺体用ガラスとすることで、薄型化しつつもスロークラック割れに強いタッチセンサ機能付タブレットPC用筺体用ガラスを提供することを可能とした。
サンドペーパー落球試験は、図9に示すように、表面に圧縮応力層が形成された化学強化ガラス10を基台11上に配置し、圧縮応力層の深さ以上の大きさの研磨材を含むサンドペーパー12の擦り面12aに化学強化ガラス10を接触させ、鉄球等の球体13を上方から落下させるものである。
このとき、サンドペーパー12は、好ましくは化学強化ガラス10の上方に配置され、化学強化ガラス10の上面10aがサンドペーパー12の擦り面12aと接触しており、球体13がサンドペーパー12の擦り面12aとは反対側の面12bに落下する。
基台11としては、花崗岩のような硬い石から形成されることが好ましい。これにより、破壊起点となる傷が発生しやすいフレームに支持された筺体用ガラスの領域と同じように、応力の逃げ場を排除することができる。ただし、基台11の材質は弾性率やたわみを目的にあわせて変更することができ、ストレート材、ガラス、中央がくりぬかれたフレーム等、適宜選択することができる。
本発明におけるサンドペーパーは研磨紙(紙やすり、JIS R6252:2006)に限られず基材に研磨材が接着剤によって塗装されたもの、あるいはそれに相当するものを含み、たとえば研磨布(JIS R6251:2006)、耐水研磨紙(JIS R6253:2006)などを含む。
サンドペーパー12には、含まれる研磨材の粒度に応じてP12〜P2500番が存在する(JIS R6252:2006)。研磨材は、典型的には、アルミナ、炭化ケイ素である。アスファルト・コンクリートに含まれる砂の粒径を0.06mm〜1mmと想定すると、サンドペーパー12に含まれる研磨材の粒度としてP30〜P600が概ねこれと対応する。
例えば圧縮応力層の深さを30μmと想定すると、圧縮応力層の深さよりも大きい研磨材を含むサンドペーパーとしては、P30(D:710μm)、P100(D:180μm)、P320(d:66.8μm)、P600(d:43.0μm)などのサンドペーパーが選択される。
球体13の材質や重量は目的にあわせて変更可能であるが、典型的には、ステンレス鋼製の4〜150gのステンレス球が用いられる。
このように基台11上に配置された化学強化ガラス10に、球体13を落下させることで、化学強化ガラス10にはサンドペーパー12に含まれる研磨材により、上面10a側の圧縮応力層より深いところに破壊起点Oが発生する。
このとき、破壊起点Oに圧縮応力が作用しその周りに引張応力が作用する[図10(a)]。続いて、破壊起点Oには引張応力が作用しクラックCが伸びて、カバーガラスが割れる[図10(b)]。
図11(a)はP30のサンドペーパーの拡大写真であり、図11(b)は、アスファルト・コンクリート(横浜にて採取)の拡大写真であり、図11(c)は、P30のサンドペーパー先端の角度分布と砂の先端の角度分布を示すグラフである。
図11(c)は、それぞれサンドペーパーを144箇所、砂を149箇所観測し、サンドペーパー又は砂の先端角度を横軸に、頻度を縦軸に示したものである。本発明では、P30のサンドペーパーに含まれる研磨材としてのアルミナと、アスファルト・コンクリートに含まれる小石等の形状の近似性から、P30のサンドペーパーが選択された。
本発明の一態様は、分相ガラスを花崗岩からなる基台上に配置し、P30(JIS R6252:2006)のサンドペーパーの擦り面に前記分相ガラスの上面を接触させた状態で、Φ0.75インチ、29gのステンレス鋼からなる球体を上方から落下させるサンドペーパー落球試験において、破壊時の平均落球高さが8cm以上である分相ガラス(以下、本発明の分相ガラスともいう)である。該平均落球高さは8cm以上であり、10cm以上であることが好ましい。サンドペーパー落球試験において、破壊時の平均落球高さが8cm以上であることにより、上からの衝撃に対して高い耐性が得られる。
本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスよりも熱膨張係数が小さいガラスを表面に薄く被覆することで熱膨張差による表面圧縮応力を入れることも可能である。クリアガラスを用いれば、被覆したガラスの表面と裏面の反射により美観が向上する効果も得られる。
本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスは、例えば、電子機器に外装されるものである。携帯電話の外表面は、一方の外表面に液晶パネルまたは有機ELディスプレイからなる表示装置及びボタンからなる操作装置、またはタッチパネルのような表示装置と操作装置が一体となったものが配置され、その周囲を額縁材が囲う構成である。他方の外表面は、パネルで構成される。そして、一方の外表面と他方の外表面との間である機器の厚み部分に枠材がある。これら額縁材と枠材、またはパネルと枠材は一体に構成される場合もある。
本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスは、前述の額縁材、パネルおよび枠材のいずれにも用いることが可能である。また、これらの形状は、平板状であってもよいし、曲面であってもよく、額縁材と枠材、もしくはパネルと枠材との一体構造となった凹状、または凸状であってもよい。
電子機器の内部に設けられる表示装置の光源は、発光ダイオード、有機ELまたはCCFL等の白色光を発するもので構成される。また、有機ELディスプレイのように前記光源を用いず、白色光等を出す発光素子を備えるものもある。これら白色光が分相ガラスを介して機器の外部に漏れると見栄えが悪くなる。そのため、分相ガラスは、白色光を確実に遮光する特性を備えることが好ましい。
本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスを筐体に用いる理由は以下のとおりである。本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスは、ガラスを分相させて、イオン交換処理することにより化学強化された分相ガラスであり、機械的強度および硬度が高く、耐熱性、電気的特性および化学的耐久性に優れた特性を有する。
本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスは、ガラス中の分散相の粒子が光を拡散反射、散乱することで外観が白色を呈する。本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスは、ガラスを透過する白色光を、ガラスの光の散乱を利用して、不透明にする。また、ガラスの表面側において認識し難くするものである。
また、上記本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスの光学特性は、通常の透過率測定(直線透過率測定)により評価することができる。本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスの透過率は、1mm厚のガラスの波長800nmの光に対する透過率T800、波長600nmの光に対する透過率T600、波長400nmの光に対する透過率T400のいずれもが30%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。
本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスに、着色成分として、Co、Mn、Fe、Ni、Cu、Cr、V、Bi、Er、Tm、Nd、Sm、Sn、Ce、Pr、Eu、AgまたはAuを添加してもよい。添加する場合は、酸化物基準のモル%表示で5%以下である。Feは原料中への不純物として0.5%以下の含有は無着色ガラスとして含有してもよい。
また、本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスは、機械的強度等に優れているという特徴がある。そのため、筐体に対して高い強度が求められる、携帯電話等の携帯可能な電子機器の筐体に好ましく用いることができる。
本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスは、平板状だけでなく、凹状または凸状に成形されてもよい。この場合、平板またはブロック等に成形したガラスを再加熱し溶融した状態でプレス成形してもよい。また、溶融ガラスを直接プレス型上に流出しプレス成形する、いわゆるダイレクトプレス法にて所望の形状に成形してもよい。また、電子機器の表示装置またはコネクタに対応する箇所をプレス成形と同時に加工したり、プレス成形後に切削加工等したりしてもよい。
本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスは、携帯型電子機器に好適に用いることができる。携帯型電子機器とは、携帯して使用可能な通信機器または情報機器を包含する概念である。
通信機器としては、例えば、通信端末として、携帯電話、PHS(Personal Handy−phone System)、スマートフォン、PDA(Personal Data Assistance)およびPND(Portable Navigation Device、携帯型カーナビゲーションシステム)があり、放送受信機として携帯ラジオ、携帯テレビおよびワンセグ受信機等が挙げられる。
また、情報機器としては、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯音楽プレーヤー、サウンドレコーダー、ポータブルDVDプレーヤー、携帯ゲーム機、ノートパソコン、タブレットPC、電子辞書、電子手帳、電子書籍リーダー、携帯プリンターおよび携帯スキャナ等が挙げられる。なお、これらに例示に限定されるものではない。
これら携帯型電子機器に本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスを用いることで、高い強度と美観を備えた携帯型電子機器を得ることができる。
なお、高い強度と美観を備えた本発明の分相ガラスおよび化学強化ガラスは、デスクトップパソコン、大型テレビ、建材、家具または家電製品などにも適用可能である。
(1)透過率(%)
ガラスの透過率は、上下面が鏡面加工された1mm厚のガラスを用いて波長400〜800nmの分光透過率を取得した。なお、分光透過率の測定は波長400〜1200nmについて行った。
(2)3点曲げ強度(MPa)
3点曲げ強度は、サンプル形状を40×5×1mmとし、室温において、クロスヘッド速度0.5mm/分、支持台スパン30mmの条件で測定した。両面を酸化セリウムで鏡面研磨したガラス板を化学強化した後、各ガラス板の中心に温度20〜28℃、湿度40〜60%の条件で、ビッカース硬度計を用いて所定の力でビッカース圧子を打ち込み、圧痕を形成し、曲げ強度(単位:MPa)を測定した。
(3)表面圧縮応力値(CS)、圧縮応力層深さ(DOL)
表面圧縮応力値(CS)および圧縮応力層の深さ(DOL)は、折原製作所社製表面応力計(FSM−6000)を用いて測定した。
(4)サンドペーパー落球試験
サンドペーパー落球試験は、厚さ:0.8mm、サイズ:50mm×50mmに切断した化学強化ガラスを15枚用意し、15枚のガラスを順次花崗岩からなる基台上に配置し、P30(JIS R6252:2006)のサンドペーパーの擦り面にガラスの上面を接触させた状態で、Φ0.75インチ、29gのステンレス鋼からなる球体を上方から落下させ、破壊時の落球高さの単純平均を算出して平均破壊高さとした。図16(a)にサンドペーパー落球試験方法の模式図を示す。
(5)エッジ強度試験
ガラス板のエッジ強度は、「JIS R 1601:2008年ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法」に準じた。図17(a)にエッジ強度試験の試験方法の模式図を示す。
[実施例1]
(1)熱処理(分相処理)
表1に示す組成の原料を1650℃で溶解し、730℃で徐冷したサンプルに熱処理を施した。なお、表1に示す組成に、その質量の0.1〜0.4%に相当する質量の硫酸ナトリウムを添加した。900℃で4時間熱処理した後、ガラスが分相したことをSEMにより確認した。その結果を図1(a)および図1(b)に示す。図1(a)が実施例1−1、図1(b)が実施例1−2の結果である。
図1(a)および(b)に示すように、実施例1−1および実施例1−2のいずれについても分相が起こり、乳白色のサンプルが得られた。実施例1−2は実施例1−1にPを1mol%添加した組成であるが、融液を流し出した時点で分相し、さらに熱処理を施すことで、実施例1−1と比較して劇的に白みが増していた。
また、図1(a)および(b)に示すように、実施例1−1および実施例1−2のいずれについてもバイノーダル状態であることが確認された。さらに、分散相の平均粒径は、実施例1−1については100nm以下、実施例1−2については250nm以下であり、Pを1mol%添加することで、分散相の粒径が2倍以上増加し、図2に示すように透過率が減少することがわかった。
(2)イオン交換処理
次に、(1)において分相させた実施例1−1および実施例1−2のサンプルについて、450℃の100%KNO溶融塩中にサンプルを92時間浸漬してイオン交換処理することにより化学強化した。
実施例1−1について化学強化されたサンプル断面を、SEM−EDXにより観察した結果を図3に示す。図3に示すように、ガラス表面から8μm付近までKが拡散していることがわかった。
また、1mm厚のガラスを用いて表面応力計FSM−6000(折原製作所)にて、表面圧縮応力を測定した結果、表面圧縮応力は実施例1−1については437MPa、実施例1−2については428MPaであった。
また、3点曲げ強度をインストロン8561(インストロン社)により測定した結果を図4および表1に示す。実際に、化学強化による表面圧縮応力の効果を確認するために、化学強化前後での3点曲げ強度を測定した。その結果を図4および表1に示す。図4において、実施例2−2は実施例1−1と同一のサンプルであり、実施例2−5は実施例1−2と同一のサンプルである。図4および表1に示すように、実施例1−1および実施例1−2のいずれについても、化学強化前と比較して化学強化後の強度が増加していることがわかった。
これらの結果から、ガラスを分相した後に、イオン交換処理することで、白色化されて低い透過率を有するとともに、化学強化されて強度の向上したガラスが得られることがわかった。なお、実施例1−1、実施例2−1の波長400nmにおける1mm厚換算の全光反射率は、それぞれ56%、74%であった。
Figure 0006176241
[実施例2]
(1)分相処理(熱処理)
表2〜4に示す組成の原料を1650℃で溶解し、表2〜4に示す徐冷温度で徐冷したサンプルを、表2〜4に示す条件で熱処理して分相させた。なお、ガラスを溶解、成形、徐冷の工程において分相したサンプルは「未処理」と記載してある。得られたサンプルの透過率を測定した結果を表2〜4、並びに図5に示す。また、SEMで分相状態を観察した結果を表2〜4に示す。
なお、実施例2−3、実施例2−6、実施例2−7については、分相させるための熱処理はしていないが、ガラスを溶融するための熱処理で白みを帯びて分相し、低い透過率が得られた実施例である。また、実施例2−2は実施例1−1と同一のサンプルであり、実施例2−5は実施例1−2と同一のサンプルである。
[比較例2]
表2の比較例2−1は、分相状態でないガラスの比較例である。
(2)イオン交換処理
次に、分相した実施例2−1〜2−20の1mm厚のサンプルについて、100%KNO溶融塩中にサンプルを表2〜4に示す条件でイオン交換処理して化学強化した後、表面圧縮応力値(CS)および圧縮応力層深さ(DOL)を測定し、CS/DOLを算出した。その結果を表2〜4示す。
表2〜4に示すように、ガラスを分相した後に、イオン交換処理することで、白色化されて低い透過率を有するとともに、化学強化されて強度の向上したガラスが得られることがわかった。
Figure 0006176241
Figure 0006176241
Figure 0006176241
[実施例3]
以下に示すガラスを結晶化ガラス、分相ガラス(バイノーダル)、参考ガラスとして用いた。
(1)結晶化ガラス
組成がモル%表示で、SiO 50.4%、Al 22.7%、TiO 6.9%、NaO 12.5%、KO 7.5%であるガラスを850℃で4時間熱処理した後、1100℃で4時間熱処理して結晶化させたガラスを結晶化ガラスとした。
結晶化ガラスは、KNOにより450℃にて30時間イオン交換処理することにより化学強化した。
(2)分相ガラス
組成がモル%表示で、SiO 59.7%、Al 3.3%、B 3.9%、MgO 14.9%、ZrO 4.1%、NaO 9.1%、P 5.0%であるガラスを900℃で4時間熱処理して分相化させたガラスを分相ガラスとした。
分相ガラスは、KNOにより450℃にて6時間イオン交換処理することにより化学強化した。
(3)参考ガラス
組成がモル%表示で、SiO 63.1%、Al 7.9%、NaO 12.3%、MgO 10.3%、KO 3.9%、ZrO 0.4%に着色剤を添加したガラスを参考ガラスとした。
参考ガラスは、KNOにより425℃にて6時間イオン交換処理することにより化学強化した。
結晶化ガラス、分相ガラスおよび参考ガラスをイオン交換処理(IOXとも記載する。)し、表面圧縮応力値(CS)、圧縮応力層深さ(DOL)を測定した結果、および、3点曲げ強度試験で破壊されたガラスの写真および模式図を図13に示す。
図13に示すように、結晶化ガラスは30時間と長時間にわたりイオン交換処理したにもかかわらず圧縮応力層の深さが5μm未満であるのに対し、分相ガラスは6時間と短時間のイオン交換処理により圧縮応力層の深さが21μmと深く、傷に対する耐性が非常に高いことがわかった。参考ガラスと比較しても、分相ガラスは遜色の無い結果が得られた。
また、図13の写真および模式図に示すように、3点曲げ強度試験で破壊された場合のガラスの割れ方についても、結晶化ガラスは粉々に割れているのに対し、分相ガラスは形をある程度残してわれており、イオン交換処理した分相ガラスは、イオン交換処理した結晶化ガラスに対して鋭利な割れ方であり、飛散しないため安全性が高いことがわかった。
[実施例4]圧子挿入による観察
実施例3と同様に調製した、それぞれイオン交換処理(IOXとも記載する。)した結晶化ガラス、分相ガラスおよび参考ガラスについて、ビッカースまたは対面角110°の正四角錐の形をした圧子を各荷重でガラスに挿入した。その結果を図12に示す(n=10)。図12において、「破損」は傷を付けた瞬間にガラスが割れてしまったことを示す。
図12に示すように、イオン交換処理した結晶化ガラスは圧縮応力層の深さが深くないため、傷を付けることにより割れやすくなっていることがわかった。これに対し、イオン交換処理した分相ガラスは、圧子の挿入により傷は入るが割れにくく、110°に関してはイオン交換処理した参考ガラスより傷に対する高い耐性を示した。
[実施例5]3点曲げ強度試験
実施例3と同様に調製した、それぞれイオン交換処理した結晶化ガラス、分相ガラスおよび参考ガラスについて、ビッカース圧子を挿入し、加傷3点曲げ強度試験を行った。その結果を図14(a)〜(c)に示す。
図14(a)に示すように、イオン交換処理した結晶化ガラスは、圧子により傷を付けることによって3点曲げ強度が著しく低下し、圧子挿入加重0〜2kgの3点曲げ強度の減少率は、100%であった。これは、結晶化ガラスはイオン交換処理による圧縮応力層の深さが少ないためである。
これに対し、図14(b)に示すように、イオン交換処理した分相ガラスは傷を付けても3点曲げ強度は低下せず、図14(c)に示す参考ガラスと同様の強度を示し、傷に対する耐性が高いことがわかった。なお、圧子挿入加重0〜2kgにおける3点曲げ強度の減少率は、分相ガラスは52.8%、参考ガラスは58.2%であった。
[実施例6]3点曲げ強度試験
実施例3と同様に調製した分相ガラスについて、イオン交換処理有りの場合と、イオン交換処理無しの場合とにおいて、ビッカース圧子で加傷し3点曲げ強度試験を行った。その結果を図15(a)および(b)に示す。
図15(a)に示すように、イオン交換無しの場合[図15(b)]と比較して、イオン交換処理した分相ガラスは、傷に対する強度が顕著に向上することが分かった。
[実施例7]耐酸性試験、耐アルカリ性試験、耐水性試験
実施例3と同様に調製した、それぞれイオン交換処理(IOXとも記載する。)した結晶化ガラス、分相ガラスおよび参考ガラスについて、表5に示す条件により耐酸性試験、耐アルカリ性試験および耐水性試験を行った。塩酸の濃度は0.1規定(0.1M)、水酸化ナトリウムの濃度は0.1規定(0.1M)である。(なお、結晶化ガラスの耐酸性試験は、試験時間2時間である。)その結果を表6に示す。
Figure 0006176241
Figure 0006176241
表6に示すように、耐酸性について、分相ガラスは参考ガラスと同様にほとんど重量変化はなく耐酸性が高いのに対し、結晶化ガラスは耐酸性が低いことが分かった。なお、結晶化ガラスは耐酸性試験により、ガラス表面が剥離した。
また、耐アルカリ性については、分相ガラスは、結晶化ガラスと比較して耐アルカリ性が高いことが分かった。なお、参考ガラスは、耐アルカリ性試験により、表面が荒れて色ムラが生じた。
[実施例8]サンドペーパー落球試験
実施例3と同様に調製し、それぞれイオン交換処理(IOXとも記載する。)した結晶化ガラス、分相ガラスおよび参考ガラスについて、サンドペーパー落球試験を行った。その結果を図16(b)および図16(c)に示す。
図16(b)に示すように、イオン交換処理した結晶化ガラスは破壊時の平均落球高さが低く、図16(c)に示すように粉々に飛び散るように割れた。これに対し、図16(b)に示すように、イオン交換処理した分相ガラスは破壊時の平均落球高さが高く、図16(c)に示すように、イオン交換処理した参考ガラスと同様に粉々に割れることなかった。この結果から、イオン交換処理した分相ガラスは上からの衝撃に強く、イオン交換処理した結晶化ガラスに対して強度が高いことが分かった。
[実施例9]エッジ強度試験
実施例3と同様に調製し、それぞれイオン交換処理(IOXとも記載する。)無しまたはイオン交換処理有りの場合における結晶化ガラス、分相ガラスおよび参考ガラスについて、エッジ強度試験を行った。その結果を図17(b)および図18に示す。
図17(b)に示すように、イオン交換処理無しの場合は結晶化ガラス、分相ガラスおよび参考ガラスのいずれの場合も平均強度は0.07J以下であった。また、図17(b)に示すように、イオン交換処理有りの場合は、いずれの場合も0.1J以上であった。イオン交換処理なしの分相ガラスの場合は0.04Jであったが、イオン交換処理した分相ガラスは0.11Jに向上した。
一方、図17(b)に示すようにイオン交換した結晶化ガラスは、平均衝撃クラックエネルギーは0.4J程度であったが、図18に示す写真および図は0.2Jでも、飛び散るように粉々に割れた。一方、図18に示すように、分相ガラスは飛び散るように割れることがなく、エッジ衝撃に対しても高い耐性を示すことがわかった。
[実施例10]
表7〜13に示す組成の原料を1550℃〜1650℃で溶解した。なお、表7〜13に示す組成にその質量の0.1〜0.4%に相当する重量の硫酸ナトリウムを添加した。表7〜13には、分相ガラスの熱処理条件、透過率および表面圧縮応力(CS)と圧縮応力深さ(DOL)を測定した結果も示す。表7において、例10−1、例10−3〜10−70は実施例、例10−2は参考例である。
Figure 0006176241
Figure 0006176241
Figure 0006176241
Figure 0006176241
Figure 0006176241
Figure 0006176241
Figure 0006176241
表7〜13に示すように、イオン交換処理した分相ガラスは、電子機器の筐体に好適な遮蔽性を備えるとともに、強度に優れていることがわかった。
[実施例11]
表14に示す組成の原料を1650℃で溶解した。なお、表14に示す組成にその質量の0.4%に相当する重量の硫酸ナトリウムを添加した。例11−1〜11−3のいずれについてもスピノーダル状態の分相ガラスであることが確認された。
表14に、分相ガラスのガラス転移温度(Tg)、分相熱処理条件、透過率、表面圧縮応力(CS)と圧縮応力深さ(DOL)、3点曲げ強度試験において圧子挿入加重0kgと2kgでの破壊強度を示す。カッコ付きは推定値である。表14において、例11−1〜11−3は実施例である。
また、図12(分相ガラス スピノーダル)に、ビッカースまたは対面角110°の正四角錐の形をした圧子を加重0.5〜10kgで挿入した例11−2のガラスを観察した結果を示す。
Figure 0006176241
表14および図12に示すように、スピノーダル状態の分相ガラスをイオン交換処理した化学強化ガラスは、バイノーダル状態の分相ガラスの場合と同様に、電子機器の筐体に好適な遮蔽性を備えるとともに、化学強化処理により十分な表面圧縮応力と圧縮応力層深さを付与することができ、電子機器の筐体として十分な強度を有していることがわかった。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更および変形が可能であることは、当業者にとって明らかである。なお本出願は、2012年4月27日付で出願された日本特許出願(特願2012−104059)および2012年11月2日付で出願された日本特許出願(特願2012−242555)に基づいており、その全体が引用により援用される。
10 化学強化ガラス
10a 上面
11 基台
12 サンドペーパー
12a 擦り面
13 球体
O 破壊起点
C クラック

Claims (13)

  1. 分相したガラスをイオン交換処理する工程を含み、
    前記分相したガラスは、波長400nmでの1mm厚換算の直線透過率が30%以下でり、
    酸化物基準のモル百分率表示で、SiO を50〜80%、Al を1〜10%、MgOを10〜30%、Na Oを1%以上含有するガラスである
    化学強化ガラスの製造方法。
  2. 分相したガラスがバイノーダル状態のガラスである請求項1に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  3. 分相したガラスが、波長400nmでの1mm厚換算の全光反射率が10%以上である請求項1または2に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  4. イオン交換処理され、
    波長400nmでの1mm厚換算の直線透過率が30%以下であり、
    酸化物基準のモル百分率表示で、SiO を50〜80%、Al を1〜10%、MgOを10〜30%、Na Oを1%以上含有する分相ガラス。
  5. 表面に圧縮応力層を有する請求項4に記載の分相ガラス。
  6. 表面圧縮応力が300MPa以上であり、かつ、引張応力が50MPa以下である請求項5に記載の分相ガラス。
  7. 3点曲げ強度試験において、ビッカース圧子挿入加重0kgにおける3点曲げ強度からビッカース圧子挿入加重2kgにおける3点曲げ強度を減じた値を、ビッカース圧子挿入加重0kgにおける3点曲げ強度で除した値が70%以下である請求項4〜6のいずれか1項に記載の分相ガラス。
  8. ビッカース圧子を19.6Nで挿入した時に割れない請求項4〜7のいずれか1項に記載の分相ガラス。
  9. 分相ガラスを花崗岩からなる基台上に配置し、P30(JIS R6252:2006)のサンドペーパーの擦り面に該分相ガラスの上面を接触させた状態で、29gのステンレス鋼からなる直径19.1mmの球体を上方から落下させるサンドペーパー落球試験において、破壊時の平均落球高さが8cm以上である請求項4〜8のいずれか1項に記載の分相ガラス。
  10. 波長400nmでの1mm厚換算の全光反射率が10%以上である請求項4〜9のいずれか1項に記載の分相ガラス。
  11. 請求項4〜10のいずれか1項に記載の分相ガラスであって、一方の分離相が独立した球状の形で他方の分離相のマトリクス中に分散した形態をとっているバイノーダル状態の分相ガラス。
  12. 独立した球状の形で分散している分離相の平均直径が40〜3000nmである請求項11のいずれか1項に記載の分相ガラス。
  13. 請求項4〜12のいずれか1項に記載の分相ガラスを有する電子機器筺体。
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