JP6249218B2 - ガラスの製造方法及びガラス - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスの製造方法及びガラスに関し、具体的には、光散乱機能を有する分相ガラスの製造方法、分相ガラス及び熱処理により分相するガラスに関する。
近年、家電製品の普及、大型化、多機能化等の理由から、家庭等の生活空間で消費されるエネルギーが増えている。特に、照明機器のエネルギー消費が多くなっている。このため、高効率の照明が活発に検討されている。
照明用光源は、限られた範囲を照らす「指向性光源」と、広範囲を照らす「拡散光源」とに分けられる。LED照明は、「指向性光源」に相当し、白熱球の代替として採用されつつある。その一方で、「拡散光源」に相当する蛍光灯の代替光源が望まれており、その候補として、有機EL(エレクトロルミネッセンス)照明が有力である。
有機EL素子は、ガラス板と、陽極である透明導電膜と、電流の注入によって発光するエレクトロルミネッセンスを呈する有機化合物からなる一層又は複数層の発光層を含む有機EL層と、陰極とを備えた素子である。有機EL素子に用いられる有機EL層として、低分子色素系材料、共役高分子系材料等が用いられており、発光層を形成する場合、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層等との積層構造が形成される。このような積層構造を有する有機EL層を、陽極と陰極の間に配置し、陽極と陰極に電界を印加することにより、陽極である透明電極から注入された正孔と、陰極から注入された電子とが、発光層内で再結合し、その再結合エネルギーによって発光中心が励起されて、発光する。
有機EL素子は、携帯電話、ディスプレイ用途として検討が進められており、一部では既に実用化されている。また、有機EL素子は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の薄型テレビと同等の発光効率を有している。
しかし、有機EL素子を照明用光源に適用するためには、輝度が未だ実用レベルに到達しておらず、更なる発光効率の改善が必要である。
ガラス板と空気の屈折率差に起因して、ガラス板内に光が閉じ込められることが輝度低下の原因の一つである。例えば、屈折率n1.5のガラス板を用いた場合、空気の屈折率nは1.0であるため、臨界角はスネルの法則より42°と計算される。よって、この臨界角以上の入射角の光は、全反射を起こし、ガラス板内に閉じ込められて、空気中に取り出されないことになる。
特開2012−25634号公報
上記問題を解決するために、透明導電膜等とガラス板の間に、光取り出し層を形成することが検討されている。例えば、特許文献1には、ソーダガラス板の表面に、高屈折率のガラスフリットを焼結させた光取り出し層を形成すると共に、光取り出し層内に散乱物質を分散させることにより、光取り出し効率を高めることも記載されている。
しかし、ガラス板の表面に光取り出し層を形成するためには、ガラス板の表面にガラスペーストを塗布する印刷工程が必要になり、この工程は生産コストの高騰を招く。更に、ガラスフリット中に散乱粒子を分散させる場合、散乱粒子自体の吸収により光取り出し層の透過率が低くなる。更に、特許文献1に記載のガラスフリットは、Nb等のレアメタル酸化物を多量に含むため、原料コストが高価である。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、焼結体からなる光取り出し層を形成しなくても、有機EL素子の光取り出し効率を高めることができ、しかも生産性の向上に資するガラスの製造方法を創案することである。
本発明者等は、鋭意検討の結果、熱処理により分相ガラスを得た後に、これを有機ELデバイスに適用することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラスの製造方法は、溶融ガラスを成形した後、熱処理して、少なくとも第一の相と第二の相を含む分相構造を有するガラスを得ると共に、得られたガラスを有機ELデバイスに用いることを特徴とする。
なお、本発明では、未だ分相していないガラスを熱処理して、分相ガラスとする場合のみならず、既に分相しているガラスを熱処理する場合を含む。前者の場合は、成形時に局所的に特定の相の濃度が高くなり過ぎて、ガラスが失透する事態を回避し易くなると共に、分相性を制御し易くなる。後者の場合は、分相性を制御しつつ、熱処理効率を高めることができる。なお、分相の有無は、目視で確認可能であるが、正確には、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察することにより確認可能である。この処理を行うと、Bに富む相が塩酸溶液により溶出し、SiOに富む相が塩酸溶液に溶出しない。また、本発明でいう「熱処理」は、成形後に、徐冷点以下の温度まで冷却した後、分相が生じる温度域まで昇温することを意味する。更に、本発明でいう「有機ELデバイス」には、有機EL照明のみならず、有機ELディスプレイ等が含まれる。
本発明のガラスの製造方法では、熱処理により、少なくとも第一の相と第二の相を含む分相構造を有するガラスを得る。このようにすれば、得られたガラスを有機ELデバイスに適用した場合に、有機EL層から入射した光が、第一の相と第二の相の界面で散乱し、有機EL素子の光取り出し効率を高めることができる。
また、有機ELデバイスの素子構造により最適な散乱特性は相違する。そこで、溶融ガラスを成形した後に熱処理すれば、得られるガラスの分相性を制御することが可能になり、同一の母材ガラスから異なる散乱機能を有するガラスを作製することができる。結果として、ガラスの生産性を高めることができる。
更に、成形時にガラスを分相させると、ガラスが失透し易くなるという問題があるが、成形後に熱処理すれば、成形時のガラスの分相を抑制し得るため、このような問題を回避し易くなる。なお、分相現象は、熱処理条件(熱処理温度、熱処理時間)以外にも、ガラス組成、成形条件、徐冷条件等により制御することができる。
第二に、本発明のガラスの製造方法は、第一の相中のSiOの含有量が、第二の相中のSiOの含有量よりも多いことが好ましい。このようにすれば、得られたガラスを有機ELデバイスに適用した場合に、有機EL層から入射した光が、第一の相と第二の相の界面で散乱し易くなり、有機EL素子の光取り出し効率を高めることができる。
第三に、本発明のガラスの製造方法は、第二の相中のBの含有量が、第一の相中のBの含有量よりも多いことが好ましい。このようにすれば、得られたガラスを有機ELデバイスに適用した場合に、有機EL層から入射した光が、第一の相と第二の相の界面で散乱し易くなり、有機EL素子の光取り出し効率を高めることができる。
第四に、本発明のガラスの製造方法は、ガラスが、ガラス組成として、質量%で、SiO 30〜75%、B 0.1〜50%、Al 0〜35%を含有することが好ましい。このようにすれば、熱処理により特定の分相ガラスを作製し易くなり、またガラス板の生産性を高めることもできる。
第五に、本発明のガラスの製造方法は、ガラスが、ガラス組成中に、実質的にレアメタル酸化物を含まないことが好ましい。ここで、本発明でいう「レアメタル酸化物」は、La、Nd、Gd、CeO等の希土類酸化物、Y、Nb、Taを指す。また、「実質的にレアメタル酸化物を含まない」とは、ガラス組成中のレアメタル酸化物の含有量が0.1質量%以下の場合を指す。
第六に、本発明のガラスの製造方法は、ガラスの屈折率nが1.50超であることが好ましい。輝度を低下させる原因の一つとして、屈折率の不整合の問題が挙げられる。具体的には、透明導電膜の屈折率nは1.9〜2.0であり、有機EL層の屈折率nは1.8〜1.9である。これに対して、ガラス板の屈折率nは、通常、1.5程度である。よって、従来の有機ELデバイスは、ガラス板と透明導電膜等の屈折率差が大きいことに起因して、有機EL層から入射した光がガラス板と透明導電膜等の界面で反射し、光取り出し効率が低下するという問題があった。そこで、上記のようにガラスの屈折率nを規制すれば、ガラス板と透明導電膜等の屈折率差が小さくなり、有機EL層から入射した光がガラス板と透明導電膜等の界面で反射し難くなる。ここで、「屈折率n」は、屈折率測定器で測定したd線のを指す。例えば、まず25mm×25mm×約3mmの直方体試料を作製し、(徐冷点Ta+30℃)から(歪点Ps−50℃)までの温度域を0.1℃/分の冷却速度で徐冷処理した後、屈折率nが整合する浸液を浸透させながら、島津製作所製の屈折率測定器KPR−2000により測定可能である。
第七に、本発明のガラスの製造方法は、平板形状に成形することが好ましい。
第八に、本発明のガラスの製造方法は、オーバーフローダウンドロー法で成形することが好ましい。ここで、「オーバーフローダウンドロー法」は、耐熱性の樋状構造物の両側から、溶融ガラスを溢れさせて、樋状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス板を成形する方法である。
第九に、本発明のガラスの製造方法は、得られたガラスを有機EL照明に用いることが好ましい。
第十に、本発明のガラスは、上記のガラスの製造方法により作製されたことを特徴とする。
第十一に、本発明のガラスは、熱処理により、分相していない状態から、少なくとも第一の相と第二の相に分相する性質を有し、且つ有機ELデバイスに用いることを特徴とする。
第十二に、本発明のガラスは、熱処理前の波長435nm、546nm及び700nmにおけるヘイズ値が5〜100%であることが好ましい。ここで、「ヘイズ値」は、(拡散透過率)×100/(全光線透過率)で算出される値である。「拡散透過率」は、分光光度計(例えば、島津製作所製UV−2500PC)により厚み方向で測定した値であり、例えば、両表面が鏡面研磨されたガラスを測定試料とすることができる。「全光線透過率」は、分光光度計(例えば、島津製作所製UV−2500PC)により厚み方向で測定した値であり、例えば、両表面が鏡面研磨されたガラスを測定試料とすることができる。
第十三に、本発明のガラスは、熱処理後の波長435nm、546nm及び700nmにおけるヘイズ値が0〜80%であることが好ましい。
[実施例2]に係る試料No.2を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例2]に係る試料No.9を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例2]に係る試料No.10を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例2]に係る試料No.11を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例2]に係る試料No.12を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例2]に係る試料No.13を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例2]に係る試料No.14を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例2]に係る試料No.15を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例2]に係る試料No.16を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例2]に係る試料No.17を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例2]に係る試料No.18を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例2]に係る試料No.19を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例2]に係る試料No.20を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例3]に係る試料No.19をリメルトした後、熱処理を行わずに、約10mm×30mm×1.0mm厚のガラス板に加工した後、その両表面を鏡面研磨した場合の外観写真である。 [実施例3]に係る試料No.19をリメルトし、840℃で20分間熱処理した後、約10mm×30mm×1.0mm厚のガラス板に加工し、その両表面を鏡面研磨した場合の外観写真である。 [実施例3]に係る試料No.19をリメルトし、840℃で40分間熱処理した後、約10mm×30mm×1.0mm厚のガラス板に加工し、その両表面を鏡面研磨した場合の外観写真である。
本発明のガラスの製造方法は、熱処理により、少なくとも第一の相と第二の相を含む分相構造を有するガラスを得ることを特徴とし、第一の相中のSiOの含有量が、第二の相中のSiOの含有量よりも多く、また第二の相中のBの含有量が、第一の相中のBの含有量よりも多いことが好ましい。このようにすれば、第一の相と第二の相の屈折率が相違し易くなり、ガラスの散乱機能を高めることができる。
本発明のガラスの製造方法において、溶融ガラスを成形した後の熱処理温度は、好ましくは600℃以上、700℃以上、750℃以上、特に800℃以上である。このようにすれば、分相性を高めることができる。一方、熱処理温度は、好ましくは1100℃以下、特に1000℃以下である。熱処理温度が高過ぎると、熱処理コストが増大することに加えて、散乱強度が強くなり過ぎて、直線透過率、全光線透過率等が低下する虞がある。
本発明のガラスの製造方法において、熱処理時間は、好ましくは1分間以上、特に5分間以上である。このようにすれば、分相性を高めることができる。一方、熱処理温度は、好ましくは60分間以下、特に40分間以下である。熱処理時間が高過ぎると、熱処理コストが増大することに加えて、散乱強度が強くなり過ぎて、直線透過率、全光線透過率等が低下する虞がある。
本発明のガラスの製造方法において、ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 30〜75%、B 0.1〜50%、Al 0〜35%を含有することが好ましい。このようにすれば、分相性が向上し、光散乱機能を高め易くなる。以下、上記のように各成分を限定した理由を説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、質量%を意味する。
SiOの含有量は30〜75%が好ましい。SiOの含有量が多くなると、溶融性、成形性が低下し易くなり、また屈折率が低下し易くなる。よって、SiOの好適な上限範囲は75%以下、70%以下、65%以下、特に60%以下である。一方、SiOの含有量が少なくなると、ガラス網目構造を形成し難くなり、ガラス化が困難になる。またガラスの粘性が低下し過ぎて、高い液相粘度を確保し難くなる。よって、SiOの好適な下限範囲は30%以上、35%以上、特に38%以上である。
の含有量は0.1〜50%が好ましい。Bは、分相性を高める成分であるが、Bの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなることに加えて、耐酸性が低下し易くなる。よって、Bの好適な上限範囲は50%以下、40%以下、30%以下、特に25%以下であり、好適な下限範囲は0.1%以上、0.5%以上、1%以上、4%以上、7%以上、特に10%以上である。
Alの含有量は0〜35%が好ましい。Alは、耐失透性を高める成分であるが、Alの含有量が多過ぎると、分相性が低下し易くなることに加えて、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に耐失透性が低下し易くなる。また耐酸性が低下し易くなる。よって、Alの好適な上限範囲は35%以下、30%以下、25%以下、特に20%以下であり、好適な下限範囲は0.1%以上、3%以上、5%以上、8%以上、特に10%以上である。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を導入することができる。
LiOの含有量は0〜30%が好ましい。LiOは、分相性を高める成分であるが、LiOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下し易くなり、また歪点が低下し易くなる。更に、酸によるエッチング工程において、アルカリ成分が溶出し易くなる。よって、LiOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、1%以下、特に0.5%以下である。
NaOの含有量は0〜30%が好ましい。NaOは、分相性を高める成分であるが、NaOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下し易くなり、また歪点が低下し易くなる。更に、酸によるエッチング工程において、アルカリ成分が溶出し易くなる。よって、NaOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、1%以下、特に0.5%以下である。
Oの含有量は0〜30%が好ましい。KOは、分相性を高める成分であるが、KOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下し易くなり、また歪点が低下し易くなる。更に、酸によるエッチング工程において、アルカリ成分が溶出し易くなる。よって、KOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、1%以下、特に0.5%以下である。
MgOの含有量は0〜30%が好ましい。MgOは、屈折率、ヤング率、歪点を高める成分であると共に、高温粘度を低下させる成分であるが、MgOを多量に含有させると、液相温度が上昇して、耐失透性が低下したり、密度が高くなり過ぎる虞がある。よって、MgOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、特に10%以下であり、好適な下限範囲は0.1%以上、1%以上、3%以上、特に5%以上である。
CaOの含有量は0〜30%が好ましい。CaOは、高温粘度を低下させる成分であるが、CaOの含有量が多くなると、密度が高くなり易く、またガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、CaOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、特に10%以下、5%以下、特に3%以下であり、好適な下限範囲は0.1%以上、0.5%以上、特に1%以上である。
SrOの含有量は0〜30%が好ましい。SrOの含有量が多くなると、屈折率、密度が高くなり易く、またガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、SrOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、特に10%以下であり、好適な下限範囲は1%以上、3%以上、特に5%以上である。
BaOは、アルカリ土類金属酸化物の中ではガラスの粘性を極端に低下させずに、屈折率を高める成分である。BaOの含有量が多くなると、屈折率、密度が高くなり易く、またガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、BaOの好適な上限範囲は40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、特に5%以下であり、好適な下限範囲は0.1%以上、特に1%以上である。
ZnOは、屈折率、歪点を高める成分であると共に、高温粘度を低下させる成分であるが、ZnOを多量に導入すると、液相温度が上昇して、耐失透性が低下する。よって、ZnOの好適な上限範囲は20%以下、10%以下、5%以下、特に3%以下であり、好適な下限範囲は0.1%以上、特に1%以上である。
TiOは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜20%が好ましい。しかし、TiOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。また全光線透過率が低下する虞がある。よって、TiOの好適な上限範囲は20%以下、特に10%以下であり、好適な下限範囲は0.001%以上、0.01%以上、0.1%以上、1%以上、2%以上、特に3%以上である。
ZrOは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜20%が好ましい。しかし、ZrOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、ZrOの好適な上限範囲は20%以下、10%以下、特に5%以下であり、好適な下限範囲は0.001%以上、0.01%以上、0.1%以上、1%以上、2%以上、特に3%以上である。
Laは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜10%が好ましい。Laの含有量が多くなると、密度が高くなり易く、また耐失透性や耐酸性が低下し易くなる。更に原料コストが上昇して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。よって、Laの好適な上限範囲は10%以下、5%以下、3%以下、2.5%以下、1%以下、特に0.1%以下である。
Nbは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜10%が好ましい。Nbの含有量が多くなると、密度が高くなり易く、また耐失透性が低下し易くなる。更に原料コストが上昇して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。よって、Nbの好適な上限範囲は10%以下、5%以下、3%以下、2.5%以下、1%以下、特に0.1%以下である。
Gdは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜10%が好ましい。Gdの含有量が多くなると、密度が高くなり過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠いて、耐失透性が低下したり、高温粘性が低下し過ぎて、高い液相粘度を確保し難くなる。よって、Gdの好適な上限範囲は10%以下、5%以下、3%以下、2.5%以下、1%以下、特に0.1%以下である。
La+Nbの含有量は0〜10%が好ましい。La+Nbの含有量が多くなると、密度、熱膨張係数が高くなり易く、また耐失透性が低下し易くなり、更には高い液相粘度を確保し難くなる。更に原料コストが上昇して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。よって、La+Nbの好適な上限範囲は10%以下、8%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下である。ここで、「La+Nb」は、LaとNbの合量を指す。
レアメタル酸化物の含有量は合量で0〜10%が好ましい。レアメタル酸化物の含有量が多くなると、密度、熱膨張係数が高くなり易く、また耐失透性や耐酸性が低下し易くなり、高い液相粘度を確保し難くなる。更に原料コストが上昇して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。よって、レアメタル酸化物の好適な上限範囲は10%以下、5%以下、3%以下、特に1%以下であり、実質的に含まないことが望ましい。
清澄剤として、下記酸化物換算で、As、Sb、SnO、Fe、F、Cl、SO、CeOの群から選択された一種又は二種以上を0〜3%導入することができる。特に、清澄剤として、SnO、Fe及びCeOが好ましい。一方、AsとSbは、環境的観点から、その使用を極力控えることが好ましく、各々の含有量は0.3%未満、特に0.1%未満が好ましい。ここで、「下記酸化物換算」は、表記の酸化物とは価数が異なる酸化物であっても、表記の酸化物に換算した上で取り扱うことを意味する。
SnOの含有量は、好ましくは0〜1%、0.001〜1%、特に0.01〜0.5%である。
Feの好適な下限範囲は0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、特に0.02%以下であり、好適な下限範囲は0.001%以上である。
CeOの含有量は0〜6%が好ましい。CeOの含有量が多くなると、耐失透性が低下し易くなる。よって、CeOの好適な上限範囲は6%以下、5%以下、3%以下、2%以下、1%以下、特に0.1%以下である。一方、CeOの含有量が少なくなると、清澄性が低下し易くなる。よって、CeOを導入する場合、CeOの好適な下限範囲は0.001%以上、特に0.01%以上である。
PbOは、高温粘性を低下させる成分であるが、環境的観点から、その使用を極力控えることが好ましい。PbOの含有量は0.5%以下が好ましく、実質的に含まないことが望ましい。ここで、「実質的にPbOを含まない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が0.1%未満の場合を指す。
上記成分以外にも、他の成分を合量で好ましくは10%(望ましくは5%)まで導入してもよい。
本発明に係るガラスは、下記の特性を有することが好ましい。
本発明に係るガラスにおいて、屈折率nは、好ましくは1.50超、1.51以上、1.52以上、1.53以上、1.54以上、1.55以上、1.555以上、特に1.565以上である。屈折率nが1.50以下になると、ガラス板と透明導電膜等の界面の反射によって光を効率良く取り出せなくなる。一方、屈折率nが高過ぎると、ガラス板と空気の界面での反射率が高くなり、光を外部に取り出し難くなる。よって、屈折率nは、好ましくは2.30以下、2.20以下、2.10以下、2.00以下、1.90以下、1.80以下、特に1.75以下である。
密度は、好ましくは5.0g/cm以下、4.5g/cm以下、3.0g/cm以下、特に2.8g/cm以下である。このようにすれば、デバイスを軽量化することができる。
歪点は、好ましくは450℃以上、500℃以上、特に550℃以上である。透明導電膜を高温で形成する程、透明性が高く、電気抵抗が低くなり易い。しかし、従来のガラス板は、耐熱性が不十分であるため、透明導電膜を高温で成膜することが困難であった。そこで、歪点を上記範囲とすれば、透明導電膜の透明性と低電気抵抗の両立が可能になり、更にはデバイスの製造工程において、熱処理によりガラス板が熱収縮し難くなる。
102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1600℃以下、1560℃以下、1500℃以下、特に1450℃以下である。このようにすれば、溶融性が向上するため、ガラス板の生産性が向上する。
液相温度は、好ましくは1300℃以下、1250℃以下、1200℃以下、特に1150℃以下である。また、液相粘度は、好ましくは102.5dPa・s以上、103.0dPa・s以上、103.5dPa・s以上、103.8dPa・s以上、104.0dPa・s以上、104.4dPa・s以上、特に104.6dPa・s以上である。このようにすれば、成形時にガラスが失透し難くなり、例えば、フロート法又はオーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形し易くなる。ここで、「液相温度」は、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定した値を指す。また、「液相粘度」は、液相温度におけるガラスの粘度を指す。
本発明のガラスの製造方法では、得られるガラスの厚み(平板形状の場合、板厚)を好ましくは1.5mm以下、1.3mm以下、1.1mm以下、0.8mm以下、0.6mm以下、0.5mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下、特に0.1mm以下に制御することが好ましい。板厚が小さい程、可撓性が高まり、意匠性に優れた有機EL照明を作製し易くなるが、板厚が極端に小さくなると、ガラスが破損し易くなる。よって、板厚は、好ましくは10μm以上、特に30μm以上である。
本発明のガラスの製造方法は、平板形状に成形することが好ましく、つまりガラス板に成形することが好ましい。このようにすれば、有機ELデバイスに適用し易くなる。平板形状に成形した後、少なくとも一方の表面に未研磨面とすること(特に、少なくとも一方の表面の有効面全体が未研磨面とすること)が好ましい。ガラスの理論強度は、非常に高いが、理論強度よりも遥かに低い応力でも破壊に至ることが多い。これは、ガラスの表面にグリフィスフローと呼ばれる小さな欠陥が成形後の工程、例えば研磨工程等で生じるからである。よって、ガラス板の表面を未研磨にすれば、本来の機械的強度を損ない難くなるため、ガラス板が破壊し難くなる。また、研磨工程を簡略化又は省略し得るため、ガラス板の製造コストを低廉化することができる。
平板形状に成形する場合、少なくとも一方の表面(特に未研磨面)の表面粗さRaを0.01〜1μmに制御することが好ましい。表面粗さRaが1μmより大きいと、その面に透明導電膜等を形成する場合、透明導電膜の品位が低下して、均一な発光を得難くなる。表面粗さRaの好適な上限範囲は1μm以下、0.8μm以下、0.5μm以下、0.3μm以下、0.1μm以下、0.07μm以下、0.05μm以下、0.03μm以下、特に10nm以下である。
本発明のガラスの製造方法は、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法で成形することが好ましい。このようにすれば、未研磨で表面品位が良好なガラス板を製造することができる。その理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、表面になるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形されるからである。樋状構造物の構造や材質は、所望の寸法や表面精度を実現できる限り、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行うために、溶融ガラスに対して、力を印加する方法も特に限定されない。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールを溶融ガラスに接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールを溶融ガラスの端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。なお、オーバーフローダウンドロー法以外にも、スロットダウンドロー法を採用することができる。このようにすれば、板厚が小さいガラス板を作製し易くなる。ここで、「スロットダウンドロー法」は、略矩形の隙間から溶融ガラスを流し出しながら、下方に延伸成形して、ガラス板を成形する方法である。
上記成形方法以外にも、例えば、リドロー法、フロート法、ロールアウト法等を採用することができる。特に、フロート法は、大型のガラス板を効率良く作製することができる。
本発明のガラス板の製造方法は、平板形状に成形した後、少なくとも一方の表面に粗面化面を形成してもよい。粗面化面を有機EL照明等の空気と接する側に配置すれば、ガラス板の散乱効果に加えて、粗面化面の無反射構造により、有機EL層から入射した光が有機EL層内に戻り難くなり、結果として、光の取り出し効率を高めることができる。粗面化面の表面粗さRaは、好ましくは10Å以上、20Å以上、30Å以上、特に50Å以上である。粗面化面は、HFエッチング、サンドブラスト等で形成することができる。また、リプレス等の熱加工により、ガラス板の表面に凹凸形状を形成してもよい。このようにすれば、ガラス表面に正確な無反射構造を形成することができる。凹凸形状は、屈折率nを考慮しながら、その間隔と深さを調整すればよい。
また、大気圧プラズマプロセスにより粗面化面を形成することもできる。このようにすれば、ガラス板の一方の表面の表面状態を維持した上で、他方の表面に対して、均一に粗面化処理を行うことができる。また、大気圧プラズマプロセスのソースとして、Fを含有するガス(例えば、SF、CF)を用いることが好ましい。このようにすれば、HF系ガスを含むプラズマが発生するため、粗面化面を効率良く形成することができる。
更に、ガラス板の成形時に、少なくとも一方の表面に粗面化面を形成することもできる。このようにすれば、別途独立した粗面化処理が不要になり、粗面化処理の効率が向上する。
なお、上記方法以外にも、所定の凹凸形状を有する樹脂フィルムをガラス板の表面に貼り付けてもよい。
本発明のガラスは、上記のガラスの製造方法により作製されたことを特徴とする。また、本発明のガラスは、未だ分相していないが、熱処理により、分相していない状態から、少なくとも第一の相と第二の相に分相する性質を有し、且つ有機ELデバイスに用いることを特徴とする。なお、本発明のガラスの技術的特徴(好適な構成、効果)は、本発明のガラスの製造方法の説明欄に記載済みであり、ここでは、詳細な説明を省略する。
本発明のガラスにおいて、熱処理前の波長435nm、546nm及び700nmにおけるヘイズ値は、好ましくは80%以下、70%以下、特に50%以下であり、好ましくは0%以上、1%以上、特に3%以上である。上記のように熱処理前のヘイズ値を規制すれば、成形時にガラスが分相し過ぎて、分相性を制御し難くなる事態を回避し易くなる。そして、ガラスが成形工程で分相するか、或いは成形直後の徐冷(冷却)工程でガラスが分相する場合でも、別途の熱処理により、所望の散乱特性のガラスを作製し易くなる。
本発明のガラスにおいて、熱処理後の波長435nmにおける全光線透過率は、好ましくは5%以上、特に10〜100%である。更に、本発明のガラスは、840℃で20分間熱処理した場合、波長435nmにおける全光線透過率が5%以上、特に10〜80%になる性質を有することが好ましく、また840℃で40分間熱処理した場合、波長435nmにおける全光線透過率が5%以上、特に8〜60%になる性質を有することが好ましい。このようにすれば、有機EL素子を組み立てた際に光取り出し効率を高めることができる。
本発明のガラスにおいて、熱処理後の波長546nmにおける全光線透過率は、好ましくは5%以上、10%以上、30%以上、特に50〜100%である。更に、本発明のガラスは、840℃で20分間熱処理した場合、波長546nmにおける全光線透過率が5%以上、10%以上、30%以上、特に50〜100%になる性質を有することが好ましく、また840℃で40分間熱処理した場合、波長546nmにおける全光線透過率が5%以上、10%以上、20%以上、特に30〜80%になる性質を有することが好ましい。このようにすれば、有機EL素子を組み立てた際に光取り出し効率を高めることができる。
本発明のガラスにおいて、熱処理後の波長700nmにおける全光線透過率は、好ましくは5%以上、10%以上、30%以上、50%以上、特に70〜100%である。更に、本発明のガラスは、840℃で20分間熱処理した場合、波長700nmにおける全光線透過率が5%以上、10%以上、30%以上、50%以上、特に70〜100%になる性質を有することが好ましく、また840℃で40分間熱処理した場合、波長700nmにおける全光線透過率が5%以上、10%以上、30%以上、50%以上、特に60〜100%になる性質を有することが好ましい。このようにすれば、有機EL素子を組み立てた際に光取り出し効率を高めることができる。
本発明のガラスにおいて、熱処理後の波長435nmにおける拡散透過率は、好ましくは5%以上、特に10〜100%である。更に、本発明のガラスは、840℃で20分間熱処理した場合、波長435nmにおける拡散透過率が5%以上、特に10〜80%になる性質を有することが好ましく、また840℃で40分間熱処理した場合、波長435nmにおける拡散透過率が5%以上、特に8〜60%になる性質を有することが好ましく、このようにすれば、有機EL素子を組み立てた際に光取り出し効率を高めることができる。
本発明のガラスにおいて、熱処理後の波長546nmにおける拡散透過率は、好ましくは5%以上、10%以上、特に20〜100%である。更に、本発明のガラスは、840℃で20分間熱処理した場合、波長546nmにおける拡散透過率が5%以上、10%以上、特に15〜80%になる性質を有することが好ましく、また840℃で40分間熱処理した場合、波長546nmにおける拡散透過率は、好ましくは5%以上、10%以上、特に20〜90%である。このようにすれば、有機EL素子を組み立てた際に光取り出し効率を高めることができる。
本発明のガラスにおいて、熱処理後の波長700nmにおける拡散透過率は、好ましくは1%以上、5%以上、特に10〜100%である。更に、本発明のガラスは、840℃で20分間熱処理した場合、波長700nmにおける拡散透過率が1%以上、5%以上、特に8〜60%になる性質を有することが好ましく、また840℃で40分間熱処理した場合、波長700nmにおける拡散透過率が1%以上、5%以上、特に10〜80%になる性質を有することが好ましい。このようにすれば、有機EL素子を組み立てた際に光取り出し効率を高めることができる。
本発明のガラスにおいて、熱処理後の波長435nmにおけるヘイズ値は、好ましくは5%以上、10%以上、30%以上、50%以上、特に70〜100%である。更に、本発明のガラスは、840℃で20分間熱処理した場合、波長435nmにおけるヘイズ値が5%以上、10%以上、30%以上、50%以上、特に70〜100%になる性質を有することが好ましく、また840℃で40分間熱処理した場合、波長435nmにおけるヘイズ値が5%以上、10%以上、30%以上、50%以上、特に70〜100%になる性質を有することが好ましい。このようにすれば、有機EL素子を組み立てた際に光取り出し効率を高めることができる。
本発明のガラスにおいて、熱処理後の波長546nmにおけるヘイズ値は、好ましくは5%以上、10%以上、30%以上、50%以上、特に70〜100%である。更に、本発明のガラスは、840℃で20分間熱処理した場合、波長546nmにおけるヘイズ値が5%以上、10%以上、30%以上、40%以上、特に45〜80%になる性質を有することが好ましく、また840℃で40分間熱処理した場合、波長546nmにおけるヘイズ値が5%以上、10%以上、30%以上、50%以上、特に70〜100%になる性質を有することが好ましい。このようにすれば、有機EL素子を組み立てた際に光取り出し効率を高めることができる。
本発明のガラスにおいて、熱処理後の波長700nmにおけるヘイズ値は、好ましくは1%以上、5%以上、特に10〜100%である。更に、本発明のガラスは、840℃で20分間熱処理した場合、波長700nmにおけるヘイズ値が1%以上、5%以上、特に8〜60%になる性質を有することが好ましく、また840℃で40分間熱処理した場合、波長700nmにおけるヘイズ値が1%以上、5%以上、特に10〜80%になる性質を有することが好ましい。このようにすれば、有機EL素子を組み立てた際に光取り出し効率を高めることができる。
本発明のガラスにおいて、熱処理後の波長435nm、546nm及び700nmにおける全光線透過率は、好ましくは1%以上、3%以上、特に10〜100%である。更に、本発明のガラスは、840℃で20分間熱処理した場合、波長435nm、546nm及び700nmにおける全光線透過率が1%以上、3%以上、5%以上、10%以上、特に15〜100%になる性質を有することが好ましく、また840℃で40分間熱処理した場合、波長435nm、546nm及び700nmにおける全光線透過率が1%以上、3%以上、5%以上、特に10〜90%になる性質を有することが好ましい。このようにすれば、有機EL素子を組み立てた際に光取り出し効率を高めることができる。
本発明のガラスにおいて、熱処理後の波長435nm、546nm及び700nmにおける拡散透過率は、好ましくは1%以上、3%以上、特に10〜100%である。更に、本発明のガラスは、840℃で20分間熱処理した場合、波長435nm、546nm及び700nmにおける拡散透過率が1%以上、3%以上、特に5〜60%になる性質を有することが好ましく、また840℃で40分間熱処理した場合、波長435nm、546nm及び700nmにおける拡散透過率が1%以上、3%以上、5%以上、特に10〜80%になる性質を有することが好ましい。このようにすれば、有機EL素子を組み立てた際に光取り出し効率を高めることができる。
本発明のガラスにおいて、熱処理後の波長435nm、546nm及び700nmにおけるヘイズ値は、好ましくは1%以上、3%以上、5%以上、特に10〜100%である。更に、本発明のガラスは、840℃で20分間熱処理した場合、波長435nm、546nm及び700nmにおけるヘイズ値が1%以上、3%以上、5%以上、特に8〜100%になる性質を有することが好ましく、また840℃で40分間熱処理した場合、波長435nm、546nm及び700nmにおけるヘイズ値が1%以上、3%以上、5%以上、特に10〜100%になる性質を有することが好ましい。このようにすれば、有機EL素子を組み立てた際に光取り出し効率を高めることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1、2は、試料No.1〜20を示している。
まず、表1、2に記載のガラス組成になるように、ガラス原料を調合した後、得られたガラスバッチをガラス溶融炉に供給して1500℃で8時間溶融した。次に、得られた溶融ガラスをカーボン板の上に流し出し、板状に成形した後、歪点より室温まで10時間かけて簡易な徐冷処理を行った。最後に、得られたガラス板について、必要に応じて加工を行い、種々の特性を評価した。
密度ρは、周知のアルキメデス法で測定した値である。
歪点Psは、ASTM C336−71に記載の方法で測定した値である。なお、歪点Psが高い程、耐熱性が高くなる。
徐冷点Ta、軟化点Tsは ASTM C338−93に記載の方法で測定した値である。
高温粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s、102.5dPa・s及び102.0dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。なお、高温粘度が低い程、溶融性に優れる。
液相温度TLは、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定したものである。
液相粘度logηTLは、液相温度における各ガラスの粘度を示す。
屈折率nは、島津製作所製の屈折率測定器KPR−2000により測定したd線の値である。まず25mm×25mm×約3mmの直方体試料を作製し、(徐冷点Ta+30℃)から(歪点Ps−50℃)までの温度域を0.1℃/分の冷却速度で徐冷処理した後、屈折率nが整合する浸液を浸透させて測定した値である。
成形後の分相性は、各試料について、溶融ガラスを成形し、上記の簡易な徐冷処理を行った後、得られた試料を目視観察したところ、分相による白濁が認められたものを「○」、分相による白濁が認められず、透明であったものを「×」として評価した。
熱処理後の分相性は、成形後の各試料を熱処理(900℃5分)、延伸成形して、歪点測定用試料を作製した後、得られた試料を目視観察したところ、分相による白濁が認められたものを「○」、分相による白濁が認められず、透明であったものを「×」として評価した。
参考までに、成形後、且つ熱処理前の試料No.2、9〜20の分相性を走査型電子顕微鏡で観察した。具体的には、成形後の試料No.2、9〜20について、上記の簡易な徐冷処理を行った後、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させて、更に試料表面を走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製S−4300SE)により観察した。図1〜13は、試料No.2、9〜20の表面の走査型電子顕微鏡の像をそれぞれ示している。その結果、試料No.2、9、10、12〜20は、分相構造を有しており、Bに富む相(第二の相:SiOに乏しい層)が塩酸溶液により溶出していた。なお、Bに富む相が塩酸溶液により溶出し、SiOに富む相が塩酸溶液に溶出しない。
成形後の試料No.19を約15mm×130mmのサイズの白金ボートに投入し、その白金ボートを電気炉内に投入し、1400℃でリメルトした。なお、白金ボート内でリメルトされたガラスの厚みは約3〜5mmであった。リメルトした後、電気炉から白金ボートを取り出し、空気中で放冷した。得られたガラスについて、840℃20分間又は840℃40分間の条件で熱処理を行った。熱処理後のガラスを約10mm×30mm×1.0mm厚のガラス板に加工した後、両表面を鏡面研磨し、表中の波長について、分光光度計(島津製作所製分光光度計UV−2500PC)により、厚み方向の全光線透過率及び拡散透過率を測定した。その結果を表3〜5に示す。更に、熱処理を行っていないガラスを約10mm×30mm×1.0mm厚のガラス板に加工した後、その両表面を鏡面研磨した。その外観写真を図14に示す。更に、840℃で20分間熱処理した後、約10mm×30mm×1.0mm厚のガラス板に加工し、その両表面を鏡面研磨した場合の外観写真を図15に示し、840℃で40分間熱処理した後、約10mm×30mm×1.0mm厚のガラス板に加工し、その両表面を鏡面研磨した場合の外観写真を図16に示す。

Claims (9)

  1. 溶融ガラスを成形した後、熱処理して、少なくとも第一の相と第二の相を含む分相構造を有するガラスを得た後、得られたガラスを有機ELデバイスに用いると共に、該ガラスが、ガラス組成として、質量%で、SiO 30〜75%、B 0.1〜50%、Al 0〜35%、NaO 0〜5%、La+Nb 0〜5%を含有することを特徴とするガラスの製造方法。
  2. 第一の相中のSiOの含有量が、第二の相中のSiOの含有量よりも多いことを特徴とする請求項1に記載のガラスの製造方法。
  3. 第二の相中のBの含有量が、第一の相中のBの含有量よりも多いことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスの製造方法。
  4. ガラスが、ガラス組成として、質量%で、SiO 35〜70%、B 10〜40%、Al 0.1〜25%を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラスの製造方法。
  5. ガラスが、ガラス組成中に、実質的にレアメタル酸化物を含まないことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラスの製造方法。
  6. ガラスの屈折率ndが1.50超であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラスの製造方法。
  7. 平板形状に成形することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のガラスの製造方法。
  8. オーバーフローダウンドロー法で成形することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のガラスの製造方法。
  9. 得られたガラスを有機EL照明に用いることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のガラスの製造方法。
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