JP6175753B2 - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

積層体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6175753B2
JP6175753B2 JP2012228757A JP2012228757A JP6175753B2 JP 6175753 B2 JP6175753 B2 JP 6175753B2 JP 2012228757 A JP2012228757 A JP 2012228757A JP 2012228757 A JP2012228757 A JP 2012228757A JP 6175753 B2 JP6175753 B2 JP 6175753B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
anchor layer
laminate
carboxyl group
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012228757A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014079938A (ja
Inventor
宏祐 清水
宏祐 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2012228757A priority Critical patent/JP6175753B2/ja
Publication of JP2014079938A publication Critical patent/JP2014079938A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6175753B2 publication Critical patent/JP6175753B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、包装材料、コーティング剤、機能性積層材料などとして使用可能なセルロースナノファイバーにより形成された積層体に関する。
食品や医薬品をはじめとする包装材料分野では、内容物を保護するために、包装材料を透過する酸素や水蒸気などの気体を遮断するガスバリア性が求められる。
従来、ガスバリア性材料としては温度や湿度の影響が少ないアルミニウムやポリ塩化ビニリデンが用いられてきた。しかしながら、これらを焼却処分する際には、アルミニウムにおいては焼却残渣が排気口や炉内部で詰まり焼却効率を下げてしまう問題、ポリ塩化ビニリデンにおいてはダイオキシンが発生してしまう等の問題が生じてしまうため、環境負荷の少ない材料への代替が求められている。例えば、特許文献1にあるように、同じ化石資源からつくられる材料であっても、アルミニウムや塩素を含まないポリビニルアルコールやエチレンビニルアルコール共重合体への一部代替が進められているが、さらに、将来的には、石油由来材料からバイオマス材料への代替が期待されている。
そこで、新たなガスバリア材料としてセルロース系材料が注目されている。地球上で生産されるバイオマス材料の約半分を占めるセルロースは、生分解性を有することに加え、強度、弾性率、寸法安定性、耐熱性、結晶性などの物理特性にも優れているため、機能性材料への応用が期待されている。特に、特許文献2及び3にあるように、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル(以下TEMPOという。)触媒による酸化反応から得られるセルロースを分散処理して得られるセルロースナノファイバーは、前記セルロース系材料の性質に加え、透明性、乾燥条件下におけるガスバリア性に優れた膜を形成することが知られている。また、特許文献4では、セルロースナノファイバー層の他に防湿層を一層設けたガスバリア性フィルムが報告されている。さらに特許文献5では、水溶性高分子を添加する事で屈曲性に優れ、且つ高湿度環境下においても高いガスバリア性を示す積層体が報告されている。
特開平7−164591号公報 特開2008−308802号公報 特開2008−1728号公報 特開2009−57552号公報 特願2010−69573号公報
しかしながら、上記のようなセルロースナノファイバーの水分散液を用いて形成された膜は、セルロースナノファイバーの剛直な性質と高い弾性率、繊維形状からなる基材への接点の面積が小さいこと、また反応性が低いことにより基材への密着性が低いという問題がある。また、これ等のセルロースナノファイバーにはカルボキシル基・ヒドロキシル基などの極性基が導入されているものが多く、溶媒も水が用いられるため、はじきや濡れ性、むら、塗工性に課題がある。例えば、密着性が低いと該膜を基材への積層材料として用いる場合に、層間の剥離が生じる。また、はじきや濡れ性、むら、塗工性が低いことで、連続した均一な膜面が得られず、印刷適性や加工適性が低下する。また塗膜をバリア剤として用いた場合に良好な性能が得られないといった問題がある。さらに、成膜後に経時で基材及び塗膜が劣化し、密着性の低下が見られることがある。したがって、セルロースナノファイバーの水系分散液からなる塗液を均一に塗工し、かつ基材との密着性を確保するのは困難である上、経時での密着性・基材及びセルロースナノファイバーの劣化を抑えることは困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フィルム基材、特に包装材料として多く用いられるポリエステル樹脂やポリアミド樹脂を基材フィルムとし、天然材料であるセルロースナノファイバーの塗液をコーティング材料として用い、ガスバリア層、水蒸気バリア層など各種機能性材料被膜として利用する際の密着および塗工性良く膜を形成し、基材とセルロースナノファイバー層との経時劣化を抑えることを可能にする積層材料を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、本発明の一態様は、少なくとも、基材と、前記基材の一方の面に、アンカー層と、カルボキシル基を有するセルロースナノファイバー層とをこの順に設けた積層体であって、前記アンカー層が、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基または水酸基を有する樹脂を少なくとも1種類以上含み、且つ融点が60℃以上150℃以下であるエマルジョン系樹脂で形成されていることを特徴とする積層体である。
また、前記セルロースナノファイバーが、酸化反応によりカルボキシル基が導入された酸化セルロースであり、前記カルボキシル基の含有量が、0.1mmol/g以上5.5mmol/g以下であるとよい。
また、前記セルロースナノファイバーの数平均繊維径が、0.001μm以上0.200μm以下であるとよい。
また、前記セルロースナノファイバーのカルボキシル基が、ナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩のいずれかの塩を形成しているとよい。
また、前記アンカー層が、カルボキシル基を有する樹脂を少なくとも含むとよい。
また、前記アンカー層に含まれる樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリマレイン酸樹脂、もしくはポリオレフィン樹脂またはこれらの共重合体であるとよい。
また、前記アンカー層が、更に、カルボジイミド基、オキサゾリン基、イソシアネート基またはエポキシ基を有する反応性化合物を含むとよい。
また、前記基材が、ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂からなり、前記アンカー層が、カルボキシル基を有する樹脂を含むとよい。
また、前記基材を構成する樹脂がポリエステル樹脂の場合はポリエチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂の場合はナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5Tなどのナイロン、又は、これらの誘導体、又は、これらのうち2種以上の複合材料であるとよい。
また、前記アンカー層に含まれる樹脂の酸価が、5以上であるとよい。
また、前記アンカー層の厚みが、3nm以上10μm以下であるとよい。
また、本発明の別の態様は、少なくとも、基材と、前記基材の一方の面に、アンカー層と、カルボキシル基を有するセルロースナノファイバー層とをこの順に設けた積層体の製造方法であって、前記基材の一方の面に、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基または水酸基を有する樹脂を少なくとも1種類以上を含む塗液を用いて塗膜を形成する工程と、前記塗膜を60℃以下で乾燥させて前記アンカー層を形成する工程と、前記アンカー層の上に前記セルロースナノファイバー層を形成する工程とを備え、前記塗液に含まれ、前記アンカー層を形成する樹脂を、融点が60℃以上150℃以下であるエマルジョン系樹脂とする積層体の製造方法である。
本発明によれば、環境負荷が小さい天然資源であるセルロースを有効に利用し、ガスバリア層、水蒸気バリア層など各種機能性材料被膜を形成する際に、塗工性、密着性良く基材上に形成でき、該機能性材料被膜を備える積層材料を提供できる。特に、フィルム基材としてポリエステル基材、ポリアミド基材などを用いても、塗工性、密着性良く基材上に形成でき、かつ、基材とセルロースナノファイバー層との密着の経時劣化を抑えた積層材料を提供できる。それにより、耐候、耐熱、耐水性も向上した積層体を得ることができる。
本発明の積層体の一実施形態を示す断面図である。 本発明の積層体の他の実施形態を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明する。
図1のように、本発明の積層体10は、少なくとも、基材1と、基材1の一方の面に、アンカー層2と、カルボキシル基を有するセルロースナノファイバー層3とをこの順に積層して構成されている。アンカー層2およびセルロースナノファイバー層3は、基材1の両面にそれぞれ積層されていてもよい。
まず、セルロースナノファイバー層3について説明する。セルロースナノファイバー層は、少なくとも、カルボキシル基を有する微細セルロース繊維を含む。カルボキシル基を有するセルロースナノファイバーは、例えば、下記の方法で製造することができる。
(原料)
原料としては、セルロース素材を用いる。セルロース素材は、粉砕、爆砕、膨潤、精製、漂白、溶解再生、アルカリ処理などの前処理を施していてもよい。特に、セルロース素材としては、ガスバリア性の高い塗膜や強度のある塗膜を得る場合は、セルロースIの結晶構造を有する天然由来のセルロースを用いることが好ましい。原料となる天然由来のセルロースとしては、木材パルプ、非木材パルプ、綿パルプ、バクテリアセルロース、ホヤセルロースなどがある。
(カルボキシル基の導入方法)
セルロースへのカルボキシル基の導入方法としては、一般的に知られる化学的な改質方法を用いることができる。カルボキシメチル化で知られるように、セルロースの水酸基をエステル化・エーテル化してカルボキシル基を導入する手法、水酸基から酸化反応によりカルボキシル基を導入する方法などを選択することができる。特に、ガスバリア性の高い塗膜を得るためや、結晶構造を崩さずにカルボキシル基を導入するためには、中でも、ニトロキシラジカル誘導体を触媒とし、次亜ハロゲン酸塩や亜ハロゲン酸塩などを共酸化剤として用いる手法が好ましい。特に、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシラジカル)を触媒とし、アルカリ条件下、好ましくはpH9以上pH11以下の範囲で、次亜塩素酸ナトリウムと臭化ナトリウムを含む水系媒体中で行われるTEMPO酸化法が、試薬の入手しやすさ、コスト、反応の安定性の点から好適である。上記のTEMPO酸化法においては、反応の進行に伴いアルカリが消費されるため、随時アルカリ水溶液を添加して、系内のpHを一定に保つとよい。
TEMPO酸化においては、セルロース分子のピラノース環(グルコース)の第6位水酸基が選択的に酸化され、アルデヒド基を経てカルボキシル基を導入することができる。また、天然セルロースを用いたTEMPO酸化においては、セルロースの構成単位である結晶性のミクロフィブリル表面にのみ酸化が起こり、結晶内部には酸化が起こらない。このため、セルロースIの結晶構造を維持したまま、微細セルロース繊維を得ることができ、生成する微細セルロース繊維は、高耐熱性、低線膨張率、高弾性率、高強度などの特性を有する。
TEMPO酸化に用いる試薬類は、市販のものを容易に入手可能である。反応温度は0℃以上60℃以下が好適であり、1時間以上12時間以下程度で微細繊維となり、分散性を示すのに十分な量のカルボキシル基を導入できる。TEMPO類および臭化ナトリウムは、反応の際に触媒量だけ用いればよく、反応後に回収することも可能である。また、上記の反応系では理論上の副生成物は塩化ナトリウムのみであり、廃液の処理も容易で環境への負荷が小さい。
カルボキシル基の量は、TEMPO酸化条件を適宜設定することにより調整可能である。セルロース繊維は、後述する分散処理工程を経て、カルボキシル基の電気的反発力により水系媒体中に分散することから、カルボキシル基の含有量が少なすぎると安定的に水系媒体中に分散させることができない。また、多すぎると水への親和性が増し耐水性が低下する。この観点から、カルボキシル基の含有量は、好ましくは0.1mmol/g以上5.5mmol/g以下、より好ましくは0.1mmol/g以上3.5mmol/g以下であり、さらに好ましくは0.6mmol/g以上2.5mmol/g以下である。カルボキシル基を導入する過程では、酸化反応の中間体であるアルデヒド基が生成し、最終生成物中にもアルデヒド基は残存する。アルデヒド基の含有量が多すぎると水系媒体中への分散性が低下したり、膜形成後に変色したりする原因となるため、アルデヒド基の含有量は、好ましくは0.3mmol/g以下である。
酸化反応は、他のアルコールを過剰量添加し、系内の共酸化剤を完全に消費させることにより停止する。添加するアルコールとしては、反応をすばやく終了させるため、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低分子量アルコールを用いるのが望ましい。この中でも、安全性や酸化により生成する副生成物を考慮し、エタノールが好ましい。
(酸化セルロースの回収)
酸化反応停止後、生成した酸化セルロースは、ろ過により反応液中から回収することができる。反応停止後の酸化セルロースにおいて、カルボキシル基は、共酸化剤やpH調整用の無機アルカリに由来する金属イオンを対イオンとした塩を形成している。回収の方法としては、カルボキシル基が塩を形成したまま濾別する方法、反応液に酸を添加しpH3以下に調整しカルボン酸としてから濾別する方法、有機溶剤を添加し凝集させた後に濾別する方法がある。その中でも、ハンドリング性や収率、廃液処理の点からカルボン酸に変換し回収する方法が好適である。また、後述する微細セルロース繊維組成物調製の際にも、対イオンとして金属イオンを含有しないほうが溶剤との混和性に優れるため、カルボン酸に変換し回収する方法が好適である。
なお、酸化セルロース中に含まれる金属イオン含有量は、様々な分析方法で調べることができるが、例えば、電子線マイクロアナライザーを用いたEPMA法、蛍光X線分析法の元素分析によって簡易的に調べることができる。塩を形成したまま濾別する方法により回収した場合、金属イオンの含有率は、5wt%以上であるのに対し、カルボン酸としてから濾別する方法により回収した場合、金属イオン含有量は、1wt%以下となる。特に、下記のような方法により酸化セルロースを洗浄した場合には、金属イオン含有量は、検出限界以下となる。
(洗浄)
回収した酸化セルロースは、洗浄を繰り返すことにより精製でき、触媒や副生成物である塩化ナトリウム、イオンなどの残渣を取り除くことができる。このとき、洗浄液としては水が好ましく、さらに塩酸などを用いpH3以下、より好ましくはpH1.8以下の酸性条件に調整し洗浄を行った後、水による洗浄を行うと、金属イオンを上記分析方法における検出限界量以下とすることができる。または、残存する金属イオン量をより低減させるため、酸性条件での洗浄を複数回行ってもよい。また、セルロース中に塩等が残留していると、後述の分散工程にて分散しにくくなるため、水洗浄は複数回洗浄を行うことが好ましい。
次に、酸化セルロースを分散処理し、セルロースナノファイバー分散液を調製する工程を説明する。
(分散工程)
洗浄した酸化セルロースを微細化する工程としては、まず、酸化セルロースを分散媒である水系媒体に浸漬する。この時、浸漬した液のpHは、例えば、4以下となる。酸化セルロースは水系媒体に不溶であり、浸漬した時点では不均一な懸濁液となっている。
酸化セルロース懸濁液において、酸化セルロースの固形分濃度は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。固形分濃度が5質量%以下、特に、3質量%以下であると、分散性、透明性が良好である。固形分濃度が10質量%を超えると、分散液の粘度が著しく上昇し、分散処理が困難になる。固形分濃度の下限は、特に限定されず、0質量%超であればよい。
次に、アルカリを用いて、酸化セルロース懸濁液のpHをpH4以上pH12以下の範囲に調整する。特に、pHをpH7以上pH12以下のアルカリ性とし、カルボン酸塩を形成する。これにより、カルボキシル基同士の電気的反発が起こりやすくなるため、分散性が向上し、セルロースナノファイバーを得やすくなる。ここで、pH4未満でも機械的分散処理により酸化セルロースを微細繊維化することは可能であるが、分散処理により長時間・高エネルギーを要し、得られる繊維の繊維径も本発明のものより大きくなり、分散液の透明性が劣る。一方、pH12を超えると分散処理中に酸化セルロースのβ脱離反応による低分子量化や分散液の黄変が促進されるため、製膜後の膜強度や透明性が劣る。
アルカリとしては、種類は限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリを用いることができる。または、アンモニア水または有機アルカリを用いてpHを調整することも可能である。有機アルカリとしては、各種脂肪族アミン、芳香族アミン、ジアミンなどのアミン類や水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラn−ブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、などNR4OH(Rはアルキル基、ベンジル基、フェニル基またはヒドロキシアルキル基で、4つのRが同一でも異なっていてもよい。)で表される水酸化物イオンを対イオンとする第4級アンモニウム化合物、水酸化テトラエチルホスホニウムなどの水酸化ホスホニウム化合物、水酸化オキソニウム化合物、水酸化スルホニウム化合物、などの水酸化物イオンを対イオンとする有機オニウム化合物が挙げられる。有機アルカリを用いた場合も、アルカリの種類によらず、無機アルカリを用いた場合と同様の分散処理により繊維を微細化することが可能である。
特に、アルカリとして有機アルカリを用いると、金属イオンを対イオンとする無機アルカリを用いた場合よりも、低エネルギー、短時間で分散処理を行うことができ、かつ最終的に到達する分散液の透明性も高い。これは、有機アルカリを用いた方が対イオンのイオン径が大きいため、分散媒中でセルロースナノファイバー同士をより引き離す効果が大きいためと考えられる。
さらに、有機アルカリを用いると、有機溶剤に対する親和性が高いため、分散媒としてアルコールなどの有機溶剤を用いた際にも、セルロースナノファイバー分散液を調製することができる。さらに、水系媒体中で分散処理したセルロースナノファイバー分散液に、分散処理後に有機溶剤を添加することも可能である。水系媒体としては、水、または水と有機溶剤との混合溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール(IPA)などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などのケトン類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、酢酸エチル、グリセリンなどが挙げられる。これらのいずれか1種単独でも、2種以上の混合溶媒でもよい。
さらに、有機アルカリを用いると、無機アルカリに比べ、セルロースナノファイバー分散液の粘度とチキソ性を低下させることができ、分散処理のし易さと、後述する塗工工程での塗り易さの点で有利である。通常、セルロースナノファイバー分散液はゲル状となり、高濃度化するに従い粘度が上昇するため、分散処理において大きなエネルギーが必要となり、分散処理が困難になってくるが、有機アルカリを用いると、セルロースナノファイバー分散液の粘度が低下するため分散処理が容易になる。有機アルカリと溶剤の組み合わせにより、分散液の粘度特性を調整することが可能であり、塗工性も高めることができる。
また、後述のように、アンカー層2の中に、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基、アミノ基などのカルボキシル基などと反応しうる化合物が含まれている場合、特に、沸点の低いアンモニア、トリエチルアミンなどの有機アルカリをセルロースナノファイバー分散液のアルカリとして用いると、コーティング後の乾燥、またはその後のエージング・キュアリング処理中にアルカリが揮発し、カルボキシル基が反応性を増し、アンカー層2に含まれる反応性化合物との反応が進行することで、更に密着性の向上や経時劣化の防止の効果が高い。上記の理由からも、セルロースナノファイバー層に含まれるセルロースナノファイバーのカルボキシル基は、無機アルカリにより形成された無機塩を形成しているより、反応が進行しやすいアンモニウム塩またはアミン塩を形成していることが好ましい。ここで、アミン塩としては、トリエチルアミン塩、テトラメチルアミン塩などが挙げられる。また、セルロースナノファイバーのカルボキシル基は、塩を形成せず、カルボキシル基の状態、すなわち、「−COOH」の状態で存在していても、反応が進行しやすいため好ましい。
酸化セルロース懸濁液の分散処理の方法としては、既に知られている各種分散処理が可能である。例えば、ホモミキサー処理、回転刃つきミキサー処理、高圧ホモジナイザー処理、超高圧ホモジナイザー処理、超音波ホモジナイザー処理、ナノジナイザー処理、ディスク型レファイナー処理、コニカル型レファイナー処理、ダブルディスク型レファイナー処理、グラインダー処理、ボールミル処理、2軸混練機による混練処理、水中対向処理などがある。この中でも、微細化効率の面から回転刃つきミキサー処理、高圧ホモジナイザー処理、超高圧ホモジナイザー処理、超音波ホモジナイザー処理が好適である。なお、これらの処理のうち二つ以上の処理方法を組み合わせて分散を行うことも可能である。
分散処理を行うと、酸化セルロース懸濁液は目視上均一な透明分散液となる。分散処理により酸化セルロースは微細化し、セルロースナノファイバーとなる。分散処理後のセルロースナノファイバーは、数平均繊維径(繊維の短軸方向の幅)が、好ましくは0.001μm以上0.200μm以下であり、より好ましくは0.001μm以上0.050μm以下である。セルロースナノファイバーの数平均繊維径は、走査型電子顕微鏡(SEM)や原子間力顕微鏡(AFM)により確認できる。分散が不十分・不均一で、一部に繊維径の大きいものが含まれていると、セルロースナノファイバーを含む塗液を製膜した際、膜の透明性や平滑性が著しく低下してしまう問題がある。
上記の方法などで製造したカルボキシル基を有するセルロースナノファイバーを含む塗液としては、上記セルロースナノファイバー分散液をそのまま塗液として用いることもでき、また、公知の樹脂や溶剤を添加してもよい。また、上記の方法などで製造したカルボキシル基を有するセルロースナノファイバーを単離し、公知の樹脂や溶剤を混合して、別途塗液を調製してもよい。
中でも、樹脂類からは、ポリビニルアルコールを用いることが特に好ましい。造膜性、透明性、柔軟性などに優れるポリビニルアルコールは、セルロース繊維との相性も良いため、容易に繊維間、繊維・基材間の隙間を充填し、強度と密着性を併せ持つ膜をつくることができる。一般に、ポリビニルアルコール(PVA)は、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものであるが、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全けん化PVAまでを含む。
ポリビニルアルコールを用いる場合、セルロースナノファイバー(A)と、ポリビニルアルコール(B)との重量比((A)/(B))は、50/50〜95/5の範囲内であることが特に好ましい。ポリビニルアルコールのうち、部分けん化PVAを添加する場合、この範囲から外れて、ポリビニルアルコールの重量がセルロースナノファイバーの重量に比べて多くなると、プラスチック材料を用いた基材に対する濡れ性は向上するも、コーティング剤が泡立ちやすい液となるため、好ましくない。一方、ポリビニルアルコールのうち、完全けん化PVAを添加する場合、この範囲から外れて、ポリビニルアルコールの重量がセルロースナノファイバーの重量に比べて多くなると、泡立ちの少ない液となるがプラスチック材料を用いた基材に対する濡れ性が低下し、ハジキ等の原因となるため、好ましくない。
セルロースナノファイバー層は、カルボキシル基を有するセルロースナノファイバーを含む塗液を塗布することにより形成される。セルロースナノファイバーを含む塗液を塗布する方法としては、特に限定されず、コーティング法、キャスト法等の公知の方法が利用できる。コーティング法としては、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、エアナイフコート法、バーコート法、メイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、スプレーコート法等が挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。
セルロースナノファイバー層の厚みは、0.05μm以上20μm以下が好ましく、0.1μm以上2μm以下がより好ましい。微細セルロース繊維層の厚みが20μmより大きいと、加工性に劣る場合があり、微細セルロース繊維層の厚みが0.05μmより小さいと、ガスバリア性が低下するおそれがある。
セルロースナノファイバー層は、カルボキシル基を有するセルロースナノファイバーのほか、無機層状化合物や有機金属化合物などの各種添加剤を含んでいてもよい。
無機層状化合物としては、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、スチーブンサイト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石などを用いることができる。これらの無機層状鉱物は天然のものでも、合成のものでも構わない。特に、無機層状化合物としては、ガスバリア性、分散性、セルロースナノファイバーとの混ざりやすさ、膜の凝集力の点で、モンモリロナイトであることが好ましい。これらの無機層状鉱物の配合量としては、特に限定されるものではなく、0.01%以上99%以下の範囲のうち、要求される仕様を満たす範囲内で添加することができる。特に、積層体の密着の面からは、0.01%以上67%以下の範囲であるとより好ましい。
また、有機金属化合物としては、下記一般式、
M(OR)n−m
(式中、Aは炭素数1個以上10個以下の炭素主鎖1種類以上で構成され、Mは金属元素、Rはアルキル基であり、nは金属元素の酸化数、mは置換数(0≦m<n)を表す)
で示される有機金属化合物または該有機金属化合物の加水分解物あるいは重合体である。具体的には、TiやZr、Siの金属アルコキシドが挙げられ、特に珪素アルコキシドが良好な性能を示す。テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等のテトラアルコキシ体又はその重合物、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン等のトリアルコキシ体又はその重合物、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン等のジアルコキシ体又はその重合物、その他、C−Si結合をもつメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン等、又は、官能基を有するものとして、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
次に、基材1について説明する。基材としては、特に限定されず、一般的に使用されている種々のシート状の基材(フィルム状のものを含む)のなかから、用途に応じて適宜選択して使用することができる。このような基材の材料として、たとえば、紙、板紙、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネート等の生分解性プラスチック、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸等)、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5Tなどのナイロン、又は、これらの誘導体、又は、これらのうち2種以上の複合材料)、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、これらの高分子を構成するモノマーのいずれか2種以上の共重合体等が挙げられる。基材は、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
基材1は、表面にコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理等の表面処理が施されていてもよい。表面処理を施すことで、表面に積層される層(例えば、セルロースナノファイバー層)との濡れ性や密着性がさらに向上する。これらの表面処理は公知の方法により実施できる。
基材1の厚みは、当該積層材料の用途に応じて適宜設定できる。例えば、包装材料として用いられる場合、通常、5μm以上200μm以下の範囲内であり、10μm以上100μm以下が好ましい。コストや省資源の観点からは、10μm以上30μm以下が最も好ましい。
特に、本発明の積層体10は、基材1、アンカー層2、セルロースナノファイバー層3に、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基または水酸基を有しており、それらの極性同士が引き合うこと、または、アンカー層2に含まれる後述の反応性化合物との反応により、密着、濡れ性、経時安定性が向上するため、基材の材料もカルボキシル基またはスルホン酸基、アミノ基または水酸基を有するものが好ましい。
また、通常のポリエステル樹脂は、末端のカルボキシル基が若干残っているのみに過ぎないが、これらのポリエステル樹脂を変性、改質し、より多くのカルボキシル基やスルホン酸基などを表面あるいは内部まで導入したポリエステル樹脂は、密着、濡れ性、経時安定性向上の効果が高く、より好ましい。
次に、アンカー層2について説明する。本発明の積層体10は、アンカー層2を備えていることを特徴としている。これにより、セルロースナノファイバー層3が、剛直な性質であり高い弾性率を有すること、繊維形状であるため基材への接点の面積が小さいこと、および反応性が低いことにより、基材への密着性が低いという課題、また、セルロースナノファイバー層3に用いられる分散媒が水系であることによる基材1に対するはじきや濡れ性、塗工性に関する課題、さらに、基材の化学的不安定性や低分子量分子のブリード、結晶化、表面劣化のために、成膜後に経時で基材及び被膜が劣化し、密着性の低下が見られるといった課題を解決し、セルロースナノファイバーの水系分散液からなる塗液を均一に塗工し、かつ基材との密着性を確保し、さらに、経時での密着性、基材1及びセルロースナノファイバー層3の劣化を抑えることが可能になる。
また、アンカー層2には、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基または水酸基を有する樹脂を少なくとも1種類以上含むことが好ましい。当該樹脂を含む場合、基材またはセルロースナノファイバーに存在するカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基または水酸基の極性同士が引き合うことにより、密着、濡れ性、経時安定性が向上する。特に、カルボキシル基を有する樹脂を含むことにより、極性同士の相互作用や会合による性能の向上効果が著しい。アンカー層2に含まれる樹脂は、上記官能基を1種類だけ有しても、複数有してもよい。また、前述の効果を阻害しなければ、上記官能基以外の官能基を有していてもよい。
しかし、アンカー層2に含まれるカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、水酸基などの親水性基の数が多すぎる場合、高湿度下でアンカー層2が吸湿・膨張することにより膜強度が劣化し、アンカー層2の凝集破壊または基材1・アンカー層2間での界面剥離の原因となる場合がある。適度な耐湿性を付与させるために、例えば酸化は200以下である事が好ましく、また水酸基価も200以下である事が好ましい。
上記の官能基を有する樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリマレイン酸樹脂もしくはポリオレフィン樹脂またはこれらの共重合体などを用いることができる。これらの樹脂は、酸変性した樹脂、酸化処理により変性した樹脂、あるいは化学改質により、上記官能基または他の官能基を導入した樹脂でもよい。これらの樹脂の中でも、特に、酸変性させたポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリエステル樹脂がセルロースナノファイバーとの密着、濡れ性の向上に効果が高い。特にポリオレフィン系の酸変性樹脂を使用した場合、基材と樹脂の間に極性同士の相互作用による密着性を維持しつつ、高湿度下でも吸湿を抑制する事ができ、高い膜凝集力を維持する事ができる。
また、アンカー層2として使用される樹脂は溶液系、エマルジョン系のものを使用する事ができるが、エマルジョン系のものを使用する場合、粒径は2μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましい。粒径が小さいものほど溶融し易く、加熱にかける温度を低くする事ができエネルギー的に有利である。また粒径が小さいものほど平滑な膜を形成し易く、セルロースナノファイバーの水系分散液からなる塗液を均一に塗工しやすく、かつ基材との密着性を確保しやすい。
さらに、アンカー層2として使用される樹脂がエマルジョンである場合、樹脂の融点は60℃以上150℃以下である事が好ましい。融点が60℃以下である場合、セルロースナノファイバー層3の塗工・乾燥を行う際に樹脂が柔らかくなりすぎて均一なアンカー層2を作製する事が難しくなり、剥がれの原因となる。またセルロースナノファイバー層3の乾燥に高温をかけられなくなると乾燥路が長くなり、生産性に問題が生じる。また融点が150℃以上である場合、ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂の耐熱温度を越えてしまい、基材フィルムの着色や劣化の原因となる。
アンカー層2に反応性化合物を添加することができる。まず、反応性化合物の添加によって膜の強度を向上させる事ができる。反応性化合物としてはイソシアネート基、エポキシ基、オキサゾリン基、アミノ基、カルボジイミド基などを1分子あたり2つ以上含むものが好ましい。また反応性化合物は反応性官能基を2種類以上持っていてもよい。アンカー層2を単体で用いた場合膜の凝集力が弱く、湿度による膨潤による凝集力の劣化や割れが生じやすい。またアンカー層2に反応性化合物を使用することで基材1に用いられるポリエステル樹脂やポリアミド樹脂と相互作用又は反応することによって基材1フィルムとアンカー層2の密着性を向上させる事ができる。更には反応性化合物がアンカー層2の樹脂の官能基と反応し、さらにセルロースナノファイバー層3とも反応し、共有結合を作ることで密着性を向上させる事ができる。
またアンカー層2に添加される反応性化合物の添加量はアンカー樹脂100に対して0.01以上30以下が好ましく、0.01以上20以下がより好ましい。反応性化合物の添加量が少なすぎる場合、アンカー層2の膜凝集力が十分に得られない。また、反応性化合物の添加量が多すぎる場合アンカー層2が硬くなりすぎて曲げなどの力が加わった場合に割れ易くなる。さらに、アンカー層2上にセルロースナノファイバーの塗液を塗工する際に反応性化合物の溶出が起こり、セルロースナノファイバー層3のアンカー層2よりの部分でセルロースナノファイバーと反応性化合物の反応が起こる。これによってセルロースナノファイバー層3が硬くなりすぎて脆くなり、十分な膜凝集力が得られず割れや剥がれの原因となる場合がある。
また、アンカー層2に含まれる樹脂の酸価は、5以上が好ましく、20以上がより好ましい。酸価は、上記官能基の量や前述の効果に影響し、5より小さいと、密着性と濡れ性および経時安定性向上の効果が少ない。また、反応性化合物を添加した場合、架橋点が少なく、十分反応を進行させる事ができない。20以上であると、密着性・濡れ性および経時安定性への効果が高い上、アンカー層2に含まれる反応性化合物との反応性も良好になり、50以上であると、反応性化合物がないあるいは少なくても極性同士の相互作用が大きく表れる。しかし、200より大きいと、耐水性およびブロッキング性にも影響を及ぼすことがあるため、12以上200以下がより好ましい。
また、アンカー層2の厚みは、3nm以上10μm以下が好ましい。3nm未満であると、セルロースナノファイバーの繊維幅よりも小さくなり、接点が少なくなることからも塗工性、経時安定性、特に密着向上の効果が殆ど現れない。一方、10μmを越えると、厚すぎて効率が悪い上、アンカー層2とセルロースナノファイバー層3の歪みによる反りやカールが生じる。反りやカールの面からは、3nm以上5μm以下が好ましい。特に、コスト面や乾燥効率などの面から、3nm以上2μm以下がより好ましい。
また、熱溶着可能な熱可塑性樹脂層は、本発明の積層体20を用いて袋状包装体などを形成する際に、密封層として設けられるものである。図2に、本発明の熱可塑性樹脂層を設けた積層体20を示す。熱可塑性樹脂層5は、基材1の一方の面にアンカー層2を介して積層されたセルロースナノファイバー層3上に、接着層4を介して積層される。
熱可塑性樹脂層5としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体またはそれらの金属架橋物等の樹脂からなる熱溶着可能なフィルムが用いられる。セルロースナノファイバー層3上への熱可塑性樹脂層5の形成方法としては、熱可塑性樹脂層5であるフィルムを、2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて、セルロースナノファイバー層3の表面に貼り合わせるドライラミネート法等を用いることが一般的であるが、コーティング、ノンソルベントラミネート、ウェットラミネート、押し出しラミネートなどいずれも公知の方法により積層することもできる。このように、熱可塑性樹脂層5は、セルロースナノファイバー層3の表面に、接着層4を介して設けることが好ましい。また、セルロースナノファイバー層3と熱可塑性樹脂層5との間には、接着層4のほかに、印刷層など他の層を設けてもよい。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
以下に示すセルロースナノファイバー、水溶性高分子、層状鉱物の各材料を、表1に示した配合比で混合し、アンカー層形成用塗液を作製した。
[セルロース繊維の製造方法]
漂白クラフトパルプ10gを水500ml中で一晩静置し、パルプを膨潤させた。これを20℃に温度調整し、TEMPO 0.1gと臭化ナトリウム 1gを添加し、パルプの懸濁液とした。さらに、攪拌しながらセルロース重量当たり10mmol/gの次亜塩素酸ナトリウムを添加した。この際、約1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してパルプ懸濁液のpHを約10.5に保持した。その後240分間酸化反応を行い、十分に水洗しパルプを得た。得られたパルプをイオン交換水で固形分濃度1%に調整し、高速回転ミキサーを用いて約60分間攪拌し、透明なセルロースナノファイバーの分散液を得た。
[ポリビニルアルコールの調製方法]
市販品のPVA(PVA−124、クラレ社製)5gをビーカーに量りとり、純水500gを加えた。これを100℃に加熱し、溶解させ1%溶液として用いた。
[無機層状化合物の分散方法]
市販品の合成マイカ、PDM−5B(トピー工業社製)を水に分散させ1%分散液として用いた。
[塗工液の調製方法]
PVAの1%溶液を60gビーカーに量り取り、攪拌しながら合成マイカの1%分散液を12g添加してPVA/合成マイカ=50/10の混合液を作成する。セルロースナノファイバー分散液100gを攪拌しながらこの混合液を60g添加してセルロース/合成マイカ/PVA=100/10/50とし、十分攪拌する。この混合液を塗工液(1)とする。
[アンカー層形成用塗液]
下記樹脂1〜9と下記添加剤1〜3の組み合わせにより、樹脂100重量部に対し添加剤0重量部、1重量部又は10重量部を混合し、表1におけるアンカー層を形成するための塗液(アンカー層形成用塗液)1〜25を調製した。アンカー層形成用塗液における樹脂1〜9と添加剤1〜4の組み合わせ、用いた溶媒および固形分濃度を表1に示す。それぞれの樹脂、添加剤を表に示す溶媒で希釈して表1に示す固形分とした後に混合した。
[樹脂No.1〜9]
樹脂No.1・・・アローベース SD-1200
(カルボキシル基含有ポリエチレン、ユニチカ)
樹脂No.2・・・アローベース SB-1010
(カルボキシル基含有ポリエチレン、ユニチカ)
樹脂No.3・・・アローベース TC-4010
(カルボキシル基含有ポリプロピレン、ユニチカ)
樹脂No.4・・・ペスレジン WAC-15X
(アクリル変性ポリエステル・ウレタン混合物、高松油脂)
樹脂No.5・・・ペスレジン S−680EA
(カルボキシル基含有ポリエステル、高松油脂)
樹脂No.6・・・アクリット 8UA−017
(カルボキシル基含有ウレタン変性アクリルポリマー、大成ファインケミカル)
樹脂No.7・・・アクリット 8UA−501
(カルボキシル基含有ウレタン変性アクリルポリマー、大成ファインケミカル)
樹脂No.8・・・NT−ハイラミック
(ポリウレタン、大日精化)
樹脂No.9・・・バイロエコール BE−600
(ポリ乳酸、東洋紡績)
[添加剤No.1〜4]
添加剤No.1・・・タケネート WD−725
(イソシアネート、三井化学)
添加剤No.2・・・オルガチックス TC−400
(チタントリエタノールアミネート、松本ファインケミカル)
添加剤No.3・・・タケネート A52
(イソシアネート、三井化学)
添加剤No.4・・・タケネート 500
(ジイソシアネート、三井化学)
Figure 0006175753
<実施例1〜25>
表1におけるアンカー層形成用塗液No.1〜25を用いたのが表2における実施例1〜25であり、アンカー層形成用塗液の番号と実施例の番号とに同一の番号を用いて対応させている。
基材として、表面をコロナ処理した厚み15μmのナイロンと厚み12μmのポリエステルを用意した。各基材のコロナ処理面上に、アンカー層形成用塗液1〜25をバーコーターを用いて塗布した後、120℃で10分間乾燥処理することにより、厚み約0.3μmのアンカー層を形成した。アンカー層上に、塗工液(1)をバーコーターを用いて塗布した後、120℃で20分間乾燥処理することにより、厚み約1.0μmのセルロースナノファイバー層を形成した。さらに、セルロースナノファイバー層上に、ウレタンポリオール系接着剤を用いて、ドライラミネートにより、熱溶着可能な熱可塑性樹脂層である厚み70μmのポリプロピレンフィルムを貼り合わせて、基材/アンカー層/セルロースナノファイバー層/接着層/熱可塑性樹脂層の積層体を得た。
<比較例1>
基材のコロナ処理面上にアンカー層を形成せず、直接塗工液(1)をバーコーターを用いて塗布した以外は、実施例と同様にして積層体を得た。
[塗工性評価]
実施例1〜25および比較例1の積層体を作製する際の、セルロースナノファイバー分散液を塗布する工程において、実施例1〜25では、セルロースナノファイバー分散液の濡れ性が良好で、特にはじきやムラ等が観察されることはなかった。一方、比較例1では、濡れ性が悪く、セルロースナノファイバー分散液のはじきやムラが目視で観察できた。
得られたガスバリア性フィルムの性能は、下記の方法に従って評価した。
[酸素透過度(等圧法)(cm/m ・day・Pa)]
酸素透過度測定装置MOCON(OX−TRAN2/21、モダンコントロール社製)を用いて、30℃70%RHの雰囲気下で測定をおこなった。ガスバリア性フィルムの酸素透過度を測定した結果を表に示す。
得られた包装材料用ガスバリア性フィルムのラミネート強度は以下の方法に従って評価した。
[密着強度の測定]
各3層積層体を、幅15mm×長さ10cmの短冊状に切り抜き、試験片とした。該試験片について、JIS−K−7127に準拠して、引張り速度300mm/minでT字剥離を行って、基材とPPフィルムの間の密着強度(N/15mm)を測定した。また試験環境は25℃70%RHとした。
[経時安定性試験]
積層体を40℃90%の環境下で1週間保管し、前述の密着性試験の方法と同様に密着性を評価した。
Figure 0006175753
以上の結果から、本発明の積層体は、濡れ性や塗工性が良好で、セルロースナノファイバー層3がムラになることなく、均一な膜を形成することができるため、外観も良好で、酸素透過率が小さく、良好なバリア性を示したといえる。また、密着性に関しても、実施例のものは良好な結果を示している。特に主鎖がポリオレフィン樹脂でカルボキシル基を含む物を使用した場合好ましい結果となった。経時安定性に関してもカルボキシル基を含むものに関しては良好な結果を示した。水酸基などの官能基を持つ場合や主鎖にエステル等の極性基を持つ場合は湿度による劣化が大きいと考えられる。
本発明の積層体は、食品や医薬品をはじめとする包装材料分野において、内容物を保護
するために、包装材料を透過する酸素や水蒸気などの気体を遮断するフィルムやシート、
または、ボトルなどの成形物等に用いることができる。
1 基材
2 アンカー層
3 セルロースナノファイバー層
4 ヒートシール層(接着層)
5 熱可塑性樹脂層

Claims (18)

  1. 少なくとも、基材と、前記基材の一方の面に、アンカー層と、カルボキシル基を有するセルロースナノファイバー層とをこの順に設けた積層体であって、
    前記アンカー層が、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基または水酸基を有する樹脂を少なくとも1種類以上含み、且つ融点が60℃以上150℃以下であるエマルジョン系樹脂で形成されていることを特徴とする積層体。
  2. 前記エマルジョン系樹脂の粒径が、2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記エマルジョン系樹脂の粒径が、0.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  4. 前記セルロースナノファイバーが、酸化反応によりカルボキシル基が導入された酸化セルロースであり、前記カルボキシル基の含有量が、0.1mmol/g以上5.5mmol/g以下であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の積層体。
  5. 前記セルロースナノファイバーの数平均繊維径が、0.001μm以上0.200μm以下であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の積層体。
  6. 前記セルロースナノファイバーのカルボキシル基が、ナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩のいずれかの塩を形成していることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の積層体。
  7. 前記アンカー層が、カルボキシル基を有する樹脂を少なくとも含むことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の積層体。
  8. 前記アンカー層に含まれる樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリマレイン酸樹脂、もしくはポリオレフィン樹脂またはこれらの共重合体であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の積層体。
  9. 前記アンカー層が、更に、カルボジイミド基、オキサゾリン基、イソシアネート基またはエポキシ基を有する反応性化合物を含むことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の積層体。
  10. 前記基材が、ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂からなり、前記アンカー層が、カルボキシル基を有する樹脂を含むことを特徴とする請求項に記載の積層体。
  11. 前記基材を構成する樹脂がポリエステル樹脂の場合はポリエチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂の場合はナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5Tなどのナイロン、又は、これらの誘導体、又は、これらのうち2種以上の複合材料であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  12. 前記アンカー層に含まれる樹脂の酸価が、5以上であることを特徴とする請求項1から1のいずれかに記載の積層体。
  13. 前記アンカー層の厚みが、3nm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1から1のいずれかに記載の積層体。
  14. 前記アンカー層が、水/IPAで希釈されたカルボキシル基含有ポリエチレン、または、水で希釈されたカルボキシル基含有ポリプロピレンで形成されていることを特徴とする請求項1から1のいずれかに記載の積層体。
  15. 少なくとも、基材と、前記基材の一方の面に、アンカー層と、カルボキシル基を有するセルロースナノファイバー層とをこの順に設けた積層体の製造方法であって、
    前記基材の一方の面に、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基または水酸基を有する樹脂を少なくとも1種類以上を含む塗液を用いて塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜を乾燥させて前記アンカー層を形成する工程と、
    前記アンカー層の上に前記セルロースナノファイバー層を形成する工程とを備え、
    前記塗液に含まれ、前記アンカー層を形成する樹脂を、融点が60℃以上150℃以下であるエマルジョン系樹脂とすることを特徴とする積層体の製造方法。
  16. 前記エマルジョン系樹脂の粒径を2μm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  17. 前記エマルジョン系樹脂の粒径を0.5μm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  18. 前記塗液を、カルボキシル基含有ポリエチレンを水/IPAで希釈した塗液、または、カルボキシル基含有ポリプロピレンを水で希釈した塗液とすることを特徴とする請求項1から1のいずれかに記載の積層体の製造方法。
JP2012228757A 2012-10-16 2012-10-16 積層体およびその製造方法 Active JP6175753B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012228757A JP6175753B2 (ja) 2012-10-16 2012-10-16 積層体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012228757A JP6175753B2 (ja) 2012-10-16 2012-10-16 積層体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014079938A JP2014079938A (ja) 2014-05-08
JP6175753B2 true JP6175753B2 (ja) 2017-08-09

Family

ID=50784609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012228757A Active JP6175753B2 (ja) 2012-10-16 2012-10-16 積層体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6175753B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI712495B (zh) 2015-09-18 2020-12-11 日商王子控股股份有限公司 積層體
KR20180098636A (ko) * 2016-01-20 2018-09-04 오지 홀딩스 가부시키가이샤 적층체 및 적층체의 제조 방법
JP6979083B2 (ja) * 2017-12-06 2021-12-08 哲男 近藤 ナノコンポジット及びナノコンポジットの製造方法
KR20200110780A (ko) * 2018-02-23 2020-09-25 오지 홀딩스 가부시키가이샤 섬유상 셀룰로오스 함유 피막의 제조 방법, 수지 조성물, 피막 및 적층체
CN112368147A (zh) * 2018-05-02 2021-02-12 东洋制罐集团控股株式会社 包含纳米纤维素的成形物及其生产方法
JP7057218B2 (ja) * 2018-05-22 2022-04-19 第一工業製薬株式会社 積層体
JP6708274B1 (ja) * 2019-02-12 2020-06-10 王子ホールディングス株式会社 繊維状セルロース含有被膜の製造方法、樹脂組成物、被膜及び積層体
WO2021079850A1 (ja) * 2019-10-21 2021-04-29 王子ホールディングス株式会社 積層シート及び積層体
JP7540169B2 (ja) * 2019-10-21 2024-08-27 王子ホールディングス株式会社 積層シート及び積層体
WO2021235501A1 (ja) 2020-05-19 2021-11-25 王子ホールディングス株式会社 微細繊維状セルロース、分散液、シート、積層シート、積層体及び微細繊維状セルロースの製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003306346A (ja) * 2002-04-11 2003-10-28 Nippon Paint Co Ltd ガラス又は鏡の耐衝撃性改善方法及び破損時の飛散防止方法
JP2011175841A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Unitika Ltd リチウムイオン二次電池外装用ポリアミド積層フィルム
JP2011207042A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Kao Corp ガスバリア性積層体の製造方法
WO2012070441A1 (ja) * 2010-11-25 2012-05-31 凸版印刷株式会社 積層体およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014079938A (ja) 2014-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6175753B2 (ja) 積層体およびその製造方法
JP5928339B2 (ja) 積層体およびその製造方法
JP5765331B2 (ja) 微細セルロース繊維分散液およびその製造方法、セルロースフィルムならびに積層体
JP5704165B2 (ja) 膜形成用組成物およびシート
JP5879674B2 (ja) シートの製造方法
JP6107658B2 (ja) 膜形成用組成物、積層体、膜、シート基材、包装材、膜形成用組成物の製造方法
JP5350825B2 (ja) ガスバリア性積層体とその製造方法
EP2551104A1 (en) Gas barrier laminate and packaging material
JP6268746B2 (ja) ガスバリア層形成用の塗工液及びその製造方法、ガスバリア性積層体及び包装材料
JP2012149114A (ja) 膜形成用組成物およびシートならびに包装材料
JP6070015B2 (ja) ガスバリア層形成用塗工液の製造方法、ガスバリア性積層体の製造方法、包装材料の製造方法及びガスバリア層形成用塗工液
JP2015024537A (ja) 防湿フィルム及び包装材料用防湿フィルム
JP6236859B2 (ja) ガスバリア層形成用の塗工液の製造方法
JP2022115529A (ja) バリア性を有する紙容器及びその製造方法
JP6210146B2 (ja) ガスバリア層形成用塗工液の製造方法、ガスバリア性積層体及び包装材料
JP6983387B2 (ja) リチウムイオン二次電池外装材
JP5514533B2 (ja) ガスバリア性積層体
JP6414284B2 (ja) ガスバリア層形成用の塗工液、ガスバリア性積層体及び包装材料
JP5195969B2 (ja) コーティング剤を用いた積層材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160923

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170510

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170613

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6175753

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250