JP6165373B1 - ピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法 - Google Patents
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[1]ピリジン−3−スルホニルクロリド及び5−クロロピリジン−3−スルホニルクロリドを含む原料粗体と、芳香族系有機溶媒とを含有する反応液に塩酸ガスを導入して、ピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩を析出させる工程と、析出した前記ピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩を分取する工程と、分取した前記ピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩をモノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、及びキシレンからなる群より選択される少なくとも一種の、水の非存在下の溶媒中に分散させた分散液を調製し、調製した前記分散液を加熱してピリジン−3−スルホニルクロリドを生成させる工程と、を有するピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
[2]前記芳香族系有機溶媒が、モノクロロベンゼン及びジクロロベンゼンの少なくともいずれかである前記[1]に記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
[3]前記分散液を、常圧以下の圧力条件下、75〜130℃に加熱する前記[1]又は[2]に記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
本発明のピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩の製造方法は、ピリジン−3−スルホニルクロリド及び5−クロロピリジン−3−スルホニルクロリドを含む原料粗体と、芳香族系有機溶媒とを含有する反応液に塩酸ガスを導入して、ピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩を析出させる工程と、析出したピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩を分取する工程とを有する。以下、本発明のピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩の製造方法を、単に「第1の製造方法」とも記す。
本発明の第1の製造方法は、ピリジン−3−スルホニルクロリド及び5−クロロピリジン−3−スルホニルクロリドを含む原料粗体と、芳香族系有機溶媒とを含有する反応液に塩酸ガスを導入して、ピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩を析出させる工程(以下、「工程1」とも記す)を有する。
本発明の第1の製造方法は、上記の工程1によって反応液中に析出したピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩を分取する工程(以下、[工程2]とも記す)を有する。前述の通り、工程1において塩酸ガスを反応液に導入することで、PSC塩酸塩が芳香族系有機溶媒に実質的に溶解せずに析出するとともに、不純物である5−クロロピリジン−3−スルホニルクロリドは塩酸塩を形成せず、芳香族系有機溶媒に溶解している。このため、ろ過等の簡易な操作によって、高純度のPSC塩酸塩を得ることができる。なお、必要に応じて芳香族系有機溶媒で洗浄した後、減圧条件下等で乾燥することが好ましい。
本発明のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法は、前述の第1の製造方法によって製造したピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩を非水系溶媒中に分散させた分散液を調製し、調製した分散液を加熱してピリジン−3−スルホニルクロリドを生成させる工程を有する。すなわち、本発明のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法は、前述の工程1及び工程2に加え、ピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩を非水系溶媒中に分散させた分散液を調製し、調製した分散液を加熱してピリジン−3−スルホニルクロリドを生成させる工程をさらに有する。以下、本発明のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法を、単に「第2の製造方法」とも記す。
本発明の第2の製造方法は、第1の製造方法の「工程2」で分取したピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩を非水系溶媒中に分散させた分散液を調製し、調製した分散液を加熱してピリジン−3−スルホニルクロリドを生成させる工程(以下、「工程3」とも記す)を有する。
(実施例1)
800mL四つ口コルベンに、ピリジン−3−スルホニルクロリド88.8g(0.500モル、5−クロロピリジン−3−スルホニルクロリドを0.14%含有)、及びモノクロロベンゼン355.2gを入れ、撹拌しながら、内温25±5℃で塩酸ガス20.0g(0.549モル)を5時間かけて吹き込んだ。析出した結晶をろ過した後、モノクロロベンゼン100gで洗浄した。得られた結晶を1〜3kPaの減圧条件下、55℃で乾燥して、ピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩105.6g(0.493モル、収率98.7%)を得た。得られたピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩をガスクロマトグラフィー(GC)により分析したところ、5−クロロピリジン−3−スルホニルクロリドは検出されなかった。
300mL四つ口コルベンに、五塩化リン62.4g(0.300mol)、及びモノクロロベンゼン71.6gを入れ、撹拌しながら120±3℃に加熱した。ピリジン−3−スルホン酸47.7g(0.300mol)を10分割して1時間毎に添加した。ピリジン−3−スルホン酸の全量を添加後、120±3℃で8時間撹拌した。反応液中の5−クロロピリジン−3−スルホニルクロリドの含有量は、0.2area%(GC分析による)であった。減圧(100℃、27kPa)してモノクロロベンゼン及び副生したオキシ塩化リンを留去して濃縮液を得た。
ピリジン−3−スルホン酸に対して1.1モル当量の五塩化リンを用いたこと以外は、前述の実施例2と同様にして、ピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩57.7g(0.269モル、収率89.8%)を得た。得られたピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩をガスクロマトグラフィー(GC)により分析したところ、5−クロロピリジン−3−スルホニルクロリドは検出されなかった。なお、ピリジン−3−スルホン酸と五塩化リンを反応させて得た反応液中の5−クロロピリジン−3−スルホニルクロリドの含有量は、0.3area%(GC分析による)であった。
200mL四つ口コルベンに、ピリジン−3−スルホン酸31.8g(0.200モル)、及びモノクロロベンゼン47.7gを入れ、撹拌しながら120±3℃に加熱した。五塩化リン41.6g(0.200mol)を20分割して15分間毎に添加した。五塩化リンの全量を添加後、120±3℃で6時間撹拌した。反応液中の5−クロロピリジン−3−スルホニルクロリドの含有量は、0.1area%(GC分析による)であった。減圧(100℃、27kPa)してモノクロロベンゼン及び副生したオキシ塩化リンを留去して濃縮液を得た。
(実施例5)
200mL四つ口コルベンに、実施例1で得たピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩21.4g(0.100モル)、及びモノクロロベンゼン42.8gを入れ、撹拌してスラリー(分散液)とした。真空ポンプを使用して内圧を23kPaに調整するとともに、85±5℃に加熱して5時間処理(脱塩酸)した。5時間後には、コルベンの内容物はほぼ透明な液体となった。その後、減圧(100℃、27kPa)してモノクロロベンゼンを留去した。次いで、減圧蒸留(110℃、1kPa)して、ピリジン−3−スルホニルクロリド16.5g(0.0929モル、収率92.9%)を得た。
200mL四つ口コルベンに、実施例1で得たピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩21.4g(0.100モル)、及びモノクロロベンゼン42.8gを入れ、撹拌してスラリー(分散液)とした。120±5℃に加熱して5時間処理(脱塩酸)した。5時間後には、コルベンの内容物はほぼ透明な液体となった。その後、減圧(100℃、27kPa)してモノクロロベンゼンを留去した。次いで、減圧蒸留(110℃、1kPa)して、ピリジン−3−スルホニルクロリド13.9g(0.0783モル、収率78.3%)を得た。
Claims (3)
- ピリジン−3−スルホニルクロリド及び5−クロロピリジン−3−スルホニルクロリドを含む原料粗体と、芳香族系有機溶媒とを含有する反応液に塩酸ガスを導入して、ピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩を析出させる工程と、
析出した前記ピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩を分取する工程と、
分取した前記ピリジン−3−スルホニルクロリド塩酸塩をモノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、及びキシレンからなる群より選択される少なくとも一種の、水の非存在下の溶媒中に分散させた分散液を調製し、調製した前記分散液を加熱してピリジン−3−スルホニルクロリドを生成させる工程と、
を有するピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。 - 前記芳香族系有機溶媒が、モノクロロベンゼン及びジクロロベンゼンの少なくともいずれかである請求項1に記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
- 前記分散液を、常圧以下の圧力条件下、75〜130℃に加熱する請求項1又は2に記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
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