JP2018062513A - スルホンアミド化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載された化合物(I)の製造方法では、パラジウム触媒を用いるカップリング反応(工程3)を最終目的化合物の製造直前で実施しているため、最終目的化合物中にパラジウム触媒が残留する可能性が高いと考えられ、よって工業的規模で実施するのに最適な製造方法とはいえない。
上記製造方法においても、最終目的化合物の製造直前でカップリング反応を実施しているため、反応スキーム(I)と同様に、パラジウム触媒の残留の可能性に大きな違いはない。また、反応スキーム(II)の工程4において、晶析により得られた化合物(8)中のパラジウム触媒の残留量は約1000ppmであり、カラムクロマトグラフィーを用いた精製により得られた化合物(8)中のパラジウム触媒の残留量は約10ppmであった。そのため、カラムクロマトグラフィーを用いることなく、化合物(8)中のパラジウム触媒の残留量を低減させることは困難であり、最良の方法ではなかった。
また、上記工程1の目的化合物(2)を晶析により得た後、この化合物(2)を用いて工程2のカップリング反応を行ったところ、多量のパラジウム触媒(少なくとも約0.1モル当量)が必要となり、さらに、反応溶液の撹拌性が悪いという問題点があった。一方、工程2において、パラジウム触媒の使用量を反応基質である化合物(2)に対して0.03モル当量まで減らすとカップリング反応が進行しなかった。このため、化合物(2)の純度が工程2の反応性に影響すると考えられ、反応スキーム(III)の工程1および工程2では工業的な製法として満足のいく結果は得られなかった。したがって、反応スキーム(III)の製造ルートを工業的規模で実施する場合には、反応性、撹拌性および製造作業性が悪く、製造中間体化合物の品質が低いという問題点があった。
項〔1〕 化合物(4):
(i)化合物(1):
(ii)該化合物(2)を、パラジウム触媒の存在下、化合物(3):
ことを含む、該製造方法。
項〔2〕 化合物(9):
(iii)化合物(4):
(iv)該化合物(6)を化合物(7):
(v)化合物(8)を加水分解反応に付すことにより、化合物(9):
項〔3〕 化合物(9)
(i)化合物(1):
(ii)化合物(2)を、パラジウム触媒の存在下、化合物(3):
(iii)該化合物(4)を化合物(5):
(iv)該化合物(6)を化合物(7):
(v)該化合物(8)を加水分解反応に付すことにより、化合物(9):
項〔4〕 工程(i)において使用するクロロ化剤が、N−クロロスクシンイミド(NCS)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DCH)、過酸化水素/塩酸、塩素、トリクロロイソシアヌル酸、塩化銅、塩化スルフリル、次亜塩素酸t-ブチル、次亜塩素酸ナトリウム、塩化オキサリル、およびN−クロロフタルイミドからなる群から選ばれる試薬である、項〔1〕または〔3〕に記載する製造方法。
項〔5〕 工程(i)におけるクロロ化反応が、エステル類、芳香族炭化水素類、エーテル類および水からなる群から選ばれる溶媒中で行われる、項〔1〕、〔3〕または〔4〕に記載する製造方法。
項〔6〕 工程(ii)において使用するパラジウム触媒が、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロ〔1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕パラジウム(PdCl2(dppf))、およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムからなる群から選ばれる試薬である、項〔1〕、〔3〕〜〔5〕のいずれか1項に記載する製造方法。
項〔7〕 工程(ii)において使用する塩基が、アルカリ金属低級アルコキシドおよび無機塩基からなる群から選ばれる試薬である、項〔1〕、〔3〕〜〔6〕のいずれか1項に記載する製造方法。
項〔8〕 工程(ii)において使用するパラジウム触媒が、塩化パラジウムまたは酢酸パラジウムであり、塩基が、リン酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、および炭酸ナトリウムからなる群から選ばれる無機塩基であり、配位子が、トリフェニルホスフィンまたはトリシクロヘキシルホスフィンである、項〔1〕、〔3〕〜〔7〕のいずれか1項に記載する製造方法。
項〔9〕 工程(ii)のカップリング反応が、水と有機溶媒からなる二層系溶媒中で行われ、ここで、該有機溶媒が、芳香族炭化水素類、エステル類、非プロトン性極性溶媒、スルホキシド類、エーテル類、およびニトリル類からなる群から選ばれる、項〔1〕、〔3〕〜〔8〕のいずれか1項に記載する製造方法。
項〔10〕 工程(iii)において使用する化合物(4)が、項〔1〕に記載の製造方法で製造された化合物(4)である、項〔2〕に記載する製造方法。
項〔11〕 エチル 4−[(4−シクロプロピルイソキノリン−3−イル)スルファモイル]ベンゾアート:
化合物(1)に、溶媒中、クロロ化剤を反応させることで、化合物(2)を製造することができる。
クロロ化剤としては、特に限定されないが、例えば、N−クロロスクシンイミド(NCS)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DCH)、過酸化水素/塩酸、塩素(例えば、塩素ガス)、トリクロロイソシアヌル酸、塩化銅、塩化スルフリル、次亜塩素酸t-ブチル、次亜塩素酸ナトリウム、塩化オキサリル、およびN−クロロフタルイミドなどが挙げられる。典型的な例としては、N−クロロスクシンイミド(NCS)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DCH)、過酸化水素/塩酸、塩素ガス、次亜塩素酸ナトリウム、塩化スルフリル、およびN−クロロフタルイミドが挙げられる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、例えば、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、および水などが挙げられる。典型的な例としては、エステル類、芳香族炭化水素類、エーテル類、および水が挙げられる。
本反応のクロロ化剤の添加は、用いる試薬または反応条件により異なり得るが、1回で反応溶液に加えてもよく、あるいは数回にわけてもしくは滴下して加えてもよい。
本反応の反応温度は、用いる試薬または反応条件により異なるが、通常、冷却下〜加熱下、好ましくは−20℃〜70℃である。例えば、本反応でN−クロロスクシンイミドを使用する場合、好ましい反応温度は35〜60℃であり、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインを使用する場合、好ましい反応温度は−20〜10℃であり、過酸化水素/塩酸を使用する場合、好ましい反応温度は45〜70℃である。
本反応の反応時間は、用いる試薬または反応条件により異なるが、通常、1〜36時間、好ましくは1〜24時間である。例えば、本反応でN−クロロスクシンイミドを使用する場合、好ましい反応時間は2〜20時間であり、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインを使用する場合、好ましい反応時間は10〜24時間であり、過酸化水素/塩酸を使用する場合、好ましい反応時間は1〜12時間である。
本反応は、不活性ガス存在下、例えば窒素ガスやアルゴンガス存在下で行ってもよい。
化合物(2)を、溶媒中、パラジウム触媒、塩基及び配位子の存在下で、シクロプロピルボロン酸(化合物(3))と反応させることにより、化合物(4)を製造することができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、例えば、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、ナフタレン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、エーテル類(例えば、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、および水などまたはこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。典型的な例としては、芳香族炭化水素類、非プロトン性極性溶媒、およびエーテル類が挙げられる。
本反応は、良好な撹拌性を得るためには、水と有機溶媒からなる二層系溶媒中で実施するのが好ましく、とりわけ、水および芳香族炭化水素類からなる混合溶媒が好ましく、特に、水およびトルエンの混合溶媒が好ましい。本反応を二層系溶媒で実施する場合、例えば、トルエン:水を使用する場合には、通常10:1〜1:5の比率、好ましくは2:1〜1:1の比率で混合した溶媒が挙げられる。
塩基としては、例えば、アルカリ金属低級アルコキシド(例えば、ナトリウムt−ブトキシド等)、または無機塩基(例えば、リン酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等)等が挙げられる。典型的な例としては、炭酸セシウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、および炭酸ナトリウムが挙げられる。
配位子としては、クロスカップリング反応において使用される一般的な配位子であれば特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−PHOS)、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(X−PHOS)、および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(Xantphos)等のリン配位子が挙げられる。典型的な例としては、トリフェニルホスフィン、およびトリシクロヘキシルホスフィンが挙げられる。
本反応の試薬仕込み温度は、通常、冷却下〜加熱下、好ましくは0℃〜40℃である
本反応の反応温度は、25〜150℃、好ましくは80〜120℃で行うことができる。
本反応の反応時間は、通常、6〜24時間、好ましくは8〜16時間である。
化合物(4)を溶媒中、塩基の存在下で化合物(5)と縮合させることにより、化合物(6)を製造することができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、例えば、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等)、ケトン類(例えば、アセトン、ブタノン等)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびN−メチルピロリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、およびニトリル類(例えば、アセトニトリル等)が挙げられる。典型的な例としては、ニトリル類、エーテル類、および炭化水素類が挙げられる。
塩基としては、慣用の塩基を用いることができ、例えば、アルカリ金属アミド(例えば、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド、リチウムビストリメチルシリルアミド等)、炭酸アルカリ金属(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、リン酸アルカリ金属(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)、および有機アミン(例えば、ピリジン等)が挙げられる。典型的な例としては、有機アミンが挙げられる。
本反応の試薬仕込み温度は、通常、冷却下〜加熱下、好ましくは20℃〜60℃である。
反応温度は、冷却下〜加熱下、好ましくは20℃〜60℃で行うことができる。
本反応の反応時間は、通常、4〜24時間、好ましくは4〜12時間である。
化合物(6)と化合物(7)を、溶媒中、塩基の存在下で縮合させることにより、化合物(8)を製造することができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、例えば、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等)、炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等)、ケトン類(例えば、アセトン、ブタノン等)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびN−メチルピロリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、およびニトリル類(例えば、アセトニトリル等)が挙げられる。典型的な例としては、アミド類、およびニトリル類が挙げられる。
塩基としては、慣用の塩基を用いることができ、例えば、アルカリ金属アミド(例えば、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド、リチウムビストリメチルシリルアミド等)、炭酸アルカリ金属(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、リン酸アルカリ金属(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)、および有機アミン(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等)が挙げられる。典型的な例としては、炭酸アルカリ金属、およびジイソプロピルエチルアミンが挙げられる。
本反応の温度は、冷却下〜加熱下、好ましくは、15℃〜35℃で行うことができる。
本反応の反応時間は、通常、2〜72時間、好ましくは2〜24時間である。
上記のようにして得られた化合物(8)を特許文献1または特許文献2に記載の方法に準じて、エステルの加水分解反応を行うことにより、化合物(9)を製造することができる。
(1)4-クロロイソキノリン-3-アミン(2)の製造
MS・APCI(m/z):179/181[M+H]+
MS・APCI(m/z):179/181[M+H]+
MS・APCI(m/z):179/181[M+H]+
MS・APCI(m/z):185[M+H]+
MS・APCI(m/z):397[M+H]+
MS・APCI(m/z):571[M+H]+
Claims (11)
- 工程(i)において使用するクロロ化剤が、N−クロロスクシンイミド(NCS)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DCH)、過酸化水素/塩酸、塩素、トリクロロイソシアヌル酸、塩化銅、塩化スルフリル、次亜塩素酸t-ブチル、次亜塩素酸ナトリウム、塩化オキサリル、およびN−クロロフタルイミドからなる群から選ばれる試薬である、請求項1または3に記載する製造方法。
- 工程(i)におけるクロロ化反応が、エステル類、芳香族炭化水素類、エーテル類および水からなる群から選ばれる溶媒中で行われる、請求項1、3または4のいずれか1項に記載する製造方法。
- 工程(ii)において使用するパラジウム触媒が、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロ〔1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕パラジウム(PdCl2(dppf))、およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムからなる群から選ばれる試薬である、請求項1または3〜5のいずれか1項に記載する製造方法。
- 工程(ii)において使用する塩基が、アルカリ金属低級アルコキシドおよび無機塩基からなる群から選ばれる試薬である、請求項1または3〜6のいずれか1項に記載する製造方法。
- 工程(ii)において使用するパラジウム触媒が、塩化パラジウムまたは酢酸パラジウムであり、塩基が、リン酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、および炭酸ナトリウムからなる群から選ばれる無機塩基であり、配位子が、トリフェニルホスフィンまたはトリシクロヘキシルホスフィンである、請求項1または3〜7のいずれか1項に記載する製造方法。
- 工程(ii)のカップリング反応が、水と有機溶媒からなる二層系溶媒中で行われ、ここで、該有機溶媒が、芳香族炭化水素類、エステル類、非プロトン性極性溶媒、スルホキシド類、エーテル類、およびニトリル類からなる群から選ばれる、請求項1または3〜8のいずれか1項に記載する製造方法。
- 工程(iii)において使用する化合物(4)が、請求項1に記載の製造方法で製造された化合物(4)である、請求項2に記載する製造方法。
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