JP5750199B1 - ピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工業的プロセスに容易に適用可能であるとともに、安価で入手が容易な原料を用いて、従来よりも高収率でピリジン−3−スルホニルクロリドを得ることが可能なピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法を提供する。【解決手段】3−アミノピリジンの塩酸水溶液及び亜硝酸塩の水溶液を酸性水溶液に−30〜−10℃の温度で同時に添加して、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を得る工程と、得られたピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を、亜硫酸ガス、銅触媒、及び非水溶性有機溶媒を含有する非水溶性反応液に撹拌下で添加して、ピリジン−3−スルホニルクロリドを得る工程とを有し、3−アミノピリジンの量に対する亜硝酸塩の量が、1モル当量以下であるピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品の合成原料・合成中間体等として有用なピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法に関する。
ピリジン−3−スルホニルクロリドは医薬品を製造するための原料や中間体として有用な化合物である。このようなピリジン−3−スルホニルクロリド等のピリジン環の3位にクロロスルホニル基を有する化合物を製造する方法としては、例えば、クロロベンゼン等の溶媒中、五塩化リン(PCl5)を用いて3−ピリジンスルホン酸をクロロ化する方法が知られている(特許文献1)。
また、有機溶媒の存在下、3−アミノ−2−クロロピリジンを二酸化硫黄、銅触媒、亜硝酸アルキル、及び塩化水素で処理して2−クロロ−3−クロロスルホニルピリジンを製造する方法が知られている(特許文献2)。さらに、3−アミノピリジンのジアゾニウム塩を、銅触媒の存在下、塩化チオニル及び水の混合物で処理してピリジン−3−スルホニルクロリドを製造する方法が知られている(特許文献3)。
国際公開第2014/133059号 米国特許第6365780号明細書 特許第4046360号公報
しかしながら、特許文献1で開示された製造方法は五塩化リンを用いる方法であるため、製造後にはリン成分を含有する廃液が生ずる。したがって、廃液の処理に手間がかかり、工業的な製造方法としては不向きであるといった課題があった。さらに、原料となる3−ピリジンスルホン酸が比較的高価であり、入手が困難であるといった課題もある。また、特許文献2には、2−クロロ−3−クロロスルホニルピリジンを製造した具体例が開示されているが、ピリジン−3−スルホニルクロリドを製造した具体例については記載されていない。なお、本発明者らが、特許文献2で開示された方法にしたがってピリジン−3−スルホニルクロリドを製造しようとしたところ、目的物がほとんど得られないことが判明した。
一方、特許文献3には、ピリジン−3−スルホニルクロリドを38%の収率で製造したことが記載されている。しかしながら、本発明者らが、特許文献3で開示された方法にしたがってピリジン−3−スルホニルクロリドを製造しようとしたところ、目的物がほとんど得られないことが判明した。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、工業的プロセスに容易に適用可能であるとともに、安価で入手が容易な原料を用いて、従来よりも高収率でピリジン−3−スルホニルクロリドを得ることが可能なピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成とすることによって、上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、以下に示すピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法が提供される。
[1]3−アミノピリジンの塩酸水溶液及び亜硝酸塩の水溶液を酸性水溶液に−30〜−10℃の温度で同時に添加して、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を得る工程と、得られた前記ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を、亜硫酸ガス、銅触媒、及び非水溶性有機溶媒を含有する非水溶性反応液に添加して、ピリジン−3−スルホニルクロリドを得る工程と、を有し、前記3−アミノピリジンの量に対する前記亜硝酸塩の量が、1モル当量以下であるピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
[2]前記ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を前記非水溶性反応液に添加した後、10分以内に水相と有機相を分離する前記[1]に記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
[3]前記3−アミノピリジンの量に対する前記亜硫酸ガスの量が、1〜5モル当量である前記[1]又は[2]に記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
[4]前記ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を、前記非水溶性反応液に−15〜5℃の温度で添加する前記[1]〜[3]のいずれかに記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
[5]前記非水溶性有機溶媒がハロゲン系溶媒である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
[6]前記ハロゲン系溶媒がジクロロメタンである前記[5]に記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
本発明のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法は、五塩化リン等のリン化合物を用いる必要がないため、廃液の処理が容易である。また、安価で入手が容易な原料を用いて目的物であるピリジン−3−スルホニルクロリドを得ることができるため、コスト面においても優位である。さらに、従来よりも高収率でピリジン−3−スルホニルクロリドを得ることができ、工業的プロセスに容易に適用することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法は、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を得る工程と、ピリジン−3−スルホニルクロリドを得る工程とを有する。以下、本発明のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法を、単に「本発明の製造方法」とも記す。
[工程1]
本発明の製造方法は、3−アミノピリジンの塩酸水溶液及び亜硝酸塩の水溶液を酸性水溶液に−30〜−10℃の温度で同時に添加して、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を得る工程(以下、「工程1」とも記す)を有する。
検討の結果、本発明者らは、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の反応性が非常に高いことを見出した。このため、従来のジアゾ化反応のように、アミン化合物である3−アミノピリジンに対して亜硝酸塩を添加すると、生成したジアゾニウム塩が過剰に存在する3−アミノピリジンと直ちに反応して分解してしまい、ジアゾニウム塩の収率が低下してしまう。これに対して、本発明の製造方法の工程1においては、3−アミノピリジンの塩酸水溶液と亜硝酸塩の水溶液を酸性水溶液に同時に添加する。これにより、3−アミノピリジンが反応系に過剰に存在しなくなるため、生成するピリジン−3−ジアゾニウム塩の分解が抑制され、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の収率を向上させることができる。
また、工程1においては、3−アミノピリジンの量に対する亜硝酸塩の量を、1モル当量以下、好ましくは0.95〜0.99モル当量とする。3−アミノピリジンの使用量に対して、亜硝酸塩の使用量を等モル以下とすることで、生成するピリジン−3−ジアゾニウム塩の分解を抑制し、反応収率を向上させることができる。
さらに、工程1においては、3−アミノピリジンの塩酸水溶液及び亜硝酸塩の水溶液を添加する際の酸性水溶液(反応系)の温度を−30〜−10℃、好ましくは−25〜−15℃とする。反応系の温度を上記の範囲とすることで、生成するピリジン−3−ジアゾニウム塩の分解を抑制し、反応収率を向上させることができる。なお、反応系の温度を−30℃未満にすると、反応系が凍結しやすくなる。一方、反応系の温度を−10℃超にすると、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の分解が進みやすくなり、反応収率が低下する。
3−アミノピリジンの塩酸水溶液と亜硝酸塩の水溶液を酸性水溶液に添加するのに要する時間は特に限定されず、例えば0.5〜24時間程度とすればよい。また、3−アミノピリジンの塩酸水溶液と亜硝酸塩の水溶液を酸性水溶液に添加する方法は特に限定されず、例えば一般的な滴下方法によって酸性水溶液に添加すればよい。添加後には、必要に応じて熟成させてもよい。熟成時の温度は、例えば−30〜−10℃程度とすればよい。また、熟成時間は、例えば10〜60分程度とすればよい。なお、亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸のアルカリ金属塩を用いることができる。また、酸性水溶液としては、塩酸等を用いることができる。
[工程2]
本発明の製造方法は、上記の工程1で得られたピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を、亜硫酸ガス、銅触媒、及び非水溶性有機溶媒を含有する非水溶性反応液に添加して、ピリジン−3−スルホニルクロリドを得る工程(以下、「工程2」とも記す)を有する。工程2は、いわゆるサンドマイヤー反応(Sandmeyer Reaction)により、ジアゾニウムイオンをクロロスルホニル基に変換してピリジン−3−スルホニルクロリドを得る工程である。
検討の結果、本発明者らは、目的物であるピリジン−3−スルホニルクロリドは水中で不安定であり、加水分解されやすいことを見出した。このため、水中で実施する従来のサンドマイヤー反応(例えば、特許文献2に記載の方法)によってピリジン−3−スルホニルクロリドを製造しようとすると、生成したピリジン−3−スルホニルクロリドが反応系内で速やかに分解してしまい、収率が低下してしまう。これに対して、本発明の製造方法の工程2では、スルホン化剤として、亜硫酸ガス(SO2)を非水溶性有機溶媒に溶解させて調製した非水溶性反応液を使用する。そして、工程1で調製したピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を滴下等の方法によって非水溶性反応液に添加し、2相系(有機相/水相)で反応を進行させる。したがって、反応により生成したピリジン−3−スルホニルクロリドは非水溶性有機溶媒を主成分とする有機相に存在することになるため、加水分解を抑制して収率を向上させることができる。
また、工程2においては、3−アミノピリジンの量に対する亜硫酸ガスの量を、1〜5モル当量とすることが好ましく、2〜3.8モル当量とすることがさらに好ましい。3−アミノピリジンの使用量に対する亜硫酸ガスの使用量が5モル当量超であると、後処理に負荷がかかる場合がある。一方、3−アミノピリジンの使用量に対する亜硫酸ガスの使用量が1モル当量未満であると、反応が十分に完結しない場合がある。
さらに、工程2においては、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を添加する際の非水溶性反応液(反応系)の温度を、−15〜5℃とすることが好ましく、−10〜0℃とすることがさらに好ましい。反応系の温度を上記の範囲とすることで、生成するピリジン−3−スルホニルクロリドの分解をさらに抑制し、反応収率をより向上させることができる。
ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を非水溶性反応液に添加するのに要する時間は特に限定されず、例えば0.5〜6時間程度とすればよい。また、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を非水溶性反応液に添加する方法は特に限定されず、例えば一般的な滴下方法によって非水溶性反応液に添加すればよい。なお、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を非水溶性反応液に添加した後、10分以内に撹拌を停止して水相と有機相を分液状態にすること好ましく、5分以内に撹拌を停止して水相と有機相を分液状態にすることがさらに好ましい。添加が完了してから10分以内に撹拌を停止し水相と有機相を分液状態にすることで、生成するピリジン−3−スルホニルクロリドの分解をさらに抑制し、反応収率をより向上させることができる。
銅触媒としては、例えば、塩化銅(II)二水和物、塩化銅(I)などを用いることができる。また、非水溶性有機溶媒としては、水に溶解しない(水と混和しない)有機溶媒であれば用いることができる。非水溶性有機溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶媒;ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒等を挙げることができる。なかでも、ジクロロメタンを非水溶性有機溶媒として用いると、目的とするピリジン−3−スルホニルクロリドの収率が顕著に向上するために好ましい。
ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を非水溶性反応液に添加した後には、前述の通り水相と有機相を分離する。ピリジン−3−スルホニルクロリドは有機相に含まれているため、必要に応じて、非水溶性有機溶媒を使用して1回以上抽出してもよい。分離した有機相を全てあわせた後、常法にしたがって洗浄、脱水、濃縮、及び減圧蒸留等すれば、目的とするピリジン−3−スルホニルクロリドを高い収率(例えば、40%以上)で得ることができる。本発明の製造方法における反応式の一例を以下に示す。
Figure 0005750199
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[工程1]
3−アミノピリジン50.0g(0.53mol)を35%塩酸34.9gに添加して撹拌し、3−アミノピリジンの塩酸水溶液を調製した。また、亜硝酸ナトリウム35.9g(0.52mol、3−アミノピリジンに対して0.98モル当量)を水54.0gに添加して撹拌し、亜硝酸ナトリウムの水溶液を調製した。塩酸131gを500mL4つ口褐色コルベンに入れて−20℃に冷却した。3−アミノピリジンの塩酸水溶液と亜硝酸ナトリウムの水溶液を、撹拌下、2時間かけて−20±2℃の温度範囲で塩酸中に同時に滴下した。滴下終了後、−20±2℃の温度範囲でさらに30分撹拌して、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を得た。
[工程2]
ジクロロメタン650gを1000mL4つ口褐色コルベンに入れて0℃に冷却し、亜硫酸ガス119g(1.86mol)を吹き込んで溶解させた。塩化銅(II)二水和物0.9g(0.006mol)を投入して−5℃に冷却し、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を1時間かけて−5±2℃の温度範囲で滴下した。滴下終了後、−5±2℃の温度範囲でさらに1分撹拌した。反応液の温度を−5±5℃に保った状態でろ過して銅触媒を除去した後、有機層と水層を分液した。−5±5℃の温度でジクロロメタン195g×3回抽出し、すべて混合して有機層1353gを得た。この有機層をGC分析したところ、ピリジン−3−スルホニルクロリドの濃度は3.76質量%であり、収率は54.0%であった。得られた有機層を3±2℃の温度に保持した状態で水50gを用いて洗浄した後、室温条件下、硫酸マグネシウム20gを用いて脱水した。ろ過して硫酸マグネシウムを除去した後、減圧濃縮(30〜35℃、>67kPa)してジクロロメタンを除去した。次いで、減圧蒸留(110℃、1.3kPa)して、ピリジン−3−スルホニルクロリド49.0g(0.276mol、収率52.1%)を得た。
(実施例2)
[工程1]
3−アミノピリジン50.0g(0.53mol)を35%塩酸34.9gに添加して撹拌し、3−アミノピリジンの塩酸水溶液を調製した。また、亜硝酸ナトリウム35.9g(0.52mol、3−アミノピリジンに対して0.98モル当量)を水54.0gに添加して撹拌し、亜硝酸ナトリウムの水溶液を調製した。塩酸131gを500mL4つ口褐色コルベンに入れて−12℃に冷却した。3−アミノピリジンの塩酸水溶液と亜硝酸ナトリウムの水溶液を、撹拌下、4時間かけて−12±2℃の温度範囲で塩酸中に同時に滴下した。滴下終了後、−12±2℃の温度範囲でさらに30分撹拌して、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を得た。
[工程2]
ジクロロメタン650gを1000mL4つ口褐色コルベンに入れて0℃に冷却し、亜硫酸ガス119g(1.86mol)を吹き込んで溶解させた。塩化銅(II)二水和物0.9g(0.006mol)を投入して−5℃に冷却し、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を2時間かけて−5±2℃の温度範囲で滴下した。滴下終了後、−5±2℃の温度範囲でさらに10分撹拌した。反応液の温度を−5±5℃に保った状態でろ過して銅触媒を除去した後、有機層と水層を分液した。3±2℃の温度でジクロロメタン195g×3回抽出し、すべて混合して有機層1340gを得た。この有機層をGC分析したところ、ピリジン−3−スルホニルクロリドの濃度は3.20質量%であり、収率は45.6%であった。得られた有機層を5±2℃の温度に保持した状態で水50gを用いて洗浄した後、室温条件下、硫酸マグネシウム20gを用いて脱水した。ろ過して硫酸マグネシウムを除去した後、減圧濃縮(30〜35℃、>67kPa)してジクロロメタンを除去した。次いで、減圧蒸留(110℃、1.3kPa)して、ピリジン−3−スルホニルクロリド40.7g(0.229mol、収率43.2%)を得た。
(実施例3)
[工程1]
3−アミノピリジン50.0g(0.53mol)を35%塩酸34.9gに添加して撹拌し、3−アミノピリジンの塩酸水溶液を調製した。また、亜硝酸ナトリウム35.9g(0.52mol、3−アミノピリジンに対して0.98モル当量)を水54.0gに添加して撹拌し、亜硝酸ナトリウムの水溶液を調製した。塩酸131gを500mL4つ口褐色コルベンに入れて−28℃に冷却した。3−アミノピリジンの塩酸水溶液と亜硝酸ナトリウムの水溶液を、撹拌下、6時間かけて−28±2℃の温度範囲で塩酸中に同時に滴下した。滴下終了後、−28±2℃の温度範囲でさらに30分撹拌して、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を得た。
[工程2]
ジクロロメタン650gを1000mL4つ口褐色コルベンに入れて0℃に冷却し、亜硫酸ガス119g(1.86mol)を吹き込んで溶解させた。塩化銅(II)二水和物0.9g(0.006mol)を投入して−5℃に冷却し、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を2時間かけて−5±2℃の温度範囲で滴下した。滴下終了後、−5±2℃の温度範囲でさらに5分撹拌した。反応液の温度を−5±5℃に保った状態でろ過して銅触媒を除去した後、有機層と水層を分液した。−5±5℃の温度でジクロロメタン195g×3回抽出し、すべて混合して有機層1351gを得た。この有機層をGC分析したところ、ピリジン−3−スルホニルクロリドの濃度は3.55質量%であり、収率は51.0%であった。得られた有機層を3±2℃の温度に保持した状態で水50gを用いて洗浄した後、室温条件下、硫酸マグネシウム20gを用いて脱水した。ろ過して硫酸マグネシウムを除去した後、減圧濃縮(30〜35℃、>67kPa)してジクロロメタンを除去した。次いで、減圧蒸留(110℃、1.3kPa)して、ピリジン−3−スルホニルクロリド46.9g(0.264mol、収率49.8%)を得た。
(実施例4)
工程2において、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を滴下後に、−5±2℃の温度範囲でさらに60分撹拌したたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、ピリジン−3−スルホニルクロリド29.8g(0.168mol、収率31.7%)を得た。
(比較例1)
特許文献3(特許第4046360号公報)の「実施例3」の追試を行い、3−アミノピリジンのジアゾニウム塩を、銅触媒の存在下、塩化チオニル及び水の混合物で処理してピリジン−3−スルホニルクロリドを製造した。その結果、ピリジン−3−スルホニルクロリド0.7g(0.0039mol、収率2.2%)を得た。
(比較例2)
3−アミノピリジンに対する亜硝酸ナトリウムの量を1.2モル当量としたこと以外は、前述の実施例2と同様にして、ピリジン−3−スルホニルクロリド19.9g(0.112mol、収率21.1%)を得た。
(比較例3)
3−アミノピリジン中に亜硝酸ナトリウムの水溶液を滴下したこと以外は、前述の実施例2と同様にして、ピリジン−3−スルホニルクロリド19.1g(0.108mol、収率20.3%)を得た。
本発明の製造方法は、医薬品を製造するための原料や中間体として有用なピリジン−3−スルホニルクロリドを工業的に製造する方法として好適である。

Claims (6)

  1. 3−アミノピリジンの塩酸水溶液及び亜硝酸塩の水溶液を酸性水溶液に−30〜−10℃の温度で同時に添加して、ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を得る工程と、
    得られた前記ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を、亜硫酸ガス、銅触媒、及び非水溶性有機溶媒を含有する非水溶性反応液に撹拌下で添加して、ピリジン−3−スルホニルクロリドを得る工程と、を有し、
    前記3−アミノピリジンの量に対する前記亜硝酸塩の量が、1モル当量以下であるピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
  2. 前記ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を前記非水溶性反応液に添加した後、10分以内に撹拌を停止して水相と有機相を分液状態にする請求項1に記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
  3. 前記3−アミノピリジンの量に対する前記亜硫酸ガスの量が、1〜5モル当量である請求項1又は2に記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
  4. 前記ピリジン−3−ジアゾニウム塩の水溶液を、前記非水溶性反応液に−15〜5℃の温度で添加する請求項1〜3のいずれか一項に記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
  5. 前記非水溶性有機溶媒がハロゲン系溶媒である請求項1〜4のいずれか一項に記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
  6. 前記ハロゲン系溶媒がジクロロメタンである請求項5に記載のピリジン−3−スルホニルクロリドの製造方法。
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