JP6072329B1 - アセトアミド誘導体の製造方法 - Google Patents

アセトアミド誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い収率でアセトアミド誘導体を得ることができるとともに、副生成物の分離が容易であり、かつ、環境に対する影響も小さく工業的プロセスに容易に適用可能なアセトアミド誘導体の製造方法を提供する。【解決手段】下記一般式(1)(Xは、ハロゲン原子を示し、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表されるアセトアミド誘導体の製造方法である。下記一般式(A)で表される化合物と、下記一般式(B)で表されるジアルキルアミンとを、塩基性のアルカリ金属無機塩の存在下、芳香族有機溶媒中で反応させる反応工程を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬及び農薬等の合成原料・合成中間体等として有用なアセトアミド誘導体の製造方法に関する。
2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド等のアセトアミド誘導体は、医薬・農薬を製造するための原料や中間体として有用な化合物である。このようなアセトアミド誘導体を製造する方法としては、例えば、炭酸ナトリウムを加えたジメチルアミン水溶液に2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドを滴下する方法が知られている(特許文献1)。また、必要に応じて酢酸ナトリウムを脱酸剤として添加したジクロロメタン中に、ジメチルアミン水溶液と2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドをそれぞれ滴下して反応させる方法が知られている(特許文献2)。
さらに、相間移動触媒及び炭酸水素ナトリウムの存在下、ハロゲン系の有機溶媒と水の二相混合液中で、ジメチルアミンと2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドを反応させる方法が知られている(特許文献3)。また、アルカリ金属酢酸塩の水溶液と塩素系炭化水素溶剤との混合液に、2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドを滴下するとともに、ジメチルアミンのガスを導入する方法が知られている(特許文献4)。
特開昭59−98075号公報 特開平3−223241号公報 特開平6−247915号公報 中国特許出願公開第1721392号明細書
しかしながら、本発明者らの検討の結果、上記の特許文献に開示された方法には以下のような課題が存在することが判明した。例えば、特許文献1に開示された方法の場合、目的とする2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドの収率が低いことがわかった。また、特許文献2〜4に開示された方法で用いられるジクロロメタン等のハロゲン系有機溶媒は、近年の環境に対する意識の高まり等から、可能な限りその使用を抑制することが望まれている。一方、ジクロロメタン等のハロゲン系有機溶媒の代わりに、工業的に頻繁に使用されている、トルエン等の芳香族系有機溶媒を反応溶媒として用いると、収率が低下することがわかった。
さらに、特許文献2及び4で開示された方法では、脱酸剤として酢酸ナトリウム等のアルカリ金属酢酸塩を用いる。このため、反応の進行に伴ってアルカリ金属酢酸塩に由来する酢酸が生成するので、反応系内に生成した酢酸を除去する必要がある。しかしながら、酢酸を除去するには精留塔などの高度な設備が必要であり、精製工程が煩雑となる。また、特許文献3に開示された方法は、高価な相間移動触媒を用いる必要があるため、不経済である。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、高い収率でアセトアミド誘導体を得ることができるとともに、副生成物の分離が容易であり、かつ、環境に対する影響も小さく工業的プロセスに容易に適用可能なアセトアミド誘導体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成とすることによって上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、以下に示すアセトアミド誘導体の製造方法が提供される。
[1]下記一般式(1)で表されるアセトアミド誘導体の製造方法であって、下記一般式(A)で表される化合物と、下記一般式(B)で表されるジアルキルアミンとを、塩基性のアルカリ金属無機塩を芳香族有機溶媒に分散させた、実質的に水が存在しない反応系で反応させる反応工程を有し、前記アルカリ金属無機塩が、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムの少なくともいずれかであるアセトアミド誘導体の製造方法。
Figure 0006072329
(前記一般式(1)中、Xは塩素原子を示し、R1及びR2メチル基を示す)
Figure 0006072329
(前記一般式(A)中、Xは塩素原子を示す。前記一般式(B)中、R1及びR2メチル基を示す)
[2]前記反応工程が、前記一般式(A)で表される化合物と、前記ジアルキルアミンとを、前記アルカリ金属無機塩を前記芳香族有機溶媒に分散させた反応系にそれぞれ添加して反応させる工程である前記[1]に記載のアセトアミド誘導体の製造方法。
[3]記芳香族有機溶媒が、トルエン及びキシレンの少なくともいずれかである前記[1]又は[2]に記載のアセトアミド誘導体の製造方法
本発明のアセトアミド誘導体の製造方法によれば、高い収率でアセトアミド誘導体を得ることができるとともに、副生成物の分離が容易であり、かつ、環境に対する影響も小さい。このため、本発明のアセトアミド誘導体の製造方法は、精製に要する負荷等も少なく、工業的プロセスに容易に適用される。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明のアセトアミド誘導体の製造方法は、一般式(1)で表されるアセトアミド誘導体の製造方法である。そして、以下の反応式に示すように、一般式(A)で表される化合物と、一般式(B)で表されるジアルキルアミンとを、塩基性のアルカリ金属無機塩の存在下、非ハロゲン系の芳香族有機溶媒中で反応させる反応工程を有する。以下、本発明のアセトアミド誘導体の製造方法を、単に「本発明の製造方法」とも記す。
Figure 0006072329
本発明者らは、従来の方法で使用されていた水とハロゲン系有機溶媒からなる二相系の反応溶媒に代えて、水とトルエン等の芳香族有機溶媒との二相系の反応溶媒中で、一般式(A)で表される化合物とジアルキルアミンを反応させることについて検討した。その結果、反応溶媒の有機相にハロゲン系有機溶媒を用いた場合に比して、芳香族有機溶媒を用いた場合には収率が顕著に低下することが判明した。その理由は、生成したアセトアミド誘導体の相当量が水相にも移行してしまい、有機相である芳香族有機溶媒中に移行する量が減少して回収率が低下したためであることが、精査の結果判明した。
そこで、本発明者らは、一般式(A)で表される化合物とジアルキルアミンを、二相系の反応溶媒中ではなく、実質的に水が存在しない芳香族有機溶媒中で反応させることについて検討した。その結果、目的とするアセトアミド誘導体を高収率で得られることが判明した。なお、本明細書における「実質的に水が存在しない」とは、反応の進行により生じた微量の水が含まれることとなる場合はあるが、少なくとも、原料化合物及び目的化合物を溶解させる溶媒や反応溶媒としての水を含まないことを意味する。さらに、一般式(A)で表される化合物とジアルキルアミンを、塩基性のアルカリ金属無機塩の存在下で反応させたところ、アルカリ金属無機塩が脱酸剤として有効に機能して反応が円滑に進行することがわかった。塩基性のアルカリ金属無機塩を脱酸剤として用いた場合、反応の進行により副生するのは、ろ過等の簡易な操作で容易に分離可能な塩化ナトリウム(NaCl)等のアルカリ金属ハロゲン化物である。このため、本発明の製造方法では、副生物を除去するための蒸留塔などの高度な設備が不要である。
上記のように、本発明の製造方法によれば、高い収率でアセトアミド誘導体を得ることができるとともに、ジクロロメタン等のハロゲン系有機溶媒を用いる必要もなく、さらには副生物を容易に除去することができる。また、比較的高価な相間移動触媒を用いる必要もないため、本発明の製造方法によれば、医薬及び農薬等の合成原料・合成中間体等として有用な純度の高いアセトアミド誘導体を工業的プロセスによって大量かつ安価に製造することができる。
本発明の製造方法は、下記一般式(1)で表されるアセトアミド誘導体の製造方法である。
Figure 0006072329
一般式(1)中、Xは、ハロゲン原子を示す。ハロゲン原子としては、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、及びヨウ素原子(I)などを挙げることができる。なかでも、塩素原子(Cl)が好ましい。また、一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。アルキル基は、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。すなわち、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基を挙げることができる。
本発明の製造方法は、下記一般式(A)で表される化合物と、下記一般式(B)で表されるジアルキルアミンとを、塩基性のアルカリ金属無機塩の存在下、芳香族有機溶媒中で反応させる反応工程を有する。一般式(A)で表される化合物とジアルキルアミンを反応させることで、目的とする一般式(1)で表されるアセトアミド誘導体が形成される。
Figure 0006072329
一般式(A)中、Xは、それぞれ独立にハロゲン原子を示す。ハロゲン原子の具体例としては、好ましいものも含めて、一般式(1)中のXの例として挙げたものと同様のものを挙げることができる。
一般式(B)中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。アルキル基の具体例としては、好ましいものも含めて、一般式(1)中のR1及びR2の例として挙げたものと同様のものを挙げることができる。すなわち、一般式(B)で表されるジアルキルアミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどを用いることができる。
一般式(B)で表されるジアルキルアミンの一種であるジメチルアミンは、常温・常圧条件下では気体である。このため、ジメチルアミンについては、ガスの状態(ジメチルアミンガス)で、反応溶媒中に吹き込む(バブリングする)等して使用する。なお、ジメチルアミンは水溶液(40%又は50%ジメチルアミン水溶液等)として入手可能であるが、ジメチルアミン水溶液を使用すると、反応溶媒が水と芳香族有機溶媒の二相系となる。このため、目的物であるアセトアミド誘導体の収率が低下してしまうために好ましくない。
塩基性のアルカリ金属無機塩は、反応によって生ずる酸成分(ハロゲン化水素)と反応する脱酸剤として機能しうる成分である。このようなアルカリ金属無機塩としては、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸水素カリウム(KHCO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、及び炭酸カリウム(K2CO3)、リン酸一水素ナトリウム(Na2HPO4)、リン酸一水素カリウム(K2HPO4)、リン酸二水素ナトリウム(NaH2PO4)、リン酸二水素カリウム(KH2PO4)、リン酸ナトリウム(Na3PO4)、及びリン酸カリウム(K3PO4)などを挙げることができる。なかでも、目的とするアセトアミド誘導体をより高収率で得られることから、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好ましく、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムがさらに好ましい。これらのアルカリ金属無機塩は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族有機溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、及びクロロベンゼンなどを挙げることができる。なかでも、環境に対する影響等を考慮すると、非ハロゲン系の芳香族有機溶媒が好ましい。さらには、目的とするアセトアミド誘導体をより高収率で得られることから、トルエンやキシレンが特に好ましい。これらの芳香族有機溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭酸水素ナトリウムなどの塩基性のアルカリ金属無機塩は、通常、トルエンなどの芳香族有機溶媒にほとんど溶解しない。このため、一般式(A)で表される化合物とジアルキルアミンを反応させる反応系は、芳香族有機溶媒中に固体のアルカリ金属無機塩が分散した分散液である。したがって、反応工程では、例えば、一般式(A)で表される化合物と、ジアルキルアミンとを、アルカリ金属無機塩を芳香族有機溶媒に分散させた反応系にそれぞれ添加する。一般式(A)で表される化合物やジアルキルアミンを反応系に添加する方法は特に限定されない。例えば、気体であれば吹き込み(バブリング)などの方法によって、液体であれば滴下などの方法によって、これらの化合物を反応系に添加することができる。
反応温度は特に限定されないが、副生成物の生成を抑制するなどの観点からは、適度に冷却しながら反応させることが好ましい。具体的には、反応温度を−20〜20℃とすることが好ましい。また、一般式(A)で表される化合物及びジアルキルアミンを反応系に滴下等によって添加するのに要する時間は、反応系の温度が上昇しすぎないように適宜設定すればよく、通常、0.5〜10時間、好ましくは1〜6時間程度である。さらに、一般式(A)で表される化合物及びジアルキルアミンを添加後、必要に応じて15分〜2時間程度熟成させてもよい。
反応工程の後は、例えば、(i)副生成物である塩化ナトリウム(NaCl)等のアルカリ金属ハロゲン化物をろ過して除去した後、(ii)必要に応じてろ液から水層を分離して除去し、(iii)得られたろ液を減圧濃縮すれば、目的とする一般式(1)で表されるアセトアミド誘導体を高い収率で得ることができる。なお、上記(i)〜(iii)の手順はどの順序で実施してもよい。例えば、反応液を減圧濃縮した後に、アルカリ金属ハロゲン化物をろ過して除去する順序としてもよい。なお、本発明の製造方法における反応式の一例を以下に示す。
Figure 0006072329
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
(実施例1)
500mL四つ口コルベンに炭酸水素ナトリウム126.0g(1.50mol)及びトルエン146.8gを入れ、冷却しながら撹拌した。内温を5℃以下に保ち、クロロアセチルクロライド112.9g(1.00mol)を4時間かけて滴下すると同時に、ジメチルアミンガス49.6g(1.10mol)4時間かけて吹き込んだ。−2〜1℃で1時間撹拌した後、反応液を減圧ろ過して無機塩の結晶をろ別した。結晶をトルエン100gで洗浄し、ろ液と合わせてろ洗液とした。ろ洗液中の水層を分離して除去した後、トルエン層を減圧濃縮して、オイル状の2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド113.2g(0.93mol)を得た。収率は93.1%であり、純度(GC面積%)は99.5%であり、含量(GC内部標準法)は99.9%であった。NMR及びIRの結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=2.99(s,3H),3.10(s,3H)、4.08(s,2H)
IR(cm-1,neat):2940(C−H),1654(C=O)
(実施例2)
300mL四つ口コルベンに炭酸水素カリウム75.1g(0.75mol)及びトルエン71.7gを入れ、冷却しながら撹拌した。内温を0〜3℃に保ち、クロロアセチルクロライド56.5g(0.50mol)を4時間かけて滴下すると同時に、ジメチルアミンガス24.8g(0.55mol)を4時間かけて吹き込んだ。1℃で1時間撹拌した後、反応液を減圧ろ過して無機塩の結晶をろ別した。結晶をトルエン50gで洗浄し、ろ液と合わせてろ洗液とした。ろ洗液を減圧濃縮して、オイル状の2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド51.5g(0.42mol)を得た。収率は84.8%であった。
参考例3)
300mL四つ口コルベンに炭酸ナトリウム53.0g(0.50mol)及びトルエン71.7gを入れ、冷却しながら撹拌した。内温を5℃以下に保ち、クロロアセチルクロライド56.5g(0.50mol)を4時間かけて滴下すると同時に、ジメチルアミンガス24.8g(0.55mol)を4時間かけて吹き込んだ。2℃で1時間撹拌した後、反応液を減圧ろ過して無機塩の結晶をろ別した。結晶をトルエン50gで洗浄し、ろ液と合わせてろ洗液とした。ろ洗液を減圧濃縮して、オイル状の2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド39.0g(0.32mol)を得た。収率は64.0%であった。
参考例4)
300mL四つ口コルベンに炭酸カリウム69.1g(0.50mol)及びトルエン71.7gを入れ、冷却しながら撹拌した。内温を−1〜4℃に保ち、クロロアセチルクロライド56.5g(0.50mol)を4時間かけて、滴下すると同時に、ジメチルアミンガス24.8g(0.55mol)を4時間かけて吹き込んだ。0℃で1時間撹拌した後、反応液を減圧ろ過して無機塩の結晶をろ別した。結晶をトルエン100gで洗浄し、ろ液と合わせてろ洗液とした。ろ洗液を減圧濃縮して、オイル状の2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド32.5g(0.27mol)を得た。収率は53.4%であった。
(実施例5)
300mL四つ口コルベンに炭酸水素ナトリウム63.0g(0.75mol)及びキシレン84.5gを入れ、冷却しながら撹拌した。内温を0〜3℃に保ち、クロロアセチルクロライド56.5g(0.50mol)を4時間かけて滴下すると同時に、ジメチルアミンガス24.8g(0.55mol)を4時間かけて吹き込んだ。−2〜1℃で1時間撹拌した後、反応液を減圧ろ過して無機塩の結晶をろ別した。結晶をキシレン50gで洗浄し、ろ液と合わせてろ洗液とした。ろ洗液を減圧濃縮して、オイル状の2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド50.7g(0.42mol)を得た。収率は83.3%であった。
参考例6)
300mL四つ口コルベンに炭酸水素ナトリウム63.0g(0.75mol)及びトルエン84.5gを入れ、冷却しながら撹拌した。内温を0〜11℃に保ち、クロロアセチルクロライド56.5g(0.50mol)とジエチルアミン40.2g(0.55mol)を4時間かけて同時に滴下した。−1〜1℃で1時間撹拌した後、反応液を減圧ろ過して無機塩の結晶をろ別した。結晶をトルエン50gで洗浄し、ろ液と合わせてろ洗液とした。ろ洗液を減圧濃縮して、オイル状の2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド66.3g(0.44mol)を得た。収率は88.6%であった。
参考例7)
300mL四つ口コルベンにリン酸一水素ナトリウム71.0g(0.50mol)及びトルエン84.5gを入れ、冷却しながら撹拌した。内温を0〜3℃に保ち、クロロアセチルクロライド56.5g(0.50mol)を4時間かけて滴下すると同時に、ジメチルアミンガス24.8g(0.55mol)を4時間かけて吹き込んだ。2℃で1時間撹拌した後、反応液を減圧濾過して無機塩の結晶をろ別した。結晶をトルエン50gで洗浄し、ろ液と合わせてろ洗液とした。ろ洗液を減圧濃縮して、オイル状の2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド35.0g(0.27mol)を得た。収率は57.6%であった。
(比較例1)
1000mL四つ口コルベンに酢酸ナトリウム135.4g(1.65mol)及び塩化メチレン330.0gを入れ、冷却しながら撹拌した。内温を3〜4℃に保ち、クロロアセチルクロライド169.4g(1.5mol)と40%ジメチルアミン水溶液186.9g(1.65mol)を2時間かけて同時に滴下した。2〜3℃で1時間撹拌した後に水411.9gを添加し、反応液内に析出している無機塩の結晶を溶解した。塩化メチレン層を分離後、水層に塩化メチレン165gを加えて二次抽出した。塩化メチレン層を合わせて減圧濃縮して、塩化メチレン、酢酸、及び2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドの混合溶液226.8gを得た。得られた混合溶液を減圧蒸留して、GC純度(面積%)が2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド99.3%の画分91.2g(0.75mol)を得た。2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドの収率は50.0%であった。
(比較例2)
1000mL四つ口コルベンに酢酸ナトリウム135.4g(1.65mol)及びトルエン216.3gを入れ、冷却しながら撹拌した。内温を0〜5℃に保ち、クロロアセチルクロライド169.4g(1.5mol)と50%ジメチルアミン水溶液147.3g(1.65mol)を2時間かけて同時に滴下した。1〜3℃で1時間撹拌した後に水450.0gを添加し、反応液内に析出している無機塩の結晶を溶解した。トルエン層を分離後、水層にトルエン108.2gを加えて二次抽出した。トルエン層を合わせて減圧濃縮して、トルエン、酢酸、及び2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドの混合溶液221.0gを得た。得られた混合溶液を減圧蒸留して、GC純度(面積%)が2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド99.3%の画分66.0g(0.54mol)を得た。2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドの収率は36.2%であった。
(比較例3)
200mL四つ口コルベンにトルエン99.2gを入れ、冷却しながら撹拌した。内温を2〜3℃に保ち、ジメチルアミンガス47.3g(1.05mol)を6時間かけて吹き込んだ。次いで、内温を2〜5℃に保ち、クロロアセチルクロライド56.5g(0.5mol)を3時間かけて滴下した。反応液中に析出したジメチルアミン塩酸塩の結晶を減圧ろ過し、結晶をトルエン180.7gで洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせて減圧濃縮して、オイル状の2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド19.8g(0.16mol)を得た。収率は32.6%であった。
上記の実施例、参考例、及び比較例をまとめたものを表1に示す。
Figure 0006072329
本発明の製造方法は、医薬等を製造するための原料や中間体として有用な2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド等のアセトアミド誘導体を工業的に製造する方法として好適である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるアセトアミド誘導体の製造方法であって、
    下記一般式(A)で表される化合物と、下記一般式(B)で表されるジアルキルアミンとを、塩基性のアルカリ金属無機塩を芳香族有機溶媒に分散させた、実質的に水が存在しない反応系で反応させる反応工程を有し、
    前記アルカリ金属無機塩が、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムの少なくともいずれかであるアセトアミド誘導体の製造方法。
    Figure 0006072329
    (前記一般式(1)中、Xは塩素原子を示し、R1及びR2メチル基を示す)
    Figure 0006072329
    (前記一般式(A)中、Xは塩素原子を示す。前記一般式(B)中、R1及びR2メチル基を示す)
  2. 前記反応工程が、前記一般式(A)で表される化合物と、前記ジアルキルアミンとを、前記アルカリ金属無機塩を前記芳香族有機溶媒に分散させた反応系にそれぞれ添加して反応させる工程である請求項1に記載のアセトアミド誘導体の製造方法。
  3. 記芳香族有機溶媒が、トルエン及びキシレンの少なくともいずれかである請求項1又は2に記載のアセトアミド誘導体の製造方法。
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