JP2506376B2 - 2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメタン・塩酸塩の製造方法 - Google Patents

2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメタン・塩酸塩の製造方法

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JP2506376B2 JP62178072A JP17807287A JP2506376B2 JP 2506376 B2 JP2506376 B2 JP 2506376B2 JP 62178072 A JP62178072 A JP 62178072A JP 17807287 A JP17807287 A JP 17807287A JP 2506376 B2 JP2506376 B2 JP 2506376B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は抗レセルピン作用を有し、抗うつ剤として有
用な2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメタ
ン・塩酸塩の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメタン
・塩酸塩は抗うつ剤として有用な強い抗レセルピン作用
を有する公知の化合物である(特公昭60-6349号公報参
照)。
かかる化合物の一般的な製造法としては、既に上記特
許公報に記載されており、まずオルソベンジルフェノー
ルと、1,4−ジハロゲノブタンとをアルカリの存在下、
反応させて2−(4−ハロゲノブトキシ)ジフェニルメ
タンを合成し(エーテル化工程)、次いでかかるエーテ
ル体とアミン類とを反応させて2−(4−アミノブトキ
シ)ジフェニルメタンを得(アミノ化工程)、更に、こ
れにハロゲン化水素を反応させて目的の付加塩体とする
ことが常法である。
ところで、上記の製造ルートのうち、エーテル化工程
においてはオルソベンジルフェノールと1,4−ジブロモ
ブタンとをカセイカリ存在下で2−(4−ブロモブトキ
シ)ジフェニルメタンを得る方法(英国特許第832250号
公報参照)の他に、オルソベンジルフェノールを水素化
ナトリウムによりフェノレート化後、1,4−ジブロモブ
タンと反応させて2−(4−ブロモブトキシ)ジフェニ
ルメタンを得る方法(L.C.Cheney et.al.,J.Am.chem.So
c.,71,P.62(1949))が考えられる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これら従来技術のうち、エーテル化工
程において水素化ナトリウムを用いる方法では、水素化
ナトリウム自体が高価であり、かつその取扱いが煩雑で
ある等の問題点を有し、又、オルソベンジルフェノール
と1,4−ジブロモブタンとをカセイカリ存在下で反応す
る方法では、オルソベンジルフェノールに対し1.65倍モ
ルの1,4−ジブロモブタンを用いていることから下記の
式に示すように遂次反応が進行し易くなり、二量化物が
多量副生してしまうという問題点があった。
又、アミノ化工程においてもエーテル化工程と同様
に、下記の式で表わしたように、2−(4−ハロゲノブ
トキシ)ジフェニルメタンに対してアミン類が小過剰程
度では遂次反応が進行し二量化物が副生する。
そして、これらエーテル化工程及びアミノ化工程で副
生する二量化物を夫々の目的物から分離しようとする
と、目的物自体がいずれも常温で液体であり、かつ高沸
点物であることから、通常の工業的な精製手法では容易
に分離できず、その結果、付加塩化工程での精製での負
荷が非常に大きくなりすぎて問題であり、又、最終目的
物である2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニル
メタン・塩酸塩の品質へ悪影響を及ぼし、更には二量化
物と共に随伴される他の不純物等により製品の着色化等
の種々の問題点を有していた。
(問題点を解決するための手段) そこで、本発明者等は、これらの従来の問題点を解決
すべく鋭意検討した結果、各工程で副生する不純物、特
に2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメタン
・塩酸塩の精製に大きな負荷を与える、エーテル体及び
アミノ体の二量化物等の副生抑制のために、各原料の仕
込量が大きな効果を与えること、又着色防止の為に特定
化合物を存在させることが有利であること等を見い出
し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は最終工程での精製負荷が軽
減され、かつ高品質の2−(4−メチルアミノブトキ
シ)ジフェニルメタン・塩酸塩を連続的に高収率で安定
的に製造し得る方法を提供することにある。
即ち、本発明の要旨は、下記の工程(a)、(b)及
び(c)からなることを特徴とする2−(4−メチルア
ミノブトキシ)ジフェニルメタン・塩酸塩の製造方法に
存する。
(a)オキソベンジルフェノール1モルに対し、1,4−
ジハロゲノブタンを5モル以上用い、アルカリ及びポリ
エーテル類の存在下、オルソベンジルフェノールと1,4
−ジハロゲノブタンとを反応させて2−(4−ハロゲノ
ブトキシ)ジフェニルメタンを得るエーテル化工程、 (b)上記工程(a)より得られた2−(4−ハロゲノ
ブトキシ)ジフェニルメタン1モルに対して、メチルア
ミンを10モル以上用い、アルコール性溶媒中で2−(4
−ハロゲノブトキシ)ジフェニルメタンとメチルアミン
とを反応させて2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフ
ェニルメタンを得るアミノ化工程、 (c)上記工程(b)より得られた2−(4−メチルア
ミノブトキシ)ジフェニルメタンを溶媒中、塩化水素と
反応させ2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニル
メタン・塩酸塩を生成させ、次いで晶析精製する付加塩
化工程。以下、本発明を各工程毎に詳細に説明する。
(1)エーテル化工程 2−(4−ハロゲノブトキシ)ジフェニルメタンはオ
ルソベンジルフェノールと1,4−ジハロゲノブタンとを
アルカリ存在下で反応させて得られる。
ここで副生するエーテル体の二量化物の生成を抑制す
るためには、オルソベンジルフェノール1モルに対して
1,4−ジハロゲノブタンを5モル以上、好ましくは5〜1
0モル程度使用することが必要である。(図1参照) ここで用いる1,4−ジハロゲンブタンは特に限定され
るものではないが、取扱いの容易さ、入手しやすさ、反
応性等の点から1,4−ジブロモブタンもしくは1,4−ジク
ロロブタンを用いるのが好ましい。
又、反応液の着色防止のためにポリエーテル類を存在
させることが必要であり、ポリエーテル類としては、下
記の一般式(I)で表わされるものが使用され得る。
(ポリエーテル類の着色防止効果実験例を表2に示
す)。
R1O〔(CH2)nO〕mR2 …(I) (上記式中、nは2,3又は4を表わし、mは2以上の整
数を表わし、R1はアルキル基または水素原子を表わし、
R2はアルキル基又は水素原子を表わす。) 具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等のポリアルキレングリコール;または、
これらの末端の水酸基を1つアルキル化したポリアルキ
レングリコールのモノアルキルエーテルおよび2つとも
アルキル化したポリアルキレングリコールのジアルキル
エーテルを用いる事ができるが、常温で液体であるもの
の方が取扱い易い。ポリエーテル類の使用量はオルソベ
ンジルフェノール1gに対し0.1〜0.5g用いられる。
アルカリとしては、NaOH又はKOHが使用される。
アルカリの使用量はオルソベンジルフェノール1モル
に対し通常1〜1.5モルである。
反応温度は特に限定されない。通常室温から100℃で
あるが、好ましくは20〜80℃である。
発熱反応であるため、反応の操作方法としては、1,4
−ジハロゲノブタン、アルカリ、ポリエーテル類の混合
液中にオルソベンジルフェノールを発熱に注意しながら
徐々に加えて反応させる方法が好ましい。
反応時間は通常0.5〜5時間であり、反応の終結はガ
スクロマトグラフィー又は液体クロマトグラフィー等の
測定手段によりオルソベンジルフェノールの有無を観察
し判定するのが好ましい。
エーテル化反応は低級アルコール、テトラヒドロフラ
ン、水等の溶媒を用いてもよいが、かかる反応は無溶媒
でも充分に進行し、また未反応の1,4−ジハロゲノブタ
ンを回収する点から、特に溶媒を用いる必要はない。
次いでエーテル化反応終了後室温まで反応液を冷却
し、生じたアルカリ金属のハロゲン化物等の無機塩及び
未反応のアルカリ等を過により除去するか、あるいは
水を加えてこれらを溶解し水層へ移行させて除去する。
その際、得られた2−(4−ハロゲノブトキシ)ジフェ
ニルメタンは過剰に用いた1,4−ジハロゲノブタン等の
有機層に溶解存在している。
そして、かかる2−(4−ハロゲノブトキシ)ジフェ
ニルメタンを含有する有機層を減圧下で濃縮し、過剰の
1,4−ジハロゲノブタンを回収するが、この1,4−ジハロ
ゲノブタンは次のアミノ化工程でメチルアミンと反応す
る為、可能な限り2−(4−ハロゲノブトキシ)ジフェ
ニルメタンを含有する留分から除去するのが好ましい。
このようにして得られた2−(4−ハロゲノブトキ
シ)ジフェニルメタンをはじめ二量化物等を含有する留
分は次のアミノ化工程へ供給される。
尚、上記回収処理により得られた1,4−ジハロゲノブ
タンはエーテル化工程の原料として再使用するのが好ま
しい。
(2)アミノ化工程 2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメタン
は上記のエーテル化工程で得られた2−(4−ハロゲノ
ブトキシ)ジフェニルメタンとメチルアミンとを反応さ
せて得られるが、エーテル化工程と同様に副生する二量
化物の生成を極力抑制するためには、2−(4−ハロゲ
ノブトキシ)ジフェニルメタン1モルに対してメチルア
ミンを10モル以上、好ましくは15モル以上用いるのがよ
い。(図2参照) 反応に際しては、所定量のメチルアミンをあらかじめ
溶媒に吸収させて2−(4−ハロゲノブトキシ)ジフェ
ニルメタンを徐々に加えて反応をするのがよい。溶媒と
してはメチルアミンの溶解性、後処理の簡便さ等の点か
らアルコール性溶媒、具体的にはメタノール、エタノー
ルなどの低級アルコール類あるいはこれらと水との混合
溶液を用いるのがよい。
反応温度としては特に限定されるものではないが、通
常、室温〜100℃である。
反応時間としては、反応温度、反応原料である2−
(4−ハロゲノブトキシ)ジフェニルメタンの反応性及
びメチルアミンの使用量等で異なるものの通常1〜10時
間で行なわれる。
アミノ化反応が終了した後、反応液の温度を40℃から
100℃まで徐々に昇温し、未反応のメチルアミン及びア
ルコール性溶媒を共に留去して回収する。回収されたメ
チルアミン等は特に精製することなくアミノ化工程へ循
環され再使用するのが好ましい。
次いで、アミノ化工程で得られた2−(4−メチルア
ミノブトキシ)ジフェニルメタンは反応中に生成するハ
ロゲン化水素と更に反応して相当する酸付加塩となって
いるため、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強塩
基水溶液を加えて、遊離の2−(4−メチルアミノブト
キシ)ジフェニルメタンとした後、ベンゼン、トルエン
あるいはエーテル類等の有機溶媒で抽出し、有機層へ移
行させる。得られた有機層は水洗、濃縮して、次工程の
原料として供給される。
(3)付加塩化工程 最終目的物である2−(4−メチルアミノブトキシ)
ジフェニルメタン・塩酸塩は上記のアミノ化工程で得ら
れた2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメタ
ンに対して塩化水素を反応させることにより得られる
が、上記2段の工程によりエーテル体及びアミノ体の二
量化物をはじめとする不純物が極めて少ないために精製
操作として何ら特殊な手段を用いることなく、高品質、
高純度の2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニル
メタン・塩酸塩を製造することができる。
本工程の操作方法を大別すると、次の2つの方法が考
えられる。
所定量の塩化水素を吸収させた所定の溶媒中に2−
(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメタンのオイ
ルまたは溶媒で希釈した2−(4−メチルアミノブトキ
シ)ジフェニルメタン溶液を徐々に加え塩化水素付加反
応を行わせつつ、形成した2−(4−メチルアミノブト
キシ)ジフェニルメタン・塩酸塩を徐々に析出させ、
取する。
所定の溶媒に2−(4−メチルアミノブトキシ)ジ
フェニルメタンを溶解せしめた溶液中に、所定量の塩化
水素ガスを吹き込み、塩化水素付加反応を行わせしめ、
析出した2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニル
メタン・塩酸塩を取する。
しかし、前者の方法の方が過性、純度等の点で、高
品質の結晶が得られ易いため好適である。
溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合
物;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジイ
ソプロピルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等の酢
酸エステル類;またはこれら2種以上の混合溶媒が用い
られる。
使用量は、2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェ
ニルメタン1gに対して、溶媒10〜50ml、好ましくは15〜
30mlである。
塩化水素は、2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフ
ェニルメタン1モルに対して等モル以上必要である。し
かし、2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメ
タン・塩酸塩晶析の際、溶媒中の(過剰の)塩化水素濃
度が高いほど2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェ
ニルメタン・塩酸塩は溶けやすく、晶析ロスも増えるた
め、通常1〜2モル〔対2−(4−メチルアミノブトキ
シ)ジフェニルメタン〕が好適である。
尚、塩化水素を所定量以上反応に使用した場合には、
晶析の際に溶液中に溶解した未反応塩化水素を仕込2−
(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメタン1モル
を基準として1.0モル以下になるよう過剰の未反応塩化
水素を系外へ除去することが、2−(4−メチルアミノ
ブトキシ)ジフェニルメタン・塩酸塩の晶析ロス防止の
ため必要である。
反応および晶析温度は、通常10〜40℃、好ましくは、
15〜30℃である。
上記製造法によるオルソベンジルフェノールからの2
−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメタン・塩
酸塩の一貫製造実験結果を下記表1に示す。
実施例 以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
よって限定されるものではない。
実施例1 (エーテル化工程) フレーク状カセイカリ45.7g、1,4−ジブロモブタン58
6g、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(製品
名MPG-130、日本乳化剤株式会社)10mlの混合物の中
へ、オルソベンジルフェノール100gを1,4−ジブロモブ
タン351gに溶解した溶液を、40〜45℃の温度で徐々に加
えた後(所要時間約1時間)、60±2℃で約2時間反応
させた。反応が終了していることをガスクロマトグラフ
ィーで確認後、室温まで冷却し、水200mlを加え混合す
る。水層を分液し除去後、1,4−ジブロモブタンを減圧
下(10Torr、100℃以下)で留去し、回収した。生成し
た2−(4−ブロモブトキシ)ジフェニルメタンは、油
状残渣中(175g)に存在し、その収量は166g(収率96モ
ル%)であった。
なお、上記と同じ条件で1,4−ジハロゲノブタンの使
用量を変えて反応を行い、その影響を検討した。結果を
下記図1に示す。
(アミノ化工程) 次に上記エーテル化の反応生成物からなる油状残渣
(175g)を、メチルアミン243gをメタノール1000mlに吸
収させた溶液中に加え、温度20〜25℃で約3時間反応さ
せた。ガスクロマトグラフィーで反応が終了しているこ
とを確認後、過剰のメチルアミンおよびメタノールを留
去し回収した。メタノールの留出速度が遅くなる頃、水
500mlを加え、水の1部(約50ml)と共に残留メチルア
ミンおよびメタノールを留去する。次に室温まで冷却
し、トルエン1000ml及び5Nカセイソーダ135mlを順次加
え混合した。水層を分液により除去後、トルエン層を水
洗し、減圧下で濃縮した。2−(4−メチルアミノブト
キシ)ジフェニルメタンは、残渣中、油状物質として得
られた。残渣収量は140g、2−(4−メチルアミノブト
キシ)ジフェニルメタン収量は132g(収率94モル%)で
あった。
なお、上記と同じ条件でメチルアミンの使用量を変え
て、その影響を検討した。結果を下記図2に示す。
(付加塩化工程) 塩化水素21.5gをトルエン1980mlに吸収させた溶液中
に、上記のアミノ化生成物132gを含む油状物質140gをト
ルエン660mlに溶解した溶液を、温度20〜25℃で徐々に
滴下した(所要時間約2時間)。さらに2時間攪拌を継
続し、析出した2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフ
ェニルメタン・塩酸塩の結晶を熟成させた後、過し、
トルエン660mlで結晶を洗浄後、乾燥した(100℃、真
空)。2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメ
タン・塩酸塩の白色結晶142g(純度100%、収率95モル
%)を得た。
付加塩化工程の反応溶媒を変えた以外は、実施例1に
示した方法と同様にして2−(4−メチルアミノブトキ
シ)ジフェニルメタン・塩酸塩を製造し、その結果を表
1に示した。
尚、原料中の二量体C−ダイマーおよびN−ダイマー
の含量は2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニル
メタンに対してC−ダイマー0.06、N−ダイマー0.04で
ある。
実施例2 (エーテル化工程) フレーク状カセイカリ45.7g、1,4−ジクロロブタン34
5gおよびポリエチレングリコールモノメチルエーテル
(製品名MPG-130、日本乳化剤株式会社)20mlの混合物
の中へ、オルソベンジルフェノール100gを1,4−ジクロ
ロブタン345gに溶解した溶液を、60〜65℃の温度で徐々
に加えた後(所要時間2時間)、65℃でさらに2時間反
応を継続した。反応が終了していることをガスクロマト
グラフィーで確認後、実施例1のエーテル化と同様の後
処理を行い、生成物2−(4−クロロブトキシ)ジフェ
ニルメタン143g(収率96モル%)を含む油状物質155gを
得た。
(アミノ化工程) 次に上記エーテル化の生成物からなる油状物質155g
を、メチルアミン324gをエタノール1500mlに吸収させた
溶液中に加え、温度65-70℃(圧力0.6〜0.9kg/cm2G)で
10時間反応させた。高速液体クロマトグラフィーで反応
の終了を確認後、実施例1のアミノ化と同様の後処理を
行い、生成物2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェ
ニルメタン131g(収率93モル%)を含む油状物質140gを
得た。
(付加塩化工程) 次に、このアミノ化の油状物質140gトルエン660mlに
溶解した溶液を、塩化水素21.5gを吸収したトルエン198
0mlの溶液中に温度20〜25℃で徐々に滴下した(所要時
間2時間)。
さらに2時間攪拌を継続し、析出した結晶を熟成後、
過・乾燥し、2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフ
ェニルメタン・塩酸塩の白色結晶141gを得た(純度100
%、収率95モル%)。
比較例1 エーテル化工程に於て、ポリエチレングリコールモノ
メチルエーテルを無添加である以外は実施例1と同様の
方法でエーテル化、アミノ化そして付加塩化を順次行っ
た。得られた2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェ
ニルメタン・塩酸塩の結晶は淡黄色であったので、以下
の脱色精製を要した。すなわち、本結晶100gをエタノー
ル2000mlに溶解した溶液に、粉末活性炭10gを加え、室
温で2時間混合した。活性炭を去後、エタノールを留
去した。残渣にトルエン2000mlを加え、80℃まで一旦加
温後、室温まで徐々に冷却する。析出した白色結晶2−
(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメタン・塩酸
塩を取した。収量は90gであった。尚、エーテル化反
応の着色に関するデータを、表2の実験番号E−1に示
した。
比較例2 (エーテル化) オルソベンジルフェノール100g、1,4−ジブロモブタ
ン234.4g(2倍モル対オルソベンジルフェノール)、フ
レーク状カセイカリ45.7gおよびテトラヒドロフラン500
mlからなる混合物をテトラヒドロフランの還流温度下で
5時間反応させた。テトラヒドロフランを留去後、水20
0ml、ヘプタン1000mlを順次加え生成物をヘプタン抽出
した。
ヘプタンおよび未反応の1,4−ジブロモブタンを減圧
下で留去した。2−(4−ブロモブトキシ)ジフェニル
メタンの収量は142g(収率82モル%)、二量体(C−ダ
イマー)含有量は0.23(対2−(4−ブロモブトキシ)
ジフェニルメタン)であった。
(アミノ化) 次に、得られたエーテル化油状残渣を、メチルアミン
82.9g(6倍モル対2−(4−ブロモブトキシ)ジフェ
ニルメタン)をメタノール1000mlに吸収させた溶液中に
加え、温度20〜30℃で約10時間反応させた。実施例1と
同様の後処理を行った後、2−(4−メチルアミノブト
キシ)ジフェニルメタン96g(収率80モル%)を含む油
状物質を得た。二量体含有量はC−ダイマー0.29、N−
ダイマー0.20(対2−(4−メチルアミノブトキシ)ジ
フェニルメタン)であった。
(付加塩化) 次に、上記アミノ化油状物質を実施例1の(付加塩化
工程)と同様の反応条件で塩化水素と反応させた後、晶
析し、淡黄色に着色した2−(4−メチルアミノブトキ
シ)ジフェニルメタン・塩酸塩の結晶98gを単離した
(純度96%、収率90モル%、C−ダイマー含有量0.9
%、N−ダイマー含有量2.5%)。
本結晶は、精製のため比較例1で示した脱色処理を行
った後、エタノールから再結晶化した(再結晶化収率85
%)。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、最終工程での精製負荷が少な
く、かつ高品質の2−(4−メチルアミノブトキシ)ジ
フェニルメタン・塩酸塩を連続的に高収率で製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
図1はエーテル化反応における1,4−ジハロゲノブタン
の使用量の影響を示す図である。左縦軸は2−(4−ハ
ロゲノブトキシ)ジフェニルメタンの反応収率(mole
%)を表わし、ハロゲンが臭素原子の場合を○で、ハロ
ゲンが塩素原子の場合を●で示す。又、右縦軸はC−ダ
イマー/2−(4−ハロゲノブトキシ)ジフェニルメタン
高速液体クロマトグラフィー面積比を表わし、ハロゲン
が臭素原子の場合を△で、ハロゲンが塩素原子の場合を
▲で示す。横軸は1,4−ジハロゲノブタン/オルソベン
ジルフェノール(モル比)を表わす。 図2はアミノ化反応におけるメチルアミン使用量の影響
を示す図である。右縦軸は2−(4−メチルアミノブト
キシ)ジフェニルメタンの収率(mole%)を●で示す。
又、左縦軸はN−ダイマー/2−(4−メチルアミノブト
キシ)ジフェニルメタン高速液体クロマトグラフィー面
積比を▲で示す。横軸はメチルアミン/2−(4−ブロモ
ブトキシ)ジフェニルメタン(モル比)を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鵜浦 博之 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山14番地 三 菱化成工業株式会社鹿島工場内 (56)参考文献 特開 昭54−55556(JP,A) 特開 昭59−55829(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の工程(a)、(b)及び(c)から
    なることを特徴とする2−(4−メチルアミノブトキ
    シ)ジフェニルメタン・塩酸塩の製造方法。 (a)オキソベンジルフェノール1モルに対し、1,4−
    ジハロゲノブタンを5モル以上用い、アルカリ及びポリ
    アルキレングリコール類又はこれらのモノもしくはジア
    ルキルエーテル類(以下「ポリエーテル類」と略称す
    る。)の存在下、オルソベンジルフェノールと1,4−ジ
    ハロゲノブタンとを反応させて2−(4−ハロゲノブト
    キシ)ジフェニルメタンを得るエーテル化工程、 (b)上記工程(a)より得られた2−(4−ハロゲノ
    ブトキシ)ジフェニルメタン1モルに対して、メチルア
    ミンを10モル以上用い、アルコール性溶媒中で2−(4
    −ハロゲノブトキシ)ジフェニルメタンとメチルアミン
    とを反応させて2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフ
    ェニルメタンを得るアミノ化工程、 (c)上記工程(b)より得られた2−(4−メチルア
    ミノブトキシ)ジフェニルメタンを溶媒中、塩化水素と
    反応させ2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニル
    メタン・塩酸塩を生成させ、次いで晶析精製する付加塩
    化工程。
  2. 【請求項2】エーテル化工程におけるポリエーテル類と
    して、下記一般式(I) R1O〔(CH2)nO〕mR2 …(I) (上記式中、nは2,3又は4を表わし、mは2以上の整
    数を表わし、R1はアルキル基または水素原子を表わし、
    R2はアルキル基又は水素原子を表わす。) で示されるポリエーテル類を用いることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】アミノ化工程におけるアルコール性溶媒と
    して、メタノール、エタノール又はこれらと水との混合
    溶液を用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
  4. 【請求項4】付加塩化工程における溶媒として、ベンゼ
    ン、トルエン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジイソ
    プロピルエーテル及び酢酸エチルからなる群から選択さ
    れる1種以上を用いることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】エーテル化工程における1,4−ジハロゲノ
    ブタンが1,4−ジブロモブタン又は1,4−ジクロロブタン
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
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