JP6164839B2 - 釣竿用竿体とそれを備えた釣竿 - Google Patents

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Description

本発明は、釣竿用竿体とそれを備えた釣竿に関する。
例えば、竿元部にグリップ部を備える場合、コルクや発泡樹脂から筒状のグリップ部を形成し、それをプリプレグから筒状に形成された竿体の後部外周面に装着して構成することが多い。しかしながら、グリップ部を竿体とは別体構成とする場合には軽量化が困難となる。
これに対して、下記特許文献1のように、竿体の後部を急勾配で拡径させてグリップ部を一体的に形成する構成がある。この場合、竿体の形状に合わせたマンドレルにプリプレグを巻回することによって、大径のグリップ部を含めて一体的に竿体を形成することができるため、軽量化には有利である。しかしながら、プリプレグをマンドレルに巻回する際に、急勾配で拡径するテーパ部等においてプリプレグにシワが生じやすいという問題があり、このシワを発生させないようにしながらプリプレグを巻回することは困難な作業となり、作業者に高い熟練度が要求された。
実開昭59−182173号公報
それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、作業者の熟練度が低くても簡単に製造することができる釣竿用竿体とそれを用いた釣竿を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、本発明に係る釣竿用竿体は、プリプレグから筒状に形成された本体層を竿体の全長に亘って備えており、該本体層は前後の領域の勾配よりも急勾配で後側に向けて内外径共に拡径する急拡径部を備えている釣竿用竿体であって、本体層は、一周を複数に分割すると共に竿体の全長の長さを有する各分割領域をそれぞれ竿体の全長に対応した長さを有する一枚のプリプレグにより形成すべく、竿体の全長に対応した長さを有する複数枚のプリプレグを重ね合わせ部を形成しつつ周方向に並べて巻回することにより一周分とされた筒状の層を、竿体の全長に亘って連続して有していることを特徴とする。尚、竿先側を前側とし、竿尻側を後側とする。また、急拡径部の前側の領域である小径部の勾配や、急拡径部の後側の領域である大径部の勾配は、何れも0であってもよい、即ち、ストレート形状であってもよい。
該構成の釣竿用竿体にあっては、急拡径部を備えた本体層が一枚のプリプレグから構成されているのではなく、複数枚のプリプレグから一周分の筒状に形成された層によって構成されている。即ち、一周を複数に分割するように形成された複数枚のプリプレグを、互いの幅方向の端部同士が内外重なり合うようにしながら周方向に並べて巻回することによって一周分の筒状の層を形成する。このように、複数枚のプリプレグによって一周分の筒状の層を形成するので、急勾配で拡径する急拡径部が存在していてもプリプレグにシワが発生しにくくなる。また、隣り合うプリプレグ同士が重なり合って形成された重ね合わせ部は竿軸方向に筋状に延びており、該筋状の重ね合わせ部があたかもリブとして機能することにもなり、竿体の曲げ強度も容易に確保できる。
また本発明に係る釣竿用竿体は、プリプレグから筒状に形成された本体層を備え、該本体層は前後の領域の勾配よりも急勾配で後側に向けて内外径共に拡径する急拡径部を備えている釣竿用竿体であって、本体層の全長のうち少なくとも急拡径部を含む所定長さ領域は、一周を複数に分割した各分割領域をそれぞれ一枚のプリプレグにより形成すべく、前記所定長さ領域に対応した長さを有する複数枚のプリプレグを重ね合わせ部を形成しつつ周方向に並べて巻回することにより一周分とされた筒状の層を有しており、一周を等分割するように、一周分の筒状の層を形成する複数枚のプリプレグは互いに同一形状であることを特徴とする。例えば、二等分や三等分というように等分割されることで、隣り合うプリプレグ同士の重ね合わせ部が周方向に一定の間隔で形成されることになり、周方向にバランスの採れた竿体が得られる。該重ね合わせ部は一周の間にプリプレグの枚数分存在しており、例えば三等分の場合であれば三枚のプリプレグから一周分の筒状の層が形成されるので、重ね合わせ部は120度間隔で合計三箇所存在することになる。このように重ね合わせ部が周方向に一定間隔毎に形成されることで、竿体の強度が周方向にバランスの採れたものになる。また、同一形状のプリプレグを使用することで裁断ロスも少なくなり、製造もより一層容易になる。
更に、一周分の筒状の層を形成する複数枚のプリプレグは、竿軸方向に長い台形であることが好ましい。この構成では、隣り合うプリプレグ同士の重ね合わせ部の幅を竿軸方向に容易に略一定とすることができる。
また、一周分の筒状の層が位相を周方向にずらしながら複数層積層されていることが好ましい。一周分の筒状の層は一層であってもよいが複数層とすることが好ましく、薄いプリプレグを使用することができて、シワの発生をより一層軽減できる。そして、多層構造とする場合には、各層間の位相が周方向にずれるようにして積層することが好ましく、隣り合うプリプレグ同士の重ね合わせ部が内側の層と外側の層との間で周方向に位置ずれすることになり、竿体の肉厚が均一化され、より一層バランスの良い竿体が得られる。
また、一周分の筒状の層を形成する複数枚のプリプレグは、強化繊維が竿軸方向に沿った縦シートと強化繊維が周方向に沿った横シートとが積層されたプリプレグからなることが好ましく、複数枚のプリプレグから一周分とする構成であっても竿体の強度を容易に確保することができる。
また、本発明に係る釣竿は、上述したような釣竿用竿体を備えたものである。
以上のように、急拡径部を含む所定長さ領域が、複数枚のプリプレグから一周分の筒状に形成された層を有する構成であるので、一枚のプリプレグを複数回巻回することによって筒状とした構成に比して、プリプレグにシワが発生しにくく、熟練度の低い作業者であっても容易に製造することができる。
本発明の一実施形態における釣竿の要部を示す断面図。 同実施形態の釣竿に使用されている竿体を示す断面図。 同実施形態の竿体の製造方法を示す正面図。 (a)及び(b)は同実施形態の竿体の製造途中の状態を示す断面図であって、図2のA−A線断面に相当する箇所の断面図。 同実施形態の竿体の製造途中の状態を示す断面図であって、図2のA−A線断面に相当する箇所の断面図。 図2のA−A線断面図。 同実施形態の竿体に使用されるプリプレグの構成図。
以下、本発明の一実施形態に係る釣竿及びそれに使用されている竿体について図1〜図7を参酌しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態における釣竿は、リールを取り付けるためのリールシート1を備えたものである。該リールシート1は、パイプシートとも称される筒状のものであって、リールシート本体10と、可動フード体11と、ナット12とを備えている。リールシート本体10は、合成樹脂等から成形により形成されたものであって、リールの脚部100を載置するためのリール脚載置部13と、リールの脚部100の一方が差し込まれる固定フード部14とを有している。尚、本実施形態ではスピニングリールを取り付けるためのリールシート1を例に説明しており、従って、図1に示すように、リールシート本体10のリール脚載置部13は使用状態において下側に位置する。また、リールシート本体10の固定フード部14は前側に位置している。リールシート本体10の後部には雄ねじ部15が形成されており、該雄ねじ部15にナット12が螺合している。ナット12の前側に、リールの脚部100の他方が差し込まれる可動フード体11が位置している。可動フード体11はナット12に相対回転可能に係止されているので、ナット12を回転させることで可動フード体11は回転することなくナット12と共に前後に移動する。該可動フード体11を前側に移動させる、即ち、固定フード部14に接近させることでリールの脚部100を前後に狭持しつつリールシート本体10に固定することができる。また、可動フード体11を後側に移動させる、即ち、固定フード部14から離反させることでリールの脚部100の固定状態が解除されて、リールを釣竿から取り外すことができる。更に、リールシート1の前側にはフロントグリップ部7が設けられている。該フロントグリップ部7は、リールシート本体10とは別体であって、EVA等の発泡性合成樹脂やコルク等から形成されている。
このようにリールシート1が装着された釣竿は、竿本体2と、該竿本体2の後側に所定長さの重ね合わせ部4を形成するようにして接着され一体化されたリアグリップ竿体3とを備えている。重ね合わせ部4においては、竿本体2の後部が内側に位置し、その外側にリアグリップ竿体3の前部が位置している。
竿本体2は、所定形状に裁断されたシート状のプリプレグをマンドレルに巻回して筒状に形成した本体層を備えたものであって、プリプレグの強化繊維としてはカーボン繊維やガラス繊維等が使用でき、特にカーボン繊維が好ましく、またカーボン繊維を使用する場合にはその比率を高くすることが好ましい。リアグリップ竿体3も、所定形状に裁断されたシート状のプリプレグをマンドレルに巻回して筒状に形成した本体層を備えており、その本体層はリアグリップ竿体3の全長に亘って形成されているものであるが、その製法については後述する。
リアグリップ竿体3の肉厚は全長に亘って略一定であり、竿本体2の後部における肉厚と略等しい。該リアグリップ竿体3にリアグリップ部5が一体的に形成されており、該リアグリップ部5がリールシート1の後側に位置している。該リアグリップ部5は、釣竿を持っている手の肘を当てたり、両手でキャストする場合にはリールシート1を持つ手とは反対側の手で把持したりして使用される。
図2に示しているように、リアグリップ竿体3の後部には前部の勾配よりも大きい急勾配で拡径した急拡径部31が形成されており、該急拡径部31によりリアグリップ竿体3の後部にリアグリップ部5が一体的に形成されている。即ち、リアグリップ竿体3は、前側から順に、所定長さの径一定のストレート形状即ち勾配0である小径部30と、該小径部30から急勾配で内外径共に拡径していく急拡径部31と、該急拡径部31から後方に所定長さ伸びる径一定のストレート形状即ち勾配0である大径部32とから構成されている。この急拡径部31の主として後部領域と大径部32とからリアグリップ部5が構成されている。尚、大径部32の長さは、小径部30の長さよりも短く、急拡径部31の長さよりも短い。また、リアグリップ竿体3の小径部30にリールシート本体10が装着され、リアグリップ竿体3は、その小径部30において竿本体2と重ね合わせられている。尚、リアグリップ竿体3の後端には尻栓33が装着されている。
このようなリアグリップ竿体3の詳細構造をその製法と共に説明する。図3のように、マンドレル60は、リアグリップ竿体3の形状に合わせた形状とされる。従って、マンドレル60は、前側から順に小径部30を形成するための第一の領域61と、急拡径部31を形成するための第二の領域62と、大径部32を形成するための第三の領域63とを有する形状となっている。筒状の本体層78は、リアグリップ竿体3の全長に亘って形成されたものであり、図6にも示しているように本実施形態においては三層構造であって、図3に示すような同一形状の三枚の台形のプリプレグ71a,71b,71cをワンセットとしてその三枚のプリプレグ71a,71b,71cから一層分の筒状の層75が形成されたものである。図3は小径部30における断面を示したものであるが、他の領域、即ち、急拡径部31や大径部32においても同様であって、リアグリップ竿体3の全長に亘って三層構造の本体層78が形成されている。尚、符号71は、一層目のプリプレグを表し、符号71a,71b,71cを総称したものとする。同様に、後述する符号72は、二層目のプリプレグを表し、符号72a,72b,72cを総称したものとし、符号73は、三層目のプリプレグを表し、符号73a,73b,73cを総称したものとする。特に一層目から三層目を区別しない場合には符号71を用いて説明する。
図3に戻って、プリプレグ71a,71b,71cは、竿軸方向に長い台形であって、その長さLは、リアグリップ竿体3の全長即ち本体層78の全長に対応した長さとなっている。即ち、加熱焼成後に端部をカットして所定長さのリアグリップ竿体3を形成することができるように所定の余裕を有した長さとなっている。プリプレグ71a,71b,71cの幅は、マンドレル60の周長の略1/3に相当する幅である。詳細には、前側の幅W1はマンドレル60の第一の領域61(即ち小径部30)の略1/3回巻きに相当する幅であり、後側の幅W2はマンドレル60の第三の領域63(即ち大径部32)の略1/3回巻きに相当する幅であるが、マンドレル60に巻回する際に各プリプレグ71a,71b,71cの幅方向の端部同士を内外重ね合わせるようにするため、周長の1/3に相当する幅に対して重ね合わせ部74の幅に相当する分を足したもの、つまり若干の余裕を持った幅寸法となっている。何れにしても、一周を三等分した各分割領域をそれぞれ一枚のプリプレグ71a,71b,71cで形成し、三枚のプリプレグ71a,71b,71cで一周分とする。尚、このようなプリプレグ71a,71b,71cは、図7に示すように強化繊維が竿軸方向に沿った縦シート81と強化繊維が周方向に沿った横シート82とを積層一体化させた積層シート83から裁断されたものである。その強化繊維としては、上述した竿本体2の場合と同様であってカーボン繊維等を使用できる。
まず、マンドレル60の中心に一枚目のプリプレグ71aの幅方向の中心を合わせるようにセットしてこの一枚目のプリプレグ71aをマンドレル60に巻き付ける。一枚目のプリプレグ71aをマンドレル60に巻き付けると図4(a)のようにマンドレル60の全周のうち略1/3程度が一枚目のプリプレグ71aで巻回されることになる。尚、図4(a)ではマンドレル60の断面形状を示すハッチングについてはそれを省略しており、図4(b)や図5、図6についても同様である。図4(a)に示している略1/3程度の巻回状態は小径部30のみならず急拡径部31や大径部32においても同様であり、一枚のプリプレグ71aによって本体層78の全長に亘って略1/3程度の巻回状態となる。
そして、次に、マンドレル60を軸線まわりに一方向に120度回転させて二枚目のプリプレグ71bを同様に巻回するのであるが、その際も一枚目と同様にマンドレル60の中心にプリプレグ71bの幅方向の中心を合わせるようにセットして巻き付ける。図4(b)のように二枚目のプリプレグ71bは一枚目のプリプレグ71aの幅方向の一端部の上に所定幅で重なり合うようにしてマンドレル60に巻き付ける。従って、一枚目のプリプレグ71aと二枚目のプリプレグ71bによって所定幅の重ね合わせ部74が形成される。該重ね合わせ部74は竿軸方向に延びていて全長に亘って略一定幅にて形成される。
更にマンドレル60を軸線まわりに先と同じ一方向に120度回転させて三枚目のプリプレグ71cを巻き付ける。この場合も二枚目のプリプレグ71bの幅方向の一端部の上に所定幅で重なり合うようにして三枚目のプリプレグ71cを巻き付けると共に、一枚目のプリプレグ71aの幅方向の他端部の上にも三枚目のプリプレグ71cが所定幅で重なり合うようにする。三枚目のプリプレグ71cをマンドレル60に巻き付けると図5のようにマンドレル60の全周が三枚のプリプレグ71a,71b,71cによって覆われて一周分の巻回状態となり、プリプレグ71a,71b,71c同士の重ね合わせ部74は120度毎に合計三箇所形成されることになる。また、三枚のプリプレグ71a,71b,71cによってマンドレル60の第一の領域61から第三の領域63まで一周分の巻回状態となり、この三枚のプリプレグ71a,71b,71cによって、三つの重ね合わせ部74を有する一周分の筒状の層75が形成されることになる。
このような三枚のプリプレグ71をワンセットとした一周分の巻回工程を引き続いて更に二回繰り返し行って、合計三周分の巻回工程を行う。つまり、図6のように、一層目の三枚のプリプレグ71a,71b,71cからなる筒状の層75の外側に、二層目の三枚のプリプレグ72a,72b,72cを巻回して二層目の筒状の層75を形成し、更にその外側に、三層目の三枚のプリプレグ73a,73b,73cを巻回して三層目の筒状の層75を形成する。このようにプリプレグ71は合計9枚使用することになり、三枚のプリプレグ71からなる一周分の筒状の層75が合計三層積層されて本体層78が構成される。二層目の巻回工程は上述した一層目の巻回工程に対して位相を周方向にずらせて行うようにし、また、三層目の巻回工程は二層目の巻回工程に対して同様に位相を周方向にずれせて行うようにする。その位相のずらせる方向は二層目と三層目で同一方向とし、更に、ずらせる位相も同一角度とする。例えば、一層目と二層目で位相を40度ずらして、二層目と三層目で位相を同じ方向に更に40度ずらすと、図6のように合計9箇所の重ね合わせ部74が40度毎に周方向に均等に配置されることになる。
そして、このように三層構造の本体層78を形成した後、その外側に図示しないテープ状のプリプレグを全長に亘って螺旋状に巻回して、本体層78の外側に外層79を形成する。即ち、本実施形態においてリアグリップ竿体3は本体層78と外層79とからなる。図6に外層79を二点鎖線で示している。該テープ状のプリプレグはその長手方向に沿ってカーボン繊維等の強化繊維が引き揃えられたものであり、種々の厚さのものを使用できる。尚、テープ状のプリプレグは密巻に巻回することが好ましい。密巻とは隙間を空けない巻き状態であって且つオーバーラップすることがない状態で巻き付けていくことであり、この密巻によって外層79が隙間なく一定厚さで形成される。その後、図示しない成形テープを巻き付けて締め付ける。該成形テープは所定幅の重なり部分を持たせながら竿軸方向の一方側から他方側に向けて螺旋状に巻回していく。そして加熱焼成した後、成形テープを除去してマンドレル60を引き抜く。
このようにして形成されるリアグリップ竿体3にあっては、三枚のプリプレグ71から一周分の筒状の層75を形成しているので、一枚のプリプレグを複数回巻回することによって本体層を形成する構成に比して、急拡径部31等においてプリプレグ71にシワが発生しにくくなり、熟練度が高くなくても容易に製造することができる。
また、プリプレグ71同士の重ね合わせ部74が竿軸方向に全長に亘って筋状に延びており、該筋状の重ね合わせ部74がリブとして機能することにもなり、リアグリップ竿体3の曲げ強度も容易に確保できる。
更に、一周を三等分するように三枚のプリプレグ71が互いに同一形状となっているので、重ね合わせ部74が周方向に一定の間隔で形成されることになり、周方向にバランスの採れたリアグリップ竿体3が得られる。また更に、プリプレグ71を同一形状の台形としているので、マンドレル60の中心にプリプレグ71を容易に位置させることができて製造がより一層容易になるうえに、プリプレグ71の裁断ロスも少なくなる。また、プリプレグ71同士の重ね合わせ部74の幅も竿軸方向に略一定とすることができる。
また、一周分の筒状の層75が合計三層形成されて三層構造の本体層78とされているので、相対的に薄いプリプレグ71を使用することができ、シワの発生をより一層軽減することができる。更に、各層75間の位相が周方向に40度ずつずれるようにして積層されているので、プリプレグ71同士の重ね合わせ部74が層75間で40度ずつ周方向に位置ずれして三層分で合計9箇所の重ね合わせ部74が全周に均等に分散して配置されることになり、リアグリップ竿体3の肉厚をより一層均一化することができると共に周方向にバランスの採れた曲げ強度が確保される。
また、縦シート80と横シート81が予め積層されて一体化した積層シート83をプリプレグ71に使用しているので、本体層78を構成する各層75が一周分の巻き数であっても、リアグリップ竿体3の強度を容易に確保することができる。
尚、本実施形態では本体層78を三層構造としたが、二層構造や四層構造としてもよいし、一層構造であってもよい。また、略120度の分割領域に相当する幅を有する合計三枚のプリプレグ71で一周分の筒状の層75を形成したが、略180度の分割領域に相当する幅を有する合計二枚のプリプレグ71で一周分の筒状の層75を形成してもよい。また更にこのように一周を三分割や二分割とする他に、一周を四分割したり五分割したりしてもよいが、四分割以上の多分割構成とすると重ね合わせ部74の数が多くなるので、二分割あるいは三分割の構成とすることが好ましい。
また、本体層78の全領域を、複数枚のプリプレグ71から一周分に形成された筒状の層75によって構成したが、本体層78の全長のうち少なくとも急拡径部31を含む所定長さ領域が、複数枚のプリプレグ71からなる一周分の筒状の層75によって構成されていればよい。例えば、本体層78の全長のうち急拡径部31を含む所定長さ領域のみを複数枚のプリプレグ71から一周分の筒状とした層75によって構成し、本体層78のそれ以外の端部所定領域については別途一枚のプリプレグを複数回巻回して形成してもよい。但し、本体層78の全領域を、複数枚のプリプレグ71から一周分に形成された筒状の層75によって構成することにより、容易に製造することができるうえに強度も容易に確保できる。
更に、プリプレグ71を台形としたが長方形としてもよい。但し、プリプレグ71を長方形とした場合には後側よりも前側において重ね合わせ部74の幅が広くなるので、台形とすることがより好ましい。
また更に、小径部30と大径部32の勾配を何れも0としたが、小径部30や大径部32の勾配を0ではなく緩い勾配として、後側に向けて徐々に拡径する形状としてもよい。
また、上記実施形態ではリアグリップ竿体3に適用した場合について説明したが、リアグリップ竿体3には限られず、各種の竿体に使用することができる。また、リールを装着する釣竿について説明したが、のべ竿等のようにリールを装着しないタイプの釣竿であってもよい。
尚、本体層78の内側に内層を形成してもよく、その内層も外層79と同様にテープ状のプリプレグを螺旋状に巻回することにより形成できる。また、マンドレル60にプリプレグ71を巻回して中空状の竿体とする以外に、ソリッド体の外側に本体層78を形成して中実状の竿体としてもよい。
1 リールシート
2 竿本体
3 リアグリップ竿体
4 重ね合わせ部
5 リアグリップ部
7 フロントグリップ部
10 リールシート本体
11 可動フード体
12 ナット
13 リール脚載置部
14 固定フード部
15 雄ねじ部
30 小径部
31 急拡径部
32 大径部
33 尻栓
60 マンドレル
61 第一の領域
62 第二の領域
63 第三の領域
71 一層目のプリプレグ
72 二層目のプリプレグ
73 三層目のプリプレグ
74 重ね合わせ部
75 筒状の層
78 本体層
79 外層
81 縦シート
82 横シート
83 積層シート
100 リールの脚部

Claims (7)

  1. プリプレグから筒状に形成された本体層を竿体の全長に亘って備えており、該本体層は前後の領域の勾配よりも急勾配で後側に向けて内外径共に拡径する急拡径部を備えている釣竿用竿体であって、
    本体層は、一周を複数に分割すると共に竿体の全長の長さを有する各分割領域をそれぞれ竿体の全長に対応した長さを有する一枚のプリプレグにより形成すべく、竿体の全長に対応した長さを有する複数枚のプリプレグを重ね合わせ部を形成しつつ周方向に並べて巻回することにより一周分とされた筒状の層を、竿体の全長に亘って連続して有していることを特徴とする釣竿用竿体。
  2. プリプレグから筒状に形成された本体層を備え、該本体層は前後の領域の勾配よりも急勾配で後側に向けて内外径共に拡径する急拡径部を備えている釣竿用竿体であって、
    本体層の全長のうち少なくとも急拡径部を含む所定長さ領域は、一周を複数に分割した各分割領域をそれぞれ一枚のプリプレグにより形成すべく、前記所定長さ領域に対応した長さを有する複数枚のプリプレグを重ね合わせ部を形成しつつ周方向に並べて巻回することにより一周分とされた筒状の層を有しており、
    一周を等分割するように、一周分の筒状の層を形成する複数枚のプリプレグは互いに同一形状であることを特徴とする釣竿用竿体。
  3. 一周分の筒状の層を形成する複数枚のプリプレグは、竿軸方向に長い台形である請求項1又は2記載の釣竿用竿体。
  4. 一周分の筒状の層を形成する複数枚のプリプレグは、竿軸方向に長い長方形である請求項1又は2記載の釣竿用竿体。
  5. 一周分の筒状の層が位相を周方向にずらしながら複数層積層されている請求項1乃至4の何れかに記載の釣竿用竿体。
  6. 一周分の筒状の層を形成する複数枚のプリプレグは、強化繊維が竿軸方向に沿った縦シートと強化繊維が周方向に沿った横シートとが積層されたプリプレグからなる請求項1乃至の何れかに記載の釣竿用竿体。
  7. 請求項1乃至の何れかに記載の釣竿用竿体を備えた釣竿。
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