JP6162037B2 - 防火戸構造 - Google Patents
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Description
建築基準法においては、防火戸に要求される性能は、火炎が、隣接する防火区画に漏れるのを抑制する性能(遮炎性能)のみである。一方、耐火壁には、遮炎性能に加えて、遮熱性能、即ち、耐火壁の裏面温度の上昇を抑制する性能が要求されている。
このように、防火戸には、遮熱性能が備えられていないため、火災時には、防火戸を介して隣接室側に熱が伝達される。
特許文献1は、防火戸の扉の内部に、肉薄の加熱発泡シートを貼り付けた構成である。加熱発泡シートは、温度上昇に伴う加熱により発泡して肉厚となり、発泡した加熱発泡シートが遮熱性能を発揮する構成である。
また、熱膨張して空洞部を充満させた耐火材が、防火戸の小口部に形成された開口部から漏れ出て、防火戸と、防火戸が取り付けられた戸枠との隙間を塞ぐ。これにより、防火戸と戸枠との隙間からの火炎や、煙の侵入が防止される。この結果、遮炎性能が高められ、隙間を通じての火炎や煙の拡散、防火戸や戸枠の変形、温度上昇等が抑制される。
これにより、火災時には、熱膨張して空洞部を充満させた耐火材が、防火戸と戸枠との隙間に向けて開口する開口部から漏れ出て、防火戸と戸枠との隙間を塞ぐことができる。
これにより、防火戸本体の交換のみで、即ち、防火戸を取付ける戸枠の交換を必要とせずに、防火戸に遮熱性能に加えて、高い遮炎性能を付与することができる。
本発明の第1実施形態に係る防火戸構造について、図1〜図4を用いて説明する。
図1(A)、図1(B)、図2(A)に示すように、第1実施形態に係る防火戸構造は、防火戸12を有し、防火戸12の内部には空洞部(中空部)10が形成されている。
ここに、図1(A)は、図1(B)のX2−X2線断面図であり、図1(B)は、図1(A)のX1−X1線断面図であり、図2(A)は防火戸12の上部の拡大図である。
防火戸12の技術的内容に関しては、建築基準法、建築基準法施行令、及び建設省告示等で詳細に規制されている。本実施形態の防火戸12は、これらの規制に適合した防火戸の全てを対象としている。なお、本実施形態の防火戸構造は、既存建物に既に取付けられている既存の防火戸に適用しても良いし、これから建物に取り付けられる新規の防火戸に適用しても良い。
なお、耐火材20は、防火戸12の裏板12Bに貼り付けられているが、防火戸12の表板12Hの空洞部10側の内壁に貼り付けてもよい。
なお、貫通孔18を防火戸12の下面の小口部26にも形成し、4面の全てに貫通孔18を設けてもよい。これにより、防火戸12に、より高い遮炎性能を付与することができる。
また、熱膨張して空洞部10を充満させた耐火材20が、防火戸12の小口部26に形成された貫通孔18から漏れ出て、防火戸12と、防火戸12が取り付けられた戸枠14との隙間dU、dL、dRを塞ぐ。これにより、防火戸12と戸枠14との隙間からの火炎や、煙の侵入が防止される。
この結果、隙間dU、dL、dRを通じての火炎や煙の拡散、防火戸12や戸枠14の変形、温度上昇等が抑制され、防火戸12の遮炎性能をより向上させることができる。
図4に示すように、高齢者施設32の1つのフロアには、入居者用の居室28が複数設けられている。また、フロアの中央部には、フロアを第1ゾーン42と、第2ゾーン43の2つに分割する耐火壁34が設けられている。第1ゾーン42と第2ゾーン43には、それぞれ居室28が設けられており、耐火壁34の中央部には、防火戸12が取付けられている。
また、一時避難エリア22は、第1ゾーン42と第2ゾーン43に跨って設けられ、第1ゾーン42からは、第1ゾーン42側の防火戸12を通って一時避難エリア22に、入退室でき、第2ゾーン42からは、第2ゾーン43側の防火戸12を通って、一時避難エリア22に入退室できる。
本発明の第2実施形態に係る防火戸構造について、図5を用いて説明する。
図5(A)、図5(B)に示すように、本発明の第2実施形態に係る防火戸構造は、防火戸30の小口部26の角部に、切欠き部(開口部)44を設けて開口部とした点において、第1実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
なお、切欠き部44は、防火戸12の小口部26と、表板12Hとの角部の一部を切り取って形成してもよい。
他の構成は第1実施形態と同じであり、説明は省略する。
12、30 防火戸
14 戸枠
18 円形の貫通孔(開口部)
19 スリット(開口部)
20 耐火材
26 小口部
44 角部の切欠き(開口部)
Claims (3)
- 空洞部を有する防火戸と、
前記防火戸の小口部に形成され、前記空洞部と連通する開口部と、
前記空洞部に設けられ、火災時に熱膨張して前記空洞部の内部を充満させ、前記開口部から漏れ出て、前記防火戸と、前記防火戸が取付けられた戸枠との隙間を塞ぐ耐火材と、
を有する防火戸構造。 - 前記開口部は、前記戸枠と対向する、前記防火戸の前記小口部の平面部、又は、前記防火戸の前記小口部の角部に設けられている請求項1に記載の防火戸構造。
- 前記耐火材は、前記空洞部の内壁に貼り付けられている請求項1又は2に記載の防火戸構造。
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