JP6718215B2 - 扉 - Google Patents
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Description
請求項5に記載の扉は、請求項1から4のいずれか一項に記載の扉において、前記扉体、前記遮熱手段、又は前記化粧板の少なくともいずれか1つに設けられた熱膨張耐火部材であって、前記扉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において前記扉体の周辺で火災が発生した場合に、当該熱膨張耐火部材が前記火災の熱で膨張することにより、前記扉体、前記遮熱手段、又は前記化粧板と前記開口部の周縁に設けられた枠体との相互間に形成されている隙間を塞ぐための熱膨張耐火部材を備えた。
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部を開閉する扉体を備えた扉に関するものである。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まず、実施の形態1に係る扉について説明する。この実施の形態1は、後述する室外側表面材における第1外側面の略全体を覆う後述する室外側遮熱部、及び後述する室内側表面材における第2外側面の略全体を覆う後述する室内側遮熱部を備えた形態である。
最初に、実施の形態1に係る扉の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を扉の左右方向又は幅方向(−X方向を扉の左方向、+X方向を扉の右方向)、図3のY方向を扉の前後方向(+Y方向を扉の前方向(部屋の室外側の方向)、−Y方向を扉の後方向(部屋の室内側の方向))、図1のZ方向を扉の上下方向(+Z方向を扉の上方向、−Z方向を扉の下方向)と称する。
枠体10は、建物の躯体(図示省略)に形成された開口部3の周縁に設置されるものであり、左右一対の縦枠11、12及び上下一対の横枠13、14を備える。これら縦枠11、12及び横枠13、14は、それぞれ開口部の周縁における建物の躯体に公知の方法で直接的に固定されており、相互に組み合わせられることにより全体として正面矩形環状の枠体10を構成する。以下では、必要に応じて、左右一対の縦枠11、12のうち、戸先側の縦枠11を「戸先側縦枠11」と称し、戸尻側の縦枠12を「戸尻側縦枠12」と称する。また、上下一対の横枠13、14のうち、上側の横枠13を「上側横枠13」と称し、下側の横枠14を「下側横枠14」と称する。
扉体20は、建物の開口部を開閉するための平板状の開閉体であり、図3に示すように、扉枠30と、表面材41、42とを備えている。
扉枠30は、扉体20の剛性を主として担う支持部材である。この扉枠30は、左右一対の縦力骨31、32及び上下一対の横力骨33、34を組み合わせることによって、正面形状が矩形環状となるように形成されている。このうち、左右一対の縦力骨31、32は、長手方向(上下方向)の長さが相互に略同一となるように形成されており、上下方向に略沿うように設けられている。また、上下一対の横力骨33、34は、長手方向(左右方向)の長さが相互に略同一となるように形成されており、左右方向に略沿うように設けられている。以下では、必要に応じて、縦力骨31、32のうち、戸先側の縦力骨31を「戸先側縦力骨31」と称し、戸尻側の縦力骨32を「戸尻側縦力骨32」と称する。また、横力骨33、34のうち、上側の横力骨33を「上側横力骨33」と称し、下側の横力骨34を「下側横力骨34」と称する。
表面材41は、扉体20の2つの主側面のいずれか一方を構成するものであって、少なくとも扉枠30における見込み方向(前後方向)の一方側の側面の略全体を覆う第1表面材であり、表面材42は、扉体20の2つの主側面のいずれか他方を構成するものであって、少なくとも扉枠30における見込み方向(前後方向)の他方側の側面の略全体を覆う第2表面材である。ここで、「主側面」とは、扉体20の側面のうち、面積が最も大きな側面を意味し、実施の形態1では、見込み方向(前後方向)に直交する2つの側面、すなわち扉体20の部屋の室外側の側面及び扉体20の部屋の室内側の側面を「主側面」として説明する。また、「扉枠30における見込み方向の一方側(又は他方側)の側面の略全体」とは、扉枠30における見込み方向(前後方向)の一方側(又は他方側)の側面の一部の範囲が除かれているものの、当該側面全体の範囲と近似した範囲を意味する。実施の形態1においては、図3、図4に示すように、表面材41は、扉枠30の側面のうち、見込み方向(前後方向)の一方側(部屋の室外側)の側面全体、戸先側の側面の一部、戸尻側の側面の一部、及び上側面の一部を覆うものとして説明するが、これに限られず、例えば、扉枠30の側面における見込み方向(前後方向)の一方側(部屋の室外側)の側面全体(又は、当該側面の略全体)のみを覆うものであってもよい(なお、表面材42についても同様とする)。また、これら表面材41、42は、例えば薄厚な鋼材(具体的には、スチール、ステンレス)等を用いて構成されており、扉枠30を部屋の室外側及び室内側から覆うように設けられ、扉枠30に対して溶接等によって固定されている。以下では、必要に応じて、これら表面材41、42のうち、部屋の室外側に配置された表面材41を「室外側表面材41」と称し、部屋の室内側に配置された表面材42を「室内側表面材42」と称する。
室外側遮熱体60は、扉1における部屋の室外側の遮熱性能を向上させるためのものであり、図1、図3、図4に示すように、扉体20よりも部屋の室外側に設けられている。なお、この室外側遮熱体60の構成の詳細については後述する。
室内側遮熱体70は、扉1における部屋の室内側の遮熱性能を向上させるためのものであり、図2、図3、図4に示すように、扉体20よりも部屋の室内側に設けられている。なお、この室内側遮熱体70の構成の詳細については後述する。
ヒンジ部50は、扉体20を戸尻側縦枠12に対して回動自在に軸支するためのものである。このヒンジ部50は、戸尻側の端部において、相互に間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設されている。また、このヒンジ部50は、公知の旗蝶番等を用いて構成されており、具体的には、図1、図3に示すように、円筒状の上軸受51と、上軸受51に差し込み自在な棒状の下軸52と、上軸受51に接続された上支持片53と、下軸52に接続された下支持片(図示省略)とを備えており、上軸受51及び下軸52が扉体20よりも部屋の室外側に位置するように設けられている。ここで、ヒンジ部50の固定方法については任意であるが、実施の形態1においては、まず、上支持片53に形成された取付孔(図示省略)、室外側表面材41に形成された取付孔(図示省略)、及び戸尻側縦力骨32に形成された取付孔(図示省略)を介して、上支持片53を戸尻側縦力骨32に対して固定具により固定する。次に、下支持片に形成された取付孔(図示省略)、戸尻側縦枠12に形成された取付孔(図示省略)、戸尻側縦枠12の内部に設けられたライナ54に形成された取付孔(図示省略)を介して、下支持片を戸尻側縦枠12に対して固定具により固定する。そして、この下支持片と接続された下軸52を、この上支持片53と接続された上軸受51に差し込むことにより、このヒンジ部50を介して扉体20と戸尻側縦枠12とを連結する。
次に、枠体10の戸先側縦枠11及び戸尻側縦枠12の構成の詳細について説明する。ただし、戸先側縦枠11及び戸尻側縦枠12は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態1において、図3に示すように、戸先側縦枠11及び戸尻側縦枠12の各々は、枠材110と、固定材120とを備えている。
次に、枠体10の上側横枠13及び下側横枠14の構成の詳細について説明する。ただし、上側横枠13及び下側横枠14は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態1において、図4に示すように、上側横枠13及び下側横枠14の各々は、枠材130と、固定材140とを備えている。
次に、扉枠30の構成の詳細について説明する。この扉枠30を構成する戸先側縦力骨31、戸尻側縦力骨32、上側横力骨33、下側横力骨34、及び中骨35は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態1においては、戸先側縦力骨31、戸尻側縦力骨32、上側横力骨33、下側横力骨34、及び中骨35の各々は、自己の長手方向に直交する断面の断面形状がコ字状となるように形成されている。具体的には、図3に示すように、戸先側縦力骨31は、中央片36と、部屋の室外側に位置する室外側片37と、部屋の室内側に位置する室内側片38とを有している。また、図3、図4に示すように、戸尻側縦力骨32、上側横力骨33、下側横力骨34、及び中骨35の各々も、戸先側縦力骨31と同様に、中央片36と、部屋の室外側に位置する室外側片37と、部屋の室内側に位置する室内側片38とを有している。なお、このような戸先側縦力骨31、戸尻側縦力骨32、上側横力骨33、下側横力骨34、及び中骨35の材質について、実施の形態1では、鋼材(具体的には、スチール、ステンレス)等の不燃性を有する材質で製造されている。
次に、室外側遮熱体60の構成の詳細について説明する。図3、図4に示すように、室外側遮熱体60は、室外側遮熱部61及び室外側化粧板62を備えて構成されている。
室外側遮熱部61は、部屋の室外側で発生した火災の熱が扉体20に伝導することを抑制するための遮熱手段である。この室外側遮熱部61は、例えば公知の遮熱部材(具体的には、ケイ酸カルシウム板等)を用いて構成されており、図3、図4に示すように、扉体20の室外側表面材41に設置されている。
室外側化粧板62は、室外側遮熱部61における見込み方向(前後方向)の外側(部屋の室外側)の側面の略全体を覆う化粧体である。ここで、「室外側遮熱部61における見込み方向のいずれか一方の外側の側面の略全体」とは、この側面の一部の範囲が除かれているものの、この側面全体の範囲と近似した範囲を意味する。この室外側化粧板62は、例えば、鋼材(具体的には、スチール、ステンレス)等の不燃性を有する材質にて形成された公知の化粧板等を用いて構成されており、室外側遮熱部61を部屋の室外側から覆うように設けられている。
次に、室内側遮熱体70の構成の詳細について説明する。図3、図4に示すように、室内側遮熱体70は、室内側遮熱部71及び室内側化粧板72を備えて構成されている。
室内側遮熱部71は、部屋の室内側で発生した火災の熱が扉体20に伝導することを抑制するための遮熱手段である。この室内側遮熱部71は、例えば公知の遮熱部材を用いて構成されており、図3、図4に示すように、扉体20の室内側表面材42に設置されている。
室内側化粧板72は、室内側遮熱部71における見込み方向(前後方向)の外側(部屋の室内側)の側面の略全体を覆う化粧体である。ここで、「室内側遮熱部71における見込み方向(前後方向)のいずれか一方の外側の側面の略全体」とは、この側面の一部の範囲が除かれているものの、この側面全体の範囲と近似した範囲を意味する。この室内側化粧板72は、例えば、鋼材(具体的には、スチール、ステンレス)等の不燃性を有する材質にて形成された公知の化粧板等を用いて構成されており、室内側遮熱部71を部屋の室内側から覆うように設けられている。
続いて、扉体20と枠体10との相互間の遮熱構造について説明する。扉1の遮熱性能を向上させるための遮熱構造として、第1熱膨張耐火部材81及び第2熱膨張耐火部材82が設けられている。
このように構成された扉1の作用について説明する。
続いて、扉体20のその他の構成について説明する。実施の形態1においては、扉体20の戸先側には、把手21、ラッチ(図示省略)、施錠装置(図示省略)、及びドアクローザ22が設けられている。
このように実施の形態1によれば、扉体20の室外側表面材41における第1外側面F1の略全体、及び扉体20の室内側表面材42における第2外側面F2の略全体を覆う室外側遮熱部61及び室内側遮熱部71を備えているので、室外側遮熱部61及び室内側遮熱部71によって、扉体20の見込み方向(前後方向)のいずれか一方側で発生した火災の熱が扉体20に伝導することを抑制することができる。これにより、上記火災が発生した場合でも、室外側表面材41と室内側表面材42との相互間で温度差が生じにくくなることから、扉1全体が反り変形することを回避できる。よって、室外側遮熱部61及び室内側遮熱部71を設けない場合に比べて、上記扉1の反り変形によって、扉1と枠体10との相互間に隙間が生じることにより、この隙間を介して上記火災の熱が見込み方向に伝わることを回避できる。また、室外側遮熱部61及び室内側遮熱部71における見込み方向(前後方向)の外側の側面の略全体を覆う、不燃性を有する室外側化粧板62及び室内側化粧板72を備えているので、室外側遮熱部61及び室内側遮熱部71における見込み方向(前後方向)の外側の側面の略全体を外部から非露出状にすることができ、室外側化粧板62及び室内側化粧板72を設けない場合に比べて、例えば、室外側遮熱部61又は室内側遮熱部71が外力を受けることによって当該室外側遮熱部61又は当該室内側遮熱部71が損傷することを回避できると共に、室外側遮熱部61に比べて塗装が容易な室外側化粧板62で室外側遮熱部61を覆い、且つ、室内側遮熱部71に比べて塗装が容易な室内側化粧板72で室内側遮熱部71を覆うことから、扉1とその周囲に設けられている部材との意匠上の統一性が図りやすくなる。以上のことから、従来技術に比べて、扉1の意匠性及び遮熱性能を維持することが可能になる。
次に、実施の形態2に係る扉について説明する。この実施の形態2は、室外側表面材における第1外側面全体を覆う室外側遮熱部、及び室内側表面材における第2外側面F2全体を覆う室内側遮熱部を備えた形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
まず、実施の形態2に係る扉の構成について説明する。実施の形態2に係る扉101については、実施の形態1に係る扉1とほぼ同様に構成されている。ただし、枠体10、室外側遮熱体60、及び室内側遮熱体70の構成、並びに、及び扉体20と枠体10との相互間の遮熱構造の構成については、下記に示す工夫が施されている。
次に、枠体10の構成の詳細について説明する。実施の形態2において、図5に示すように、枠体10のうち、戸先側縦枠11及び戸尻側縦枠12の各々は、枠材110と、固定材120とを備えている。
次に、室外側遮熱体60の室外側遮熱部61の設置位置及び形状については、実施の形態2では、図5、図6に示すように、室外側遮熱部61が、扉体20の室外側表面材41における第1外側面F1全体が覆われるように設けられている。また、室外側遮熱体60の室外側化粧板62の設置位置及び形状については、実施の形態2では、図5、図6に示すように、実施の形態1に係る室外側化粧板62の設置位置及び形状と略同様に、室外側化粧板62が、室外側遮熱部61の側面のうち、部屋の室外側の側面全体、戸先側の側面の一部、戸尻側の側面の一部、上側面の一部、及び下側面の一部が覆われるように設けられ、且つ、室外側化粧板62が扉体20の室外側表面材41及び室内側表面材42と接触しないように設けられている。
次に、室内側遮熱体70の室内側遮熱部71の設置位置及び形状については、実施の形態2では、図5、図6に示すように、室内側遮熱部71が、扉体20の室内側表面材42における第2外側面F2全体が覆われるように設けられている。また、室内側遮熱体70の室内側化粧板72の設置位置及び形状については、実施の形態2では、図5、図6に示すように、実施の形態1に係る室内側化粧板72の設置位置及び形状と略同様に、室内側化粧板72が、室内側遮熱部71の側面のうち、部屋の室内側の側面全体、戸先側の側面の一部、戸尻側の側面の一部、上側面の一部、及び下側面の一部が覆われるように設けられ、且つ、室内側化粧板72が扉体20の室外側表面材41及び室内側表面材42と接触しないように設けられている。
次に、扉体20と枠体10との相互間の遮熱構造における第1熱膨張耐火部材81及び第2熱膨張耐火部材82の設置位置については、実施の形態2では、第1熱膨張耐火部材81又は第2熱膨張耐火部材82は、扉体干渉回避空間DS1及びその近傍位置、扉体干渉回避空間DS2及びその近傍位置、扉体干渉回避空間DS3及びその近傍位置、並びに扉体干渉回避空間DS4及びその近傍位置に設けられている。ここで、扉体干渉回避空間DS1及びその近傍位置に対する具体的な設置位置については、図5に示すように、第2熱膨張耐火部材82が、枠体10の戸先側縦枠11における扉体干渉回避空間DS1に対応する側面(ただし、デッドボルト受け及びラッチ受けに対応する部分及びその近傍部分は除く)に設けられている。また、扉体干渉回避空間DS2及びその近傍位置に対する具体的な設置位置については、図5に示すように、第2熱膨張耐火部材82が、枠体10の戸尻側縦枠12における扉体干渉回避空間DS2に対応する側面に設けられている。また、扉体干渉回避空間DS3及びその近傍位置に対する具体的な設置位置については、図6に示すように、第1熱膨張耐火部材81が、室外側化粧板62の上側面及び室内側化粧板72の上側面に設けられている。また、扉体干渉回避空間DS4及びその近傍位置に対する具体的な設置位置については、図6に示すように、第1熱膨張耐火部材81が、室外側化粧板62の下側面及び室内側化粧板72の下側面に設けられている。
このように実施の形態2によれば、扉体20の室外側表面材41における第1外側面F1全体、及び扉体20の室内側表面材42における第2外側面F2全体が室外側遮熱部61及び室内側遮熱部71によって覆われるように、室外側遮熱部61及び室内側遮熱部71を室外側表面材41及び室内側表面材42にそれぞれ設けたので、実施の形態1に係る扉1に比べて、扉101の意匠性及び扉101の遮熱性能を維持することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る扉の遮熱性能が従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の遮熱性能を確保できている場合には、本願の課題は解決している。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
上記実施の形態1、2では、ヒンジ部50が、公知の旗蝶番を用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、公知のピボットヒンジを用いて構成されてもよい。この場合の固定方法については任意であるが、例えば、ヒンジ部50のヒンジ部本体に形成された取付孔、室外側表面材41に形成された取付孔、及び上側横力骨33(又は下側横力骨34)に形成された取付孔を介して、ヒンジ部本体を上側横力骨33に対して固定具により固定する。次に、ヒンジ部50の受け座に形成された取付孔、上側横枠13(又は下側横枠14)に形成された取付孔、上側横枠13(又は下側横枠14)の内部に設けられたライナに形成された取付孔を介して、受け座を上側横枠13(又は下側横枠14)に対して固定具により固定する。そして、扉体20の上側及び下側に設けられたヒンジ部本体を、上側横枠13及び下側横枠14に設けられた受け座に差し込むことにより、このヒンジ部50を介して扉体20と上側横枠13及び下側横枠14の各々とを連結する。
上記実施の形態1、2では、扉が室外側遮熱体60と、室内側遮熱体70とを備えていると説明したが、これに限られない。例えば、扉の設置コストを低減するために、室外側遮熱体60又は室内側遮熱体70のいずれか一方を省略してもよい。この場合において、例えば、室内側遮熱体70のみを備えた扉については、部屋の中で火災が発生した場合には、室内側遮熱部71によって、当該火災の熱が扉体20に伝導することを抑制することができる。よって、部屋の室内側で火災が発生した場合でも、室外側表面材41と室内側表面材42との相互間で温度差が生じにくくなることから、扉全体が反り変形することを回避できる。よって、扉が室内側遮熱体70のみを備えた場合でも、上記扉の反り変形によって、扉と枠体10との相互間に隙間が生じることにより、この隙間を介して上記火災の熱が室内側に向けて伝わることを回避できる。また、室内側化粧板72によって室内側遮熱部71が覆われているので、室内側遮熱部71を外部から非露出状にすることができる。以上のことから、従来技術に比べて、扉の意匠性及び遮熱性能を維持することが可能になる。
上記実施の形態1、2では、扉に、扉体20と枠体10との相互間の遮熱構造が設けられていると説明したが、これに限られず、例えば、扉の設置コストを低減するために、扉体20と枠体10との相互間の遮熱構造を省略してもよい。
上記実施の形態1、2では、室外側遮熱部61及び室内側遮熱部71が、ケイ酸カルシウム板を用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、石膏ボード、グラスウール、ロックウール等の遮熱性を有する他の部材を用いて構成されてもよい。
上記実施の形態1、2では、室外側化粧板62及び室内側化粧板72の各々が、室外側表面材41及び室内側表面材42に接触しないように設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、扉の遮熱性能が十分確保できている場合には、室外側化粧板62及び室内側化粧板72の各々が、室外側表面材41及び室内側表面材42に接触するように設けられてもよい。
付記1の扉は、建物の開口部を開閉する扉体であり、支持部材と、当該扉体の2つの主側面のいずれか一方を構成する第1表面材であって、少なくとも前記支持部材における見込み方向の一方側の側面の略全体を覆う第1表面材と、当該扉体の2つの主側面のいずれか他方を構成する第2表面材であって、少なくとも前記支持部材における見込み方向の他方側の側面の略全体を覆う第2表面材と、を有する扉体を備えた扉であって、前記扉体の前記第1表面材における見込み方向の外側の側面である第1外側面の略全体、又は、前記扉体の前記第2表面材における見込み方向の外側の側面である第2外側面の略全体の少なくともいずれか一方を覆う遮熱手段と、前記遮熱手段における見込み方向の外側の側面の略全体を覆う、不燃性を有する化粧板と、を備えている。
付記1に記載の扉によれば、扉体の第1表面材における第1外側面の略全体、又は、扉体の第2表面材における第2外側面の略全体の少なくともいずれか一方を覆う遮熱手段を備えているので、遮熱手段によって、扉体の見込み方向のいずれか一方側で発生した火災の熱が扉体に伝導することを抑制することができる。これにより、上記火災が発生した場合でも、第1表面材と第2表面材との相互間で温度差が生じにくくなることから、扉全体が反り変形することを回避できる。よって、遮熱手段を設けない場合に比べて、上記扉の反り変形によって、扉と開口部の周辺に設けられた枠体との相互間に隙間が生じることにより、この隙間を介して上記火災の熱が見込み方向に伝わることを回避できる。また、遮熱手段における見込み方向の外側の側面の略全体を覆う、不燃性を有する化粧板を備えているので、遮熱手段における見込み方向の外側の側面の略全体を外部から非露出状にすることができ、化粧板を設けない場合に比べて、例えば、遮熱手段が外力を受けることによって当該遮熱手段が損傷することを回避できると共に、遮熱手段に比べて塗装が容易な化粧板で遮熱手段を覆うことから、扉とその周囲に設けられている部材との意匠上の統一性が図りやすくなる。以上のことから、従来技術に比べて、扉の意匠性及び遮熱性能を維持することが可能になる。
2 開口部
10 枠体
11 縦枠(戸先側縦枠)
12 縦枠(戸尻側縦枠)
13 横枠(上側横枠)
14 横枠(下側横枠)
20 扉体
21 把手
21a 把手本体部
22 ドアクローザ
22a アーム部
22b 本体部
30 扉枠
31 縦力骨(戸先側縦力骨)
32 縦力骨(戸尻側縦力骨)
33 横力骨(上側横力骨)
34 横力骨(下側横力骨)
35 中骨
36 中央片
37 室外側片
38 室内側片
41 表面材(室外側表面材)
42 表面材(室内側表面材)
50 ヒンジ部
51 上軸受
52 下軸
53 上支持片
54 ライナ
60 室外側遮熱体
61 室外側遮熱部
62 室外側化粧板
63 固定具
70 室内側側遮熱体
71 室内側遮熱部
72 室内側化粧板
73 固定具
81 第1熱膨張耐火部材
82 第2熱膨張耐火部材
110 枠材
120 固定材
130 枠材
140 固定材
DS1、DS2、DS3、DS4 扉体干渉回避空間
F1 第1外側面
F2 第2外側面
HS ヒンジ部干渉回避空間
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7 所定距離
Claims (5)
- 建物の開口部を開閉する扉体であり、
見込み方向から見た形状が略環状である支持部材と、
当該扉体の2つの主側面のいずれか一方を構成する第1表面材であって、少なくとも前記支持部材における見込み方向の一方側の側面の略全体と、前記支持部材によって囲繞された部分における見込み方向の一方側の側面全体とを覆う第1表面材と、
当該扉体の2つの主側面のいずれか他方を構成する第2表面材であって、少なくとも前記支持部材における見込み方向の他方側の側面の略全体と、前記支持部材によって囲繞された部分における見込み方向の他方側の側面全体とを覆う第2表面材と、を有する扉体を備えた扉であって、
前記扉体の前記第1表面材における見込み方向の外側の側面である第1外側面の略全体、又は、前記扉体の前記第2表面材における見込み方向の外側の側面である第2外側面の略全体の少なくともいずれか一方を覆う遮熱手段と、
前記遮熱手段における見込み方向の外側の側面の略全体を覆うと共に、前記遮熱手段の見込面を覆う、不燃性を有する化粧板と、
を備えた、扉。 - 前記化粧板の部分のうち前記遮熱手段の見込面を覆う部分が外部に露出するように、前記化粧板を設けた、
請求項1に記載の扉。 - 前記化粧板の部分のうち少なくとも前記遮熱手段の見込面を覆う部分を、前記扉体の前記第1表面材及び前記扉体の前記第2表面材と接触しないように設けた、
請求項1又は2に記載の扉。 - 前記扉体の前記第1表面材における前記第1外側面の略全体、及び前記扉体の前記第2表面材における前記第2外側面の略全体が前記遮熱手段によって覆われるように、当該遮熱手段を当該第1表面材及び当該第2表面材にそれぞれ設けた、
請求項1から3のいずれか一項に記載の扉。 - 前記扉体、前記遮熱手段、又は前記化粧板の少なくともいずれか1つに設けられた熱膨張耐火部材であって、前記扉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において前記扉体の周辺で火災が発生した場合に、当該熱膨張耐火部材が前記火災の熱で膨張することにより、前記扉体、前記遮熱手段、又は前記化粧板と前記開口部の周縁に設けられた枠体との相互間に形成されている隙間を塞ぐための熱膨張耐火部材を備えた、
請求項1から4のいずれか一項に記載の扉。
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