JP2018009330A - 戸体および建具 - Google Patents
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Abstract
Description
また、金属骨材と屋内片部との間には、金属製のブラケットが配置されているが、このブラケットは、金属骨材のように樹脂骨材の長手方向に沿って連続する長尺材ではなく、間隔を空けて配置されるピース部材であるため、ブラケットを介した熱流出も最小限に抑制できる。その上、金属骨材と屋内片部との間には、断熱材を設けたので、屋内面材および金属骨材間での熱流出をさらに低減できる。
金属骨材と金属製のブラケットとは連結されており、屋外面材は樹脂骨材を介して金属骨材に固定され、屋内面材は樹脂骨材を介してブラケットに固定されているため、火災時に樹脂骨材が焼失しても、屋外面材、金属骨材、ブラケット、屋内面材は互いに連結された状態を維持できる。したがって、樹脂骨材が焼失しても、戸体としての形状や構造を維持でき、戸体による遮炎性能も維持できるため、戸体に求められる防火性能を確保できる。
本発明によれば、屋外面材および金属骨材間に、樹脂骨材および屋外側加熱発泡材を配置したので、樹脂骨材が焼失した際に、屋外面材および金属骨材間を、膨張した屋外側加熱発泡材で塞ぐことができる。
また、屋内面材とブラケットとの間や、屋内面材と断熱材との間に、樹脂骨材および屋内側加熱発泡材を配置したので、樹脂骨材が焼失した際に、屋内面材と、ブラケットおよび断熱材間を、膨張した屋内側加熱発泡材で塞ぐことができる。
したがって、戸体の断熱芯材が加熱されてガスが発生した場合に、そのガスが各面材の内面に沿って戸体外部に流出することを防止できる。
したがって、戸体の断熱芯材が加熱されてガスが発生した場合に、そのガスが付属部品を取り付ける貫通孔を通して戸体外部に流出することを防止できる。
したがって、戸体の断熱芯材が加熱されてガスが発生した場合に、そのガスがブラケットや金属骨材と断熱材との隙間を通して戸体外部に流出することを防止できる。
図1〜3に示すように、本発明の建具である玄関ドア1(以下、ドア1と略す)は、いわゆる片開きドアであり、建物の外壁開口部に固定される建具枠であるドア枠2と、このドア枠2に開閉可能に支持される戸体である扉5とを備えて構成されている。
ドア枠2は、上枠10、下枠20および左右の縦枠30,40を有する。なお、図1の右側に配置される縦枠30が吊元側とされてピボットヒンジ4が取り付けられ、図1の左側に配置される縦枠40が戸先側とされている。また、以下の説明において、ドア枠2(上枠10、下枠20、縦枠30、40)や扉5の見込み方向とは屋内外方向(奥行き方向)を意味し、上枠10、下枠20の見付け方向とは上下方向を意味し、縦枠30、40の見付け方向とはドア枠2を正面(室外面や室内面)から見た際の左右方向を意味する。
上枠10は、図2に示すように、屋外部材11と、屋内部材12と、カバー部材13と、メインタイト材15と、水密材18とを備える。なお、図2においては、メインタイト材15以外の樹脂材の断面をハッチングで示している。一方、金属材の断面に関しては、図を見やすくするためにハッチングを省略している。
屋外部材11は、中空枠形状とされたアルミ(金属)製の押出形材であり、躯体100の屋外面に取り付けられる取付片部111と、躯体100の下面つまり見込み方向に沿った見込み面に当接する当接片部112と、屋外部材11の下面(ドア枠2の見込み方向に沿った見込み面)を構成する下面部113と、当接片部112および下面部113を連結する屋内面部114とを備えている。
屋外部材11は、取付片部111にねじ込まれたネジ511と、下面部113に形成された図示略の孔から挿入されて、当接片部112にねじ込まれたネジ512とで躯体100に固定されている。下面部113に形成された孔は、図示略のキャップが装着されて塞がれている。
屋内部材12は、屋外部材11の当接片部112および下面部113間に係合され、屋内面部114にネジ513で取り付けられている。
これにより、上枠10は、主にアルミ押出形材の屋外部材11と、樹脂形材の屋内部材12とを組み合わせた樹脂複合枠で構成され、屋外部材11および屋内部材12によって上枠10の枠本体が構成される。
中空部121の内部空間には、屋内部材12を構成する合成樹脂材と同時押出成型(共押出成型)された加熱発泡材14が設けられている。加熱発泡材14は、熱膨張性黒鉛などを含んで構成され、火災時などに温度が所定温度(例えば200度)以上になると、発泡して約20〜40倍程度に膨張し、遮炎材として機能するものである。以下で説明する他の加熱発泡材も同じ材質で構成されている。
加熱発泡材14は、中空部121において屋内部材12の下面(見込み面)に沿って設けられた下面部121Aの上面(下面部121Aの内部空間に面する裏面)に設けられている。また、下面部121Aの屋外側端部には、サブタイト材として機能するヒレ部121Bが斜め下方に向かって突設されている。なお、ヒレ部121Bは、屋内部材12と同様のEPDMやPVC等の一般的な合成樹脂材を用いることもでき、不燃性や難燃性の合成樹脂材を用いることもでき、サブタイト材として求められる性能を考慮した材質で形成できる。したがって、屋内部材12は、中空部121、保持片部122、凹溝部123を構成する合成樹脂材と、加熱発泡材14と、ヒレ部121Bを構成する合成樹脂材との3種類の材料を同時押出成型することで製造された共押出成形品(一体成形品)である。
凹溝部123は、中空部121の上端部から屋内側に延出されて凹溝の底面を区画する底面部123Aと、底面部123Aの屋内端から下方に延出された屋内面部123Bとを備えて構成されている。したがって、中空部121の屋内側には、中空部121および凹溝部123で区画されて下面側が開口された凹溝が形成されている。この凹溝には、ネジ514が挿入され、底面部123Aを躯体100にネジ止めしている。
屋内部材12の凹溝部123内には、ビスホールを有する連結部材125が底面部123Aにネジ止めされている。
メインタイト材15は、屋内部材12と同様のEPDMやPVC等の一般的な合成樹脂材で構成されている。メインタイト材15は、扉5を閉めた際に扉5の屋内面に当接する。
水密材18は、屋外部材11の下面部113の屋外側端部の溝に取り付けられ、屋外部材11および扉5間の隙間への雨水の吹き込みを低減する。
下枠20は、図2に示すように、枠本体21と、ゴム製の沓摺部23と、メインタイト材25とを備える。下枠20は、モルタル納まりの熱の出入りを考慮し、上枠10、縦枠30,40のような樹脂複合枠ではなく、形材断熱枠で構成されている。すなわち、枠本体21は、アルミ押出形材からなる屋外部材211および屋内部材212を、ウレタン樹脂等の断熱部材213で連結したアルミ断熱形材で構成されている。
枠本体21の表面には、擦り傷対策用のステンレスカバー27がビス止めされている。
メインタイト材25は、メインタイト材15と同一の部品であり、扉5を閉めた際に扉5の屋内面に当接する。したがって、下枠20の枠本体21の屋内露出面は、沓摺部23およびメインタイト材25で被覆されている。
吊元側の縦枠30は、図3に示すように、アルミ押出形材からなる屋外部材31と、樹脂形材からなる屋内部材32と、アルミ押出形材からなるカバー部材33と、扉5の屋内面に当接するメインタイト材35と、扉5の側面(見込み面)に当接するサブタイト材36とを備える。なお、図3においても、メインタイト材35、45以外の樹脂材の断面をハッチングで示している。一方、金属材の断面に関しては、図を見やすくするためにハッチングを省略している。
縦枠30の上端部および下端部における屋外部材31の内部には、ピボットヒンジ4を取り付けるための補強板材37,38がネジ止めされている。
屋内部材32は、屋内部材12と同様に、樹脂製の押出形材で構成され、屋外部材31に係合され、さらにネジ533で固定されている。したがって、縦枠30も、主にアルミ押出形材の屋外部材31と、樹脂形材の屋内部材32とを組み合わせた樹脂複合枠で構成され、屋外部材31および屋内部材32によって縦枠30の枠本体が構成される。
中空部321は、扉5に対向する側面(見込み面)に沿って設けられた側面部321Aを備える。側面部321Aの裏面側、つまり中空部321の内部空間側には、加熱発泡材34が同時押出成型で設けられている。したがって、屋内部材32は、合成樹脂材および加熱発泡材34との2種類の材料を同時押出成型することで製造された共押出成形品(一体成形品)である。
第二中空部323は、ネジ534によって躯体100に固定されている。また、第二中空部323には、上枠10の連結部材125や、屋内部材212が当接し、これらに形成されたビスホールにねじ込まれるネジ(図示略)が設けられている。
メインタイト材35は、メインタイト材15と同じ材質の合成樹脂材であり、扉5を閉めた際に扉5の屋内面に当接する。
サブタイト材36は、TPO(サーモポリオレフィン)等の建築用ガスケットとして利用される一般的な合成樹脂材であり、屋外部材31の屋内側端部の溝部分に嵌合され、扉5を閉めた際に扉5の側面(見込み方向に沿った見込み面)に当接する。
戸先側の縦枠40は、縦枠30と同一構成であり、アルミ押出形材からなる屋外部材41と、樹脂形材からなる屋内部材42と、アルミ押出形材からなるカバー部材43と、扉5の屋内面(見付け面)に当接するメインタイト材45と、扉5の側面(見込み面)に当接するサブタイト材46とを備える。
屋外部材41には、図示を簡略するが、扉5に設けられた鎌錠やラッチボルトを受ける鎌錠受やラッチ受47が取り付けられている。
屋内部材42は、屋内部材32と同じく、屋外部材41に係合され、さらにネジ543で固定されている。したがって、縦枠40も、主にアルミ押出形材の屋外部材41と、樹脂形材の屋内部材42とを組み合わせた樹脂複合枠で構成され、屋外部材41および屋内部材42によって縦枠40の枠本体が構成される。
第二中空部423は、ネジ544によって躯体100に固定されている。第二中空部423には、上枠10の連結部材125や屋内部材212にねじ込まれるネジ(図示略)が設けられている。
メインタイト材45は、メインタイト材35と同一種類の合成樹脂製であり、扉5を閉めた際に扉5の屋内面に当接する。
サブタイト材46は、サブタイト材36と同一種類の合成樹脂材で構成され、屋外部材41の屋内側端部の溝部分に嵌合され、扉5を閉めた際に扉5の側面(見込み面)に当接する。
扉5は、図4,5にも示すように、枠体50と、枠体50の屋外側に固定された表面材である屋外面材51と、枠体50の屋内側に固定された表面材である屋内面材52と、屋外面材51と屋内面材52との間に設けられた断熱芯材53とを備えている。したがって、扉5は、骨材に鋼板を貼って平らに仕上げたフラッシュドアタイプである。また、本実施形態では、採光窓が設けられていない扉5を用いているが、扉に開口を設け、開口に採光用パネルを組み込んだ扉を用いてもよい。また、扉5の戸先側には、操作ハンドル3が設けられている。
断熱芯材53は、EPS(発泡ビーズ法ポリスチレン)製の断熱材で構成されている。なお、断熱芯材53は、フェノール樹脂系の断熱材を用いてもよいし、ハニカム材(水酸化アルミハニカム、セラミックハニカム、ペーパーハニカム)、フォーム材(イソシアヌレートフォーム、ウレタンフォーム、フェノール樹脂フォーム)等の断熱材が使用されてもよい。
枠体50は、上骨60と、下骨70と、吊元側および戸先側の縦骨80、90とを、矩形状に組んで構成される。上下の上骨60および下骨70は同一の構成であるため、同一符号を付して説明する。縦骨80および縦骨90も同一の構成であるため、同一符号を付して説明する。なお、縦骨80、90は、後述する金属エッジ材55、樹脂エッジ材56が取付可能な構造とされている点が上骨60、下骨70と相違するが、基本的な構成は類似する。また、以下の説明において、枠体50(上骨60、下骨70、縦骨80、90)の見込み方向とは屋内外方向(奥行き方向)を意味し、上骨60、下骨70の見付け方向とは上下方向を意味し、縦骨80、90の見付け方向とは枠体50を正面(室外面や室内面)から見た際の左右方向を意味する。
上骨60、下骨70は、図4に示すように、樹脂骨材610と、樹脂骨材610の内周側(断熱芯材53側)に配置された金属骨材620とを備えている。
樹脂骨材610は、断面略E字状に形成され、扉5の見込み方向に沿って形成された連結片部611と、連結片部611の屋外側から見付け方向(上骨60では下方向、下骨70では上方向)に延長された屋外片部612と、連結片部611の屋内側から前記見付け方向に延長された屋内片部613と、屋外片部612、屋内片部613間において連結片部611から扉5の面内方向に突出する区画片部614とを備えている。
樹脂骨材610の屋外片部612は屋外面材51に沿って配置され、屋内片部613は屋内面材52に沿って配置されている。ここで、屋外片部612、屋内片部613が、屋外面材51、屋内面材52に沿って配置されているとは、屋外片部612、屋内片部613の表面に屋外面材51、屋内面材52が密着されている場合だけでなく、屋外片部612、屋内片部613の表面に、屋外面材51、屋内面材52が両面テープや接着剤を介して貼られており、屋外片部612、屋内片部613と屋外面材51、屋内面材52とが密着せずに隙間を空けて配置されている場合も含む。
区画片部614は、連結片部611から面内方向、具体的には、断熱芯材53側(上骨60では下方向、下骨70では上方向であり、扉5の中心側に向かう方向)に突出して設けられており、屋外片部612および屋内片部613の間に設けられ、屋外片部612や屋内片部613とほぼ平行に形成されている。
区画片部614は、連結片部611の見込み方向の中央位置よりも屋内側にずれた位置に設けられ、屋外片部612および区画片部614間の寸法は、屋内片部613および区画片部614間の寸法よりも大きく設定されている。
加熱発泡材615は、連結片部611の屋外側端部に設けられた屋外側加熱発泡材であり、加熱発泡材616は、連結片部611の屋内側端部に設けられた屋内側加熱発泡材である。加熱発泡材615、616は、連結片部611の表面側、つまり上枠10、下枠20に対向する面に露出されている。
加熱発泡材617は、連結片部611の屋外片部612および区画片部614間に設けられている。
加熱発泡材618は、区画片部614の基端部から、区画片部614および屋内片部613の中間部まで設けられている。加熱発泡材618の体積(量)は、加熱発泡材617よりも大きくなるように設定されている。加熱発泡材617、618は、連結片部611の内面側、つまり断熱芯材53に対向する面に露出され、連結片部611の表面には露出していない。
加熱発泡材617および加熱発泡材618は、扉5の見込み方向において、後述する錠ケース6が配置される位置よりも、屋外側および屋内側にそれぞれ配置されている。さらに、加熱発泡材617、618は、屋外面材51の屋内側の端縁と、屋内面材52の屋外側の端縁との間に設けられている。このため、上骨60および下骨70においては、扉5の見込み方向において、錠ケース6よりも屋外側の位置に設けられた加熱発泡材617が第一加熱発泡材であり、錠ケース6よりも屋内側の位置に設けられた加熱発泡材618が第二加熱発泡材である。また、これらの加熱発泡材617、618は、樹脂骨材610において、屋外面材51、屋内面材52で覆われていない部分に設けられている。
区画片部614は、樹脂骨材610の長手方向(扉5の幅方向)の複数箇所に切欠部が形成されており、これらの切欠部には、金属製ピース材であるブラケット630がそれぞれ配置されている。なお、切欠部に関しては、後述する縦骨90の樹脂骨材810において説明する。
ブラケット630の連結片部632は、金属骨材620の屋内フランジ623に当接され、金属骨材620にリベットやビスなどの金属製の連結具633で連結されている。このため、ブラケット630は複数個用意されており、区画片部614の切欠部分、すなわち、樹脂骨材610の長手方向において、例えば2〜5箇所程度にそれぞれ配置されている。
本実施形態の不燃断熱材54は角柱状に形成され、少なくとも、ブラケット630が配置されていない部分には設けられている。つまり、不燃断熱材54は、各ブラケット630に跨がって設けられている。本実施形態では、不燃断熱材54は、樹脂骨材610の長手方向に沿った長尺材とされ、各ブラケット630の受け片部631に沿って配置されている。このため、加熱発泡材618は、各ブラケット630と、不燃断熱材54とに対向して設けられている。なお、加熱発泡材618は、受け片部631に両面テープなどで接着してもよい。
屋内面材52は、断熱芯材53の屋内面に沿って配置され、その外縁部は、樹脂骨材610の屋内片部613から連結片部611に沿って屋外側に折り曲げられ、樹脂骨材610およびブラケット630にリベット65によって固定されている。なお、屋内面材52は、ブラケット630が設けられてない箇所では、樹脂骨材610のみにリベット65で固定されている。
なお、屋外面材51および屋内面材52は、断熱芯材53の屋外面、屋内面に対して両面テープや接着剤を用いて接着されている。
吊元側の縦骨80と戸先側の縦骨90とは、図5〜7に示すように、樹脂骨材810と、金属骨材820とを備えている。なお、図6,7は、後述する錠ケース6を配置する貫通孔が形成された戸先側の縦骨90である。
樹脂骨材810は、樹脂骨材610と同様に、連結片部811と、屋外片部812と、屋内片部813と、区画片部814とを備えて断面略E字状に形成されている。区画片部814の見込み方向の位置は、区画片部614と同じ位置とされている。
さらに、戸先側の縦骨90には、図8にも示すように、2つの錠ケース6が操作ハンドル3の位置に合わせて設置される。このため、図6に示すように、縦骨90の樹脂骨材810の連結片部811には、錠ケース6を配置するための2つの貫通孔95が形成され、金属骨材820には、貫通孔95に対応して2つの貫通孔97が形成されている。
加熱発泡材815は、連結片部811の屋外側端部に設けられた屋外側加熱発泡材であり、加熱発泡材816は、連結片部811の屋内側端部に設けられた屋内側加熱発泡材である。加熱発泡材815、816は、連結片部811の表面側、つまり縦枠30、40に対向する面に露出されている。
なお、吊元側の縦骨80においても、通電金具などの付属部品を設置するための貫通孔を設ける場合があるが、貫通孔の見込み方向の位置は縦骨90の場合と同じである。
加熱発泡材819の体積(量)は、加熱発泡材817、818よりも大きくなるように設定されている。
区画片部814は、区画片部614と同じく、樹脂骨材810の長手方向の複数箇所に切欠部93が形成され、ブラケット630と同じ金属製ピース材であるブラケット830が配置されている。
不燃断熱材54が配置されているので、区画片部814および屋内片部813間の空間の断熱性能を向上できる。また、加熱発泡材819は、各ブラケット830と、不燃断熱材54とに対向して設けられている。
屋内面材52の外縁部は、樹脂骨材810の屋内片部813から連結片部811に沿って屋外側に折り曲げられ、樹脂骨材810およびブラケット830や、樹脂骨材810のみにリベット65で固定されている。
樹脂骨材810の表面には、図5に示すように、アルミ製の金属エッジ材55と、樹脂製の樹脂エッジ材56とが取り付けられている。
縦骨80に取り付けられる金属エッジ材55Aは、縦枠30に対向する表面における屋外端部側に水密材57が装着される溝551が形成され、溝551の屋内側には加熱発泡材58が配置される溝552が形成されている。
縦骨90に取り付けられる金属エッジ材55Bは、屋外面材51よりも屋外側まで延長されており、この延長部分に水密材57が装着される溝553が形成されている。また、金属エッジ材55Bには、金属エッジ材55Aの溝552と同じ見込み位置に、加熱発泡材58が配置される溝552が形成されている。水密材57は、一部に加熱発泡材571が練り込まれたり、同時押出成型されている。
金属エッジ材55(金属エッジ材55A、55B)は、前記係合突部811Aに係合される係合部554と、係合突部811Bに係合される係合部555とを有する。係合部555には、樹脂エッジ材56を連結するための断面L字状の連結片が形成されている。
金属エッジ材55は、係合部554、555が係合突部811A,811Bに係合された状態で、タッピングネジ557によって、樹脂骨材810を介して金属骨材820に固定されている。なお、図6に示すように、樹脂骨材810、金属骨材820には、タッピングネジ557を挿通するための下穴を形成しておいてもよい。
縦骨80、90においては、扉5の見込み方向において、錠ケース6よりも屋外側の位置に設けられた加熱発泡材58が第一加熱発泡材である。
本体部562は、屋内側に向かうにしたがって縦枠30、40から離れる方向(互いに近づく方向)に傾斜配置されている。そして、本体部562の裏面、つまり樹脂骨材810に対向する面は、延出片部563で2つの領域に区画されており、各領域にはシート状の加熱発泡材565,566が設けられている。
樹脂エッジ材56は、PVCなどで構成される樹脂部分(連結部561、本体部562、延出片部563)と、加熱発泡材565,566とを同時押出成型することで製造されている。そして、縦骨80、90においては、扉5の見込み方向において、錠ケース6よりも屋内側の位置に設けられた加熱発泡材565,566が第二加熱発泡材である。
また、本体部562が傾斜配置されているため、扉5を閉めた際に、樹脂エッジ材56は、サブタイト材36,46に徐々に当接し、サブタイト材36,46のリップ部を徐々に湾曲させるため、扉5をスムーズに開閉でき、扉5を閉めた際のサブタイト材36,46と樹脂エッジ材56の密着性も向上できる。
これらの錠ケース6は、図5、6にも示すように、扉5の見込み方向においては、ほぼ中間位置に配置されている。また、金属エッジ材55Bには、縦骨90の樹脂骨材810、金属骨材820に形成された貫通孔95、97に対応する貫通孔が形成され、これらの貫通孔95、97に錠ケース6が配置されている。
一方、縦枠40の屋外部材41には、前記錠ケース6の位置に応じて、ラッチ受47や錠受がネジ止めされている。
さらに、扉5に電気錠が設けられている場合のように、扉5の内部と躯体100側との間で通電が必要な場合、縦骨80の金属エッジ材55A、樹脂骨材810、金属骨材820に貫通孔を形成し、通電金具などを配置している。
本実施形態における各加熱発泡材による防火構造について、火災によって加熱発泡材が発泡した状態を示す図9,10を参照して説明する。なお、図9は、上枠10および上骨60の加熱発泡材の発泡状態を示し、図10は、戸先側の縦枠40および縦骨90の加熱発泡材の発泡状態を示す。なお、下骨70の加熱発泡材の発泡状態は上骨60と同様であり、吊元側の縦枠30および縦骨80の加熱発泡材の発泡状態は縦枠40および縦骨90と同様であるため、図示は略す。
縦骨80、90の樹脂骨材810に設けられた加熱発泡材817、818は、金属骨材820と金属エッジ材55との間を塞ぐ。
樹脂骨材610、810の加熱発泡材618、819は、金属骨材620、820の屋内フランジ623、823と、不燃断熱材54との隙間を塞ぐ。
図10に示すように、縦骨80、90の金属エッジ材55に設けられた加熱発泡材58は、金属エッジ材55と、側面部313、413との隙間を塞ぐ。
これらの加熱発泡材617と、加熱発泡材58とは、ドア1の見込み方向の位置が一致しているので、扉5の見込み面に四周連続する第一加熱発泡材ラインを形成し、ドア枠2と扉5間の隙間を塞ぐ。
図10に示すように、縦骨80、90の樹脂エッジ材56に設けられた加熱発泡材565、566は、金属エッジ材55や屋内面材52と、側面部313、413や屋内部材32、42の加熱発泡材34,44との隙間を塞ぐ。
図7に示す加熱発泡材618と、図10に示す加熱発泡材565,566とは、ドア1の見込み方向の位置が一致しているので、扉5の見込み面に四周連続する第二加熱発泡材ラインを形成し、ドア枠2と扉5間の隙間を塞ぐ。
また、図10に示すように、サブタイト材36、46は、見込み方向の位置が、樹脂エッジ材56の加熱発泡材565と加熱発泡材566との間に配置されているので、発泡した加熱発泡材565、566間に配置される。
さらに、水密材57に設けられた加熱発泡材571は、膨張すると金属エッジ材55と、屋外部材31、41との隙間部分を塞ぐ。
同様に、図5に示すように、縦枠30、40の屋内部材32、42に設けられた加熱発泡材34、44も、ドア1の見込み方向において、少なくとも一部が扉5の見込み面(側面)と重なり(ラップし)、扉5の側面(見込み面)に対向する。このため、図10に示すように、屋内部材32,42の一部が焼失し、加熱発泡材34,44が発泡すると、加熱発泡材34,44は中空部323、423間を充填し、さらに扉5の樹脂エッジ材56に設けられた加熱発泡材566等に当接し、縦枠30,40と扉5との間の隙間を塞ぐ。
(1)扉5の枠体50として樹脂骨材610、810を用い、樹脂骨材610、810に屋外面材51および屋内面材52を取り付けているので、金属骨材に各面材を取り付ける場合に比べて、断熱性能を向上できる。
樹脂骨材610、810の補強材である金属骨材620、820は、扉5の屋内面材52の位置までは設けられておらず、金属骨材620、820と屋内面材52とは扉5の見込み寸法の1/3程度の寸法分、離れているので、金属骨材620、820および屋内面材52間での熱流出を低減でき、断熱性能を向上できる。
また、金属骨材620、820に連結されたブラケット630、830は、短尺のピース状に形成され、2〜5個程度しか設けられていないので、ブラケット630、830を介して屋内面材52に熱が伝わることも抑制できる。特に、ブラケット630、830は、アングル材で構成され、屋内面材52に最も近い部分は、受け片部631,831の端縁であって面積も小さいため、ブラケット630、830および屋内面材52間の熱流出を低減できる。
金属骨材620、820と、屋内面材52との間の空間には、不燃断熱材54が配置されているので、さらに断熱性能を向上できる。したがって、高断熱の扉5とすることができる。
このため、不燃断熱材54の周囲に設けられた加熱発泡材616、816、618、819が発泡時に塞ぐ必要がある空間の体積が、不燃断熱材54を設けない場合に比べて小さくなり、加熱発泡材616、816、618、819の量を大幅に少なくでき、コストも低減でき、樹脂骨材610、810の剛性も確保できる。
また、加熱発泡材618は、不燃断熱材54があるため、上枠10側や下枠20側に確実に発泡させることができ、上枠10と上骨60間の隙間や、下枠20と下骨70間の隙間を確実に塞ぐことができる。
また、加熱発泡材を後から貼り付ける場合は、構造上、樹脂骨材に対して取り付ける位置の制約を受けるため、防火性能を担保するための設計が困難となるが、本実施形態のように、同時押出成型によれば、加熱発泡材の配置位置や形状の自由度が高いため、防火性能も容易に担保できる。その上、剛性が低い加熱発泡材の量(体積)を必要最小限に抑えることができ、樹脂骨材610、810に必要な強度を容易に確保できる。
さらに、二重の加熱発泡材ラインは、錠ケース6等の付属部品を挟んで屋外側および屋内側に形成されるため、加熱された断熱芯材53から発生したガスが付属部品自体から流出しても、前記二重の加熱発泡材ライン間に密封することができる。
また、金属エッジ材55、樹脂エッジ材56は、扉5の構造体ではないため、構造や形状の自由度が高く、加熱発泡材の配置位置の制約も少ない。このため、金属エッジ材55、樹脂エッジ材56における加熱発泡材58、565,566の配置位置は、上骨60や下骨70に設けられた加熱発泡材617,618の見込み方向の位置に容易に合わせることができ、扉5の見込み面に四周連続する第一加熱発泡材ライン、第二加熱発泡材ラインを容易に構成できる。
また、金属エッジ材55に設けられる加熱発泡材58は、金属エッジ材55の溝552内部、つまりポケット部に配置され、一部分のみが扉5の側面に露出するため、加熱発泡材58も目立ちにくくでき、意匠性を向上できる。
さらに、これらの加熱発泡材565,566,58は、扉5の金属エッジ材55や樹脂エッジ材56の表面に露出しないので、扉5の開閉時に、サブタイト材36やサブタイト材46に接触することがない。このため、加熱発泡材565,566,58が摩耗することがなく、品質を維持できる。
また、扉5の縦骨80,90に金属エッジ材55、樹脂エッジ材56を取り付けているので、縦骨80,90の樹脂骨材810をエッジ材55,56で被覆でき、扉5の意匠性を向上できる。
また、サブタイト材36、46のみでドア枠2および扉5間を塞いだ場合には、サブタイト材36、46の屋内外で圧力差が生じた際に、サブタイト材36、46がめくれて扉5から離れる可能性があるが、特にサブタイト材36、46の屋内側に加熱発泡材566、34、44を充填しているので、サブタイト材36、46の屋内外で圧力差が生じても扉5への当接状態を維持でき、遮炎性能を維持できる。
さらに、扉5の側面に、サブタイト材36、46および各加熱発泡材565、566を当接させているので、扉5が熱反りしても、扉5の側面への当接状態を維持でき、遮炎性能も維持できる。
また、これらの加熱発泡材14、34、44は、中空部121、321、421内に設けられ、屋内部材12、32、42の表面に露出しないため、ドア枠2の意匠性を向上できる。
また、加熱発泡材34、44が発泡した際には、サブタイト材36、46や、メインタイト材35、45を扉5に押し付ける方向に膨張できるので、火災時に縦枠30、40等や扉5が熱反りした場合でも、ドア枠2および扉5間を確実に塞ぐことができ、遮炎性能を向上できる。特に、扉5の見付け面に当接するタイト材は、扉5が熱反りした際に扉5に密着できない箇所が発生しやすいが、扉5の見込み面に当接するサブタイト材36、46を設けているので、扉5等が熱反りしても、扉5との密着状態を維持でき、遮炎性能も維持できる。
なお、本発明は以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、ドア枠としては、図11,12に示すように、上枠10Aおよび縦枠30A,40Aをアルミ断熱形材で構成したドア枠2Aを用いてもよい。なお、扉5や下枠20は前記実施形態と同一の構成であるため、説明を省略する。
上枠10Aは、それぞれアルミ製の屋外部材11Aおよび屋内部材12Aを、ウレタン樹脂等の断熱部材13Aで連結して構成されている。縦枠30A、40Aは、アルミ製の屋外部材31A,41Aおよび屋内部材32A、42Aを、ウレタン樹脂等の断熱部材33A,43Aで連結して構成されている。
これらの上枠10A、縦枠30A,40Aでは、屋外部材11A,31A,41Aおよび屋内部材12A,32A,42Aが連結用ブラケット17Aを介して連結されている。これにより、断熱部材13A、33A,43Aが焼失した場合でも、屋外部材11A,31A,41Aおよび屋内部材12A,32A,42Aを連結した状態のまま維持できる。また、上枠10A、縦枠30A、40Aの断熱部材13A、33A,43Aの表面、つまり扉5側の面には、加熱発泡材14A、34A、44Aが貼られている。これにより、火災時には、加熱発泡材14A、34A、44Aが膨張して、断熱部材13A、33A,43Aを被覆するため、断熱部材13A、33A,43Aの焼失を防止できる。また、ドアは、上下の高さ寸法が大きいため、火災時には、縦枠30A,40A等が湾曲して扉5との隙間が生じやすいが、縦枠30A、40Aに加熱発泡材34A、44Aが貼られていれば、加熱発泡材34A、44Aの膨張によって扉5との隙間を塞いで遮炎性能を確保できる。
さらに、加熱発泡材34A、44Aは、メインタイト材35、45の取付位置と、サブタイト材36、46を保持する屋内部材32A,42Aの保持片部との間に配置されているので、各タイト材35,45,36,46で隠れて視認し難くでき、意匠性を向上できる。また、サブタイト材36、46の屋外側を加熱発泡材565で塞ぎ、屋内側を加熱発泡材566、34A、44Aで塞ぐことができるので、遮炎性能を向上できる。
さらに、扉5側に設けた各加熱発泡材の一部の機能を、ドア枠側に設けた加熱発泡材で実現させた場合には、対応する扉5側の加熱発泡材を無くすことができる。したがって、加熱発泡材の配置位置等は、実施にあたって適宜設計すれば良い。
また、加熱発泡材は、樹脂部品の同時押出成型で製造されるものに限定されず、同時押出成型以外の製法で樹脂部品に一体化されたものでもよいし、別途製造した加熱発泡材を樹脂部品に接着してもよい。さらに、樹脂骨材610、810における加熱発泡材の形成位置も前記実施形態に限定されない。例えば、加熱発泡材615、616、815、816は、樹脂骨材610、810の表面側に露出する位置に形成されていたが、裏面側に露出する位置に形成してもよく、これらは樹脂骨材610、810として必要な強度、加熱発泡材の量、意匠性などを考慮して設計すればよい。
同様に、金属骨材620、820やブラケット630、830の形状も前記実施形態に限定されない。
Claims (7)
- 上骨、下骨および左右の縦骨を枠組みして構成された枠体と、
前記枠体の屋外面に配置された金属製の屋外面材と、
前記枠体の屋内面に配置された金属製の屋内面材と、
前記屋外面材および前記屋内面材間に配置された断熱芯材と、を備えた戸体であって、
前記上骨、下骨および左右の縦骨は、
樹脂製の樹脂骨材と、前記樹脂骨材の内周側に配置された金属製の金属骨材とを備え、
前記樹脂骨材は、前記屋外面材に沿って配置された屋外片部と、前記屋内面材に沿って配置された屋内片部と、前記屋外片部および前記屋内片部間を連結する連結片部とを備え、
前記金属骨材は、前記屋内片部から屋外側に離れた位置に配置され、
前記金属骨材および前記屋内片部間には、前記樹脂骨材の長手方向に沿って間隔を空けて複数個配置されて前記金属骨材に連結された金属製のブラケットと、少なくとも前記各ブラケット間に跨がって配置された断熱材とが設けられ、
前記屋外面材は、前記樹脂骨材を介して前記金属骨材に固定され、
前記屋内面材は、前記樹脂骨材を介して前記ブラケットに固定されていることを特徴とする戸体。 - 請求項1に記載の戸体において、
前記樹脂骨材は、前記屋外片部および前記屋内片部間において前記連結片部から戸体の面内方向に突出して設けられた区画片部を備え、
前記区画片部には、前記樹脂骨材の長手方向の複数箇所に切欠部が形成され、
前記金属骨材は、前記樹脂骨材の前記屋外片部および前記区画片部間に配置され、
前記ブラケットは、前記切欠部に配置されて前記金属骨材に連結されている
ことを特徴とする戸体。 - 請求項1または請求項2に記載の戸体において、
前記屋外面材と前記金属骨材との間には、前記樹脂骨材と屋外側加熱発泡材とが配置され、
前記屋内面材と前記ブラケットおよび前記断熱材との間には、前記樹脂骨材と屋内側加熱発泡材とが配置されていることを特徴とする戸体。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の戸体において、
少なくとも一方の前記縦骨における前記樹脂骨材の前記連結片部および前記金属骨材には、扉の付属部品を取り付けるための貫通孔が形成され、
前記樹脂骨材の前記連結片部において、前記貫通孔に対応する位置には加熱発泡材が設けられていることを特徴とする戸体。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の戸体において、
前記樹脂骨材の前記連結片部において、前記ブラケットおよび前記断熱材に対向する位置には加熱発泡材が設けられていることを特徴とする戸体。 - 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の戸体において、
前記樹脂骨材は、合成樹脂材と加熱発泡材との一体成形品であることを特徴とする戸体。 - 上枠、下枠および左右の縦枠を備える建具枠と、
前記建具枠に対して開閉可能に取り付けられた請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の戸体と、を備えることを特徴とする建具。
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