JP7455703B2 - 開閉装置用ガイドレールの固定構造 - Google Patents
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Description
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の躯体に設けられた開口部の開閉を行う開閉体を備えた開閉装置を構成するガイドレールであり、開閉体を開閉方向に沿って移動するように案内するガイドレールを、躯体を構成する部材のうち外表面が第1燃え代部材で覆われた木製の支持部材に対して固定するための開閉装置用ガイドレールの固定構造に関するものである。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まず、実施の形態1に係る開閉装置用ガイドレールの固定構造について説明する。この実施の形態1は、後述する第1燃え止まり部材を備える形態である。
最初に、実施の形態1に係る開閉装置の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を開閉装置の左右方向(-X方向を開閉装置の左方向、+X方向を開閉装置の右方向)、図2のY方向を開閉装置の前後方向(+Y方向を開閉装置の前方向(部屋の室外側の方向)、-Y方向を開閉装置の後方向(部屋の室内側の方向))、図1のZ方向を開閉装置の上下方向(+Z方向を開閉装置の上方向、-Z方向を開閉装置の下方向)と称する。
収納部10は、開閉体30を収納するための収納手段であり、図1に示すように、建物の躯体2(具体的には、部屋の内壁等)における開口部3の上端部よりも上方に設置されている(具体的には、建物の天井4よりも上方に設置されている)。また、この収納部10の内部には、巻取軸、開閉機、及び制御装置が収納されていると共に、巻取軸にて開閉体30が巻上げられた状態では、開閉体30の少なくとも一部も収納部10の内部に収納される。
ガイドレール20は、開閉体30を開口部3の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものであり、図2に示すように、ガイドレール本体21、接続部22、及び補強部23を備えている。
ガイドレール本体21は、ガイドレール20の基本構造体である。このガイドレール本体21は、例えば横断面形状が略コ字状となるように形成された鋼製の長尺状体である。
接続部22は、支持部材5に対してガイドレール本体21を接続するものである。この接続部22は、例えば相互に間隔を隔てて設けられる一対の長尺な鋼製の突出体22aを備えており、図2に示すように、ガイドレール本体21と支持部材5との相互間において、接続部22の長手方向が上下方向に略沿うように設けられている。
補強部23は、ガイドレール本体21又は接続部22を補強するためのものである。この補強部23は、例えば長尺な鋼製の板状体(一例として、横断面形状が略コ字状である板状体等)にて形成されており、図2に示すように、ガイドレール本体21の内部及び接続部22の内側に設けられ、固定具又は溶接等によってガイドレール本体21又は接続部22に対して接続されている。
図1に戻り、開閉体30は、開口部3の開閉を行うものであり、具体的には、巻取軸の回転駆動によって閉鎖移動又は開放移動されることで、開閉体30の開閉状態を全開状態、全閉状態、あるいは、半開状態にすることができる。この開閉体30は、例えば公知のシャッターカーテンを用いて構成されている。具体的には、図1に示すように、複数のスラット31を備えており、各スラット31の上下の両端部に形成された嵌合部(図示省略)を介して複数のスラット31が相互に嵌合接続されている。
巻取軸は、開閉体30を開閉移動させるためのものである。この巻取軸は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、左右方向に沿って設けられている。また、この巻取軸には開閉体30の上端部に連結された連結スラット(図示省略)が接続されており、この巻取軸を回転させることで、連結スラットを介して開閉体30を開閉移動させることができる。
開閉機は、巻取軸の回転を制御することによって開閉体30を電動で開閉移動させる駆動手段である。この開閉機は、例えば公知の開閉機等によって構成されており、収納部10の内部において、巻取軸の近傍位置に設けられている。
操作装置は、開閉体30の閉鎖移動又は開放移動に関する操作入力を受け付ける操作手段であり、例えば、公知のシャッター装置用の操作手段(一例として、有線式又は無線式の操作装置等)を用いて構成されており、収納部10の外部において開口部3の近傍位置に設けられている。
制御装置は、開閉装置1の各部を相互に連動させる装置である。この制御装置は、例えば公知のシャッター用制御装置等を用いて構成され、開閉機と配線(図示省略)を介して電気的に接続されており、通信部、電源部、制御部、及び記憶部を備えている(いずれも図示省略)。
次に、ガイドレール20の固定構造について説明する。この開閉装置1は、ガイドレール20を支持部材5に対して固定するための固定構造を備えている。この固定構造の特徴については、実施の形態1では以下に示す通りとなる。
まず、実施の形態1に係る固定構造の第1の特徴については、図2に示すように、固定構造は、第1燃え止まり部材51を備えている。
次に、実施の形態1に係る固定構造の第2の特徴については、第1燃え代部材6及び第1燃え止まり部材51を貫通するように支持部材5に挿入される第1ガイドレール側固定具24によって、ガイドレール20は支持部材5に対して固定されている。
続いて、このように構成された開閉装置1の作用について説明する。開閉装置1の作用は、部屋の室外側で火災が発生した際の作用と、部屋の室内側で火災が発生した際の作用とに大別されるが、これら作用はそれぞれ略同一であるので、以下では、部屋の室外側で火災が発生した際の作用のみについて説明することとする。
このように実施の形態1によれば、第1燃え代部材6の外表面のうち少なくともガイドレール20に対応する部分を覆うように設けられる第1燃え止まり部材51を備え、第1燃え代部材6及び第1燃え止まり部材51を貫通するように支持部材5に挿入される第1ガイドレール側固定具24によって、ガイドレール20を支持部材5に対して固定したので、開閉装置1の周辺で火災が発生した際に、当該火災の炎等によって第1燃え代部材6のうちガイドレール20に対応する部分が燃えることを抑制できる。よって、上記火災がガイドレール20と支持部材5との隙間を介して見込方向の一方から他方へ延焼することを回避できると共に、ガイドレール20が支持部材5から脱落することを回避でき、上記火災による被害を低減できる。
次に、実施の形態2に係る開閉装置用ガイドレールの固定構造について説明する。この実施の形態2は、実施の形態1の構成に加えて、後述する第2燃え代部材をさらに備える形態である。ただし、実施の形態2に係る構成及び処理は、特に説明する場合を除いては実施の形態1に係る構成及び処理と同じであるものとし、同一の構成及び処理については、実施の形態1で使用したものと同一の名称又は符号を必要に応じて用いることで、その説明を省略する。
最初に、実施の形態2に係る開閉装置100の構成について説明する。実施の形態2に係る開閉装置100は、実施の形態1に係る開閉装置1とほぼ同様に構成されている。ただし、ガイドレール20の固定構造の構成の詳細については、実施の形態1に係る固定構造の構成に加えて、下記に示す工夫が施されている。
次に、ガイドレール20の固定構造の構成の詳細について説明する。この固定構造の特徴については、実施の形態2では以下に示す通りとなる。
まず、実施の形態2に係る固定構造の第1の特徴については、図3に示すように、固定構造は、第1燃え止まり部材51及び第2燃え代部材52を備えている。
第1燃え止まり部材51は、実施の形態2では、第1燃え代部材6の外表面のうち少なくともガイドレール20に対応する部分及び当該部分の近傍部分を覆うように設けられている。
第2燃え代部材52は、第1燃え止まり部材51を覆うための燃え代部材である。この第2燃え代部材52は、略板状体にて形成されており、第1燃え止まり部材51が外部に露出することを抑制するように設けられている。
ただし、これに限らず、例えば、第2燃え代部材52が、第1燃え止まり部材51の外表面のうちガイドレール20に対応する部分以外の他の部分全体に加えて、第1燃え止まり部材51の左右方向の両端部にわたって設けられることで、側方から見ても第1燃え止まり部材51が外部に露出することを抑制してもよい(なお、図6の第2燃え代部材52についても略同様とする)。
次に、実施の形態2に係る固定構造の第2の特徴については、第1燃え代部材6と第2燃え代部材52とは、同一の材質で形成されている。
このように実施の形態2によれば、第1燃え代部材6の外表面のうち少なくともガイドレール20に対応する部分及び当該部分の近傍部分を覆うように設けられる第1燃え止まり部材51と、第1燃え止まり部材51が外部に露出することを抑制するように設けられる第2燃え代部材52と、を備えるので、第1燃え止まり部材51が外部に露出することを抑制でき、ガイドレール20周辺の意匠性を維持しやすくなる。
次に、実施の形態3に係る開閉装置用ガイドレールの固定構造について説明する。この実施の形態3は、実施の形態1の構成に加えて、後述する第2燃え止まり部材及び後述する第3燃え代部材をさらに備える形態である。ただし、実施の形態3に係る構成及び処理は、特に説明する場合を除いては実施の形態1に係る構成及び処理と同じであるものとし、同一の構成及び処理については、実施の形態1で使用したものと同一の名称又は符号を必要に応じて用いることで、その説明を省略する。
最初に、実施の形態3に係る開閉装置200の構成について説明する。実施の形態3に係る開閉装置200は、実施の形態1に係る開閉装置1とほぼ同様に構成されている。ただし、ガイドレール20の固定構造の構成の詳細については、実施の形態1に係る固定構造の構成に加えて、下記に示す工夫が施されている。
次に、ガイドレール20の固定構造の構成の詳細について説明する。この固定構造の特徴については、実施の形態3では以下に示す通りとなる。
まず、実施の形態3に係る固定構造の第1の特徴については、図4に示すように、固定構造は、第1燃え止まり部材51、第2燃え止まり部材53、及び第3燃え代部材54を備えている。
第1燃え止まり部材51は、実施の形態3では、第1燃え代部材6の外表面のうち少なくともガイドレール20に対応する部分を覆うように設けられている。
第2燃え止まり部材53は、開閉装置200の周辺で発生した火災の熱がガイドレール20に伝導することを抑制するための燃え止まり部材である。この第2燃え止まり部材53は、略板状体にて形成されており、少なくともガイドレール20の外表面のうち第1燃え代部材6に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられている。
第3燃え代部材54は、上記火災の熱がガイドレール20に伝導することを抑制するための燃え代部材である。この第3燃え代部材54は、略板状体にて形成されており、少なくともガイドレール20の外表面のうち第1燃え代部材6に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられている。
次に、実施の形態3に係る固定構造の第2の特徴については、第1燃え代部材6と第3燃え代部材54とは、同一の材質で形成されている。
次に、実施の形態3に係る固定構造の第3の特徴については、図4に示すように、固定構造が、遮熱部材71及び見切材72を備えている。
遮熱部材71は、第1ガイドレール側固定具24への熱伝導を抑制するための部材である。この遮熱部材71は、略板状体にて形成されており、ガイドレール20の内部に設けられている。
見切材72は、第2燃え止まり部材53及び第3燃え代部材54の端面を覆うための部材である。この見切材72は、例えば公知の化粧板(一例として、化粧用フラットバー)を用いて構成されており、第2燃え止まり部材53及び第3燃え代部材54に複数設けられている(図4では、2つ設けられている)。
このように実施の形態3によれば、少なくともガイドレール20の外表面のうち第1燃え代部材6に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられる第2燃え止まり部材53又は第3燃え代部材54の少なくともいずれか一方を備えるので、上記火災の熱がガイドレール20を介して第1ガイドレール側固定具24へ伝導することを抑制でき、当該火災の熱が支持部材5へ伝導することで支持部材5が倒壊することを回避できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
上記実施の形態1から3では、ガイドレール20が、支持部材5よりも部屋の室外側に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、図5から図7に示すように、支持部材5よりも左右方向の内側に設けられてもよい。
上記実施の形態1、3では、第1燃え止まり部材51が、第1燃え代部材6における部屋の室外側の面全体にわたって設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、第1燃え代部材6の外表面のうちガイドレール20に対応する部分のみに設けられてもよい(なお、図5、図7の第1燃え止まり部材51についても略同様とする)。
付記1の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、建物の躯体に設けられた開口部の開閉を行う開閉体を備えた開閉装置を構成するガイドレールであり、前記開閉体を開閉方向に沿って移動するように案内するガイドレールを、前記躯体を構成する部材のうち外表面が第1燃え代部材で覆われた木製の支持部材に対して固定するための固定構造であって、前記第1燃え代部材の外表面のうち少なくとも前記ガイドレールに対応する部分を覆うように設けられる第1燃え止まり部材を備え、前記第1燃え代部材及び前記第1燃え止まり部材を貫通するように前記支持部材に挿入される固定具によって、前記ガイドレールを前記支持部材に対して固定した。
付記1に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、第1燃え代部材の外表面のうち少なくともガイドレールに対応する部分を覆うように設けられる第1燃え止まり部材を備え、第1燃え代部材及び第1燃え止まり部材を貫通するように支持部材に挿入される固定具によって、ガイドレールを支持部材に対して固定したので、開閉装置の周辺で火災が発生した際に、当該火災の炎等によって第1燃え代部材のうちガイドレールに対応する部分が燃えることを抑制できる。よって、上記火災がガイドレールと支持部材との隙間を介して見込方向の一方から他方へ延焼することを回避できると共に、ガイドレールが支持部材から脱落することを回避でき、上記火災による被害を低減できる。
2 躯体
3 開口部
4 天井
5 支持部材
6 第1燃え代部材
10 収納部
20 ガイドレール
21 ガイドレール本体
22 接続部
22a 突出体
23 補強部
23a 第1補強部
23b 第2補強部
24 第1ガイドレール側固定具
25 下地材
26 第2ガイドレール側固定具
30 開閉体
31 スラット
32 座板
51 第1燃え止まり部材
52 第2燃え代部材
53 第2燃え止まり部材
53a 室外側燃え止まり側片
53b 第1左右内側燃え止まり側片
53c 第2左右内側燃え止まり側片
53d 左右外側燃え止まり側片
54 第3燃え代部材
54a 室外側燃え代側片
54b 第1左右内側燃え代側片
54c 第2左右内側燃え代側片
54d 左右外側燃え代側片
60 接続部材
61 塞ぎ材
71 遮熱部材
72 見切材
100 開閉装置
200 開閉装置
Claims (6)
- 建物の躯体に設けられた開口部の開閉を行う開閉体を備えた開閉装置を構成するガイドレールであり、前記開閉体を開閉方向に沿って移動するように案内するガイドレールを、前記躯体を構成する部材のうち外表面が第1燃え代部材で覆われた木製の支持部材に対して固定するための固定構造であって、
前記第1燃え代部材の外表面のうち少なくとも前記ガイドレールに対応する部分を覆うように設けられる第1燃え止まり部材を備え、
前記第1燃え代部材及び前記第1燃え止まり部材を貫通するように前記支持部材に挿入される固定具によって、前記ガイドレールを前記支持部材に対して固定した、
開閉装置用ガイドレールの固定構造。 - 前記第1燃え代部材の外表面のうち少なくとも前記ガイドレールに対応する部分及び当該部分の近傍部分を覆うように設けられる前記第1燃え止まり部材と、
前記第1燃え止まり部材が外部に露出することを抑制するように設けられる第2燃え代部材と、を備える、
請求項1に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造。 - 前記第1燃え代部材と前記第2燃え代部材とを、同一の材質で形成した、
請求項2に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造。 - 少なくとも前記ガイドレールの外表面のうち前記第1燃え代部材に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられる第2燃え止まり部材又は第3燃え代部材の少なくともいずれか一方を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造。 - 前記第2燃え止まり部材と、
前記第2燃え止まり部材が外部に露出することを抑制するように設けられる前記第3燃え代部材と、を備える、
請求項4に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造。 - 前記第1燃え代部材と前記第3燃え代部材とを、同一の材質で形成した、
請求項5に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造。
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