JP6573810B2 - 構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物に関する。
エスカレータを耐火ガラスで区画することで、視認性を確保しつつ、エスカレータを屋内避難階段として使用する構造物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、屋内避難階段用の階段室の防火戸や区画壁に耐火ガラスを使用することで、階段室内の視認性を高める技術が知られている(例えば、特許文献2,3参照)。
特開平7−100222号公報 特開2011−174370号公報 特開平3−103269号公報
上記特許文献1〜3に開示された技術では、階段室内の視認性を高めることができるものの、耐火ガラスは高価なものが多く、コストがかかる可能性がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、コストを削減しつつ、屋内避難階段用の階段室内の視認性を高めることを目的とする。
請求項1に記載の構造物は、構造物本体と、内部に屋内避難階段を有し、前記構造物本体から外部へ突出するとともに、該構造物本体との区画部に防火戸が設けられた階段室と、前記構造物本体に形成され、前記階段室の突出方向に沿った階段室外壁と対向するとともに、本体開口部が形成された本体外壁と、前記階段室外壁に形成された階段室開口部を塞ぐ非耐火ガラスと、を備える。
請求項1に係る構造物によれば、階段室は、内部に屋内避難階段を有し、構造物本体から外部へ突出する。この階段室と構造物本体との区画部には、防火戸が設けられる。また、構造物本体には、階段室の突出方向に沿った階段室外壁と対向する本体外壁が形成される。この本体外壁には、本体開口部が形成される。一方、階段室外壁には、階段室開口部が形成される。この階段室開口部は、非耐火ガラスで塞がれる。
ここで、屋内避難階段用の階段室において、の屋内に面する壁に窓等の開口部を形成する場合には、建築基準法によって開口部の大きさが所定値以内(例えば、1m)に制限され、さらに、鋼製網入ガラス等の防火設備によって開口部を嵌め殺しにする必要がある。
これに対し、階段室の屋外(外部)に面する壁には、階段室以外の開口部から所定値(例えば、90cm)以上の距離(以下、「離隔距離」ともいう)を確保することで、大きさに制限がなく、また、防火設備等で嵌め殺しにする必要もない開口部を形成することができる。
本発明の階段室は、前述したように、構造物本体から外部へ突出しており、その突出方向に沿った階段室外壁が屋外(外部)に面している。そのため、階段室外壁の階段室開口部と本体外壁の本体開口部との間に前述した所定値以上の離隔距離を確保することで、大きさに法的な制限がない階段室開口部を階段室に形成することができる。したがって、構造物本体からの階段室内の視認性を高めることができる。
しかも、階段室開口部と本体開口部との間に前述した所定値以上の離隔距離を確保することにより、階段室開口部は、鋼製網入ガラス等の防火設備によって嵌め殺しにする必要がなくなる。そのため、階段室開口部には、耐火性能を有しない廉価なフロートガラス等の非耐火ガラスを用いることができる。したがって、コストを削減することができる。
このように本発明では、コストを削減しつつ、屋内避難階段用の階段室内の視認性を高めることができる。
請求項2に記載の構造物は、請求項1に記載の構造物において、前記屋内避難階段は、階段状に配置される複数の段板と、前記階段室外壁に沿って配置され、前記複数の段板の一端部をそれぞれ支持する桁部材と、を有し、前記階段室開口部を形成する窓枠部は、前記桁部材の上に設置される。
請求項2に係る構造物によれば、階段室外壁に沿って配置される桁部材の上に、階段室開口部を形成する窓枠部が設置される。これにより、桁部材の外側に当該桁部材とは別の窓枠用フレームを立て、その上に階段室開口部を形成する窓枠部を設置する場合と比較して、本体開口部と階段室開口部との間の離隔距離を広げることができる。換言すると、本発明では、桁部材の上に階段室開口部の窓枠部を設置することにより、階段室の設置スペースを小さくすることができる。この結果、本体開口部と階段室開口部との間に所定値以上の離隔距離を確保し易くなる。したがって、階段室の設計自由度が向上する。
請求項3に記載の構造物は、請求項1又は請求項2に記載の構造物において、前記階段室は、前記防火戸と反対側に配置されるとともに、非耐火ガラスで塞がれた奥側階段室開口部が形成された奥側階段室外壁を有し、前記構造物本体には、前記階段室の周囲に配置され、該階段室側の壁部に開口部が形成された周囲室が設けられる。
請求項3に係る構造物によれば、階段室は、防火戸と反対側に配置される奥側階段室外壁を有している。この奥側階段室外壁には、非耐火ガラスで塞がれた奥側階段室開口部が形成されている。つまり、階段室の屋外に面する階段室外壁及び奥側階段室外壁には、非耐火ガラスで塞がれた開口部(階段室開口部、奥側階段室開口部)がそれぞれ形成されている。これにより、建物本体からの階段室内の視認性がさらに高められる。
また、階段室の周囲には、周囲室が設けられる。この周囲室の階段室側の壁部には、開口部が形成される。これにより、周囲室内の人は、当該周囲室の開口部から階段室内の様子を視認し易くなる。したがって、例えば、火災時に、階段室の様子を確認することができるため、的確な避難経路を選択することができる。
以上説明したように、本発明に係る構造物によれば、コストを削減しつつ、屋内避難階段用の階段室内の視認性を高めることを目的とする。
図1は、一実施形態に係る構造物の所定階を示す平面図である。 図2は、図1に示される外部吹抜け部及び階段室を示す拡大平面図である。 図3は、図2に示される一対の防火戸を示す拡大平面図である。 図4は、図2の4−4線断面図である。 図5は、図2の5−5線断面図である。 図6は、図5に示される外側桁部材を示す拡大断面図である。 図7は、一実施形態に係る構造物の変形例を示す図2に対応する拡大平面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る構造物について説明する。
(構造物)
図1には、本実施形態に係る構造物10の所定階の一部が平面図にて示されている。構造物10は、例えば、病院や学校、集合住宅、商業施設等の種々の用途に使用される。この構造物10は、複数層からなる構造物本体12と、構造物本体12の複数層に亘る階段室40とを備えている。
構造物本体12には、エレベータ14、外部吹抜け部20及び複数の周囲室30が設けられている。エレベータ14及び外部吹抜け部20は、構造物本体12の複数層に亘って設けられている。このエレベータ14と外部吹抜け部20とは、エレベータ14の正面側に設けられたエレベータホール16を挟んで互いに隣り合っている。
外部吹抜け部20は、構造物本体12の複数(本実施形態では4つ)の本体外壁20A,20B,20Cによって囲まれた外部空間(中庭)とされており、平面視にて矩形状に形成されている。この外部吹抜け部20の本体外壁20Aには、後述する階段室40が設けられている。
複数(本実施形態では2つ)の周囲室30は、構造物本体12の所定階における外部吹抜け部20(階段室40)の周囲に設けられている。周囲室30は、通路(廊下)32を挟んで外部吹抜け部20の両側にそれぞれ配置されている。
周囲室30は、例えば、ナースステーション等のスタッフルームや控室、相談室等とされている。この周囲室30における外部吹抜け部20側(階段室40側)の壁部30Aには、窓等の開口部34が形成されている。これにより、周囲室30内に居る人は、開口部34から外部吹抜け部20を視認可能になっている(矢印V1,V2)。また、周囲室30の外部吹抜け部20側の壁部30Aには、出入口36が形成されている。
(階段室)
図2に示されるように、階段室40は、平面視にて矩形状に形成されており、構造物本体12の本体外壁20Aから外部吹抜け部20内へ突出されている。また、階段室40は、内部に屋内避難階段70を有し、構造物本体12の複数層に亘って形成されている。この階段室40と構造物本体12とは、本体外壁20Aによって区画されている。つまり、本体外壁20Aは、階段室40と構造物本体12との区画部を構成している。
本体外壁20Aは、耐火構造の壁とされており、例えば、所定条件を満たす鉄板やロックウール等の断熱材を有して構成されている。この本体外壁20Aには、階段室40に通じる出入口42が形成されている。この出入口42には、防火設備としての一対の防火戸50が設けられている。一対の防火戸50は、例えば、随時閉鎖式の開き戸とされている。なお、図2には、一対の防火戸50が開かれた状態が示されている。また、一対の防火戸50は、構造物本体12の各階に設けられている。
図3に示されるように、一対の防火戸50は、出入口42の両側に配置された図示しない下地材にそれぞれ開閉可能に取り付けられている。一対の防火戸50には、くぐり戸52がそれぞれ設けられている。この一対の防火戸50は、出入口42の両側に設けられた一対の戸袋54にそれぞれ収容可能とされている。また、一対の防火戸50のうち、一方の防火戸50には、当該防火戸50から展開される展開戸56が設けられている。この展開戸56によって、一対の防火戸50間の隙間(空間)が開閉されるようになっている。
なお、図3には、一対の防火戸50が閉じられた状態が示されている。また、図3には、一対の防火戸50及び展開戸56の開閉軌跡が、二点鎖線で示されている。さらに、防火戸50の閉鎖方式や開閉方法は、適宜変更可能であり、例えば、常時閉鎖式の防火戸を用いても良いし、また、所定方向に開く避難用の小扉(くぐり戸)を備える引き戸やおりたたみ戸等の防火戸を用いても良い。さらに、防火戸としては、例えば、屋内用防火防煙シャッター等を用いることも可能である。
図2に示されるように、階段室40は、一対の階段室外壁40Bと、奥側階段室外壁40Cとを有している。一対の階段室外壁40Bは、構造物本体12の本体外壁20Aから、階段室40の突出方向(矢印P方向)沿って延出されており、外部に面している。この一対の階段室外壁40Bは、互いに対向するとともに、各々の延出方向の先端部は、奥側階段室外壁40Cによって接続されている。奥側階段室外壁40Cは、一対の防火戸50(本体外壁20A)と反対側に配置されており、外部に面している。
一対の階段室外壁40B及び奥側階段室外壁40Cは、ガラス張りとされている。具体的には、一対の階段室外壁40Bには、複数の階段室開口部60Wを形成する複数の窓枠部60が設けられている。複数の窓枠部60は、階段室外壁40Bの横幅方向に並んで配置されている。これらの窓枠部60には、階段室開口部60Wを塞ぐ非耐火ガラス62が設けられている。
これと同様に、奥側階段室外壁40Cには、複数の奥側階段室開口部64Wを形成する複数の窓枠部64が設けられている。複数の窓枠部64は、奥側階段室外壁40Cの横幅方向に並んで配置されている。これらの窓枠部64には、奥側階段室開口部64Wを塞ぐ非耐火ガラス66が設けられている。
非耐火ガラス62,66は、耐火性を有しない普通ガラスとされており、例えば、鋼製網等が入っていない透明なフロートガラス等とされる。これらの非耐火ガラス62,66によって階段室40の一対の階段室外壁40B及び奥側階段室外壁40Cがガラス張りとされており、外部吹抜け部20から階段室40内を視認可能になっている。なお、非耐火ガラス62,66は、嵌め殺しでも良いし、開閉式でも良い。
また、本実施形態では、外部吹抜け部20を囲む構造物本体12の本体外壁20A,20B,20Cのうち、階段室40との区画部を構成する本体外壁20A以外の3つの本体外壁20B,20Cがガラス張りとされている。
具体的には、一対の本体外壁20Bは、本体外壁20Aにおける階段室40の両側から階段室40の突出方向(矢印P方向)に沿って延出されており、一対の階段室外壁40Bとそれぞれ対向している。この一対の本体外壁20B,20Cの延出方向の先端部は、本体外壁20Cによって接続されている。本体外壁20Cは、階段室40を挟んで本体外壁20Aと反対側に配置されており、奥側階段室外壁40Cと対向して配置されている。
一対の本体外壁20B,20Cには、複数の本体開口部22W,26Wを形成する複数の本体側窓枠部22,26がそれぞれ設けられている。複数の本体側窓枠部22,26は、各本体外壁20B,20Cの横幅方向に並んで配置されている。これらの本体側窓枠部22,26には、奥側階段室開口部64Wを開閉可能に塞ぐガラス(窓ガラス)24,28が設けられている。なお、ガラス24,28は、耐火ガラスであっても良いし、前述した非耐火ガラスであっても良い。また、ガラス24,28は、嵌め殺しでも良い。
ここで、屋内避難階段用の階段室において屋外に面する開口部には、建築基準法(123条)により、階段室以外の開口部から所定値(例えば90cm)以上離すことが求められる。この基準を満たすべく、本実施形態では、一対の階段室外壁40Bに形成された階段室開口部60Wと、一対の本体外壁20Bに形成された本体開口部22Wとの距離(以下、「離隔距離」ともいう)D1が、所定値(例えば90cm)以上とされている。
より具体的には、本実施形態では、階段室開口部60Wを塞ぐ非耐火ガラス62の外面と、本体開口部22Wを塞ぐガラス24の外面との離隔距離(最短距離)D1が、所定値以上とされている。これにより、階段室開口部60Wは、その大きさに法的な制限がなくなる。また、階段室開口部60Wは、鋼製網入ガラス等の防火設備等によって嵌め殺す必要もなくなる。
これと同様に、奥側階段室外壁40Cに形成された奥側階段室開口部64Wと、本体外壁20Cに形成された本体開口部26Wとの離隔距離D2は、所定値(例えば90cm)以上とされている。
(屋内避難階段)
図2に示されるように、階段室40の内部には、耐火構造の屋内避難階段70が設けられている。屋内避難階段70は、踊場付きの折返し階段とされており、構造物本体12の複数層に亘って設けられている。なお、屋内避難階段の構造は、適宜変更可能であり、例えば、踊場がない階段であっても良い。
屋内避難階段70は、階段室40の出入口42側の出入口側踊場72と、階段室40の奥側(奥側階段室外壁40C側)の奥側踊場74と、出入口側踊場72と奥側踊場74との間に斜めに架設される一対の内側桁部材76及び外側桁部材78と、一対の内側桁部材76及び外側桁部材78に架設される複数の段板80と、階段室40の中央部に設けられる手摺り82とを備えている。
図4に示されるように、出入口側踊場72は、階段室40の本体外壁20A側に複数設けられている。この出入口側踊場72は、外周フレーム72Aと、外周フレーム72Aに支持される床部72Bとを有している。外周フレーム72Aは、例えば、溝形鋼等の構造部材によって形成されており、床部72Bの外周部に沿って配置されている。床部72Bは、本体外壁20Aに形成された出入口42(図2参照)を介して構造物本体12の各階の通路32(図1参照)に繋がる平坦な床を形成している。
一方、奥側踊場74は、階段室40の奥側階段室外壁40C側に複数設けられている。この奥側踊場74は、外周フレーム74Aと、外周フレーム74Aに支持される床部74Bとを有している。外周フレーム74Aは、溝形鋼等の構造部材によって形成されており、床部74Bの外周部に沿って配置されている。床部74Bは、屋内避難階段70の折返し部の平坦な床を形成している。なお、出入口側踊場72と奥側踊場74とは、交互に設けられている。
一対の内側桁部材76及び外側桁部材78は、斜めに隣り合う出入口側踊場72と奥側踊場74との間に架設されている。図5に示されるように、一対の内側桁部材76及び外側桁部材78には、複数の段板80が階段状に架設されている。各段板80は、板状に形成されており、その長手方向の両端部が一対の内側桁部材76及び外側桁部材78にそれぞれ支持されている。
内側桁部材76は、鋼板等で形成されており、階段室40の中央部に配置されている。この内側桁部材76には、例えば、手摺り82が取り付けられている。一方、外側桁部材78は、階段室40の外周部に配置されている。この外側桁部材78は、階段室外壁40Bに沿って配置されるとともに、当該階段室外壁40Bの一部を形成している。なお、外側桁部材78は、桁部材の一例である。
ここで、図6に示されるように、外側桁部材78は、複数の段板80の長手方向の一端部を支持する桁部材として機能するとともに、窓枠部60を支持する支持部材(フレーム)としても機能する。具体的には、外側桁部材78は、例えば、溝形鋼等の構造部材によって形成されており、ウェブ部78Aと、ウェブ部78Aの上下の端部に設けられた一対の上側フランジ部78B及び下側フランジ部78Cとを有している。
ウェブ部78Aには、複数の段板80の長手方向の一端部がそれぞれ接合されている。また、上側フランジ部78Bの上には、窓枠部(サッシ)60の下縁部60Lが設置されている。この窓枠部60の下縁部60Lは、上側フランジ部78Bに図示しないボルト等によって接合されている。また、下側フランジ部78Cの下には、窓枠部60の上縁部60Uが設置されている。この窓枠部60の上縁部60Uは、下側フランジ部78Cに図示しないボルト等によって接合されている。なお、窓枠部60の内側には、前述した非耐火ガラス62が嵌め込まれている。
図4に示されるように、外側桁部材78の長手方向の両端部は、出入口側踊場72の外周フレーム72A及び奥側踊場74の外周フレーム74Aにそれぞれ接続(接合)されている。出入口側踊場72及び奥側踊場74の外周フレーム72A,74Aは、外側桁部材78と同様に、溝形鋼等の構造部材によって形成されている。つまり、階段室40の外周部には、構造部材としての外側桁部材78及び外周フレーム72A,74Aが螺旋状に連続して配置されている。これにより、階段室40の剛性が高められている。
また、階段室外壁40Bに沿って配置された出入口側踊場72及び奥側踊場74の外周フレーム72A,74Aの上には、外側桁部材78と同様に、階段室開口部60Wを形成する窓枠部60が設置されている。さらに、図示を省略するが、奥側階段室外壁40Cに沿って配置された奥側踊場74の外周フレーム74Aの上には、奥側階段室開口部64Wを形成する窓枠部64が設置されている。
なお、外側桁部材78及び外周フレーム72A,74Aは、溝形鋼等に限らず、H形鋼、I形鋼又はボックス形鋼等の種々の構造部材を用いることができる。また、内側桁部材76及び外側桁部材78の構造は、例えば、ささら桁や側桁等であっても良い。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2に示されるように、本実施形態に係る構造物10によれば、階段室40は、内部に屋内避難階段70を有し、構造物本体12の本体外壁20Aから外部吹抜け部20へ突出されている。この階段室40と構造物本体12との区画部を構成する本体外壁20Aには、階段室40に通じる出入口42が形成されている。この出入口42には、防火設備としての一対の防火戸50が設けられている。
ここで、比較例として、一般的な屋内避難階段用の階段室の壁に形成する開口部の条件について説明する。一般的な屋内避難階段用の階段室において、例えば、屋内に面する壁に窓等の開口部を形成する場合には、建築基準法によって開口部の大きさが所定値以内(例えば、1m)に制限され、さらに、鋼製網入ガラス等の防火設備によって開口部を嵌め殺しにする必要がある。したがって、階段室の屋内に面する壁には、大きな開口部を形成することが難しい。また、開口部を塞ぐガラスとして、鋼製網入ガラス等の耐火ガラスを使用すると、コストがかかる可能性がある。
一方、階段室の屋外(外部)に面する壁には、階段室以外の開口部から所定値(例えば、90cm)以上の離隔距離を確保することで、大きさに制限がなく、また、防火設備等によって嵌め殺しにする必要もない開口部を形成することができる。
以上を勘案し、本実施形態では、構造物本体12の本体外壁20Aから階段室40を外部へ突出させることより、階段室40の壁のうち、屋外(外部)に面する壁(外壁)の面積を相対的に大きくしている。具体的には、本実施形態における階段室40では、一対の階段室外壁40B及び奥側階段室外壁40Cが屋外(外部)にそれぞれ面している。一対の階段室外壁40Bは、階段室40の突出方向(矢印P方向)に沿って配置されており、奥側階段室外壁40Cは、一対の防火戸50と反対側に配置されている。
ここで、一対の階段室外壁40Bは、本体開口部22Wが形成された一対の本体外壁20Bとそれぞれ対向する。この場合、階段室開口部60Wと本体開口部22Wとの間に所定値以上の離隔距離D1を確保することにより、階段室外壁40Bには、大きさに法的な制限がない階段室開口部60Wを形成することができる。これと同様に、奥側階段室開口部64Wと本体開口部26Wとの間に所定値以上の離隔距離D2を確保することにより、奥側階段室外壁40Cには、大きさに法的な制限がない奥側階段室開口部64Wを形成することができる。したがって、構造物本体12からの階段室40内の視認性を高めることができる。
しかも、階段室開口部60Wと本体開口部22Wとの間に所定値以上の離隔距離D1を確保することにより、階段室開口部60Wは、鋼製網入ガラス等の防火設備によって嵌め殺しにする必要がなくなる。これと同様に、奥側階段室開口部64Wと本体開口部26Wとの間に所定値以上の離隔距離D2を確保することにより、奥側階段室開口部64Wは、鋼製網入ガラス等の防火設備によって嵌め殺しにする必要がなくなる。これにより、階段室開口部60W及び奥側階段室開口部64Wには、耐火性能を有しない廉価なフロートガラス等の非耐火ガラスを用いることができる。したがって、コストを削減することができる。
このように本実施形態では、コストを削減しつつ、屋内避難階段70用の階段室40内の視認性を高めることができる。また、階段室40の採光性及び開放性も高めることができる。さらに、本実施形態では、階段室40の階段室外壁40B及び奥側階段室外壁40Cは、略全面に亘ってガラス張りとされている。これと同様に、外部吹抜け部20を囲む本体外壁20B,20Cも、略全面に亘ってガラス張りとされている。したがって、構造物本体12からの階段室40内の視認性をさらに高めることができる。
また、図1に示されるように、外部吹抜け部20の周囲には、複数の周囲室30が設けられている。各周囲室30の外部吹抜け部20側(階段室40側)の壁部30Aには、開口部34が形成されている。これにより、周囲室30内の人は、開口部34から外部吹抜け部20を介して階段室40内の様子を視認し易くなる。したがって、例えば、階段室40内で具合等が悪くなった人を早期に発見することができる。また、火災時に、階段室40の様子を確認することができるため、的確な避難経路を選択することができる。
さらに、階段室40をガラス張りにすると、エレベータホール16や通路32を通行する人同士が、階段室40越しに互いを視認(確認)することができるため、出会い頭の接触等が抑制される。また、通路32等の歩行者の転倒なども、周囲室30から視認(確認)し易くなるため、素早い介助が可能になる。
さらに、周囲室30は、外部吹抜け部20の両側に配置されている。また、前述したように、外部吹抜け部20の本体外壁20B,20C、階段室40の階段室外壁40B及び奥側階段室外壁40Cは、ガラス張りとされている。そのため、一方の周囲室30に居る人は、矢印V1で示されるように、外部吹抜け部20及び階段室40を通して、他方の周囲室30内を視認することができる。これと同様に、他方の周囲室30に居る人は、矢印V2で示されるように、外部吹抜け部20及び階段室40を通して、一方の周囲室30内を視認することができる。したがって、複数の周囲室30間において、コミュニケーションを誘発することができる。
また、本実施形態では、図5及び図6に示されるように、階段室外壁40Bに沿って配置された外側桁部材78及び外周フレーム72A,74Aの上に、階段室開口部60Wを形成する窓枠部60がそれぞれ設置されている。
これにより、外側桁部材78及び外周フレーム72A,74Aの外側(本体外壁20B側)に、外側桁部材78等とは別の窓枠用フレームを立て、その上に窓枠部60を設置する場合と比較して、本体開口部22Wと階段室開口部60Wとの間の離隔距離D1(図2参照)を広げることができる。換言すると、本実施形態では、外側桁部材78等の上に階段室開口部60Wの窓枠部60を設置することにより、階段室40の設置スペースS(図1参照)を小さくすることができる。この結果、階段室開口部60Wと本体開口部22Wとの間に所定値以上の離隔距離D1を確保し易くなる。したがって、階段室40の設計自由度が向上する。
また、奥側階段室外壁40Cに沿って配置された外周フレーム74Aの上には、奥側階段室開口部64Wを形成する窓枠部64が設置されている。これにより、外周フレーム74Aの外側(本体外壁20C側)に、当該外周フレーム74Aとは別の窓枠用フレームを立て、その上に窓枠部64を設置する場合と比較して、本体開口部26Wと奥側階段室開口部64Wとの間の離隔距離D2(図2参照)を広げることができる。したがって、階段室40の設計自由度がさらに向上する。
また、外側桁部材78及び外周フレーム72A,74Aを溝形鋼等の構造部材で形成することにより、外側桁部材78等の幅(見付幅)を狭くしつつ、屋内避難階段70の剛性を高めることができる。したがって、例えば、人の昇降に伴う屋内避難階段70の振動(揺れ)等が低減される。
さらに、階段室40の外周部には、前述した構造部材としての外側桁部材78及び外周フレーム72A,74Aが螺旋状に連続して配置されている。これにより、屋内避難階段70の剛性がさらに高められるため、屋内避難階段70の振動等がさらに低減される。
さらにまた、外側桁部材78等の上に窓枠部60,64を設置し、窓枠部60,64及び非耐火ガラス62,66等の重量を屋内避難階段70に付加することにより、屋内避難階段70の振動(揺れ)等がさらに低減される。
しかも、外側桁部材78及び外周フレーム72A,74Aによって屋内避難階段70の剛性を確保することにより、例えば、奥側踊場74を支持する柱等の鉛直部材を省略することができる。つまり、本実施形態では、奥側踊場74において、視界を遮る柱等の鉛直部材を低減し、若しくは無くすことができるため、階段室40内の視認性をさらに高めることができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、構造物本体12の本体外壁20Aから外部吹抜け部20内に階段室40を突出させたが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、図7に示されるように、構造物本体12の外周部等に形成された外部凹部90に階段室40を突出させても良い。
具体的には、外部凹部90は、平面視にて凹状に形成された外部空間とされている。この外部凹部90は、凹状の底面を形成する本体外壁90Aと、互い対向する一対の本体外壁90Bとを有している。
本体外壁90Aは、階段室40と構造物本体12(図1参照)との区画部を構成している。この本体外壁90Aから外部凹部90内へ階段室40が突出されている。また、一対の本体外壁90Bは、本体外壁90Aにおける階段室40の両側から階段室40の突出方向(矢印P方向)へそれぞれ延出されている。
ここで、階段室40の一対の階段室外壁40Bには、構造物本体12の一対の本体外壁90Bがそれぞれ対向される。この一対の本体外壁90Bには、本体開口部22Wがそれぞれ形成されている。この場合、階段室開口部60Wと本体開口部22Wとの間に所定値以上の離隔距離Dを確保することにより、階段室外壁40Bには、大きさに法的な制限がなく、また、防火設備等で嵌め殺しにする必要もない階段室開口部60Wを形成することができる。したがって、上記実施形態と同様に、コストを削減しつつ、屋内避難階段70用の階段室40内の視認性を高めることができる。
また、上記実施形態では、階段室40の階段室外壁40B及び奥側階段室外壁40Cが略全面に亘ってガラス張りとされているが、階段室開口部60W及び奥側階段室開口部64Wの大きさや数は、適宜変更可能である。これと同様に、上記実施形態では、構造物本体12の本体外壁20B,20Cが略全面に亘ってガラス張りとされているが、本体開口部22W,26Wの大きさや数は、適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、外部吹抜け部20及び階段室40の両側に周囲室30がそれぞれ設けられるが、周囲室30は、外部吹抜け部20及び階段室40の片側にのみ設けられても良い。さらに、周囲室30は、適宜省略可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 構造物
12 構造物本体
20A 本体外壁(構造物本体と階段室との区画部)
20B 本体外壁
22W 本体開口部
30 周囲室
30A 壁部
34 開口部
40 階段室
40B 階段室外壁
40C 奥側階段室外壁
50 防火戸
60 窓枠部
60W 階段室開口部
62 非耐火ガラス
64W 奥側階段室開口部
66 非耐火ガラス
70 屋内避難階段
78 外側桁部材(桁部材)
80 段板
90A 本体外壁(構造物本体と階段室との区画部)
90B 本体外壁
P 矢印(階段室の突出方向)

Claims (3)

  1. 構造物本体と、
    内部に屋内避難階段を有し、前記構造物本体から外部へ突出するとともに、該構造物本体との区画部に防火戸が設けられた階段室と、
    前記構造物本体に形成され、前記階段室の突出方向に沿った階段室外壁と対向するとともに、本体開口部が形成された本体外壁と、
    前記階段室外壁に形成された階段室開口部を塞ぐ非耐火ガラスと、
    を備える構造物。
  2. 前記屋内避難階段は、
    階段状に配置される複数の段板と、
    前記階段室外壁に沿って配置され、前記複数の段板の一端部をそれぞれ支持する桁部材と、
    を有し、
    前記階段室開口部を形成する窓枠部は、前記桁部材の上に設置される、
    請求項1に記載の構造物。
  3. 前記階段室は、前記防火戸と反対側に配置されるとともに、非耐火ガラスで塞がれた奥側階段室開口部が形成された奥側階段室外壁を有し、
    前記構造物本体には、前記階段室の周囲に配置され、該階段室側の壁部に開口部が形成された周囲室が設けられる、
    請求項1又は請求項2に記載の構造物。
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