JP6159016B2 - 新規なオルガノポリシロキサン、それを含む表面処理剤、それを含む樹脂組成物、及びそのゲル状物又は硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なオルガノポリシロキサン、それを含む表面処理剤、及びそれを含む樹脂組成物に関するものであり、特に好適には、熱伝導性シリコーン組成物に関する。
熱伝導性充填材、蛍光性充填材、導電性充填材、誘電性充填材、絶縁性充填材、光拡散性充填材、透光性充填材、着色性充填材及び補強性充填材から選ばれる機能性充填材は、樹脂組成物に配合した場合、各種の機能を有するグリース、ゲル、ゴム状硬化物、コーティング剤、フェーズチェンジマテリアル等を得ることができるため、産業上、広く用いられている。特に、近年、トランジスター、IC及びメモリー素子等の電子部品を搭載したプリント回路基板やハイブリッドICの高密度・高集積化にともなって、これらを効率よく放熱するために各種の熱伝導性シリコーン組成物が使用されている。このような熱伝導性シリコーン組成物としては、熱伝導性シリコーングリース、熱伝導性シリコーンゲル組成物及び熱伝導性シリコーンゴム組成物等が知られている。
このような熱伝導性シリコーン組成物としては、例えば、シリコーンオイルを主剤とし、酸化亜鉛やアルミナ粉末等の無機充填材を含有する熱伝導性シリコーン組成物(特開昭50−105573号公報、特開昭51−55870号公報、及び特開昭61−157587号公報参照)、オルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合したアルコキシ基又はアシロキシ基を有するオルガノポリシロキサン、熱伝導性充填材、及び硬化剤からなる熱伝導性シリコーン組成物(特開2000−256558号公報参照)、オルガノポリシロキサン、硬化剤、及びケイ素原子に結合したアルコキシ基を有するシルアルキレンオリゴシロキサンで表面処理された熱伝導性充填材を含有する熱伝導性シリコーン組成物(特開2001−139815号公報参照)が提案されている。
特開昭50−105573号公報 特開昭51−55870号公報 特開昭61−157587号公報 特開2000−256558号公報 特開2001−139815号公報
しかし、機能性充填材を含む樹脂組成物、特に熱伝導性シリコーン組成物において、表面処理剤として提案されている成分は、アルコキシシリル基等の加水分解性基を有している化合物が多かった。これらの加水分解基はアルミナ等の表面に水酸基を有する金属酸化物にはある程度効果的であるが、窒化ホウ素やグラファイト等の表面に水酸基を持たない機能性充填材には効果が無く、これらの機能性充填材、特に、熱伝導性充填材を高充填しようとした場合、得られる組成物の粘度が急激に上昇して取扱作業性が著しく低下するという問題があった。このため、公知のオルガノポリシロキサンを用いた表面処理剤では、各種機能性充填材を樹脂組成物に高充填することができないため、得られる組成物の性能が不十分であり、また、取扱作業性と性能を両立できないという問題があった。
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、各種機能性充填材を樹脂組成物中に多量配合しても増粘や分散不良といった問題を生じにくいため、取扱作業性や分散安定性が良好となる新規なオルガノポリシロキサン、及びそれを含む表面処理剤、特には、機能性の樹脂組成物を提供するものである。特に、本願発明は、高熱伝導性のシリコーン組成物を得るために熱伝導性充填材を多量に含有しても、取扱作業性が良好となり、高熱伝導性を有する新規なオルガノポリシロキサン、及びそれを含む熱伝導性シリコーン組成物を提供することにある。
本発明者らは上記の課題について鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の目的は、以下の式(1):
Figure 0006159016
(式中、
は、複数の芳香環を有する炭素原子数10以上の一価の炭化水素基であり、
は、ヘテロ原子を含んでもよい二価の炭化水素基又はケイ素(Si)原子への直接結合であり、
及びRは、それぞれ独立して、一価の炭化水素基であり、
はヘテロ原子を含んでもよい二価の炭化水素基又は酸素原子であり、
は、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基及びアルコキシ基から選ばれる基であり、
nは0から200の整数であり、
aは1から3の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサンによって達成される。
また、本発明は、前記のオルガノポリシロキサンを含む、表面処理剤にも関する。
本発明の表面処理剤は、各種機能性充填材の表面処理に好適に使用することができ、特に、熱伝導性充填材、蛍光性充填材、導電性充填材、誘電性充填材、絶縁性充填材、光拡散性充填材、透光性充填材、着色性充填材及び補強性充填材から選ばれる1種類又は2種類以上の充填材の表面処理に用いられる。
本発明のオルガノポリシロキサンを含む表面処理剤は、無機充填材、有機充填材、ナノ結晶構造、量子ドット及びこれらの表面の一部又は全部がシリカ層により被覆されてなる充填材から選ばれる1種類又は2種類以上の充填材の表面処理に用いることができる。なお、これらの表面処理剤は、各種機能性充填材の合成過程で使用することもできる。
また、本発明は、前記のオルガノポリシロキサン、及び前記のオルガノポリシロキサンによりその表面が処理された充填材を含む、樹脂組成物に関する。これらの樹脂組成物は、硬化性樹脂組成物であっても、熱可塑性樹脂組成物であってもよく、非硬化性又は増粘性の樹脂組成物であってもよい。
本発明の樹脂組成物は、機能性充填材及び樹脂の種類に応じて種々の用途に使用可能であるが、特に、熱伝導性材料、導電性材料、半導体封止材料、光学材料、機能性塗料及び化粧料から選ばれる用途に用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、特に、増粘性、硬化性又は相変化性であることが好ましい。増粘性とは、初期の粘度は大きく変化しないが、所望の使用条件で加熱したり又は増粘剤を使用したりすることにより、全体の粘度が増加し、ゲル状又は粘稠な液体又はペースト状を呈するものであり、グリース組成物などが例示できる。硬化性とは、加熱等により、硬化するものであり、ハードコート樹脂組成物及び半導体封止樹脂組成物などのほか、シート状に成形できる樹脂組成物、柔軟性を有するゲル状に硬化する樹脂組成物、可塑度を有する軟質ゴムを形成する半硬化性樹脂組成物などが例示できる。相変化性とは、ワックス等、軟化点を有する熱軟化性樹脂中に機能性充填材が充填されており、発熱性電子部品等の作動温度に応じて相変化する、いわゆるフェーズチェンジマテリアルが例示できる。
特に、本発明は、(A)前記式(1)のオルガノポリシロキサン、及び、(B)熱伝導性充填材を含む熱伝導性シリコーン組成物にも関する。
本発明のシリコーン組成物は、(C)前記式(1)のオルガノポリシロキサン以外の少なくとも一種のオルガノポリシロキサンを更に含むことができる。
前記(B)熱伝導性充填材は、純金属、合金、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ケイ化物、炭素、軟磁性合金及びフェライトからなる群から選ばれた、少なくとも1種以上の粉末及び/又はファイバーであることが好ましい。
また、前記純金属は、ビスマス、鉛、錫、アンチモン、インジウム、カドミウム、亜鉛、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄若しくは金属ケイ素であり、又は、
前記合金は、ビスマス、鉛、錫、アンチモン、インジウム、カドミウム、亜鉛、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄及び金属ケイ素からなる群から選択される二種以上の金属からなる合金であり、又は、
前記金属酸化物は、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化クロム、若しくは酸化チタンであり、又は、
前記金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、若しくは水酸化カルシウムであり、又は、
前記金属窒化物は、窒化ホウ素、窒化アルミニウム若しくは窒化ケイ素であり、又は、
前記金属炭化物は、炭化ケイ素、炭化ホウ素若しくは炭化チタンであり、又は、
前記金属ケイ化物は、ケイ化マグネシウム、ケイ化チタン、ケイ化ジルコニウム、ケイ化タンタル、ケイ化ニオブ、ケイ化クロム、ケイ化タングステン若しくはケイ化モリブデンであり、又は、
前記炭素は、ダイヤモンド、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン、活性炭若しくは不定形カーボンブラックであり、又は、
前記軟磁性合金は、Fe−Si合金、Fe−Al合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金、Fe−Ni−Mo合金、Fe−Co合金、Fe−Si−Al−Cr合金、Fe−Si−B合金若しくはFe−Si−Co−B合金であり、又は、
前記フェライトは、Mn−Znフェライト、Mn−Mg−Znフェライト、Mg−Cu−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Ni−Cu−Znフェライト若しくはCu−Znフェライトであることが好ましい。
前記(B)熱伝導性充填材は、(B1)平均粒径が0.1〜30μmである板状の窒化ホウ素粉末、(B2)平均粒径が0.1〜50μmである顆粒状の窒化ホウ素粉末、(B3)平均粒径が0.01〜50μmである球状及び/若しくは破砕状の酸化アルミニウム粉末、又は(B4)平均粒径が0.01〜50μmであるグラファイト、或いはこれらの2種類以上の混合物であることが特に好ましい。
前記(B)成分の含有量は、前記(A)成分と前記(C)成分の合計100質量部に対して100〜3,500質量部であることが好ましい。
前記(C)成分のオルガノポリシロキサンは、分子中にケイ素原子に結合した加水分解性官能基を有することが好ましい。
前記(C)成分は、分子中にケイ素原子に結合した脂肪族不飽和結合を有する一価の炭化水素基を有するオルガノポリシロキサン、及び、分子中にケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンであり、更に、これらのオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反応により増粘又は硬化させる触媒を含むことが好ましい。
また、前記(C)成分は、分子中にケイ素原子に結合した加水分解性官能基を有し、且つ、ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和結合を有する一価の炭化水素基を有するオルガノポリシロキサン、及び、分子中にケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンであり、更に、これらのオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反応により増粘又は硬化させる触媒を含むことが好ましい。
また、本発明は、ヒドロシリル化反応により増粘又は硬化させる触媒を含む前記シリコーン組成物を増粘又は硬化させたゲル状物又は硬化物にも関する。
本発明に係る新規オルガノポリシロキサンは、各種機能性充填材の表面処理剤として有用であり、各種機能性充填材を取扱作業性や分散安定性を損なうことなく、多量に樹脂組成物中に配合できる利点がある。特に、本発明に係る新規オルガノポリシロキサンは、熱伝導性充填材の表面処理に有用であり、本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、高熱伝導性のシリコーン組成物を得るために熱伝導性充填材を多量に含有しても、組成物の粘度が高くならず取扱作業性が良好であり、硬化性組成物の場合は、均一な硬化物を得ることができるという特徴がある。
はじめに、本発明に係る新規オルガノポリシロキサンを詳細に説明する。なお、組成物中では、当該オルガノポリシロキサンを「成分(A)」として取り扱う。
本発明のオルガノポリシロキサンは、式(1):
Figure 0006159016
で表されるオルガノポリシロキサンである。
は複数の芳香環を有する炭素原子数10以上の一価の炭化水素基であり、酸素原子又は硫黄原子を含んでいてもよい。また、複数の芳香環は縮合していてもよく、縮合していることが好ましい。より好ましくは、Rは、複数の芳香環を有する炭素原子数10以上40以下の一価の炭化水素基である。このような複数の芳香環を有する炭素原子数10以上の一価の炭化水素基としては、例えば、ナフチル基、アルキルナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基、フェニルナフチル基、フェニルアントラセニル基、フェニルフェナントレニル基、フェニルピレニル基、ターフェニレン基、フェニルターフェニレン基、アルキルビフェニル基、カルボニルビフェニル基、アルコキシアルキルビフェニル基、アルコキシナフチル基、アシルオキシナフチル基、アルコキシカルボニルナフチル基、アルキルエーテルナフチル基、フェノキシフェニル基及びフェニルカルボニルオキシフェニル基などが挙げられる。好ましくは、Rは、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−ビフェニル基、m−ビフェニル基、p−ビフェニル基、p−ビフェニルエーテル基、p−メチルナフチル基及びp−エチルナフチル基である。特に好ましくは、Rは、1−ナフチル基又は2−ナフチル基である。
はヘテロ原子を含んでもよい二価の炭化水素基又はケイ素(Si)原子への直接結合であり、例えば、ケイ素結合水素原子と、アルケニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基等の不飽和炭化水素基を末端に有する官能基を付加反応させることにより形成される基、又はハロゲン原子、アルコキシ基及びアシロキシ基等の加水分解性を有する官能基とシラノール基の反応により形成される基であることができる。当該構造は、例えば、下記構造式で示される二価の連結基又はSi原子への直接結合である。
Figure 0006159016
式中「CO」は-C(=O)−で示されるカルボニル基であり、Rは、それぞれ独立に、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐鎖状の、炭素原子数2〜22のアルキレン基若しくはアルケニレン基、又は、炭素原子数6〜22のアリーレン基を表す。また、Rは、Rと同様の基又は下記式で示される二価基から選択される基である。
Figure 0006159016
は、具体的には、メチレン基、エチレン基、メチルメチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、フェニレン基、メチレンフェニルメチル基、エチレンフェネチル基、酸素原子、メチレンエーテル基、エチレンエーレル基、プロピレンエーテル基、ブチレンエーテル基、フェニルエーテル基、フェニルカルボニル基、カルボニルエーテル基、オキシカルボニル基、メチレンカルボニル基、エチレンカルボニル基及びプロピレンカルボニル基などから選ばれる基である。原料の入手し易さや合成の容易さから、特に好ましくは、Rは、メチレン基、エチレン基、メチルメチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、酸素原子、オキシメチレン基又はオキシエチレン基である。
及びRは、それぞれ独立して、一価の炭化水素基であり、好ましくは、脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基及びデシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、ターシャリーブチル基及びイソブチル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロヘキシル基等の環状アルキル基;フェニル基、トリル基及びキシリル基等のアリール基;並びにベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。好ましくは、R及びRは、炭素原子数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、特に好ましくは、メチル基、エチル基又はフェニル基である。
はヘテロ原子を含んでもよい二価の炭化水素基又は酸素原子であり、酸素原子又は硫黄原子を含んでいてもよい。好ましくは、Rは、炭素原子数1から20の二価の炭化水素基又は酸素原子、或いは1から2個の酸素原子を含む炭素原子数1から20の二価の炭化水素基であり、例えば、下記構造式で示される二価の連結基又は酸素原子(−O−)が挙げられる。式中の、CO、R及びRは前記同様の基である。
Figure 0006159016
は、具体的には、メチレン基、エチレン基、メチルメチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、フェニレン基、メチレンフェニルメチル基、エチレンフェネチル基、酸素原子、メチレンエーテル基、エチレンエーテル基、プロピレンエーテル基、ブチレンエーテル基、フェニルエーテル基、フェニルカルボニル基、カルボニルエーテル基、オキシカルボニル基、メチレンカルボニル基、エチレンカルボニル基、プロピレンカルボニル基、エチレンカルボキシルプロピル基及び(メチル)エチレンカルボキシルプロピレン基などから選ばれる基である。原料の入手し易さや合成の容易さから、特に好ましくは、Rは、メチレン基、エチレン基、メチルメチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、酸素原子、オキシメチレン基、オキシエチレン基、エチレンカルボキシルプロピル基又は(メチル)エチレンカルボキシルプロピレン基である。
は、それぞれ独立して、炭素原子数1から20のアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアルコキシ基から選ばれる基である。Rの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びエイコシル基等の直鎖状アルキル基;2−メチルウンデシル基及び1−ヘキシルヘプチル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロドデシル基等の環状アルキル基;2−(2,4,6−トリメチルフェニル)プロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基及びオクテニル基等の不飽和結合を有する炭化水素基、フェニル基、トリル基及びキシリル基等のアリール基;並びにベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
nは0から200の整数であり、aは1から3の整数であり、pは0から10の整数である。
本発明の成分として含まれるオルガノポリシロキサン(A)は2個以上の芳香環を有する官能基を有しているので、板状構造を有する、若しくは多環芳香族からなる充填材に対する親和性が高く、表面処理剤やベースオイル等に用いてグリースやコンパウンド、ゲル等の複合材料を作成した場合、混和性が良好になり、粘度が高くなることを抑えることが可能になる。
このようなオルガノポリシロキサンとして、以下の化合物が例示される。ただし、MeはCH基を示す。
Figure 0006159016
Figure 0006159016
Figure 0006159016
Figure 0006159016
Figure 0006159016
本発明に使用されるオルガノポリシロキサン(A)の製造方法は特に限定されないが、以下の方法で製造することが可能である。
(a−1)一般式:
Figure 0006159016
(ただし、R、R、R及びRは、前記同様の基であり。n、a及びbは前記同様の数である。)
で表されるケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサンと、
(b−1)一分子中に脂肪族二重結合を複数有する、酸素原子又は硫黄原子を含んでいてもよい炭素原子数10から40の一価の炭化水素化合物又は有機ケイ素化合物と
をヒドロシリル化反応により付加反応させることにより得ることが可能である。
或いは、
(a−2)一般式:
Figure 0006159016
(式中、R、R及びRは前記同様の基である。n及びaは前記同様の数である。)
で表されるケイ素原子結合水素原子含有ポリシロキサンと、
(b−2)一分子中に脂肪族二重結合を一個以上有し、且つ、複数の芳香環を有する官能基を含有する、酸素原子又は硫黄原子を含んでいてもよい炭素原子数10以上の一価の炭化水素化合物又は有機ケイ素化合物と
をヒドロシリル化反応により付加反応させることにより得ることが可能である。
更にヒドロシリル化反応を用いない方法として、
Figure 0006159016
(式中、R、R、R及びRは前記同様の基である。n及びaは前記同様の数である。)
で表されるケイ素原子結合水酸基含有オルガノポリシロキサンと、
SiX(4−b)
(式中、Rは、複数の芳香環を有する官能基を含有する、炭素原子数10以上の一価の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子、アルコキシ基及びアシロキシ基等の加水分解性を有する官能基であり、bは1から4の整数である)
で表される有機ケイ素化合物と
を置換反応させることにより得ることが可能である。
本発明の特徴である複数の芳香環を有する官能基は、原料(a−1)又は原料(b−2)に含まれる。
複数の芳香環を有する官能基が含まれるケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサン(a−1)の例として、以下の化合物が例示される。
Figure 0006159016
Figure 0006159016
(b−1)の一分子中に脂肪族二重結合を一個以上有する炭化水素化合物又は有機ケイ素化合物で、複数の芳香族官能基を有しないものの例として、エチレン、アセチレン、1−プロペン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1,3−ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリエチルシラン、ビニルエチルジメチルシラン、ビニルプロピルジメチルシラン、ビニルジエチルメチルシラン、ビニル(t−ブチル)ジメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルトリス(メチルエチルケトイミノキシ)シラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルペンタメチルジシロキサン、トリビニルトリス(トリメチル)シラン、ビニルトリス(トリメトキシシロキシ)シラン、ビニルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、ビニルヘプタメチルトリシロキサン、アリルトリメチルシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、5−ヘキセニルトリメトキシシラン、5−ヘキセニルメチルジメトキシシラン、5−ヘキセニルジメチルメトキシシラン、5−ヘキセニルトリエトキシシラン、5−ヘキセニルメチルジエトキシシラン、5−ヘキセニルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、及び3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、が挙げられる。
複数の芳香環を有する官能基を含有しないケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサン(a−2)の例として、ペンタメチルジシロキサン、エチルテトラメチルジシロキサン、n−プロピルテトラメチルジシロキサン、iso−プロピルテトラメチルジシロキサン、n−ブチルテトラメチルジシロキサン、iso−ブチルテトラメチルジシロキサン、n−ヘキシルテトラメチルジシロキサン、n−オクチルテトラメチルジシロキサン、n−デシルテトラメチルジシロキサン、n−ドデシルテトラメチルジシロキサン、n−テトラデシルテトラメチルジシロキサン、n−ヘキサデシルテトラメチルジシロキサン、n−オクダデシルテトラメチルジシロキサン、
Figure 0006159016
が挙げられる。
(b−2)の一分子中に脂肪族二重結合を一個以上有する炭化水素化合物又は有機ケイ素化合物で、複数の芳香族環を有する官能基を含有する原料の例として、ビニルナフタレン類、ビニルアントラセン類、ビニルフェナントレン類、ビニルピレン類、ビニルビフェニル類、ビニルターフェニル類、ビニルフェニルナフタレン類、ビニルフェニルアントラセン類、ビニルフェニルフェナントレン類、ビニルフェニルピレン類、ビニルフェニルターフェニル類、フェノキシスチレン類、フェニルカルボニルスチレン類、フェニルカルボキシスチレン類、フェノキシカルボニルスチレン類、アリルナフタレン類、アリルアントラセン類、アリルフェナントレン類、アリルピレン類、アリルビフェニル類、アリルターフェニル類、アリルフェニルナフタレン類、アリルフェニルアントラセン類、アリルフェニルフェナントレン類、アリルフェニルピレン類、アリルフェニルターフェニル類、アリルフェノキシベンゼン類、アリル(フェニルカルボニル)ベンゼン類、アリル(フェニルカルボキシ)ベンゼン類及びアリル(フェノキシカルボニル)ベンゼン類などが挙げられる。
より具体的には、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、1−ビニルアントラセン、2−ビニルアントラセン、9−ビニルアントラセン、1−ビニルフェナントレン、2−ビニルフェナントレン、3−ビニルフェナントレン、4−ビニルフェナントレン、9−ビニルフェナントレン、1,2−ビニルフェニルベンゼン、1,3−ビニルフェニルベンゼン、1,4−ビニルフェニルベンゼン、1,2−ビニル(1−ナフチル)ベンゼン、1,2−ビニル(2−ナフチル)ベンゼン、1,3−ビニル(1−ナフチル)ベンゼン、1,3−ビニル(2−ナフチル)ベンゼン、1,4−ビニル(1−ナフチル)ベンゼン、1,4−ビニル(2−ナフチル)ベンゼン、1−ナフチル−4−ビニルナフタレン、4−ビニル−1,1’−(4’−フェニル)ビフェニレン、1−アリルナフタレン、2−アリルナフタレン、1−アリルアントラセン、2−アリルアントラセン、9−アリルアントラセン、1−アリルフェナントレン、2−アリルフェナントレン、3−アリルフェナントレン、4−アリルフェナントレン、9−アリルフェナントレン、1,2−アリルフェニルベンゼン、1,3−アリルフェニルベンゼン、1,4−アリルフェニルベンゼン、1,2−アリル(1−ナフチル)ベンゼン、1,2−アリル(2−ナフチル)ベンゼン、1,3−アリル(1−ナフチル)ベンゼン、1,3−アリル(2−ナフチル)ベンゼン、1,4−アリル(1−ナフチル)ベンゼン、1,4−アリル(2−ナフチル)ベンゼン、1−アリル−4−ナフチルナフタレン、4−ビニル−1,1’−(4’−フェニル)ビフェニレン、1−ビニル−4−(フェニルオキシ)ベンゼン、1−ビニル−3−(フェニルオキシ)ベンゼン、1−ビニル−2−(フェニルオキシ)ベンゼン、1−ビニル−4−(フェニルカルボニル)ベンゼン、1−ビニル−3−(フェニルカルボキシ)ベンゼン、1−ビニル−2−(フェノキシカルボニル)ベンゼン、1−アリル−4−(フェニルオキシ)ベンゼン、1−アリル−3−(フェニルオキシ)ベンゼン、1−アリル−2−(フェニルオキシ)ベンゼン、1−アリル−4−(フェニルカルボニル)ベンゼン、1−アリル−3−(フェニルカルボキシ)ベンゼン及び1−アリル−2−(フェノキシカルボニル)ベンゼンなどが例示される。
ヒドロシリル化反応は通常金属錯体触媒を用いて行われるが、本発明の製造方法において特に限定されるものではない。本発明の製造方法において用いられる触媒は、(a−1)又は(a−2)原料中のケイ素原子結合水素原子が(b−1)又は(b−2)成分中の脂肪族二重結合へ付加する反応を促進する触媒であり、例えば、長周期律表の第VIII属遷移金属系の触媒が挙げられ、好ましくは、白金系触媒であり、具体的には、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体及び白金のカルボニル錯体が挙げられる。
本発明の製造方法において(a−1)成分と(b−1)成分、又は(a−2)成分と(b−2)成分のモル比は特に限定されないが、(a−1)成分又は(a−2)成分1モルに対して(b−1)成分又は(b−2)成分が0.5〜1.5モルとなる量で反応させることが好ましく、これが0.95〜1.1モルとなる量で反応させることが特に好ましい。
また、本発明の製造方法において有機溶媒を用いることは任意である。この有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン及びデカン等の脂肪族類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びジブチルエーテル等のエーテル類;アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類;並びに酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類が挙げられる。
また、本発明の製造方法において反応温度は特に限定されず、室温下又は加熱下で行うことができる。加熱下で反応を行う場合には、反応温度が50〜200℃であることが好ましい。また、反応の進行は、反応溶液をガスクロマトグラフィー分析、赤外分光分析又は核磁気共鳴分析等の方法により分析し、それぞれ反応系内の原料残存率、ケイ素原子結合水素原子又は脂肪族不飽和基の含有率を求めることにより追跡することができる。反応終了後は、未反応成分及び有機溶媒等を除去することにより、目的のオルガノポリシロキサンを得ることができる。
また、本発明のオルガノポリシロキサンの製造方法の一つとして、片方の末端に水酸基を有するシロキサン(c)と、複数の芳香族官能基を有する置換基及び一つの加水分解性基を有する有機ケイ素化合物(d)とを反応させる方法も挙げられる。
片方の末端に水酸基を有するシロキサン(c)としては、以下の化合物:
Figure 0006159016
が例示され、これらの片方の末端に水酸基を有するポリシロキサンは、既知の製造方法(特開平8−113649号公報及び特許2826939号公報)に従って得ることができる。
また、複数の芳香族官能基を有する置換基及び一つの加水分解性基を有する有機ケイ素化合物(d)として、1−ナフチルクロロジメチルシラン、1−ナフチルジメチルメトキシシラン、1−ナフチルジメチルエトキシシラン、2−ナフチルクロロジメチルシラン、1−アントラセニルクロロジメチルシラン、1−アントラセニルジメチルメトキシシラン、2−アントラセニルクロロジメチルシラン、9−アントラセニルジメチルメトキシシラン、1−フェナントレニルジメチルメトキシシラン、2−フェナントレニルジメチルメトキシシラン、1,4−フェニル(ジメチルメトキシシリル)ベンゼン、1,4−フェニル(ジメチルメトキシシリル)ベンゼン、1,4−(1’−ナフチル)(クロロジメチルシリル)ベンゼン、4,4’−ジメチルメトキシシリル(フェニル)−1,1’−ビフェニレン、1,4−クロロジメチルシリル(フェニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジメチルメトキシシリル(フェニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジメチルメトキシシリル(フェニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジメチルメトキシシリル(フェニルカルボニル)ベンゼン、1,3−ジメチルメトキシシリル(フェニルカルボキシ)ベンゼン及び1,2−ジメチルメトキシシリル(フェノキシカルボニル)ベンゼンなどが挙げられる。
これらの有機ケイ素化合物は、例えばJournal of Organometallic Chemistry (1998),550(1−2),283−300に記載の方法に従って合成することが可能である。
本発明のオルガノポリシロキサンは、分子中に1以上の縮合反応性の官能基(例えば、アルコキシ基)又はヒドロシリル化反応性の官能基(例えば、アルケニル基)を有する場合、表面処理剤としてだけでなく、各種機能性樹脂組成物の主剤の全部又は一部としても用いることができる。例えば、硬化性シリコーン樹脂組成物として、分子中に1以上の縮合反応性の官能基又はヒドロシリル化反応性の官能基を有する前記のオルガノポリシロキサン、架橋剤となる反応性シリコーン、後述する各種機能性充填材及び硬化反応触媒を添加し、in−situで機能性充填材の表面を処理する方法(インテグラルブレンド法)の後、組成物全体を硬化させることができる。特に、本発明のオルガノポリシロキサンはシリコーン樹脂組成物(以下、単に「シリコーン組成物」ということがある)に対する配合安定性に優れるため、上記の硬化反応により、硬化物中の機能性充填材の分散性及び熱的安定性に優れ、且つ、これらの機能性充填材を多量に配合しても、全体が均一で所望の機能に優れた硬化物或いは非硬化性の組成物を与えることができる利点がある。
本発明のオルガノポリシロキサンは、熱的な安定性に優れ、且つ、微粒子状又は高度に微細化された構造を有する微細部材の表面疎水性、微細分散性、及び分散安定性を備えるように改質することができ、特に、各種機能性充填材の表面処理に用いた場合、これらの充填材を樹脂組成物中に高充填した場合であっても、急激な増粘等の取り扱い作業性の低下を伴わないため、本発明のオルガノポリシロキサンを表面処理剤に用いることで、従来公知の表面処理では、高充填或いは安定分散できなかった各種機能性充填材を樹脂組成物に高充填することができ、高性能且つ優れた取り扱い作業性を備えた樹脂組成物を得られるという利点がある。以下、本発明のオルガノポリシロキサンの表面処理剤用途について説明する。
本発明の表面処理剤は、上記のオルガノポリシロキサンを含有するものであり、特に、上記のオルガノポリシロキサンを主剤として、50質量%以上含有するものであることが好ましい。一方、本発明の表面処理剤は、従来公知の溶媒等に希釈して使用してもよく、本発明の目的に反しない範囲で、酸化防止剤、老化防止剤、顔料、染料、他の有機ケイ素化合物、例えばシランカップリング剤やシリル化剤、有機チタネート化合物、有機アルミネート化合物、有機スズ化合物、ワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸塩、有機スズ化合物等のシラノール縮合触媒などのその他の添加剤を加えてもよい。本発明の表面処理剤に含まれる他の表面処理化合物としては、例えば、メチル(トリメトキシ)シラン、エチル(トリメトキシ)シラン、ヘキシル(トリメトキシ)シラン、デシル(トリメトキシ)シラン、ビニル(トリメトキシ)シラン、2-〔(3,4)-エポキシシクロヘキシル〕エチル(トリメトキシ)シラン、3-グリシジドキシプロピル(トリメトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピル(トリメトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピル(トリメトキシ)シラン、3-アクリロキシプロピル(トリメトキシ)シラン、1-(トリメトキシ)3,3,3-トリメチルシロキサン等のシラン化合物が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、他の反応性シリコーン化合物を含有してもよい。
本発明の表面処理剤は、各種基材表面の処理に有用であり、処理される基材は特に制限されない。後述する各種機能性充填材以外で表面処理できる基材として、例えば、ソーダガラス、熱線反射ガラス、車両用ガラス、船舶用ガラス、航空機用ガラス、建築物のガラス、ガラス容器、及びガラス器具等のガラス;銅、鉄、ステンレススチール、アルミニウム、及び亜鉛等の金属板;上質紙及び藁半紙等の紙;ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、及びアクリル樹脂等の合成樹脂フィルム;天然繊維、合成繊維等の繊維又は布;前記の合成樹脂からなるプラスチック基材;並びに陶磁器及びセラミック、など各種材質のものが挙げられる。
更に、本発明の表面処理剤は各種機能性充填材の表面処理剤として有用であり、各種機能性充填材の表面特性、例えば、疎水性、凝集性、流動性、ポリマー、特に硬化性樹脂中への分散性、及び配合性を向上させることができる。これらの機能性充填材は、特に限定されるものではないが、本発明の表面処理剤は、熱伝導性充填材、蛍光性充填材、導電性充填材、誘電性充填材、絶縁性充填材、光拡散性充填材、透光性充填材、着色性充填材及び補強性充填材から選ばれる1種類又は2種類以上の充填材の表面処理に、特に好適に用いることができ、これらの充填材を樹脂組成物中に高充填した場合であっても、急激な増粘等の取扱作業性の低下を伴うことなく、所望の機能を改善することができる利点がある。この時、機能性充填材の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、紡錘状、繭状等)、粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、及び、粒子構造(結晶、多孔質、無孔質等)は何ら限定されるものではないが、平均一次粒子径が1nm〜100μmの範囲にあることが好ましい。なお、機能性充填材の形状及び平均一次粒子径は、その目的とする用途及び機能に応じて適宜選択することができ、充填率を向上するために複数の平均一次粒子径等を有する機能性充填材を使用することは本発明の好ましい形態に内包される。
このような機能性充填材の表面を処理する方法としては、例えば、機能性充填材を攪拌機で攪拌しながら、室温〜200℃で表面処理剤又はその溶液(有機溶媒等への分散物を含む)を噴霧した後、乾燥する方法;機能性充填材と表面処理剤又はその溶液を攪拌機(ボールミル、ジェットミルなどの粉砕器、及び超音波分散機等を含む)中で混合した後、乾燥する方法;並びに処理剤を溶剤に配合し、機能性充填材を分散させて表面に吸着させた後、乾燥して焼結させる処理方法が挙げられる。さらには、機能性充填材を配合しようとする樹脂中に機能性充填材と表面処理剤を添加し、in-situで処理する方法(インテグラルブレンド法)が例示される。機能性充填材の表面を処理する際、表面処理剤の添加量は、機能性充填材100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、特には、0.1〜25質量部であることが好ましい。
特に、本発明の表面処理剤により好適に処理される充填材は、無機充填材、有機充填材、ナノ結晶構造、量子ドット及びこれらの表面の一部又は全部がシリカ層により被覆されてなる充填材から選ばれる1種類又は2種類以上の充填材である。これらは、特に、熱伝導性材料、導電性材料、半導体封止材料、光学材料、機能性塗料及び化粧料等の原料として公知であり、本発明の表面処理剤は、これらの充填材の表面処理に好適であるが、特に、粒子径1〜500nmの金属酸化物微粒子又はこれら表面の一部又は全部がシリカ層により被覆されているものの表面処理剤として使用すると、疎水性の硬化性樹脂、特にシリコーン樹脂中への微細分散性及び分散安定性を著しく改善でき、得られる硬化性樹脂の機能を改善できる利点がある。
本発明の表面処理剤により好適に処理される充填材は、無機充填材であり、特に、後述する熱伝導性充填材であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
蛍光性充填材は、紫外又は可視の励起光を入射すると、当該励起光の波長よりも長波長の蛍光を発する無機微粒子、ナノ結晶構造又は量子ドット等であり、特に、波長300〜500nmに励起帯を有し波長380〜780nmに発光ピークを有するもの、特に青色(波長440〜480nm)、緑色(波長500〜540nm)、黄色(波長540〜595nm)、又は赤色(波長600〜700nm)に発光する蛍光体微粒子を用いることが好ましい。一般に市場で入手可能な蛍光体微粒子として、YAG等のガーネット系やその他の酸化物、窒化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物、希土類硫化物、YAl12:Ce、(Y,Gd)Al12:Ce、Y(Al,Ga)12:Ce等で表されるCe等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類系アルミン酸塩化物、ハロリン酸塩化物などからなるものが挙げられる。これらの蛍光体微粒子の具体例として、例えば、特開2012−052018号公報に開示された無機蛍光体微粒子が挙げられる。
本発明の表面処理剤を用いて処理される蛍光体微粒子は、平均粒子径が0.1〜300μmの範囲であることが一般的であり、ガラスビーズ等のガラスパウダーとの混合物の状態で処理してもよい。さらに、励起光や発光の波長域に合わせて、複数の蛍光体微粒子からなる混合物の処理に用いても良い。例えば、紫外域の励起光を照射して白色光を得る場合は、青色、緑色、黄色、及び赤色の蛍光を発する蛍光体微粒子の混合物を表面処理することが望ましい。
ナノ結晶構造、特に半導体ナノ結晶構造は量子の閉じ込め効果により、ナノ結晶及び粒子径のサイズに応じて発光波長を制御することができ、特に、量子ドットと呼ばれる半導体ナノ結晶は、可視スペクトル全体に及ぶルミネセンス発光をナノ結晶粒子径の制御により波長制御できる点で、LEDを初めとする発光半導体等の光学材料、特に発光材料、蛍光体に代わる輻射体又は波長変換材料として有用である。これらのナノ結晶構造は、Si系ナノ結晶、II−VI族系化合物半導体ナノ結晶、III−V族系化合物半導体ナノ結晶、IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶及びそれらの混合物からなるものであり、特に、CdSe半導体に代表されるII−VI族半導体ナノ結晶、GaN半導体に代表されるIII−V族系化合物半導体ナノ結晶及びSbTe半導体に代表されるIV−VI族系化合物半導体ナノ結晶が用いられている。これらの半導体ナノ結晶は、高温下の気相成長により得られたものでもよく、有機化学的方法(液相法含む)によって合成したコロイド状半導体ナノ結晶であってもよい。また、コア―シェル構造を有するものであってもよい。
発光半導体等に用いるナノ結晶構造、特に量子ドットの平均粒子径は、0.1nm〜数10nm程度の範囲であり、発光波長に応じて選択される。かかるナノ結晶を本発明の表面処理剤により表面処理を行うことにより、ナノ結晶表面にオルガノポリシロキサンを配向或いは結合させ、その凝集を防止し、微細分散性及び分散安定性を改善できるほか、硬化性樹脂中における発光特性及び光取出し効率をさらに改善できる可能性がある。
導電性充填材は、組成物に導電性を付与するために用いられる成分であり、各種カーボンブラック;銀、銅、鉄、及びアルミニウムなどの金属粉末;酸化亜鉛及び酸化錫などの金属酸化物;並びにこれらで硫酸バリウムや酸化チタンなどの芯材を被覆した導電性被覆フィラーが例示される。この他に各種界面活性剤を導電性付与助剤として配合することもでき、これらを併用して使用してもかまわない。なお、これらの一部は、熱伝導性充填材としても機能する成分である。
誘電性充填材は、強誘電性充填材、常誘電性充填材又はこれらの2つの組合せであり、組成物が、電荷を蓄えることができるように比較的に高い誘電率を付与することができる。これらの誘電性充填材は、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、メタニオブ酸カルシウム、メタニオブ酸ビスマス、メタニオブ酸鉄、メタニオブ酸ランタン、メタニオブ酸ストロンチウム、メタニオブ酸鉛、メタタンタル酸鉛、チタン酸ストロンチウムバリウム、ニオブ酸ナトリウムバリウム、ニオブ酸カリウムバリウム、ニオブ酸ルビジウムバリウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム及びステアタイトが例示される。特に、誘電率改善の観点から、チタン酸バリウム及び酸化チタンの処理が好適であるが、これに限定されるものではない。
絶縁性充填材は、組成物に電気的な絶縁性を与えるものであり、後述する熱伝導性充填材のほか、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、又は溶融シリカ等を用いることができる。これらの一部又は全部は、補強性充填材としても機能する成分である。
光拡散性充填材は、組成物に光拡散性を与えるものであり、炭酸カルシウム、及び硫酸バリウムなどのほか、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリオルガノシルセスキオキサン粒子、シリカ粒子、石英粒子、シリカ繊維、石英繊維、及びガラス繊維等が例示される。これらの光拡散性充填材は、液晶ディスプレー分野における光拡散板、光学レンズ及び導光板等の光学素子、街路灯カバー、車両及び建材用合わせガラス等のガラス代替用途などに使用されるもののほか、化粧品におけるしわ隠し(ソフトフォーカス)を目的とした球状シリコーン粒子等も好適に用いることができる。
透光性充填材は、屈折率が高く、且つ光散乱が無視できるほどに小さい微粒子であり、組成物に高屈折率及び高透明性を与えることができる。本発明の表面処理剤は、光学材料に用いる金属酸化物微粒子の表面処理に好適に用いることができる。透光性充填材として用いる、金属酸化物微粒子の平均粒子径は、1〜500nmの範囲であり、特に1〜100nmが好ましく、当該粒子を含む光学材料の透明性の観点から、1〜20nmがより好ましい。さらに、これらの金属酸化物微粒子は、光学材料の光学的、電磁気的、機械的物性を改善する目的で、結晶子径が10〜100nmのナノ結晶粒子であってもよく、且つ好ましい。また、本発明の表面処理剤により処理された透光性充填材は、光半導体素子等に用いた場合、耐熱性に優れ、黄変や変色等を起こしにくいという利点がある。
金属酸化物微粒子は、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、酸化セリウム、酸化コバルト、酸化インジウムスズ、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、酸化スズ、酸化ニオブ、及び酸化鉄などが挙げられる。特に、光学的性質及び電気的性質から、チタン、ジルコニウム、及びバリウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を含有する金属酸化物が好ましい。なお、これらの一部は、熱伝導性充填材、誘電性充填材又は補強性充填材としても機能する成分である。
特に、酸化ジルコニウムは、比較的屈折率が高い(屈折率2.2)のため、高屈折率及び高透明性が求められる光学材料用途に有用である。同様に、チタン酸バリウムは、誘電率及び屈折率が共に高く、光学的にも電磁気的にも有機材料への性能付与に対して有用である。本発明の表面処理剤は、チタン酸バリウム等の金属酸化物微粒子の表面処理により、疎水性の硬化性樹脂中に、金属酸化物微粒子を微細且つ安定に分散することを可能にし、未処理のものに比べて安定な大量配合を可能とする。この結果、得られる樹脂組成物の光学的性質(特に、高屈折率性)及び電磁気的性質を著しく改善できる利点がある。
補強性充填材は、組成物の用途に応じて要求される高い機械的強度を付与するための成分である。このような補強性充填材としては、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、溶融シリカ、及び煙霧質酸化チタンが例示される。なお、これらの補強性充填材は、その表面が本発明のオルガノポリシロキサン以外のポリオルガノシロキサン類、又はヘキサメチルジシラザンなどで疎水化したものであってもよい。特に、機械的強度改善の見地から、BET法による比表面積が130cm/g以上の補強性充填材を使用することが好ましい。
その他、本発明の表面処理剤は、従来公知の補強性充填材であって、機能性樹脂組成物に用いる基材の処理に使用することができる。例えばタルク、クレイ、マイカ粉、ガラスパウダー(ガラスビーズ)、ガラスフリット、ガラスクロス、ガラステープ、ガラスマットなど又はこれら表面の一部若しくは全部がシリカ層により被覆されているものが挙げられる。
本発明の表面処理剤は、特に、機能性樹脂組成物の機械的特性、気体透過性又は水蒸気透過性の改善を目的として配合される、膨潤性層状クレイ材料、特にナノクレイ材料の表面処理に用いることで、他の機能性充填材の配合量や分散安定性を損なうことなく、樹脂組成物の機械的強度及び気体透過性又は水蒸気透過性を改善できる利点がある。ここで、「ナノクレイ」は、主に層状構造をもつ天然、又は合成、改質若しくは非改質イオン性フィロケイ酸塩を意味し、スメクタイト粘土鉱物、例えば、モンモリロナイト、特にナトリウムモンモリロナイト;ベントナイト;ヘクトライト;サポナイト;スチーブンサイト;バイデライト等のフィロ珪酸塩を含めたスメクタイト、ヘクトライト粘土である。ナノクレイの層状構造はナノメーターの範囲で一次元方向のみに広がりを有するため、層間剥離又は膨潤が容易に起り、樹脂組成物中に取り込まれた際に互いに分離することができ、各剥離層は25Å(約2.5nm)未満、より好ましくは10Å(約1nm)未満、最も好ましくは5〜8Å(約0.5〜0.8nm)の厚さ、及び10:1より大きなアスペクト比(長さ/厚さ)を有するものが好ましい。
本発明の表面処理剤は、さらに、上記機能性充填材又はこれら表面の一部若しくは全部がシリカ層により被覆されているものの合成過程又は後処理工程において用いることができる。合成過程又は後処理工程における使用方法は特に制限されるものではないが、固相法においては、微細化する前の上記機能性充填材又はこれら表面の一部又は全部がシリカ層により被覆されているものの表面を、本発明に係る表面処理剤を用いて上記の方法により処理した後、機械力又は超音波等を用いて分散又は微細に粉砕する方法が挙げられる。分散又は粉砕に用いる装置としては、公知の手段が特に制限なく使用できる。
なお、シリカ層による上記機能性充填材の被覆は従来公知の方法により行うことができ、例えば、これらの微細部材を適当な溶媒に分散させた後、酸性条件下でケイ酸ナトリウム水溶液を添加する方法、ケイ酸溶液を添加する方法、或いは加水分解性4官能性シラン類を酸性又は塩基性触媒存在下に加水分解する方法などが利用できる。
一方、本発明の表面処理剤は、液相法による機能性充填材の合成にも用いることができる。液相合成法に本発明の表面処理剤を用いた場合、得られる上記機能性充填材の粒子表面が、粒子形成プロセスにおいて本発明にかかるオルガノポリシロキサンによって一部又は全部が被覆されてなるため、再分散性工程において、微細且つ均一な分散を行うことができる利点があるほか、有機ケイ素化合物の屈折率又は反応性官能基の種類を選択することにより、得られた微細部材の表面特性を、所望により設計できる利点がある。さらに、本発明の表面処理剤が共存した状態で液相合成を行うことで、合成時点で表面処理された金属ナノ粒子、半導体ナノ粒子、コア−シェルナノ粒子、ドープされたナノ粒子、ナノロッド、ナノプレート等の種々の形状の微細部材を統合されたプロセスで合成できる利点がある。
本発明のオルガノポリシロキサン、及び前記のオルガノポリシロキサンによりその表面が処理された充填材は、各種の樹脂組成物に配合した場合、各種機能性充填材を取扱作業性や分散安定性を損なうことなく、各種機能性充填材を多量に樹脂組成物中に配合でき、これらの機能性充填材を安定に高充填した樹脂組成物を得られる利点がある。以下、これらの樹脂組成物について説明する。
樹脂組成物を構成する樹脂部分は、本発明のオルガノポリシロキサンをその実用性を損なうことなく混合することができ、且つ、前記の各種機能性充填材を担持或いは分散することができれば特に制限されるものではなく、特に、増粘性、硬化性又は相変化性であることが好ましい。
ここで、増粘性とは、初期の粘度は大きく変化しないが、所望の使用条件で加熱したり又は増粘剤を使用したりすることにより、全体の粘度が増加し、ゲル状又は粘稠な液体又はペースト状を呈するものであり、グリース組成物などが例示できる。
硬化性とは、加熱等により硬化するものであり、ハードコート樹脂組成物、半導体封止樹脂組成物などのほか、シート状に成形できる樹脂組成物、柔軟性を有するゲル状に硬化する樹脂組成物、可塑度を有する軟質ゴムを形成する半硬化性樹脂組成物などが例示できる。
相変化性とは、ワックス等、軟化点を有する熱軟化性樹脂中に機能性充填材が充填されており、発熱性電子部品等の作動温度に応じて相変化する、いわゆるフェーズチェンジマテリアルが例示できる。
このような樹脂成分は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、結晶性ポリプタジエン、ポリスチレン、及びスチレン−ブタジエン樹脂などの炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、及びポリ酢酸ビニルなどのビニル系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂;ポリ塩化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;エチレン−ポリテトラフルオロエチレン樹脂;エチレン−酢酸ビニル樹脂;アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂;アクリロニトリル−アクリレート−スチレン(AAS)樹脂;アクリロニトリル−塩化ポリエチレン−スチレン(ACS)樹脂;アイオノマー、線状構造糸(エンジニアリング・プラスチック)のポリアセタール;ポリアミド(ナイロン);ポリカーボネート;ポリフェニレンオキサイド;ポリエチレンテレフタレート;ポリブチレンテレフタレート;ポリアリレート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィド;不飽和ポリエステル;フェノール樹脂;エポキシ樹脂;変性メラミン樹脂;フッ素樹脂;シリコーン樹脂;セルロイド、セロファン、酢酸セルロース、酢酪酸セルロースなどのセルロース系樹脂;エボナイトなどの天然ゴム由来の樹脂;並びにゼラチンなどのタンパク質由来の樹脂;などが挙げられる。
好適には、本発明で用いられる樹脂は、ワックス等の熱軟化性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びポリスチレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む樹脂組成物である。特に、本発明の樹脂組成物は、シリコーン組成物であることが好ましい。
これらの樹脂組成物は、硬化性樹脂組成物であっても、熱可塑性樹脂組成物であってもよく、非硬化性又は増粘性の樹脂組成物であってもよい。また、樹脂が熱軟化性樹脂である場合、フェーズチェンジマテリアルであってもよい。本発明の樹脂組成物は、機能性充填材及び樹脂の種類に応じて種々の用途に使用可能であるが、特に、熱伝導性材料、導電性材料、半導体封止材料、光学材料、機能性塗料及び化粧料から選ばれる用途に用いることができる。
特に、本発明の有機ケイ素化合物、及び前記の有機ケイ素化合物によりその表面が処理された充填材は、シリコーン組成物に配合することが好ましく、特に、熱伝導性充填材の表面処理に用いることで、高熱伝導性を実現すべく、組成物中に熱伝導性充填材を高充填した場合でも、組成物の粘度が高くならず取扱作業性が良好であり、硬化性組成物の場合は、均一な硬化物を得ることができるという特徴がある。以下、本発明の有機ケイ素化合物の最も好適な用途である熱伝導性充填材の表面処理及び熱伝導性シリコーン組成物について説明する。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、(A)前記の有機ケイ素化合物、及び、(B)熱伝導性充填材を含むものであり、熱伝導性充填材の(A)前記有機ケイ素化合物を用いた表面処理については、前記の機能性充填材の表面処理において述べた通りである。
(B)成分は本発明の組成物に熱伝導性を付与するための熱伝導性充填材であり、純金属、合金、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ケイ化物、炭素、軟磁性合金及びフェライトからなる群から選ばれた、少なくとも1種以上の粉末及び/又はファイバーであることが好ましい。表面に水酸基を含まず、芳香族基との相互作用が期待される炭素系、又は平板状の外観を有する熱伝導材料を含有していることが特に好ましい。これらの粉体及び/又はファイバーとして、カップリング剤として知られている各種表面処理剤により処理されているものを用いてもよい。
純金属としては、ビスマス、鉛、錫、アンチモン、インジウム、カドミウム、亜鉛、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄及び金属ケイ素が挙げられる。合金としては、ビスマス、鉛、錫、アンチモン、インジウム、カドミウム、亜鉛、銀、アルミニウム、鉄及び金属ケイ素からなる群から選択される二種以上の金属からなる合金が挙げられる。金属酸化物としては、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化クロム及び酸化チタンが挙げられる。金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、及び水酸化カルシウムが挙げられる。金属窒化物としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び窒化ケイ素が挙げられる。金属炭化物としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素及び炭化チタンが挙げられる。金属ケイ化物としては、ケイ化マグネシウム、ケイ化チタン、ケイ化ジルコニウム、ケイ化タンタル、ケイ化ニオブ、ケイ化クロム、ケイ化タングステン及びケイ化モリブデンが挙げられる。炭素としては、ダイヤモンド、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン、活性炭及び不定形カーボンブラックが挙げられる。軟磁性合金としては、Fe−Si合金、Fe−Al合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金、Fe−Ni−Mo合金、Fe−Co合金、Fe−Si−Al−Cr合金、Fe−Si−B合金及びFe−Si−Co−B合金が挙げられる。フェライトとしては、Mn−Znフェライト、Mn−Mg−Znフェライト、Mg−Cu−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Ni−Cu−Znフェライト及びCu−Znフェライトが挙げられる。好ましくは、(B)成分は、これらの中から選ばれた少なくとも1種以上の粉末及び/又はファイバーである。
(B)熱伝導性充填材は、(B1)平均粒径が0.1〜30μmである板状の窒化ホウ素粉末、(B2)平均粒径が0.1〜50μmである顆粒状の窒化ホウ素粉末、(B3)平均粒径が0.01〜50μmである球状及び/若しくは破砕状の酸化アルミニウム粉末、又は(B4)平均粒径が0.01〜50μmである球状及び/若しくは破砕状グラファイト、或いはこれらの2種類以上の混合物であることが特に好ましい。
(B)成分の形状としては、球状、針状、円盤状、棒状、扁平形状、不定形状及びファイバー状などが挙げられる。
(B)成分の粉体及び/又はファイバーを処理するための表面処理剤としては、界面活性剤、シランカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤及びシリコーン系表面処理剤などが挙げられる。
本組成物において、(B)成分の含有量は特に限定されないが、良好な熱伝導性を有するシリコーン組成物を形成するためには、本組成物中の30容積%以上であることが好ましく、30〜90容積%の範囲内であることがより好ましく、60〜90容積%の範囲内であることが更に好ましく、80〜90容積%の範囲内であることが特に好ましい。同様に、良好な熱伝導性を有するシリコーン組成物を形成するためには、(B)成分の含有量は、本組成物中の50質量%以上であることが好ましく、70〜98質量%の範囲内であることがより好ましく、90〜97質量%の範囲内であることが特に好ましい。
(B)成分の含有量として、具体的には、(A)成分と(C)成分の合計100質量部に対して100〜3,500質量部の範囲内であることが好ましく、100〜2,500質量部の範囲内であることがより好ましく、100〜2,500質量部の範囲内であることが特に好ましい。これは、(B)成分の含有量が前記範囲の下限未満であると、得られるシリコーン組成物の熱伝導性が不十分となる傾向があるからであり、一方、前記範囲の上限を超えると、得られるシリコーン組成物の粘度が高くなりすぎて、得られるシリコーン組成物中に(B)成分を均一に分散できなかったり、その取扱作業性が著しく低下したりする傾向があるからである。
(C)成分のオルガノポリシロキサンは、特に限定されないが、分子中にケイ素原子に結合した加水分解性官能基、例えばアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルケノキシ基、アシロキシ基、又はトリアルコキシシリルアルキル基を有するオルガノポリシロキサンを用いることができる。
また、(C)成分のオルガノポリシロキサンは、分子中にケイ素原子に結合した脂肪族不飽和結合を有する一価の炭化水素基を有するオルガノポリシロキサン、及び、分子中にケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンであり、更に、分子中にケイ素原子に結合した加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンを用いてもよい。
ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和結合を有する一価の炭化水素基を一分子中に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサンにおいて、脂肪族不飽和結合を有する一価の炭化水素基は、好ましくは直鎖状アルケニル基であり、特に好ましくはビニル基、アリル基又はヘキセニル基である。また、脂肪族不飽和結合を有する一価の炭化水素基以外のケイ素原子結合に結合している基としては、脂肪族不飽和結合を有しない一価の炭化水素基が例示され、好ましくはアルキル基又はアリール基であり、より好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。このオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は特に限定されないが、20〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、50〜100,000mPa・sの範囲内であることがより好ましく、50〜50,000mPa・sの範囲内であることが更に好ましく、100〜50,000mPa・sの範囲内であることが特に好ましい。このオルガノポリシロキサンの分子構造は特に限定されず、例えば、直鎖状、分岐鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状及び樹枝状(デンドリマー状)が挙げられる。このオルガノポリシロキサンとしては、これらの分子構造を有する単一重合体、これらの分子構造からなる共重合体、又はこれらの混合物が挙げられる。
このようなオルガノポリシロキサンとしては、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端メチルフェニルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサンコポリマー、式:(CHSiO1/2で表されるシロキサン単位と式:(CH(CH=CH)SiO1/2で表されるシロキサン単位と式:CHSiO3/2で表されるシロキサン単位と式:(CHSiO2/2で表されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサンコポリマー、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシリル基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端メチルジメトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリエトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシリルエチル基封鎖ジメチルポリシロキサン、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサンにおいて、水素原子以外のケイ素原子結合に結合している基としては、前記の脂肪族不飽和結合を有しない一価の炭化水素基が例示され、好ましくはアルキル基又はアリール基であり、より好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。このオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は特に限定されないが、1〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、1〜5,000mPa・sの範囲内であることが特に好ましい。このオルガノポリシロキサンの分子構造は特に限定されないが、例えば、直鎖状、分岐鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状及び樹枝状(デンドリマー状)が挙げられる。このオルガノポリシロキサンとしては、これらの分子構造を有する単一重合体、これらの分子構造からなる共重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。
分子中にケイ素原子に結合した加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンにおいて、加水分解性基としては、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルケノキシ基、アシロキシ基、シラノール基又はトリアルコキシシリルアルキル基が好ましい。
このようなオルガノポリシロキサンとしては、分子鎖片末端トリメトキシシロキシ基(トリメチルシロキシ基)封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖片末端トリメトキシシロキシ基(ジメチルビニルシロキシ基)封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖片末端トリメトキシシロキシ基(ジメチルビニルシロキシ基)封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖片末端トリメトキシシロキシ基(ジメチルビニルシロキシ基)封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルメトキシシロキサンコポリマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルエトキシシロキサンコポリマー、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖メチル(3−トリメトキシシリルピロピル)・ジメチルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチル(5-トリメトキシシリルヘキシル)基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端メチルジメトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリエトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシリルエチル基封鎖ジメチルポリシロキサン、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
本組成物を調製する方法は特に限定されず、例えば、[1](B)成分に(A)成分を混合し、これに(C)成分を徐々に加え混合して調製する方法、[2](A)成分と(C)成分をあらかじめ混合し、(B)成分を徐々に加えて調製する方法を用いて調製することができるが、特に[1]の方法であることが好ましい。混合装置としては種々の装置が使用可能であるが、特に自転・公転混合装置(市販品としてシンキー社のあわとり練太郎シリーズ、UNIX社のUM−118、EME社のUFOシリーズ、及びハウスチャイルド社のスピードミキサーなどが混合効率の点から好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。また、実施例中の物性は25℃における値である。また、式中の重合度は平均重合度である。
[実施例1]
1−{(2−ナフチル)エチル}−3−(n−オクチル)−1’,1’’,3’,3’’−テトラメチルジシロキサンの合成
攪拌機、温度計、冷却管、及び滴下漏斗を備えた200ミリリットルの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、イオン交換水103g、及び濃塩酸48gを投入、撹拌し、10℃以下に冷却した。1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン30.4g(0.222モル)を投入した。次いで、n−オクチルジメチルクロロシラン82.0g(0.387モル)を反応液の温度が10℃を超えないように水冷又は空冷しながら滴下した。滴下終了後、10℃以下で2時間攪拌した。反応混合物をガスクロマトグラフィー(以下、GLC)により分析した結果、n−オクチルジメチルクロロシランのピークが消失していたので反応終了とした。反応混合物を静置し、上層をイオン交換水100ミリリットルで3回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ミリリットルで2回、飽和塩化ナトリウム水溶液100ミリリットルで3回、混合洗浄分液を行った。無水硫化ナトリウムにより脱水を行い、減圧蒸留により61〜65℃/1hPaの留分62g(収率65%)を得た。この留分を核磁気共鳴分析(以下、NMR)及び赤外分光分析(以下、IR)により分析したところ、この留分は、3−(n−オクチル)−1’,1’’,3’,3’’−テトラメチルジシロキサンで表されるケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサンであることが判明した。このシロキサンのGLCによる純度は99.5%であった。
更に攪拌機、温度計、冷却管、及び滴下漏斗を備えた200ミリリットルの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、2−ビニルナフタレン23.4g(純度93.9%、0.142モル)、トルエン22g、及び白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体を、白金金属量が反応混合物の総質量に対して5ppmになるように添加混合し、40℃に加熱した。上記3−(n−オクチル)−1’,1’’,3’,3’’−テトラメチルジシロキサン35.3g(0.143モル)を、反応溶液の温度が50℃を超えないように、水冷又は空冷しながら滴下した。滴下終了後、60℃で2時間攪拌し、反応混合物をIRにより分析した結果、3−(n−オクチル)−1’,1’’,3’,3’’−テトラメチルジシロキサンビニルトリメトキシシランに起因するSiHのピークが消失していたので反応終了とした。反応混合物を90℃/1hPaまで減圧加熱することによって溶剤や低沸未反応物等を除き、反応生成物55.0g(収率94%)を得た。この留分をNMR及びIRにより分析したところ、1−{(2−ナフチル)エチル}−3−(n−オクチル)−1’,1’’,3’,3’’−テトラメチルジシロキサンで表されるオルガノポリシロキサンであることが判明した。
[実施例2]
1−{(2−ナフチル)エチル}−3’,3’’,5’,5’’−テトラメチル−3,5−ジシラ−10−ウンデセンの合成
実施例1と同様に、n−オクチルジメチルクロロシランを(2−ナフチル)エチルジメチルクロロシランに、2−ビニルナフタレンを1,5−ヘキサジエンに代えて表題化合物の合成を行い、40.3g(収率69%)を得た。この留分をNMR及びIRにより分析したところ、1−{(2−ナフチル)エチル}−3’,3’’,5’,5’’−テトラメチル−3,5−ジシラ−10−ウンデセンで表されるオルガノポリシロキサンであることを確認した。
[実施例3]
α,ω−トリメチルシリル{(2−ナフチル)エチル}−ポリジメチルシロキサン(重合度:25)の合成
攪拌機、温度計、冷却管、及び滴下漏斗を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、2−ビニルナフタレン2.41g(純度93.9%、0.142モル)、トルエン10g、及び白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体を、白金金属量が反応混合物の総重量に対して5ppmになるように添加混合し、40℃に加熱した。α,ω−トリメチルシリルハイドロジェン−ポリジメチルシロキサン(重合度:25、SiH=0.55%)27.5gを、反応溶液の温度が50℃を超えないように、水冷又は空冷しながら滴下した。滴下終了後、60℃で2時間攪拌し、反応混合物をIRにより分析した結果、α,ω−トリメチルシリルハイドロジェン−ポリジメチルシロキサンに起因するSiHのピークが消失していたので反応終了とした。反応混合物を90℃/1hPaまで減圧加熱することによって溶剤や低沸未反応物等を除き、反応生成物28.9g(収率96%)を得た。この留分をNMR及びIRにより分析したところ、α,ω−トリメチルシリル{(2−ナフチル)エチル}−ポリジメチルシロキサン(重合度:25)であることが判明した。
[実施例4]
α,ω−トリメチルシリル(1−ナフチル)−ポリジメチルシロキサン(重合度:50)の合成
攪拌機、温度計、冷却管、及び滴下漏斗を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下でα,ω−トリメチルシリルヒドロキシル−ポリジメチルシロキサン(重合度:50、SiOH=0.45%)50.05g、トルエン50g、及びジエチルアミン1.7g(0.023モル)を添加混合し、1−ナフチルジメチルクロロシラン2.91g(0.013モル)を室温下で滴下した。滴下終了後、この系を、60℃で8時間加熱した。その後、室温まで冷却し、生成した塩を濾別後、ろ液を90℃/1hPaまで減圧加熱することによって溶剤や低沸未反応物等を除き、反応生成物51.0g(収率97%)を得た。この留分をNMR及びIRにより分析したところ、α,ω−トリメチルシリル{(1−ナフチル)}−ポリジメチルシロキサン(重合度:50)であることが判明した。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物について、以下でより詳細に説明する。また、熱伝導性シリコーン組成物の粘度、及び熱伝導率を次のようにして測定した。
[熱伝導性シリコーン組成物の粘度]
熱伝導性シリコーン組成物の25℃における粘度を、TAインスツルメンツ社製レオメーター(AR550)を用いて測定した。ジオメトリーとして直径20mmのパラレルプレートを用い、ギャップ200μm、シェアレート10.0(1/s)の条件で測定した。粘度の値が小さいということは、熱伝導性シリコーン組成物の粘性が小さく、取扱性が優れることを意味する。
[熱伝導率]
C−Therm社製の熱伝導率測定装置C−ThermTCiによりにより、面積1cm×1cm、厚さ200μm及び500μmの熱伝導性シリコーングリース組成物の25℃における熱抵抗値を測定し、その値から熱伝導率を求めた。
[実施例5]
100ミリリットルの容器に、式:(n−C17)(CHSiOSi(CHNp(Npは2−ナフチル基を示す)で表される実施例1で得られたオルガノポリシロキサンを10.3質量部、平均粒径が12μmである球状アルミナ粉末79.6質量部、平均粒径20μmである窒化ホウ素を4.4質量部、及び平均粒径0.8μmである窒化ホウ素を8.8質量部投入し、充填材の含有量が70体積%である熱伝導性シリコーングリースを調製した。シンキー社自転公転ミキサーAR−100を用いて、30秒混合し、掻き取り混合後、再度30秒混合した。この熱伝導性シリコーングリースの粘度(シェアレート:10.0(1/s))は100Pa・sであり、熱伝導率は4.5W/m・Kであった。
[実施例6〜11]
オルガノポリシロキサンとして実施例1で得られたものの代わりに表1に示すオルガノポリシロキサン(1)及び/又はオルガノポリシロキサン(2)を用い、且つ、表1に示す組成に変更した以外は実施例5と同様の方法で熱伝導性シリコーン組成物を調製した。これらの熱伝導性シリコーン組成物の粘度(シェアレート:10.0(1/s))及び熱伝導率を表1に示す。本発明に係るオルガノポリシロキサンを処理剤の一部又は全部に用いることで、実用性のある粘度且つ均一性に優れたペースト状であり、高い熱伝導率を示す組成物を得ることができた。
[比較例1及び比較例2]
オルガノポリシロキサンとして実施例1で得られたものの代わりに表2に示すオルガノポリシロキサンを用いて、且つ、表2に示す組成にした以外は実施例5と同様の方法で熱伝導性シリコーン組成物を調製した。この熱伝導性シリコーン組成物の粘度(シェアレート:10.0(1/s))及び熱伝導率を表2に示す。これらの比較例に係るオルガノポリシロキサンを用いた場合、得られる組成物は均一なペースト状にならず、その熱伝導率を測定することができなかった。
Figure 0006159016
Figure 0006159016
表中のオルガノポリシロキサン
(*1) (CH=CHC)(CHSiOSi(CHNp (Npは2−ナフチル基を示す)
(*2) (CHSiO[(CHSiO]Si(OCH (n(平均)=20)
(*3) (CHSiO[(CHSiO]Si(CHNp (n(平均)=25)
(*4) (CHSiO[(CHSiO]Si(CHNp (n(平均)=50)
(*5) (CHSiO[(CHSiO]Si(CHNp (n(平均)=25)
(*6) (MeO)SiC(CHSiOSi(CHNp (Npは2−ナフチル基、Meはメチル基を示す)
(*7) C17(CHSiOSi(CH(C17
(*8) (CHSiO[(CHSiO]Si(CH (n(平均)=45)
(*9) NpC(CHSiOSi(CHNp (Npは2−ナフチル基を示す)
表中の充填材
(*a) 平均粒径12μmである球状アルミナ粉末
(*b) 平均粒径20μmである顆粒状窒化ホウ素
(*c) 平均粒径0.8μmである板状窒化ホウ素
(*d) 平均粒径20μmであるグラファイト
[実施例12]
100ミリリットルの容器に、式:(CH=CHC)(CHSiOSi(CHNp(Npは2−ナフチル基を示す)で表されるオルガノポリシロキサン6.0質量部、式:CH=CH(CHSiO[(CHSiO]Si(CHCH=CH(n(平均)=300)で表されるオルガノポリシロキサン8.1質量部、式:(CHSiO[(CH)HSiO][(CHSiO]Si(CH(n(平均)=30、m(平均)=30)で表されるオルガノポリシロキサン2.1質量部、平均粒径20μmである窒化ホウ素を25.6質量部、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン0.09質量部、及び白金含有量が0.5質量%である白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体0.9質量部を投入し、シンキー社自転公転ミキサーAR−100を用いて、30秒混合し、掻き取り混合後、再度30秒混合した。この組成物を150℃で15分間加熱することによりヒドロシリル化反応させて、熱伝導性シリコーン硬化物(厚さ1mm及び2mm)を調製した。この熱伝導性シリコーン硬化物の熱伝導率は5.5W/m・Kであった。
[比較例3]
オルガノポリシロキサンとして、(CH=CHC)(CHSiOSi(CHNp(Npは2−ナフチル基を示す)の代わりに(C17)(CHSiOSi(CH(C17)を用いた以外は実施例12と同様の方法で熱伝導性シリコーン硬化物を調製した。この組成物の硬化前の粘度(シェアレート:10.0(1/s))は350であり、粘度が高すぎて均一な硬化物を得ることは困難であった。

Claims (15)

  1. 以下の式(1):
    Figure 0006159016
    (式中、
    は、複数の芳香環を有する炭素原子数10以上の一価の炭化水素基であり、
    は、ヘテロ原子を含んでもよい二価の炭化水素基又はケイ素(Si)原子への直接結合であり、
    及びRは、それぞれ独立して、一価の炭化水素基であり、
    は、ヘテロ原子を含んでもよい二価の炭化水素基又は酸素原子であり、
    は、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基及びアルコキシ基から選ばれる基であり、
    nは0から200の整数であり、
    aは1から3の整数である。)
    で表されるオルガノポリシロキサンを含む、熱伝導性充填材、蛍光性充填材、導電性充填材、誘電性充填材、絶縁性充填材、光拡散性充填材、透光性充填材、着色性充填材及び補強性充填材から選ばれる1種類又は2種類以上の充填材の表面処理に用いるための表面処理剤。
  2. 無機充填材、有機充填材、ナノ結晶構造、量子ドット及びこれらの表面の一部又は全部がシリカ層により被覆されてなる充填材から選ばれる1種類又は2種類以上の充填材の表面処理に用いるための、請求項1に記載の表面処理剤。
  3. 前記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン、及び、請求項1の表面処理剤によりその表面が処理された充填材を含む、樹脂組成物。
  4. 熱伝導性材料、導電性材料、半導体封止材料、光学材料、機能性塗料及び化粧料から選ばれる用途に用いるための、請求項に記載の樹脂組成物。
  5. 増粘性、硬化性又は相変化性である、請求項又はに記載の樹脂組成物。
  6. (A)前記式(1)のオルガノポリシロキサン、及び、(B)熱伝導性充填材を含む熱伝導性シリコーン組成物。
  7. (C)前記式(1)のオルガノポリシロキサン以外の少なくとも一種のオルガノポリシロキサンを更に含む、請求項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  8. 前記(B)熱伝導性充填材が、純金属、合金、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ケイ化物、炭素、軟磁性合金及びフェライトからなる群から選ばれた、少なくとも1種以上の粉末及び/又はファイバーである、請求項又はに記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  9. 前記純金属が、ビスマス、鉛、錫、アンチモン、インジウム、カドミウム、亜鉛、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄若しくは金属ケイ素であり、又は、
    前記合金が、ビスマス、鉛、錫、アンチモン、インジウム、カドミウム、亜鉛、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄及び金属ケイ素からなる群から選択される二種以上の金属からなる合金であり、又は、
    前記金属酸化物が、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化クロム、若しくは酸化チタンであり、又は、
    前記金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、若しくは水酸化カルシウムであり、又は、
    前記金属窒化物が、窒化ホウ素、窒化アルミニウム若しくは窒化ケイ素であり、又は、
    前記金属炭化物が、炭化ケイ素、炭化ホウ素若しくは炭化チタンであり、又は、
    前記金属ケイ化物が、ケイ化マグネシウム、ケイ化チタン、ケイ化ジルコニウム、ケイ化タンタル、ケイ化ニオブ、ケイ化クロム、ケイ化タングステン若しくはケイ化モリブデンであり、又は、
    前記炭素が、ダイヤモンド、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン、活性炭若しくは不定形カーボンブラックであり、又は、
    前記軟磁性合金が、Fe−Si合金、Fe−Al合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金、Fe−Ni−Mo合金、Fe−Co合金、Fe−Si−Al−Cr合金、Fe−Si−B合金若しくはFe−Si−Co−B合金であり、又は、
    前記フェライトが、Mn−Znフェライト、Mn−Mg−Znフェライト、Mg−Cu−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Ni−Cu−Znフェライト若しくはCu−Znフェライトである、請求項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  10. 前記(B)熱伝導性充填材が、(B1)平均粒径が0.1〜30μmである板状の窒化ホウ素粉末、(B2)平均粒径が0.1〜50μmである顆粒状の窒化ホウ素粉末、(B3)平均粒径が0.01〜50μmである球状及び/若しくは破砕状の酸化アルミニウム粉末、又は(B4)平均粒径が0.01〜50μmであるグラファイト、或いはこれらの2種類以上の混合物である、請求項からのいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  11. 前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分と前記(C)成分の合計100質量部に対して100〜3,500質量部である、請求項から10のいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  12. 前記(C)成分のオルガノポリシロキサンが、分子中にケイ素原子に結合した加水分解性官能基を有する、請求項から11のいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  13. 前記(C)成分が、分子中にケイ素原子に結合した脂肪族不飽和結合を有する一価の炭化水素基を有するオルガノポリシロキサン、及び、分子中にケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンであり、更に、これらのオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反応により増粘又は硬化させる触媒を含む、請求項から12のいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  14. 前記(C)成分が、分子中にケイ素原子に結合した加水分解性官能基を有し、且つ、ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和結合を有する一価の炭化水素基を有するオルガノポリシロキサン、及び、分子中にケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンであり、更に、これらのオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反応により増粘又は硬化させる触媒を含む、請求項から13のいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  15. 請求項14に記載の熱伝導性シリコーン組成物を増粘又は硬化させたゲル状物又は硬化物。
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