JP6580851B2 - 高熱伝導性電気絶縁組成物 - Google Patents

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Description

本発明は高熱伝導性電気絶縁組成物に関する。
最近の電気・電子機器においては、その高性能化、小型化及び軽量化に伴い、内部で発生する熱を外部へ効果的に放散させることが重要な課題になっている。例えば、特許文献1には、モータのステータのコイルの銅損によって発生する熱を外部へ放散するために、ステータコアから突出するコイルエンド部を覆うようにステータコアとモータハウジングの間のスペースに熱伝導性電気絶縁組成物を充填することが記載されている。
このような電気・電子機器の熱の放散には、エポキシ樹脂、ポリエチレン、シリコーン等の樹脂組成物(エラストマーを含む)が使用されているが、樹脂自体の熱伝導率は高くないので、電気絶縁性を有する高熱伝導率のフィラーが樹脂に混入されている。
例えば、特許文献2には、シリコーンにアルミナ、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ダイヤモンド等の熱伝導性フィラーを混入してなる熱伝導性電気絶縁組成物が記載されている。特許文献3には、コア材をコート材で被覆してなる大径の第1フィラーと小径の第2フィラーをシリコーン等の高分子材料よりなるマトリックス中に分散させてなる高熱伝導性組成物が記載されている。第1フィラーの粒子間に第2フィラーを点在させることにより、熱伝導率を高めるというものである。第1フィラーのコア材としては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、又は窒化ケイ素が用いられ、第2フィラーとしては、酸化亜鉛、アルミナ、又はダイヤモンドが用いられている。
特許文献4には、熱伝導性フィラーとして鱗片状窒化ホウ素を用いた樹脂組成物が記載されている。この樹脂組成物は、鱗片状窒化ホウ素の一次粒子から形成された二次凝集粒子と、これよりも粒径が小さい無機微細粒子とを含有する。熱硬化性樹脂が二次凝集粒子中に浸透することを無機微細粒子によって抑制し、当該樹脂組成物の加工性を高めるというものである。
特開平5−236705号公報 特開2008−160126号公報 特許3746915号公報 特開2014−152299号公報
特許文献2に記載されているように、シリコーン等のマトリックス樹脂にダイヤモンド等の熱伝導性フィラーを混入すると、樹脂単独に比べて熱伝導率が高くなる。しかし、熱伝導性フィラーの粒子間では、そのフィラーに比べて熱伝導率が低いマトリックス樹脂が熱伝導を担うため、熱伝導率の大きな増大は望めない。これに対して、特許文献3に記載されているように、大径の第1フィラーの粒子間に小径の第2フィラーを点在させると、熱伝導性が良くなるものの、点在した第2フィラーの粒子間ではマトリックス樹脂によって熱が伝わることになるため、熱伝導性組成物全体としての熱伝導率の向上には十分でない。
また、特許文献4にも記載されているように、鱗片状窒化ホウ素(六方晶窒化ホウ素)を熱伝導性フィラーとして利用することが提案されている。しかし、この鱗片状窒化ホウ素は、熱伝導に関して異方性があり、その結晶のc面に沿った方向(以下、「面内方向」という。)の熱伝導率は高いものの、c軸方向(以下、「厚さ方向」という。)の熱伝導率は低い。そのため、鱗片状窒化ホウ素は、熱伝導性フィラーとして有望であるものの、その配向状態によっては、所期の熱伝導性能が得られないという問題がある。特許文献4では、鱗片状窒化ホウ素を二次凝集粒子とすることによって等方性を得るようにしているが、その二次凝集粒子間の熱伝導はダイヤモンド粒子の場合と同じく、マトリックス樹脂が担うため、熱伝導率の大きな増大は望めない。
そこで、本発明は、熱伝導に関して等方性を有し且つ高い熱伝導性を有する電気絶縁性組成物を提供する。
本発明は、上記課題を解決するために、鱗片状フィラーが粒状フィラーの粒子間を縫って三次元網目構造的に配置されるようにした。
すなわち、ここに開示する高熱伝導性電気絶縁組成物は、樹脂と、熱伝導性及び電気絶縁性を有する第1フィラーと、熱伝導性及び電気絶縁性を有し上記第1フィラーとは種類が異なる第2フィラーとを含有し、
上記第1フィラーは粒状のダイヤモンドであり、上記第2フィラーは鱗片状の六方晶窒化ホウ素であり、
上記粒状第1フィラーの平均粒径D50は50μmであり、
上記鱗片状第2フィラーの平均粒径D50は8μmであり、
上記粒状第1フィラー、上記鱗片状第2フィラー及び上記樹脂の質量比が、図1に示す三角図表の点A1(90:6:4)、点B1(77:20:3)、点C1(42:51:7)、点D1(42:43:15)、点E1(54:20:26)及び点F1(75:6:19)を結ぶ直線で囲まれる範囲内にあり、
上記鱗片状第2フィラーが、上記粒状第1フィラーの粒子間を縫って三次元網目構造的に配置され、該鱗片状第2フィラーの配向が不揃いになっていることを特徴とする。
これによれば、配向が不揃いの鱗片状第2フィラーによって三次元網目構造の熱伝導パスが形成されるから、熱伝導に関して、鱗片状第2フィラー自体に異方性があっても、当該組成物全体としてみれば、等方性を有することになる。鱗片状第2フィラーとして、例えば、六方晶窒化ホウ素(以下、「BN」という。)を採用した場合、このBNは先に述べたように熱伝導に関して異方性を有するが、その配向が不揃いになっていることにより、粒状第1フィラーの粒子間において、三次元のいずれの方向にも熱が効率良く伝わる。また、鱗片状第2フィラーが三次元網目構造の熱伝導パスを形成することにより、当該組成物のいずれの方向にも熱が効率良く伝わる。特に、鱗片状第2フィラーの粒子同士が絡み合って部分的に接触しているときは、熱伝導の効率が高くなる。
また、ダイヤモンドよりなる粒状第1フィラーはBNよりなる鱗片状第2フィラーよりも熱伝導率が高いから、粒状第1フィラーによる熱伝導のネットワークと鱗片状第2フィラーによる熱伝導のネットワークとによって熱が効率良く伝わることになる。重要な点は、熱伝導性フィラーが粒状第1フィラーのみであれば、その粒子と樹脂の接触界面の熱抵抗が熱伝導に大きく影響するところ、粒状第1フィラーの粒子間に鱗片状第2フィラーが介在することにより、当該界面熱抵抗が減少し、粒状第1フィラーの粒子から粒子への熱伝導が良好になる点である。特に、鱗片状第2フィラーの配向が不揃いになっているため、粒状第1フィラーの個々の粒子から隣接するいずれの粒子にも熱が効率良く伝わり、組成物全体として等方的に熱伝導率が高くなる。
ここに、BNの粒径が大きくなると、個々のBN粒子が複数のダイヤモンド粒子に囲まれた隙間に入らずに、相隣るダイヤモンド粒子に挟まれた状態、すなわち、BN粒子がダイヤモンド粒子に面接触した状態になりやすい。その場合、BN粒子はダイヤモンドの粒子から粒子への熱伝導を熱伝導率が低い厚さ方向において担うことになり、ダイヤモンド粒子間の熱伝導が悪化する。これに対して、ダイヤモンドの平均粒径D50を50μmとし、BNの平均粒径D50を8μmとすると、BN粒子が複数のダイヤモンド粒子に囲まれた隙間に入りやすくなり、BN粒子の配向も不揃いになりやすい。その結果、当該粒子間においてBN粒子の面内方向に熱が伝わる確率が高くなり、当該粒子間の熱伝導が良好になる。
上記樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン、シリコーンなど各種の樹脂(エラストマーを含む)を採用することができ、これらは単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて混合して用いることもできる。
本発明によれば、熱伝導性及び電気絶縁性を有するダイヤモンドよりなる粒状フィラーと、熱伝導性及び電気絶縁性を有するBNよりなる鱗片状フィラーを含有し、粒状第1フィラーの平均粒径D50を50μmとし、鱗片状フィラーの平均粒径D50を8μmとし、粒状フィラー、鱗片状フィラー及び樹脂の質量比を、図1に示す三角図表の点A1〜点F1を結ぶ直線で囲まれる範囲内に設定して、配向が不揃いの鱗片状フィラーによって三次元網目構造の熱伝導パスが形成されているから、熱伝導に関して等方性が得られ、粒状フィラーの粒子間において三次元のいずれの方向にも熱が効率良く伝わり、また、当該組成物全体としても、いずれの方向にも熱が効率良く伝わり、当該組成物による熱の効率的な放散により、電気・電子機器の高性能化、小型化ないし軽量化に有利になる。
高熱伝導性電気絶縁組成物の組成と熱伝導率の関係を示す三角図表。 大径粒状フィラーと小径鱗片状フィラーを含有する組成物の構造を模式的に示す図。 調製した組成物からの試料の切り出し方法を説明する断面図。 BN含有組成物のBN濃度と熱伝導率の関係を示すグラフ図。 ダイヤモンド含有組成物のダイヤモンド濃度と熱伝導率の関係を示すグラフ図。 ダイヤモンド含有組成物のダイヤモンド濃度と密度の関係を示すグラフ図。 ダイヤモンド質量比を所定値に固定したときの、BNの添加の有無による組成物(ダイヤモンド粒径9μm)の熱伝導率の変化を示すグラフ図。 ダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径9μm、ダイヤモンド質量比;80質量%、BN濃度;20質量%)のSEM画像図。 ダイヤモンド質量比を75質量%に固定したダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径9μm)の熱伝導率のBN濃度依存性を示すグラフ図。 ダイヤモンド質量比を80質量%に固定したダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径9μm)の熱伝導率のBN濃度依存性を示すグラフ図。 ダイヤモンド質量比を85質量%に固定したダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径9μm)の熱伝導率のBN濃度依存性を示すグラフ図。 ダイヤモンド質量比を90質量%に固定したダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径9μm)の熱伝導率のBN濃度依存性を示すグラフ図。 ダイヤモンド質量比を75質量%に固定したダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径9μm)の密度のBN濃度依存性を示すグラフ図。 ダイヤモンド質量比を所定値に固定したときの、BNの添加の有無による組成物(ダイヤモンド粒径50μm)の熱伝導率の変化を示すグラフ図。 ダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径50μm、ダイヤモンド質量比;80質量%、BN濃度;20質量%)のSEM画像図。 ダイヤモンド質量比を80質量%に固定したダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径50μm)の熱伝導率のBN濃度依存性を示すグラフ図。 ダイヤモンド質量比を85質量%に固定したダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径50μm)の熱伝導率のBN濃度依存性を示すグラフ図。 ダイヤモンド質量比を90質量%に固定したダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径50μm)の熱伝導率のBN濃度依存性を示すグラフ図。 ダイヤモンド質量比を95質量%に固定したダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径50μm)の熱伝導率のBN濃度依存性を示すグラフ図。 ダイヤモンド質量比を80質量%に固定したダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径50μm)の密度のBN濃度依存性を示すグラフ図。 粒状フィラーと鱗片状フィラーの粒径差が小さいケースの組成物の構造を模式的に示す図。 単純立方格子構造におけるダイヤモンド粒子とBN粒子の大きさの関係を示す説明図。 面心立方格子構造におけるダイヤモンド粒子とBN粒子の大きさの関係を示す説明図。 ダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径50μm)の組成と熱伝導率の関係を示す三角図表。 ダイヤモンド・BN含有組成物(ダイヤモンド粒径9μm)の組成と熱伝導率の関係を示す三角図表。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<高熱伝導性電気絶縁組成物の構成>
図2に模式的に示すように、本発明に係る高熱伝導性電気絶縁組成物は、マトリックス樹脂1と、各々熱伝導性電気絶縁性を有し且つ成分が異なる異種フィラー2,3を含有する。第1のフィラー2は粒状のダイヤモンドであり、第2のフィラー3は鱗片状の六方晶窒化ホウ素BNである。当該組成物の特徴の一つは、熱伝導性フィラーを粒状フィラー2と鱗片状フィラー3の混合フィラーとした点にある。
鱗片状フィラー3は、粒状フィラー2の粒子間を縫って三次元網目構造的に配置され、該鱗片状フィラー3の配向は不揃いになっているとともに、粒子同士が絡み合っている。これにより、鱗片状フィラー3によって三次元網目構造の熱伝導パスが形成されている。
鱗片状フィラー3の粒径(「平均粒径D50」のこと。以下、同じ。)は、粒状フィラー2の粒径よりも小さい。好ましくは、鱗片状フィラー3の粒径は粒状フィラー2の粒径の1/2以下であり、より好ましくは1/4以下である。そこで、ダイヤモンドの粒径を50μmとし、BNの粒径を8μmとしている。
<高熱伝導性電気絶縁組成物の製法>
本発明に係る高熱伝導性電気絶縁組成物の製法を、樹脂1としてシリコーンを採用する例で説明する。
シリコーンの主剤(オルガノポリシロキサン)と硬化剤を所定の割合で混合し、自転・公転ミキサーによって攪拌する。得られたシリコーン原料に粒状フィラー及び鱗片状フィラーを混合して攪拌する。得られた混合物を反応容器に入れ、真空引きによる脱泡を行なった後、シリコーン原料の硬化反応を進める。これにより、高熱伝導性電気絶縁組成物を得る。硬化反応は、加熱(乾燥器中で例えば100℃の温度に1時間保持)によって行なうことができ、或いは常温で進めることもできる。
当該組成物の樹脂分が多いケースでは、フィラーを混合する前にシリコーン原料を加熱して少し硬化させ(前硬化)、フィラーを混合した後にシリコーン原料の本硬化を行なうことが好ましい。前硬化によってシリコーン原料の粘度が高まり、これにより、フィラーの沈降が抑えられ、該フィラーの分散性が向上する。
一方、フィラー表面に対する樹脂の濡れ性を改善する観点からは、主剤とフィラーを混合し攪拌した後に、硬化剤を投入して混合・攪拌することが好ましい。
<鱗片状フィラー含有組成物の異方性について>
上記製法(主剤と硬化剤の混合・攪拌→フィラー混合攪拌→脱泡→加熱硬化)に倣って、熱伝導性フィラーとして鱗片状フィラーであるBNのみを含有するBN含有組成物(樹脂はシリコーン)を調製した。調製した組成物はBNが55質量%と60質量%の2種類であり、各々の熱伝導率を測定した。
この測定のために、図3に示すように、組成物5から垂直に切り出した板状試料5aと、水平に切り出した板状試料5bを準備した。この場合の切り出し方向は、組成物5が反応容器4に収容されていたとき状態でみた方向である。図3に矢符で示すように、熱伝導率は板状試料5a,5b各々の板厚方向に測定した。従って、組成物5が反応容器4に収容されていたとき状態でみると、板状試料5aでは組成物の水平方向の熱伝導率を測定することになり、板状試料5bでは組成物の垂直方向の熱伝導率を測定することになる。以下の説明及び図面において、「水平方向」及び「垂直方向」は、組成物5が反応容器4に収容されていたとき状態でみたときの熱伝導率の測定方向を意味する。ちなみに重力は垂直方向にかかっている。
反応容器4内ではBNのフィラー面が略水平になっているから、板状試料5aでは、BNのフィラー面に沿った方向の熱伝導率が測定されることになり、板状試料5bでは、BNの厚さ方向の熱伝導率が測定されることになる。
結果を図4に示す。同図では、水平方向の熱伝導率が垂直方向の熱伝導率よりも高くなっており、BNのみを混合した組成物は、熱伝導に関して強い異方性が現れること、BNの濃度が高くなるほど、その異方性が強くなることがわかる。BN含有組成物の水平方向の熱伝導率は比較的高くなっているが、BNが60質量%を超えてそれより高くなると、得られる組成物は脆くなるため、その電気機器等への熱伝導材としての利用は難しくなる。
なお、図4以下の熱伝導率に係るグラフにおいて、白抜きのプロットは水平方向の熱伝導率であり、網掛けを入れたプロットは垂直方向の熱伝導率である。
<粒状フィラー含有組成物の熱伝導率等について>
上記製法(主剤と硬化剤の混合・攪拌→フィラー混合攪拌→脱泡→加熱硬化)に倣って、熱伝導性フィラーとして粒状フィラーであるダイヤモンドのみを含有するダイヤモンド含有組成物(樹脂はシリコーン)を作成し、熱伝導率のダイヤモンド濃度依存性を調べた。ダイヤモンドとしては、粒径が9μmと50μmの2種類を用いた。
結果を図5に示す。同図によれば、ダイヤモンド濃度が高くなるに従って熱伝導率が高くなる傾向が認められる。しかし、粒径9μm及び50μmのいずれも、熱伝導率は最大でも2W/(mK)前後程度であり、濃度が80質量%ないし90質量%を超えると、熱伝導率が低下する傾向が認められる。なお、垂直方向と水平方向の熱伝導率の差は小さいことから、当該組成物は等方性を有するということができる。
図6はダイヤモンド含有組成物(樹脂はシリコーン)のダイヤモンド濃度と密度の関係を調べたグラフである。同図の実線はダイヤモンド粒子が全て球形で且つ均一な粒径を有すると仮定した理論曲線であり、4種類の結晶構造について計算した。全ての理論曲線は、低濃度の領域では一致している。但し、4種類の結晶構造各々において、ダイヤモンド濃度の増大によってダイヤモンド粒子が最密充填状態となった後は密度が減少している。これは、ダイヤモンド濃度の増大に伴って、樹脂の量が相対的に少なくなり、つまり、樹脂がダイヤモンド粒子間を埋めることができなくなり、ダイヤモンド粒子間に空隙が形成されていくためである。
実際のダイヤモンド粒径9μm及び50μmの例においても、濃度が80質量%になるまでは、濃度の増大に伴って密度が大きくなり、80質量%を超えるあたりから、濃度の増大に伴って密度が減少しているが、この密度の減少は空隙の形成によることが上記理論曲線からわかる。
この濃度と密度の関係の考察から、図5の熱伝導率の濃度依存性を示すグラフにおいて、濃度が80質量%ないし90質量%を超えると、熱伝導率が低下しているのは、ダイヤモンド粒子間に熱伝導率が極めて低い空隙が形成されたことによることがわかる。また、このことから、ダイヤモンドの増量による熱伝導率の増大には限界があることがわかる。
ここに、熱伝導性フィラーを粒状フィラー2と鱗片状フィラー3の混合フィラーとするアイデアは、粒状フィラー2の濃度を単に高めていったときには組成物中に空隙を生ずるところ、混合フィラーとすることにより、粒状フィラー2の粒子間を鱗片状フィラー3によって埋め、空隙の発生を抑えることによって高熱伝導率を実現するという意図が含まれている。
<実施例
以上を踏まえて、樹脂1としてシリコーンを採用し、粒状フィラー2としてダイヤモンドを採用し、鱗片状フィラー3としてBNを採用して実施例組成物を調製し、その熱伝導率のフィラー濃度依存性を調べた。
使用したダイヤモンドは、粒径9μm及び50μmの2種類であり、それらの熱伝導率は約900−2000W/(mK)である。使用したBNは、粒径8μm、厚さ約200nmであり、その熱伝導率は、面内方向が約121W/(mK)、厚さ方向が約71W/(mK)である。シリコーンの熱伝導率は約0.17W/(mK)である。
組成物の調製は上記製法(主剤と硬化剤の混合・攪拌→フィラー混合攪拌→脱泡→加熱硬化)によって行なった。
具体的には、ダイヤモンド粒径9μm及び50μm各々について、ダイヤモンドとシリコーンの合計量(シリコーン+ダイヤモンド)に対するダイヤモンドの質量比(以下、「ダイヤモンド質量比」という。)をいくつかの所定値に固定し、全体(シリコーン+ダイヤモンド+BN)に対するBN濃度を変えた各組成物を調製し、それらの熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
[ダイヤモンド粒径9μmのケース]
図7は(シリコーン+ダイヤモンド)に対するダイヤモンド質量比を60〜90質量%の範囲の所定値に固定し、全体(シリコーン+ダイヤモンド+BN)に対するBN濃度を0質量%にしたとき(同図の三角プロット)と20質量%にしたとき(同図の丸プロット)の、各組成物の熱伝導率の測定結果を示す。枠囲みしたプロットのダイヤモンド質量比は同じである。同図から、BNの添加によって熱伝導率が増大していることがわかる。
(シリコーン+ダイヤモンド)に対するダイヤモンド質量比を80質量%に固定し、全体に対するBN濃度を20質量%にした組成物については、水平方向と垂直方向の熱伝導率を測定したが、両方向の熱伝導率差は殆どなく、当該組成物は熱伝導に関して等方性を有することがわかる。熱伝導に関して異方性を有するBNを20質量%添加しているにも拘わらず、得られた組成物が等方性を有するということは、そのBNはダイヤモンド粒子間を縫って三次元網目構造に配置されて配向が不揃いになっていることを推測させる。
図8は組成物((シリコーン+ダイヤモンド)に対するダイヤモンド質量比;80質量%、全体に対するBN濃度;20質量%)のSEM画像である。同図の丸aの部分ではBNが横になってダイヤモンド粒子間に配置されているが、その他ではBNが斜めになってダイヤモンド粒子間に配置されている部分が認められ、BNの配向が不揃いになっていることがわかる。
図9〜図12は、(シリコーン+ダイヤモンド)に対するダイヤモンド質量比を75質量%、80質量%、85質量及び90質量%の各々に固定し、全体に対するBN濃度を0質量%から10質量%刻みで増大させたときの、各組成物の熱伝導率の測定結果を示す。ダイヤモンド質量比が75質量%と80質量%であるときは、いずれも熱伝導率のピークがBN濃度20質量%付近に現れており、熱伝導率のBN濃度依存性は同様の傾向を示している。BN濃度が20質量%を超えて高くなると、熱伝導率が低下していくのは、組成物中に空隙を生ずるためと認められる。
実際、ダイヤモンド質量比を75質量%に固定したケースについて、組成物の密度のBN濃度依存性を調べたところ、図13に示すように、BN濃度が20質量%を超えると、BN濃度の増大に伴って組成物の密度が大きく減少することが認められた。同図の実線は組成物中に空隙がないと仮定して計算した組成物の密度の理論曲線であり、BN濃度が0質量%であるときの組成物の密度よりもBN単独の密度(2.27g/cm)が高いため、理論曲線では、BN濃度が増大にするに従って組成物密度が漸増している。これに対して、BN濃度が30質量%、40質量%では、組成物密度の実測値と理論値に大きな差を生じており、これは、BN濃度が30質量%付近で、BN濃度が増加するにつれて空隙が急速に発生し始めていることを示している。
図11及び図12に示すように、(シリコーン+ダイヤモンド)に対するダイヤモンド質量比が85質量%、90質量%と高くなると、BNの添加による熱伝導率の増大幅が小さくなり、熱伝導率のピークもBN質量比が低い側にシフトする傾向がみられる。この結果は、ダイヤモンドとBNを合わせた全フィラー量が多くなって、組成物中に空隙を生じたためと認められる。
[ダイヤモンド粒径50μmのケース]
図14は(シリコーン+ダイヤモンド)に対するダイヤモンド質量比を60〜95質量%の範囲の所定値に固定し、全体(シリコーン+ダイヤモンド+BN)に対するBN濃度を0質量%にしたとき(同図の三角プロット)と20質量%にしたとき(同図の丸プロット)の、各組成物の熱伝導率の測定結果を示す。枠囲みしたプロットの(シリコーン+ダイヤモンド)に対するダイヤモンド質量比は同じである。ダイヤモンド粒径50μmのケースにおいても、ダイヤモンド粒径9μmのケースと同じく、BNの添加によって熱伝導率が増大しているが、その増大幅はダイヤモンド粒径9μmのケースよりも大きい。
(シリコーン+ダイヤモンド)に対するダイヤモンド質量比を85質量%に固定し、全体に対するBN濃度を20質量%にした組成物については、水平方向と垂直方向の熱伝導率を測定したが、両方向の熱伝導率差は小さく、当該組成物は熱伝導に関して等方性を有することがわかる。この結果は、BNがダイヤモンド粒子間を縫って三次元網目構造に配置されて配向が不揃いになっていることを推測させる。
図15は組成物((シリコーン+ダイヤモンド)に対するダイヤモンド質量比;80質量%、全体に対するBN濃度;20質量%)のSEM画像である。同図の丸aの部分に示されるように、ダイヤモンド粒子間に粒径の小さな多数のBN粒子が配向不揃いの状態で介在し、このBNが三次元網目構造の熱伝導パスを形成していることがわかる。
図16〜図19は、(シリコーン+ダイヤモンド)に対するダイヤモンド質量比を80質量%、85質量%、90質量%及び95質量%の各々に固定し、全体に対するBN濃度を0質量%から10質量%刻みで増大させたときの、各組成物の熱伝導率の測定結果を示す。ダイヤモンド質量比が80〜90質量%であるときは、熱伝導率のピークがBN濃度20〜30質量%付近に現れており、高い熱伝導率が得られている。特に、ダイヤモンド質量比が85質量%であり、BN濃度が20質量%であるときの水平方向の熱伝導率は6.1W/(mK)と極めて高くなっている。
ダイヤモンド粒径50μmのケースにおいても、熱伝導率のBN濃度依存性に関して、熱伝導率にピークが現れ、さらにBN濃度が高くなると、熱伝導率が低下する傾向が見られるが、これは、組成物中に空隙を生ずるためと認められる。
実際、(シリコーン+ダイヤモンド)に対するダイヤモンド質量比を80質量%に固定したケースについて、組成物の密度のBN濃度依存性を調べたところ、図20に示すように、全体に対するBN濃度が20質量%を超えると、BN濃度の増大に伴って組成物の密度が大きく減少することが認められた。同図の実線は組成物中に空隙がないと仮定して計算した組成物の密度の理論曲線であり、BN濃度が0質量%であるときの組成物の密度よりもBN単独の密度(2.27g/cm)が低いため、理論曲線では、BN濃度が増大にするに従って組成物密度が漸減している。これに対して、BN濃度が30質量%、40質量%では、組成物密度の実測値と理論値に大きな差を生じており、これは、BN濃度が30質量%付近で、BN濃度が増加するにつれて空隙が急速に発生し始めていることを示している。
[ダイヤモンド粒径が熱伝導率に与える影響]
例えば、ダイヤモンド質量比が80質量%であるときの、ダイヤモンド粒径9μm及び50μm各々の熱伝導率の測定結果(図10,図16)から明らかなように、組成物の組成が同じでも、ダイヤモンド粒径によって熱伝導率は異なる。すなわち、ダイヤモンド粒径が小さいときは熱伝導率が低くなっている。
これは、図21にダイヤモンド粒径とBN粒径の差が小さいケースの組成物構造を模式的に示すように、複数のダイヤモンド粒子で囲まれた隙間に入るBN粒子が少なく、BN粒子の多くが、相隣る2つのダイヤモンド粒子に挟まれ、BN粒子がダイヤモンド粒子に面接触した状態に配向しやすいためと考えられる。つまり、この場合は、BN粒子はダイヤモンドの粒子から粒子への熱伝導を熱伝導率が低い厚さ方向において担うことになり、ダイヤモンド粒子間の熱伝導性が悪化するということである。また、BN粒子が相隣る2つのダイヤモンド粒子に挟まれた状態になると、このダイヤモンド粒子間の隙間が大きくなる。そのため、フィラー濃度を高めていくと、相対的にダイヤモンド粒子間の隙間を埋めるに必要なシリコーン量が不足し、ダイヤモンド粒子間に空隙を生じて界面熱抵抗が高くなり、その結果、組成物の熱伝導率が低下する。
これに対して、ダイヤモンド粒径が、50μmというように、BN粒子の粒径(約8μm)に対して相対的に大きくなると、図2に模式的に示すように、BN粒子がシリコーンに置換して複数のダイヤモンド粒子によって囲まれた隙間に入りやすくなり、BN粒子の配向が不揃いになりやすい。その結果、ダイヤモンド粒子とダイヤモンド粒子間の隙間との界面熱抵抗が小さくなるととともに、ダイヤモンド粒子間においてBN粒子の面内方向に熱が伝わる確率が高くなり、当該粒子間の熱伝導が良好になると考えられる。また、BN粒子が相隣るダイヤモンド粒子に挟まれた状態になることが少なくなり、つまり、ダイヤモンド粒子間の隙間が大きくなって空隙を生ずることが少なくなり、空隙による界面熱抵抗の増大が抑えられる。
[BN粒子とダイヤモンド粒子の好ましい粒径比]
BN粒子がダイヤモンド粒子間の隙間に配向が不揃いになった状態に配置されるための、BN粒子とダイヤモンド粒子の好ましい粒径比について検討する。ここに、ダイヤモンド粒子を球形で且つ均一粒径であると仮定したときの球充填を考えると、ダイヤモンド粒子が単純立方格子構造をとるときに粒子間の隙間が最も大きくなり、面心立方格子構造(又は六方最密充填構造)をとるときに粒子間の隙間が最も小さくなる。
単純立方格子構造での粒子間の隙間の大きさは、立体的に考えると、つまり、粒子間に入り得る球の直径Dbで考えると、ダイヤモンド粒子の直径をDdとしたとき、Db=((√3)−1)×Ddとなる。概算ではDb=3/4×Ddとなる。従って、立体的配置の観点からは、BN粒子の平均粒径は、ダイヤモンド粒子の平均粒径の3/4以下であることが好ましいということができる。
一方、BN粒子がダイヤモンド粒子によって囲まれた隙間に外から入りやすいか否かの観点からは、単純立方格子構造を図22に示すように平面的に検討する必要がある。すなわち、4つの相接するダイヤモンド粒子2で囲まれた隙間の大きさDbの検討である。同図に示すように、斜めに相対する粒子2の中心間距離(ac)=(√2)×Ddであるから、Db=((√2)−1)×Ddとなり、概算ではDb=1/2×Ddとなる。従って、平面的配置の観点からは、BN粒子の平均粒径は、ダイヤモンド粒子の平均粒径の1/2以下であることが好ましいということができる。
次に面心立方格子構造について検討する。この場合の粒子間の大きさは、立体的に(粒子間に入り得る球の直径Dbで)考えると、Db=((√2)−1)×Dd(概算ではDb=1/2×Dd)である。従って、立体的配置の観点からは、BN粒子の平均粒径は、ダイヤモンド粒子の平均粒径の1/2以下であることが好ましいということができる。
次いで、BN粒子がダイヤモンド粒子によって囲まれた隙間に外から入りやすいか否かの観点から、面心立方格子構造を平面的に検討する。すなわち、図23に示すように、3つの相接するダイヤモンド粒子2で囲まれた隙間の大きさDbの検討である。
同図において、1/2×Db=(ac)−(ad)−(ce)である。(ac)=(√3)/2×Dd、(ad)=1/2×Dd、(ce)=1/(2√3)×Ddであるから、1/2×Db=((√3)/2−1/2−1/(2√3))×Ddとなり、概算では、Db=1/6×Ddとなる。従って、平面的配置の観点からは、BN粒子の平均粒径は、ダイヤモンド粒子の平均粒径の1/6以下であることが好ましいということができる。なお、(ac)、(ad)及び(ce)各々は、ac間の距離、ad間の距離、ce間の距離を表す。
[組成物の各成分の好ましい質量比]
図24は上記ダイヤモンド粒径50μmのケースの組成物の組成と熱伝導率の関係を示す三角図表である。同図において、同じ組成で異なる2つの熱伝導率が得られているケースでは、熱伝導率が高い方を採用している。同図によれば、ダイヤモンド、BN及びシリコーンの質量比が点A1(90:6:4)、点B1(77:20:3)、点C1(42:51:7)、点D1(42:43:15)、点E1(54:20:26)及び点F1(75:6:19)を結ぶ直線で囲まれる範囲にあるとき、熱伝導率が2W/(mK)以上になることが見込まれる。
図25は上記ダイヤモンド粒径9μmのケースの組成物の組成と熱伝導率の関係を示す三角図表である。同図において、同じ組成で異なる2つの熱伝導率が得られているケースでは、熱伝導率が高い方を採用している。同図によれば、ダイヤモンド、BN及びシリコーンの質量比が点A2(79:10:11)、点B2(70:20:10)、点C2(42:43:15)、点D2(57:20:23)及び点E2(72:10:18)を結ぶ直線で囲まれる範囲にあるとき、熱伝導率が2W/(mK)以上になることが見込まれる。
上記図24及び図25に示す組成物の三成分の質量比と熱伝導率の関係を踏まえると、BNの粒径がダイヤモンドの粒径の1/2以下であるときは、ダイヤモンド、BN及びシリコーンの質量比が図1の点A1(90:6:4)、点B1(77:20:3)、点C1(42:51:7)、点D1(42:43:15)、点E1(54:20:26)及び点F1(75:6:19)を結ぶ直線で囲まれる範囲にあることが好ましく、BNの粒径が1/2よりも大きいときは、当該三成分の質量比が図1の点A2(79:10:11)、点B2(70:20:10)、点C2(42:43:15)、点D2(57:20:23)及び点E2(72:10:18)を結ぶ直線で囲まれる範囲にあることが好ましいということができる。
1 マトリックス樹脂
2 粒状フィラー
3 鱗片状フィラー
4 反応容器
5 組成物

Claims (2)

  1. 樹脂と、熱伝導性及び電気絶縁性を有する第1フィラーと、熱伝導性及び電気絶縁性を有し上記第1フィラーとは種類が異なる第2フィラーとを含有する高熱伝導性電気絶縁組成物であって、
    上記第1フィラーは粒状のダイヤモンドであり、上記第2フィラーは鱗片状の六方晶窒化ホウ素であり、
    上記粒状第1フィラーの平均粒径D50は50μmであり、
    上記鱗片状第2フィラーの平均粒径D50は8μmであり、
    上記粒状第1フィラー、上記鱗片状第2フィラー及び上記樹脂の質量比が、図1に示す三角図表の点A1(90:6:4)、点B1(77:20:3)、点C1(42:51:7)、点D1(42:43:15)、点E1(54:20:26)及び点F1(75:6:19)を結ぶ直線で囲まれる範囲内にあり、
    上記鱗片状第2フィラーが、上記粒状第1フィラーの粒子間を縫って三次元網目構造的に配置され、該鱗片状第2フィラーの配向が不揃いになっていることを特徴とする高熱伝導性電気絶縁組成物。
  2. 請求項1において、
    上記樹脂はシリコーンであることを特徴とする高熱伝導性電気絶縁組成物。
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