JP2024507261A - ポリシロキサン分散剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の不利な点を解決する、非水性組成物中における固体粒子のための分散剤としての複数のシロキサン基を有するポリシロキサンの使用を提供し、かつ複数のシロキサン基を有するポリシロキサン、分散媒、及び固体粒子を有する非水性組成物を提供する。【解決手段】ポリシロキサンであって複数のシロキサン基及びポリシロキサンに共有結合した少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサンの、分散媒を有する非水性組成物中における固体フィラー粒子のための分散剤としての使用であって、フィラー粒子の含有量が分散媒100重量部あたり500~2500重量部の範囲である、使用。【選択図】なし

Description

本発明は、非水性組成物中における固体粒子のための分散剤としての複数のシロキサン基を有するポリシロキサンの使用に関し、また、複数のシロキサン基を有するポリシロキサン、分散媒、及び固体粒子を有する非水性組成物に関する。本発明は、さらに、非水性組成物中で固体粒子を分散させる方法に関する。
多数かつ多種の物質を、顔料及びフィラーのための分散剤として用いることができる。低い分子量を有する単純な化合物、例えば、脂肪酸及びその塩、又は種々のシラン、例えばアルキル若しくはビニルシランの他に、例えば複雑な構造体も用いられる。
EP0931537B1は、ポリシロキサン含有化合物による、オイル含有組成物中における有機及び無機粉末の分散を記載している。ポリマーは、ビニルポリシロキサンマクロモノマーと他のビニルモノマーとのラジカル共重合によって調製され、この他のビニルモノマーは、窒素含有基、ポリオキシアルキレン基、アニオン基、又はポリラクトン基を有する。
US9217083B2は、少なくとも1つのポリシロキサン基、及び、少なくとも1つのアミン及び少なくとも1つのエポキシドの付加化合物の骨格構造を有するコポリマーを記載している。この発明は、さらに、上記製品の、オイル系組成物における、特にはシリコーン含有組成物における、有機及び無機の顔料及びフィラーのための分散剤としての使用に関する。
US7329706B2は、熱伝導性のシリコーン組成物を記載しており、これは、オルガノポリシロキサン、熱伝導性フィラー、及び、分散剤としてのアルコキシシラン基を有する特定のポリシロキサンマクロモノマーを含有する。
EP2107078A1は、無水物官能型ポリシロキサンを調製するための、Si-H官能型ポリシロキサンとアリルコハク酸無水物との反応を記載している。無水物官能型ポリシロキサンは、その後に、加水分解されて、ジカルボン酸官能型ポリシロキサンを形成する。二酸化チタン粉末及び亜鉛酸化物を、この物質で処理する。
JP2020/059771Aは、シリコーン構造、及び、このシリコーン構造の1つの末端のジカルボン酸無水物構造を有する分散剤を記載している。分散剤は、ジルコニアを処理するために用いられ、これは、後に、シリコーンオイル中に分散される。
従来技術の分散剤は、分散された顔料及び/又はフィラーの許容可能な安定性を提供する一方で、改善された系への要求、顔料の沈降を低減することへの要求、顔料分散体の色忠実性の向上への要求、粘性を低減することへの要求、及び、異なる組成物に関する分散剤の比較的広い適合性、例えば高無極性組成物(例えば、オイル系組成物及びシリコーン系組成物)との適合性、を確保することへの要求が依然としてある。
シリコーン含有組成物は、非硬化性又は硬化性の組成物であってよく、硬化は、例えば、縮合硬化又は付加硬化であってよい。付加硬化の場合には、組成物が、2成分からなり、SiH-及びビニル-官能型オルガノポリシロキサン成分、並びに典型的にはプラチナ系触媒が、用いられる。組成物がさらに機能性の1若しくは複数のフィラー又は1若しくは複数の顔料を含む場合には、分散剤は、一般的に、1若しくは複数のフィラー又は1若しくは複数の顔料とシリコーンとを相溶化するために用いられる。既知の分散剤は、1若しくは複数のフィラー又は1若しくは複数の顔料を完全に分散させるためには不十分であることが見いだされた。特に、組成物の十分な粘性を達成すると同時に、硬化プロセスへの悪影響を有しないことは可能でなかった。
現代的な電子機器の分野において、熱管理は、一定のますます重要な役割を果たす。熱伝導性材料がなければ、マイクロエレクトロニクス技術における進歩は、これまでにない高い速度でシグナル及びデータを処理する電子装置をもたらさなかったであろう。電子装置及び/又は集積回路(IC)装置、例えば、マイクロプロセッサ、メモリ装置、プリント回路などが、より小さくなるとともに、熱放散要件が、より大きくなっている。
ポッティング材、ガスケット、はんだペースト、アンダーフィル、サーマルインターフェイル材料(熱界面材)(例えば、熱ギャップフィラー、ギャップパッド、シルパッド(sil-Pad)、相変化材料、熱伝導性グリース、熱ゲル、Thermal Clad材(熱クラッド材)、熱封入材)、接着剤、封止剤、及び被覆における高い熱伝導性を達成するために、高い熱伝導性粒子の充填が、必要とされている。これらの高度に充填された系の大きな不利な点は、高いフィラー充填度が、伝導性材料粘性を、望ましくない高い程度にまで増加させ、適用特性を大幅に損なう点である。
本発明は、上記の不利な点を、効果的な分散効果及び硬化速度を組み合わせることによって、解決又は軽減することを目指す。
本発明は、ポリシロキサンであって複数のシロキサン基を有しておりこのポリシロキサンに共有結合的に結合された少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサンの、分散媒を含む非水性組成物における固体フィラー粒子のための分散剤としての使用に関し、フィラー粒子の含有量は、分散媒の100重量部あたり、500~2500重量部の範囲である。
上記の使用は、非水性組成物中に顔料/フィラーを分散させる方法としても記載でき、この方法は、ポリシロキサンであって複数のシロキサン基を有しておりかつこのポリシロキサンに共有的に結合された少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサンを、固体粒子を含む非水性組成物に添加する工程、その後に、非水性組成物中で固体粒子を分散させる工程を含む。この液体組成物は、そのままで用いてよく、又は、架橋剤とさらに反応させて硬化組成物を得てよい。そのような場合には、液体組成物の硬化機構に関して制限はなく、これは、例えば、ヒドロシリル化反応、縮合反応、付加反応、又は有機過酸化物誘導フリーラジカル反応に基づいてよい。
非水性組成物は、水の含有量が、組成物の重量に基づいて計算して、10重量%未満、好ましくは5重量%未満の組成物である。いくつかの実施態様では、非水性組成物が、水を含有せず、又は実質的に水を含有しない。
ポリシロキサンであって複数のシロキサン基を有しておりかつポリシロキサンに共有結合した少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサンの、固体粒子を含有する組成物中における分散体としての使用が、改善された分散特性を提供することが見いだされた。ポッティング材、ガスケット、はんだペースト、アンダーフィル、熱界面材(サーマルインターフェース材)、例えば、熱ギャップフィラー、ギャップパッド、silパッド、相変化材、熱伝導性グリース、熱ゲル、熱クラッド材、熱封入材、接着剤、封止剤、及びコーティング組成物において用いられたときに、粘度を低減することができる。
非水性組成物の、熱界面材(サーマルインターフェース材)としての使用が好ましく、特には、電子部品における熱界面材(サーマルインターフェース材)としての使用が好ましい。
上記のように、ポリシロキサンは、ポリシロキサンに共有結合した少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有する。環状カルボン酸無水物の加水分解産物は、対応するジカルボン酸又はその塩である。環状カルボン酸無水物基の適切な例は、ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2,3-ジカルボン酸無水物、5‐ノルボルネン‐2,3-カルボン酸無水物、1-シクロペンテン‐1,2-ジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アリルコハク酸無水物に由来するものである。いくつかの実施態様では、環状カルボン酸無水物基が、5員環の形態で存在する。さらなる実施態様では、この少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基が、アリルコハク酸無水物に由来する。別の実施態様では、環状カルボン酸無水物基が、6員環として存在する。ポリシロキサンがポリシロキサンに共有結合された2以上の環状カルボン酸無水物基を有する場合には、個々の無水物基は、同一又は異なるタイプであってよい。いくつかの実施態様では、ポリシロキサンが、それに共有結合された2超の環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有する。別のさらなる実施態様では、ポリシロキサンが、それに結合した2つの環状カルボン酸無水物基を有する。よりさらなる実施態様では、ポリシロキサンが、それに結合した1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有する。しかしながら、ポリシロキサンの混合物を用いることも可能であり、例えば、第1のポリシロキサンであってそれに結合された1以上の環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有する第1のポリシロキサン、及び、第2の異なるポリシロキサンであってそれに結合した1以上の環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有する第2のポリシロキサン、の混合物を用いることも可能である。環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物は、ポリシロキサン鎖に沿って、種々の位置に配置されてよい。いくつかの実施態様では、少なくとも1つの無水物基が、ポリシロキサン鎖の2つの末端部における末端基として、ポリシロキサンに共有結合している。2つの無水物基がポリシロキサン鎖の2つの末端部に位置するポリマー形態は、ABAポリマーとしても言及されうる。さらなる実施態様において、少なくとも1つの無水物基は、ポリシロキサン鎖の1つの末端部のみで末端基としてポリシロキサンに共有結合している。無水物基のみがポリシロキサン鎖の1つの末端部のみに位置しているポリマー形態は、マクロモノマーとしても言及されうる。代替的には、又は追加的に、少なくとも1つの無水物基が、非末端位置で、ポリシロキサンに共有結合している。複数の無水物基が異なる位置においてポリシロキサン鎖からぶら下がっているポリマー形態は、コームポリマー(櫛型ポリマー)としても言及されうる。
複数のシロキサン基を有するポリシロキサンは、一般に、それに共有結合した1~15の環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有する。好ましい実施態様では、1~10、より好ましくは1~2の環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物が、ポリシロキサンに共有結合している。いくつかの実施態様では、異なる数の環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有する複数のポリシロキサンの混合物を用いてよい。そのような混合物を用いる場合には、環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物の数は、環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物の平均の数に関係する。好ましい実施態様では、平均して0.7~3.0の環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物が、ポリシロキサン分子に共有結合している。
複数のシロキサン基を有するポリシロキサンであってこのポリシロキサンに共有結合した少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサンは、既知の方法に従って調製できる。好ましい実施態様では、環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物が、Si-C結合を介してポリシロキサンに結合している。
1つの実施態様では、対象の化合物は、ヒドロシリル化反応によって調製され、複数のシロキサン基及び少なくとも1つのSi-H基を有するポリシロキサンを、エチレン性不飽和基を有する無水化合物と反応させる。そのような反応は、一般に、金属に基づく触媒によって触媒される。そのようなヒドロシリル化反応の詳細及び適切な条件は、一般的に知られている。
用いられるヒドロシリル化触媒は、好ましくは、貴金属及びその化合物であり、例えば、白金、ロジウム、及びパラジウム、並びのこれらの化合物であり、より好ましくは白金化合物である。特に好ましい白金化合物は、ヘキサクロロ白金酸、ヘキサクロロ白金酸のアルコール溶液、白金と脂肪族不飽和炭化水素化合物との錯体、及び、白金‐ビニルシロキサン錯体である。しかしながら、白金ブラック及び活性炭上の白金を用いることも可能である。例えば、白金化合物を用いる場合には、白金金属としての1~50ppmが、好ましく用いられる。
ヒドロシリル化反応の進行は、残余のSiH基のガス体積決定、又は赤外線スペクトロメトリー(2150cm-1での水素化ケイ素の吸収バンド)によって、監視できる。本発明のポリシロキサンは、好ましくは、残余Si-H基を有しない。
複数のシロキサン基を有するポリシロキサンであってこのポリシロキサンに共有結合した少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサンを、エチレン性不飽和無水物のヒドロシリル化反応によって調製する場合には、ポリシロキサンと少なくとも1つの無水物基との間の共有結合が形成される。本発明に従って用いられるポリシロキサンの調製のために適しているエチレン性不飽和無水物の1つの特定の例は、アリルコハク酸無水物である。
上記の合成経路は、複数のシロキサン基及び少なくとも1つのSi-H基を有するポリシロキサンを開始物質として必要とする。少なくとも1つのSi-H基を有する適切なポリシロキサンは、下記の一般式(I)によって表現できる:
M´D´ (I)
ここで、
・Mは、[RSiO1/2]を表し、
・M´は、[RSiHO1/2]を表し、
・Dは、[RSiO2/2]を表し、
・D´は、[RSiHO2/2]を表し、
・Tは、[RSiO3/2]を表し、
・Qは、SiO4/2]を表し、
・aは、0~10の整数、好ましくは0~1の整数、より好ましくは1であり、
・bは、0~10の整数、好ましくは1~2の整数、より好ましくは1であり、
・cは、0~500の整数、好ましくは2~300の整数、より特には5~250の整数であり、
・dは、0~100の整数、好ましくは0~50の整数、より特には0~30の整数であり、
・eは、0~10の整数、好ましくは0~5の整数、より特には0であり、
・fは、0~10の整数、好ましくは0~5の整数、より特には0であり、
a+b≧2かつb+d≧1の条件を満たし、
・Rは、互いに独立に、C~C30の炭化水素ラジカルを表し、好ましくは、メチル、オクチル、又はフェニル、(α-メチル)スチリル、より好ましくはメチルを表す。
M、D、T及びQを用いたポリシロキサンの記述は、本分野で一般的に知られている。
一般に、SiH基を有するポリシロキサンは、従来知られている古典的な平衡反応を用いて合成される。
一般に、ポリシロキサンは、1~15のSiH基、好ましくは1~10、より好ましくは1~2のSiH基を有する。一般に、ポリシロキサンは、4~70のケイ素原子を有し、好ましくは10~50のケイ素原子を有する。
所望される場合には、ポリシロキサンであって複数のシロキサン基及びこのポリシロキサンに共有結合された2つの無水物基を有するポリシロキサンは、他の適切な合成経路によって調製でき、例えば、ABA構造の無水物官能型ポリシロキサンの平衡反応、例えばEP0112845B1、特にはこの文献の例4に記載のもの、によって調製できる。
ポリシロキサンであって複数のシロキサン基及びこのポリシロキサンに共有結合された少なくとも1つの無水物基を有するポリシロキサンの数平均分子量は、一般に、300~15000g/molの範囲であり、好ましくは500~10000g/molの範囲であり、さらにより好ましくは800~8000g/molの範囲である。
数平均分子量は、セパレーションモジュールWaters2695及び屈折率検出器Waters2414を用いて22℃で行われるゲル浸透クロマトグラフィーによって決定できる。トルエンが適切な溶出剤であり、校正のためにポリジメチルシロキサン標準を用いる。
随意に、ポリシロキサンであって複数のシロキサン基及びこのポリシロキサンに共有結合された少なくとも1つの無水物基を有するポリシロキサンが、追加の構造部分を有してよい。そのような随意の部分は、それが用いられる系との相溶性、及びポリシロキサンの他の特性を調節しかつ微調整するために追加されてよい。そのような随意の部分の例は、ポリエーテル部分、例えばポリエチレンオキシド及び/又はポリプロピレンオキシドに基づくもの、ポリエステル部分、炭化水素部分、フッ素化炭化水素部分、及びポリウレタン部分である。これらの随意の部分は、ヒドロシリル化又は脱水素縮合によってポリシロキサン骨格に結合されてよい。そのような脱水素縮合反応は、金属錯体によって適切に触媒される。この反応タイプは、ドイツ特許出願DE102005051939Aに記載されている。これらの随意の部分は、好ましくは、ヒドロシリル化によってポリシロキサン骨格に接続される。
多くの実施態様において、ポリシロキサンであって複数のシロキサン基及びこのポリシロキサンに共有結合された少なくとも1つの無水物基を有するポリシロキサンは、室温で液体である。これは、本発明に従って用いることができ、かつ100%活性物質としてそのままで液体組成物中に添加されてよい。所望される場合には、ポリシロキサンは、液体組成物中に添加される前に、有機溶媒又はオイル又はシリコーンで希釈されてもよい。よりさらなる実施態様では、ポリシロキサンが、エマルジョン又は分散体として液体組成物中に含有されてよい。液体組成物は、好ましくは、効果的な分散特性を達成する量で、ポリシロキサンを含有する。この特定の量は、固体粒子の含有量、例えば組成物中における顔料及び/又はフィラーの含有量に依存し、かつ必要とされる分散の程度に依存する。一般に、液体組成物は、ポリシロキサンを、0.001重量%~10.000重量%、好ましくは0.010重量%~8.000重量%、より好ましくは0.050重量%~7.000重量%、又は0.060重量%~6.000重量%、又は0.080重量%~5.000重量%、特には0.100~2.000重量%で、含有し、これらはそれぞれ組成物の合計重量に基づく。
本発明に係る顔料及び/又はフィラーの分散体は、幅広い範囲の配合物で用いることができ、例えば、樹脂、オイル、グリース、潤滑剤、ゴム材料、ポッティング材、ガスケット、はんだペースト、アンダーフィル、熱界面材(サーマルインターフェース材)(例えば、熱ギャップフィラー、ギャップパッド、silパッド、相変化材、熱伝導性グリース、熱ゲル、サーマルクラッド材、熱封入材)、接着剤、封止剤、コーティング、ワックス、又は材料組成物で用いることができる。分散体は、ボディケア産業で製造される配合物で用いてもよく、又は、エレクトロニクス産業における電子用途で、海洋産業で、医療用途のために、建築産業において、又は電子、電池、及び自動車産業において、用いてもよい。
例としては、美容製品、電子ペーパー、例えば、Eブックにおけるディスプレイ、マイクロエレクトロニクスチップの封入体、潜水スキンコーティング、例えば、防汚コーティング、シリコーンチューブ、又はブレーキ部品のための潤滑性添加剤が挙げられる。
分散体は、サーマルインターフェース材(TIM、サーマルインターフェースマテリアル)製品において用いることに特に適している。これらの材料は、装置又はその部品の間のインターフェースとして、これらの装置(例えばマイクロプロセッサ)からの熱を放散するために用いられる。1つの典型的なTIMは、典型的には、ポリマーマトリックス及び1又は複数の熱伝導性フィラーを有する。電子装置のために用いられるこのTIM技術は、複数の種類の材料を包含し、例えば、エポキシ、グリース、シート、パッド、相変化材、充填ポリマーマトリックス、例えばエラストマー、ゲル、炭素系材料、接着剤を包含する。米国特許番号6,469,379は、ビニル末端ケイ素ポリマー;末端水素化ケイ素単位を有するシリコーン架橋剤、鎖延長剤、及び熱伝導性フィラー、例えば金属(例えば、アルミニウム、銀、など)及び/又はセラミック(例えば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、亜鉛酸化物、など)を有するシリコーン系TIMを記載している。
サーマルインターフェース材としての非水性組成物の使用が好ましく、電子部品におけるサーマルインターフェース材としての使用が特に好ましい。
本発明の1つの実施態様は、分散体を製造する方法に関し、この方法は、少なくとも1つのシリコーンオイル及びシリコーンゴム材料からなる群から選択される媒体中で、少なくとも1つの顔料及び/又はフィラーを、本発明に係る少なくとも1つの無水物修飾ポリシロキサンの下で、混合することを含む。これらの分散体は、好ましくは、顔料調製物及び/又はフィラー調製物であり、好ましくは種々の組成物のために用いられる。
さらなる実施態様では、乾燥フィラーを、ポリシロキサンであって複数のシロキサン基及びこのポリシロキサンに共有結合された少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサンで処理して、乾燥フィラーの表面を改質し、その後に、処理されたフィラーを、分散媒と混合する。
好ましい実施態様では、非水性組成物が、複数のシロキサン基及び少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサンとは異なる分散媒を含有する。
さらなる好ましい実施態様では、分散媒が、シリコーンを含む。いくつかの実施態様では、シリコーンが、シリコーンオイル又はシリコーンゴムである。
シリコーンオイルの例としては、下記の構造のものが挙げられる:
Figure 2024507261000003
ここで、Rは、水素、ヒドロキシル基、2~20炭素原子を有するアルキル又はフッ素化アルキル基、アリール基、アミノアルキル基、C6~22アルコキシ基、及び式(CHSiO[(CHSiO]Si(CHCHCH-の基であって式中、yが0~500の整数である基、からなる群から選択される。Rは、C1-20のアルキル基である。式(II)において、hは、0~1000の整数であり、iは、0~1000の整数であり、ただし、h+iは1~2000であり、j及びkはそれぞれ、互いに独立に、0、1、2、又は3である。式(III)において、l及びmは、0~8の整数であり、l+mが、3~8の範囲であり、式(IV)において、zは、1~4の整数である。ラジカルRの例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、トリフルオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、ヘプタデシルフルオロデシル、フェニル、アミノプロピル、ジメチルアミノプロピル、アミノエチルアミノプロピル、ステアロキシ、ブトキシ、エトキシ、プロポキシ、セチロキシ、ミリスチロキシ、スチリル、及びアルファ-メチルスチリルが挙げられ、これらの中で好ましいものは、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、トリフルオロプロピル、フェニル、アミノプロピル、及びアミノエチルアミノプロピルである。シリコーンオイルの例としては、低い又は高い粘度を有するオルガノポリシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチル-ハイドロジェンポリシロキサン、及びジメチルシロキサン-メチル-フェニルシロキサンコポリマー、が挙げられ、例えば、シクロシロキサン、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチル‐シクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン(H4)、及びテトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、であり;トリス-トリメチルシロキシシラン(M3T)、テトラキストリメチルシロキシシラン(M4Q)であり;分岐シロキサン、例えば、トリストリメチルシロキシプロピルシラン、トリストリメチルシロキシ-ブチルシラン、トリストリメチルシロキシヘキシルシラン、及びトリメチルシロキシフェニルシラン、であり、例えば;高級アルコール修飾シリコーン、例えばステロキシシリコーンであり;アルキル修飾シリコーン、アミノ修飾シリコーン、及びフッ素修飾シリコーンである。
いくつかの実施態様では、シリコーン分散媒が、架橋性シリコーンである。架橋性シリコーンは、複数の形態及び化合物で存在でき、例えば、シリコーンオイル、固形物高含有シリコーン、水性シリコーン、シリコンアルキド、シリコン化ポリエステル、又はシリコン化アクリル樹脂として存在してよい。架橋は、湿分硬化、ヒドロシリル化硬化、放射線硬化、フリーラジカル誘導硬化、又は放射線及び熱硬化の組み合わせ(二重硬化)によって起こってよい。架橋性シリコーンは、シリコーンゴム又は液体シリコーンゴムとしても言及される。
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、及び他の直鎖アルキル基;イソプロピル、三級ブチル、イソブチル、2-メチルウンデシル、1-ヘキシルヘプチル、及び他の分岐アルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロドデシル、及び他の環状アルキル基;ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、及び他のアルケニル基;フェニル、トリル、キシリル、及び他のアリール基;ベンジル、フェネチル、2-(2,4,6-トリメチルフェニル)プロピル、及び他のアラルキル基;3,3,3-トリフルオロプロピル、3-クロロプロピル、及び他のハロゲン化アルキル基、が、オルガノポリシロキサンのケイ素結合基として提案される。
好ましくは、そのような基は、アルキル、アルケニル、又はアリール基であり、特に好ましくは、メチル、ビニル、又はフェニルである。さらに、25℃におけるオルガノポリシロキサンの粘度に関して制限はない。しかしながら、この粘度は、好ましくは、20~100,000mPa・sの範囲内であり、より好ましくは、50~100,000mPa・sの範囲であり、さらにより好ましくは、50~50,000mPa・sの範囲内、特に好ましくは100~50,000mPa・sの範囲内である。これは、25℃における粘度が上記範囲の下限よりも低い場合には、得られるシリコーン組成物の物性が低下する傾向があるという事実に起因し、かつ、他方では、上記範囲の上限を超える場合には、得られるシリコーン組成物の取り扱い性が低下する傾向があるという事実に起因する。そのようなオルガノポリシロキサンの分子構造に関して制限はなく、これは、例えば、直鎖、分岐、部分的に分岐した直鎖、又は樹状(デンドリマー状)であってよく、好ましくは、直鎖又は部分的に分岐した直鎖である。そのようなオルガノポリシロキサンの例は、例えば、上記分子構造を有するホモポリマー、上記分子構造を有するコポリマー、又は上記ポリマーの混合物である。
分子鎖の両末端部がジメチルビニルシロキシ基でブロックされたジメチルポリシロキサン、分子鎖の両末端部がメチルフェニルビニルシロキシ基でブロックされたジメチルポリシロキサン、分子鎖の両末端部がジメチルビニルシロキシ基でブロックされたジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖の両末端部がジメチルビニルシロキシ基でブロックされたジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、分子鎖の両末端部がトリメチルシロキシ基でブロックされたジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、分子鎖の両末端部がジメチル-ビニルシロキシ基でブロックされたメチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)-ポリシロキサン、分子鎖の両末端部がシラノール基でブロックされたジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、分子鎖の両末端部がシラノール基でブロックされたジメチルシロキサン-メチルビニル-シロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、式(CHSiO1/2によって表されるシロキサンユニット、式(CH(CH=CH)SiO1/2によって表されるロキサンユニット、式CHSiO3/2によって表されるシロキサンユニット、及び、式(CHSiO2/2によって表されるシロキサンユニット、からなるオルガノシロキサンコポリマー、分子鎖の両末端部がシラノール基によってブロックされたジメチルポリシロキサン、分子鎖の両末端部がシラノール基によってブロックされたジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖の両末端部がトリメトキシシロキシ基によってブロックされたジメチルポリシロキサン、分子鎖の両末端部がトリメトキシシリル基によってブロックされたジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖の両末端部がメチルジメトキシシロキシ基によってブロックされたジメチルポリシロキサン、分子鎖の両末端部がトリエトキシシロキシ基によってブロックされたジメチルポリシロキサン、分子鎖の両末端部がトリメトキシシリルエチル)基によってブロックされたジメチルポリシロキサン、並びに、上記化合物の2以上の混合物が、上記オルガノポリシロキサンの例として提案される。
組成物をヒドロシリル化反応によって硬化する場合には、分散媒は、好ましくは、分子あたり平均0.1以上のケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。より好ましくは、分子あたり平均0.5以上のケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであり、特に好ましくは、分子あたり平均0.8以上のケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。これは、分子あたりのケイ素結合アルケニル基の平均数が上記範囲の下限未満である場合には、得られる組成物が十分な程度にまで硬化されない傾向があるという事実に起因する。オルガノポリシロキサンのケイ素結合アルケニル基は、上述したものと同じアルケニル基によって例示され、好ましくは、ビニルである。さらに、オルガノポリシロキサンにおけるアルケニル基以外のケイ素結合基は、上述したものと同じ、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、アリール、アラルキル、ハロゲン化アルキル基によって例示される。これらは好ましくは、アルキル基及びアリール基であり、特に好ましくは、メチル及びフェニルである。そのようなオルガノポリシロキサンの分子構造に関して制限はなく、上述したものと同じ構造によって例示され、好ましくは、直鎖、又は部分的な分岐を有する直鎖である。そのようなオルガノポリシロキサンは、例えば、上記の分子構造を有するホモポリマー、上記の分子構造を有するコポリマー、又はこれらのポリマーの混合物によって例示される。そのようなオルガノポリシロキサンは、上述したものと同じアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンによって例示される。
組成物を縮合反応によって硬化するときには、分散媒は、分子あたり少なくとも2つのシラノール基又はケイ素結合加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサン中のケイ素結合加水分解性基の例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及び他のアルコキシ基;ビニロキシ、プロペノキシ、イソプロペノキシ、1-エチル-2-メチルビニロキシ、及び他のアルケノキシ基;メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、および他のアルコキシアルコキシ基;アセトキシ、オクタノイロキシ、及び他のアクリロキシ基;ジメチルケトキシム、メチルエチルケトキシム、及び他のケトキシム基;ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、及び他のアミノ基;ジメチルアミノキシ、ジエチルアミノキシ、及び他のアミノキシ基;N-メチルアセトアミド基、N-エチルアセトアミド、及び他のアミド基が挙げられる。さらに、オルガノポリシロキサンのシラノール基及びケイ素結合加水分解性基は、上述したものと同じ直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、及びハロゲン化アルキル基によって例示される。そのようなオルガノポリシロキサンの分子構造に関して制限はなく、上述のものと同じ構造によって例示され、好ましくは、直鎖又は部分的に分岐した直鎖である。そのようなオルガノポリシロキサンは、分子あたり少なくとも2つのシラノール基又はケイ素結合加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンによって例示され、この基は、上述したものと同じである。
組成物を有機過酸化物誘導フリーラジカル反応によって硬化する場合には、分散媒のオルガノポリシロキサンに関して制限はない。しかしながら、好ましくは、少なくとも1つのケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンが好ましい。そのようなオルガノポリシロキサンにおけるケイ素結合基は、上述したものと同じ、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、及びハロゲン化アルキル基によって例示され、好ましくは、アルキル、アルケニル又はアリール基であり、メチル、ビニル、及びフェニルが、特に好ましい。そのようなオルガノポリシロキサンの分子構造に関して制限はなく、上述したもの同じ構造によって例示され、好ましくは、直鎖、又は部分的に分岐した直鎖である。そのようなオルガノポリシロキサンは、例えば、上述した分子構造を有するホモポリマー、上述した分子構造を有するコポリマー、又は上述したポリマーの混合物によって例示される。そのようなオルガノポリシロキサンは、上述したものと同じオルガノポリシロキサンによって例示される。
シリコーンゴムは、室温加硫(RTV)シリコーンゴム又は高温加硫(HTV)シリコーンゴムとして分類できる。これらは、一般的に知られており、例えば、US6172150B1、WO2018051158A1、WO2003078527A1、US6194508B1、及びWO2003057782A1に記載されている。
液体シリコーンゴムは、さらに、WO2015003978A1、WO2018051158A1、及びWO2020223864A1に記載されている。
適切な架橋性シリコーンは、市販されており、例えば、Wacker Chemie AGからELSATOSIL(商標)及びSEMICOSIL(商標)の商標のもとで市販されている。
上述のとおり、ポリシロキサンであって複数のシロキサン基及びこのポリシロキサンに共有結合した少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサンは、非水性組成物中の固体粒子に関する分散剤として用いられる。固体粒子の例は、顔料及びフィラーが挙げられる。
固体粒子は、表面修飾されてよく、表面は、例えば、親水性、両親媒性、又は疎水性の化合物又は基であってよい。表面処理は、当業者に知られている方法によって、薄い親水性かつ/又は疎水性の無機又は有機の層を有する顔料を提供することからなってよい。
好ましい実施態様では、固体粒子の平均粒径(平均粒子サイズ)が、0.1~500.0μmの範囲であり、好ましくは0.1~100μmの範囲である。
平均粒径は、ISO13320:2009-10に従ってレーザー回折分析によって決定されるD50質量平均粒径に関する。
さらに好ましい実施態様では、固体粒子が、酸化アルミニウム粒子を含む。好ましくは、酸化アルミニウム粒子は、1.0~50.0μmの範囲の平均粒径を有する球状酸化アルミニウム粒子、及び0.1~50.0μmの範囲の平均粒径を有する不定形酸化アルミニウム粒子のうちの少なくとも1つを含む。
顔料としては、無機顔料及び有機顔料、顔料ブラック、エフェクト顔料、例えば、真珠光沢かつ/又は金属エフェクト顔料、グリッター顔料、及びこれらの混合物が挙げられる。
適切な有機顔料としては、例えば、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、キノリン、アントラキノン、フタロシアニン、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、ジオキサジン、トリフェニルメタン、及びキノフタロン化合物が挙げられる。さらに、有機顔料は、例えば、カーマイン、カーボンブラック、アニリンブラック、アゾイエローb、キナクリドン、フタロシアニンブルーから選択できる。これらの例は:D&C 赤(CI 45)、D&Cオレンジ(CI 45)、D&C赤3(CI 45530)、D&C赤7(CI 15 850)、D&C赤4(CI 15 510)、D&C赤33(CI 17 200)、D&C赤34(CI15 880)、D&Cイエロー5(CI 19 140)、D&Cイエロー6(CI 15 985)、D&Cグリーン(CI 61 570)、D&Cイエロー10(CI 77 002)、D&Cグリーン3(CI 42 053)、及び/又はD&Cブルー1(CI 42 090)である。
適切な無機顔料は、例えば、水に難溶性又は少なくとも実質的に不溶性の金属酸化物又は他の金属化合物を含み、特には、チタンの酸化物、例えば、二酸化チタン(CI 77891)、亜鉛、鉄、例えば、赤及び黒の酸化鉄(CI 77491(赤)、77499(黒))、又は酸化水酸化鉄(CI 77492、イエロー)、ジルコニウム、シリコン、マンガン、アルミニウム、セリウム、クロム、及び、言及した元素の混合酸化物、並びにそれらの混合物である。さらなる適切な顔料は、バリウム硫化物、亜鉛硫化物、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、及びベルリンブルー顔料である。
真珠光沢顔料に関して、例えば、下記の1又は複数のタイプの真珠光沢顔料を用いることができる:
・天然の真珠光沢顔料、例えば、「フィッシュシルバー」(魚のうろこからのグアニン/ヒポキサンチン混合結晶)及び「マザーオブパール(真珠質)」(粉砕ムール貝殻)
・単結晶性真珠光沢顔料、例えば、ビスマスオキシクロリド(BiOCl)又は小板状二酸化チタン、並びに
・層基質真珠光沢顔料。
層-基質真珠光沢顔料のためにコーティングされる適切なプレートレット状の(小板状の)透明基質は、非金属性、天然、又は合成のプレートレット状基質である。基質は、好ましくは実質的に透明であり、好ましくは透明であり、すなわち、可視光に対して少なくとも部分的に透明である。プレートレット状の透明基質は、下記からなる群から選択できる:天然マイカ、合成マイカ、ガラスフレーク、SiOプレートレット、Al、カオリン、グラファイト、タルク、ポリマープレートレット、プレートレット形状のビスマスオキシクロリド、無機-有機混合層を有するプレートレット形状の基質、並びにこれらの混合物。
真珠光沢顔料に加えて、金属エフェクト顔料を、本発明に関して用いてもよい。
プレートレット形状(小板形状)の金属基質は、この場合、特には、純粋な金属及び/又は金属合金からなってよい。金属基質は、好ましくは、銀、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、金、銅、亜鉛、スズ、ステンレス鋼、マグネシウム、スチール、青銅、真鍮、チタン、及びこれらの合金からなる群から選択されてよい。
さらなる実施態様において、固体粒子が、フィラーを含む。従来知られているすべての種類のフィラーを用いることができる。特に機能性のフィラーが、組成物中で用いられる。熱伝導性材料は、構成要素(コンポーネント)から熱を除去することを助け、1又は複数の機能性フィラーとしての1又は複数の熱伝導性フィラーを含む。フィラー材料は、マトリックス材料の熱伝導性よりも大きい熱伝導性を有する固体材料を含む。本発明の実施態様で用いるための適切なフィラー材料としては、例えば、下記が挙げられる:アルミニウム粉末、銅粉末、ニッケル粉末、又は他の金属粉末;アルミナ粉末、マグネシア粉末、べリリア粉末、クロミア粉末、沈殿シリカ、フュ―ムドシリカ、チタニア粉末、又は他の金属酸化物粉末;窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末、又は他の金属窒化物粉末;ホウ素炭化物粉末、チタン炭化物粉末、ケイ素炭化物粉末、又は他の金属炭化物粉末;Fe-Si合金、Fe-Al合金、Fe-Si-Al合金、Fe-Si-Cr合金、Fe-Ni合金、Fe-Ni-Co合金、Fe-Ni-Mo合金、Fe-Co合金、Fe-Si-Al-Cr合金、Fe-Si-B合金、Fe-Si-Co-B合金、の粉末;他の軟性磁性合金粉末;Mn-Znフェライト、Mn-Mg-Znフェライト、Mg-Cu-Znフェライト、Ni-Znフェライト、Ni-Cu-Znフェライト、Cu-Znフェライト、又は他のフェライト、及び上述の物質の2以上の混合物。さらに、フィラーの形状は、例えば、球状、針状、ディスク状、棒状、扁平状、又は不定形であってよい。本組成物、又は本組成物を硬化することによって得られる硬化シリコーン生成物の電気絶縁特性が要求される場合、フィラーは、好ましくは、金属酸化物粉末、金属窒化物粉末、又は金属炭化物粉末であり、特に好ましくは、アルミナ粉末である。フィラーの平均粒径に関して制限はないが、好ましくは、0.1~500μmの範囲であり、特に好ましくは、0.1~100μmの範囲である。酸化アルミニウム粒子が熱伝導性フィラーとして用いられる場合には、好ましくは、(B1)1~50μmの範囲の平均粒径を有する球状酸化アルミニウム粒子と(B2)0.1~50μmの平均粒径を有する球状又は不定形酸化アルミニウム粒子、の混合体である。さらに、そのような混合物において、上記成分(B1)の含有量は、好ましくは、30~90重量%の範囲であり、上述の成分(B2)の含有量は、好ましくは10~70重量%の範囲であり、これは合計の成分(B1)及び(B2)に対して計算される。本組成物において、フィラーの含有量に関する制限はない。しかしながら、優れた熱伝導性のシリコーン組成物を形成するために、組成物中における体積%でのその含有量は、好ましくは、少なくとも30体積%、より好ましくは、30~90体積%の範囲、さらにより好ましくは、60~90体積%、特に好ましくは、80~90体積%の範囲である。優れた熱伝導性のシリコーン組成物を形成するために、組成物中における重量%でのフィラーの含有量は、好ましくは、少なくとも50重量%、より好ましくは、70~98重量%の範囲、特に好ましくは、90~97重量%の範囲である。フィラーは、異なる粒子サイズを有してよく、別個に存在しうるだけでなく、混合物で存在してもよく、さらには、互いに相互的にコーティングされていてもよい。
特には、フィラーの含有量が、分散媒の100重量部あたり、500~2500重量部の範囲であり、より好ましくは、500~2000重量部、特に好ましくは、800~2000重量部の範囲である。これは、フィラーの含有量が上記範囲の下限未満である場合には、得られるシリコーン組成物の熱伝導性が減少する傾向があるという事実に起因し、かつ、他方では、上記の範囲の上限を超える場合には、得られるシリコーン組成物の粘性が増加し、その取扱い性が悪化するという事実に起因する。
組成物は、さらに、硬化剤を含有してよく、これは、硬化性組成物を製造することを可能にする。組成物がヒドロシリル化反応によって硬化される場合には、硬化剤は、白金触媒、及び、分子あたり平均少なくとも2つのケイ素結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンから形成される。オルガノポリシロキサン中でケイ素原子に結合する基は、上述したものと同じ、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、アリール、アラルキル、及びハロゲン化アルキル基によって例示され、好ましくは、アルキル又はアリール基、特に好ましくはメチル又はフェニルである。提案されるオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖の両末端部がジメチルハイドロジェンシロキシ基によってブロックされたジメチルポリシロキサン、分子鎖の両末端部がトリメチルシロキシ基によってブロックされたジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、分子鎖の両末端部がジメチルハイドロジェンシロキシ基によってブロックされたジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、式(CHSiO1/2のシロキサンユニット、式(CHHSiO1/2のシロキサンユニット、及び、式SiO4/2のシロキサンユニットのからなるオルガノシロキサンコポリマー、並びに上記した化合物の2以上の混合物、が挙げられる。
組成物において、分子あたり平均少なくとも2つのケイ素結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンの含有量は、組成物を硬化するために必要な含有量である。特に、好ましくは、分散媒のケイ素結合アルケニル基の1molあたり、0.1mol~10.0mol、より好ましくは0.1~5.0mol、特に好ましくは0.1~3.0molの、成分からのケイ素結合水素原子を提供することが十分である。これは、この成分の含有量が上記範囲の下限未満である場合には、得られるシリコーン組成物が完全に硬化しない傾向があり、他方で、上記範囲の上限を超える場合には、得られる硬化シリコーン製品が、極度に剛性で、表面における無数のクラックを生じる傾向があるという事実に起因する。さらに、白金触媒は、本組成物の硬化を促進するために用いられる触媒である。そのような触媒の提案される例は、例えば、クロロ白金酸、クロロ白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、及び白金のカルボニル錯体が挙げられる。組成物中で、白金触媒の含有量は、本組成物を硬化するために必要な含有量である。特には、重量単位で、分散媒の量に対して、成分から、好ましくは0.01ppm~1,000ppm、特に好ましくは0.1ppm~500ppmの白金金属を提供することで十分である。これは、成分の含有量が上記範囲の下限未満であるときには、得られるシリコーン組成物が完全に硬化しない傾向があり、他方では、上記範囲の上限を超える量の添加は、得られるシリコーン組成物の硬化速度を大幅には改善しないという事実に起因する。
組成物を縮合反応によって硬化する場合には、硬化剤は、分子あたり少なくとも2つのケイ素結合加水分解性基を有するシラン又はその部分的な加水分解物からなることによって特徴づけられ、必要な場合には、縮合反応触媒である。シラン中のケイ素結合加水分解性基は、上述したものと同じ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アクリロキシ、ケトキシム、アルケニル、アミノ、アミノキシ、及びアミド基によって例示される。上記の加水分解性基に加えて、シランのケイ素原子に結合できる基の例としては、例えば、上述したものと同じ、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、及びハロゲン化アルキル基が挙げられる。提案されるシラン又はその部分加水分解物としては、例えば、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、及びエチルオルトシリケート(オルトケイ酸エチル)が挙げられる。
組成物において、シラン又はその部分加水分解産物の含有量は、本組成物を硬化するために必要な含有量である。特には、好ましくは、分散媒の100重量部あたり、0.01~20重量部、特に好ましくは、0.1~10重量部の範囲である。これは、シラン又はその部分加水分解産物の含有量が上記範囲の下限未満であるときには、得られる組成物の保存安定性が低下し、かつ、さらには、その接着特性が低下する傾向があるという事実に起因する。他方で、上記範囲の上限を超えると、得られる組成物の硬化は遅くなる傾向がある。さらに、縮合反応触媒は、随意の成分であり、これは、例えば、アミノキシ、アミノ、ケトキシム、及び他の加水分解性基を有するシランを硬化剤として用いる場合には、必須ではない。提案される縮合反応触媒は、例えば、下記である:テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、及び他の有機チタネート;ジイソプロポキシビス(アセチルアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、及び他のキレート有機チタン化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、及び他の有機アルミニウム化合物;ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラブチラート、及び他の有機ジルコニウム化合物;ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ブチル錫-2-エチルヘキソエート、及び他の有機錫化合物;ナフテン酸錫、オレイン酸錫、錫ブチラート、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、及び他の有機カルボン酸の金属塩;ヘキシルアミン、ドデシルアミンホスフェート、及び他のアミン化合物又はその塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート、及び他の四級アンモニウム塩;カリウムアセテート、リチウムニトレート、及び他の、アルカリ金属の低級脂肪酸塩;ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、及び他のジアルキルヒドロキシルアミン;並びに、グアニジル含有有機ケイ素化合物。組成物中で、縮合反応触媒の含有量は、種々の値であり、本組成物を硬化させるのに十分である必要がある。特には、好ましくは、分散媒の100重量部あたり、0.01~20.00重量部、特に好ましくは、0.1~10.0重量部の範囲である。これは、触媒が必須である場合には、上記範囲の下限よりも低い触媒含有量は、得られる組成物が完全に硬化することを困難にする傾向があり、他方で、含有量が上記範囲の上限を超える場合には、得られる組成物の保存安定性が減少する傾向があるという事実に起因する。
組成物が、有機過酸化物誘導フリーラジカル反応によって硬化される場合には、硬化剤は、適切には、有機過酸化物である。提案される有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5-ジメチル-ビス(2,5-t-ブチルペルオキシル)ヘキサン、ジt-ブチルペルオキシド、及びt-ブチルペルベンゾエートが挙げられる。有機過酸化物の含有量は、組成物を硬化するために必要な含有量であり、特には、好ましくは、上記の分散媒のオルガノポリシロキサンの100重量部あたり、0.1~5.0重量部の範囲である。
特に、本組成物が、ヒドロシリル化反応によって硬化される場合には、本組成物の硬化速度を調節しかつその取扱い性を向上させるために、好ましくは、それを、2-メチル-3-ブチン-2-オール、2-フェニル-3-ブチン-2-オール、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、及び他のアセチレン化合物;3-メチル-3-ペンテン-1-イン、3,5-ジメチル-3-ヘキセン-1-イン、及び他のエン-イン化合物;並びに、さらに、ヒドラジン化合物、ホスフィン化合物、メルカプタン化合物、及び他の硬化反応阻害剤、と組み合わせる。硬化反応阻害剤の含有量に関して制限はないが、好ましくは、本組成物の量に対して、0.0001~1.0重量%の範囲である。本組成物が硬化性である場合には、硬化の方法に関して制限はない。この方法は、例えば、本組成物を成形し、そしてそれを室温に静置することを含み、又は、本組成物を成形し、そしてそれを50~200℃にまで加熱することを含んでよい。さらには、そのようにして得られたシリコーンの物理的特徴に関して制限はないが、提案される形態としては、例えば、ゲル、低剛性ゴム、又は高剛性ゴムが挙げられる。
本発明は、さらに、非水性組成物に関し、これは、
(a)ポリシロキサンであって複数のシロキサン基及びこのポリシロキサンに共有結合された少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサン、
(b)分散媒、及び
(c)固体フィラー粒子、
を含み、
フィラー粒子の含有量が、分散媒の100重量部あたり、500~2500重量部の範囲である。
好ましい実施態様では、分散媒(b)が、ポリシロキサン(a)とは異なるシリコーンを含む。
特に好ましくは、分散媒(b)が、架橋性シリコーンである。
組成物中の固体粒子は、好ましくは、上記のように、フィラー及び顔料のうちの少なくとも1つを含む。
組成物の好ましい実施態様では、成分(a)が、組成物の合計重量に基づいて計算して、0.010~10.000重量パーセントの量で存在する。
組成物中において、ポリシロキサン(a)の含有量に関する制限はない。含有量は、上記のフィラーの表面をポリシロキサン(a)で処理し、それにより、得られる熱伝導性シリコーン組成物中におけるその分散性が向上するために十分である必要がある。特には、好ましくは、フィラーの100重量部あたり、0.001~10.000重量部、特に好ましくは、フィラーの100重量部あたり、0.001~5重量部の範囲である。これは、上記ポリシロキサン(a)の含有量が上記範囲の下限未満である場合には、フィラーの多量の添加が、得られるシリコーン組成物の成形性における低下を生じ、かつ、得られるシリコーン組成物の貯蔵の間にフィラーの沈殿及び分離を生じ、その均一性における顕著な低下を生じるという事実に起因する。他方で、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーン組成物の物性が低下する傾向がある。
いくつかの実施態様では、組成物が、ペイント組成物又はコーティング組成物として実施され、成形組成物として実施され、又は、ペースト材料若しくはポッティング材料として実施され、ガスケット、はんだペースト、アンダーフィル、熱界面材(サーマルインターフェース材)、例えば、熱ギャップフィラー、ギャップパッド、silパッド、相変化材、熱伝導性グリース、熱ゲル、熱クラッド材、熱封入材、接着剤、封止剤として実施される。
所望される場合には、組成物は、他の成分を含有してよく、例えば、バインダ又はポリマー樹脂、反応性又は非反応性の希釈剤、溶媒、及び、慣用的な補助的な添加剤を含有してよい。そのような添加剤の例としては、接着促進剤、例えば、3-グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン又は3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、防汚剤、熱又はUV安定化剤、レオロジー関連添加剤、並びに、流れ及び平坦化添加剤、架橋剤、鎖延長剤、補強フィラー、非補強性フィラー、可塑剤、難燃剤、及び耐熱剤、例えば、トリアゾール化合物、水捕捉剤、殺生物剤、硬化促進剤、(蛍光)染料、阻害剤、耐静電気剤、ワックス 触媒、並びに、当業者によく知られる添加剤、が挙げられる。
本発明は、さらに、非水性組成物中で固体粒子を分散させる方法に関し、これは、
(a)ポリシロキサンであって複数のシロキサン基及びこのポリシロキサンに共有結合された少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサンを提供すること、
(b)固体フィラー粒子を提供すること、
(c)工程(a)及び(b)で提供された成分を、分散媒を含有する非水性組成物中に含有させて、分散ベースを形成すること、並びに、
(d)分散ベースをせん断力に供すること
を含み、
フィラー粒子の含有量が、分散媒の100重量部あたり、500~2500重量部の範囲である。
比較分散剤
ポリシロキサン基を有するエポキシ/アミン付加コポリマーの合成:
攪拌具、温度計、滴下漏斗、還流凝縮具、及び窒素導入管を備える四つ口フラスコに、US9217083B2の例1に記載されているモノアミノ官能型ポリシロキサン(376.3g)、及び1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(22.8g)を投入し、窒素下で140℃にまで加熱した。1H NMRによって、エポキシド変換を監視した。エポキシド基の完全な変換の後で、反応混合物を室温にまで冷却した。GPCデータ Mn=5500g/mol及びPDI=2.0。
Si-H官能型中間体の調製
ブチル-D25Mw2000のSiH官能型シリコーンマクロマーの合成を、US8304077B2の例1に記載されるようにして実行した。ブチルリチウムのヘキサメチルシクロトリシロキサンモノマーに対する比を適合させることによる、ブチル-D38.5及びブチル-D65.5の合成。
分散剤1
ブチル-D25と30%モル超過のアリルコハク酸無水物との反応
攪拌具、温度計、還流凝縮具、及び窒素導入管を備えるフラスコ中に、181.15gのブチル-D25を配置し、75℃にまで加熱した。そして、HPtClの0.6%キシレン溶液0.60gを添加した。その後に、18.85gのアリルコハク酸無水物を、滴下漏斗を介して添加した。反応混合物を100℃で3時間にわたって保持した。この時間の後で、SiH基の変換は、98%超であることがわかった。揮発物を、130℃かつ15mbarでのロータリーエバポレーションによって除去した。
得られた生成物のGPCデータ:Mn 1759g/mol、Mw 2232g/mol、DPI 1.27
分散剤2
ブチル-D65.5と30モル%超過のアリルコハク酸無水物との反応
攪拌具、温度計、還流凝縮具、及び窒素導入管を備えるフラスコ中に、143.91gのブチル-D65.5を配置し、75℃にまで加熱した。そして、HPtClの0.6%キシレン溶液0.53gを添加した。その後に、6.09gのアリルコハク酸無水物を、滴下漏斗を介して添加した。反応混合物を100℃で3時間にわたって保持した。この時間の後で、SiH基の変換は、98%超であることがわかった。揮発物を、130℃かつ15mbarでのロータリーエバポレーションによって除去した。
得られた生成物のGPCデータ:Mn 5630g/mol、Mw 9153g/mol、DPI 1.62
分散剤3
ブチル-D38.5と30モル%超過のアリルコハク酸無水物との反応
攪拌具、温度計、還流凝縮具、及び窒素導入管を備えるフラスコ中に、140.98gのブチル-D38.5を配置し、75℃にまで加熱した。そして、HPtClの0.6%キシレン溶液0.53gを添加した。その後に、9.02gのアリルコハク酸無水物を、滴下漏斗を介して添加した。反応混合物を100℃で3時間にわたって保持した。この時間の後で、SiH基の変換は、98%超であることがわかった。揮発物を、130℃かつ15mbarでのロータリーエバポレーションによって除去した。
得られた生成物のGPCデータ:Mn 2745g/mol、Mw 3399g/mol、DPI 1.21
分散剤4
工程1
式MD38.5の平均1つのSiH基を有するシロキサンの調製
攪拌具、温度計、及び還流凝縮具を備えるフラスコ中に、9.46gのHMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)、302.93gのD、及び37.61gのM を配置した。混合物を75℃にまで加熱した。この温度で、3.5gの触媒K20 ex Clariant(塩酸で処理されたカルシウムモンモリロナイト)を混合物に添加した。混合物を、80℃で3時間にわたって攪拌し、その後に、50℃にまで冷却し、さらに、この温度で3時間にわたって攪拌した。1.75gのHarbolite 900(非結晶性アルミナシリケート)ろ過助剤を添加し、混合物を攪拌し、圧力フィルターを介してろ過した。SiH基の含有量を、ヨウ素価の決定によって決定し、それは、8.14であった。
工程2
工程1のシロキサンとアリルコハク酸無水物との反応
攪拌具、温度計、還流凝縮具、及び窒素導入管を備えるフラスコ中に、141.72gの工程1のシロキサンを配置し、75℃にまで加熱した。そして、HPtClの0.6%キシレン溶液0.53gを添加した。その後に、8,28gのアリルコハク酸無水物を、滴下漏斗を介して添加した。反応混合物を100℃で3時間にわたって保持した。この時間の後で、SiH基の変換は、98%超であることがわかった。揮発物を、130℃かつ15mbarでのロータリーエバポレーションによって除去した。
得られた生成物のGPCデータ:Mn 1813g/mol、Mw 5272g/mol、DPI 2.91
分散剤5
工程1
式MD65.6の平均1つのSiH基を有するシロキサンの調製
攪拌具、温度計、及び還流凝縮具を備えるフラスコ中に、5.68gのHMDSO、321.76gのD、及び22.57gのM を配置した。混合物を75℃にまで加熱した。この温度で、3.5gの触媒K20を混合物に添加した。混合物を、80℃で3時間にわたって攪拌し、その後に、50℃にまで冷却し、さらに、この温度で3時間にわたって攪拌した。1.75gのHarbolite 900ろ過助剤を添加し、混合物を攪拌し、圧力フィルターを介してろ過した。SiH基の含有量を、ヨウ素価の決定によって決定し、それは、4.81であった。
工程2
工程1のシロキサンとアリルコハク酸無水物との反応
攪拌具、温度計、還流凝縮具、及び窒素導入管を備えるフラスコ中に、144.99gの工程1のシロキサンを配置し、75℃にまで加熱した。そして、HPtClの0.6%キシレン溶液0.53gを添加した。その後に、5.01gのアリルコハク酸無水物を、滴下漏斗を介して添加した。反応混合物を100℃で3時間にわたって保持した。この時間の後で、SiH基の変換は、98%超であることがわかった。揮発物を、130℃かつ15mbarでのロータリーエバポレーションによって除去した。
得られた生成物のGPCデータ:Mn 2094g/mol、Mw 8247g/mol、DPI 3.94
分散剤6
工程1
式MD86の平均1つのSiH基を有するシロキサンの調製
攪拌具、温度計、及び還流凝縮具を備えるフラスコ中に、4.35gのHMDSO、328.31gのD、及び17.33gのM を配置した。混合物を75℃にまで加熱した。この温度で、3.5gの触媒K20を混合物に添加した。混合物を、80℃で3時間にわたって攪拌し、その後に、50℃にまで冷却し、さらに、この温度で3時間にわたって攪拌した。1.75gのHarbolite 900ろ過助剤を添加し、混合物を攪拌し、圧力フィルターを介してろ過した。SiH基の含有量を、ヨウ素価の決定によって決定し、それは、3.48であった。
工程2
工程1のシロキサンとアリルコハク酸無水物との反応
攪拌具、温度計、還流凝縮具、及び窒素導入管を備えるフラスコ中に、146.34gの工程1のシロキサンを配置し、75℃にまで加熱した。そして、HPtClの0.6%キシレン溶液0.53gを添加した。その後に、3.66gのアリルコハク酸無水物を、滴下漏斗を介して添加した。反応混合物を100℃で3時間にわたって保持した。この時間の後で、SiH基の変換は、98%超であることがわかった。揮発物を、130℃かつ15mbarでのロータリーエバポレーションによって除去した。
得られた生成物のGPCデータ:Mn 2240g/mol、Mw 11034g/mol、DPI 4.93
分散剤7
工程1
式MD106の平均1つのSiH基を有するシロキサンの調製
攪拌具、温度計、及び還流凝縮具を備えるフラスコ中に、3.55gのHMDSO、332.33gのD、及び14.12gのM を配置した。混合物を75℃にまで加熱した。この温度で、3.15gの触媒K20を混合物に添加した。混合物を、80℃で3時間にわたって攪拌し、その後に、50℃にまで冷却し、さらに、この温度で3時間にわたって攪拌した。1.75gのHarbolite 900ろ過助剤を添加し、混合物を攪拌し、圧力フィルターを介してろ過した。SiH基の含有量を、ヨウ素価の決定によって決定し、それは、2.95であった。
工程2
工程1のシロキサンとアリルコハク酸無水物との反応
攪拌具、温度計、還流凝縮具、及び窒素導入管を備えるフラスコ中に、146.89gの工程1のシロキサンを配置し、75℃にまで加熱した。そして、HPtClの0.6%キシレン溶液0.53gを添加した。その後に、3.11gのアリルコハク酸無水物を、滴下漏斗を介して添加した。反応混合物を100℃で3時間にわたって保持した。この時間の後で、SiH基の変換は、98%超であることがわかった。揮発物を、130℃かつ15mbarでのロータリーエバポレーションによって除去した。
得られた生成物のGPCデータ:Mn 2255g/mol、Mw 13177g/mol、DPI 5.37
分散剤8
工程1
式MD133の平均1つのSiH基を有するシロキサンの調製
攪拌具、温度計、及び還流凝縮具を備えるフラスコ中に、2.84gのHMDSO、335.86gのD、及び11.30gのM を配置した。混合物を75℃にまで加熱した。この温度で、3.15gの触媒K20を混合物に添加した。混合物を、80℃で3時間にわたって攪拌し、その後に、50℃にまで冷却し、さらに、この温度で3時間にわたって攪拌した。1.75gのHarbolite 900ろ過助剤を添加し、混合物を攪拌し、圧力フィルターを介してろ過した。SiH基の含有量を、ヨウ素価の決定によって決定し、それは、2.54であった。
工程2
工程1のシロキサンとアリルコハク酸無水物との反応
攪拌具、温度計、還流凝縮具、及び窒素導入管を備えるフラスコ中に、147.31gの工程1のシロキサンを配置し、75℃にまで加熱した。そして、HPtClの0.6%キシレン溶液0.53gを添加した。その後に、2.69gのアリルコハク酸無水物を、滴下漏斗を介して添加した。反応混合物を100℃で3時間にわたって保持した。この時間の後で、SiH基の変換は、98%超であることがわかった。揮発物を、130℃かつ15mbarでのロータリーエバポレーションによって除去した。
得られた生成物のGPCデータ:Mn 2717g/mol、Mw 16878g/mol、DPI 6.21
分散剤9
脱イオン水による分散剤5の加水分解
攪拌具、温度計、還流凝縮具、及び窒素導入管を備えるフラスコ中に、248.29gの上記分散剤5、及び1.7gの脱イオン水を配置した。混合物を攪拌し、70℃で10時間にわたって加熱した。この時間の後で、89モル%の環状カルボン酸無水物基が、ジカルボン酸基へと加水分解されたことが分かった。揮発物をロータリーエバポレーションによって130℃かつ15mbarで除去した。
分散剤10
分散剤9の塩形成
ガラスビーカー中で、116.19gの分散剤9を、3.81gのN,N-ジブチルエタノールアミンと混合した。
下記で、付加硬化RTVシリコーン配合物における分散剤の適用を記載する。
付加硬化RTVシリコーン組成物の調製のために、二重非対称遠心混合器、Speedmixer DAC 400.1 FVZ、Hauschild社(Hauschild GmbH&Co.KG)を用いた。
原材料
・付加硬化、RTV-2シリコーンゴム パートA(SilGel 612A、Wacker)- ビニルポリジメチルシロキサン及び添加剤
・付加硬化、RTV-2シリコーンゴム パートB(SilGel 612B、Wacker)SiH-官能型ポリジメチルシロキサン及び官能基を有するポリジメチルシロキサン並びに白金触媒を含む添加剤
・接着性促進剤 - メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
・フィラー1 - 酸化アルミニウム - 平均粒径1.4μm
・フィラー2 - 酸化アルミニウム - 平均粒径45.0μm
・フィラー3 - 酸化アルミニウム - 平均粒径0.2mm
シリコーン組成物の硬化挙動、及び適用特性に対する分散剤の影響を決定するために、配合物を、非充填系において評価した。パートA及びBを、別個に、PE Speedmixerカップ中で、パートA及びパートBのそれぞれのすべての原材料を投入し、かつ30秒にわたって2500rpmでホモジナイズ処理することによって、調製した。その後に、パートA及びパートBを、1.5:1のA:B混合比で、Speedmixerを用いて30秒間にわたって2000rpmで混合し、配合物が硬化するまで100℃でオーブン中に保持した。配合物を、60秒の間隔で観察して、硬化段階を評価した。配合物の表面に第一のスキンが形成された時間を、スキン形成時間として定義した。剛性及び粘度のさらなる変化のない完全な硬化配合物の時間を、硬化時間として定義した。
Figure 2024507261000004
Figure 2024507261000005
上記の表から、比較分散剤は、シリコーンゴムの硬化を完全に妨げることが結論できる。本発明に係る分散剤は、硬化特性にわずかの影響のみを有し、これは、硬化触媒の量によって調節できる。
高充填シリコーン組成物の粘度への分散剤の影響の評価のために、酸化アルミニウム充填付加硬化RTV-2組成物を配合した。
PE Speedmixerカップ中に、シリコーンゲル、接着性促進剤、及び分散剤を投与し、かつこれらをSpeedmixerによって30秒にわたって2500rpmでホモジナイズ処理することによって、RTV2組成物のパートAを配合した。その後に、Alフィラーを1度に投与し、30秒にわたって2500rpmでホモジナイズ処理した。配合されたパートAの粘度を、レオメーター AntonPaar MCR201を用いて、下記の条件で決定した:PP25、せん断速度0.1~100s-1、1.0mmギャップ、23℃、サンプルトリミング。特に、1s-1での粘度及び10s-1での粘度を観察して、充填かつ修飾された組成物の粘度を表した。
PE Speedmixerカップ中に、シリコーンゲル及び分散剤を投与し、これらをSpeedmixerによって30秒にわたって2500rpmでホモジナイズ処理することによって、RTV2組成物のパートBを配合した。その後に、Al2O3フィラーを一度に投入し、30秒にわたって2500rpmでホモジナイズ処理した。
パートA及びパートBを、Speedmixerを用いて30秒にわたって2000rpmで混合し、配合物が硬化するまで、100℃でオーブン中に保持した。非充填系と同様に、配合物を60秒間隔で観察して、硬化段階を評価した。
Figure 2024507261000006
Figure 2024507261000007
上記の表から、高充填シリコーン組成物における粘度低減への本発明に係る分散剤の影響は、比較分散剤と比較して大幅に大きいことが結論できる。比較分散剤とは対照的に、本発明に係る分散剤は、硬化を妨げない。
熱伝導性フィラー充填シリコーン組成物の主要な用途のうちの1つは、サーマルインターフェース材(TIM)であり、銅基材上へのこれらの材料の適用である。この用途のために、分散剤の腐食特性を、それぞれの基材で評価した。純粋な分散剤を銅の上に滴下し、コットンパッドで覆い、環境チャンバー中に、14日間にわたって55℃かつ80%相対湿度で保持した。第2の試験において、分散剤を含む非充填シリコーン組成物をスパチュラを用いて銅の上に適用し、コットンパッドで覆い、環境チャンバー中に、14日間にわたって55℃かつ80%相対湿度で保持した。銅基材の腐食を、視覚的に評価し、1~6の尺度でランク付けした。
Figure 2024507261000008
上記の表から、本発明に係る分散剤は銅基材上における比較分散剤よりも、腐食性が比較的低いことが結論できる。
異なるフィラーのタイプを用いた場合の粘度低減への分散剤の影響を、上記配合のパートAを炭酸カルシウム、ホウ素窒化物、及び水酸化アルミニウム及び分散添加剤で修正することによって、評価した。
配合されたパートAの粘度は、レオメーター AntonPaar MCR201を用いて、下記の条件で決定した:PP25、せん断速度0.1~100s-1、1.0mmギャップ、23℃、サンプルトリミング。1s-1での粘度を記録した。
フィラー
炭酸カルシウム - CaCO3 - 平均粒径5μm
水酸化アルミニウム - Al(OH)3 - 平均粒径12μm
窒化ホウ素 BN - 平均粒径16μm
Figure 2024507261000009
Figure 2024507261000010
Figure 2024507261000011
組成物の粘度低減に対する比較分散添加剤及び本発明の分散添加剤の影響を下記の表に示す。
Figure 2024507261000012
上記の表から、分散剤5は、種々のフィラーを有する付加硬化RTV-2組成物の粘度を顕著に低減することを結論できる。

Claims (17)

  1. ポリシロキサンであって複数のシロキサン基及び前記ポリシロキサンに共有結合した少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサンの、分散媒を有する非水性組成物中における固体フィラー粒子のための分散剤としての使用であって、
    前記フィラー粒子の含有量が、前記分散媒100重量部あたり、500~2500重量部の範囲である、
    使用。
  2. 前記環状カルボン酸無水物基が、5員環を形成している、請求項1に記載の使用。
  3. 前記環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物が、Si-C結合を介して前記ポリシロキサンに結合している、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 平均0.7~3.0の環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物が、1つのポリシロキサン分子に共有結合している、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記非水性組成物が、複数のシロキサン基及び少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有する前記ポリシロキサンとは異なる分散媒を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記分散媒が、シリコーンを含有する、請求項5に記載の使用。
  7. 前記非水性組成物を、サーマルインターフェース材として使用する、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記非水性組成物は、電子部品におけるサーマルインターフェース材として使用される、請求項7に記載の使用。
  9. 非水性組成物であって、
    (a)ポリシロキサンであって複数のシロキサン基及び前記ポリシロキサンに共有結合した少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサン、
    (b)分散媒、並びに、
    (c)固体フィラー粒子、
    を含み、
    前記フィラー粒子の含有量が、前記分散媒100重量部あたり、500~2500重量部の範囲である、
    非水性組成物。
  10. 前記分散媒(b)が、前記ポリシロキサン(a)とは異なるシリコーンを含有する、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記シリコーンが、架橋性シリコーンである、請求項10に記載の組成物。
  12. 固体フィラー粒子の平均粒径が、0.1~500.0μmの範囲である、請求項9~11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記固体フィラー粒子が、酸化アルミニウム粒子を含有する、請求項9~12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記酸化アルミニウム粒子が、1.0~50.0μmの範囲の平均粒径を有する球状酸化アルミニウム粒子及び0.1~50.0μmの範囲の平均粒径を有する不定形酸化アルミニウム粒子のうちの少なくとも1つを有する、請求項13に記載の組成物。
  15. 成分(a)が、500~10000g/molの範囲の数平均分子量Mnを有する、請求項7~14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 成分(a)が、前記組成物の合計重量に基づいて計算して、0.010~10.000重量パーセントの量で存在する、請求項7~15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 非水性組成物中に固体フィラー粒子を分散させる方法であって、
    (a)ポリシロキサンであって複数のシロキサン基及び前記ポリシロキサンに共有結合した少なくとも1つの環状カルボン酸無水物基又はその加水分解産物を有するポリシロキサンを提供すること、
    (b)固体フィラー粒子を提供すること、
    (c)工程(a)及び工程(b)で提供された成分を、分散媒を有する非水性組成物中に含有させて、分散ベースを形成すること、並びに、
    (d)前記分散ベースをせん断力に供すること、
    を含み、
    前記フィラー粒子の含有量が、前記分散媒100重量部あたり、500~2500重量部の範囲である、
    方法。
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