JP6158675B2 - 空調服の空気排出口調整機構、空調服の服本体及び空調服 - Google Patents

空調服の空気排出口調整機構、空調服の服本体及び空調服 Download PDF

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Description

本発明は、空調服の襟後部と人体の首後部との間に形成される、空調服内を流通する空気を外部に排出する空気排出口について、その開口度を調整するための空気排出口調整機構に関するものである。
近年、送風手段を用いて人体との間に形成された空気流通路内に空気を流通させることにより人体から出た汗を蒸発させる空調服が実用化されている。空調服の原理や構造についての詳しい説明は、例えば特許文献1に詳細に記載されている。図7は空調服における空気の流れを説明するための図、図8は従来の空調服における襟後部と人体の首後部との間に形成される空気排出部を説明するための図である。この空調服1の裾には伸縮性のあるベルトが取り付けられ、空調服1の前側には開閉用のファスナーが設けられている。また、空調服1の下部には二つの送風手段11,11が取り付けられている。ここで、送風手段11としては、プロペラを有するファンが用いられる。
ベルトを締めると共にファスナーを閉じた後、二つの送風手段11,11を作動させると、図7に示すように、外気が各送風手段11から空調服1内に取り込まれる。そして、その取り込まれた外気は、空気流通路内を人体と平行に上方に流通し、空気排出部から排出される。ここで、空気排出部としては、空調服1の襟前部と人体の首前部との間の開口部、空調服1の襟後部12と人体の首後部との間の開口部、そして、空調服1の袖部と人体の腕部との間の開口部がある。これらの開口部のうち、襟後部12と首後部との間の開口部は、他の開口部と異なり、明確に形成され、しかも、空気の排出量が最も多いという点で他の開口部に比べて重要なものである。以下では、襟後部12と首後部との間に形成される開口部を、他の空気排出部と区別するため、「空気排出口」と称することにする。
空調服1内に取り込まれた外気が空気流通路内を流通する間に人体から出た汗を蒸発させ、その蒸発するときの気化熱により体表面の温度を下げることができる。したがって、空調服1がその冷却機能を効率よく作用することができるようにするには、空気流通路内を流通する空気が空気排出部から受ける抵抗を小さくし、大量の空気を人体と平行に流通させる必要がある。また、空調服1の着用者は、使用目的に応じて空調服1の冷却効果を調整したいことがある。このため、従来の空調服1には、各空気排出部の開口度を調整する機構が備わっている。ここで、空気排出部の性質上、各空気排出部の開口度を明確に数値で表すことはできないが、開口度が大きいほど、空気がその空気排出部から受ける抵抗が小さくなり、その空気排出部から排出される空気の量が多くなる。具体的に、空調服1の袖部には、ワイシャツ等の通常の衣服のように、例えば二つのボタンが設けられている。かかるボタンを付けたり外したりすることにより、袖部と腕部との間の空気排出部の開口度を調整することができる。また、ファスナーの位置を調整することにより、襟前部と首前部との間の空気排出部の開口度を容易に調整することができる。この場合、ファスナーを上方に引き上げるほど、襟前部と首前部との間の空気排出の開口度が小さくなる。更に、従来の空調服1には、図8に示すように、襟後部12と首後部との間隔を広げたり狭めたりするための一組の調整紐21が設けられている。各調整紐21の端部は、襟後部12の内表面に取り付けられている。一組の調整紐21を結び、その長さを調整することにより、襟後部12と首後部との間に空気排出口13を形成すると共に、その空気排出口13の開口度を調整することができる。
特開2005−54299号公報
上述のように、従来の空調服1では、襟後部12と首後部との間の空気排出口13の開口度を調整する機構として、図8に示すように、一組の調整紐21を所望の長さになるように結ぶことにより襟後部12の付近に弛みを設けるものを用いている。しかしながら、実際には、一組の調整紐21を結んで所望の長さになるようにすることは非常に難しく、ほとんどの着用者は、襟後部12と首後部との間の空気排出口13について、その開口度を適正に調整することができず、そのため、空調服1の性能を十分に発揮することが困難であった。
襟後部12と首後部との間の空気排出口13の開口度が、送風手段11から空気流通路内に取り込まれた外気の量に対して小さいと、次のような問題が生じる。すなわち、(1)特に背中に沿って流れる空気の量を十分に確保することができない。(2)背中付近の空気の圧力が高まり、空調服1の服地が膨らんでしまうので、背中付近での空気流通路内において、人体の冷却に寄与しない、人体から離れた部分を流通する空気の割合が多くなる。(3)空調服1の服地が膨らむことにより、着用者は例えば狭い場所で作業するのが困難になる。(4)空調服1の服地が膨らむことにより、空調服1の外観が損なわれる。
一方、襟後部12と首後部との間の空気排出口13の開口度が、送風手段11から空気流通路内に取り込まれた外気の量に対してあまりに大きいと、空気排出口13が大きすぎて、空調服1の外観を損ねてしまう。しかも、空気排出口13から排出される空気の量が多くなりすぎるため、他の空気排出部から排出される空気の量が著しく低下し、人体の各部位における冷却効果のバランスが著しく失われてしまう。また、一組の調整紐21を適正な長さに結んだ場合であっても、一組の調整紐21はその目的上、ある程度長く形成されているため、その結び目付近に調整紐21の先端部分が集まり、これが空気排出の障害になっている。
したがって、襟後部12と首後部との間の空気排出口13の開口度を簡単に調整することができる新たな空気排出口調整機構の実現が望まれている。かかる新たな空気排出口調整機構は次のような要求を満たす必要がある。すなわち、(1)洗濯に支障がないこと、(2)空気排出口13を確実に形成することができること、(3)安価に作製することができること、(4)空気排出口13を形成する必要がないときに使用者の邪魔にならないこと、である。ここで、新たな空気排出口調整機構により襟後部12と首後部との間に空気排出口13を形成しなくとも、送風手段11を作動させると、空気の圧力により襟後部12と首後部との間に自動的にある程度の開口部が確保されるので、使用目的によっては空気排出口13を形成しないほうがよい場合もある。
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、空調服の襟後部と人体の首後部との間に形成される空気排出口の開口度を簡単に調整することができる空気排出口調整機構を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するための第一の発明に係る空気排出口調整機構は、送風手段を用いて人体との間に形成された空気流通路内に空気を流通させる空調服の襟後部と人体の首後部との間に形成される、空気流通路内を流通する空気を外部に排出する空気排出口について、その開口度を調整するための空気排出口調整機構において、第一取付部を有し、空調服の服地の内表面であって襟後部又はその周辺の第一の位置に取り付けられた調整ベルトと、調整ベルトが取り付けられた第一の位置とは異なる襟後部又はその周辺の所定の複数の位置に形成された、第一取付部の形状に対応して第一取付部と取り付けが可能となる複数の第二取付部と、を備え、第一取付部を複数の第二取付部の少なくともいずれか一つに取り付けることで空気流通路内を流通する空気の圧力を利用することにより、襟後部と人体の首後部との間に、複数段階の予め定められた開口度で空気排出口を形成することを特徴とするものである。
第一の発明に係る空気排出口調整機構では、上記の構成により、第一取付部第二取付部に取り付けるだけで、空調服の襟後部の付近に弛みを確保して、空気排出口を容易に形成することができる。また、第一取付部をいずれの第二取付部に取り付けるかに応じて、空気排出口の開口度を複数段階に簡単に調整することができる。
また、上記の目的を達成するための第二の発明は、送風手段を用いて人体との間に形成された空気流通路内に空気を流通させる空調服の襟後部と人体の首後部との間に形成される、空気流通路内を流通する空気を外部に排出する空気排出口について、その開口度を調整するための空気排出口調整機構において、第一取付部を有し、空調服の服地の内表面であって前記襟後部又はその周辺の第位置に取り付けられた第一調整ベルトと、前記第一取付部の形状に対応して前記第一取付部と取り付けが可能となる複数の第二取付部を有し、第一調整ベルトが取り付けられた前記第一位置とは異なる襟後部又はその周辺の第位置に取り付けられた第二調整ベルトと、を備え、第一取付部複数の第二取付部の少なくともいずれか一つに取り付けること空気流通路内を流通する空気の圧力を利用することにより、襟後部と人体の首後部との間に、複数段階の予め定められた開口度で空気排出口を形成することを特徴とするものである。
第二の発明に係る空気排出口調整機構では、上記の構成により、第一取付部第二取付部に取り付けるだけで、空調服の襟後部の付近に弛みを確保して、空気排出口を容易に形成することができる。また、第一取付部をいずれの第二取付部に取り付けるかに応じて、空気排出口の開口度を複数段階に簡単に調整することができる。更に、第二取付部を有する第二調整ベルトを備えることにより、第一取付部第二取付部に取り付けたときに、第一取付部が空調服の内側にとどまり、外部から見えることがないので、外観が損なわれることがない。
本発明に係る空気排出口調整機構によれば、空調服の襟後部付近に空気排出口を容易に形成することができると共に、空気排出口の開口度を複数段階に簡単に調整することができる。
図1は本発明の第一実施形態である空気排出口調整機構を備える空調服の概略正面図である。 図2(a)は第一実施形態の空気排出口調整機構における調整ベルトの概略平面図、図2(b)はその空気排出口調整機構における貫通孔が形成された空調服の襟部の概略展開図、図2(c)はその空気排出口調整機構における調整ベルトが取り付けられた空調服の襟部の概略展開図である。 図3(a)は第一実施形態の空気排出口調整機構により空気排出口が形成された空調服の襟部を上から見たときの状態を示す概略図、図3(b)はその空調服の襟部のA−A矢視方向概略断面図、図3(c)はその空調服の襟部における留め具付近の概略拡大図である。 図4は第二実施形態の空気排出口調整機構を備える空調服を展開して内側から見たときの概略平面図である。 図5は第二実施形態の空気排出口調整機構における第一調整ベルト及び第二調整ベルトの概略平面図である。 図6は第二実施形態の空気排出口調整機構により空気排出口が形成された空調服の襟部を上から見たときの状態を示す概略図である。 図7は空調服における空気の流れを説明するための図である。 図8は従来の空調服における襟後部と人体の首後部との間に形成される空気排出部を説明するための図である。
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための形態について説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第一実施形態である空気排出口調整機構を備える空調服の概略正面図である。図2(a)は第一実施形態の空気排出口調整機構における調整ベルトの概略平面図、図2(b)はその空気排出口調整機構における貫通孔が形成された空調服の襟部の概略展開図、図2(c)はその空気排出口調整機構における調整ベルトが取り付けられた空調服の襟部の概略展開図である。図3(a)は第一実施形態の空気排出口調整機構により空気排出口が形成された空調服の襟部を上から見たときの状態を示す概略図、図3(b)はその空調服の襟部のA−A矢視方向概略断面図、図3(c)はその空調服の襟部における留め具付近の概略拡大図である。
第一実施形態の空気排出口調整機構50は、図1に示すように、空調服1の襟後部12に設けられており、空調服1の襟後部12と人体の首後部との間に形成される空気排出口の開口度を調整するためのものである。ここで、空調服1は、送風手段を用いて人体との間に形成された空気流通路内に空気を流通させることにより人体を冷却するものであり、空気排出口は、空気流通路内を流通する空気を外部に排出するものである。また、首後部には、着用者の体形にもよるが、背中の上部も含まれるものとする。尚、第一実施形態では、説明を容易にするため、図1に示すように、空気排出口調整機構50を備える空調服1が、襟部として、襟を折り返えさない立ち襟部2を有するものである場合について説明する。また、この空調服1の前側には開閉用のファスナー3が設けられている。
第一実施形態の空気排出口調整機構50は、図2及び図3に示すように、調整ベルト51と、空調服1の襟後部の所定位置に形成された二つの貫通孔52a,52bとを備える。尚、図2(b),(c)には、空調服1の立ち襟部2について、それを展開して平面状に広げたときの状態であって、着用者の首と対向する立ち襟部2の内表面を上にしたときの状態が示されている。したがって、図2(b),(c)においては立ち襟部2の中央部が空調服1の襟後部12に対応する。
調整ベルト51は、図2(a)に示すように、帯状部材511と、一つの留め具512とを有する。留め具512は帯状部材511の一方の端部に設けられている。第一実施形態では、留め具512としてボタンを用いており、このボタン512を帯状部材511の一方の端部に縫い付けている。実際、留め具512としてのボタンは市販されているボタンをそのまま使用することができる。
また、帯状部材511の他方の端部は、図2(c)及び図3に示すように、空調服1の服地の内表面であって襟後部12の所定位置に取り付けるための取付部513である。具体的には、帯状部材511の取付部513を、図2(c)に示すように、空調服1の立ち襟部2の中央から少し右側の部分であってその下部に縫合している。このとき、留め具512が立ち襟部2(襟後部12)の内表面と対向するように調整ベルト51を配置している。
貫通孔52a,52bは、留め具512と係合して留め具512であるボタンを取り付けるためのものである。この貫通孔52a,52bは本発明の係合部に該当する。第一実施形態では、貫通孔52a,52bとしては、切り込み線を入れて作製される通常のボタン孔を用いている。したがって、留め具512であるボタン及び貫通孔52a,52bであるボタン孔はそれぞれ、例えばワイシャツ等におけるボタン及びボタン孔と同様な形状のものであり、留め具512であるボタンと貫通孔52a,52bであるボタン孔との関係は、ワイシャツ等におけるボタンとボタン孔との関係と同様である。二つの貫通孔52a,52bは、調整ベルト51が取り付けられた位置とは異なる立ち襟部2(襟後部12)の所定位置に形成される。具体的には、二つの貫通孔52a,52bを、図2(b),(c)に示すように、空調服1の立ち襟部2の中央からやや左側の部分であってその下部に並べて形成している。ここで、貫通孔52bは貫通孔52aの左側に形成されている。以下では、貫通孔52aを第一貫通孔とも称し、貫通孔52bを第二貫通孔とも称することにする。また、ボタン孔の切り込み方向が立ち襟部2の高さ方向(上下方向)と略平行な方向となるように、各貫通孔52a,52bを形成している。
いま、図2(c)に示すように、帯状部材511の取付部513から留め具512までの調整ベルト51の長さをL2、調整ベルト51が取り付けられた位置(帯状部材511の取付部513)から第一貫通孔52aまでの立ち襟部2(空調服1の服地)に沿った距離をL1a、調整ベルト51が取り付けられた位置(帯状部材511の取付部513)から第二貫通孔52bまでの立ち襟部2(空調服1の服地)に沿った距離をL1bとする。このとき、L1a<L1bであり、且つ、L1a>L2である。すなわち、帯状部材511の取付部513から留め具512までの調整ベルト51の長さL2は、調整ベルト51が取り付けられた位置から各貫通孔52a,52bまでの立ち襟部2(空調服1の服地)に沿った距離L1a,L1bよりも短くなっている。
第一実施形態の空気排出口調整機構50をこのように構成したことにより、留め具512を貫通孔52a,52bのいずれかに通して掛けると、図3に示すように、留め具512の内面が当該貫通孔の形成された部分における襟後部12の外表面に当接し、留め具512が襟後部12にしっかりと固定される。このとき、帯状部材511の取付部513から留め具512までの調整ベルト51の長さL2が、調整ベルト51が取り付けられた位置から各貫通孔52a,52bまでの立ち襟部2に沿った距離L1a,L1bよりも短いので、空調服1を着用したとき、空調服1の襟後部12の付近が弛み、襟後部12と着用者の首後部との間に空気排出口13を形成することができる。また、調整ベルト51が取り付けられた位置から第二貫通孔52bまでの立ち襟部2に沿った距離L1bが、調整ベルト51が取り付けられた位置から第一貫通孔52aまでの立ち襟部2に沿った距離L1aよりも大きいので、留め具512を第二貫通孔52bに取り付けた場合における空気排出口13の開口度は、留め具512を第一貫通孔52aに取り付けた場合における空気排出口13の開口度よりも大きくなる。
具体的に、空調服1の着用者は、空気排出口13から少量の空気を排出したい場合には、留め具512をいずれの貫通孔52a,52bにも取り付けないようにすればよい。このように空気排出口調整機構50を利用して空気排出口13を形成しなくとも、空調服1の送風手段11を作動させると、空気流通路内を流通する空気の圧力により襟後部12と首後部との間に自動的にある程度の開口部が確保されるので、この開口部が空気排出口13となって、ここから少量の空気を外部に排出することができる。また、着用者は、空気排出口13から通常の量の空気を排出したい場合には、留め具512を第一貫通孔52aに取り付ければよく、空気排出口13から多量の空気を排出したい場合には、留め具512を第二貫通孔52bに取り付ければよい。このように、第一実施形態の空気排出口調整機構50を用いると、着用者は、空調服1の使用目的に応じて空気排出口13の開口度を3段階の開口度の中から選択し、所期の冷却効果を得ることができる。
次に、第一実施形態の空気排出口調整機構50の作製方法について説明する。
まず、空調服1の立ち襟部2の内表面において、調整ベルト51を取り付ける位置に調整ベルト取付用の罫書き線を描くと共に、各貫通孔52a,52bを形成する位置に各貫通孔作製用の罫書き線を描く。その後、各貫通孔作製用の罫書き線で示された箇所に、通常のボタン孔の形成方法と同様の方法により当該貫通孔を形成する。こうして、図2(b)に示すように、空調服1の立ち襟部2には二つの貫通孔52a,52bが形成される。ここで、図2(b)では、調整ベルト取付用の罫書き線4を破線で示している。
次に、所定長さの帯状部材511を用意し、この帯状部材511の一方の端部に留め具512としてのボタンを取り付ける。これにより、図2(a)示すような調整ベルト51が得られる。また、このとき、帯状部材511の取付部513から留め具512までの調整ベルト51の長さL2が、調整ベルト取付用の罫書き線4から各貫通孔52a,52bまでの立ち襟部2に沿った距離L1a,L1bよりも短くなるように、調整ベルト51の長さを調整しておく。
その後、留め具512が立ち襟部2(空調服1の服地)の内表面と対向するように且つ帯状部材511の長手方向が立ち襟部2の長手方向と略平行になるように、調整ベルト51を配置して、帯状部材511の取付部513を、立ち襟部2に描いた調整ベルト取付用の罫書き線4で示された箇所に縫合する。こうして、図2(c)に示すように、調整ベルト51が立ち襟部2の内表面に取り付けられ、空気排出口調整機構50が完成する。このように第一実施形態の空気排出口調整機構50は簡単に作製することができる。
第一実施形態の空気排出口調整機構は、帯状部材の一方の端部に設けられた留め具を有し、帯状部材の他方の端部が空調服の服地の内表面であって襟後部の所定位置に取り付けられた調整ベルトと、調整ベルトが取り付けられた位置とは異なる襟後部の所定位置に形成された、留め具と係合して留め具を取り付けるための二つの貫通孔とを備え、帯状部材の上記他方の端部から留め具までの調整ベルトの長さが、調整ベルトが取り付けられた位置から各貫通孔までの空調服の服地に沿った距離よりも短くなっている。これにより、留め具を貫通孔に取り付けるだけで、空調服の襟後部の付近に弛みを確保して、空気排出口を容易に且つ確実に形成することができる。また、留め具をいずれの貫通孔に取り付けるか、若しくは貫通孔に取り付けないかに応じて、空気排出口の開口度を3段階に簡単に調整することができる。尚、第一実施形態の空気排出口調整機構は調整ベルトと二つの貫通孔とを備えて構成されるものであるので、空気排出口を形成する必要がない場合、この空気排出口調整機構が着用者の邪魔になることはない。
また、第一実施形態の空気排出口調整機構では、留め具として市販のボタンを用いたことにより、ボタンが外れて失くしてしまった場合でも、使用者は代替用のボタンを簡単に入手して、ボタンを容易に修繕することができる。しかも、貫通孔は切り込み線を入れて作製されるボタン孔であることにより、通常のボタン孔の形成方法と同様の方法で貫通孔を容易に形成することができる。したがって、第一実施形態の空気排出口調整機構は、簡単に且つ安価に作製することができる。
更に、第一実施形態の空気排出口調整機構では、留め具が空調服の服地の内表面と対向するように調整ベルトに取り付けられていることにより、留め具を貫通孔に取り付けたとき、留め具が直接、人体の皮膚に接触することがないので、着用者には留め具の接触による違和感が生じることはない。
また、第一実施形態の空気排出口調整機構を備える空調服には、従来の空気排出口調整機構である一組の調整紐を備える空調服に比べて、次のような利点がある。従来、一組の調整紐を備える空調服の使用に際して、大半の着用者は、一組の調整紐を結ばず、襟後部と首後部との間に空気排出口を形成していなかった。そして、使用目的に応じて一組の調整紐の長さを調整することも行っていなかった。このため、一組の調整紐を備える空調服は、その性能を十分に発揮することができる状態で使用されていなかった。これに対し、第一実施形態の空気排出口調整機構を備える空調服を、予め留め具を貫通孔に取り付けた状態で出荷することにより、着用者がその空調服を出荷時の状態のまま使用しても、空調服の性能を十分に発揮させることができる。したがって、第一実施形態の空気排出口機構を備える空調服が普及すれば、空調服の性能に関する着用者の評価を大幅に高めることができる。また、第一実施形態の空気排出口調整機構を備える空調服を洗濯する際には、ボタン(留め具)をボタン孔(貫通孔)から外しておくようにする。これにより、洗濯時にボタンに無理な力がかかることがないので、空調服を何ら支障なく洗濯することができる。更に、一組の調整紐を備える空調服では、調整紐の結び目付近に集まった調整紐の先端部分が空気排出の障害になっていたが、第一実施形態の空気排出口調整機構を備える空調服では、調整ベルトに余分な部分がなく、調整ベルトが空気に及ぼす抵抗は非常に小さいので、空気排出口調整機構自体が空気排出の妨げになることはない。
尚、第一実施形態では、立ち襟部を有する空調服に本発明の空気排出口調整機構を適用した場合について説明したが、本発明の空気排出口調整機構を、襟を折り返す襟部を有する空調服に適用するようにしてもよい。この場合、留め具は折り返した襟の部分で覆い隠されるため、外観上の違和感は生じない。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態である空気排出口調整機構について説明する。図4は第二実施形態の空気排出口調整機構を備える空調服を展開して内側から見たときの概略平面図、図5は第二実施形態の空気排出口調整機構における第一調整ベルト及び第二調整ベルトの概略平面図、図6は第二実施形態の空気排出口調整機構により空気排出口が形成された空調服の襟部を上から見たときの状態を示す概略図である。尚、第二実施形態において、第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
第二実施形態の空気排出口調整機構50aは、図4に示すように、襟を折り返えすことができる通常の襟部2aを有する空調服1に設けられる。ここで、図4には、襟部2aについて、折り返し部分Pを折り返さずに広げたときの状態が示されている。また、図6では、襟部2aについて折り返し部分Pを省略して示している。第二実施形態では、空気排出口調整機構50aは、襟部2aの中央部(襟後部12)ではなく、襟後部12の周辺の所定箇所、具体的には襟後部12の少し下側の箇所に設けられる。空調服の形状にもよるが、通常の空調服では、空気流通路内を流通する空気を空気排出口から外部にスムースに排出するには、空気排出口を、襟後部12に設けるよりも、襟後部12の少し下側に設ける方が合理的であるからである。
この第二実施形態の空気排出口調整機構50aは、図4、図5及び図6に示すように、第一調整ベルト51aと、第二調整ベルト53とを備える。第一調整ベルト51aは、図5(a)に示すように、第一の帯状部材511aと、第一の帯状部材511aの一方の端部に設けられた一つの留め具512とを有するものである。第二実施形態でも、留め具512としてボタンを用いる。第一の帯状部材511aの他方の端部は、空調服1の服地の内表面であって襟後部12の周辺の所定の第一位置に取り付けるための取付部513である。ここで、留め具512が空調服1の服地の内表面と対向するように且つ第一の帯状部材511aの長手方向が襟部2aの長手方向と略平行になるように第一調整ベルト51aを配置して、第一の帯状部材511aの取付部513を上記第一位置に縫合している。
第二調整ベルト53は、図5(b)に示すように、第二の帯状部材531と、第二の帯状部材531の一方の端部に形成された、留め具512と係合して留め具512を取り付けるための一つの貫通孔532とを有するものである。第二の帯状部材531としては、強度のある布を用いることが望ましい。また、貫通孔532は本発明の係合部に該当する。この貫通孔532は、切り込み線を入れて作製されるボタン孔である。このボタン孔の切り込み方向は第二の帯状部材531の長手方向と略平行な方向である。第二の帯状部材531の他方の端部は、空調服1の服地の内表面であって第一調整ベルト51aが取り付けられた第一位置とは異なる襟後部12の周辺の所定の第二位置に取り付けるための取付部533である。ここで、第二の帯状部材531の長手方向が襟部2aの長手方向と略平行になるように且つ貫通孔532が第一調整ベルト51aの側に位置するように第二調整ベルト53を配置して、第二の帯状部材531の取付部533を上記第二位置に縫合している。したがって、第二調整ベルト53を空調服1の服地の内表面に取り付けると、ボタン孔の切り込み方向は襟後部12の長手方向と略平行になる。
このように、第二実施形態では、貫通孔532を空調服1の服地に直接形成するのではなく、空調服1の服地の内表面に第二調整ベルト53を取り付け、この第二調整ベルト53に貫通孔532を設けている。これは次の理由による。すなわち、空気排出口機構50aが設けられる、襟後部12の少し下側の部位は、襟部2aと異なり、通常は一枚の布で構成されているので、この部位に貫通孔を直接設けることにすると、当該部位において十分な強度が得られなくなり、しかも、留め具を貫通孔に取り付けたときに留め具が空調服の外側に露出し、外観が損なわれてしまうからである。
いま、第一の帯状部材511aの取付部513から留め具512までの第一調整ベルト51aの長さをL3、第二の帯状部材531の取付部533から貫通孔532までの第二調整ベルト53の長さをL4、そして、第一調整ベルト51aが取り付けられた第一位置(第一の帯状部材511aの取付部513)から第二調整ベルト53が取り付けられた第二位置(第二の帯状部材531の取付部533)までの空調服1の服地に沿った距離をL5とする。第一調整ベルト51aと第二調整ベルト53の長さ、及び、上記第一位置及び第二位置は、L3+L4<L5となるように設計されている。すなわち、第一の帯状部材511aの取付部513から留め具512までの第一調整ベルト51aの長さL3と第二の帯状部材531の取付部533から貫通孔532までの第二調整ベルト53の長さL4との合計の長さが、第一調整ベルト51aが取り付けられた第一位置から第二調整ベルト53が取り付けられた第二位置までの空調服1の服地に沿った距離L5よりも短くなっている。
留め具512を貫通孔532に通して掛けると、図6に示すように、留め具512の内面が貫通孔532の形成された部分における第二調整ベルト53の外表面に当接し、留め具512が第二調整ベルト53にしっかりと固定される。このとき、空調服1の襟後部12の付近が弛み、襟後部12と着用者の首後部との間に空気排出口13が形成される。また、空気排出口13から少量の空気を排出したい場合には、留め具512を貫通孔532に取り付けないようにする。この場合には、空気流通路内を流通する空気の圧力により襟後部12と首後部との間に自動的にある程度の開口部が確保されるので、この開口部が空気排出口13となって、ここから少量の空気を外部に排出することができる。したがって、第二実施形態の空気排出口調整機構50aを用いると、着用者は、空調服1の使用目的に応じて空気排出口13の開口度を2段階の開口度の中から選択し、所期の冷却効果を得ることができる。
次に、第二実施形態の空気排出口調整機構50aの作製方法について説明する。
まず、空調服1の襟部2aの内表面において、第一調整ベルト51aを取り付ける第一位置に第一の罫書き線を描くと共に、第二調整ベルト53を取り付ける第二位置に第二の罫書き線を描く。次に、第一の帯状部材511と第二の帯状部材531とを用意し、第一の帯状部材511の一方の端部に留め具512としてのボタンを取り付け、第二の帯状部材531の一方の端部に、通常のボタン孔の形成方法と同様の方法により貫通孔532を形成する。ここで、ボタン孔の切り込み方向は、第二の帯状部材531の長手方向に略平行な方向とする。
次に、留め具512が空調服1の服地の内表面と対向するように且つ第一の帯状部材511aの長手方向が襟部2aの長手方向と略平行になるように、第一調整ベルト51aを配置して、第一の帯状部材511aの取付部513を、第一の罫書き線で示された箇所に縫合する。また、第二の帯状部材531の長手方向が襟部2aの長手方向と略平行になるように且つ貫通孔532が第一調整ベルト51aの側に位置するように、第二調整ベルト53を配置して、第二の帯状部材531の取付部533を、第二の罫書き線で示された箇所に縫合する。このようにして、第二実施形態の空気排出口調整機構50aは簡単に作製することができる。
第二実施形態の空気排出口調整機構は、第一の帯状部材の一方の端部に設けられた留め具を有し、第一の帯状部材の他方の端部が空調服の服地の内表面であって襟後部の周辺の所定の第一位置に取り付けられた第一調整ベルトと、第二の帯状部材の一方の端部に形成された、留め具と係合して留め具を取り付けるため貫通孔を有し、第二の帯状部材の他方の端部が、空調服の服地の内表面であって第一調整ベルトが取り付けられた第一位置とは異なる襟後部の周辺の所定の第二位置に取り付けられた第二調整ベルトとを備え、第一の帯状部材の上記他方の端部から留め具までの第一調整ベルトの長さと第二の帯状部材の上記他方の端部から貫通孔までの第二調整ベルトの長さとの合計の長さが、第一調整ベルトが取り付けられた第一位置から第二調整ベルトが取り付けられた第二位置までの空調服の服地に沿った距離よりも短くなっている。これにより、留め具を貫通孔に取り付けるだけで、空調服の襟後部の付近に弛みを確保して、空気排出口を容易に且つ確実に形成することができる。また、留め具を貫通孔に取り付けるか、若しくは貫通孔に取り付けないかに応じて、空気排出口の開口度を2段階に簡単に調整することができる。更に、貫通孔を有する第二調整ベルトを備えることにより、留め具を貫通孔に取り付けたときに、留め具が空調服の内側にとどまり、外部から見えることがないので、外観が損なわれることがない。
また、第二実施形態の空気排出口調整機構では、ボタン孔の切り込み方向が襟後部の長手方向と略平行になるようにボタン孔が形成されていることにより、留め具としてボタンを用い、そのボタンをボタン孔に取り付けたときに、第一調整ベルトに引っ張り力が加わったとしても、ボタンがボタン孔から容易に外れてしまうことはない。しかも、第二の帯状部材として強度のある布を用いることにより、ボタンとボタン孔にさまざまな方向から力が加わってもボタン孔が簡単に開いてボタンがボタン孔から外れてしまうということはない。更に、第二実施形態の空気排出口調整機構では、貫通孔を1つしか形成していないが、この場合、貫通孔を、予め空気排出口の開口度が最適になるような位置に設けておけば、着用者は留め具を貫通孔に取り付けるだけで、迷うことなく空気排出口の開口度を最適に調整することができる。尚、その他の効果は上記第一実施形態と同様である。
[他の実施形態]
尚、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記の第一実施形態では、空気排出口調整機構を空調服の襟後部に設ける場合について説明したが、この第一実施形態の空気排出口調整機構を空調服の襟後部の周辺に設けるようにしてもよい。また、上記の第二実施形態では、空気排出口調整機構を空調服の襟後部の周辺に設ける場合について説明したが、この第二実施形態の空気排出口調整機構を空調服の襟後部に設けるようにしてもよい。
また、上記の第一実施形態では、貫通孔を空調服の襟後部に二つ設ける場合について説明したが、貫通孔を空調服の襟後部に一つだけ又は三つ以上設けるようにしてもよい。更に、上記の第二実施形態では、貫通孔を第二調整ベルトに一つ設ける場合について説明したが、貫通孔を第二調整ベルトに二つ以上設けるようにしてもよい。貫通孔を多く設けるほど空気排出口の開口度を細かく調整することが可能となる。
また、上記の第一実施形態では、調整ベルトを帯状部材で構成する場合について説明したが、調整ベルトを帯状部材の代わりに紐状部材で構成するようにしてもよい。同様に、上記の第二実施形態では、第一調整ベルト及び第二調整ベルトをそれぞれ帯状部材で構成する場合について説明したが、第一調整ベルトを紐状部材で構成するようにしてもよく、また、第二調整ベルトを紐状部材で構成するようにしてもよい。更に、上記の第二実施形態において、空調服の構造上、襟部の周囲には布がある場合があり、この場合、第二調整ベルトとしてはこの布を使用することも可能である。
更に、上記の各実施形態では、留め具としてボタンを用い、貫通孔(係合部)としてボタン孔を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、留め具として専用のものを使用してもよい。この場合、係合部としては、その専用の留め具に対応したものを用いることにより、留め具を係合部に取り付ける際の利便性がさらに向上する。例えば、留め具及び係合部としては、面状ファスナーを用いてもよいし、或いは、金属製又は樹脂製の各種ホックやフックを用いてもよい。
加えて、上記の第一実施形態において、帯状部材における留め具が設けられた端部と反対側の端部を、空調服の服地に着脱自在に取り付けるようにしてもよい。同様に、上記の第二実施形態において、第一の帯状部材における留め具が設けられた端部と反対側の端部を、空調服の服地に着脱自在に取り付けるようにしてもよく、また、第二の帯状部材における貫通孔が形成された端部と反対側の端部を、空調服の服地に着脱自在に取り付けるようにしてもよい。これにより、空気排出口調整機構を空調服から取り外すことができるので、空調服及び空気排出口調整機構を何ら支障なく洗濯することができる。また、空気排出口調整機構が壊れたときに、新しい空気排出機構部に容易に交換することができる。
以上説明したように、本発明の空気排出口調整機構では、空調服の襟後部付近に空気排出口を容易に形成することができると共に、空気排出口の開口度を複数段階に簡単に調整することができる。したがって、本発明は、空調服の襟後部付近に形成される空気排出口の開口度を調整する機構として使用するのに好適である。
1 空調服
2 立ち襟部
2a 襟部
3 ファスナー
4 調整ベルト取付用の罫書き線
11 送風手段
12 襟後部
13 空気排出口
21 一組の調整紐
50,50a 空気排出口調整機構
51 調整ベルト
51a 第一調整ベルト
511 帯状部材
511a 第一の帯状部材
512 留め具(第一取付部)
513 取付部
52a 第一貫通孔(係合部、第二取付部
52b 第二貫通孔(係合部、第二取付部
53 第二調整ベルト
531 第二の帯状部材
532 貫通孔(係合部、第二取付部
533 取付部
L1a 調整ベルトの取付位置から第一貫通孔までの空調服の服地に沿った距離
L1b 調整ベルトの取付位置から第二貫通孔までの空調服の服地に沿った距離
L2 帯状部材の取付部から留め具までの調整ベルトの長さ
L3 第一の帯状部材の取付部から留め具までの第一調整ベルトの長さ
L4 第二の帯状部材の取付部から貫通孔までの第二調整ベルトの長さ
L5 第一調整ベルトの取付位置から第二調整ベルトの取付位置までの空調服の服地に沿った距離

Claims (10)

  1. 送風手段を用いて人体との間に形成された空気流通路内に空気を流通させる空調服の襟後部と人体の首後部との間に形成される、前記空気流通路内を流通する空気を外部に排出する空気排出口について、その開口度を調整するための空気排出口調整機構において、
    第一取付部を有し、前記空調服の服地の内表面であって前記襟後部又はその周辺の第一の位置に取り付けられた調整ベルトと、
    前記調整ベルトが取り付けられた前記第一の位置とは異なる前記襟後部又はその周辺の所定の複数の位置に形成された、前記第一取付部の形状に対応して前記第一取付部と取り付けが可能となる複数の第二取付部と
    を備え
    前記第一取付部を前記複数の第二取付部の少なくともいずれか一つに取り付けることで前記空気流通路内を流通する空気の圧力を利用することにより、前記襟後部と人体の首後部との間に、複数段階の予め定められた開口度で前記空気排出口を形成することを特徴とする空気排出口調整機構。
  2. 前記第一取付部は前記空調服の服地の内表面と対向するように前記調整ベルトに取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の空気排出口調整機構。
  3. 送風手段を用いて人体との間に形成された空気流通路内に空気を流通させる空調服の襟後部と人体の首後部との間に形成される、前記空気流通路内を流通する空気を外部に排出する空気排出口について、その開口度を調整するための空気排出口調整機構において、
    第一取付部を有し、前記空調服の服地の内表面であって前記襟後部又はその周辺の第位置に取り付けられた第一調整ベルトと、
    前記第一取付部の形状に対応して前記第一取付部と取り付けが可能となる複数の第二取付部を有し、前記第一調整ベルトが取り付けられた前記第一位置とは異なる前記襟後部又はその周辺の第位置に取り付けられた第二調整ベルトと、
    を備え
    第一取付部を前記複数の第二取付部の少なくともいずれか一つに取り付けること前記空気流通路内を流通する空気の圧力を利用することにより、前記襟後部と人体の首後部との間に、複数段階の予め定められた開口度で前記空気排出口を形成することを特徴とする空気排出口調整機構。
  4. 前記第一取付部は前記空調服の服地の内表面と対向するように前記第一調整ベルトに取り付けられていることを特徴とする請求項3記載の空気排出口調整機構。
  5. 前記第二取付部は貫通孔であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の空気排出口調整機構。
  6. 前記第一取付部はボタンであることを特徴とする請求項5記載の空気排出口調整機構。
  7. 前記貫通孔は切り込み線を入れて作製されるボタン孔であることを特徴とする請求項6記載の空気排出口調整機構。
  8. 前記ボタン孔の切り込み方向が前記襟後部の長手方向と略平行になるように前記ボタン孔が形成されていることを特徴とする請求項7記載の空気排出口調整機構。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の空気排出口調整機構を備えた空調服の服本体。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の空気排出口調整機構を備えた空調服。
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