JP3116011U - つなぎ服 - Google Patents

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博充 岩田
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イワタフクソー株式会社
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Abstract

【課題】屈伸性に優れ、体を動かしやすく、着用時において衣服の乱れがなく、かつ使用感が極めて良好なつなぎ服を提供する。
【解決手段】上半身の両脇部よりも前方である前身頃20をズボン40と続けて一体化し、上半身の両脇部よりも後方である後ろ身頃30の裾部31を、ズボンの腰側ウエスト部5bの内側において、ズボンの腰側ウエスト部5bよりも下方に延長して延長裾部32を形成するとともに、該延長裾部32に続けて外側に折り返して折返し裾部34を設ける。折返し裾部34の上部端縁を、帯状のゴム片を内装してシャーリング加工を施したズボンの腰側ウエスト部5bに接合して一体化する。
【選択図】図3

Description

本考案は、作業用、運動用に好適なつなぎ服に関するものである。
従来、上着とズボンとを続けて一体化したつなぎ服は、作業用、運動用等の衣服として広く知られている。
しかし、上着とズボンとが一体化しているがゆえに、腰をかがめる屈曲動作を行なうとき後ろ身頃が突っ張ってしまい、体を動かしにくいという不都合があった。
そこで、本出願人は、このような不都合を解消するためのつなぎ服を考案し、既に出願した(特許文献1)。そのつなぎ服は、「上半身両脇部よりも前方である前身頃をズボンと一体化し、上半身両脇部よりも後方である後ろ身頃をズボンと分離するとともに、後ろ身頃の裾部をズボンの中に入れられるようズボンのウエスト部よりも延長して形成し、かつ後ろ身頃の両脇部をズボンのウエスト部から下方においてズボンの内側に取着してなる」構成を有するものである(請求項1)。
登録実用新案第3050238号公報
上記特許文献1に記載された考案によれば、屈伸性に優れ、体を動かしやすいつなぎ服が得られる。しかし、いくつかの課題があることを発見した。すなわち、このつなぎ服は、後ろ身頃の裾部がズボンと分離された態様であるため、ズボンのウエスト部より延長した部分の長さが短いと、裾部がズボンから外に出てしまうことがある。一方、ズボンから外に出ないように裾部を長く延長して形成すると、着座したときにこの裾部をも一緒に尻で押えてしまい、窮屈で着座感の悪いものとなる。
また、特許文献1に記載されているように、後ろ身頃の中央のウエスト部ないし腰部とズボンの後ろ中央のウエスト部近傍とを可撓性部材で連結することにより、後ろ身頃の裾部がズボンの中から外へ出てしまうのを防ぐことができるものの、この場合、可撓性部材が伸縮性を有するものであったとしても、屈曲動作を規制する作用が働くため、突っ張り感が生じ、使用感が低下するものとなる。
本考案は、上記従来技術における問題点を解消すべくなされたものであり、その目的は、屈伸性に優れ、体を動かしやすく、着用時において衣服の乱れがなく、かつ使用感が極めて良好なつなぎ服を提供することを目的とする。
(1) 上半身の両脇部よりも前方である前身頃をズボンと続けて一体化し、
上半身の両脇部よりも後方である後ろ身頃の裾部を、ズボンの腰側ウエスト部の内側において、ズボンの腰側ウエスト部よりも下方に延長して延長裾部を形成するとともに、該延長裾部に続けて外側に折り返して折返し裾部を設け、
該折返し裾部の上部端縁を、帯状のゴム片を内装してシャーリング加工を施したズボンの腰側ウエスト部に接合して一体化した、ことを特徴とするつなぎ服である。
本考案においては、次のような構成を備えたものが好ましい態様である。
(2) 前記後ろ身頃の延長裾部の両脇部の少なくとも一部が、ズボンの内側にズボンの脇線に沿って縫い付けによって取着されている。
(3) 前記後ろ身頃の延長裾部の両脇部の少なくとも一部が、ズボンの内側に着脱可能に取着されている。スライドファスナーや面ファスナー、ボタン・フック等を用いて着脱可能に取着するのが好適である。
(4) 前記後ろ身頃の延長裾部の下端部からズボンの腰側ウエスト部までの長さ(H)が6〜12cmである。
(5) 前記後ろ身頃の両肩甲骨付近から下方に向けて帯状に延びるタック部が設けられ、該タック部の内側片面はメッシュ材により形成されている。
(1) 本考案によれば、後ろ身頃に延長裾部と折返し裾部を備えているため、腰をかがめる屈曲動作を行なう際、つなぎ服に特有の後ろ身頃の突っ張り感がまったくなく、屈伸性に優れ、体を動かしやすい。
また、折返し裾部の上部端縁をズボンの腰側ウエスト部に接合して一体化した構造上、後ろ身頃の裾部がズボンの中から外へはだけて出てしまうことはなく、衣服の乱れがなく、体裁が極めて良い。さらに、従来技術では、後ろ身頃とズボンとが分離されているため、後ろ身頃の裾部とズボンの腰側ウエスト部との間に、ズボン内部と外部とを連通する隙間が生じていたが、本考案ではこのような隙間がないので、ズボン内部へ異物等が入るのを防ぐことができる。
また、延長裾部と、延長裾部に続けて折り返した折返し裾部とによって、屈伸時の伸張長さを確保できるため、従来と異なり、ズボンから外に出ないように裾部をズボン内へ長く延長して形成する必要がなく、したがって、着座したときに裾部を一緒に尻で押えてしまうこともなく、極めて良好な着座感が得られる。
また、従来のように後ろ身頃の裾部がズボンの中から外へ出てしまうのを防ぐために後ろ身頃とズボンとを連結する可撓性部材を設ける必要はないため、屈曲動作を規制する作用は一切働かず、突っ張り感がまったくなく、使用感は極めて良好である。
(2) 前記後ろ身頃の延長裾部の両脇部の少なくとも一部が、ズボンの内側にズボンの脇線に沿って縫い付けによって取着されている構成により、後ろ身頃の延長裾部の両脇部がズボン内部に確実に保持され、延長裾部の両脇部がズボンの中から外に出て衣服が乱れるのを防ぐことができ、延長裾部のズボン内への納まりがよくなる。また、縫い付けという取着手段により、確実に取着することができ、製造も簡単である。
(3) 後ろ身頃の延長裾部の両脇部の少なくとも一部が、ズボンの内側に着脱可能に取着されている構成により、後ろ身頃の延長裾部の両脇部がズボンに着脱可能であるため、後ろ身頃の延長裾部の両脇部を着用時にはズボンに取着し、非着用時にはズボンからはずすことができる。着用時には延長裾部の両脇部がズボンの中から外に出て衣服が乱れるのを防ぐことができ、また、延長裾部の両脇部をズボンからはずせば、延長裾部を全部ズボンの中から外へ引き出すことができ、洗濯時などに便利である。
(4) 前記後ろ身頃の延長裾部の下端部からズボンのウエスト部までの長さ(H)が6〜12cmである構成により、円滑な屈曲動作が十分に確保されるとともに、着座したときに裾部を一緒に尻で押えてしまうことが確実に防止され、極めて良好な着座感が得られる。
(5) 前記後ろ身頃の両肩甲骨付近から下方に向けて帯状に延びるタック部が設けられている構成により、肩や腕部の動作も極めて円滑に行うことができ、また、タック部の内側片面はメッシュ材により形成されているため、メッシュ材を通して汗が放散され、優れた着用感が得られる。
本考案の実施例を挙げ、図面を参照して説明するが、本考案は以下の形態に限定されるものではなく、本考案の要旨の範囲で種々の変形、付加等が可能である。なお、各図において同じ要素には同じ符号を用い、適宜その説明を省略する場合がある。
図1は本考案に係るつなぎ服の実施例を示す正面図、図2は同実施例を示す背面図、図3は同実施例の(着用状態で示す)一部拡大側面図、図4は後ろ身頃の裾部とズボンとの接合態様を例示する拡大縦断面図である。
つなぎ服1は、ウエスト部5を境として上半身部10とズボン40とからなる。図示の例では、上半身部10は長袖に形成しているが半袖でもよいし、またノースリーブでもよいのは勿論である。上半身部10は、上半身の両脇部よりも前方である前身頃20と、上半身の両脇部よりも後方である後ろ身頃30とからなる。前身頃20とズボン40とは同一平面上で連続して一体化されており、首部から股部にかけて設けられたファスナー部21を開放することにより、着ることができる。符号22は前面側ウエスト部を形成する帯状の補強布、符号23,24,25は緊締用の補助片であり、それぞれ面ファスナー23a,24a,25aに固定してウエスト太さの調整ができる。前面側ウエスト部と同一レベルでこれに連続して腰側ウエスト部5bが形成されている。
後ろ身頃30は、前身頃20と異なり、ズボン40と同一平面上で連続してズボン40に一体化されていない。
図3、図4に示すとおり、後ろ身頃30の裾部31は、ズボン40の腰側ウエスト部5bの内側において、ズボン40の腰側ウエスト部5bよりも下方に延長して延長裾部32を形成するとともに、該延長裾部32に続けて外側に折り返して(上方に向けて反転させて)折返し裾部34を設けている。符号33は延長裾部32の下端部、つまり延長裾部32から折返し裾部34への折返し部(反転部)である。
そして、折返し裾部34の上部端縁34aを、帯状のゴム片を内装してシャーリング加工を施したズボン40の腰側ウエスト部5bに接合して一体化している。通常、延長裾部32及び折返し裾部34を含む後ろ身頃30の裾部31は、横方向に余裕をもたせて立体裁断され、折返し裾部34の上部端縁34aを、帯状のゴム片を内装した腰側ウエスト部5bと一緒にシャーリング加工を施して縫い付けることにより、腰側ウエスト部5bと一体化される。
図4は後ろ身頃の裾部とズボンとの接合態様を例示する拡大縦断面図であり、図4(a)は通常の着用状態、図4(b)は屈曲動作によって後ろ身頃30が上方に引っ張られた状態を示している。なお、腰側ウエスト部5bにはゴム片が内装されシャーリング加工が施されているため、実際の使用状態では、延長裾部32と折返し裾部34とは、通常、軽く当接する態様となるが、便宜上、延長裾部32と折返し裾部34とが離隔した状態で作図している。
図4(a)に示す通常の着用状態において、ズボン40の内部で、延長裾部32と、延長裾部32に続けて折り返した折返し裾部34とが対向して位置しており、延長裾部32の下端部33からズボン40のウエスト部(腰側ウエスト部)5bまでの長さ(H)が確保されている。したがって、矢印に示すように屈曲動作によって後ろ身頃30が上方に引っ張られると、図4(b)に示すように、延長裾部32も上方へと引っ張られて移動し、延長裾部32の下端部33が折返し裾部34へと動くような状態となる。そして、このとき、延長裾部32の下端部33からズボン40の腰側ウエスト部5bまでの長さ(H)の2倍に相当する後ろ身頃の伸張長さが確保されることとなる。後ろ身頃をズボンと分離した従来のものと比べてみると、腰側ウエスト部5bから延長裾部32の下端部33までの長さ(H)が、従来における、腰側ウエスト部から後ろ身頃の延長部分の下端部までの長さのほぼ1/2であるにもかかわらず、同じ伸張長さを確保できることとなる。このため、従来のように、ズボンから外に出ないように裾部をズボン内へ長く延長して形成する必要がなく、したがって、着座したときに裾部を一緒に尻で押えてしまうこともなく、極めて良好な着座感が得られる。
なお、後ろ身頃30の延長裾部32の下端部33からズボン40のウエスト部(腰側ウエスト部)5bまでの長さ(H)は、必要に応じて設定し得るが、好ましくは6〜12cmである。6cmより短いと、身体の屈曲動作時の伸張長さが不十分となりやすく、屈曲動作に支障を来しやすく、12cmより長いと、伸張長さが余分なものとなりやすく、また、着座したときに延長裾部32を一緒に尻で押えてしまうおそれがある。
図3に示すように、後ろ身頃30の延長裾部32の両脇部32aは、ズボン40の内側にズボン40の脇線40aに沿って縫い付けによって取着されている。ハッチング部は取着位置を示している。これにより、後ろ身頃30の延長裾部32の両脇部32aがズボン40内部に確実に保持され、延長裾部32の両脇部32aがズボン40の中から外に出ることがない。
この場合、延長裾部32の両脇部32aの高さ方向の全域(h1)ではなく、その少なくとも一部においてズボンの脇線40に沿って縫い付けてもよい。なお、折返し裾部34の両脇部は、延長裾部32の両脇部32aと接合してもよいし、あるいは、延長裾部32の両脇部32aと接合しなくてもよく、折返し裾部34の両脇部の処理は特に限定されない。
また、上記と異なり、後ろ身頃30の延長裾部32の両脇部32aの少なくとも一部が、ズボン40の内側に着脱可能に取着されている構成を採用することも可能である(図示省略)。これにより、後ろ身頃30の延長裾部32の両脇部32aがズボン40に着脱可能であるため、例えば、後ろ身頃30の延長裾部32の両脇部32aを着用時には取着し、非着用時にははずすことができる。着脱可能な取着手段としては、スライドファスナーや面ファスナー、ボタン・フック等が挙げられる。
図2に示すとおり、後ろ身頃30の両肩甲骨付近から下方に向けて帯状に延びるタック部36が設けられている。このタック部36の内側片面はメッシュ材により形成されている。このため、肩や腕部の動作も極めて円滑に行うことができ、また、メッシュ材を通して汗が放散され、優れた着用感が得られる。
本考案に係るつなぎ服の実施例を示す正面図である。 本考案に係るつなぎ服の実施例を示す背面図である。 本考案に係るつなぎ服の実施例の一部拡大側面図である。 後ろ身頃の裾部とズボンとの接合態様を例示する拡大縦断面図である。
符号の説明
1 つなぎ服
5b 腰側ウエスト部
10 上半身部
20 前身頃
30 後ろ身頃
31 後ろ身頃の裾部
32 延長裾部
32a 延長裾部の両脇部
33 延長裾部の下端部
34 折返し裾部
36 タック部
40 ズボン

Claims (5)

  1. 上半身の両脇部よりも前方である前身頃をズボンと続けて一体化し、
    上半身の両脇部よりも後方である後ろ身頃の裾部を、ズボンの腰側ウエスト部の内側において、ズボンの腰側ウエスト部よりも下方に延長して延長裾部を形成するとともに、該延長裾部に続けて外側に折り返して折返し裾部を設け、
    該折返し裾部の上部端縁を、帯状のゴム片を内装してシャーリング加工を施したズボンの腰側ウエスト部に接合して一体化した、ことを特徴とするつなぎ服。
  2. 前記後ろ身頃の延長裾部の両脇部の少なくとも一部が、ズボンの内側にズボンの脇線に沿って縫い付けによって取着されている、請求項1に記載のつなぎ服。
  3. 前記後ろ身頃の延長裾部の両脇部の少なくとも一部が、ズボンの内側に着脱可能に取着されている、請求項1に記載のつなぎ服。
  4. 前記後ろ身頃の延長裾部の下端部からズボンの腰側ウエスト部までの長さ(H)が6〜12cmである、請求項2に記載のつなぎ服。
  5. 前記後ろ身頃の両肩甲骨付近から下方に向けて帯状に延びるタック部が設けられ、該タック部の内側片面はメッシュ材により形成されている、請求項1に記載のつなぎ服。
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