JP6380964B1 - 冷却衣服 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却衣服1は、外側から空気を取り込む空気取込口、および内側に冷却風を送出する空気送出口を有するファン7が装着される取付孔6が、胴部3の背面に形成されたものであり、頭部を覆い、複数のメッシュ部材10が設けられたフード部4を備え、冷却風は、メッシュ部材10を介して、フード部4の内側から外側に排出されることを特徴する冷却衣服。
【選択図】図3
Description
しかし、このような環境下では、安全性や機能性の面から、生地が厚い衣服が着用されている。高温環境下で長時間の作業を行う場合、体外に熱を充分に放出することができないため、過度の体温上昇を引き起こして熱中症に陥るおそれがある。
高温環境下で作業する時に着用する衣服として、従来から、冷却衣服が使用されている。例えば、ファンによって風を発生させる風発生装置を備えた冷却衣服が開示されている(特許文献1)。また、ヘルメット着用時に、ヘルメットに接続する略矩形状の風道フード部を襟後方に備えた冷却衣服が開示されている。
さらに、引用文献2の冷却衣服において、風道フードは、ヘルメットと面ファスナで接続されているため、例えば、冷却衣服が何かに引っかかった場合、風道フードはヘルメットから外れてしまい、風道フードの役割を果たせなくなるおそれがある。そして、この場合、再度風道フードとヘルメットを接続するための手間がかかり、着用者の作業性が低下する。
第一実施形態に係る冷却衣服について、図1から図4を参照し、説明する。
冷却衣服1は、図1に示すように、左右に袖部2が縫合された胴部3と、胴部3の首元に縫合されたフード部4とを備えている。そして、図2(a)に示すように、胴部3の肩部分からフード部4の背面にかけて、折り畳み部としての一対のボックスプリーツ5を備えている。
この冷却衣服1は、使用者が直接着用し、または下着を着用した上から着用する。
なお、図面上、裾口幅方向を幅方向X、着丈方向を高さ方向Yとする。
胴部3の背面の腰部分には、ファン取付孔6が2つ形成されている。ファン取付孔6は、幅方向Xにおいて胴体部3を2等分する中心線Lを対称軸として、線対称の位置に形成されている。
ファン取付孔6には、図3に示すように、ファン7が取り付けられる。ファン7は、空気取込口、および空気送出口を有している。ファン7を可動させると、冷却衣服1の外側から空気取込口を介して空気が取り込まれ、空気排出口を介して内側に空気(以下、冷却風と記す。)が送出される。冷却風は、冷却衣服1の胴体部3や袖部2と着用者8の身体との間に形成される通路9を通って、首元や袖元に流れる。冷却風が通路9を通って、外側に排出されることで、着用者8の身体は冷却される。
フード部4は、胴体部3と同じ素材であり、着用者8の頭部を覆うサイズに設計されている。このフード部4には、着用者8の左右の耳に対応する部分(以下、耳部分と記す。)に冷却風排出部としてのメッシュ部材10が設けられている。
メッシュ部材10は、多角形状であり、図4に示すように、耳全体を覆うサイズに設計されている。メッシュ部材10は、耳部分からフード部4の縁部4A(開口部)にかけて設けられている。
ボックスプリーツ5は、ヒダ山が幅方向Xの外側に折られ、裏のヒダ山の折り目が突合せになっている。ボックスプリーツ5は、幅方向Xにおいて、取付け孔3よりも内側に形成され、高さ方向Yに、直線状に形成され、互いに略平行に形成されている(図2(a))。また、ボックスプリーツ5間には、図2(b)に示すように、流路5Aが形成されている。この流路5Aは、流路9と繋がっている。冷却風によって流路9が加圧状態になると、ボックスプリーツ5は外側に拡がり、流路5Aの体積が大きくなる。
本実施形態の冷却衣服1は、着用者8の頭部をフード部4で覆うように着用され、メッシュ部材10は、着用者の耳部全体を覆う(図4)。ファン7を可動させると、ファン7から送出された冷却風は、通路8を通って、首元や袖口に流れる。また、ボックスプリーツ5の流路5Aは、冷却風の風圧により拡がる。そして、流路5A及び流路9を通過した冷却風は、フード部4の内部に流れる。フード部4の内部に送出された冷却風は、メッシュ部材10のメッシュ孔及び縁部4Aと顔との間に生じる隙間から外側に排出される。
また、フード部4に流れる冷却風は、一部がメッシュ部10から排出される。このメッシュ部材10は耳部分に設けられているため、メッシュ部材10から排出された冷却風は、着用者8の顔に衝突せずに外側に排出される。冷却風が着用者8の顔に衝突すると、着用者8には違和感が生じる。特に、冷却風が目に直接当たると、目が乾きやすくなったり、違和感が生じ、着用者8が作業に集中できないおそれが生じる。
本実施形態に係る冷却衣服1は、メッシュ部材10から一部の冷却風を外側に排出するため、着用者8に生じる違和感を低減させつつ、頭部を冷却することができる。
そうすると、騒音や機械音が大きい場所で使用した場合でも、作業者同士の声や物音等を聞き取りやくなり、着用者8の作業性が向上する。
本実施形態に係る冷却衣服について、図5から図11を参照して説明する。
本実施形態に係る冷却衣服1Aは、第一実施形態の冷却衣服1の首回りに冷却風排出機構20が設けられているものである。第一実施形態の冷却衣服1と同様な構成の説明は省略し、冷却風排出機構20を中心に説明する。
第二冷却風排出機構22は、第一冷却風排出機構21と同様に、幅方向Xの中心線L側の裏地に固定された取付部としてのボタン25と、中心線Lから幅方向Xに所定の間隔を空けて裏地に固定されたバンド部26とを有する。
なお、各ボタン23,25は、バックネックポイントに設けることが好ましい。バックネックポイントとは、首を前に倒したときに骨が出る位置を示す。
各バンド部24,26には、その長手方向に沿って、係合孔27が複数形成されている。
本実施形態の冷却衣服1Aは、第一実施形態で述べた作用効果に加え、以下の作用効果が生じる。
つまり、冷却風排出路20Aを冷却衣服の片側にのみ形成することで、この冷却風排出路20Aに冷却風を誘導することができ、冷却したい領域を選択することができる。
冷却風の流れる領域を選択できることにより、例えば、着用者8の右側部分に熱源があった場合や、着用者8の右側部分に強い日差しが当たっている場合、着用者の右側部分を集中的に冷却でき、身体を効率的に冷却できる。
冷却風排出部として、メッシュ部材を使用したが、冷却風排出部はフード部4の内側と外側とを貫通する貫通孔を有していればメッシュ部材に限定されない。本実施形態では、冷却風排出部を耳部分に設けたが、それ以外の部分、例えば、後頭部に設けることもできる。また、この冷却風排出部を設ける個数は、特に限定されない。
また、フード部4には、外側から冷却風排出部を覆うカバー部材を設けることもできる。カバー部材によって、冷却風排出部を開閉することで、冷却風排出部から排出される冷却風の量を調節することができる。例えば、カバー部材でメッシュ部材10を完全に覆った場合、全ての冷却風は縁部4Aと顔との間の隙間から排出されるため、頭部に加え、顔全体を集中的に冷却される。
本実施形態では、フード部4を頭部の上から直接覆った例について説明したが、ヘルメットを被った状態で使用することもできる。
2 袖部
3 胴部
4 フード部
4A 縁部(開口部)
5 ボックスプリーツ
6 ファン取付孔
7 ファン
8 着用者
9 流路
10 メッシュ部材(冷却風排出部)
20 冷却風排出機構
20A 冷却風排出路
21 第一冷却風排出機構
22 第二冷却風排出機構
23 ボタン
24 バンド部
25 ボタン
26 バンド部
27 係合孔
28 取付部
29 取付部
L1,L2 長さ
X 幅方向(裾口幅方向)
Y 高さ方向(着丈方向)
Claims (2)
- 外側から空気を取り込む空気取込口、および内側に冷却風を送出する空気送出口を有する風発生手段が装着される取付孔が、胴部の背面に形成された冷却衣服において、
頭部を覆い、メッシュ状の冷却風排出部が両側の耳部を覆うように設けられたフード部を備え、
前記冷却風を前記フード部に排出する冷却風排出路を構成する冷却風排出機構が、襟元の下部分であって、裾口幅方向の中心線の両側にそれぞれ設けられ、
前記冷却風排出機構は、係合部が設けられ、一端が前記胴部の裏地に固定されたバンド部と、前記胴部の裏地に固定された取付部と、を有し、
前記係合部と前記取付部とを係合させ、
前記バンド部の固定位置から前記取付部の固定位置までの直線の長さを、前記バンド部の固定位置から前記取付部の固定位置までの前記裏地に沿った長さよりも短くすると共に、前記裏地を弛ませることで、一方の前記冷却風排出路を開口させ、
前記冷却風は、一方の前記冷却風排出路を介して、前記フード部に排出され、前記冷却風排出部を介して、前記フード部の内側から外側に排出される、
ことを特徴する冷却衣服。 - 前記胴部から前記フード部にかけて形成された折り畳み部を備え、
前記折り畳み部は、前記胴部及び前記フード部の服地のみから構成され、前記冷却風によって外側に拡がり、前記冷却風を前記フード部に流入させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷却衣服。
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