JP2018071032A - 空調衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】高所作業用安全帯の機能を損なうことなく、前記高所作業用安全帯と重ねて着用可能で、上半身と、首元及び頭部全体と、を冷却可能な空調衣服を提供する。【解決手段】衣服用ファンを取り付けて衣服内に空気を送風する空調衣服であって、衣服外部と内部とを連通するように後身頃の下方の左右に設けられた衣服用ファン取付用孔と、襟の後方裏面側に配設された風道フードと、を具備すること、を特徴とする【選択図】図1

Description

本発明は、高所作業用安全帯と重ねて着用可能で、着用者の身体を冷却可能な空調衣服に関する。
近年、高気温下での作業や運動から引き起こされる熱中症が問題視されている。熱中症とは、視床下部の体温を正常に保つ機能が低下することで全身の発汗作用が停止し、体温が過剰に上昇してしまう症状である。そのため、熱中症が引き起こされると適切な処置を早急に行うことが非常に重要であり、処置が遅れると死に至る可能性もある。
上記のような熱中症対策及び快適な作業環境を提供するために、身体を冷却しつつ作業や運動を可能とする空調衣服が知られるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。空調衣服とは、衣服用ファンが一体的に構成された衣服であり、衣服と、身体又は下着と、の間に外気を取り入れ、本来身体の体温で温められたまま移動しない衣服内の空気を強制的に入れ替えるものである。
空調衣服に備えられている衣服用ファンは、概ね衣服の背面側における下部近傍に固定されている。使用者は空調衣服を着用し、衣服用ファンを駆動することによって、衣服と、身体又は下着と、の間に外気を取り入れ続けることとなり、身体の表面に沿って常時外気が流れるようになる。これにより、身体が必要とする放熱量に応じて排出される汗を気化させることができ、気化熱を奪うことで身体の冷却を可能とするものである。
国際公開第02/067708号パンフレット
しかしながら、従来の空調衣服は、より専門的な作業者に特化して構成されておらず、例えば高所での作業時に、安全綱(命綱)を接続するための高所作業用安全帯(安全綱を接続するためのフォールアレストを具備した作業者の身体に固定する帯)を装着しつつ重ねて着用することができなかった。
また、空調衣服内に取り込んだ空気の移動は腰部から上方及び首元から下方の範囲に限定されており、前記範囲の身体しか冷却効果を得ることができなかった。
ここで、空調衣服の構成に着目すると、背面側の生地で高所作業用安全帯が備えるフォールアレストを隠してしまい、安全綱を接続できない。また、通常の衣服形状のままでは空調の範囲が限定されてしまうことは明らかであって、未だ改善の余地があった。
降雨初期の雨水と、降雨中期以降の雨水と、の分別を行う構造に問題があり、前記構造では確実かつ効率的な雨水の分別と、簡便なメンテナンスと、を行うことができないことは明らかであって、未だ改善の余地があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みて、高所作業用安全帯の機能を損なうことなく、前記高所作業用安全帯と重ねて着用可能で、更に上半身と、首元及び頭部全体と、を冷却可能な空調衣服を提供することを目的とする。
上記の課題を解決すべく、本発明は、
衣服用ファンを取り付けて衣服内に空気を送風する空調衣服であって、
衣服外部と内部とを連通するように後身頃の下方の左右に設けられた衣服用ファン取付用孔と、襟の後方裏面側に配設された風道フードと、を具備すること、
を特徴とする空調衣服を提供する。
このような構成を有する本発明の空調衣服は、衣服用ファンを取り付けて外部の空気を本空調衣服の内部に引き込み、着用者の上半身と、本空調衣服と、の隙間に空気の流れを作ることができる。また、風道フードをヘルメット等と接続することにより、首元から頭部まで空気を送ることができ、従来よりも更に冷却効果を向上させることができる。
また、上記の本発明の空調衣服においては、
衣服外部と内部とを連通するように前記後身頃の略背筋上方部にハーネス接続環露出用孔を具備することが望ましい。
このような構成を有する本発明の空調衣服は、高所作業用安全帯と重ねて着用することができ、前記高所作業用安全帯が備えるフォールアレストをハーネス接続環露出用孔から外部に露出させることで本空調衣服を着用しながら安全綱等を高所作業用安全帯につなげて使用することができる。
また、高所作業用安全帯を重ねて着用しない場合、ハーネス接続環露出用孔を閉じることにより、衣服用ファンで引き込んだ空気をハーネス接続環露出用孔から放出されることを防止し、より多くの空気を首元から頭部に送ることができる。ハーネス接続環露出用孔を開けば、衣服用ファンで引き込んだ空気をハーネス接続環露出用孔から放出させて、背中付近において衣服内部から外部への風の流れを強めて背中部分での冷却効果を高めることができる。
また、上記の本発明の空調衣服においては、
前記衣服用ファン取付用孔が、縁部にリング状布を具備することが望ましい。
また、上記の本発明の空調衣服においては、
前記リング状布に脱着自在で前記リング状布の孔を閉孔可能な閉孔蓋を有することが望ましい。
このような構成を有する本発明の空調衣服は、リング状布により衣服用ファン取付用孔の縁部が補強され、衣服用ファンの取付及び固定が容易かつ確実に行える。また、前記リング状布が面ファスナーを具備することで、閉孔蓋を貼り付けて衣服用ファン取付用孔を閉孔することができ、衣服用ファンを使用しない場合でも衣服本来の機能を損なうことなく使用することができる。
また、上記の本発明の空調衣服においては、
前記襟が、前記風道フードを内部に収納可能な構成を有すること、
このような構成を有する本発明の空調衣服は、ヘルメットを使用しない場合、風道フードを襟内部に収納することができる。
本実施形態における空調衣服1の構成を示す図であり、図1(a)は、本実施形態における空調衣服1の着用状態を正面側から示す模式図であって、図1(b)は、本実施形態における空調衣服1の着用状態を背面側から示す模式図である。 図1に示す風道フード7の構成を示す模式図である。 図1に示す襟15を用いた風道フード7の収納態様を説明する図であって、図3(a)は、風道フード7を折り畳む状態を示す模式図であり、図3(b)は、風道フード7を襟15内部に挿入した状態を示す模式図であり、図3(c)は、襟15が備えたファスナー21を閉じる状態を示す模式図である。 図1に示すハーネス接続環露出用孔9を示す模式図である。 衣服用ファン取付用孔11に衣服用ファン3を取付ける状態を示す模式図である。 衣服用ファン取付用孔11に閉孔蓋27を取付ける状態を示す模式図である。 図1に示すループ13を示す模式図である。 図1に示すループ13の配置方向を説明する図であって、図8(a)は、ループ13を正面側配置した状態を示す模式図であり、図8(b)は、ループ13を内部側に配置した状体を示す模式図である 高所作業用安全帯51と、本実施形態の空調衣服1と、を重ねて着用し、本空調衣服1を透視した状態を示す模式図である。 風道フード7と、ヘルメット53と、の接続手順を示す模式図である。
以下、本発明に係る空調衣服の代表的な実施形態を、図1〜図10を参照しながら詳細に説明するが、本発明は図示されるものに限られない。また、各図面は本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。更に、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
1.空調衣服の構造
<空調衣服の概要>
本実施形態の空調衣服1は、衣服に取り付けることにより前記衣服内に外気を取り込む衣服用ファン3を具備(取外し可能な構造であってもよい。)し、例えば作業服等として適用できるものであって、着用者は作業服内を快適に空調しつつ着用することができるものである。
更に、本空調衣服1はあらかじめ高所作業用安全帯51(本明細書においては、以下「ハーネス」とも称する。)を装着した状態で高所作業用安全帯51の上から着用(高所作業用安全帯51が備えるフォールアレスト55等の接続部は外部に露出する)することができ、より専門的な作業にも対応できるものである。
<空調衣服の構成>
図1(a)及び(b)を用いて、本実施形態における空調衣服1の構成について説明する。図1(a)及び(b)は、本実施形態における空調衣服1の構成を示す図であり、図1(a)は、本実施形態における空調衣服1の着用状態を正面側から示す模式図であって、図1(b)は、本実施形態における空調衣服1の着用状態を背面側から示す模式図である。
図1に示すとおり、本空調衣服1は、概ね基本的な作業服の構造を備えた衣服本体部5を主部材とし、衣服本体部5の背面側上方(襟裏)に設けられた風道フード9と、衣服本体部5の背面側略中央に配設されたハーネス接続環露出用孔9と、衣服本体部5の背面側下方左右に夫々配設された衣服用ファン取付用孔11と、衣服本体部5の正面側胸部左右に夫々配設されたループ13と、を具備して構成されている。
以下、上述した各構成部材を詳細に説明する。
<風道フード7>
図2を用いて風道フード7を詳細に説明する。図2は、風道フード7の構成を示す模式図である。風道フード7は、一般的な衣服に付属する帽子的(頭部の一部を被覆)な用途を達成するものではなく、着用者が別途着用したヘルメット53等に接続し、衣服用ファン3による衣服内の空調(気流)を意図的に首元及び頭部側に導くものである。
風道フード7は、例えば略矩形で衣服本体部5と略同材質の生地又は通気性の低い生地等で構成され、上方端部の前面に面ファスナー19を具備し、下方端部を襟15の後部側に縫着している。前記襟15は、より具体的には、複数の生地を重ねて略袋状に構成され、外部と袋内部とを連通するフード挿入孔17が背面側に配設されており、風道フード7は、一方の端部が襟15の袋内部に縫着され、上記フード挿入孔17を介して袋内部から外部に広げて出すことが可能である。
なお、フード挿入孔17にはファスナー21を取り付け、着用者が任意に開閉可能な構成とすることが望ましい。
次に、図3(a)(b)(c)を用いて襟15の構造を用いた風道フード7の収納について説明する。図3(a)(b)(c)は、襟15を用いた風道フード7の収納態様を説明する図であって、図3(a)は、風道フード7を折り畳む状態を示す模式図であり、図3(b)は、風道フード7を襟15内部に挿入した状態を示す模式図であり、図3(c)は、襟15が備えたファスナー21を閉じる状態を示す模式図である。
図3(a)に示すように、まず、風道フード7を、折り畳む又は筒状に丸めつつ外部側から袋内部側に向かって小さく纏め、図3(b)に示すように、襟15のファスナー21の開口から纏めた風道フード7全体を袋内部に挿入する。続いて、図3(c)に示すように、襟15のファスナー21を徐々に閉じて開口を閉鎖し、風道フード7の収納が完了する。なお、上述では風道フード7を襟15内に収納する方法について説明したが、襟15から外部に取り出す場合、上記手順を逆に行うことで達成することができる。
<ハーネス接続環露出用孔9>
続いて、図4を用いてハーネス接続環露出用孔9の詳細について説明する。図4は、ハーネス接続環露出用孔9を示す模式図である。
図4に示すとおり、ハーネス接続環露出用孔9は、衣服本体部3の背面側略中央(具体的には両肩甲骨の中間近傍)に配設された孔であって、着用者が高所作業用安全帯51を装着した場合、高所作業用安全帯51が背面側に具備するフォールアレスト55をハーネス接続用環露出用孔9から外部に露出させ、安全綱(図示せず。)等を接続することができる。即ち、ハーネス接続環露出用孔9を備えることにより、本実施形態の空調衣服1は、高所作業用安全帯51と併用することができる。
ハーネス接続環露出用孔9は、所定の大きさに形成された横長の孔であって、開口部にダブルファスナー23を具備し、左右どちらへも開閉可能に構成されている。また、ハーネス接続環露出用孔9の上方には、孔保護布25が設けられており、ハーネス接続環露出用孔9の閉鎖時にはこの孔保護布25を当接させてハーネス接続環露出用孔9及びダブルファスナー23を保護することができる。
<衣服用ファン取付用孔11>
次に、図5及び図6を用いて、衣服用ファン取付用孔11の詳細について説明する。図5は、衣服用ファン取付用孔11に衣服用ファン3を取付ける状態を示す模式図であって、図6は、衣服用ファン取付用孔11に閉孔蓋27を取付ける状態を示す模式図である。
衣服用ファン取付用孔11は、前記衣服内に外気を取り込み、着用者の身体を効果的に冷却可能な衣服用ファン3を取り付けるための孔であって、衣服本体部5の背面側の下方左右に設けられている。なお、衣服用ファン3は、衣服本体部5に対して取外可能に構成されてもよいし、完全に固定されたものであってもよい。
衣服用ファン取付用孔11は、略円形(衣服用ファン3の形状に合わせて孔の形状を構成することが望ましい。)の貫通孔であって、衣服本体部5の外部側と内部側とを連通している。また、前記衣服用ファン取付用孔11の縁部には、比較的生地が厚く、中心部に孔を有するリング状布29が備わっており、リング状布29と衣服用ファン取付用孔11との円心を合わせつつ衣服本体部5の内側に前記リング状条布29が配置されるよう接着されている。
リング状布29の一方の面(着用者側に対向する面)には、全面又は一部に面ファスナー31が備わっており、衣服用ファン取付用孔11を閉孔するための閉孔蓋27を取り付けることができる。閉孔蓋27は、リング状布29と略同様の外形を有した円状の生地であり、リング状布29と対向する面の一部(リング状布29が備える面ファスナー31と当接する部分)に面ファスナー33を備えている。
衣服用ファン3を衣服本体部5から取り外した際には、衣服用ファン取付用孔11により衣服本体部5に孔が開いた状態となってしまうが、着用者が冷却を必要としない場合は衣服用ファン取付用孔11が不要となる(冬季等、防寒を必要とする時期には特に不要となる.)。本空調衣服1は、閉孔蓋27を用いることにより、着用時期や環境温度に応じて着用者が任意に衣服用ファン取付用孔11の開閉を行うことができる。
衣服用ファン3の取付に際しては、衣服本体部5の外部側から内部側に向かって衣服用ファン取付用孔11に挿入し、前記衣服用ファン3の取付方法に従って固定する。また、閉孔蓋27の取付は、衣服本体部5の内部側から前記閉孔蓋27と衣服用ファン取付用孔11とを同軸にしつつ当接し、双方の面ファスナー31、33を嵌合させることにより行う。
<ループ13>
次に、図7を用いてループ13について説明する。図7は、ループ13を示すた模式図である。ループ13は、着用者が多目的に使用可能で、例えば高所作業用安全帯51に接続した安全綱やその他作業上必要とするカラビナ35等を接続して一時的に配置させるものである。このため、作業者は上記安全綱やカラビナ35等を持ち運ぶために手が拘束されることがない。
ループ13は、所定の強度を有する厚手の生地を環状に構成し、衣服本体部5の胸部上方に縫着して固定されている。また、図8(a)及び(b)に示すとおり、ループ13は上方部が衣服本体部5の内部側に縫着されており、ループ用開口37を介して外部側に露出している。このため、ループ13は衣服本体部5の内部側に配置(収納)することも可能であり、着用者の任意でループ13の配置(衣服本体部5の外部側又は内部側)を決定することができる。
なお、衣服本体部5の内部側に所定のバッテリーポケット(図示せず。)を設ければ、衣服用ファン3を駆動するためのバッテリーを収納して固定することができ、より利便性を向上することができる。また、衣服用ファン取付用孔11と上記バッテリーポケットとの間に衣服用ファン3が具備する配線を固定可能な紐やテープ等(図示せず。)を備えれば、前記配線が垂れたり、引っ掛け等に起因する断線を防止することができる。
2.空調衣服1の着用方法
<高所作業用安全帯51と空調衣服1とを重ねた着用>
次に、図9を用いて高所作業用安全帯51と、本実施形態の空調衣服1と、を重ねた着用方法について説明する。図9は、高所作業用安全帯51と、本実施形態の空調衣服1と、を重ねて着用し、本空調衣服1を透視した状態を示す模式図である。
上述のとおり、本実施形態の空調衣服1は、高所作業用安全帯51の機能を妨害することなく、重ねて上から着用することができるものである。まず、着用者は高所作業用安全帯51を身体に装着し(装着する高所作業用安全帯51の着用方法に従って行う。)、帯及びフォールアレスト55が所定の位置に配置されたことを確認する(併せて四肢に固定した帯の環内に過剰なクリアランスがないことも確認する。)。
次に、本実施形態の空調衣服1を準備し、衣服本体部5が備える衣服用ファン取付用孔11に衣服用ファン3を挿入して固定する(バッテリー等は所定のバッテリーポケット等に収納する。)。着用者は本空調衣服1に袖を通し、前身頃を閉じた後、背面部のハーネス接続環露出用孔9を介して高所作業用安全帯51が備えるフォールアレスト55を外部に露出させる。
ハーネス接続環露出用孔9の開閉操作及び前記ハーネス接続環露出用孔9を介したフォールアレスト55の露出は、作業者の背面側で行うことになるため、前記手順は必然的に他者の手を借りて行えばよい。
<風道フード7とヘルメット53との接続>
次に、図10を用いて風道フード7と、ヘルメット53と、の接続方法について説明する。図10は、風道フード7と、ヘルメット53と、の接続手順の一例を示す模式図である。
まず、ヘルメット53の後頭部側における所定の位置に、面ファスナー39を貼り付ける。続いて、作業者は襟15のファスナーを開いて前記襟15の内部に収納された風道フード7を外部側に取り出し、収納時の折り目を伸ばしながら広げる。前記風道フード7を上方に引き上げつつ、上方側の端部に備えた面ファスナー19をヘルメット53に貼り付けた面ファスナー39に当接して嵌合させ、風道フード7とヘルメット53とを接続させる。なお、前記接続時は双方の面ファスナー19、39の嵌合部が皺や隙間なく当接するように行うことが望ましい。
上記手順で本実施形態における空調衣服1の着用が完了する。
3.空調衣服1による空調効果
<空調衣服1による気流の流れ>
次に、本実施形態の空調衣服1による空調効果を説明する。図1に示すとおり、本空調衣服1は、背面側の下方左右に取り付けた衣服用ファン3により、外部側の空気を内部側に取り込み、気流を発生させて循環することで空調を達成している。具体的には、まず衣服用ファン3が、備えたファンを回転させることによって外部側の空気を内部側に引き込む。本空調衣服1の内部側に引き込まれた空気で、本空調衣服1の背面側の下方から充満していき(空気が背面側の下方に溜り)、着用者の身体と本空調衣服1との隙間を広げつつ徐々に上方及び前面側に移動する。
本空調衣服1の内部に一定量の空気で入ると、主にハーネス接続環露出用孔9と、首元の隙間と、空調衣服1の下方側(腰部近傍)と、から外部に放出される。しかしながら、首元後方側の隙間から放出された空気は、風道フード7により完全に外部には放出されず、前記風道フード7がガイドとなって更に上方に移動し、着用者の首元を冷却しつつヘルメット53に到着する。
建設現場等で使用されるヘルメット53は、内面と頭部とが密着しない構造となっており、前記内面と頭部との間に中空層が設けられているものが多い。このため、ヘルメット53に到着した空気は後頭部から上記中空層に侵入し、内部で拡散して頭部全体を冷却することができる。
更に、着用者が高所作業用安全帯51を着用している場合は、腰部から首元近傍まで背筋に沿って帯が配置されることから、他部と比して身体と本空調衣服1との間に隙間が発生しやすい。このため、本空調衣服1の下方左右から内部側に引き込まれた空気が背筋の隙間に沿って上方に移動しやすく、特に冷却の効果を体感し易い腰部から背筋、そして首元にかけて気流を発生させることができる。
以上のように、本実施形態の空調衣服1は、高所作業用安全帯51と併用することができ、更に前記高所作業用安全帯51の構造を利用して空調効果を高めることができるものである。また、本空調衣服1から衣服用ファン3を取り外した際においても衣服本来の機能を低下させることなく快適に使用できるよう鋭意検討し発明されたものである。
以上、本発明の代表的な実施形態について図面を参照しつつ説明してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の精神及び教示を逸脱しない範囲でその他の改良例、変形が存在することを当業者に容易に理解される。
本発明の空調衣服1は、高所作業用安全帯の機能を損なうことなく、前記高所作業用安全帯と重ねて着用可能で、更に上半身と、首元及び頭部全体と、の冷却を可能にするものである。
1 空調衣服
3 衣服用ファン
5 衣服本体部
7 風道フード
9 ハーネス接続環露出用孔
11 衣服用ファン取付用孔
13 ループ
15 襟
17 フード挿入孔
19 面ファスナー
21 ファスナー
23 ダブルファスナー
25 孔保護布
27 閉孔蓋
29 リング状布
31 面ファスナー
33 面ファスナー
35 カラビナ
37 ループ用開口
39 面ファスナー
51 高所作業用安全帯
53 ヘルメット
55 フォールアレスト

Claims (5)

  1. 衣服用ファンを取り付けて衣服内に空気を送風する空調衣服であって、
    衣服外部と内部とを連通するように後身頃の下方の左右に設けられた衣服用ファン取付用孔と、襟の後方裏面側に配設された風道フードと、を具備すること、
    を特徴とする空調衣服。
  2. 衣服外部と内部とを連通するように前記後身頃の略背筋上方部にハーネス接続環露出用孔を具備すること、
    を特徴とする請求項1に記載の空調衣服。
  3. 前記衣服用ファン取付用孔が、縁部にリング状布を具備すること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の空調衣服。
  4. 前記リング状布に脱着自在で前記リング状布の孔を閉孔可能な閉孔蓋を有すること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空調衣服。
  5. 前記襟が、前記風道フードを内部に収納可能な構成を有すること、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空調衣服。

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