JP6877321B2 - 衣服 - Google Patents
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Description
つまり、従来の衣服では、衣服の着脱の前にランヤードの挿通、引き抜きといった作業が必要になり、手間や時間がかかるという問題があった。また、ランヤードの取り外しができるタイプでは、ランヤードを連結、取り外しといった作業も行う必要があり、着脱にさらに手間がかかっていた。
さらに、手で切れ目を分離したり、安全帯の緊張によって切れ目が分離することで衣服を脱ぐことが可能であり、非常時にも素早く脱ぐことを可能とする。
まず、実施例1における衣服の構成を図1から図4に基づいて説明する。
実施例1の衣服10は、図1及び図2に示すように、着用者が上半身に着る上着(ジャンパー)であり、綿や化繊等で織られた布や、不織布等からなる生地によって形成されている。なお、衣服10を形成する生地は、伸縮性や通気性、難燃性等の任意の性質を有していてもよい。この衣服10は、着用者の胴体の前側(胸部及び腹部)を覆う前面部20と、着用者の背中を覆う背面部30と、着用者の腕を覆う一対の袖11,11と、襟12と、を有している。
フック掛け部26は、フックFが掛けられるD環26aと、このD環26aを右前身頃部21に取り付けるベルト部26bと、を有している。ここで、ベルト部26bは、D環26aに挿通された状態で中間部が折り曲げられると共に、上端部26cが右前身頃部21に縫い付け固定されている。また、この実施例1では、ベルト部26bの上端部26cは、胸ポケット24の開口24aとフラップ24bとの間に固定されて垂れ下がり、折り曲げられた中間部及びD環26aが胸ポケット24から出し入れ可能になっている(図3(b)参照)。なお、ベルト部26bは、胸ポケット24から出したとき、フラップ24bで覆われる領域からD環26aを露出させる長さに設定されている(図1参照)。
実施例1の衣服10は、着用者が安全帯を装着した状態で、安全帯の上から着用する。すなわち、この衣服10を着用するときには、まず、着用者は、ランヤードLが連結した状態の安全帯を装着する。一方、衣服10は、第2スライドファスナー34のスライダー34cを引き下げると共に、スナップボタン35の上側ボタン35c及び下側ボタン35dをいずれも外し、図4(b)に示すように、ヨーク部31と襟12を切れ目31bから左右に開いておく。なお、このとき、前面部20も第1スライドファスナー23によって開いておく。
そのため、例えば、衣服10に着火したとき等の非常時であっても、ランヤードLやランヤードLをベルト部に連結する連結具が衣服10に引っかかることなく、速やかに衣服10を脱ぐことができる。
しかしながら、実施例1の衣服では、非縫合領域32cによって生じるヨーク部31と後身頃部33との間の隙間にランヤードLを端部から挿通することがないため、非縫合領域32cの身幅方向の幅を、ランヤードLの幅寸法に対して大幅に広くする必要が低い。これにより、この非縫合領域32cによるヨーク部31と後身頃部33との間の隙間を、フックFや連結具が挿通可能な長さに設定した場合よりも小さくすることが可能になる。そのため、隙間からの空気漏れを抑制することができ、防寒や空調の性能向上を図ることができる。
そのため、着用者がフルハーネス型の安全帯を装着したときには、この安全帯の胸ベルトBを、このベルト通し穴27を介して衣服10の外部に引き出すことができ、衣服10の外部で胸ベルトBを連結することができる。これにより、衣服10を着用したままであっても、胸ベルトBの連結状態を確認することができ、安全帯の装着状態のチェックを容易に行うことができる。
実施例1の衣服10にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
前記縫合部32は、身幅方向に延在すると共に、前記ヨーク部31と前記後身頃部33とを縫合しない非縫合領域32cを有し、
前記ヨーク部31は、前記非縫合領域32cに対応する位置に上端部から下端部まで通じる切れ目31bが形成されると共に、前記切れ目31bを開閉自在に係止する係止手段(第2スライドファスナー34、スナップボタン35)を有する構成とした。
これにより、ランヤードが連結状態の安全帯を装着したままであっても、容易に着脱することができる。
これにより、(1)の効果に加え、スライダー34cを引き下げることなく、衣服10をさらに容易に脱ぐことができる。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、着用者は補助脱衣具37を掴んで引っ張れば、係止手段である第2スライドファスナー34やスナップボタン35に対して適切な力を作用させて、これらを容易に外すことができ、さらに容易に脱ぐことができる。
フックFが着脱可能に引っ掛けられるフック掛け部26が、前記ポケット(胸ポケット24)から出し入れ可能に設けられている構成とした。
これにより、フックFが邪魔になることを防止しつつ、安全帯を装着していないときにはフック掛け部26を収納し、一般的な衣服のような外観にすることができる。
図5は、実施例2の衣服の背面部を示す平面図であり、図6は、実施例2の衣服の前面部を開いた状態を示す平面図である。以下、図5及び図6に基づいて、実施例2の衣服10Aの構成を説明する。
また、このヨーク部41は、切れ目41bを開閉自在に係止する第2スライドファスナー44(係止手段)と、スナップボタン45(係止手段)と、を有している。
この実施例2の衣服10Aでは、ヨーク部41の下端縁が、固定縫い目42aによって一部(ここでは二か所)だけが後身頃部43に固定されている。すなわち、実施例2の衣服10Aでは、実施例1の衣服1と異なり、非縫合領域42cの両側に身丈方向に延びる一対の第3縫い目が設けられていない。
(5) 前記後身頃部43の上端縁には、前記非縫合領域42cに対応する位置に、裾13側にへこんだ切欠部43bが形成されている構成とした。
これにより、ヨーク部41と後身頃部43とを連結する縫合部42のほつれを防止することができる。
20 前面部
21 右前身頃部
22 左前身頃部
23 第1スライドファスナー
24 胸ポケット
26 フック掛け部
26a ベルト部材
26b D環
30,40 背面部
31,41 ヨーク部
31a,41a 下部
31b,41b 切れ目
32,42 縫合部
32c,42c 非縫合領域
33,43 後身頃部
34,44 第2スライドファスナー
35,45 スナップボタン
Claims (5)
- 着用者の背中を覆う背面部が、前記着用者の肩及び首回りを覆うヨーク部と、縫合部を介して前記ヨーク部の下部に連結された後身頃部と、を備え、
前記縫合部は、身幅方向に延在すると共に、前記ヨーク部と前記後身頃部とを縫合しない非縫合領域を有し、
前記ヨーク部は、前記非縫合領域に対応する位置に上端部から下端部まで通じる切れ目が形成されると共に、前記切れ目を開閉自在に係止する係止手段を有する
ことを特徴とする衣服。 - 請求項1に記載された衣服において、
前記係止手段は、一対のファスナーストリンガーと、前記一対のファスナーストリンガーの対向縁に沿って移動するスライダーと、を有し、前記一対のファスナーストリンガーに横引き力を加えたとき、一方のファスナーストリンガーが前記スライダーから分離されるクイックオープン式スライドファスナーによって構成されている
ことを特徴とする衣服。 - 請求項1又は請求項2に記載された衣服において、
前記ヨーク部は、前記切れ目の近傍の上部位置に、少なくとも一部が前記ヨーク部の縁部から突出する補助脱衣具が設けられている
ことを特徴とする衣服。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された衣服において、
前記着用者の胸及び腹を覆う前面部にポケットを設け、
フックが着脱可能に引っ掛けられるフック掛け部が、前記ポケットから出し入れ可能に設けられている
ことを特徴とする衣服。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された衣服において、
前記後身頃部の上端縁には、前記非縫合領域に対応する位置に、裾側にへこんだ切欠部が形成されている
ことを特徴とする衣服。
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