JP6918061B2 - 衣服 - Google Patents
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Description
つまり、従来の衣服では、衣服の着脱の前にランヤードの挿通、引き抜きといった作業が必要になり、手間や時間がかかるという問題があった。また、ランヤードの取り外しができるタイプでは、ランヤードを連結、取り外しといった作業も行う必要があり、着脱にさらに手間がかかっていた。
また、フルハーネス型の安全帯では、肩ベルトが着用者の肩から抜けることを防止するため、一対の肩ベルトのそれぞれに胸ベルトを設け、着用者の胸の前側で胸ベルトを連結することが一般的に行われている。しかしながら、安全帯を装着した状態で着用する従来の衣服では、胸ベルトの連結状態を確認することができず、安全帯の装着上のチェックを容易に行うことができないという問題がある。
まず、実施例1における衣服の構成を図1から図4に基づいて説明する。
実施例1の衣服10は、図1及び図2に示すように、着用者が上半身に着る上着(ジャンパー)であり、綿や化繊等で織られた布や、不織布等からなる生地によって形成されている。なお、衣服10を形成する生地は、伸縮性や通気性、難燃性等の任意の性質を有していてもよい。この衣服10は、着用者の胴体の前側(胸部及び腹部)を覆う前面部20と、着用者の背中を覆う背面部30と、着用者の腕を覆う一対の袖11,11と、襟12と、を有している。
実施例1の衣服10は、着用者が安全帯を装着した状態で、安全帯の上から着用する。すなわち、この衣服10を着用するときには、まず、着用者は、ランヤードLが連結した状態の安全帯を装着する。一方、衣服10は、第2スライドファスナー34のスライダー34cを引き下げると共に、スナップボタン35の上側ボタン35c及び下側ボタン35dをいずれも外し、図4(b)に示すように、ヨーク部31と襟12を切れ目31bから左右に開いておく。なお、このとき、前面部20も第1スライドファスナー23によって開いておく。
そのため、例えば、衣服10に着火したとき等の非常時であっても、ランヤードLやランヤードLをベルト部に連結する連結具が衣服10に引っかかることなく、速やかに衣服10を脱ぐことができる。
すなわち、衣服10は、ヨーク部31が切れ目31bによって左右に分割され、この切れ目31bが係止手段(第2スライドファスナー34、スナップボタン35)により開閉自在に係止される。これにより、衣服10の着脱時に切れ目31bからヨーク部31を開いておくことで、ランヤードLやランヤードLをベルト部に連結するための連結具が背面部30に引っ掛かることがない。このため、衣服10を円滑に着脱することができる。一方、衣服10を着用した状態では、係止手段(第2スライドファスナー34、スナップボタン35)によって切れ目31bを閉鎖しておくことで左右に分割したヨーク部31を一体化することができ、一般的な衣服のような外観にすることができる。また、縫合部32に設けた非縫合領域32cにより、ヨーク部31と後身頃部33との間に隙間を生じさせることができるので、切れ目31bを閉鎖しても、この非縫合領域32cによって生じた隙間からランヤードLを外部に引き出しておくことができる。この結果、ランヤードLが連結状態の安全帯を装着したままであっても、衣服10を容易に着脱することができる。さらに、手で切れ目32bを分離したり、安全帯の緊張によって切れ目32bが分離することで衣服10を脱ぐことが可能であり、非常時にも素早く脱ぐことを可能とする。
そのため、着用者がフルハーネス型の安全帯を装着したときには、この安全帯の胸ベルトBを、このベルト通し穴27を介して衣服10の外部に引き出すことができ、衣服10の外部で胸ベルトBを連結することができる。これにより、衣服10を着用したままであっても、胸ベルトBの連結状態を確認することができ、安全帯の装着状態のチェックを容易に行うことができる。
実施例1の衣服10にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
前記縫合部32は、身幅方向に延在すると共に、前記ヨーク部31と前記後身頃部33とを縫合しない非縫合領域32cを有し、
前記ヨーク部31は、前記非縫合領域32cに対応する位置に上端部から下端部まで通じる切れ目31bが形成されると共に、前記切れ目31bを開閉自在に係止する係止手段(第2スライドファスナー34、スナップボタン35)を有する構成とした。
これにより、ランヤードが連結状態の安全帯を装着したままであっても、容易に着脱することができる。
これにより、(1)の効果に加え、スライダー34cを引き下げることなく、衣服10をさらに容易に脱ぐことができる。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、着用者は補助脱衣具37を掴んで引っ張れば、係止手段である第2スライドファスナー34やスナップボタン35に対して適切な力を作用させて、これらを容易に外すことができ、さらに容易に脱ぐことができる。
これにより、フックFが邪魔になることを防止しつつ、安全帯を装着していないときにはフック掛け部26を収納し、一般的な衣服のような外観にすることができる。
また、ベルト通し穴27は、身丈方向に延在されている。これにより、胸ベルトBを、ベルト通し穴27を介して衣服10の外部に引き出すことができる。
また、右前身頃部21、左前身頃部22には、一対の胸ポケット24が設けられ、ベルト通し穴27は、胸ポケット24の側縁に沿って形成されている。これにより、ベルト通し穴27を目立たなくでき、衣服10をさらに一般的な衣服のような外観にすることができる。
また、ベルト通し穴27は、内側に見返し布が縫合されている。これにより、ベルト通し穴27の周縁を補強できる。
(実施例2)
図5は、実施例2の衣服の背面部を示す平面図であり、図6は、実施例2の衣服の前面部を開いた状態を示す平面図である。以下、図5及び図6に基づいて、実施例2の衣服10Aの構成を説明する。
また、このヨーク部41は、切れ目41bを開閉自在に係止する第2スライドファスナー44(係止手段)と、スナップボタン45(係止手段)と、を有している。
この実施例2の衣服10Aでは、ヨーク部41の下端縁が、固定縫い目42aによって一部(ここでは二か所)だけが後身頃部43に固定されている。すなわち、実施例2の衣服10Aでは、実施例1の衣服1と異なり、非縫合領域42cの両側に身丈方向に延びる一対の第3縫い目が設けられていない。
(5) 前記後身頃部43の上端縁には、前記非縫合領域42cに対応する位置に、裾13側にへこんだ切欠部43bが形成されている構成とした。
これにより、ヨーク部41と後身頃部43とを連結する縫合部42のほつれを防止することができる。
20 前面部
21 右前身頃部
22 左前身頃部
23 第1スライドファスナー
24 胸ポケット
26 フック掛け部
26a ベルト部材
26b D環
30,40 背面部
31,41 ヨーク部
31a,41a 下部
31b,41b 切れ目
32,42 縫合部
32c,42c 非縫合領域
33,43 後身頃部
34,44 第2スライドファスナー
35,45 スナップボタン
Claims (3)
- 着用者の胸部を覆う前身頃に形成され、身幅方向に並ぶ一対のベルト通し穴を備え、
前記前身頃には、一対の胸ポケットが設けられ、
前記ベルト通し穴は、前記胸ポケットの身幅方向中央側の側縁に沿って形成され、前記着用者に装着された安全帯の胸ベルト及び前記胸ベルトに取り付けられたバックルを挿通可能な大きさを有し、且つ、前記胸ポケットによって覆われている
ことを特徴とする衣服。 - 請求項1に記載された衣服において、
前記着用者の背中を覆う背面部が、ヨーク部と、前記ヨーク部の下部に縫合部を介して連結された後身頃部と、を備え、
前記後身頃部の上側に前記ヨーク部の下部を重ねると共に、縫合部に、前記ヨーク部に対して前記後身頃部を縫合しない非縫合領域を設けた
ことを特徴とする衣服。 - 請求項1又は請求項2に記載された衣服において、
前記前身頃には、上端部が前記胸ポケットの開口の上側に固定されて垂れ下がり、前記胸ポケットから出し入れ可能なフック掛け部が設けられている
ことを特徴とする衣服。
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