JP3224822U - 作業服 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業者等が、柱上作業、屋根作業、垂直はしごの昇降を伴う作業等の特殊な高所作業を行う際に、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をし、その上から作業服の着用をした状態において、安全にフルハーネス型墜落制止用器具の使用をすることができる作業服を提供する。【解決手段】安全保護具30(例えば、フルハーネス型墜落制止用器具等)の装着をした状態で、安全保護具30の上から着用をすることができる作業服であって、安全保護具30に取り付けられるロープ40(例えば、ランヤード等のロープ等)を貫通させることができる第一貫通孔20が、前身頃に設けられている。【選択図】図3

Description

本考案は、墜落制止用器具の装着をした状態で、その上から着用をすることができる作業服に関するものである。
日本国内における建築業等の高所作業では、作業者や監督者等(以下「作業者等」という。)の墜落事故を防止するため、労働安全衛生法施行令等によって、作業者等に安全帯の使用が義務付けられている。しかし、従来、多くの作業者等に使用されていた安全帯は、腰回りに一本の胴ベルトを装着して使用する胴ベルト型安全帯が主流であり、墜落を制止する際、胴ベルト型安全帯の装着をした作業者等の身体にかかる荷重が、胴ベルト部分に集中することにより、内臓の損傷や胸部等の圧迫の危険性が指摘されていた。
また、胴ベルト型安全帯は、その構造から、その他の危険性、例えば、墜落を制止する際に、胴ベルト型安全帯の装着をした作業者等の身体が、胴ベルト部分を中心として「くの字」に前屈した状態で吊り下がることで、胴ベルト型安全帯の装着をした作業者等の頭部が胴ベルト部分よりも低くなる逆さま姿勢となることや、胴ベルト型安全帯の装着をした作業者等の身体が胴ベルトから抜け出してしまうこと等、が指摘されていた。
そこで、2019年2月1日に施行された労働安全衛生法施行令等の改正により、高所作業では、所定の場合を除き、原則として、作業者等の肩、腰、腿等の複数の部位をベルトで固定して身体を支えるフルハーネス型安全帯の使用が義務化されることとなった。
フルハーネス型安全帯は、フルハーネス型安全帯の装着をする作業者等の肩、腰、腿等の部位に対応する複数のベルトから構成されているため、墜落を制止する際に、フルハーネス型安全帯の装着をした作業者等の身体にかかる荷重が一点に集中することを防ぎ、上記した胴ベルト型安全帯による危険性を回避することができる。
また、フルハーネス型安全帯は、通常、フルハーネス型安全帯の装着をした作業者等の身体の重心位置(腰部付近)よりも頭部側、例えば、背中上部に対応するベルトに接続器具が設けられており、墜落時には、この接続器具を中心として作業者等が宙吊りになるように設計されている。そのため、上記した胴ベルト型安全帯による逆さま姿勢や身体の抜け出し等の危険性も回避することができる。
なお、上記した労働安全衛生法施行令等の改正により、「安全帯」の名称が「墜落制止用器具」に改められたことから、本明細書においても、以下「胴ベルト型安全帯」を「胴ベルト型墜落制止用器具」と、「フルハーネス型安全帯」を「フルハーネス型墜落制止用器具」と表記する。
フルハーネス型墜落制止用器具は、通常、ランヤードまたはリトラクタ式墜落阻止器具等による命綱が取り付けられて使用される。
ここで、ランヤードとは、身体に装着された墜落制止用器具と、取付設備等(安全に墜落制止用器具の取り付けをすることができる設備等)とを連結するための部材であって、ロープと、ロープの先端に設けられたフックと、ロープのフックが設けられた先端と反対側の先端に設けられ、墜落制止用器具の接続器具に連結される留め具等と、からなる器具をいう。
また、リトラクタ式墜落阻止器具とは、取付設備等に固定して使用される器具であって、リトラクタ式墜落阻止器具本体を取付設備等に取り付けるための部材と、前記本体に一端が固定されたロープと、ロープを巻き上げるウインチ等の巻き上げ機または自動巻取り装置と、前記固定されたロープの反対側の一端の先端に設けられ、墜落制止用器具の接続器具に連結される留め具等と、を備える器具をいう(以下、「ランヤード」および「リトラクタ式墜落阻止器具」を、まとめて「ランヤード等」という。)。
フルハーネス型墜落制止用器具は、多くの場合、ランヤード等の留め具と、フルハーネス型墜落制止用器具における背中上部に対応するベルトに設けられた接続器具(例えば、D字型の環状の金具等)とを連結し、かつ、ランヤード等における留め具が設けられたロープ先端の反対側(例えば、ランヤードのフックまたはリトラクタ式墜落阻止器具の本体)を取付設備等に取り付けて、使用される。
ここで、実際の作業現場等では、作業者等が、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をし、その上から作業服の着用をした状態において、フルハーネス型墜落制止用器具とランヤード等とを連結して、フルハーネス型墜落制止用器具の使用を必要とする場合がある。例えば、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をした作業者等が、熱中症予防の目的で、風発生手段が取り付けられた作業服の着用をする場合、または、防寒の目的で、保温性の高い作業服の着用をする場合等が挙げられる。これらの場合に、作業者等が、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をした上から、風発生手段が取り付けられた通常の作業服等の着用をしてしまうと、ランヤード等のロープを作業服の開口部(例えば、作業服の襟部における開口部等)に通す等して、無理にランヤード等とフルハーネス型墜落制止用器具とを連結する必要が生じ、その結果、フルハーネス型墜落制止用器具と取付設備等との正常な連結が妨げられることとなる。そうすると、フルハーネス型墜落制止用器具は、安全にその墜落制止機能の発揮をすることが困難となる。
また、墜落を制止する際には、作業者等の重みによって鉛直方向に張ろうとするランヤード等のロープが、作業服に引っ掛かることで、作業服が裂けたり、作業者等の身体部位が圧迫される等、新たな事故等を誘発する危険性がある。
そこで、上記した場合等に応じて、作業者等が、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をし、その上から作業服の着用をした状態においても、安全にフルハーネス型墜落制止用器具の使用ができるようにするため、これまでに、ランヤード等のロープを貫通させることができる貫通孔が設けられた作業服が開示されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の作業服は、その後身頃において、フルハーネス型墜落制止用器具における背中上部に対応するベルトに設けられた接続器具に対向した位置において、ランヤード等のロープを貫通させることができる貫通孔が設けられている。これにより、作業者等は、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をし、その上から作業服の着用をした状態においても、安全にフルハーネス型墜落制止用器具の使用をすることができる。
特開2019−99963号公報
一般的に、作業者等は、フルハーネス型墜落制止用器具における背中上部に対応するベルトに設けられた接続器具と、ランヤード等の留め具とを連結して、フルハーネス型墜落制止用器具を使用する。
しかし、特殊な高所作業、例えば、柱上作業、屋根作業、垂直はしごの昇降を伴う作業等では、上記の連結とは異なる連結をして、フルハーネス型墜落制止用器具の使用をする場合がある。
そこで、上記した特殊な高所作業等を行う際にも、作業者等が、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をし、その上から作業服の着用をした状態において、安全にフルハーネス型墜落制止用器具の使用をすることができる作業服が求められる。また、このような作業服の需要は、上記した労働安全衛生法施行令等の改正によって増大すると考えられる。
本考案は、作業者等が、柱上作業、屋根作業、垂直はしごの昇降を伴う作業等の特殊な高所作業を行う際に、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をし、その上から作業服の着用をした状態において、安全にフルハーネス型墜落制止用器具の使用をすることができる作業服の提供を目的とする。
本考案の作業服は、安全保護具(例えば、フルハーネス型墜落制止用器具等)の装着をした状態で、前記安全保護具の上から着用をすることができる作業服であって、前記安全保護具に取り付けられるロープ(例えば、ランヤード等のロープ等)を貫通させることができる第一貫通孔が、前身頃に設けられたことを特徴とする。
本考案の作業服は、前記第一貫通孔が、着丈方向に沿って、縦方向に設けられたスリットによって形成されたことを特徴とする。
本考案の作業服は、前記第一貫通孔が、身幅方向に沿って、横方向に設けられたスリットによって形成されたことを特徴とする。
本考案の作業服は、前記安全保護具と前記ロープとが連結される接続器具に対向する位置において、前記第一貫通孔が形成されたことを特徴とする。
本考案の作業服は、前記第一貫通孔の少なくとも一部が、開閉自在な開閉手段を有することを特徴とする。
本考案の作業服は、前記ロープを貫通させることができる第二貫通孔が、後身頃に設けられたことを特徴とする。
本考案の作業服は、前記第一貫通孔および前記第二貫通孔のそれぞれが、前記ロープを覆うための筒状のカバー部を有することを特徴とする。
本考案の作業服は、前記第一貫通孔が、左胸部に対応する部位において形成され、かつ、前記第一貫通孔を開閉自在とするファスナーを備えており、前記前身頃が、前記前身頃を開閉自在とするファスナーを備えたことを特徴とする。
本考案の作業服は、外側から空気を取り込む空気取込口、および内側に風を送出する空気送出口を有する風発生手段が取り付けられる取付孔を有することを特徴とする。
本考案の作業服は、後身頃を着丈方向に向けて二等分する中心線を軸として線対称に、前記後身頃における左右側腹部に対応する部位において、前記取付孔が形成されたことを特徴とする。
本考案の作業服は、前記取付孔に、前記風発生手段が取り付けられていることを特徴とする。
本考案の作業服は、安全保護具(例えば、フルハーネス型墜落制止用器具等)の装着をした状態で、その上から着用する作業服であって、安全保護具に取り付けられるロープ(例えば、ランヤード等のロープ等)を貫通させることができる第一貫通孔が、前身頃に設けられている。この第一貫通孔は、作業服の前身頃に設けられていることから、フルハーネス型墜落制止用器具における正面側、例えば、胸部に対応するベルトに設けられた接続器具(例えば、D字型の環状の金具等)とランヤード等の留め具とを連結して、フルハーネス型墜落制止用器具を使用する際に、ランヤード等のロープをこの第一貫通孔に貫通させることで、作業服の生地に干渉されることなく、フルハーネス型墜落制止用器具とランヤード等との連結を可能にする。そのため、作業者等が、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をし、その上から本考案の作業服の着用をした状態においても、安全にフルハーネス型墜落制止用器具の使用をすることができる。
本考案の作業服は、第一貫通孔が、着丈方向に沿って、縦方向に設けられたスリットによって、形成されていることが好ましい。通常、フルハーネス型墜落制止用器具における正面側、例えば、胸部に対応するベルトに設けられた接続器具(例えば、D字型の環状の金具等)は、着丈方向に沿って、縦方向に取り付けられている。そのため、この接続器具に、ランヤード等の留め具(例えば、カラビナまたは専用の留め金等)を連結する際には、縦方向に設けられた接続器具に対して、身幅方向に沿って横方向から引っ掛けるようにすると、接続器具と留め具との連結がしやすく、フルハーネス型墜落制止用器具とランヤード等との連結をスムーズに行うことができる。
また、通常、フルハーネス型墜落制止用器具とランヤード等との連結作業は、作業者等自身が片手で行うことが多く、その場合には、身幅方向に沿って横方向から引っ掛けるようにして連結することは、腕の構造上も作業が容易であり、作業者等の負担を軽減することができる。
したがって、本考案の作業服は、第一貫通孔が、着丈方向に沿って、縦方向に設けられたスリットによって形成されることで、作業者等が、本考案の作業服を着用した状態で、ランヤード等のロープを第一貫通孔に貫通させやすく、フルハーネス型墜落制止用器具とランヤード等との連結作業を容易に行うことが可能となる。
また、本考案の作業服は、第一貫通孔が、身幅方向に沿って、横方向に設けられたスリットによって形成されていることが好ましい場合がある。通常、フルハーネス型墜落制止用器具における正面側、例えば、胸部に対応するベルトに設けられた接続器具(例えば、D字型の環状の金具等)は、着丈方向に沿って、縦方向に取り付けられていることが多い。
しかし、特殊な作業、例えば、レスキュー活動等における救助作業等では、フルハーネス型墜落制止用器具の接続器具は、腹部上部に対応するベルトに設けられ、かつ、身幅方向に沿って、横方向に設けられていることがある。これは、通常のフルハーネス型墜落制止用器具とは異なり、宙吊り状態での救助作業等を想定しているため、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をした作業者等が吊り下げられる際の安定性を重視したものである。このとき、本考案の作業服における第一貫通孔は、接続器具と同様に、身幅方向に沿って、横方向に設けられたスリットによって形成されているため、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をした作業者等が、ランヤード等のロープを使用して鉛直方向に吊り下げられる際に、作業服との引っ掛かり等によるロープのたわみを防ぐことができる。
したがって、本考案の作業服は、第一貫通孔が、身幅方向に沿って、横方向に設けられたスリットによって形成されることで、上記した特殊な作業等にも対応して、フルハーネス型墜落制止用器具とランヤード等とを連結した上で、安定的に、かつ、安全に作業を続けることができる。
さらに、本考案の作業服は、安全保護具とロープ(例えば、ランヤード等のロープ等)とが連結される接続器具に対向する位置において、第一貫通孔が形成されていることが好ましい。第一貫通孔が、フルハーネス型墜落制止用器具における接続器具に対向する位置において形成されていると、墜落を制止する際にランヤード等のロープが鉛直方向に張る妨げとなるものがなく、より安全にフルハーネス型墜落制止用器具の使用をすることができる。また、第一貫通孔の大きさ(貫通孔の長さや幅等)も、第一貫通孔をフルハーネス型墜落制止用器具における接続器具に対向する位置において形成することで、必要最低限のサイズに抑えることができる。
さらに、本考案の作業服は、第一貫通孔の少なくとも一部が、開閉自在な開閉手段を有することが好ましい。第一貫通孔の少なくとも一部が、開閉自在な開閉手段を有することで、本考案の作業服が、特別な構成を備える作業服である場合、例えば、風発生手段を備える作業服または保温性素材により構成された作業服等である場合には、風発生手段による冷却効果または保温性素材による保温効果等を損なうことなく、作業者等が、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をし、その上から本考案の作業服の着用をした状態においても、安全にフルハーネス型墜落制止用器具の使用をすることができる。また、第一貫通孔を使用しない場合であっても、開閉手段を閉じておくことで、上記した効果を損なわずに本考案の作業服を着用することができる。さらに、第一貫通孔を使用しない場合における本考案の作業服の見栄えを改善することもできる。
本考案の作業服は、安全保護具に取り付けられるロープ(例えば、ランヤード等のロープ等)を貫通させることができる第二貫通孔が、後身頃に設けられているが好ましい。特殊な高所作業等においては、フルハーネス型墜落制止用器具における正面側、例えば、胸部または腹部上部に対応するベルトに設けられた接続器具と、ランヤード等の留め具とを連結して、フルハーネス型墜落制止用器具の使用がされる。一方で、一般的な多くの高所作業では、フルハーネス型墜落制止用器具における背中上部に対応するベルトに設けられた接続器具と、ランヤード等の留め具とを連結して、フルハーネス型墜落制止用器具の使用がされている。これらの使用態様の相違は、作業場所、作業内容等によってその都度変更されるものである。
本考案の作業服は、後身頃に、第二貫通孔が設けられていることにより、作業者等が、フルハーネス型墜落制止用器具における胸部もしくは腹部上部に設けられた接続器具または背中上部に設けられた接続器具のいずれかと、ランヤード等の留め具とを連結する場合であっても、作業服を変更する必要なく、作業の継続をすることができる。
本考案の作業服は、第一貫通孔および第二貫通孔のそれぞれが、安全保護具に取り付けられるロープ(例えば、ランヤード等のロープ等)を覆うための筒状のカバー部を有することが好ましい。本考案の作業服が、特別な構成を備える作業服である場合、例えば、風発生手段を備える作業服または保温性素材により構成された作業服等である場合に、第一貫通孔および第二貫通孔のそれぞれがカバー部を有することにより、第一貫通孔および第二貫通孔を通じて、外部環境から、本考案の作業服と作業者等との間に外気が入ることを防ぎ、風発生手段による冷却効果または保温性素材による保温効果等を、より高めることができる。
また、このカバー部によって、ランヤード等のロープの一部が覆われることで、これらのロープと外部環境との干渉を防ぐことができる。したがって、作業者等が、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をし、その上から本考案の作業服の着用をした状態においても、安全にフルハーネス型墜落制止用器具の使用をすることができる。
本考案の作業服は、第一貫通孔が、左胸部に対応する部位において形成され、かつ、第一貫通孔を開閉自在とするファスナーを備えており、前身頃が、前身頃を開閉自在とするファスナーを備えていることが好ましい。本考案の作業服は、第一貫通孔が、左胸部に対応する部位において形成されている。これにより、フルハーネス型墜落制止用器具における正面側の接続器具は、胸部に対応するベルトに設けられているものが多いため、より多くのフルハーネス型墜落制止用器具に対応して、作業者が違和感なく、フルハーネス型墜落制止用器具の使用および本考案の作業服の着用をすることができる。
また、本考案の作業服は、第一貫通孔が、第一貫通孔を開閉自在とするファスナーを備えている。これにより、第一貫通孔のファスナーをランヤード等のロープの幅や太さに合わせて閉じることで、本考案の作業服が特別な構成を備える作業服である場合、例えば、風発生手段を備える作業服または保温性素材により構成された作業服等である場合には、風発生手段による冷却効果または保温性素材による保温効果等を損なうことなく、本考案の作業服の着用をすることができる。また、第一貫通孔を使用しない場合であっても、第一貫通孔のファスナーを閉じておくことで、上記した効果を損なわずに本考案の作業服を着用することができる。さらに、第一貫通孔を使用しない場合における本考案の作業服の見栄えを改善することもできる。
さらに、本考案の作業服は、前身頃が、前身頃を着丈方向に向けて二等分する中心線において、前身頃を開閉自在とするファスナーを備えていることが好ましい。これにより、作業者等が、本考案の作業服を脱ぎ着する際に、前身頃におけるファスナーを開いて脱ぎ着することができ、作業服の脱着を容易に行うことができる。
本考案の作業服は、外側から空気を取り込む空気取込口、および内側に風を送出する空気送出口を有する風発生手段が取り付けられる取付孔を有していることが好ましい。この取付孔に風発生手段を取り付けることで、作業者等は、本考案の作業服を冷却衣服として着用することができる。また、風発生手段が故障した場合等であっても、取付孔に新しい風発生手段を取り付けることで、本考案の作業服を冷却衣服として着用し続けることができる。
本考案の作業服は、後身頃を着丈方向に向けて二等分する中心線を軸として線対称に、後身頃における左右側腹部に対応する部位において、風発生手段の取付孔が形成されていることが好ましい。風発生手段は、作業者等の作業およびフルハーネス型墜落制止用器具の使用を妨げることなく、安全な位置において作業服に取り付けられることが必要である。上記した左右側腹部に対応する部位は、作業者等の腕の可動領域から外れ、かつ、フルハーネス型墜落制止用器具の接続器具等とも干渉しない位置であるため、作業者等の作業およびフルハーネス型墜落制止用器具の使用を妨げることなく、安全に風発生手段を取り付けることができる。
また、本考案の作業服に、風発生手段を取り付けて、風発生手段を作動させた場合には、本考案の作業服と作業者等との間に、作業者等の身体を冷却させるための冷却風が流れる。この冷却風は、作業服の襟部と作業者等の首との間に形成される開口部、および作業服の袖口部と作業者等の手首との間に形成される開口部、に向けて流れ、それぞれから排出される。したがって、後身頃における左右側腹部に対応する部位において、対になる風発生手段が取り付けられることで、襟部における開口部と袖部における開口部とのそれぞれに送出される冷却風の風量のバランスが改善され、効率的に身体を冷却することができる。
本考案の作業服は、取付孔に、風発生手段が取り付けられていることが好ましい。これにより、本考案の作業服は、冷却衣服としての機能を備えつつ、さらに、作業者等が、フルハーネス型墜落制止用器具の装着をし、その上から本考案の作業服の着用をした状態においても、安全にフルハーネス型墜落制止用器具の使用をすることができる。
本考案の実施形態に係る作業服の正面図である。 本考案の実施形態に係る作業服の背面図である。 本考案の実施形態に係る作業服を、作業者等が、安全保護具の装着をした上から、着用をした状態を示す図である。 本考案の実施形態に係る作業服における第一貫通孔の開閉手段の一例を示す図である。 本考案の実施形態に係る作業服における第一貫通孔の開閉手段の一例の使用状態を示す拡大図である。
本実施形態の作業服1を、図1〜図5を参照して、説明する。
なお、作業服の身幅方向を幅方向X、着丈方向を着丈方向Yとする。また、本実施形態の作業服の「左(左側)」及び「右(右側)」、「正面(正面側)」及び「背面(背面側)」は、着用者を基準とする。
本実施形態の作業服1は、図1に示すように、作業者等が着用する上衣である。なお、作業服1は長袖の上衣であるが、この上衣には、例えば、七分袖、半袖または袖なしの上衣等が含まれる。
作業服1は、図1及び図2に示すように、前身頃2、袖部4、襟部5、裾部6および後身頃11等で構成されている。前身頃2、袖部4、襟部5、裾部6および後身頃11等は、作業者等が行う作業または作業を行う環境等に応じて、種々の素材、例えば、伸縮性素材、耐熱性素材、保温性素材、または衝撃や摩擦、圧迫等に強い素材等の生地片によって構成される。
前身頃2は、図1に示すように、着丈方向において、肩部から胸部上部までに対応する前身頃上部2aと、胸部上部から下腹部までに対応する前身頃下部2bとで、構成されている。前身頃上部2aおよび前身頃下部2bは、それぞれ、前身頃2を着丈方向に向けて二等分する中心線において、左側に対応する部位と、右側に対応する部位とに分かれている。この左側に対応する前身頃上部2aと前身頃下部2bとは、前身頃上部2aの下端と、前身頃下部2bの上端とで、縫合され、同様に、右側に対応する前身頃上部2aと前身頃下部2bとは、前身頃上部2aの下端と、前身頃下部2bの上端とで、縫合されている。さらに、縫合された前身頃上部2aと前身頃下部2bとは、前身頃2を着丈方向に向けて二等分する中心線において、前身頃2を開閉自在とするファスナー(図示せず)が設けられている。
また、前身頃2を着丈方向に向けて二等分する中心線においては、このファスナーを覆うように、首下から下腹部中央に対応する部位にわたって、着丈方向において縦長の長方形の生地片からなるフラップ部3が設けられている。そのため、図1においては、このフラップ部3のみが図示されている。このフラップ部3は、身幅方向において、長方形の左側に対応する長手の一辺のみが、前身頃2に縫合されている。したがって、フラップ部3は、この縫合部を軸として折り返すことができ、開閉自在となっている。
前身頃上部2aには、図1に示すように、左右の鎖骨周辺に対応する部位において、掛け具7が設けられている。この掛け具7は、取付設備等に取り付けられていないランヤードのフックを吊り下げるための器具であり、D字型の環状器具と、一対の生地片を重ねて縫合した帯状の部材とで、構成される。また、D字型の環状器具は、D字型の環状の部位と、長方形型の環状の部位とで、構成されている。具体的には、D字型の環状の部位の直線部分を長方形の長手の一辺として、長方形型の環状の部位が形成されている。
掛け具7は、D字型の環状器具が、帯状の部材を介して、着丈方向において、長方形型の環状の部位を上側に、D字型の環状の部位を下側にした状態で、前身頃上部2aに吊り下げられることで、設けられる。具体的には、D字型の環状器具における長方形型の環状の部位の環に、帯状の部材が、上方から下方に向けて通される。この環に通された帯状の部材が、長方形型の環状の部位の上側の長手の一辺をくるむようにして、下方から上方に向けて、折り返される。この折り返された帯状の部材と、長方形型の環状の部位の環を通される前の帯状の部材とが、縫合され、D字型の環状器具と帯状の部材とが、固定される。また、帯状の部材におけるD字型の環状器具と固定された一端と反対側の一端は、前身頃上部2aにおける左右の鎖骨周辺に対応する部位において、縫合される。これにより、掛け具7が形成される。
前身頃下部2bには、図1に示すように、胸ポケット部8および脇ポケット部9が設けられている。
胸ポケット部8は、本体部と雨蓋部とから、構成される。本体部は、略ホームベース状の生地片が、前身頃下部2bにおける右胸部に対応する部位において、前身頃下部2bに縫合されることで、形成される。具体的には、この本体部の生地片が、着丈方向上部の一辺を除き、残りの四辺において、前身頃下部2bに縫合される。これにより、この生地片と前身頃下部2bと間に、収納部(図示せず)が形成され、開口している本体部の着丈方向上部から、この収納部に物の出し入れが可能となる。また、本体部の生地片には、この生地片をおよそ縦方向に三分割する位置の二箇所において、タックが設けられている。
一方、雨蓋部も同様に、略ホームベース状の生地片が、前身頃下部2bに縫合されることで、形成される。雨蓋部における略ホームベース状の生地片は、本体部の生地片と比較して、身幅方向においてわずかに広く、かつ、着丈方向において約3分の1程度に短く、形成されている。この雨蓋部の生地片が、本体部の着丈方向上部の一辺を塞ぐようにして重ねて配置され、前身頃下部2bに、縫合される。具体的には、雨蓋部の生地片における着丈方向上部の一辺が、前身頃上部2aと前身頃下部2bとの縫合部に合わせて、縫合される。したがって、雨蓋部は、この縫合部を軸として、着丈方向の上方に折り返すことができる。これにより、収納部に、物の出し入れが可能となる。
さらに、雨蓋部には、着丈方向に最も長い部位の下方、かつ、その裏側において、スナップボタン(図示せず)の凹部が設けられている。また、本体部には、本体部に雨蓋部を重ねた状態において、スナップボタンの凹部に対向する位置に、スナップボタンの凸部が設けられている。これにより、雨蓋部は、スナップボタンを嵌め合うことで、本体部に固定することができる。
脇ポケット部9は、スリット部(図示せず)と、袋布部(図示せず)と、スリット部を覆う開口片とから、構成される。スリット部は、前身頃下部2bの左右の腹部に対応する部位に、着丈方向において、縦方向のスリットを設けることで、形成されている。このスリット部は、上部が下部と比較して正面中央寄りに傾斜して、設けられている。また、このスリット部は、作業服1の内側に設けられる袋布部と、縫合されている。具体的には、袋布部が、前身頃下部2bの左右の腹部に対応する部位において、前身頃下部2bの裏側に配置され、袋布部の開口部とスリット部とが、縫合される。また、このスリット部は、左右一対の長方形の生地片からなる開口片で覆われている。そのため、脇ポケット部9は、図1において、開口片のみが図示されている。
前身頃上部2aと前身頃下部2bとからなる前身頃2には、図3に示すように、第一貫通孔20が、形成されている。この第一貫通孔20が、前身頃2に設けられていることで、作業者等は、安全保護具30の装着をし、その上から作業服1の着用をした状態においても、安全保護具30に取り付けられるロープ40(例えば、ランヤード等のロープ等)を第一貫通孔20に貫通させることで、安全に安全保護具30の使用をすることができる。
第一貫通孔20は、着丈方向に沿って、縦方向に設けられたスリットによって、形成されている。これにより、着丈方向に沿って縦方向に設けられた安全保護具30の接続器具32に対して、ランヤード等の留め具(図示せず)の連結がしやすく、安全保護具30とランヤード等とのスムーズな連結を可能とする。
さらに、第一貫通孔20は、安全保護具30とロープ40とが連結される接続器具32に対向する位置において、形成されている。安全保護具30の正面側の接続器具32は、胸部に対応するベルトに設けられていることが通常であるから、作業服1では、第一貫通孔20が、前身頃下部2bの左胸部に対応する部位において、前身頃2を着丈方向に向けて二等分する中心線に沿って、正面中央寄りに設けられている。
また、第一貫通孔20は、その開口部を開閉自在とする開閉手段として、ファスナー21が設けられている。このファスナー21を閉じることにより、作業服1は、後述する風発生手段13を備えることによる、冷却衣服としての冷却効果を損なうことなく、着用をすることができる。
また、さらに、第一貫通孔20は、図3に示すように、ファスナー21を覆う第一開口片22と第二開口片23が、設けられている。具体的には、第一開口片22は、着丈方向において、ファスナー21を縦に覆う長方形の生地片であり、長方形の四辺のうち、左側の長手の一辺を除いた三辺が、前身頃2bに縫合されている。また、同様に、第二開口片23は、第一開口片22と同等の大きさで、ファスナー21を縦に覆う長方形の生地片であり、この生地片が第一開口片22に重ねられた状態で、長方形の四辺のうち、右側の長手の一辺を除いた三辺が、前身頃2bに縫合されている。これにより、第一開口片22および第二開口片23は、それぞれ、左側または右側が開口しており、この開口部が広がることで、ロープ40の貫通を妨げることなく、ファスナー21を保護することができる。また、図1に示すように、第一貫通孔20を使用しない際には、第一貫通孔20およびファスナー21は、第一開口片22および第二開口片23に覆われて、作業服1の見栄えの改善をすることができる。
後身頃11は、図2に示すように、上半身胴部の背面を覆う生地片、すなわち、身幅方向に左肩部から右肩部までの幅、かつ、着丈方向に首後部から腰下部にわたる長さの生地片で構成されている。
後身頃11には、安全保護具30に取り付けられるロープ40を貫通させることができる第二貫通孔(図示せず)が設けられている。高所作業では、安全保護具30の背中上部に対応するベルトに設けられた接続器具(図示せず)と、ランヤード等の留め具とを連結して、安全保護具30の使用がされることも多いため、後身頃11に、第二貫通孔を設けることにより、作業者等が、正面側の接続器具32または背中上部の接続器具のいずれかを連結して、安全保護具30を使用する場合であっても、作業服を変更する必要なく、作業の継続をすることができる。具体的には、第二貫通孔は、身幅方向に沿って、横方向に設けられたスリットによって形成されており、第一貫通孔20と同様に、その開口部を開閉自在とする開閉手段としてファスナー(図示せず)が設けられている。また、このファスナーは、第一貫通孔20と同様に、開口片となる2枚の長方形の生地片によって覆われており、上側を開口させた第三開口片(図示せず)がファスナーを覆い、下側を開口させた第四開口片25が第三開口片に重ねられた状態で、それぞれ後身頃11に縫合されている。したがって、図2においては、第四開口片25のみが図示されている。
また、後身頃11の第二貫通孔および前身頃2の第一貫通孔20のそれぞれは、ロープ40を覆うためのカバー部(図示せず)を有している。カバー部は、略円錐台の筒状の生地片から構成される。この略円錐台の筒状の生地片は、対になる略台形の生地片が、上辺と下辺を除いた2辺において縫合されることで形成されている。カバー部は、第一貫通孔20および第二貫通孔の裏側において、略円錐台の筒状の生地片の下辺にあたる部位が、縫合される。したがって、カバー部の使用時には、略円錐台の筒状の生地片が、第一貫通孔20または第二貫通孔を通って、作業着1の内側から外部に向けて、引っ張り出されることで、カバー部の生地片が裏返りながら外部に突出する。この外部に突出したカバー部により、第一貫通孔20または第二貫通孔に通されたロープ40が覆われる。これにより、本実施形態の作業服1は、外部環境から、作業服1と作業者等との間に外気が入ることを防ぐことができ、後述する風発生手段13による冷却効果を、より高めることができる。
後身頃11は、図2に示すように、風発生手段13を取り付けられる取付孔12を有している。これにより、作業服1は、取付孔12に風発生手段13を取り付けることで、風発生手段13を備える作業服として着用することができる。具体的には、取付孔12は、後身頃11の生地片に円形の孔を設け、その円形の孔に沿って、リング状の部材(図示せず)が縫合されることで、形成される。このリング状の部材により、取付孔12は、風発生手段13の容易な脱着を可能にし、また、風発生手段13の脱着の際における作業服1の生地の裂け等を防ぐこともできる。
また、後身頃11における取付孔12は、後身頃11を着丈方向に向けて二等分する中心線を軸として線対称に、後身頃11の左右側腹部に対応する部位において、形成されている。この取付孔12に風発生手段13が取り付けられることで、作業者等が、作業服1を冷却衣服として着用した際における、作業者等の身体を冷却させる冷却風の風量のバランスが改善され、効率的に身体を冷却することが可能となる。
また、本実施形態の作業服1における取付孔12には、風発生手段13が取り付けられている。具体的には、取付孔12におけるリング状の部材を、風発生手段13の所定の部位に差し込み、風発生手段13の固定部材(図示せず)で挟み込むことで、風発生手段13は、取付孔12に固定される。
前身頃2と後身頃11とは、図1及び図2に示すように、着丈方向において、前身頃上部2aの上端と、後身頃11の上端とが、両肩部に対応する部位において、縫合されている。また、前身頃2と後身頃11とには、首回りにおいて、前身頃上部2aの上端と後身頃11の上端とに縫合された、襟部5が設けられている。
前身頃2と後身頃11とは、身幅方向における作業服1の左右外側の側面に対応する部位において、脇下から腰部に対応する部位にわたって、縫合されている。
また、前身頃2と後身頃11とは、身幅方向における作業服1の左右外側の側面に対応する部位において、袖部4が縫合されている。袖部4は、腕部を覆う筒状の生地片からなる腕袖部4aと、手首周辺に対応する袖口部4bと、から構成されており、筒状の腕袖部4aの一端が、前身頃2および後身頃11における肩部から脇下に対応する部位にわたって、縫合されている。また、この前身頃2および後身頃11に縫合された腕袖部4aの一端と反対側の一端には、手首周りに対応する部位として、帯状の生地片からなる袖口部4bの長手の一辺が、筒状の腕袖部4aの縁に沿って、縫合されている。
また、腕袖部4aの左腕に対応する部位においては、ペン差し10が設けられている。ペン差し10は、大きさの異なる略長方形の2枚の生地片と、ファスナーとから構成される。具体的には、大きい方の生地片が、その長手を、腕袖部4aの長手方向に合わせて、腕袖部4aの上腕部に対応する位置に、縫合される。これにより、生地片と腕袖部4aとの間に収納部(図示せず)が形成される。また、この縫合された生地片は、着丈方向において、縦方向に設けられたスリットによって開口しており、収納部に物の出し入れが可能となっている。この開口部にはファスナーが設けられ、開閉自在となっている。また、この縫合された大きい方の生地片の上に重ねて、この生地片よりも小さい略長方形の生地片が、その長手を、大きい方の生地片の長手方向に合わせて、縫合される。小さい生地片は、着丈方向上部の一辺を除いた残りの三辺、およびこの生地片を着丈方向に向けて二等分する中心線において、大きい方の生地片に縫合されており、上部が開口していることで、ペンを差すことが可能となっている。
前身頃2と後身頃11とは、腰回りに対応する部位、すなわち、着丈方向において、前身頃下部2bの下端と、後身頃11の下端とにおいて、裾部6が縫合されている。裾部6は、帯状の生地片によって構成されており、前身頃2を開閉自在とするファスナー(図示せず)が設けられた部位を除いて、腰回りを一周するように、その長手の一辺が、前身頃下部2bの下端および後身頃11の下端の縁に沿って、縫合されている。
次に、本実施形態の作業服1の作用効果について説明する。
本実施形態の作業服1には、図1、図3、図4及び図5に示すように、安全保護具30の装着をした状態で、安全保護具30の上から着用をすることができる作業服1であって、安全保護具30に取り付けられるロープ40を貫通させることができる第一貫通孔20が、前身頃2に設けられている。この第一貫通孔20は、作業服1の前身頃2に設けられていることから、安全保護具30、例えば、フルハーネス型墜落制止用器具における胸部に対応するベルトに設けられた接続器具32と、ランヤード等の留め具とを連結して、安全保護具30を使用する際に、ランヤード等のロープ40をこの第一貫通孔20に貫通させることで、作業服1の生地に干渉されることなく、安全保護具30とランヤード等との連結を可能にする。そのため、作業者等50が、安全保護具30の装着をし、その上から作業服1の着用をした状態においても、安全に安全保護具30の使用をすることができる。
本実施形態の作業服1は、第一貫通孔20が、着丈方向に沿って、縦方向に設けられたスリットによって、形成されている。通常、安全保護具30における正面側、例えば、胸部に対応するベルトに設けられた接続器具32は、着丈方向に沿って、縦方向に取り付けられている。そのため、この接続器具32に、ランヤード等の留め具を連結する際には、縦方向に設けられた接続器具32に対して、身幅方向に沿って横方向から引っ掛けるようにすると、接続器具32とランヤード等の留め具との連結がしやすく、安全保護具30とランヤード等との連結をスムーズに行うことができる。
また、通常、安全保護具30とランヤード等との連結作業は、作業者等自身が片手で行うことが多く、その場合には、身幅方向に沿って横方向から引っ掛けるようにして連結することは、腕の構造上も作業が容易であり、作業者等の負担を軽減することができる。
したがって、本実施形態の作業服1は、第一貫通孔20が、着丈方向に沿って、縦方向に設けられたスリットによって形成されることで、作業者等が、作業服1の着用をした状態で、ランヤード等のロープ40を第一貫通孔20に貫通させやすく、安全保護具30とランヤード等との連結作業を容易に行うことが可能となる。
さらに、本実施形態の作業服1は、安全保護具30とロープ40とが連結される接続器具32に対向する位置において、第一貫通孔20が形成されている。第一貫通孔20が、安全保護具30における接続器具32に対向する位置において形成されていると、墜落を制止する際にランヤード等のロープ40が鉛直方向に張る妨げとなるものがなく、より安全に安全保護具30の使用をすることができる。また、第一貫通孔20の大きさ(貫通孔の長さや幅等)も、第一貫通孔20を接続器具32に対向する位置において形成することで、必要最低限のサイズに抑えることができる。
また、さらに、本実施形態の作業服1は、第一貫通孔20が、第一貫通孔20を開閉自在とする開閉手段として、ファスナー21を備えている。このファスナー21を備えることで、第一貫通孔20をロープ40の幅や太さに合わせて閉じることができ、作業服1の風発生手段13による冷却効果を損なうことなく、作業服1の着用をすることができる。また、第一貫通孔20を使用しない場合であっても、ファスナー21を閉じておくことで、上記した効果を損なわずに作業服1を着用することができる。さらに、第一貫通孔20を使用しない場合における作業服1の見栄えの改善をすることもできる。
本実施形態の作業服1は、図2に示すように、安全保護具30に取り付けられるロープ40を貫通させることができる第二貫通孔が、後身頃11に設けられている。特殊な高所作業等においては、安全保護具30における正面側、例えば、胸部または腹部上部に対応するベルトに設けられた接続器具32と、ランヤード等の留め具とを連結して、安全保護具30の使用がされる。一方で、一般的な多くの高所作業では、安全保護具30における背中上部に対応するベルトに設けられた接続器具と、ランヤード等の留め具とが連結されて、安全保護具30の使用がされている。これらの使用態様の相違は、作業場所、作業内容等によってその都度変更されるものである。
本実施形態の作業服1は、後身頃11に、第二貫通孔が設けられていることにより、作業者等50が、安全保護具30における胸部もしくは腹部上部に設けられた接続器具32または背中上部に設けられた接続器具のいずれかと、ランヤード等の留め具とを連結させる場合であっても、作業服を変更する必要なく、作業の継続をすることができる。
本実施形態の作業服1は、第一貫通孔20および第二貫通孔のそれぞれが、安全保護具30に取り付けられるロープ40を覆うための筒状のカバー部を有する。本実施形態の作業服1は、第一貫通孔20および第二貫通孔のそれぞれがカバー部を有することにより、第一貫通孔20および第二貫通孔を通じて、外部環境から、作業服1と作業者等50との間に外気が入ることを防ぎ、風発生手段13による冷却効果を、より高めることができる。
また、このカバー部によって、ロープ40の一部が覆われることで、ロープ40と外部環境との干渉を防ぐことができる。したがって、作業者等50が、安全保護具30の装着をし、その上から本実施形態の作業服1の着用をした状態においても、安全に安全保護具30の使用をすることができる。
本実施形態の作業服1は、図1及び図3に示すように、第一貫通孔20が、左胸部に対応する部位において形成され、前身頃2を開閉自在とするファスナーを備えている。前身頃2が、前身頃2を着丈方向に向けて二等分する中心線において、前身頃2を開閉自在とするファスナーを備えていることで、作業者等は、作業服1の脱着を容易に行うことができる。
本実施形態の作業服1は、図2に示すように、外側から空気を取り込む空気取込口、および内側に風を送出する空気送出口を有する風発生手段13が取り付けられる取付孔12が、後身頃11を着丈方向に向けて二等分する中心線を軸として線対称に、後身頃11における左右側腹部に対応する部位において、形成されている。これにより、風発生手段13を、作業者等50の作業および安全保護具30の使用を妨げることがなく、作業者等50の腕の可動領域から外れた、安全保護具30の接続器具32等とも干渉しない位置において、作業服1に取り付けることができる。
また、作業服1は、この取付孔12に風発生手段13を取り付けて、風発生手段13を作動させると、作業服1と作業者等50との間に、作業者等50の身体を冷却させるための冷却風が流れる。この冷却風は、襟部5と首との間の開口部、および、袖口部4bと手首との間の開口部に向けて流れ、それぞれから排出される。したがって、上記の位置に風発生手段13が取り付けられていることで、襟部5と袖口部4bのそれぞれの開口部に送出される冷却風の風量のバランスが改善され、効率的に身体を冷却することができる。
本実施形態の作業服1は、取付孔12に、風発生手段13が取り付けられている。したがって、作業服1は、冷却衣服としての機能を備えつつ、さらに、作業者等50が、安全保護具30の装着をし、その上から作業服1の着用をした状態においても、安全に安全保護具30の使用をすることができる。
以上、本考案の実施形態を詳述したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではない。そして、本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、特殊な作業、例えば、レスキュー活動等における救助作業等に使用される安全保護具30に対応させる場合においては、第一貫通孔は、身幅方向に沿って、横方向に設けられたスリットによって形成されていてもよい。通常、安全保護具30における正面側、例えば、胸部に対応するベルトに設けられた接続器具32は、着丈方向に沿って、縦方向に取り付けられていることが多いが、特殊な作業安全保護具30の接続器具は、腹部上部に対応するベルトに設けられ、かつ、身幅方向に沿って、横方向に設けられていることがある。このような場合に、第一貫通孔を、その接続器具と同様に、身幅方向に沿って、横方向に設けられたスリットによって形成することで、安全保護具30の装着をした作業者等50が、ロープ40を使用して鉛直方向に吊り下げられる際に、作業服1との引っ掛かり等によるロープ40のたわみを防ぐことができる。
また、例えば、第一貫通孔20を前身頃2に、第二貫通孔を後身頃11に、それぞれ1つずつ設けた例を示したが、これに限定されるものでなく、複数の貫通孔が設けられていてもよい。
さらに、第一貫通孔20および第二貫通孔の形、位置、大きさ等についても上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、円形等の貫通孔として、例えば、斜めに傾斜して等、種々の形態において形成されていてもよい。
また、前身頃2を開閉自在とするファスナーが、前身頃2の正面側に設けられていない場合には、第一貫通孔20を正面中央にまたがって設ける等、第一貫通孔20は前身頃2の正面のいずれの位置に設けられていてもよい。後身頃11における第二貫通孔についても、同様である。
さらに、例えば、上記実施形態では、風発生手段13が左右側腹部に2つ設けられている例を示したが、この数に限定されるものではなく、風発生手段13が、1つまたは上記実施形態よりも多く設けられていてもよい。また、取付孔12の位置についても、左右側腹部に限定されるものではない。
また、例えば、前身頃2を開閉自在とするファスナー、および、胸ポケット部8におけるスナップボタンは、それぞれ他の留め具、例えば、面ファスナーまたは通常のボタンとボタン孔等でもよい。
さらに、上記実施形態では、第一貫通孔20の開閉手段は、ファスナー21として示したが、例えば、図4及び図5に示すように、両開きのダブルファスナー24または面ファスナー等であってもよい。
また、さらに、例えば、襟部5は、通常の折り返された襟を例として示したが、立ち襟等であってもよい。また、袖口部4bは、筒状の生地片からなる袖口を例として示したが、例えば、伸縮性の素材としてゴム紐等を有する素材、または、サイズ調節手段として複数のボタンとボタン孔等を備えた手段、等を備えて構成されていてもよい。裾部6についても、同様である。
さらに、例えば、上記実施形態では、作業服1は、風発生手段13を備える冷却衣服としての例を示したが、例えば、レインウェア等の雨具、または、保温性素材等で構成された作業服等でもよい。また、作業服1は、前身頃2を開閉自在とするファスナーを備えているが、このようなファスナーを有さない作業服、例えば、作業者等が、被って着用する作業服等でもよい。
1 作業服
2 前身頃
2a 前身頃上部
2b 前身頃下部
3 フラップ部
4 袖部
4a 腕袖部
4b 袖口部
5 襟部
6 裾部
7 掛け具
8 胸ポケット部
9 脇ポケット部
10 ペン差し
11 後身頃
12 取付孔
13 風発生手段
20 第一貫通孔
21 ファスナー(開閉手段)
22 第一開口片
23 第二開口片
24 ダブルファスナー
25 第四開口片
30 安全保護具
31 胸ベルト
32 接続器具
40 ロープ
50 作業者等

Claims (11)

  1. 安全保護具の装着をした状態で、前記安全保護具の上から着用をすることができる作業服であって、前記安全保護具に取り付けられるロープを貫通させることができる第一貫通孔が、前身頃に設けられた、
    ことを特徴とする作業服。
  2. 前記第一貫通孔が、着丈方向に沿って、縦方向に設けられたスリットによって形成された、
    ことを特徴とする請求項1に記載の作業服。
  3. 前記第一貫通孔が、身幅方向に沿って、横方向に設けられたスリットによって形成された、
    ことを特徴とする請求項1に記載の作業服。
  4. 前記安全保護具と前記ロープとが連結される接続器具に対向する位置において、前記第一貫通孔が形成された、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の作業服。
  5. 前記第一貫通孔の少なくとも一部が、開閉自在な開閉手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の作業服。
  6. 前記ロープを貫通させることができる第二貫通孔が、後身頃に設けられた、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の作業服。
  7. 前記第一貫通孔および前記第二貫通孔のそれぞれが、前記ロープを覆うための筒状のカバー部を有する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の作業服。
  8. 前記第一貫通孔が、左胸部に対応する部位において形成され、かつ、前記第一貫通孔を開閉自在とするファスナーを備えており、
    前記前身頃が、前記前身頃を開閉自在とするファスナーを備えた、
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の作業服。
  9. 外側から空気を取り込む空気取込口、および内側に風を送出する空気送出口を有する風発生手段が取り付けられる取付孔を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の作業服。
  10. 後身頃を着丈方向に向けて二等分する中心線を軸として線対称に、前記後身頃における左右側腹部に対応する部位において、前記取付孔が形成された、
    ことを特徴とする請求項9に記載の作業服。
  11. 前記取付孔に、前記風発生手段が取り付けられた、
    ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の作業服。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6862077B1 (ja) * 2021-01-06 2021-04-21 善廣 坂田 墜落制止用器具のハーネス

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