JP6158463B1 - リング圧延体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

リング圧延におけるリング素材の温度分布を適切な温度範囲にて効率的に制御し、その結果、かかるリング圧延を用いて作製されるリング圧延体の品質を効率的に高める。本発明は、リング素材1をその周方向に回転させた状態でリング素材1の内外周面1b,1cにそれぞれ接触すると共にリング素材1をその径方向にて圧下するように構成されるマンドレルロール2及び主ロール3を用いて、リング素材1からリング圧延体を形作るリング圧延体の製造方法に関する。かかる製造方法は、リング素材1を圧延する工程であって、主ロール3を少なくとも1つの誘導加熱体6,7によって誘導加熱し、かつマンドレルロール2及び誘導加熱された主ロール3間にてリング素材1を圧下する作業を有した工程を含む。

Description

本発明は、リング素材をその周方向に回転させた状態でリング素材をその内外周両側からマンドレルロール及び主ロール間で圧下する工程を含む圧延を用いて、リング素材からリング圧延体を形作るリング圧延体の製造方法に関する。
各種産業分野にて利用されるギア、回転機構の回転体等には、リング形状の部品(以下、「リング部品」という)が用いられており、多くの場合、リング部品は、リング形状の圧延体(以下、「リング圧延体」という)を加工することによって作製されている。リング圧延体は、リング形状の素材(以下、「リング素材」という)にリング圧延を施すことによって作製され、リング圧延には、リングローリングミル等の圧延装置が用いられている。典型的なリング圧延においては、予め加熱されたリング素材を、その周方向に回転させながら、リング素材の内外周面をそれぞれマンドレルロール及び主ロールにより圧下し、さらに、マンドレルロール及び主ロールの一方又は両方を、リング素材の径方向の中心を基準として径方向に相対的に移動させることによって、リング素材を、その直径を拡大するように変形させている。
しかしながら、予め加熱されたリング素材の温度がリング圧延中に低下した場合、作製されるリング圧延体の寸法精度等の品質が低下するおそれがある。このことは、特に、ガスタービン、蒸気タービン、航空機のジェットエンジン等に用いられるタービンディスク等のように厳密な寸法管理を必要とするリング部品を作製する場合に問題となる。そこで、リング圧延時にリング素材を加熱することが行われており、リング圧延中にリング素材を加熱する手法としては、誘導加熱コイル等によりリング素材を誘導加熱することが主流となっている。
このようなリング圧延の一例としては、リング素材の内外周面をそれぞれ圧下するマンドレルロール及び主ロール(中ロール及び主ロール)と、リング素材の軸線方向の両端面をそれぞれ圧下する一対のアキシャルロール(エッジロール)と、リング素材の断面全周を囲む誘導加熱コイル(加熱電極)とをリングローリングミルに設け、リング素材がアキシャルロールを通過した直後の領域にて、誘導加熱コイルによってリング素材を誘導加熱するものが存在している。(例えば、特許文献1を参照。)
リング圧延の別の一例としては、リング素材(リング体)の内外周面をそれぞれ圧下するマンドレルロール及び主ロール(内周及び外周成形ロール)と、リング素材の外周面及び軸線方向両端面全体に対向するようにU字形状に形成された誘導加熱コイルをリングローリングミル(金属リング体の成形装置)に設け、マンドレルロール及び主ロール近傍を除くリング素材に沿った領域全体にて、誘導加熱コイルによってリング素材を誘導加熱するものが存在している。(例えば、特許文献2を参照。)
リング圧延のさらなる別の一例としては、リング素材(リング体)の内外周面をそれぞれ圧下するマンドレルロール及び主ロール(遊動ロール及び駆動ロール)と、リング素材の軸線方向の両端面をそれぞれ圧下する一対のアキシャルロールと、リング素材の外周面及び軸線方向両端面に対向するようにC形状に形成された磁心、及び該磁心に巻き付けられた誘導加熱コイル(ソレノイドコイル)を有する誘導加熱体とをリングローリングミル(ローリング鍛造装置)に設け、リング素材がアキシャルロールを通過した直後の領域にて、誘導加熱コイルによってリング素材を誘導加熱するものが存在している。(例えば、特許文献3を参照。)
特開平1−237036公報 特開平5−329569公報 米国特許出願公開第2012/0279268号明細書
しかしながら、リング圧延の進行に伴ってリング素材は変形するので、誘導加熱コイルとリング素材との間の距離は変化する。そのため、上述したリング圧延の各例のように、誘導加熱コイルによってリング素材を加熱する場合、誘導加熱コイルとリング素材との間の距離を管理し難くなっており、リング素材の温度分布を適切な温度範囲にて制御することが難しくなっている。その一方で、加熱炉、ガスバーナー等によって、主ロール等の金型を予め加熱する場合がある。しかしながら、このような場合、金型を十分に加熱することが難しく、リング圧延中にリング素材が十分に加熱されていない金型に接触する結果、伝熱によってリング素材の温度が低下するおそれがある。
また、リング圧延においては、リング素材の外周側領域の温度がその内周側領域の温度よりも低くなる傾向にある。これに対して、上述したリング圧延の一例では、リング素材の断面全周が誘導加熱されるに過ぎないので、リング素材の内外周温度差が残り、リング圧延中に、リング素材の径方向の温度分布を適切な温度範囲にて制御できないおそれがある。特に、誘導加熱コイルによってリング素材の断面全周を囲む構造では、誘導加熱コイルとリング圧延中に変形するリング素材との間の距離が変化する際に、このような温度範囲の制御がより困難となる。さらに、かかる構造では、リング圧延中にリング素材を拡大するように加工する場合に、リング素材の断面全周を囲む誘導加熱コイルの形状、大きさ等によって、リング素材の最終加工形状及び加工率の制約が生じることとなる。
上述したリング圧延の別の一例及びさらなる別の一例でもまた、リング素材の内外周両側が誘導加熱されるので、リング素材の内外周温度差が残り、リング素材の径方向の温度分布が適切な温度範囲にて制御できないおそれがある。このことは、作製されるリング圧延体の寸法精度を低下させ、リング素材に割れを生じさせ、又は所望の加工ひずみを得られなくするので好ましくない。また、リング圧延においては、リング素材の軸線方向の温度分布を適切な温度範囲にて制御することが難しくなる傾向にある、そのため、リング圧延におけるリング素材の温度分布を適切な温度範囲にて効率的に制御することが望まれている。
さらに、リング素材をその軸線方向の両側から一対のアキシャルロール間で圧下する場合、アキシャルロール及びリング素材間に生じる摩擦熱、リング素材からアキシャルロールへの伝熱、リング素材の加工発熱等の影響によってリング素材の温度分布が不規則になる。そのため、リング素材がアキシャルロールを通過した直後の領域では、リング素材の温度を制御することが難くなっている。これに対して、リング圧延の一例及びさらなる別の一例では、リング素材が、アキシャルロール通過直後の領域にて誘導加熱されるので、リング素材の温度分布を適切な温度範囲にて制御できないおそれがある。さらに、リング圧延においては、回転するリング素材を、主ロール近傍のガイドロール等によって保持する場合があり、この場合もまた、アキシャルロールの影響ほどではないものの、リング素材からガイドロールへの伝熱等の影響によって、リング素材の温度分布を適切な温度範囲に制御できないおそれがある。
本発明は、上記実情を鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、リング圧延におけるリング素材の温度分布を適切な温度範囲にて効率的に制御でき、その結果、かかるリング圧延を用いて作製されるリング圧延体の品質を効率的に高めることができるリング圧延体の製造方法を提供することにある。
課題を解決するために、本発明の一態様に係るリング圧延体の製造方法によれば、リング素材をその周方向に回転させた状態で前記リング素材の内外周面にそれぞれ接触すると共に前記リング素材をその径方向にて圧下するように構成されるマンドレルロール及び主ロールを用いて、前記リング素材からリング圧延体を形作るリング圧延体の製造方法であって、前記リング素材を圧延する工程であって、前記主ロールを少なくとも1つの誘導加熱体によって誘導加熱し、かつ前記マンドレルロール及び前記誘導加熱された主ロール間にて前記リング素材を圧下する作業を有した工程を含む。
本発明に係るリング圧延体の製造方法によれば、リング圧延におけるリング素材の温度分布を適切な温度範囲にて効率的に制御でき、その結果、かかるリング圧延を用いて作製されるリング圧延体の品質を効率的に高めることができる。
本発明の第1実施形態にて用いられる圧延装置を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態にて用いられる圧延装置を模式的に示す平面図である。 本発明の第1実施形態におけるリング素材及び主ロールを図2のA−A線に沿って切断した断面を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態における主ロール及び誘導加熱コイルを図2のB−B線に沿って切断した断面を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態における主ロール及び誘導加熱コイルを模式的に示す正面図である。 本発明の第2実施形態における主ロール及び誘導加熱コイルを図2のB−B線に相当する線に沿って切断した断面を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態における主ロール及び誘導加熱コイルを模式的に示す正面図である。
本発明の第1及び第2実施形態に係る略リング形状の圧延体(以下、「リング圧延体」という)の製造方法について、図1〜図7を参照しながら以下に説明する。
なお、リング圧延体は、略リング形状の部品(以下、「リング部品」という)を作製するために用いられる。あくまでも一例であるが、かかるリング部品は、各種産業分野にて利用されるギア、回転機構の回転体等であるとよく、さらに、リング部品は、厳密な寸法管理を必要とするもの、特に、ガスタービン、蒸気タービン、航空機のジェットエンジン等に用いられるタービンディスク等であると好ましい。一例として、リング圧延体の外周の直径は約600mm以上かつ約2000mm以下であると好ましいが、本発明はこれに限定されず、リング圧延体を用いて作製するリング部品に応じて、リング圧延体の外周の直径は、約600mmよりも小さく、かつ約2000mmよりも大きくすることも可能である。
また、リング圧延体は、略リング形状の素材(以下、「リング素材」という)にリング圧延を施すことによって形作られる。リング素材は、高温強度、高温靱性等に優れる金属材料を用いて作製されるとよく、例えば、リング素材は、高温強度、高温靱性等に優れるNi基合金、Fe基合金、Co基合金、Ti基合金等から選択される金属材料を用いて作製されるとよい。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るリング圧延体の製造方法について以下に説明する。
[圧延装置について]
最初に、リング圧延に用いられる圧延装置の概略について説明する。図1〜図3に示すように、圧延装置は、軸線1aを基準として略回転対称に形成されるリング素材1を装着可能に構成されている。かかる圧延装置は、リング素材1の内外周面1b,1cにそれぞれ接触すると共にリング素材1をその径方向(以下、「リング径方向」という)にて圧下するように構成されるマンドレルロール2及び主ロール3と、リング素材1における軸線1aの方向(以下、「リング軸線方向」という)の両端面1d,1eに接触すると共にリング素材1をリング軸線方向にて圧下するように構成される一対のアキシャルロール4,5とを備えている。なお、圧延装置は、一対のアキシャルロール4,5を備えない構成とすることもできる。さらに、圧延装置は、主ロール3を誘導加熱するように構成された1つの誘導加熱体6を備えている。
[マンドレルロール及び主ロールについて]
図1及び図2に示すように、マンドレルロール2は、リング素材1の内周面1bに接触可能に構成される周面2aを有し、かつ主ロール3は、リング素材1の外周面1cに接触可能に構成される周面3aを有している。このような周面2a,3aは、それぞれ、回転軸線2b,3bを基準として略回転対称になっている。かかるマンドレルロール2及び主ロール3のそれぞれは、回転軸線2b,3bを中心に回転可能に構成されている。このようなマンドレルロール2及び主ロール3の一方又は両方は、駆動機構(図示せず)によって回転駆動可能に構成されると好ましい。マンドレルロール2及び主ロール3はまた、必要に応じて、その回転速度を制御可能とするように構成されると好ましい。特に、リング素材1の内周側に形成される空間は、リング素材1の外周側に形成される空間と比較して、駆動機構の配置スペースを十分に確保し難いという実情を鑑みれば、マンドレルロール2及び主ロール3のうち主ロール3が回転駆動可能に構成されると好ましい。
なお、「リング素材1の内周側」は、マンドレルロール2と接触するリング素材1の表面を有するリング素材1の内周側領域を含む範囲として定義し、かつ「リング素材1の外周側」は、主ロール3及び一対のアキシャルロール4,5と接触するリング素材1の表面を有するリング素材1の外周側領域を含むと共にリング素材1の内周側領域に対してリング素材1の外周寄りに位置する範囲として定義する。
マンドレルロール2及び主ロール3の周面2a,3aは、作製されるリング圧延体の形状に対応した形状を有している。図1〜図3においては、リング素材1が、その外周面1cから突出すると共にリング素材1の周方向(以下、「リング周方向」という)に沿って延びる1つの凸部分1fを有するように形成され、主ロール3の周面3aが、かかる1つの凸部分1fに対応すると共に主ロール3の周方向に沿って延びる1つの凹部分3cを有するように形成されている。
しかしながら、リング素材の外周面は、これに限定されず、略平坦に形成されるか、リング軸線方向に沿ってその直径を変化させた部分を有するように形成されるか、又は1つ以上の凸部分及び1つ以上の凹部分のうち少なくとも一方を有するように形成されてもよく、主ロールの周面は、このようなリング素材の外周面に対応して形成されるとよい。リング素材の内周面もまた、このようなリング素材の外周面と同様に形成することができ、マンドレルロールの周面は、かかるリング素材の内周面に対応して形成することができる。
再び図1及び図2を参照すると、マンドレルロール2及び主ロール3は、リング径方向に移動可能に構成されている。リング素材1は、マンドレルロール2及び主ロール3の周面2a,3a間で圧下されるようになっている。圧延装置は、マンドレルロール2及び主ロール3の回転に伴って、リング素材1がリング周方向に回転できるように構成されている。なお、後述するリング圧延体の製造方法では、マンドレルロール2がその回転方向の一方側(矢印R1により示す)に回転し、かつ主ロール3がその回転方向の一方側(矢印R2により示す)に回転することに伴って、リング素材1がリング周方向の一方側(矢印Fにより示す)に向かって回転する場合について説明する。さらに、一例として、主ロール3は、加熱炉、ガスバーナー等によって加熱することが困難である大きさであると好ましく、特に、主ロール3の周面3aの直径は、約1000mm以上であると好ましい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、後述するように主ロール3を適切に誘導加熱できるのであれば、主ロールの周面の直径は、約1000mmよりも小さくすることができる。
[一対のアキシャルロールについて]
図1及び図2に示すように、一対のアキシャルロール4,5は、主ロール3に対してリング周方向に間隔を空けて配置されている。一対のアキシャルロール4,5は、主ロール3に対してリング素材1の軸線1aを中心に角度θ間隔を空けて配置することができる。典型的には、角度θは約180度であると好ましく、言い換えれば、一対のアキシャルロール4,5は、主ロール3に対してリング周方向に間隔を空けると共にリング径方向に対向するように配置されると好ましい。しかしながら、角度θは、これに限定されず、高品質のリング圧延体を作製可能であれば、0度より大きくかつ360度よりも小さな範囲内としてもよく、90度以上かつ270度以下の範囲内としてもよく、135度以上かつ225度以下の範囲内としてもよい。
一対のアキシャルロール4,5は、それぞれ、リング軸線方向の両端面1d,1eにそれぞれ接触可能に構成される周面4a,5aを有している。このような周面4a,5aは、それぞれ、回転軸線4b,5bを基準として略回転対称になっている。一対のアキシャルロール4,5のそれぞれは、回転軸線4b,5bを中心に回転可能に構成されている。このような一対のアキシャルロール4,5の一方又は両方は、駆動機構によって回転駆動可能に構成されると好ましい。一対のアキシャルロール4,5はまた、必要に応じて、その回転速度を制御可能とするように構成されると好ましい。
一対のアキシャルロール4,5の周面4a,5aは、それぞれ、作製されるリング圧延体の形状に対応した形状を有している。リング素材1は、一対のアキシャルロール4,5の周面4a,5a間で圧下されるようになっている。圧延装置は、一対のアキシャルロール4,5の回転に伴って、リング素材1がリング周方向に回転できるように構成されている。なお、後述するリング圧延体の製造方法では、一方側のアキシャルロール4がその回転方向の一方側(矢印R3により示す)に回転し、かつ他方側のアキシャルロール5がその回転方向の一方側(矢印R4により示す)に回転することに伴って、リング素材1がリング周方向の一方側(矢印Fにより示す)に向かって回転する場合について説明する。
[誘導加熱体について]
図1〜図5に示すように、圧延装置の誘導加熱体6は、少なくとも一周周回するように巻かれた巻線を有する誘導加熱コイル6aを備えており、誘導加熱体6は、誘導加熱コイル6aの巻線に交流電流を流すことによって、誘導加熱のための磁束線を発生させるように構成されている。
図1及び図2に示すように、誘導加熱体6は、主ロール3の周面3aの周囲に配置されている。さらに具体的には、誘導加熱体6は、主ロール3の周面3aの周囲にて、マンドレルロール2及び主ロール3間の圧下の領域(以下、「内外周圧下領域」という)に対して主ロール3の回転方向の他方側にてかかる内外周圧下領域に隣接する領域(以下、「内外周圧下直前領域」という)に配置されると好ましい。内外周圧下直前領域は、内外周圧下領域から主ロール3の回転方向の他方側に向かって、主ロール3の全周長さを四分割した長さの範囲内に位置しているとよい。
しかしながら、誘導加熱体は、これに限定されず、主ロールの周面の周囲にて内外周圧下直前領域以外に配置されてもよい。例えば、誘導加熱体が、主ロールの周面の周囲にて、内外周圧下領域と主ロールの径方向に対向する位置に配置されてもよい。
図2、図4、及び図5に示すように、誘導加熱コイル6aが、主ロール3の周面3aに対して主ロール3の径方向に間隔を空けると共に巻線の巻き軸6bの方向を主ロール3の周面3aに向けるように配置されている。また、誘導加熱コイル6aにおけるリング軸線方向の両端部が、それぞれ、リング素材1の外周面1cと接触する主ロール3の周面3aの外周面接触部分3dにおけるリング軸線方向の両端部からリング軸線方向に離れるように配置されている。かかる誘導加熱コイル6aによって、内外周圧下直前領域にて主ロール3の周面3aの外周面接触部分3d全体を誘導加熱することができ、さらに、誘導加熱された主ロール3の周面3aの外周面接触部分3dと接触するリング素材1の外周面1cを内外周圧下領域にて加熱することができる。
しかしながら、本発明はこれに限定されず、圧延装置が、リング素材の温度制御をより容易にするために、複数の誘導加熱体を有していてもよい。また、リング軸線方向にて主ロールの周面の外周面接触部分全体を誘導加熱できれば、誘導加熱コイルの巻き軸の方向が主ロールの周面以外を向いてもよい。リング軸線方向にて主ロールの周面の外周面接触部分全体を誘導加熱できれば、誘導加熱体が、誘導加熱コイルを巻き付けた磁心を有していてもよく、この場合、磁心から生じる磁束線上にて外周面接触部分が誘導加熱されることとなる。
図1及び図5においては、このような誘導加熱コイル6aの外周縁部分は、巻き軸6bの方向から見て略四角形状に形成されている。しかしながら、誘導加熱コイルの外周縁部分は、これに限定されず、巻き軸の方向から見て略円形状、略楕円形状、略四角形状以外の略多角形状等に形成することも可能である。また、誘導加熱コイル6aの巻き数は、コイルを製造可能とする範囲にて必要な磁力線密度に応じて、複数とすることが好ましい。
[リング圧延体の製造方法について]
次に、リング圧延体の製造方法について説明する。かかる製造方法においては、予め加熱したリング素材1を上述の圧延装置によってリング圧延する。このとき、予め加熱されるリング素材1の温度は、約850℃以上かつ約1150℃以下の範囲であると好ましい。しかしながら、かかる温度は、これに限定されず、高品質のリング圧延体を作製するように、リング素材に用いられる金属材料の種類に応じて調節可能である。
図1及び図2に示すように、リング圧延においては、マンドレルロール2及び主ロール3並びに一対のアキシャルロール4,5が回転し、これらの回転に伴って、予め加熱されたリング素材1が、その軸線1aを中心としてリング周方向の一方側(矢印Fにより示す)に回転する。誘導加熱体6によって内外周圧下直前領域にて主ロール3の周面3aの外周面接触部分3dを誘導加熱する。さらに、リング素材1が回転した状態で、マンドレルロール2及び誘導加熱された主ロール3によってリング素材1をリング径方向に圧下する作業、一対のアキシャルロール4,5によってリング素材1をリング軸線方向に圧下する作業の順に、これらの作業を繰り返す。このとき、マンドレルロール2及び主ロール3をリング素材1の径方向の中心を基準としてリング径方向に相対的に移動させることによって、リング素材1を、その直径を拡大するように変形させることができる。また、リング圧延中においては、内外周圧下領域にて、誘導加熱された主ロール3の周面3aの外周面接触部分3dと接触するリング素材1の外周面1cが伝熱によって温度低下することが効率的に抑制されることとなる。
なお、リング圧延中において、誘導加熱体6による誘導加熱の温度は、主ロール3の外周面接触部分3dの温度を約300℃以上かつ予め加熱されるリング素材1の温度以下の範囲内とするように設定されるとよい。この上限値はまた、主ロール3の材料等に応じて設定されるとよく、特に、上限値は、主ロール3の軟化を防止可能とする温度に設定されるとよい。すなわち、上限値は、主ロール3の素材における軟化温度未満であるとよい。例えば、主ロール3が、JIS規格にて規定される熱間金型用鋼を用いて作製される場合、上限値は、熱間金型用鋼の焼き戻し温度未満とすると好ましい。具体的には、主ロール3の周面3aの素材が、JIS G4404にて規定される熱間金型用鋼又はその改良鋼である場合、上限値は焼き戻し温度未満であるとよく、すなわち、軟化温度が焼き戻し温度であるとよい。また、主ロール3の材質に強度及び耐熱性が求められる場合、Ni基超耐熱合金を用いることができ、この場合の上限値は、固溶化処理(「焼きなまし」と称されることもある)温度未満であるとよく、すなわち、軟化温度が固溶化処理温度であるとよい。さらに、誘導加熱体6による誘導加熱の温度は、このような範囲内にて、リング素材1の抜熱を抑制しながら、リング素材1の径方向の温度分布を適切な温度範囲に効率的に制御可能とするように調節されるとよい。一例として、誘導加熱体6による誘導加熱の温度は、リング素材1の径方向の温度分布を均一化するように調節されるとよい。
[作用及び効果について]
本実施形態に係るリング圧延体の製造方法によれば、内外周圧下領域にて、誘導加熱された主ロール3によって、リング素材1の内周側領域と比較して温度低下し易いリング素材1の外周面1c又は外周側領域が伝熱によって温度低下することが効率的に抑制されるので、内外周圧下領域にて、リング素材1の径方向の温度分布を適切な温度範囲に効率的に制御でき、その結果、作製されるリング圧延体の寸法精度等の品質を効率的に高めることができる。
特に、リング圧延中に変形するリング素材を誘導加熱体によって直接誘導加熱する場合と比較して、本実施形態に係るリング圧延体の製造方法のように、誘導加熱体7によって主ロール3を誘導加熱する場合では、誘導加熱体7と、誘導加熱される対象物、すなわち、主ロール3との距離を管理し易いので、誘導加熱する温度を容易に制御することができる。特に、加熱炉、ガスバーナー等によって主ロールを加熱する場合と比較して、本実施形態に係るリング圧延体の製造方法のように、誘導加熱体7によって主ロール3を誘導加熱する場合では、主ロール3の加工部を選択的に加熱でき、素早く加熱することができ、かつリング素材1の温度分布を効率的に制御できる。また、リング素材1の外周面1cに接触する主ロール3の周面3aの外周面接触部分3dを局所的に誘導加熱できるので、主ロール3の周面3aにおける外周面接触部分3d以外の部分を必要以上に加熱することなく、主ロール3の回転軸線3b及びその周辺部分が過剰に加熱されることによって損傷することを防止できる。
本実施形態に係るリング圧延体の製造方法によれば、リング素材1の寸法精度等の品質を高くするためには、主ロール3の周面3aと接触するリング素材1の外周面1cの温度を適切に管理することが効率的であり、誘導加熱された主ロール3の周面3aの外周面接触部分3dによって、内外周圧下領域にて、このようなリング素材1の外周面1cが伝熱によって温度低下することが効率的に抑制されるので、内外周圧下領域にてリング素材1の径方向の温度分布を適切な温度範囲に効率的に制御できる。
特に、リング圧延においては、リング素材1の主な加工は主ロール3による圧下であるので、主ロール3と接触するリング素材1の外周面1cの温度を適切に制御することが重要となる。また、一般的な圧延装置では、リング素材1を成形するように構成される主ロール3の金型部分の体積が、リング素材1を成形するように構成されるマンドレルロール2の金型部分の体積よりも大きくなる傾向にある。さらに、主ロール3がリング素材1の外周側に位置するので、主ロール3の周長がマンドレルロール2の周長よりも大きくなって、主ロール3と接触するリング素材1の表面の面積が、マンドレルロール2と接触するリング素材1の表面の面積よりも大きくなる傾向にある。その結果、主ロール3と接触するリング素材1の表面から逃げる熱量が、マンドレルロール2と接触するリング素材1の表面から逃げる熱量よりも大きくなる傾向にある。これに対して、リング素材1の外周面1cが、誘導加熱された主ロール3の周面3aの外周面接触部分3dによって効率的に加熱されるので、このように主ロール3と接触するリング素材1の表面から逃げる熱量を補うことができる。
[第1実施形態の第1具体例]
本発明の第1実施形態の第1具体例として、リング圧延体の製造方法をさらに以下のように実施することができる。かかる製造方法のリング圧延においては、最初に、主ロール3が回転した状態で、誘導加熱体6によって内外周圧下直前領域にて主ロール3の周面3aの外周面接触部分3dを誘導加熱することを開始する。誘導加熱の開始後、リング素材1及び主ロール3が回転した状態で、マンドレルロール2及び誘導加熱された主ロール3によってリング素材1をリング径方向に圧下する作業、一対のアキシャルロール4,5によってリング素材1をリング軸線方向に圧下する作業の順に、これらの作業を繰り返す。このとき、マンドレルロール2及び主ロール3をリング素材1の径方向の中心を基準としてリング径方向に相対的に移動させることによって、リング素材1を、その直径を拡大するように変形させることができる。
かかるリング圧延において、誘導加熱は、その開始からリング素材1の圧下作業開始までの間継続して行われ、さらに、リング素材1の圧下中にも行われる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、誘導加熱は、リング素材の圧下作業の開始前に一旦中断されて、リング素材の圧下作業の開始直前、開始時、又は開始後に再開されてもよい。この場合、誘導加熱の中断時間は、作製されるリング圧延体の寸法精度等の品質を効率的に高めることができるように主ロールの温度を維持できる範囲で設定されるとよい。さらに、リング素材1の圧下作業前では、誘導加熱は、所定の時間(以下、「圧下前加熱時間」という)の間、リング素材1と接触する主ロール3の接触部分、すなわち、主ロール3の周面3aの外周面接触部分3dを所定の温度(以下、「圧下前加熱温度」という)とするように行われる。
さらに、圧下前加熱時間及び圧下前加熱温度は次のようになっているとよい。作製されるリング圧延体の品質を効率的に高めることができるようにリング素材1の圧下作業前に主ロール3を十分に加熱することと、誘導加熱がリング素材1の圧下作業中にも行われることとを考慮すると、圧下前加熱時間は約3分以上であるとよく、かつ圧下前加熱温度は、約100℃以上であるとよく、約150℃以上であると好ましく、約300℃以上であるとさらに好ましい。その一方で、主ロール3の軟化を防止することと、リング圧延体の製造効率の低下を防ぐこととを考慮すると、圧下前加熱時間は約1時間以下であるとよく、かつ圧下前加熱温度は、主ロール3の素材における軟化温度未満であるとよく、具体的には、主ロール3の周面3aの素材が、JIS G4404にて規定される熱間金型用鋼又はその改良鋼である場合、圧下前加熱温度は焼き戻し温度未満であるとよく、すなわち、軟化温度が焼き戻し温度であるとよい。また、主ロール3の材質に強度及び耐熱性が求められる場合、Ni基超耐熱合金を用いることができ、この場合の圧下前加熱温度は、固溶化処理温度未満であるとよく、すなわち、軟化温度が固溶化処理温度であるとよい。
本具体例に係るリング圧延体の製造方法によれば、第1実施形態における作用及び効果に加えて、以下の効果を得ることができる。すなわち、上述のような圧下前加熱時間及び圧下前加熱時間にて主ロール3の誘導加熱を実施するので、リング圧延体の製造効率の低下を防ぐことができる。その一方で、リング素材1の圧下作業中における主ロール3の誘導加熱を効率化するようにリング素材1の圧下作業前に主ロール3を誘導加熱することができ、その結果、作製されるリング圧延体の品質を効率的に高めることができる。
[第1実施形態の第2具体例]
本発明の第1実施形態の第2具体例として、リング圧延体の製造方法をさらに以下のように実施することができる。かかる製造方法のリング圧延においては、最初に、主ロール3が回転した状態で、誘導加熱体6によって内外周圧下直前領域にて主ロール3の周面3aの外周面接触部分3dを誘導加熱する。誘導加熱は、圧下前加熱時間にて、主ロール3の外周面接触部分3dを圧下前加熱温度とするように行われる。かかる誘導加熱の停止後、リング素材1及び主ロール3が回転した状態で、マンドレルロール2及び誘導加熱された主ロール3によってリング素材1をリング径方向に圧下する作業、一対のアキシャルロール4,5によってリング素材1をリング軸線方向に圧下する作業の順に、これらの作業を繰り返す。このとき、マンドレルロール2及び主ロール3をリング素材1の径方向の中心を基準としてリング径方向に相対的に移動させることによって、リング素材1を、その直径を拡大するように変形させることができる。
このような誘導加熱における圧下前加熱時間及び圧下前加熱温度は次のようになっているとよい。作製されるリング圧延体の品質を効率的に高めることができるようにリング素材1の圧下作業前に主ロール3を十分に加熱することと、誘導加熱がリング素材1の圧下作業前に停止することとを考慮すると、圧下前加熱時間は、約15分以上であるとよく、約30分以上であると好ましく、かつ圧下前加熱温度は、約300℃以上であるとよく、約400℃以上であると好ましい。その一方で、主ロール3の軟化を防止することと、リング圧延体の製造効率の低下を防ぐこととを考慮すると、圧下前加熱時間は、約2時間以下であるとよく、約1時間以下であると好ましく、かつ圧下前加熱温度は、主ロール3の素材における軟化温度未満であるとよく、具体的には、主ロール3の周面3aの素材が、JIS G4404にて規定される熱間金型用鋼又はその改良鋼である場合、圧下前加熱温度は焼き戻し温度未満であるとよく、すなわち、軟化温度が焼き戻し温度であるとよい。また、主ロール3の材質に強度及び耐熱性が求められる場合、Ni基超耐熱合金を用いることができ、この場合の圧下前加熱温度は、固溶化処理温度未満であるとよく、すなわち、軟化温度が固溶化処理温度であるとよい。
本具体例に係るリング圧延体の製造方法によれば、第1実施形態における作用及び効果に加えて、以下の効果を得ることができる。すなわち、上述のような圧下前加熱時間及び圧下前加熱時間にて主ロール3の誘導加熱を実施するので、リング圧延体の製造効率の低下を防ぐことができる。その一方で、誘導加熱を停止した状態のリング素材1の圧下作業中にて主ロール3の温度を適切に維持するようにリング素材1の圧下作業前に主ロール3を誘導加熱することができ、その結果、作製されるリング圧延体の品質を効率的に高めることができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係るリング圧延体の製造方法について以下に説明する。なお、本実施形態に係るリング圧延体の製造方法は、リング素材1の外周側領域にエッジ形状部が形成される場合に好適に用いられる。
[圧延装置について]
図6及び図7に示すように、本実施形態にて用いられる圧延装置は、第1実施形態の誘導加熱体6の代わりに以下に述べる誘導加熱体7を有するが、その他の構成について、かかる圧延装置は、第1実施形態にて用いられる圧延装置と同様になっている。
[誘導加熱体について]
図6及び図7に示すように、本実施形態の誘導加熱体7は、以下の点を除いて、第1実施形態の誘導加熱体6と同様である。なお、リング素材1の外周面1cの凸部分1fと主ロール3の周面3aの凹部分3cとの接触関係については図3を参照されたい。第1実施形態と異なる点を述べると、誘導加熱体7においては、誘導加熱コイル7aが、リング素材1の外周面1cに接触する主ロール3の周面3a及びリング素材1の凸部分1fに接触する主ロール3の凹部分3c(図3を参照)に対してリング径方向に間隔を空けると共に、巻線の巻き軸7bの方向を主ロール3の凹部分3cに向けるように配置されている。また、誘導加熱コイル7aにおけるリング軸線方向の端部が、リング素材1の凸部分1fに形成されるエッジ形状部1gに接触する主ロール3の凹部分3cのエッジ形状接触部3e(図3を参照)に対してリング軸線方向に間隔を空けて配置されている。図6及び図7においては、一例として、誘導加熱コイル7aにおけるリング軸線方向の端部が、エッジ形状接触部3eと外周面接触部分3dにおけるリング軸線方向の端部との間に配置されている。かかる誘導加熱体7によって、内外周圧下直前領域にて主ロール3のエッジ形状接触部3eを誘導加熱することができ、さらに、誘導加熱された主ロール3の周面3aのエッジ形状接触部3eと接触するリング素材1のエッジ形状部1g(図3を参照)を内外周圧下領域にて重点的に加熱することができる。
しかしながら、本発明はこれに限定されず、圧延装置が、リング素材の温度制御をより容易にするために、複数の誘導加熱体を有していてもよい。また、リング素材の外周側領域が1つ以上の凸部分及び1つ以上の凹部分のうち少なくとも一方を有する場合にリング素材の外周側領域に形成されるエッジ形状部と接触する主ロールの周面のエッジ形状接触部を重点的に誘導加熱するように構成されているとよい。さらに、主ロールのエッジ形状接触部を誘導加熱できれば、誘導加熱コイルの巻き軸の方向が主ロールの凹部分以外を向いてもよい。主ロールのエッジ形状接触部を誘導加熱できれば、誘導加熱体が、誘導加熱コイルを巻き付けた磁心を有していてもよく、この場合、磁心から生じる磁束線上にてリング素材の主ロールのエッジ形状接触部が誘導加熱されることとなる。
図7においては、誘導加熱コイル7aの外周縁部分は、巻き軸7bの方向から見て略四角形状に形成されている。しかしながら、誘導加熱コイルの外周縁部分は、これに限定されず、巻き軸の方向から見て略円形状、略楕円形状、略四角形状以外の略多角形状等に形成することも可能である。また、誘導加熱コイル7aの巻き数は、コイルを製造可能とする範囲にて必要な磁力線密度に応じて、複数とすることが好ましい。
[リング圧延体の製造方法について]
本実施形態に係るリング圧延体の製造方法は、このような圧延装置によって、次のようにリング圧延することを含む。かかるリング圧延においては、マンドレルロール2及び主ロール3並びに一対のアキシャルロール4,5が回転し、これらの回転に伴って、第1実施形態と同様に予め加熱されたリング素材1が、その軸線1aを中心としてリング周方向の一方側(図7にて矢印Fにより示す)に回転する。誘導加熱体7によって内外周圧下直前領域にて主ロール3の周面3aのエッジ形状接触部3eを誘導加熱する。さらに、リング素材1が回転した状態で、マンドレルロール2及び誘導加熱された主ロール3によってリング素材1をリング径方向に圧下する作業、一対のアキシャルロール4,5によってリング素材1をリング軸線方向に圧下する作業、の順に、これらの作業を繰り返す。このとき、マンドレルロール2及び主ロール3の一方又は両方を、リング素材1の径方向の中心を基準としてリング径方向に相対的に移動させることによって、リング素材1を、その直径を拡大するように変形させることができる。また、リング圧延中においては、誘導加熱された主ロール3の周面3aのエッジ形状接触部3eと接触するリング素材1の外周面1cのエッジ形状部1gが、内外周圧下領域にて加熱されることとなる。
なお、リング圧延中において、誘導加熱体7による誘導加熱の温度は、主ロール3のエッジ形状接触部3eの温度を約300℃以上かつ予め加熱されたリング素材1の温度以下の範囲内とするように設定されるとよい。この上限値はまた、主ロール3の材料等に応じて設定されるとよく、特に、上限値は、主ロール3の軟化を防止可能とする温度に設定されるとよい。例えば、主ロール3が、JIS規格にて規定される熱間金型用鋼を用いて作製される場合、上限値は、熱間金型用鋼の焼き戻し温度未満とすると好ましい。さらに、誘導加熱体7による誘導加熱の温度は、このような範囲内にて、リング素材1の抜熱を抑制しながら、リング素材1の径方向の温度分布を適切な温度範囲に効率的に制御可能とするように調節されるとよい。一例として、誘導加熱体7による誘導加熱の温度は、リング素材1の径方向の温度分布を均一化するように調節されるとよい。
[作用及び効果について]
本実施形態に係るリング圧延体の製造方法によれば、内外周圧下領域にて、特に温度低下の生じ易いリング素材1の外周側領域のエッジ形状部1gが、誘導加熱された主ロール3の周面3aのエッジ形状接触部3eによって効率的に加熱されるので、内外周圧下領域にてリング素材1の径方向の温度分布を適切な温度範囲に効率的に制御できる。また、リング素材1の外周側領域のエッジ形状部1gに接触する主ロール3の周面3aのエッジ形状接触部3eを局所的に誘導加熱できるので、主ロール3の周面3aにおけるエッジ形状接触部3e以外の部分を必要以上に加熱することなく、主ロール3の回転軸線3b及びその周辺部分が過剰に加熱されることによって損傷することを防止できる。さらに、本実施形態によれば、主ロール3の外周面接触部分3dを誘導加熱することにより得られる作用及び効果の代わりにかかる作用及び効果が得られる点を除いて、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
[第2実施形態の第1及び第2具体例]
本発明の第2実施形態の第1及び第2具体例として、リング圧延体の製造方法を、誘導加熱体6によって主ロール3の外周面接触部分3dを誘導加熱する代わりに誘導加熱体7によって主ロール3のエッジ形状接触部3eを誘導加熱する点を除いて、それぞれ、第1実施形態の第1及び第2具体例と同様にすることができる。このような第1及び第2具体例に係るリング圧延体の製造方法によれば、誘導加熱体6によって主ロール3の外周面接触部分3dを誘導加熱することに基づく効果の代わりに誘導加熱体7によって主ロール3のエッジ形状接触部3eを誘導加熱することに基づく効果が得られる点を除いて、それぞれ、第1実施形態の第1及び第2具体例と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、その技術的思想に基づいて変形かつ変更可能である。
1 リング素材
1a 軸線
1b 内周面
1c 外周面
1d,1e 軸線方向の端面
1g エッジ形状部
2 マンドレルロール
3 主ロール
3a 周面
3d 外周面接触部分
3e エッジ形状接触部
4,5 アキシャルロール
6,7 誘導加熱体
6a,7a 誘導加熱コイル
6b,7b 巻き軸
θ 角度
F,R1,R2,R3,R4 矢印

Claims (6)

  1. リング素材をその周方向に回転させた状態で前記リング素材の内外周面にそれぞれ接触すると共に前記リング素材をその径方向にて圧下するように構成されるマンドレルロール及び主ロールを用いて、前記リング素材からリング圧延体を形作るリング圧延体の製造方法であって、
    前記リング素材を圧延する工程であって、前記主ロールを少なくとも1つの誘導加熱体によって誘導加熱し、かつ前記マンドレルロール及び前記誘導加熱された主ロール間にて前記リング素材を圧下する作業を有した工程
    を含むリング圧延体の製造方法。
  2. 前記圧延する工程にて、前記リング素材の圧下中に前記主ロールを誘導加熱する請求項1に記載のリング圧延体の製造方法。
  3. 前記圧延する工程にて、前記主ロールの誘導加熱が前記リング素材の圧下開始前から開始され、
    前記主ロールの誘導加熱が、前記リング素材の圧下開始前にて3分以上かつ2時間以下の間で、前記リング素材と接触する前記主ロールの接触部分を100℃以上かつ前記主ロールの素材の軟化温度未満とするように行われる、請求項2に記載のリング圧延体の製造方法。
  4. 前記圧延する工程にて、前記少なくとも1つの誘導加熱体によって15分以上かつ2時間以下の間で、前記リング素材と接触する前記主ロールの接触部分を300℃以上かつ前記主ロールの素材の軟化温度未満とするように前記主ロールを誘導加熱し、かつ前記誘導加熱の停止後に前記リング素材の圧下を実施する請求項1に記載のリング圧延体の製造方法。
  5. 前記圧延する工程にて、前記リング素材の外周面に接触する前記主ロールの周面の外周面接触部分を誘導加熱する請求項1に記載のリング圧延体の製造方法。
  6. 前記圧延する工程にて、前記リング素材の外周側領域に形成されるエッジ形状部に接触する前記主ロールの周面のエッジ形状接触部を誘導加熱する請求項1に記載のリング圧延体の製造方法。
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