JP2015199121A - 圧延ロール及びリング圧延方法 - Google Patents

圧延ロール及びリング圧延方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 リング圧延時にリング状圧延素材の局所的な異常発熱を抑制し、次工程の型打ち鍛造において、型打ち鍛造用素材の座屈を防止することができる形状に成形可能な圧延ロール及びリング圧延方法を提供する。
【解決手段】 リング状の圧延素材を圧延するためのリング圧延機に、前記リング状圧延素材の内周側と外周側に対置して用いられる一対の圧延ロールであって、前記一対の圧延ロールは、その軸方向において中央部から両端側に向けて直径が漸増している圧延ロール。好ましくは、前記一対の圧延ロールのうち、圧延素材を回転駆動する主ロールは、その中央部から9〜32°の勾配が形成されており、また、圧延素材に従動する回転自在なマンドレルロールは、その中央部から15〜40°の勾配が形成されている圧延ロールである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リング状型打ち鍛造用素材を得るためのリング圧延機に用いられる圧延ロール及びリング圧延方法に関するものである。
環状のタービンディスク等に用いられる部品は、例えば、Ni基超耐熱合金製の素材をリング圧延機(リングローリングミル、リングミルとも称される)でニアネットシェイプの形状に熱間加工がなされている。
これらのリング圧延機を用いて環状製品を製造する提案としては、主ロールやマンドレルロールの形状を加工して、ニアネットシェイプのリング圧延材を得る種々の提案がなされている。例えば、特開2013−169563号公報(特許文献1)には、リングローリング加工した製品における内部空隙(ボイド)の発生を抑制することができるリングローリング加工方法の発明が提案されている。また、例えば、特開2011−255410号公報(特許文献2)には、合金素体を鍛造して円板状の鍛造体を作製する鍛造工程と、前記鍛造体に貫通孔を形成してなる環状中間体をリング圧延して環状成形体を作製するリング圧延工程とを備え、前記リング圧延工程では、前記環状中間体の表面近傍に塑性ひずみを0.03以上付与する圧延を少なくとも15回以上行って前記環状成形体とするとともに、前記表面近傍の内側に位置する製品領域の結晶粒度をASTM結晶粒度番号で8以上とする環状成形体の製造方法の発明が提案されている。
特開2013−169563号公報 特開2011−255410号公報
上述したリング圧延材の製造方法においては、そのリング圧延材に機械加工を行って最終製品とするものである。
ところで、前述した最終製品用のリング圧延材の他に、リング状型打ち鍛造用素材をリング圧延機を用いて製造する技術がある。この型打ち鍛造用素材を製造するためのリング圧延機による加工方法は殆ど検討がなされていないのが現状である。
型打ち鍛造用素材を製造するためのリング圧延機のよる加工方法としては、従来から、リング状の圧延素材の片側断面形状が矩形の素材を用いて、通常の圧延面が平坦なマンドレルロールと主ロールとの組合わせにより型打ち鍛造用素材を製造している。
しかしながら、前述の従来方法のリング状の圧延素材、マンドレルロール、主ロールの組合わせでは、リング状圧延素材の角部が異常に発熱を生じ、異常発熱部とその周辺の結晶粒が粗大化してしまうと言う問題がある。これらの問題については、殆ど検討がなされていないのが現状である。
また、前述の特許文献1や特許文献2で記されるリング圧延方法をそのまま適用しようとすると、主ロールの上下に設けられた大きな直径の部材と圧延素材が接触してかぶり疵を生じるおそれがある。もし、型打ち鍛造用素材にかぶり疵が生じた場合、次工程の型打ち鍛造時に割れ等の問題を生じたり、その後の加工でも残存し続けて最終製品にまで疵が残存するおそれがある。そのため、かぶり疵は除去する必要があるが、型打ち鍛造用素材の段階では、除去する重量も大きく、歩留まりを著しく劣化させる。また、型打ち鍛造では型打ち鍛造用素材の座屈のおそれもあり、座屈を生じないような形状が必要となる。
本発明の目的は、リング圧延時にリング状圧延素材の局所的な異常発熱を抑制し、次工程の型打ち鍛造において、型打ち鍛造用素材の座屈を防止することができる形状に成形可能な圧延ロール及びリング圧延方法を提供することである。
本発明者は、前述した課題に鑑みてなされたものである。
すなわち本発明は、リング状の圧延素材を圧延するためのリング圧延機に用いられる圧延ロールであって、かつ、前記リング状の圧延素材の内周側または外周側に対置して用いられる圧延ロールであって、
前記圧延ロールは、その軸方向において中央部から一端側に向けて直径が漸増している圧延ロールである。
また、前記圧延ロールは、前記中央部から他端側に向けて直径が漸増していることが好ましい。
また、前記圧延ロールは、圧延素材を回転駆動する主ロールであって、前記直径が漸増している形状の勾配が9〜32°であることが好ましい。
また、前記圧延ロールは、圧延素材に従動する回転自在なマンドレルロールであって、前記直径が漸増している形状の勾配が15〜40°であることが好ましい。
また、本発明は、少なくとも主ロールとマンドレルロールとからなる一対の圧延ロールと、少なくとも一対のアキシャルロールとを有するリング圧延機を用いて、リング状の圧延素材の径を広げつつ、前記圧延素材の高さを押圧加工して、リング状型打ち鍛造用素材を製造するリング圧延方法であって、
前記一対の圧延ロールは、その中央部から両端側に向けて直径が漸増しているリング圧延方法である。
好ましくは、前記一対の圧延ロールのうち、圧延素材を回転駆動する主ロールは、その中央部から9〜32°の勾配が形成されており、また、圧延素材に従動する回転自在なマンドレルロールは、その中央部から15〜40°の勾配が形成されているリング圧延方法である。
前述のリング圧延方法で得られるリング状型打ち鍛造用素材の形状が、片側断面でみたとき、
高さ/肉厚≦1.6
であるリング圧延方法である。
本発明の一対の圧延ロールを用いることにより、リング圧延時にリング状圧延素材の局所的な異常発熱を抑制し、次工程の型打ち鍛造において、型打ち鍛造用素材の座屈を防止することができる形状に成形可能である。また、アキシャルロールを必須で用いるため、かぶり疵などの発生を防止して、歩留まりも良好な型打ち鍛造用素材を得ることが可能である。
本発明の圧延ロールの一例を示す断面模式図である。 本発明の圧延ロールの一例を示す断面模式図である。 本発明の圧延ロールの一例を示す断面模式図である。 本発明の圧延ロールの一例を示す断面模式図である。 リング圧延を説明するための斜視図である。 リング状の圧延用素材の一例を模式的に示す片側断面図である。 リング状の圧延用素材の一例を模式的に示す片側断面図である。 リング状の圧延用素材の一例を模式的に示す片側断面図である。 リング状の圧延用素材の一例を模式的に示す片側断面図である。 リング状型打ち鍛造用素材の一例を模式的に示す片側断面図である。 リング状型打ち鍛造用素材の一例を模式的に示す片側断面図である。 リング圧延後のリング状型打ち鍛造用素材の断面顕微鏡写真である。
本発明の圧延ロールは、座屈を防止する形状のリング状型打ち鍛造用素材をリング圧延機により製造するためのものである。なお、リング状型打ち鍛造用素材は、例えば、タービン等に用いられるリングディスク、ケースアウター等のリング状の部品である。
型打ち鍛造では、所定の形状が形成された型彫面を有する上下一対の金型内に、鍛造用素材を配置して、大型の鍛造機(プレス機を含む)で押圧して、所定の形状に鍛造される。鍛造は、熱間鍛造、恒温鍛造やホットダイ鍛造が挙げられ、本発明ではこの熱間中で行う鍛造を熱間鍛造と称する。そのため、鍛造用素材の片側断面形状は、座屈しない形状が必要となる。座屈は多くの場合、鍛造用素材の高さ方向の中央部付近で生じるため、本発明では座屈をより確実に防止するため鍛造用素材の高さ方向の中心付近の厚さを上部または下部の厚さよりも厚くして熱間鍛造時の座屈を防止する。
また、リング状の圧延素材を用いたとき、例えば、その片側断面形状が矩形であると、角部がリング圧延中に異常な発熱を生じて金属組織が粗大化して、内質が変化して最終製品にまで残留して機械的特性に影響を及ぼすおそれがある。そのため、前述した座屈を防止すると共に異常発熱を極力低減できる形状とすることが可能な圧延ロール形状が必要となる。
そこで、本発明では図1〜4に示すように主ロール、マンドレルロールとして用いられる圧延ロール1(主ロール、マンドレルロール)の形状をその中央部2から端部に向けて直径が漸増している形状としている。そのため、中央部の直径D1よりも圧延ロールの端面側の直径D2の方が大きくなる。この端部に向けて直径が漸増している形状は、一方の端部側のみに形成することでも良い。また、本発明で言う中央部2とは圧延ロールの高さH2の中心を含んで直径D1と同じ直径を有するH1で示す部分を言う。なお、アキシャルロール23は図5に示すようにリング状の圧延素材11の高さ方向に設けられている。アキシャルロール23を用いることで、前述の従来技術で問題となるかぶり疵の発生を抑制することができる。
なお、好ましいリング状型打ち鍛造用素材の形状については後述する。
本発明において、圧延ロールの形状をその中央部2から端部に向けて直径が漸増する形状とするのは、上述したとおり、型打ち鍛造時の座屈を防止し、局所的な異常発熱を防止するためである。
圧延ロールにおける好ましい形状は、主ロールの場合では、その中央部から端部に向けて直径が漸増している形状を9〜32°の勾配を有するように形成することである。勾配とは図1〜3にθ1(角度)として示す。主ロールに形成される勾配が9°未満であると成形されるリング状型打ち鍛造用素材の片側断面形状が矩形に近づくことで局所的な異常発熱を生じるおそれがある。また、主ロールに形成される勾配が32°を超えると、勾配の起点となる場所の発熱量が高くなるおそれがある。一方、マンドレルロールで成形される形状はリング状型打ち鍛造用素材の内側になる。リング状型打ち鍛造用素材の場合、内側の方が座屈の危険性が高くなるため、主ロール側に形成される勾配よりも角度の大きな勾配として、座屈をより確実に防止するのが好ましい。そのため、例えば、図1の勾配を設けようとすると、「主ロール側に形成する勾配θ1<マンドレル側に形成する勾配θ1」とするのが良い。マンドレル側の勾配の角度としては、15°未満であると成形されるリング状型打ち鍛造用素材の片側断面形状が矩形に近づくことで局所的な異常発熱を生じるおそれがある。また、マンドレルロールに形成される勾配が40°を超えると、勾配の起点となる場所の発熱量が高くなるおそれがある。そのため、マンドレルロールの場合では、その中央部から端部に向けて直径が漸増している形状を15〜40°の勾配を有するように形成することが好ましい。なお、もし、図11に示すように、型打ち鍛造で製造する製品形状の関係上、主ロール側の形状を突出させたい場合は、アキシャルロールで十分にリング状の圧延素材の高さ方向を潰して型打ち鍛造時の座屈を防止することが好ましい。
また、例えば、図2で示す圧延ロールをマンドレルロールとして用いて、図3で示す圧延ロールを主ロールとして用いるような、異なる形状の圧延ロールの組合わせのように、主ロール側とマンドレル側に形成する中央部の高さを変化させたり、勾配の角度をそれぞれ異なる角度としても良い。これらの勾配角度の変更は、リング状型打ち鍛造用素材を用いた型打ち鍛造において、最終の製品形状に応じて変更するのが良い。
なお、座屈を防止しつつ局所的な異常発熱の抑制できる圧延ロールの形状として、例えば、図2〜4に示すように、勾配を形成する箇所を複数個としても良い。この場合の勾配(θ2)も前述と同様な角度であることが好ましい。つまり、主ロールでは9〜15°、マンドレルロールでは15〜40°の範囲であることが好ましい。複数個所を設ける場合の勾配の角度は、θ1>θ2の方が好ましい。これは、本発明の圧延ロールは、リング状型打ち鍛造用素材とするものであるため、座屈をより確実に防止するためである。
また、主ロールにおいては主ロール全体を駆動させても良いが、例えば、図4の中央部2を駆動部分とし、勾配形成部3は回転する圧延素材に追従させる機構としても良い。この場合であると、主ロール全体を駆動させる場合と比べて圧延素材の異常発熱を抑制することができる。なお、図3のように駆動する中央部2Aの高さが短い場合、中央部の上下に位置する勾配形成部の一部3Aも駆動部分としても良い。
このような、駆動部分と従動部分とを設ける場合は、駆動部分と従動部分とを別部品として製作して、それを組合わせて圧延ロールとしても良い。
また、リング状の圧延素材の片側断面形状が矩形のもの以外に、図6〜9に示すような断面形状がテーパー形状となっているものを用いるのが好ましい。これは、片側断面形状が矩形状であると、リング圧延中に角部の温度が異常発熱を生じやすいためである。
図6〜9で示すリング状の圧延素材の共通点は、マンドレル側に向かって先細りの断面形状となっていることである。この形状では、マンドレルロールが主ロールとの間隔を狭める方向に移動するとき、自由に変形可能な空間があることである。これにより、リング圧延中の異常発熱を更に確実に防止できる。また、図6及び図7においてはアキシャルロールが接触する面に平坦部が設けられていることから、リング圧延が安定する。図7は主ロールの中央部に接触する面が平坦状になっていることから、主ロールとの接触面積が増えてリング圧延が安定する一方で、図7の形状を熱間鍛造で製造するとプレス荷重が増加するため、用いる鍛造装置の最大荷重、鍛造時の最大荷重などを考慮して決定すると良い。
以上、説明する本発明の圧延ロール用いて得られる型打ち鍛造用素材は、図10、図11に示すように、中央部の肉厚が大きく高さ方向に先細りとなり、型打ち鍛造で座屈が防止できる形状となる。中でも、その片側断面形状が高さ/肉厚≦1.6であることが好ましい。これは、より確実に座屈を防止できるためである。なお、型打ち鍛造用素材の高さ及び肉厚は図10、図11に示すとおりである。
上述した本発明の圧延ロールを用いた型打ち鍛造用素材の製造方法としては、以下のように行うと良い。
熱間鍛造機によりAlloy718相当合金製のリング状の圧延素材を作製する。
圧延素材は円盤状のAlloy718相当合金を中央部に凸部を有する上型と下型で押圧し、円盤状のAlloy718相当合金中央部に前記突起に対応する凹部を形成し、凹部をウォーターカッタで切断して、その後、機械加工を施して図6に示すリング状の圧延素材とする。
上述したリング状の圧延用素材に対して、リング圧延機を用いてリング圧延が行われる。その際使用するリング圧延機としては、例えば、図5に示すような構成のものを用いることができる。なお、リング圧延機にガイドロール(抱きロール)、定寸ロールが設けられていても良い。
図5に示すリング圧延機においては、所定の回転速度で回転可能な主ロール21と軸周りに従動回転できるマンドレルロール22とが、リング圧延素材11の径方向外周面と内周面とに対向配置され、また、このリング圧延機は、リング圧延素材11の高さ方向の上面および下面に対向配置された2つのアキシャルロール23、23を備えている。圧延中のリング圧延素材11の芯ズレを低減するために、主ロール21の両脇に従動回転できるガイドロールを配置し、且つリング圧延素材11の外周部を支持しながら圧延すると、より安定した圧延が可能となる。
主ロール21は図1に示すようなその中央部2から端部に向けて直径が漸増する形状に形成されており、勾配角度(θ)は13°である。このような主ロール21は、圧延中、リング圧延素材11の外周面に接触させた状態で駆動することによって、リング圧延素材11を回転させるものとなっている。マンドレルロール22には図1に示すようなその中央部2から端部に向けて直径が漸増する形状に形成されており、勾配角度(θ)は24°である。さらに、マンドレルロール22は、軸周りに自由に回転できる構造であり、且つ主ロール21の回転軸と略平行に配置されている。
圧延は、マンドレルロール22の外周面をリング圧延素材11の内周面に接触させた状態で行われ、このような圧延中に、主ロール21とマンドレルロール22との間におけるロール間距離を徐々に狭めることによって、リング圧延素材11の径方向内周面および外周面間の部分が肉厚方向に圧下される。上下アキシャルロール23,23は、20〜45°の頂角を有する円錐形状または円錐台形状に形成されており、さらに、上下アキシャルロール23,23は、リング圧延素材11の高さ方向の寸法を調整するため、それぞれリング圧延素材11の略中心に先端を向けるように配置されている。なお、圧延中において、上下アキシャルロール23,23は、リング圧延素材11の回転数に合わせて駆動回転するものになっているが、従動回転するものになっていてもよい。
圧延手順としては、所定の温度に加熱したリング圧延素材11の内径穴にマンドレルロール22を通しておき、主ロール21とマンドレルロール22との間隔が徐々に狭まるように、マンドレルロール22を径方向外方に徐々に移動させて、両者の距離がリング圧延素材11の初期状態の肉厚と一致した状態になると、主ロール21の表面とリング圧延素材11の外周面との摩擦によってリング圧延素材11に回転が付与されることとなる。このとき、マンドレルロール22は、リング圧延素材11の回転に追従するように従動回転する。
その後、マンドレルロール22を径方向外方(外周側)に徐々に移動させることによって、主ロール21とマンドレルロール22との間隔が徐々に狭まって、リング圧延素材11が肉厚方向に圧下され、リング圧延素材11の周方向に沿って連続的に塑性変形が与えられることになる。
以上説明する本発明の圧延ロールを用いることにより、リング圧延時にリング状圧延素材の局所的な異常発熱を抑制し、次工程の型打ち鍛造において、型打ち鍛造用素材の座屈を防止することができる形状に成形可能となる。
熱間鍛造機によりAlloy718相当合金製のリング状の圧延素材を作製した。
円盤状のAlloy718相当合金を中央部に凸部を有する上型と下型で押圧し、円盤状のAlloy718相当合金中央部に前記突起に対応する凹部を形成し、凹部をウォーターカッタで切断して、その後、機械加工を施して図6に示すリング状の圧延素材とした。おおよその寸法は、外径830mm、内径430mm、厚さ196mmであった。
上述したリング状の圧延用素材に対して、リング圧延機を用いてリング圧延を行った。使用したリング圧延機は、図5に示す構成のもので、更にガイドロール(抱きロール)、定寸ロールを設けたものである。
使用した主ロール21は、図1に示すようにその中央部2から端部に向けて直径が漸増する形状に形成されており、勾配角度(θ)は13°である。マンドレルロール22は図1に示すようなその中央部2から端部に向けて直径が漸増する形状に形成されており、勾配角度(θ)は24°である。
前述のリング状の圧延素材11を982℃の熱間圧延温度に加熱し、リング圧延素材11の内径穴にマンドレルロール22を通し、リング圧延を開始した。リング圧延は、主ロール21とマンドレルロール22との間隔が徐々に狭まるように、マンドレルロール22を径方向外方に徐々に移動させることにより、リング状の圧延素材11の径を広げていった。リング圧延中は、上下一対のアキシャルロール23、23を用いて、リング状の圧延素材11の高さを押圧加工して、リング状の圧延用素材の高さ方法(上下方向)の寸法を制御した。リング圧延中においては、リング状の圧延素材の角部には異常な発熱は見られなかった。
得られたリング状型打ち鍛造用素材31の形状は、図10に示すような断面形状を有するものであり、高さが180mm、肉厚が120mmであった。そのため、次工程の型打ち鍛造時の座屈はほぼ確実に防止することができるものであった。
なお、得られたリング状型打ち鍛造用素材31には、かぶり疵などの欠陥も見らず、良好なリング状型打ち鍛造用素材となっていた。
また、リング状型打ち鍛造用素材31の内周側角部(図12(a))、外周側角部(図12(b))、中央部(図12(c))から金属組織観察用試験片を切り出して、金属組織観察を行った。その結果を図12に示す。図12に示す通り、金属組織中には異常発熱時に見られる、結晶粒の粗大化・混粒化も見られなかった。
以上の結果から、本発明の圧延ロールを用いたリング圧延によれば、リング圧延時にリング状圧延素材の局所的な異常発熱を抑制し、次工程の型打ち鍛造において、型打ち鍛造用素材の座屈を防止することができる形状に成形可能となることが分かる。また、かぶり疵などの発生を防止できることから、歩留まりも改善することができる。
1 圧延ロール
2 中央部
3 勾配形成部
11 リング状の圧延素材
21 主ロール
22 マンドレルロール
23 アキシャルロール
31 型打ち鍛造用素材

Claims (8)

  1. リング状の圧延素材を圧延するためのリング圧延機に用いられる圧延ロールであって、かつ、前記リング状の圧延素材の内周側または外周側に対置して用いられる圧延ロールであって、
    前記圧延ロールは、その軸方向において中央部から一端側に向けて直径が漸増していることを特徴とする圧延ロール。
  2. 前記圧延ロールは、前記中央部から他端側に向けて直径が漸増していることを特徴とする請求項1に記載の圧延ロール。
  3. 前記圧延ロールは、圧延素材を回転駆動する主ロールであって、前記直径が漸増している形状の勾配が9〜32°であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧延ロール。
  4. 前記圧延ロールは、圧延素材に従動する回転自在なマンドレルロールであって、前記直径が漸増している形状の勾配が15〜40°であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧延ロール。
  5. 少なくとも主ロールとマンドレルロールとからなる一対の圧延ロールと、少なくとも一対のアキシャルロールとを有するリング圧延機を用いて、リング状の圧延素材の径を広げつつ、前記圧延素材の高さを押圧加工して、リング状型打ち鍛造用素材を製造するリング圧延方法であって、
    前記一対の圧延ロールは、その中央部から両端側に向けて直径が漸増していることを特徴とするリング圧延方法。
  6. 前記一対の圧延ロールのうち、圧延素材を回転駆動する主ロールは、その中央部から9〜32°の勾配が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のリング圧延方法。
  7. 前記一対の圧延ロールのうち、圧延素材に従動する回転自在なマンドレルロールは、その中央部から15〜40°の勾配が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のリング圧延方法。
  8. 前記リング圧延方法によって形成されたリング状型打ち鍛造用素材の形状が、片側断面でみたとき、
    高さ/肉厚≦1.6
    であることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載のリング圧延方法。

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