JP6148892B2 - 高濃度エチル−2−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート含有粉末香料製剤 - Google Patents
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Description
粉末香料製剤は、これら食品の香味付けなどに広く用いられており、口に入れた瞬間に感じる香りと、咀嚼して感じる香りに影響を与える。
一般的な粉末香料製剤の製法としては、香料をアラビアガムやエステル化加工澱粉等の乳化剤に添加した後、得られた乳化混合物を噴霧乾燥して粉末香料を製造する方法であるが、この方法で得られる粉末香料は香気、香味の発現が遅く、特に口に入れた瞬間に感じる香りに関して満足できるものではない。
また、チューインガムなどでは、香料がガムベースから脱離しにくく、その香気、香味の発現が遅くなり、かつ香気、香味が持続することなく、すぐに弱くなって感じ難くなるという問題点がある。
一方、香気、香味の持続を促進する解決方法としては、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンなどの乳化剤の水溶液に、香料を加えて高圧下で乳化を行ない、1μm未満の微小乳化油滴を調製し、これに賦形剤の水溶液を加えて撹拌混合し、噴霧乾燥して香味持続型粉末香料を得ることや(特許文献2)、油溶性香料と中鎖トリグリセライドなどの油溶性成分を、100:1〜1:1の割合で混合又は溶解した油相成分を、アラビアガムなどの乳化剤溶液中に微分散又は乳化して、油相成分の乳化粒子の平均粒子径を0.1μm未満として得られる、水に透明に溶解し、且つ呈味感やトップノートなどの香味発現性が改善された乳化香料組成物も提案されている(特許文献3)。
また、油性香料にショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびレシチンの1種以上と、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、ガティガムから選ばれる1種または2種以上の乳化剤を用いた、香気、香味を速やかに発現させ、かつ、香気、香味が長く持続する油性香料含有粉末製剤が提案されている(特許文献4)。
さらに、本出願人は、高濃度のメントールに特定量のレシチンおよび/または有機酸モノグリセリド、トリグリセリド、ガティガムを添加混合した溶液を、乳化処理を行った後、乾燥させて得られる高濃度メントール含有粉末香料製剤を提案している(特許文献5)。
項1.エチル−2−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート10〜30質量%に、以下の(1)〜(4)、および賦形剤を添加混合した溶液を乳化処理を行った後、乾燥して得られる粉末香料製剤。
(1)融点が50℃以下のクーリング化合物を、エチル−2−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に対して50〜400質量部、
(2)レシチンおよび/または有機酸モノグリセリドを、エチル−2−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に対し1〜100質量部、
(3)トリグリセリドを、エチル−2−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に対し1〜100質量部、
(4)ガティガムを、エチル−2−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に対し25〜300質量部。
項2.融点が50℃以下のクーリング化合物が、メンチルラクテート、メンチル3−ヒドロキシブチレート、メンチルグルタレート、3−L−メントキシプロパン−1,2−ジオール、メンチルグリセリンアセタール、L−メントールの1種または2種以上であることを特徴とする項1の粉末香料製剤。
項3.賦形剤が、水溶性デキストリン、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、オリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、パラチニット、ゼラチン、ゼラチン加水分解物の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする項1の粉末香料製剤。
<調製方法>
表1〜4の処方に記載された量の油相成分であるWS5、メンチルラクテートおよび/またはメンチル3−ヒドロキシブチレート、メンチルグルタレート、レシチン、コハク酸モノステアリン酸グリセリン、トリグリセリドを均一に混合した。その後、水相成分であるガティガム、またはアラビアガム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、トレハロース、パラチニット、デキストリンを水に溶解して調製した乳化剤溶液に、均一に混合した油相成分添加し、攪拌混合した。次いで、APV Gaulin社製 高圧ホモジナイザー 15MP−8TAを用いて、圧力2.942kPa(300kg/cm2)で2回処理を行い、得られた乳化液をAPV Nordic Anhydro社製 噴霧乾燥機(入口温度:140℃、出口温度80℃)を用いて噴霧乾燥し、高濃度WS5含有粉末香料製剤(実施例1〜10、比較例1〜10)を得た。なお、噴霧乾燥前の乳化状態を表5に示した。
比較例4〜5および比較例7〜9は、乳化直後の顕微鏡観察では異常は認められなかったが、40℃1日静置後、乳化液は完全に分離した。
一方、実施例1〜10は、乳化後、40℃1日静置後も異常は認められず、状態に変化は見られなかった。
また、比較例1は、低濃度のWS5を用いた例であり、乳化後、40℃1日静置後に異常は認められなかった。
このことから、実施例1〜10に挙げられる特定量の高濃度のWS5、融点が50℃以下のクーリング化合物、レシチンおよび/または有機酸モノグリセリド、トリグリセリド、ガティガムを組合わせることで、安定した乳化状態を保ち、粉末化できることがわかった。
得られたWS5含有粉末香料製剤0.2gを100mlメスフラスコに正確に量り、純水50mlを加えて溶解後、柴田科学(株)社製 超音波処理器SU−2THで3分間超音波処理を行った。次いで、アセトン25mlを加えて、再度超音波処理を3分間行い、内部標準液1% 1−オクタノール:アセトン液5mlを加えて、アセトンで100mlに定容した。この液を0.5μmフィルターで濾過し、濾液を試験溶液とした。
これら試験溶液、および検量用溶液について、ガスクロマトグラフ法により試験を行い、内部標準法を用いてWS5(残存量)の定量を行った。
これら試験溶液について、ガスクロマトグラフ法により試験を行い、内部標準法を用いてWS5(表面油量)の定量を行った。WS5の表面油率は、(得られたWS5の表面油量/WS5の残存量)×100により求めた。
一方、実施例1〜10は、粉末表面に存在するWS5の表面油率が1.6%以下と低く、粉末化しても乳化状態が安定していることがわかった。
また、比較例1は、低濃度のWS5を用いた例であり、表面油率は低い値を示した。
このことから、実施例1〜10に挙げられる特定量の高濃度のWS5、融点が50℃以下のクーリング化合物、レシチンおよび/または有機酸モノグリセリド、トリグリセリド、ガティガムを組合わせることで、粉末時でも安定した乳化状態を保ち、粉末化ができた。
チューイングガムによる香味発現比較
チューインガムベースに、メントールの濃度が2000ppmになるようにメントール含有粉末製剤(サンフィックス(登録商標)メントールNO.2620FA:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を加え、さらに得られたWS5含有粉末製剤をそれぞれWS5濃度が200ppmになるよう加えて、メントールおよびWS5含有チューインガムを調製した。調製したメントールおよびWS5含有チューインガムからの香味の発現を、8名のパネラーにより表7下部に記載した4段階の官能評価で評価した。
一方、実施例1は、苦味が少ないクリアな強い冷涼感が持続した。
一方、実施例4は、速やかに冷涼感が発現し、かつ、苦味などの不快味が少なく、強い冷涼感が持続した。
一方、実施例5は、速やかに冷涼感が発現し、かつ、苦味などの不快味が少なく、強い冷涼感が持続した。
一方、実施例7は、速やかに冷涼感が発現し、かつ、苦味などの不快味が少なく、強い冷涼感が持続した。
一方、実施例8は、速やかに冷涼感が発現し、かつ、苦味などの不快味が少なく、強い冷涼感が持続した。
一方、実施例9は、速やかに冷涼感が発現し、かつ、苦味などの不快味が少なく、強い冷涼感が持続した。
一方、実施例10は、苦味などの不快味が少ないクリアな冷涼感が持続した。
Claims (3)
- エチル−2−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に、以下の(1)〜(4)、および賦形剤を添加混合した溶液を乳化処理を行った後、乾燥して得られる、前記エチル−2−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテートを10〜30質量%含有する粉末香料製剤の製造方法;
(1)融点が50℃以下のクーリング化合物を50〜400質量部、
(2)レシチン並びに/または酢酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド及び乳酸モノグリセリドからなる群より選択される1種以上の有機酸モノグリセリドを1〜100質量部、
(3)トリグリセリドを1〜100質量部、
(4)ガティガムを25〜300質量部。 - 融点が50℃以下のクーリング化合物が、メンチルラクテート、メンチル3−ヒドロキシブチレート、メンチルグルタレート、3−L−メントキシプロパン−1,2−ジオール、メンチルグリセリンアセタール及びL−メントールからなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の粉末香料製剤の製造方法。
- 賦形剤が、水溶性デキストリン、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、オリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、パラチニット、ゼラチン及びゼラチン加水分解物からなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の粉末香料製剤の製造方法。
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