JP2014205632A - 高濃度エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート含有粉末香料製剤 - Google Patents

高濃度エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート含有粉末香料製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】
高濃度のエチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテートを含有しても保存安定性が高く、また、冷涼感を速やかに発現することができ、かつ、苦味などの不快味が少なく、香気、香味が持続する高濃度エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート含有粉末香料製剤に関するものである。
【解決手段】
エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート10〜30質量%に対して、融点が50℃以下のクーリング化合物を50〜400質量部、レシチンおよび/または有機酸モノグリセリドを1〜100質量部、トリグリセリドを1〜100質量部、ガティガム25〜300質量部、および賦形剤を添加混合した溶液を、乳化処理を行った後、乾燥させて得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート(以下、WS5ということもある)を高濃度含有する粉末香料製剤で、高濃度のWS5を含有しても保存安定性が高く、また、WS5の冷涼感を速やかに発現することができ、かつ、苦味などの不快味が少なく、香気、香味が持続する高濃度WS5含有粉末香料製剤に関するものである。
チューインガム、錠菓、キャンディーなどには、メントールがよく使用されており、口に入れた瞬間に感じる香りや香味の広がり、咀嚼して感じる香り、そして飲み込む際に感じる香りや味覚などは、製品の差別化を図る重要な因子のひとつである。
粉末香料製剤は、これら食品の香味付けなどに広く用いられており、口に入れた瞬間に感じる香りと、咀嚼して感じる香りに影響を与える。
一般的な粉末香料製剤の製法としては、香料をアラビアガムやエステル化加工澱粉等の乳化剤に添加した後、得られた乳化混合物を噴霧乾燥して粉末香料を製造する方法であるが、この方法で得られる粉末香料は香気、香味の発現が遅く、特に口に入れた瞬間に感じる香りに関して満足できるものではない。
また、チューインガムなどでは、香料がガムベースから脱離しにくく、その香気、香味の発現が遅くなり、かつ香気、香味が持続することなく、すぐに弱くなって感じ難くなるという問題点がある。
この香気、香味の発現を促進する解決方法として、香料にアラビアガム、大豆多糖類、エステル化加工澱粉、レシチン、キラヤ抽出物、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の乳化剤、及びラクチトールなどの糖アルコールを添加混合して乳化処理した後、粉末製剤とする速放性香料粉末製剤が提案されている(特許文献1)。
一方、香気、香味の持続を促進する解決方法としては、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンなどの乳化剤の水溶液に、香料を加えて高圧下で乳化を行ない、1μm未満の微小乳化油滴を調製し、これに賦形剤の水溶液を加えて撹拌混合し、噴霧乾燥して香味持続型粉末香料を得ることや(特許文献2)、油溶性香料と中鎖トリグリセライドなどの油溶性成分を、100:1〜1:1の割合で混合又は溶解した油相成分を、アラビアガムなどの乳化剤溶液中に微分散又は乳化して、油相成分の乳化粒子の平均粒子径を0.1μm未満として得られる、水に透明に溶解し、且つ呈味感やトップノートなどの香味発現性が改善された乳化香料組成物も提案されている(特許文献3)。
また、油性香料にショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびレシチンの1種以上と、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、ガティガムから選ばれる1種または2種以上の乳化剤を用いた、香気、香味を速やかに発現させ、かつ、香気、香味が長く持続する油性香料含有粉末製剤が提案されている(特許文献4)。
さらに、本出願人は、高濃度のメントールに特定量のレシチンおよび/または有機酸モノグリセリド、トリグリセリド、ガティガムを添加混合した溶液を、乳化処理を行った後、乾燥させて得られる高濃度メントール含有粉末香料製剤を提案している(特許文献5)。
特開平11−140482号公報 特開2001−152179号公報 特開2006−257246号公報 特開2011−074306号公報 特願2011−282549号
しかしながら、チューインガム等に冷涼感を多く付与させるために、メントールを多量に添加しようとする際には、粉末香料製剤自体の添加量を増やす必要があるが、粉末香料製剤自体を大量に添加すると異味を感じたり、メントールの香気の発現が悪くなったりする。そこで、高濃度のメントールを含有し、保存安定性もよく、さらに、香気、香味を速やかに発現し、かつ、香気、香味が持続する高濃度メントール含有粉末香料製剤も提案されているが、メントールには冷涼感と共に苦味があり、メントールの濃度が高くなると、この苦味が影響を及ぼすようになるため、冷涼感の付与には限界があった。
また、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート(WS5)は、L−メントールよりも強い冷涼刺激を有するエチルエステルのクーリング化合物であり、L−メントールより苦味などの不快味は少なく、揮発性も低いことを特徴とするが、若干の苦味を有する。また、融点が非常に高く、高濃度のWS5を安定した乳化状態で粉末化することが困難であった。
本発明者らは、鋭意研究の結果、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート10〜30質量%に、特定量の(1)融点が50℃以下のクーリング化合物、(2)レシチンおよび/または有機酸モノグリセリド、(3)トリグリセリドおよび(4)ガティガム、および賦形剤を添加混合した溶液を乳化処理を行った後、乾燥して得られる高濃度WS5含有粉末製剤が、保存安定性が高く、また、強い冷涼感を速やかに発現することができ、かつ、苦味などの不快味が少なく、香気、香味が持続することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
項1.エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート10〜30質量%に、以下の(1)〜(4)、および賦形剤を添加混合した溶液を乳化処理を行った後、乾燥して得られる粉末香料製剤。
(1)融点が50℃以下のクーリング化合物を、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に対して50〜400質量部、
(2)レシチンおよび/または有機酸モノグリセリドを、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に対し1〜100質量部、
(3)トリグリセリドを、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に対し1〜100質量部、
(4)ガティガムを、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に対し25〜300質量部。
項2.融点が50℃以下のクーリング化合物が、メンチルラクテート、メンチル3−ヒドロキシブチレート、メンチルグルタレート、3−L−メントキシプロパン−1,2−ジオール、メンチルグリセリンアセタール、L−メントールの1種または2種以上であることを特徴とする項1の粉末香料製剤。
項3.賦形剤が、水溶性デキストリン、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、オリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、パラチット、ゼラチン、ゼラチン加水分解物の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする項1の粉末香料製剤。
本発明によれば、高濃度のWS5を含有しても保存安定性が高く、また、強力な冷涼感を速やかに発現することができ、かつ、苦味などの不快味が少なく、香気、香味が持続する高濃度WS5含有粉末香料製剤を提供することができる。
本発明のエチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート(WS5)は、L−メントールと同じ環式モノテルペンを含むエチルエステル化合物であり、下記構造式を示す。L−メントールと同様、経口的、もしくは皮膚または粘膜に触れることで冷涼感を与える物質であるが、L−メントールより強い冷涼刺激を有する。
Figure 2014205632
本発明の高濃度WS5含有粉末香料製剤中のWS5の含量は10〜30質量%、好ましくは12.5〜27.5質量%、更に好ましくは15〜25質量%である。10質量%以下では製剤中のWS5の含有量が少なく、冷涼感が弱くなってしまうという問題があり、30質量%以上では製剤の保存安定性が悪く、苦味を強く感じてしまうという問題がある。
本発明の融点が50℃以下のクーリング化合物とは、WS5以外の経口的、もしくは皮膚または粘膜に触れることで冷涼感を与える物質であり、例えば、メンチルラクテート、メンチル3−ヒドロキシブチレート、メンチルグルタレート、3−L−メントキシプロパン−1,2−ジオール、メンチルグリセリンアセタール、L−メントールの1種または2種以上を挙げることができる。
本発明における融点が50℃以下のクーリング化合物の添加量は、用いるWS5 100質量部に対して50〜400質量部、好ましくは75〜350質量部、さらに好ましくは、100〜300質量部である。50質量部未満では製剤の保存安定性が悪く、苦味を強く感じてしまうという問題があり、400重量部を超えると油相成分の割合が多くなり、粉末化が困難となる。また、油相成分の割合を少なくすると、製剤中のWS5の含有量が少なくなり、冷涼感が弱くなってしまうという問題がある。
本発明で用いるレシチンは、グリセリン二脂肪酸エステル(ジグリセリド)のリン酸誘導体付加物であり、動植物体に広く分布し、特に卵黄に多く含まれている卵黄レシチン、大豆に多く含まれている大豆レシチンを挙げることができる。また、これらレシチンから有効成分を取りだした分別レシチンや、レシチンを酵素で処理した酵素処理レシチンと酵素分解レシチンを用いることもできる。本発明で使用するレシチンは、商業的に入手可能であり、例えば、SLP−ホワイト(辻製油(株)社製)を挙げることができる。
本発明におけるレシチンの添加量は、用いるWS5 100質量部に対して、1〜100質量部、好ましくは5〜50質量部である。添加量が1質量部未満では製剤の保存安定性が悪く、苦味を強く感じてしまうという問題があり、100質量部を超えると、乾燥前の乳化溶液の粘度が上昇しすぎて粉末化が困難となるため好ましくない。
本発明で用いる有機酸モノグリセリドは、モノグリセリドのヒドロキシ基にさらに有機酸をエステル結合させたもので、モノグリセリド誘導体とも呼ばれ、酢酸モノグリセリド(AMG)、クエン酸モノグリセリド(CMG)、コハク酸モノグリセリド(SMG)、ジアセチル酒石酸モノグリセリド(TMGまたはDATEM)、乳酸モノグリセリド(LMG)を挙げることができる。好ましいHLBは5〜12であり、特に7〜10が好ましい。本発明で使用する有機酸モノグリセリドは、商業的に入手可能であり、例えば、コハク酸モノステアリン酸グリセリン(サンソフトNO.681NU)(太陽化学(株)社製)を挙げることができる。
本発明における有機酸モノグリセリドの添加量は、用いるWS5 100質量部に対して、1〜100質量部、好ましくは5〜50質量部である。有機酸モノグリセリドの添加量が1質量部未満では製剤の保存安定性が悪く、苦味を強く感じてしまうという問題があり、100質量部を超えると、乾燥前の乳化溶液の粘度が上昇しすぎて粉末化が困難となる、また粉末の物性が悪く、流動性に欠けるため、好ましくない。
本発明で用いるトリグリセリドは、1分子のグリセロール(グリセリン)に3分子の脂肪酸がエステル結合したアシルグリセロール(グリセリド)で、中性脂肪の1つである。本発明で使用するトリグリセリドは、商業的に入手可能であり、例えば、O.D.O(日清オイリオグループ(株)社製)、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリンを挙げることができる。
本発明におけるトリグリセリドの添加量は、用いるWS5 100質量部に対して1〜100質量部、好ましくは5〜50質量部である。トリグリセリドの添加量が1質量部未満では製剤の保存安定性が悪く、苦味を強く感じでしまうという問題があり、100質量部を超えると乾燥前の乳化溶液の粘度が上昇しすぎて粉末化が困難となる、また粉末の物性が悪く、流動性に欠けるため、好ましくない。
本発明で用いるガティガムは、シクンシ科ガティノキ(Anogeissus LatifoliaWALL.)の幹の分泌液を乾燥して得られる多糖類を主成分とするものであり、増粘安定剤(食品添加物)として公知のガム質である。本発明で使用するガティガムは商業的に入手可能であり、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のガティガムSDを挙げることができる。
本発明におけるガティガムの添加量は、用いるWS5 100質量部に対して、25〜300質量部、好ましくは50〜150質量部である。ガティガムの添加量が25質量部未満の場合では製剤の保存安定性が悪く、苦味を強く感じでしまうという問題があり、300質量部を超えると、乾燥前の乳化溶液の粘度が上昇しすぎて粉末化が困難となる。
本発明で用いる賦形剤は、水溶性デキストリン、グルコース、フルクトース、ガラクトースなどの単糖類、ラクトース、マルトース、トレハロースなどの二糖類、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトールなどの糖アルコール、オリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、パラチット、ゼラチン、ゼラチン加水分解物などを挙げることができる。
本発明の高濃度WS5含有粉末香料製剤は、上記のWS5、融点が50℃以下のクーリング化合物、レシチンおよび/または有機酸モノグリセリド、トリグリセリド、ガティガム、賦形剤などの混合液を、常法によって乳化を行い、この乳化液を噴霧乾燥または真空乾燥等の方法で乾燥して得ることができる。
本発明の高濃度WS5含有粉末香料製剤には、本発明の効果を妨げない範囲で他の食品原料等を添加することができる。例えば、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、大豆多糖類、エステル化加工澱粉、キラヤ抽出物などの界面活性剤、アラビアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、プルラン、アラビノガラクタン、トラガントガム、カラギナン(カッパー、イオータ、ラムダ)、タマリンドシードガム、アルギン酸、寒天、タラガム、ジェランガム(ネイティブ、脱アシル)、ペクチンなどの増粘多糖類やゲル化剤、合成および天然の各種食品用色素類、L−アスコルビン酸およびL−アスコルビン酸ナトリウム等のアスコルビン酸類;L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル等のアスコルビン酸エステル類、抽出トコフェロール、dl−α−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、松葉抽出物、ヤマモモ抽出物、ルチン抽出物、ルチン酵素分解物、酵素処理ルチン、酵素処理イソクエルシトリン、チャ抽出物およびトコトリエノールなどの抗酸化剤、乳酸やクエン酸、酢酸、アルコルビン酸等の酸味料、各種アミノ酸や各種ビタミン類などを添加してもよい。
本発明の高濃度WS5含有粉末香料製剤は、チューインガム、錠菓、キャンディ、ドロップ等の菓子類に使用することができるが、特にチューインガムに使用することが好ましい。
これらの菓子類への添加量は特に制限はないが、10質量%以上になると、喫食するにはWS5の香味が強すぎて不適である。
本発明の高濃度WS5含有粉末香料製剤は、歯磨剤、口腔洗浄料、マウスウォッシュ等の化粧品もしくは薬用化粧品類に使用することもできる。
これらの化粧品もしくは薬用化粧品類への添加量は特に制限はないが、10質量%以上になると、口腔で使用するにはWS5の香味が強すぎて不適である。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、特に記載のない限り「%」は、「質量%」、「部」は「質量部」を意味するものとする。なお、実施例のエチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテートは、WINSENSE WS−5(RENESSENZ社製)、レシチンは、SLP−ホワイト(辻精油(株)社製)、コハク酸モノステアリン酸グリセリンは、サンソフト NO.681NU(太陽化学(株)社製)、トリグリセリドは、O.D.O(日清オイリオグループ(株)社製)、ガティガムは、ガティガム SD(三栄源エフ・エフ・アイ社製)、アラビアガムは、39194 KLTA−MF(KERRY社製)、ショ糖脂肪酸エステルは、DK エステル F160(第一工業製薬(株)社製)、ポリグリセリン脂肪酸エステルはNIKKOL Decaglyn 1−50SV(日光ケミカルズ(株)社製)、デキストリンは特殊デキストリン N.S.D.300(サンエイ糖化(株)社製)を用いた。
実験例1
<調製方法>
表1〜4の処方に記載された量の油相成分であるWS5、メンチルラクテートおよび/またはメンチル3−ヒドロキシブチレート、メンチルグルタレート、レシチン、コハク酸モノステアリン酸グリセリン、トリグリセリドを均一に混合した。その後、水相成分であるガティガム、またはアラビアガム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、トレハロース、パラチニット、デキストリンを水に溶解して調製した乳化剤溶液に、均一に混合した油相成分添加し、攪拌混合した。次いで、APV Gaulin社製 高圧ホモジナイザー 15MP−8TAを用いて、圧力2.942kPa(300kg/cm)で2回処理を行い、得られた乳化液をAPV Nordic Anhydro社製 噴霧乾燥機(入口温度:140℃、出口温度80℃)を用いて噴霧乾燥し、高濃度WS5含有粉末香料製剤(実施例1〜10、比較例1〜10)を得た。なお、噴霧乾燥前の乳化状態を表5に示した。
Figure 2014205632
Figure 2014205632
Figure 2014205632
Figure 2014205632
Figure 2014205632
比較例2〜3および比較例6、比較例10は、乳化直後の顕微鏡観察により、液中に細かなWS5の結晶が認められた。また、40℃1日静置後、乳化液は完全に分離した。
比較例4〜5および比較例7〜9は、乳化直後の顕微鏡観察では異常は認められなかったが、40℃1日静置後、乳化液は完全に分離した。
一方、実施例1〜10は、乳化後、40℃1日静置後も異常は認められず、状態に変化は見られなかった。
また、比較例1は、低濃度のWS5を用いた例であり、乳化後、40℃1日静置後に異常は認められなかった。
このことから、実施例1〜10に挙げられる特定量の高濃度のWS5、融点が50℃以下のクーリング化合物、レシチンおよび/または有機酸モノグリセリド、トリグリセリド、ガティガムを組合わせることで、安定した乳化状態を保ち、粉末化できることがわかった。
<WS5の表面油率>
得られたWS5含有粉末香料製剤0.2gを100mlメスフラスコに正確に量り、純水50mlを加えて溶解後、柴田科学(株)社製 超音波処理器SU−2THで3分間超音波処理を行った。次いで、アセトン25mlを加えて、再度超音波処理を3分間行い、内部標準液1% 1−オクタノール:アセトン液5mlを加えて、アセトンで100mlに定容した。この液を0.5μmフィルターで濾過し、濾液を試験溶液とした。
別途、WS5 0.8gを100mlメスフラスコに正確に量り、アセトンで100mlに定容した。この液3ml、5ml、8ml、12mlを100mlメスフラスコにそれぞれ正確に量り、試験溶液の調製方法と同様、純水50ml、アセトン25ml、内部標準液5mlを加えて、アセトンで100mlに定量した。この液を0.5μmフィルターで濾過し、濾液を検量用溶液とした。
これら試験溶液、および検量用溶液について、ガスクロマトグラフ法により試験を行い、内部標準法を用いてWS5(残存量)の定量を行った。
続いて、得られたWS5含有粉末香料製剤2gを100mlビーカーに正確に量り、アセトン50mlを加えてスターラーで5分間攪拌した後、静置した。5分間静置後、上澄み液をADVANTEC社製 濾紙2で濾過し、濾液を100mlメスフラスコに入れた。再度、ビーカーに残った試料にアセトン25mlを加え、スターラーで5分間攪拌した後、静置した。5分間静置後、上澄み液をADVANTEC社製 濾紙2で濾過し、濾液を100mlメスフラスコに入れた。100mlメスフラスコに入れた濾液に内部標準液1% 1−オクタノール:アセトン液5mlを加えて、アセトンで100mlに定容した。この液を0.5μmフィルターで濾過し、濾液を試験溶液とした。
これら試験溶液について、ガスクロマトグラフ法により試験を行い、内部標準法を用いてWS5(表面油量)の定量を行った。WS5の表面油率は、(得られたWS5の表面油量/WS5の残存量)×100により求めた。
Figure 2014205632
比較例2〜10は、粉末表面に存在するWS5の表面油率が6.5%以上と高く、乳化時にWS5が乳化できていない、または噴霧乾燥時に乳化が壊れて、粉末表面にWS5が浮き出ていることがわかった。
一方、実施例1〜10は、粉末表面に存在するWS5の表面油率が1.6%以下と低く、粉末化しても乳化状態が安定していることがわかった。
また、比較例1は、低濃度のWS5を用いた例であり、表面油率は低い値を示した。
このことから、実施例1〜10に挙げられる特定量の高濃度のWS5、融点が50℃以下のクーリング化合物、レシチンおよび/または有機酸モノグリセリド、トリグリセリド、ガティガムを組合わせることで、粉末時でも安定した乳化状態を保ち、粉末化ができた。
<香味の発現性>
チューイングガムによる香味発現比較
チューインガムベースに、メントールの濃度が2000ppmになるようにメントール含有粉末製剤(サンフィックス(登録商標)メントールNO.2620FA:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を加え、さらに得られたWS5含有粉末製剤をそれぞれWS5濃度が200ppmになるよう加えて、メントールおよびWS5含有チューインガムを調製した。調製したメントールおよびWS5含有チューインガムからの香味の発現を、8名のパネラーにより表7下部に記載した4段階の官能評価で評価した。
Figure 2014205632
比較例1は、実施例1に比べて冷涼感が弱く、持続性も弱い。
一方、実施例1は、苦味が少ないクリアな強い冷涼感が持続した。
比較例4は、実施例4に比べて冷涼感が弱く、かつ、発現が遅く、持続性に欠ける。また、冷涼感は苦味を伴い、不快味が強い。
一方、実施例4は、速やかに冷涼感が発現し、かつ、苦味などの不快味が少なく、強い冷涼感が持続した。
比較例5は、実施例5に比べて冷涼感が弱く、持続性に欠ける。また、冷涼感は苦味を伴い、不快味が強い。
一方、実施例5は、速やかに冷涼感が発現し、かつ、苦味などの不快味が少なく、強い冷涼感が持続した。
比較例7は、実施例7に比べて冷涼感が弱く、持続性に欠ける。また、冷涼感は苦味を伴い、不快味が強い。
一方、実施例7は、速やかに冷涼感が発現し、かつ、苦味などの不快味が少なく、強い冷涼感が持続した。
比較例8は、実施例8に比べて冷涼感が弱く、持続性も弱い。また、冷涼感は苦味を伴い、不快味が強い。
一方、実施例8は、速やかに冷涼感が発現し、かつ、苦味などの不快味が少なく、強い冷涼感が持続した。
比較例9は、実施例9に比べて冷涼感が弱く、かつ、発現が遅く、持続性に欠ける。また、冷涼感は苦味を伴い、不快味が強い。
一方、実施例9は、速やかに冷涼感が発現し、かつ、苦味などの不快味が少なく、強い冷涼感が持続した。
比較例10は、実施例10に比べて強い苦味を伴う冷涼感が強く、不快味が強い。
一方、実施例10は、苦味などの不快味が少ないクリアな冷涼感が持続した。
本発明によれば、高濃度のWS5を含有しても保存安定性が高く、強力な冷涼感が速やかに発現することができ、かつ、苦味などの不快味が少なく、香気、香味が持続する高濃度WS5含有粉末香料製剤を添加することによって、強い冷涼感を有するチューイングガム等の菓子類や、歯磨剤等の化粧品類、薬用化粧品類を提供することができる。

Claims (3)

  1. エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート10〜30質量%に、以下の(1)〜(4)、および賦形剤を添加混合した溶液を乳化処理を行った後、乾燥して得られる粉末香料製剤。
    (1)融点が50℃以下のクーリング化合物を、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に対して50〜400質量部、
    (2)レシチンおよび/または有機酸モノグリセリドを、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に対し1〜100質量部、
    (3)トリグリセリドを、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に対し1〜100質量部、
    (4)ガティガムを、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート100質量部に対し25〜300質量部。
  2. 融点が50℃以下のクーリング化合物が、メンチルラクテート、メンチル3−ヒドロキシブチレート、メンチルグルタレート、3−L−メントキシプロパン−1,2−ジオール、メンチルグリセリンアセタール、L−メントールの1種または2種以上であることを特徴とする請求項1の粉末香料製剤。
  3. 賦形剤が、水溶性デキストリン、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、オリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、パラチット、ゼラチン、ゼラチン加水分解物の中から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項1の粉末香料製剤。
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