JP6061900B2 - Ws−12の微粒子およびこれを含有する冷感剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は冷感物質であるWS−12((1R,2S,5R)−N−(4−メトキシフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド)の微粒子の集合体からなる粉末およびこれを含有する組成物に関する。さらに詳しくは、水、油、有機溶剤などの溶媒に溶解しにくく、冷感剤としての作用が発現されにくいWS−12を微粉砕することにより、冷感作用を発現しやすい微粒子とした粉末およびこれを含有する冷感剤組成物に関する。
冷感剤はヒトの表皮膜、特に口腔、鼻、喉に冷たい感じや爽やかな感じを与えるため、チューインガム、キャンディー、菓子、飲料などの食品や、歯磨、化粧品、医薬品などに冷涼感や清涼感を付与する目的で幅広く用いられている。
メントールは冷感剤として最も広く一般的に使用されており、メントールを用いて冷感を強く出すためには、メントール配合量を多くすることが最も簡便かつ有効であるが、メントールを多量に使用した場合、冷感が増強される反面、刺激が強い、揮発性がある、強いミントのにおいがある、呈味において苦味がある、などの欠点が目立つため、単独で多量に用いることは困難である。
そこで、これらメントールに特有の欠点が比較的少ない、各種の冷感剤が天然から見いだされ、または合成法により開発され、実際に使用されている。このような冷感剤としての作用を有する化合物のうち主なものとしては、例えば、メントン、イソプレゴール、1,8−シネオールなどの他、酢酸メンチル、乳酸メンチル、サリチル酸メンチル、コハク酸モノメンチル、グルタル酸モノメンチル、アジピン酸モノメンチルなどのメントールのエステル類;N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド(WS−3)、エチル3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート(WS−5)、N−tert−ブチルパラメンタンカルボキサミド(WS−14)などの環状カルボキシアミド類;N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)のような非環状カルボキシアミド類;メントンケタール、メントングリセロールケタールのような置換p−メンタンなどが挙げられる。
WS−12((1R,2S,5R)−N−(4−メトキシフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド:CAS−RN 68489−09−8,FEMA番号 4681)は3−置換−パラ−メンタン化合物の1つとして開発された冷感剤であり、冷感閾値は極めて低濃度であるとされている(特許文献1)。WS−12は、極めて強い冷感作用と持続時間を有し、香気が少なく、刺激が適度であるとされている。また、TRPM8アゴニスト抗体から選択される特異的TRPM8アゴニストであることが知られている(非特許文献1)。
WS−12は冷感剤として様々な用途が知られており、例えば、皮膚を処置する際の用途(特許文献2)、チューインガム用途(特許文献3)、ドライアイの治療用医薬組成物用途(特許文献4)、カミソリ刃用途(特許文献5)、皮膚刺激の緩和用途(特許文献6)などが提案されている。
Cell Calcium 41(3)(2007),p.285―294
米国特許第4136163号明細書 米国特許出願公開2005/087211号明細書 国際公開第2011/159935号 特表2013−537887号公報 国際公開第2014/052390号 米国特許出願公開2014−0134113号明細書
WS−12は冷感閾値は極めて低濃度であり、極めて強い冷感作用と持続時間を有し、香気が少なく、刺激が適度であり、また、さまざまな用途が知られているにもかかわらず、市場においては実際にはそれほど広く一般的に使用されていないのが実情である。したがって、本発明の課題は、冷感物質として極めて有用な化合物である、WS−12の冷感剤としての利用を促進することにある。また、WS−12を冷感剤として利用しやすい形態として提供することにある。
WS−12が利用し難い理由として本発明者らは、WS−12は、メントールなどの他の一般的な冷感剤と比べて、融点が高く(163〜177℃)、また、溶解度が低い(水、油脂に不溶、エタノールに約2%、ジメチルホルムアミドに約2%)ため、取り扱いが不便であること、すなわち、各種飲食品等への配合に際し、直接配合しても冷感剤としての効果が十分発揮されにくいことが大きな要因として挙げられると考えた。
本発明者らは、市販のWS−12粉末(レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した際の平均粒子径(メジアン径)として100μm程度)を直接口腔粘膜や皮膚に接触させてみたところ、予想に反し、ほとんど冷感が感じられないことを確認した。また、市販のWS−12粉末を乳化剤と共に水に分散し、乳化粒子を調製し、乾燥して乳化粉末とし、これを直接口腔粘膜や皮膚に接触させてみても、やはり、冷感が感じられないことを確認した。例えば、メントール(融点40℃)の場合は加温溶融後、乳化剤と共に乳化処理することにより、微細粒子の乳化物(0.2〜10μm程度)が調製でき、このような乳化物は口腔粘膜や皮膚に接触する際にメントールが微細分散状態であるため冷感作用を及ぼしやすい。それに対し、WS−12では融点が高いため、メントールのように溶融してから乳化することは実際上は全く不可能であった。また、WS−12のエタノールへの溶解度(約2%)を考えると、エタノールに溶解後、水に希釈する方法が考えられるが、実際の溶解には溶解度から予想される以上に長時間を要した。また、エタノールを溶剤とすると、エタノール自体が乳化の妨げとなり、WS−12の乳化カプセル生成が困難である。さらにまた、溶媒として使用したエタノールを工業的規模で除去するためには多大なコストがかかるため、エタノール溶解後にチューインガムなどの乾燥した食品へ配合することは実質上困難といえる。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した。その結果、意外なことに、市販のWS−12粉末(100μm程度)を粉砕機により1μm程度の粒子となるよう粉砕し、その粉砕物を直接口腔粘膜や皮膚に接触させたところ、極めて強い冷感が感じられ、また、刺激が適度で、かつ、きわめて長時間冷感が持続することを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は以下のものを提供する。
(1)レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した際の平均粒子径(メジアン径)が、0.01μm〜50μmである、WS−12((1R,2S,5R)−N−(4−メトキシフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド)の微粒子の集合体からなる粉末。
(2)WS−12を乾式粉砕機により粉砕して得られる、(1)の粉末。
(3)WS−12と液体状媒体の混合物を湿式粉砕機により粉砕して得られる、(1)の粉末が分散したペースト状組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかの粉末またはペースト状組成物を乳化処理して得られる乳化組成物。
(5)(3)または(4)のペースト状組成物または乳化組成物を乾燥して得られる粉末組成物。
(6)(1)〜(5)のいずれかの粉末、ペースト状組成物、乳化組成物または粉末組成物を有効成分として含有する冷感剤組成物。
(7)(6)の冷感剤組成物を配合した飲食品、香粧品または医薬品。
本発明により、従来、飲食品、香粧品または医薬品に直接配合しても冷感剤としての作用をほとんど発揮できなかったWS−12を、冷感剤組成物として取り扱いの容易な状態で直接に飲食品、香粧品または医薬品に配合することが可能となる。また、本発明品を飲食品、香粧品または医薬品に配合した場合に、飲食品、香粧品または医薬品に対し、長時間にわたり、強い冷感作用を、適度な刺激、低臭気で付与できるという優れた効果を有する。また、本発明品は、特に、チューインガムに配合した場合に、その冷感作用を有利に発揮することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明で使用するWS−12は、(1R,2S,5R)−N−(4−メトキシフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドであり、CAS−RN 68489−09−8,FEMA番号4681が付与された化合物である。WS−12は、例えば独国特許出願公開第102012202885号明細書に記載の合成法により調製することもできるし、市販品として購入することもできる。このような市販品はRenessenz社、Sant Cruz社、Torcris Bioscience社などから入手できる。
合成法や市販品として得られるWS−12は結晶状または粉末であるが、その平均粒子径は、結晶化方法や製品により幅があり、一概にはいえないが、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した際の平均粒子径(メジアン径)はおおよそ100μm〜500μm程度である。
本発明では、これらのWS−12を粉砕により、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した際の平均粒子径(メジアン径)として、0.01μm〜50μmである微粒子の集合体からなる粉末とする点に特徴がある。
WS−12は極めて水に溶けにくいため(一般には水に不溶とされている)、市販のWS−12の粉末(100μm〜500μm程度の粒子の集合体)をヒトの皮膚や粘膜に接触させても、粒子の表面の極一部しか溶解しないと考えられる。一定の質量の粒子の集合体の場合、その平均粒径が大きい場合は、表面積が相対的に小さくなり、平均粒径が細かい場合には表面積が相対的に大きくなる。したがって、WS−12のような溶解度の低い物質の粒子の集合体において、その平均粒径が大きい場合は、粒子の表面の極一部しか溶解しない現象が、より顕著となると考えられる。この場合、表面の極一部のみが溶解した後の中心部の粒子は、嚥下により口腔から食道、胃へと流し込まれ、口腔に冷感作用を及ぼすことはない。それに対し、平均粒径が小さくなると、同じ質量あたりの表面積は相対的に大きくなり、極めて低い溶解度しか有しない場合であっても、より多くの量が溶解すると考えられる。その結果、口腔中のWS−12濃度が上昇することとなり、口腔中に冷感作用を及ぼし、また、嚥下により口腔から食道、胃へと流し込まれる未溶解の粒子部分は少なくなる。
本発明における微粒子の集合体からなる粉末の、好ましい平均粒子径(レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した際の平均粒子径)としては0.01μm〜50μm、好ましくは0.05μm〜30μm、より好ましくは0.1μm〜20μm、さらに好ましくは0.2μm〜10μmを例示することができる。平均粒子径として50μmを越える場合、冷感剤としての効果があまり得られないため好ましくない。また、通常は、平均粒子径(メジアン径)が小さい方が、冷感剤としての効果は高まるが、0.01μm未満とすることは極めて困難であり、また、乾式粉砕の場合は、粉末自体の噴流性が高まり、粉末を取り扱うことが困難になってしまう可能性があるため好ましくない。更に微粒子の集合体からなる粉末の90%積算粒子径としても0.1μm〜50μm程度であることが好ましい。
なお、平均粒子径を求める方法に関する考え方は多数有り、最も単純な平均の方法は全粒子の直径の総和を粒子の固数で割ること(固数平均)であるが、この場合小さい粒子が多いときに非常に小さい直径になってしまう。そこで、累積分布図で50%の高さを与える直径を意味する積算平均粒子径(メジアン径またはメディアン径あるいはD50などと記載する)を用いることが多い。さらに、累積分布図から求める場合も体積基準と質量基準が考えられるが、本発明における平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて体積基準で測定した際の平均粒子径(メジアン径)を意味する。さらにまた、測定方法には湿式法(粉体を不溶解の溶媒に分散させて測定する方法)と乾式法(粉体を直接測定する方法)があるが、本発明の平均粒子径は水を溶媒として用い、フロー式による湿式法を用いて測定した値である。
本発明におけるWS−12の微粒子の集合体からなる粉末の調製を行うための方法としては、前記合成品または市販品のWS−12を、粉砕機を用いた物理的な方法により微粒子とする方法を例示することができる。粉砕方法としては、WS−12をそのまま粉砕する乾式粉砕、または、WS−12を流動性の媒体に分散させてから粉砕する湿式粉砕を挙げることができる。湿式粉砕を行った場合は、本発明の微粒子の集合体からなる粉砕物は、流動性の媒体中にWS−12の微粒子の集合体からなる粉末が分散したペースト状組成物として得ることができる。
乾式粉砕としては、固形物を平均粒子径(メジアン径)として50μm以下に粉砕できる装置を使用して微粒子の集合体からなる粉末とする方法を例示でき、その様な装置としては、粉砕物平均粒子径(メジアン径)を0.01μm〜50μmにまで粉砕できる装置であればいかなる装置でも使用することができる。これらの、市販の各種粉砕機としては、例えば、流動層式ジェットミルJEDI(アーステクニカ社製)、連続式乾式ビーズミル ドライスター SDA(登録商標:アシザワ・ファインテック社製)、マイクロACMパルベライザAC−30H(登録商標:ホソカワミクロン社製)、ミクロンジェットMJ−3形(登録商標:ホソカワミクロン社製)、マイクロス(MIC)(登録商標:奈良機械製作所社製)、ニューコスモマイザー(COS)(登録商標:奈良機械社製)、シングルトラックジェットミル、ジェットオーミル(以上、セイシン企業社製)、スーパージェットミル/SJシリーズ(日清エンジニアリング社製)、ナノジェットマイザー(アイシンナノテクノロジーズ社製)などを例示することができる。
湿式粉砕における流動性の媒体としては、WS−12は多くの溶媒に不溶であるため特に制限はなく、常温で流動性のある液体であれば使用可能であり、水、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール水溶液、食用油脂などの可食性の媒体が好ましく、これらを組み合わせて使用してもよい。なお、水を媒体として使用する場合は、WS−12は水のみでは分散し難いため、あらかじめアラビアガムや化工でん粉などの水溶性の乳化剤を溶解しておくことが好ましい。WS−12の1質量部に対し、これらの流動性の媒体を1〜20質量部で加えて分散させ、流動させながら湿式粉砕機に流し込み、WS−12をレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した際の平均粒子径(メジアン径)が、0.01μm〜50μm以下に粉砕できる装置を使用して微粒子とすることにより、WS−12の前記微粒子の集合体からなる粉末が分散したペースト状組成物を得ることができる。
湿式粉砕に使用できる装置としては、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌式ミルがあげられる。容器駆動媒体ミルとしては、転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、遠心流動化ミル等が挙げられ、また媒体攪拌式ミルとしては、塔式粉砕機、攪拌槽式ミル、流通槽式ミル(横型、縦型)、アニューラーミル等が挙げられ、これらいずれの装置においても、湿式粉砕による微細化は可能である。このような粉砕機の具体的例としては、例えば、ビーズミル(アイメックス社製)、WAB社(シンマルエンタープライゼス社)製ダイノーミル(DYNO(登録商標)−MILL)、サンドミル等があげられる。
このようにして得られた、WS−12の微粒子の集合体からなる粉末または微粒子の集合体からなる粉末を含有するペースト状組成物はそのままでも飲食品、香粧品または医薬品に配合でき、冷感作用を発揮することができる。しかしながら、WS−12自体が低極性、水に不溶であるため、これらを乳化処理して乳化組成物とすることにより、より効果的に冷感作用を発揮することが可能となる。
乳化組成物とするためには、本発明のWS−12の微粒子の集合体からなる粉末または微粒子の集合体を含有するペースト状組成物に、必要に応じて乳化剤を加えて、乳化処理することにより得ることができる。乳化剤としては特に制限されるものではなく、従来から飲食品などに用いられている各種の乳化剤、例えば、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、化工でん粉、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、キラヤ抽出物、アラビアガム、トラガントガム、グアーガム、カラヤガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸及びその塩類、カラギーナン、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。また、乳化処理に用いる装置としてはホモミキサー、コロイドミル、回転円盤型ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどが挙げられ、これらを用いて乳化処理することにより安定性の優れた乳化液を得ることができる。乳化剤の使用量は厳密に制限されるものではなく、使用する乳化剤の種類などに応じて広い範囲にわたり変えることができるが、通常、本発明のWS−12(ペースト状組成物の場合はその中に含まれるWS−12)1質量部に対し、0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜50重量部の範囲内が適当である。また、乳化を安定させるため、かかる水溶性溶液は水の他に、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、グルコース、トレハロース、糖液、還元水飴などの多価アルコール類の1種または2種以上の混合物を配合することができる。
また、かくして得られた乳化液を、所望により、噴霧霧乾燥(スプレードライ)、真空乾燥、凍結乾燥などの乾燥法により乾燥することにより粉末組成物とすることができる。粉末組成物を得るに際しては、乳化組成物にさらに必要に応じて、トレハロース、デキストリン、砂糖、乳糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴などの糖類を適宜配合することもできる。これらの使用量は粉末組成物に望まれる特性などに応じて適宜選択することができる。
また、本発明のWS−12の微粒子の集合体からなる粉末、微粒子の集合体からなる粉末が分散したペースト状組成物、乳化組成物または粉末組成物、特に、乳化組成物または粉末組成物には、メントール、メントン、イソプレゴール、1,8−シネオールなどの他、酢酸メンチル、乳酸メンチル、サリチル酸メンチル、コハク酸モノメンチル、グルタル酸モノメンチル、アジピン酸モノメンチルなどのメントールのエステル類;N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド(WS−3)、エチル3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート(WS−5)、N−tert−ブチルパラメンタンカルボキサミド(WS−14)などの環状カルボキシアミド類;N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)のような非環状カルボキシアミド類;メントンケタール、メントングリセロールケタールのような各種置換p−メンタン類のWS−12以外の冷感剤を配合することができる。
これらの冷感剤のうちでは、特にメントールとの併用を好ましく例示することができる。メントール特有の冷感作用の特性としては、冷感作用が即効性で、強く、短時間で減衰する性質があり、一方、WS−12の冷感作用の特性はやや遅効性で、刺激感があるもやや穏やかで、極めて長時間持続する。これらの異なる性質が相乗的に作用して、例えばチューインガムに配合した場合に、噛み初めから素早く冷感作用が感じられ、冷感作用が長時間持続するという優れた効果を得ることができる。WS−12と他の冷感剤の配合比率は質量を基準として、WS−12の1質量部に対し、通常0.001〜1000質量部、好ましくは0.005〜200質量部、より好ましくは0.02〜50質量部程度を例示できる。
また、本発明のWS−12の微粒子の集合体からなる粉末、微粒子の集合体からなる粉末が分散したペースト状組成物、乳化組成物または粉末組成物には、さらに甘味料、香料、着色料、酸味料、酸化防止剤、調味料、保存料、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊剤、栄養強化剤などを加え、食品添加物製剤として用いることができる。
甘味料としては、例えば、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、グリチルリチン酸二ナトリウム、ソーマチン、サッカリンおよびその塩、羅漢果抽出物、甘草抽出物、レバウディオサイドA、ステビア抽出物、酵素処理ステビア抽出物、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンなどの高甘味度甘味料類;キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、パラチニット、還元水あめなどの糖アルコール類;砂糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖、乳糖、ガラクトース、マルチトース、トレハロースなどの糖類などを例示することができる。
香料としては、例えば、柑橘系、果実系、ミント系、スパイス系、ナッツ系、ミート系、ミルク系、水産物系、野菜系、茶・コーヒー系、バニラ系などの各種香気特性を有する香料が挙げられ、これらに用いる香料成分としては「特許庁、周知慣用技術集(香料)第II部食品香料、頁8−87、平成12年1月14日発行」および「特許庁、周知慣用技術集(香料)第III部香粧品香料、頁49−103頁、平成13年6月15日発行」に記載されている合成香料、天然精油、天然香料、動植物エキスなどを挙げることができる。
着色料としては、例えば、α−カロチン、β−カロチン、リコペン、パプリカ色素、アナトー色素、クロロフィル、クチナシ色素、ベニバナ色素、モナスカス色素、ビート色素、エルダベリー色素、マリーゴールド色素、コチニール色素などが挙げられる。
酸味料としては、例えば、クエン酸、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなどを例示することができる。
食品添加物製剤中への本発明のWS−12の微粒子の集合体の配合量は、例えば、食品添加物製剤中に質量を基準としてWS−12として1ppm〜20%、好ましくは10ppm〜5%、より好ましくは100ppm〜1%の範囲を例示することができる。
本発明のWS−12の微粒子の集合体、微粒子の集合体からなる粉末、微粒子の集合体を含むペースト状組成物、乳化組成物または粉末組成物によって冷感作用を付与することができる飲食品の具体例として、例えば、チューインガム、キャンディー、キャラメル、錠菓、クラッカー、ビスケット、クッキー、パイ、チョコレート、スナックなどの菓子類及びそれらを製造するためのケーキミックスなどのミックス類;コーラ飲料、果汁入り炭酸飲料、乳類入り炭酸飲料などの炭酸飲料類;果汁飲料、野菜飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、豆乳、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、乳飲料などのソフト飲料類;緑茶、紅茶、ウーロン茶、ハーブティー、ミルクティー、コーヒー飲料などの嗜好飲料類;チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒などのアルコール飲料類;バター、チーズ、ミルク、ヨーグルトなどの乳製品;アイスクリーム、ラクトアイス、氷菓、ヨーグルト、プリン、ゼリー、デイリーデザートなどのデザート類及びそれらを製造するためのミックス類;パン、スープ、各種インスタント食品などの一般食品類;を挙げることができる。
また、香粧品の具体例としては、例えば、フレグランス製品、基礎化粧品、仕上げ化粧品、頭髪化粧品、日焼け化粧品、薬用化粧品、ヘアケア製品、石鹸、身体洗剤、浴用剤、洗剤、柔軟仕上げ剤、漂白剤、エアゾール剤、消臭・芳香剤、忌避剤などを挙げることができる。
また、医薬品の具体例としては、例えば、ハップ剤、皮膚外用剤、口腔用組成物、内服剤などを挙げることができる。
本発明のWS−12の微粒子の集合体からなる粉末、微粒子の集合体が分散したペースト状組成物、乳化組成物または粉末組成物の、香粧品または医薬品への配合量は、飲食品、香粧品または医薬品1質量部に対し、WS−12として通常0.01〜1000ppm、好ましくは0.1〜500ppm、より好ましくは0.5〜100ppm程度である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)WS−12の乾式粉砕物(1)の調製
市販WS−12粉末(Renessenz社より入手:参考品1とする)1000gをナノジェットマイザー(アイシンナノテクノロジーズ社製)を用いて、微粉砕を行い本発明品1のWS−12の微粒子粉末980gを得た。
粉砕条件;
分級ローター回転数:2000rpm
全風量 :4.5m/min
ノズル流量 :3.2m/min
ノズル圧力 :0.64MPa
粉砕時間 :60分
処理量 :1.0Kg/hr.
(実施例2)WS−12の乾式粉砕物(2)の調製
参考品1(1000g)をパワーミル(ダルトン社製)スクリーン0.5mmにて粉砕し本発明品2のWS−12の微粒子粉末980gを得た。
(実施例3)WS−12の湿式粉砕物の調製
20質量%アラビアガム水溶液600gと30質量%ソルビトール水溶液300gの混合液に参考品1(100g)を加えてよく混合し、WS−12粉末の懸濁液を調製した。これをバッチ式湿式粉砕機「ビーズミル(アイメックス社製)」に投入し、WS−12の微粒子を含有するペースト状組成物980g(本発明品3:WS−12を10%含有)を得た。
(WS−12の平均粒子径の測定)
粉砕前後の粒子径を以下の装置および条件にて測定した。
測定装置:HORIBA LA−920(堀場製作所社製)
測定条件:レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて水を溶媒として用い、フロー式による湿式法を用いて体積基準の平均粒子径を測定
結果を表1に示す。
Figure 0006061900
(実施例4)WS−12の乾式粉砕物(1)の乳化粉末の調製
水2000gにアラビアガム845gを溶解し、さらに30質量%ソルビトール水溶液350gを加えた。そこに、本発明品1(50g)を混合し分散させ、TK−ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し乳化組成物を得た。次いで、この乳化組成物をスプレードライヤー L−8型(大河原化工機)を使用して、熱風入り口温度160℃、排風温度90℃、アトマイザー回転数20000rpmにて噴霧乾燥を行い、粉末組成物800g(WS−12を5.0%含有)を得た(本発明品4)。
(実施例5)WS−12の乾式粉砕物(2)の乳化粉末の調製
本発明品2(50g)を実施例4と全く同様に処理し、粉末組成物800g(WS−12を5.0%含有)を得た(本発明品5)。
(実施例6)WS−12の湿式粉砕物の乳化粉末の調製
水1800gにアラビアガム845gを溶解した水溶液に、本発明品3のペースト状組成物(WS−12を10質量%含有)500gを混合し分散させ、TK−ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し乳化組成物を得た。次いで、この乳化組成物をスプレードライヤー L−8型(大河原化工機)を使用して、熱風入り口温度160℃、排風温度90℃、アトマイザー回転数20000rpmにて噴霧乾燥を行い、粉末組成物800g(WS−12を5.0%含有)を得た(本発明品6)。
(比較例1)WS−12の未粉砕品の乳化粉末の調製
水2000gにアラビアガム845gを溶解し、さらに30質量%ソルビトール水溶液350gを加えた。そこに、参考品1(50g)を混合し分散させ、TK−ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し乳化組成物を得た。次いで、この乳化組成物をスプレードライヤー L−8型(大河原化工機)を使用して、熱風入り口温度160℃、排風温度90℃、アトマイザー回転数20000rpmにて噴霧乾燥を行い、粉末組成物800g(WS−12を5.0%含有)を得た(比較品1)。
(官能評価1)本発明品等をそのまま評価
本発明品1(0.001g)、本発明品2(0.001g)、本発明品3(0.01g)、本発明品4(0.02g)、本発明品5(0.02g)、本発明品6(0.02g)、参考品1(0.001g)、または、比較品1(0.02g)(いずれもWS−12として0.001g)をそれぞれ5名のパネラーにより、スパチェラを用いてそのまま口腔に投入し、官能評価した。官能評価の方法は、投入したサンプルを積極的に味わうようにしながら、サンプルが自然に溶解または嚥下されて、消失していく過程および消失した後における、冷感の強さおよび冷感の感じ方について比較した。1つのサンプルの評価については、口腔に投入した後、10分間経過するまでにおける口腔および咽頭内の感覚について追跡した。2つ目以降のサンプルの評価については、前のサンプルを口腔に投入した後、10分経過後に、水でうがいをすることにより口腔および咽頭をすすいだ後、さらに、口腔および咽頭に冷感を感じなくなるまで時間が経過した後に行った。
官能評価の基準は、冷感の刺激感、冷感の強さ、冷感の持続性について6段階評価とし、評価基準は、5:非常に強い、4:強い、3:普通、2:やや弱い、1:非常に弱い、0:全く感じない、として、5名の平均点および5名のパネラーの平均的なコメントを表2に示す。
Figure 0006061900
表2に示した通り、市販のWS−12の未粉砕品は平均粒径が100μm程度の大きさであったが、直接口に入れても全く冷感を感じず、舌の上に味の全くない無機質な粉末がある感触だけが感じられるものであった。一方、流動床式ジェットミルで乾式粉砕した本発明品1は平均粒径が10μm未満(7.15μm)であったが、やや刺激感のある冷感が、かなり強く感じられ、その冷感が長時間持続し、未粉砕品とは全く異なった感覚を呈した。
乾式粉砕で、やや粗めに粉砕した本発明品2は平均粒径が40μm程度(37.82μm)であったが、やや冷感が、感じられ、冷感がそこそこ長時間持続し、参考品1(市販品未粉砕)と比べるとはるかに良好であった。
また、湿式粉砕を行った本発明品3は、平均粒径が1μ未満(0.69μm)であり、官能評価的にも本発明品1より冷感の強度、持続性とも優れていたが、それほど大きな差ではなかった。
WS−12の未粉砕物および粉砕物(参考品1、本発明品1〜3)をそれぞれ乳化粉末化したものを調製し、官能の評価を行った。未粉砕物の乳化粉末品(比較品1)はわずかに冷感を感じる程度であった。その強度としては、粗く粉砕した本発明品2よりもはるかに弱い程度であった。それに対し、粉砕物の乳化粉末品(本発明品4〜6)は、それぞれ元の粉砕物と比べて冷感の強度、持続時間がやや増し、良好な結果であった。
以上の結果より、WS−12は平均粒径として100μm程度の粒径の場合は、口腔に投入してもほとんど冷感が感じられないが、10μm未満になると強い冷感が感じられ、長時間持続することが認められた。また1μm未満とすると、さらに冷感は強まるが、10μm未満と比べてそれほど大きな差ではないが、40μm程度では冷感が感じられるため、50μm程度の粉砕であれば、十分冷感が感じられると予想された。また、乳化処理により、やや冷感が増強することが判明した。
(官能評価2)本発明品等をチューインガムに添加して評価
チューインガム基材(チューインガムベース100質量部、砂糖 250質量部、ブドウ糖40質量部、コーンシロップ(Bx85)60質量部、グリセリン3質量部の混合物)に本発明品1(0.02g)、本発明品2(0.02g)、本発明品4(0.4g)、本発明品5(0.4g)、本発明品6(0.4g)、参考品1(0.02g)、または、比較品1(0.4g)(いずれもWS−12として0.02g含有)をそれぞれ添加し、高せん断型ミキサーを用いて常法により約50℃で混合し、冷却後ロールにかけて圧展成型し、1枚3gのチューインガムを調製した。
このチューインガムについて10名の専門パネラーにより官能評価した。10名のパネラーの平均的なコメントを表3に示す。
Figure 0006061900
表3に示した通り、官能評価−1において、サンプルを直接評価した場合と、ほぼ同様の評価結果であった。
(実施例7)WS−12の湿式粉砕物とメントールとの併用乳化粉末
軟水1800gに化工でん粉500gおよびデキストリン180gを溶解した後、メントール274gおよび本発明品3を150g添加し、ホモミキサーにて乳化を行い、乳化組成物を得た。なお、メントールの融点は40℃であるが、50℃で溶融したものを使用した。得られた乳化組成物をスプレードライヤーL−8型(大河原化工機)を使用して、熱風入り口温度160℃、排風温度80℃、アトマイザー回転数20000rpmにて噴霧乾燥を行い、メントールを27.4質量%およびWS−12を1.5質量%含有する粉末香料800gを得た(本発明品7)。
(実施例8)WS−12の湿式粉砕物とメントールとWS−5との併用乳化粉末
軟水1800gに化工でん粉500gおよびデキストリン180gおよびアラビアガム18gを溶解した後さらに30質量%ソルビトール水溶液45gを加え、これにメントール274gおよびWS−5(15g)の混合物を添加し、最後に本発明品1(15g)を添加しホモミキサーにて乳化を行い、乳化組成物を得た。なお、肉眼観察においてWS−5は50℃で溶融したメントールに溶解したが、本発明品1は溶融したメントールに溶解しなかった。得られた乳化組成物をスプレードライヤー L−8型(大河原化工機)を使用して、熱風入り口温度160℃、排風温度90℃、アトマイザー回転数20000rpmにて噴霧乾燥を行い、メントールを27.4質量%、WS−12を1.5質量%およびWS−5を1.5質量%含有する粉末香料800gを得た(本発明品8)。
(比較例2)未粉砕のWS−12とメントールとの併用乳化粉末
軟水1800gに化工でん粉500g、デキストリン180gおよびアラビアガム18gを溶解した後さらに30質量%ソルビトール水溶液45gを加え、これにメントール274gおよび参考品1(15g)の混合物を添加し、ホモミキサーにて乳化を行い、乳化組成物を得た。なお、肉眼観察において参考品1は50℃で溶融したメントールに溶解しなかった。得られた乳化組成物をスプレードライヤー L−8型(大河原化工機)を使用して、熱風入り口温度160℃、排風温度90℃、アトマイザー回転数20000rpmにて噴霧乾燥を行い、メントールを27.4質量%およびWS−12を1.5質量%含有する粉末香料800gを得た(比較品2)。
(比較品3)メントールのみの乳化粉末
軟水1800gに化工でん粉500g、デキストリン195gおよびアラビアガム18gを溶解した後さらに30質量%ソルビトール水溶液45gを加え、これにメントール(50℃で溶融したもの)を274gを添加し、ホモミキサーにて乳化を行い、乳化組成物を得た。この乳化組成物をスプレードライヤー L−8型(大河原化工機)を使用して、熱風入り口温度160℃、排風温度90℃、アトマイザー回転数20000rpmにて噴霧乾燥を行い、メントールを27.4質量%含有する粉末香料800gを得た(比較品3)。
(官能評価3)本発明品等をチューインガムに添加して評価
チューインガム基材(チューインガムベース100質量部、砂糖250質量部、ブドウ糖40質量部、コーンシロップ(Bx85)60質量部、グリセリン3質量部の混合物)に本発明品7(0.4g)、本発明品8(0.4g)、比較品2(0.4g)、または、比較品3(0.4g)をそれぞれ添加し、高せん断型ミキサーを用いて常法により約50℃で混合し、冷却後ロールにかけて圧展成型し、1枚3gのチューインガムを調製した。
このチューインガムについて10名の専門パネラーにより官能評価した。10名のパネラーの平均的なコメントを表3に示す。
Figure 0006061900
表4に示した通り、メントールのみの乳化粉末(比較品3)を配合したチューインガムは、噛みはじめとともに、強い冷感刺激が感じられるが数分後には冷感が感じられなくなった。また、メントールと共にWS−12の未粉砕物を乳化した粉末(比較品2)を配合したチューインガムも、メントールのみの乳化粉末を配合したチューインガムと全く差がなく、同様の評価であった。
一方、メントールと共に微粉砕したWS−12を含めて乳化粉末とした本発明品7を配合したチューインガムは、噛みはじめとともに、鋭い冷感刺激が感じられ冷感が10分以上持続し、さらに、10分経過後も強い冷感が感じられ、口中全体に刺激のあるシャープな冷感が広がるという結果であった。したがって、微粉砕したWS−12をメントールと併用することで、冷感効果の持続時間がメントールのみと比較して大幅に延長することが認められた。また、メントールに微粉砕したWS−12とWS−5を加えて乳化粉末とした本発明品8を配合したチューインガムは本発明品7とほぼ同等の冷感の持続時間を有するとともに、冷感の感じ方がクリアでスムーズであり、異なった感覚の冷感をもたらすものとして有用性が認められた。

Claims (9)

  1. レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した際の平均粒子径(メジアン径)が、0.01μm〜50μmである、WS−12((1R,2S,5R)−N−(4−メトキシフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド)の微粒子の集合体からなる粉末。
  2. WS−12を乾式粉砕機により粉砕して得られる請求項1の粉末。
  3. WS−12と液体状媒体の混合物を湿式粉砕機により粉砕して得られる、請求項1に記載
    の粉末が分散したペースト状組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉末またはペースト状組成物を乳化処理して得られる乳化組成物。
  5. 請求項3または4に記載のペースト状組成物または乳化組成物を乾燥して得られる粉末組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉末、ペースト状組成物、乳化組成物または粉末組成物を有効成分として含有する冷感剤組成物。
  7. 請求項6に記載の冷感剤組成物を配合した飲食品。
  8. 請求項6に記載の冷感剤組成物を配合した香粧品。
  9. 請求項6に記載の冷感剤組成物を配合した医薬品。
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