JP2013133341A - 高濃度メントール含有粉末香料製剤 - Google Patents
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Abstract
高濃度のメントールを含有しても保存安定性が高く、また、メントールの香味を速やかに発現することができ、かつ、香気、香味が持続する高濃度メントール含有粉末香料製剤を提供する。
【解決手段】
メントール20〜45質量%に、用いるメントール量に対して、(1)レシチンおよび/または有機酸モノグリセリド0.5〜50質量%、(2)トリグリセリド0.5〜50質量%および(3)ガティガム10〜100質量%の乳化剤、および賦形剤を添加混合した溶液を、乳化処理を行った後、乾燥させて得られる。
【選択図】なし
Description
粉末香料は、これら食品の香味付けなどに広く用いられており、口に入れた瞬間に感じる香りと、咀嚼して感じる香りに影響を与える。
一般的な粉末香料の製法としては、香料をアラビアガムやエステル化加工澱粉等の乳化剤に添加した後、得られた乳化混合物を噴霧乾燥して粉末香料を製造する方法であるが、この方法で得られる粉末香料は香気、香味の発現が遅く、特に口に入れた瞬間に感じる香りに関して満足できるものではない。
また、チューインガムなどでは、香料がガムベースから脱離しにくく、その香気、香味の発現が遅くなり、かつ香気、香味が持続することなく、すぐに弱くなって感じ難くなるという問題点がある。
一方、香気、香味の持続を促進する解決方法としては、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンなどの乳化剤の水溶液に、香料を加えて高圧下で乳化を行ない、1μm未満の微小乳化油滴を調製し、これに賦形剤の水溶液を加えて撹拌混合し、噴霧乾燥して香味持続型粉末香料を得ることが提案されている(特許文献2)。
また、油溶性香料と中鎖トリグリセライドなどの油溶性成分を、100:1〜1:1の割合で混合又は溶解した油相成分を、アラビアガムなどの乳化剤溶液中に微分散又は乳化して、油相成分の乳化粒子の平均粒子径を0.1μm未満として得られる、水に透明に溶解し、且つ呈味感やトップノートなどの香味発現性が改善された乳化香料組成物も提案されている(特許文献3)。
さらに、油性香料にショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびレシチンの1種以上と、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、ガティガムから選ばれる1種または2種以上の乳化剤を用いた、香気、香味を速やかに発現させ、かつ、香気、香味が長く持続する油性香料含有粉末製剤が提案されている(特許文献4)。
そのため、高濃度のメントールを含有し、保存安定性もよく、さらに、香気、香味を速やかに発現し、かつ、香気、香味が持続する高濃度メントール含有粉末香料製剤が求められていた。
項1.メントール20〜45質量%に、以下の(1)〜(3)の乳化剤、および賦形剤を添加混合した溶液を、乳化処理を行った後、乾燥して得られる高濃度メントール含有粉末香料製剤。
(1)レシチンおよび/または有機酸モノグリセリドを、メントール量に対し0.5〜50質量%、
(2)トリグリセリドを、メントール量に対し0.5〜50質量%、
(3)ガティガムを、メントール量に対し10〜100質量%。
項2.メントール20〜45質量%に対して、以下の(1)〜(3)の乳化剤、および賦形剤を添加混合した溶液を、乳化処理を行った後、乾燥して得られる高濃度メントール含有粉末香料製剤の保存安定性向上方法。
(1)レシチンおよび/または有機酸モノグリセリドを、メントール量に対し0.5〜50質量%、
(2)トリグリセリドを、メントール量に対し0.5〜50質量%、
(3)ガティガムを、メントール量に対し10〜100質量%。
これらの菓子類への添加量は特に制限はないが、10質量%以上になると、喫食するにはメントールが強すぎて不適である。
<調製方法>
表1の処方に記載された量の油相成分であるメントール、レシチン、有機酸モノグリセリド、トリグリセリドを均一に混合する。その後、水相成分であるガティガム、またはアラビアガム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン酸脂肪酸エステル、デキストリンを水に溶解して調製した乳化剤溶液に、均一に混合した油相成分添加し、攪拌混合した。次いで、APV Gaulin社製 高圧ホモジナイザー 15MP−8TAを用いて、圧力2.942kPa(300kg/cm2)で2回処理を行い、得られた乳化液をAPV Nordic Anhydro社製 噴霧乾燥機(入口温度:140℃、出口温度80℃)を用いて噴霧乾燥し、メントール含有粉末香料製剤(実施例1〜7、比較例1〜6)を得た。
<メントールの残存率>
得られたメントール含有粉末香料製剤0.2gを100mlメスフラスコに正確に量り、純水50mlを加えて溶解後、柴田科学(株)社製 超音波処理器SU−2THで3分間超音波処理を行った。次いで、アセトン25mlを加えて、再度超音波処理を3分間行い、内部標準液1%1−オクタノール:アセトン液5mlを加えて、アセトンで100mlに定容した。この液を0.5μmフィルターで濾過し、濾液を試験溶液とした。
これら試験溶液、および検量用溶液について、ガスクロマトグラフ法により試験を行い、内部標準法を用いてメントールの定量を行った。メントールの残存率は、(得られたメントールの残存量/メントールの使用量)×100により求めた。
得られたメントール含有粉末香料製剤2gを100mlビーカーに正確に量り、アセトン50mlを加えてスターラーで5分間攪拌した後、静置した。5分間静置後、上澄み液をADVANTEC社製 濾紙2で濾過し、濾液を100mlメスフラスコに入れた。再度、ビーカーに残った試料にアセトン25mlを加え、スターラーで5分間攪拌した後、静置した。5分間静置後、上澄み液をADVANTEC社製 濾紙2で濾過し、濾液を100mlメスフラスコに入れた。100mlメスフラスコに入れた濾液に内部標準液1%1−オクタノール:アセトン液5mlを加えて、アセトンで100mlに定容した。この液を0.5μmフィルターで濾過し、濾液を試験溶液とした。
これら試験溶液について、ガスクロマトグラフ法により試験を行い、内部標準法を用いてメントールの定量を行った。メントールの表面油率は、(得られたメントールの表面油量/メントールの残存量)×100により求めた。
100mlの無色透明ガラス管に、メントール濃度が1000ppmになるように得られたメントール含有粉末香料製剤を正確に量り、ガラス管を密閉して60℃の恒温器に3時間保管した。その後、室温20℃まで冷却し、ガラス管内に析出したメントールの結晶を確認した。
チューインガムベースに、メントール濃度が2000ppmになるよう得られたメントール含有粉末香料製剤をそれぞれ加え、メントール含有チューインガムを調製した。調製したメントール含有チューインガムからの香味の発現を、8名のパネラーにより表5下部に記載した4段階の官能評価で評価した。
一般的な製法で作られるアラビアガム製剤(比較例1、2)は、メントールの残存率は80%以下であり、粉末表面のメントール含量はメントールの添加量に関わらず、どちらも5〜10%と高かった。そのため、昇華試験においてどちらもメントールの結晶生成が確認された。
Claims (2)
- メントール20〜45質量%に、以下の(1)〜(3)の乳化剤、および賦形剤を添加混合した溶液を、乳化処理を行った後、乾燥して得られる高濃度メントール含有粉末香料製剤。
(1)レシチンおよび/または有機酸モノグリセリドを、メントール量に対し0.5〜50質量%、
(2)トリグリセリドを、メントール量に対し0.5〜50質量%、
(3)ガティガムを、メントール量に対し10〜100質量%。 - メントール20〜45質量%に対して、以下の(1)〜(3)の乳化剤、および賦形剤を添加混合した溶液を、乳化処理を行った後、乾燥して得られる高濃度メントール含有粉末香料製剤の保存安定性向上方法。
(1)レシチンおよび/または有機酸モノグリセリドを、メントール量に対し0.5〜50質量%、
(2)トリグリセリドを、メントール量に対し0.5〜50質量%、
(3)ガティガムを、メントール量に対し10〜100質量%。
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