JP6146595B2 - 複層ガラス、及び複層ガラスの製造方法 - Google Patents

複層ガラス、及び複層ガラスの製造方法 Download PDF

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Description

本出願は、一対の板ガラスが間に減圧された空間を介して積層された複層ガラス、及び複層ガラスの製造方法に関する。
複層ガラスとして、一対の板ガラスを間に所定の間隔をあけた状態で対向配置し、一対の板ガラスの外周部を封着材で密閉することにより内部に空隙部による空間を生じさせ、その空間内部の空気を排気して減圧した構成のものが商品化されている。
このような内部の空間が減圧された複層ガラスは、単に板ガラスを2枚重ね合わせただけの複層ガラスと比較して、一対の板ガラスの間に大気圧よりも減圧された真空層を介することにより、大きな断熱効果や結露防止効果、防音効果が期待できる。そのため、省エネルギー対策の重要性が高まる昨今、エコガラスの一つとして大きな注目を集めている。
この複層ガラスは、以下のようにして製造される。一対の板ガラスを間に金属またはセラミックスなどの複数のスペーサーを介在させることにより所定の間隔をあけた状態で対向配置し、一対の板ガラスの外周部を低融点ガラスフリットなどの封着シール材を塗布して加熱することにより封着し、一対の板ガラスの間に密閉空間を形成する。その後、板ガラスに形成された排気口から、ガラスもしくは金属により形成された排気管を介して密閉空間内部の空気を排気し、最後に排気管の先端部分を溶融して封着し、密閉する。この結果、複層ガラスが製造される。
また、別の製造方法としては、例えばスペーサーを介在させて対向配置した一対の板ガラスを減圧チャンバー内で減圧した状態で、外周部を封着シール材により封止する方法や、密閉空間を形成した一対の板ガラスの封着シール材部分に排気管を配置し、密閉空間を排気する方法などがある。
しかし、いずれの製造方法においても、密閉した後にガラス壁面に吸着したガスの脱離などによって、内部の圧力が上昇してしまうことがある。このため、減圧された複層ガラスには、密閉された後に放出される窒素や酸素、水分などのガスを吸着する吸着材が設けられる。
複層ガラスの空間の厚さは、0.1mm〜0.2mm程度と非常に薄いため、薄い形状の吸着材を配置する必要があり、空間内の吸着材の量が減少する。一方、吸着材の量を増やすために吸着材の配置面積を増やし過ぎてしまうと、外観の悪化を招く。また、減圧された空間内に固体吸着材を配置すると、輸送などの際に固体吸着材が動いてしまうことから、整列させた状態で配置することが難しい。
これを解決するために、従来の複層ガラスでは、例えば複層ガラスの内側のガラスを削ることで空間を確保し、固体の吸着材を配置している(特許文献1参照)。また、排気穴部分に吸着材を配置するなどの方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−149343号公報 特開2003−137612号公報
複層ガラスは、第1のガラスと、第1のガラスと所定間隔を隔てて対向配置された第2のガラスと、第1のガラスと第2のガラスの周縁部を封着し第1のガラスと第2のガラスとの間に密閉空間を形成する封着材と、密閉空間内の第1のガラス表面上に固着させるとともに、第1のガラスと第2のガラスの間隔以下に形成された高さを有し、密閉空間内の気体を吸着する粉末状の吸着材とを備え、密閉空間内を減圧状態にしたものである。
このような構成により、より簡易に吸着材を配置することができ、高品質な複層ガラスを提供することが可能である。
図1は実施の形態にかかる複層ガラスにおける断面図である。 図2は実施の形態にかかる複層ガラスのおける平面図である。 図3は実施の形態にかかる複層ガラスの製造方法において、温度条件の一例を示す図である。 図4は実施の形態で説明する吸着材の高さがスペーサーの高さよりも高い場合の複層ガラスの事例を示す断面図である。 図5は実施の形態において吸着材を複層ガラスの四隅近傍に設けた場合の例を示す平面図である。 図6は実施の形態において吸着材を複層ガラスの周囲一辺に設けた場合の例を示す平面図である。 図7は実施の形態において円形の複層ガラスの周囲部分に設けた場合の例を示す平面図である。
以下、本出願による複層ガラス、及び複層ガラスの製造方法について、実施の形態を用いて説明するが、これに限定されるものではない。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。発明者らは、当業者が本出願の内容を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
なお、本出願の説明において、ガラス間の空間(密閉空間)を減圧するとは、ガラスの間に形成される空間を、外部の大気圧よりも低い圧力の状態とすることを意味するものとする。また、減圧状態とは、空間の内部が外部の大気圧よりも低い状態となっていることを意味し、空間内部の空気を排気して気圧を減じたいわゆる真空状態を含み、かつ、その真空度には左右されない。また、空間内部の空気を排気した後に不活性ガスなどの各種の気体を充填した場合でも、空間内部の最終的な気体の圧力が大気圧よりも低くなっている状態であれば、本出願の説明における減圧状態に含まれる。
以下で参照する各図は、説明の便宜上、本出願が説明する複層ガラス、及びその製造方法について、本出願の内容を説明するために必要な部分を中心として簡略化して示したものである。従って、各図を用いて説明する複層ガラスは、参照する各図に示されていない任意の構成を備えることができる。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率を必ずしも忠実に表したものではない。
(実施の形態1)
図1及び図2は、本実施の形態にかかる複層ガラスの製造方法の一例を説明するための図である。図1は、対向して配置された一対の板ガラス内に吸着材を形成した状態を示す断面図である。図2は、同じく対向して配置された一対の板ガラス内に吸着材を形成した状態を示す平面図である。
図1に示すように、複層ガラスは、第1のガラスとしての板ガラス1と、板ガラス1と所定間隔を隔てて対向配置された第2のガラスとしての板ガラス2と、板ガラス1と板ガラス2の周縁部を封着し、板ガラス1と板ガラス2との間に密閉空間3を形成する封着材4とを有し、密閉空間3内は減圧状態とされている。また、密閉空間3内の板ガラス1の表面には、所定間隔以下に形成された高さを有し、密閉空間3内の気体を吸着する吸着材5が固着されて配置されている。
スペーサー6は、板ガラス1と板ガラス2との間の間隔を保持するもので、複層ガラス全体に亘ってほぼ均一な間隔で配置されている。排気口7は、密閉空間3内の気体を排気し、減圧状態とするためのもので、排気管8が取り付けられている。排気管8は、真空ポンプに接続され、排気管8、排気口7を通して密閉空間3内の気体を排気し、密閉空間3内を減圧状態とした後、排気管8は封着される。
板ガラス1と板ガラス2はそれぞれ複層ガラスを構成する主要な構成要素である。板ガラス1と板ガラス2は、それぞれのガラス表面が実質的に並行に、所定の間隔(距離)を保って、配置されている。
本実施の形態で説明する複層ガラスに用いる板ガラス1、2としては、ソーダライムガラス、高歪点ガラス、化学強化ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、ネオセラム、物理強化ガラスなどの各種板ガラスを用いることができる。なお、本実施の形態では、板ガラス1及び板ガラス2は、いずれも同じ外形、厚みを有したものを例示しているが、一方の板ガラスの大きさまたは厚さが、他方の板ガラスの大きさや厚さと異なることを妨げるものではない。また、板ガラスの大きさは、使用用途に応じて一辺が数cm程度のものから、窓ガラス用としての一辺が最大2〜3m程度のものまで、さまざまな大きさのものを使用することができる。板ガラスの厚さも、用途に応じて、2〜3mm程度のものから20mm程度のものまで、各種の板ガラスを用いることができる。
板ガラス1と板ガラス2の間に形成される密閉空間3は、排気口7を通して内部の気体を排気することにより、減圧密閉空間となる。
封着材4は、板ガラス1と板ガラス2との間に設けられる。封着材4は、板ガラス1と板ガラス2とに接着し、板ガラス1と板ガラス2との間に密閉空間3を形成する。封着材4は、板ガラス1と板ガラス2とがそれぞれ対峙する面に接着し、対峙する面のガラス端周辺部を囲うように配置される(図1、2参照)。なお、封着材4としては、具体的にはフリットシールなどが用いられる。
本実施の形態において、板ガラス1、2の周辺部を封着する封着材4は、低融点ガラスフリットが用いられている。具体的な一例としては、Biが70%以上、B及びZnOがそれぞれ15%以下、さらに、エチルセルロース、テルピネオールなどの有機系物質の混合物が5%以上含まれたビスマス系シールフリットペーストを用いることができる。このガラスフリットの軟化点は、434℃である。
なお、封着材4として用いられるガラスフリットとしては、上記例示のビスマス系フリットの他に、鉛系フリット、バナジウム系フリットなどを用いることができる。また、ガラスフリットの他に、低融点金属、樹脂などのシール材などを封着材として用いることができる。
吸着材5は、密閉空間3の内部に設けられ、密閉空間内部の気体を吸着する。本実施の形態では、密閉空間3の封止後の圧力上昇を防止するため、板ガラス1の密閉空間3内の内面に、粉体状の吸着材5が固着された状態で配置されている。
スペーサー6は、板ガラス1と板ガラス2との間の密閉空間3内に設けられ、板ガラス1と板ガラス2との間隔が、少なくとも所定間隔(距離)を保持するように設けられる間隔保持部材である。
図2に示すように、板ガラス1のガラス表面には、複数のスペーサー6が縦、横方向にマトリクス状に整列させた状態で配置している。複層ガラスに配置されている複数のスペーサー6それぞれは、一例として、直径が1mm、高さが100μの円柱形状のものを用いている。スペーサー6としては、図1、図2で示される円柱状のものに限らず、角柱状や球状などの各種形状のものを使用することができる。また、スペーサー6の大きさも、例示したものには限られず、使用される板ガラスの大きさや厚さなどに応じて適宜選択することができる。
また、複層ガラスのスペーサー6は、光硬化性樹脂により形成されている。板ガラス1のガラス表面に封着材4を塗布する前の段階で、板ガラス1のガラス表面の全体に所定厚さの光硬化性樹脂を塗布した後、マスクを用いて露光してスペーサー6となる部分を硬化させた後、余分な部分を洗浄除去する写真露光法(フォトリソグラフ法)により形成されたものである。このように写真露光法を用いることで、所定の大きさのスペーサー6を所定位置に正確に配置することができる。なお、スペーサー6を透明な光硬化性樹脂で形成することにより、複層ガラスの使用時にスペーサー6を目立ちにくくすることができる。
スペーサー6の材料は、上記例示したものに限らず、後述する加熱工程で溶融しない各種材料を用いることができる。また、写真露光法を用いずに、金属などの材料により形成されたスペーサー6を板ガラスの内面の所定位置に散布して配置、もしくは接着することにより設けることもできる。なお、スペーサー6の形成、配置に写真露光法を用いない場合には、スペーサー6として、球状もしくは立方体形状のものを用いることで、板ガラスの面上に配置する際にスペーサー6の向きが異なった場合でも、ガラスの間隔を正確に規定することができる。
なお、複層ガラスにおいて、スペーサー6は必ずしも必要ではなく、スペーサー6を用いない構成を採用することも可能である。
排気口7は、密閉空間3内部の気圧を減圧させる場合に、密閉空間3内部に残った気体を吸引するための吸引口である。排気口7は、板ガラス2の板ガラス1と対峙する面と、その反対の表面とを貫通している。排気口7は板ガラス2の隅部近傍に形成されている。
排気管8は、密閉空間3内部の気圧を減圧させる場合に、排気口7から複層ガラス外部への排気路の一部である。
なお、本実施の形態による複層ガラスでは、一例として、ガラス製の排気管8が用いられ、排気管8の内径と排気口7の径とが同じ大きさとされている。排気管8は、ガラス溶着や溶着部材である溶融金属などを用いる周知の方法によって、排気口7に接続されている。
次に、吸着材5を板ガラス1または板ガラス2に固着させる具体的方法について説明する。
本実施の形態において、吸着材5は、板ガラス1または板ガラス2に塗布することで、ガラス表面に固着させる。吸着材5は粉体状であり、粉末状の吸着材5をガラス表面に吹き付けるだけでは、形成される吸着材5の形状、特に密閉空間3内で吸着材5の高さ方向の大きさの調整が困難である。そこで、本実施の形態では、吸着材5を一度溶剤に混合して溶液の状態とし、その溶液をガラス表面に塗布することにより吸着材5を固着させる方法を用いる。以下、詳細に説明する。
まず、粉体状の吸着材5を溶剤と適切な濃度で混合する。一例として、粉体状の吸着材5として、Fe−V−Zr合金粉末を用い、溶剤としてIPA(イソプロピルアルコール)を用いる。その際、粉体の混合比は10%とする。これにより吸着材は、溶液として扱えることとなる。
なお、吸着材、溶剤は、上記のものに限定されるものではなく、他の物質でもよい。例えば、吸着材としては、例えばBa−Al合金、ゼオライト、及び銅イオンなどでイオン交換されたゼオライトの粉末など、窒素や酸素、水分などを吸着可能な吸着材を用いることができる。また、溶剤としては、例えばエタノール、テルピネオールなど、一般的に用いられる溶剤を用いることができる。
次に、溶液化された吸着材5はディスペンサーを用いて、板ガラス1または板ガラス2のガラス表面に塗布する。本実施の形態では、吸着材を板ガラス1のガラス表面に端部から10mm程度離れた位置に固着させるために、密閉空間3の内部であって、ガラス表面に端部から10mm程度離れた位置に溶液を吹き付ける。また、この際、最終的に密閉空間3内に形成される吸着材5の高さ方向(板ガラス1と板ガラス2のそれぞれのガラス表面の対抗方向)の高さは、最大地点で50umとしている。そのため、ガラス表面に吹き付ける溶液の量は、この高さが形成されるように制御される。
なお、吸着材5の高さの調整は、塗布される溶液の量に限らず、塗布速度、溶液の粘性の大きさ、吸着材と溶剤との混合比などでも調整が可能である。例えば、吸着材の混合比を低くすることで、溶剤が揮発した後、吸着材が形成される高さを低くすることができる。
また、本実施の形態の説明では、ディスペンサーを用いた塗布について説明しているが、塗布方法はこれ以外にも、インクジェット法や印刷法など、他の手段を用いてもよい。
次に、吸着材5を混合した溶液をガラス表面に塗布した後、溶剤を乾燥させる。乾燥は、自然乾燥であっても良いし、加熱、送風などによる強制乾燥であってもよい。溶剤を乾燥させることで、吸着材5をガラスに固着させることができる。
なお、吸着材5がガラス表面に固着される理由について、明確な理由は判明できていないが、Fe−V−Zr合金、Ba−Al合金、ゼオライト、及び銅イオンなどでイオン交換されたゼオライトの粉末の吸着材5は、マイナスに帯電しやすく、ガラスはプラスに帯電しやすいことから、静電的に固着しているものと推測している。
図3は、本実施の形態の複層ガラスの製造方法における、封着材(フリットシール)4を溶融させる溶融工程と、板ガラス1と2との間の密閉空間3内部に残る気体を排気する排気工程の温度条件を示す図である。
図3に示すように、まず溶融炉の到達温度を、封着材4に使用されているガラスフリットの軟化点温度434℃よりも高い温度、一例として465℃とする。このとき、封着材4が溶けて板ガラス1及び板ガラス2の周囲部が封着され、板ガラス1及び板ガラス2の間に密閉空間3が形成される。
この後、図3に示すように、一旦溶融炉の温度をガラスフリットの軟化点温度である434℃以下の温度、例えば400℃まで下げた状態で、密閉空間3内部の空気を排気口7及び排気管8を介して、真空ポンプにより排気する排気工程を実施する。溶融炉の温度が封着材4の軟化点温度よりも低く設定されるため、溶融したガラスフリットが大気圧で押されることにより内部に広がり、外観が悪化することを防止できる。ただし、これは一例であり、軟化点以上の温度で排気を開始してもよい。
密閉空間3の真空度は、複層ガラスとしての特性としての断熱性を確保する観点から、0.1Pa以下とすることが好ましい。なお、真空度が高いほど複層ガラスとしての断熱特性は高くなるが、より高い真空度を得るためには、真空ポンプの性能を向上させたり、排気時間を長くしたりする必要があり、複層ガラスとして必要な特性を確保できる真空度にとどめることが製造コストの観点から好ましいことは言うまでもない。
次に、図3に示すように、密閉空間3内を排気している状態のまま、吸着材5の活性化工程として、溶融炉の温度を400℃としたまま1時間保持する。これにより、吸着材5がすでに吸着しているガスを放出し、吸着性能が向上する。なお、活性化工程の時間は、これに限らず、必要に応じて適宜変更することができる。
密閉空間3の真空度が0.1Pa以下の真空度になった状態で、常温まで温度を下げ、排気管8の先端部分を封着して密閉空間3を密閉する、いわゆるチップオフを行う。このようにすることで、板ガラス1と板ガラス2により形成された密閉空間3は、内部に活性化された状態の吸着材5が配置された状態で減圧状態に保つことができる。さらに、ガラスを削る工程が不要なため、プロセスコストを下げることができ、強度や外観の悪化もない複層ガラスを実現できる。
なお、吸着材5の活性化は必ずしも必要ではなく、例えばガラスフリットの軟化点温度434℃よりも高い温度まで加熱し、一対の板ガラス1及び板ガラス2の周囲部が封着して密閉空間3を形成した後、温度を常温まで下げて溶融炉から複層ガラスを取り出し、別途排気装置において内部を排気した後、チップオフを行ってもよい。
この場合、溶融工程と排気工程とをそれぞれ別個に設けることができ、溶融工程に用いられる溶融炉と排気工程に用いられる真空ポンプとを別個の製造設備とすることができる。この結果、溶融炉の構成を簡易かつ小型のものとすることができ、炉の密閉度も向上させることができるため、必要とされる消費電力の低減や昇温時間の短縮などを図ることができる。また、真空ポンプにおいても、高温状態となる溶融炉と離した位置に配置できるため、真空ポンプの真空弁や排気管をチャッキングする装置などが高温とならないように、遮蔽部材を配置するなどの必要がなくなり、製造装置を簡素化することができる。
ここで、図3の封着工程において、吸着材5の形成高さがスペーサー6の高さよりも高い場合、板ガラス2が大気圧で外部から押された上に吸着材5の部分で支持されるため、ガラスが曲がり、封着材4と板ガラス2の間に隙間が生じる。そのため、密閉された空間となる密閉空間3が密閉することができなくなる(図4)。
本実施の形態では、封着工程の前に、吸着材5を混合した溶液を板ガラス1に塗布する際に、乾燥、固着後の吸着材5の高さが、封着材4やスペーサー6などの高さ以下になるように、吸着材5を混合させる溶剤、吸着材5と溶剤との混合比、溶液の塗布時に設定する塗布のための圧力、また塗布速度、溶剤の種類、吸着材5の種類などを最適に調整しておく。これにより、図4のような封着材4などでのリークを防止することができる。
なお、吸着材5の高さは、板ガラス1と板ガラス2のガラス表面の間隔よりも小さいことがより好ましい。これは、吸着材5が板ガラス1と板ガラス2との両方に接すると、一方の板ガラスから他方の板ガラスに吸着材5による熱伝導が生じる。吸着材5の高さを小さくすることで、吸着材5は、一方の板ガラス(板ガラス1)とのみ接し、他方の板ガラス(板ガラス2)とは接しない。そのため、吸着材5を媒介とした熱の伝導はきわめて小さくなる。これにより、複層ガラスの断熱性能が吸着材5の影響を受けにくくすることができる。
また、本実施の形態で説明した方法であれば、吸着材5を設ける部分のガラス表面に予め窪みなどの加工をしておく必要がなくなる。吸着材5の塗布、乾燥、固着ができれば、ガラスの形状は特定の形状に限定されるものではない。そのため、実質的に水平なガラス表面だけでなく、窪んだ凹形状、盛り上がった凸形状、これら複合的な形状のいずれであっても、吸着材5を配置することができる。そのため、本実施の形態の方法であれば、より自由度を高くして吸着材5を配置することが可能となる。
また、吸着材5を設置する部分のガラスの加工が不要となるため、より簡易にガラスに吸着材を形成することができる。
また複層ガラスに吸着材を備えることで、内部の圧力を安定化させることができる。
(実施の形態1の変形例)
図5、図6、図7は、吸着材が異なる形態で形成された変形例を示す平面図である。
図5は、吸着材5を複層ガラスの四隅近傍に配置した場合の例を示す図である。より具体的には、複層ガラスを構成する封着材4が実質的に矩形形状を有している。そして、吸着材5は、封着材4の四隅に配置している。
これにより、複層ガラスが実際に窓枠(サッシ)などにはめられる際に、複層ガラスのガラス表面端部から所定の範囲は、窓枠に収められる。そのため、この所定の範囲に、封着材4と吸着材5とが含まれるように、これらを配置する。これにより、複層ガラスが窓ガラスとして利用される場合に、封着材4や吸着材5を見えにくい部分に隠すことができる。
図6は、吸着材5を矩形形状の複層ガラスの一辺近傍に配置した場合の例を示す図である。より具体的には、複層ガラスを構成する封着材4が実質的に矩形形状を有している。そして、吸着材5は、この封着材4の一辺にそって配置している。
これにより、図5の例と同様に、複層ガラスが窓ガラスとして利用される場合に、封着材4や吸着材5を見えにくい部分に隠すことができる。
図7は、複層ガラスを円形に構成した場合の例を示す図である。この場合には、封着材4は、円形に板ガラス1と板ガラス2とを接着させる。吸着材5は、この封着材4の内部に、封着材4と同様に、実質的に円形に配置する。
本実施の形態で説明した方法によれば、このような曲線状に吸着材5を配置する場合でも、塗布により行うため、比較的容易に形成することが可能となる。
なお、図6や、図7において、吸着材5を、封着材4に沿って、封着材4と同様に全周に渡って配置する場合を例示したが、本実施の形態で説明する内容はこれに限定されない。例えば、全周でなく、封着材4にそって、封着材4の一部に相当する部分のみを配置するものであってもよい。この場合には、複層ガラスで使用する吸着材の使用量を抑制することができる。ガラスサイズや吸着材の種類、封着プロセスなどによって必要な吸着材の量は異なるため、このように、適切な吸着材の塗布量を選択することで、必要以上に吸着材を使用せず、コストの増大を防止してもよい。
上記のように複層ガラスの形状が異なる場合、または、吸着材を配置する形状が異なる場合、または、複層ガラスの大きさが異なる場合など、さまざまな複層ガラスの種類を一つのプロセス(製造ラインなど)で対応する場合に、ガラスの形状、吸着材の配置する形状、ガラスの大きさなどを自動で検出し、塗布位置座標と紐付けることで、自動で製造することができる。そのため、塗布により吸着材を配置することで、より自動化に好適な吸着材の配置が可能となる。
なお、本出願の複層ガラスは、複層ガラス側面に排気管を設置する場合など、封着方法によらず適用でき、強度、外観を悪化させることなく複層ガラス内に吸着材を配置できる。
(実施の形態2)
減圧チャンバー内で複層ガラスを排気することにより、排気管、排気口が含まれない複層ガラスを製造することができる。この場合、封着材4が溶融され、複層ガラスが完全に封止された時点で真空ポンプから隔離されることになる。このため、封止完了直後の溶融されたフリットシールからガスが放出されても真空ポンプで排気できず、内部の圧力が上昇することがある。
本出願は、排気管、排気口を含まない複層ガラスにおいて、実施の形態1で説明した塗布方法による配置した吸着材5を用いることにより、外観・強度を損ねず、内部の圧力上昇を抑制できるという点で、特に効果的である。
(実施の形態1及び2の変形例)
上記実施の形態1及び2で説明した複層ガラスにおいて、板ガラス1または板ガラス2に、低放射率の有機もしくは無機の膜を適宜形成することにより、反射防止や紫外線の吸収などの各種光学的作用、もしくは、断熱特性などの機能を付与することが可能である。この場合、板ガラス1、板ガラス2のうち、膜が形成されていない側、または放射率の低い側のガラス上に吸着材5を形成することで、吸着材5を形成することによる放射率の上昇を抑制することができる。
また、板ガラス1または板ガラス2の少なくとも一方のガラス自体を複層ガラスとし、全体として3枚以上の板ガラスがそれぞれ所定の空間を隔てて積層された複層ガラスとすることも可能である。この場合において、少なくとも厚さ方向における一部分の複層ガラスが本出願の製造方法により製造されたものであればよい。このため、例えば、本出願の製造方法により製造された複層ガラスに、ガラス間に不活性ガスが封入された複層ガラスを積層したり、別の方法または本出願の製造方法により製造された複層ガラスをさらに積層した構成としてもよい。さらに、所定間隔でガラスが積層されているのみで、密閉空間が大気圧のままの複層ガラスを積層した構成としてもよく、さまざまな形態を採ることができる。また、ガラスは、板ガラス、曲面ガラス、磨りガラスなど、いずれの種類のガラスであってもよい。
本出願の複層ガラスの製造方法によって製造された複層ガラスは、断熱効果が高く、かつ、取り扱いが容易なエコガラスとして、窓ガラスなどに良好に使用できる。また、例えば、冷蔵庫や冷凍庫の扉部分に、本出願の複層ガラスの製造方法によって製造された複層ガラスを配置することで、断熱効果により冷蔵庫や冷凍庫の機能を妨げることなく、内部の状態を確認することができるようになるなど、家庭用もしくは業務用の用途が期待できる。
(まとめ)
本出願で説明する複層ガラスは、第1のガラスと第2のガラスとを備え、第1のガラスと第2のガラスとは、ガラス表面が所定間隔を保って対抗した位置関係となる。第1のガラスと第2のガラスとの間は、第1のガラスと第2のガラスの周縁部にそって、封着材が設けられる。封着材は、第1のガラスと第2のガラスとのガラス表面に接着し、第1のガラスと第2のガラスの間に密閉空間を形成する。第1のガラスと第2のガラスと封着材とにより形成された密閉空間は、通常の大気圧より減圧された空間である。この密閉空間の内部には、密閉空間内に残った気体などを吸着する吸着材が設けられる。吸着材は、少なくとも第1のガラスの密閉空間内部のガラス表面上に固着する。
上記の構成により複層ガラスは、第1のガラスと第2のガラスと封着材で形成される密閉空間を減圧状態とすることにより、一方のガラスから他方のガラスへの熱伝導を抑制することができる。これは、減圧された密閉空間により、熱を伝導させる物質(気体)を削減することで、このような効果を奏するものである。
さらに、密閉空間内に、密閉空間内部に残った気体を吸着する吸着材を設けることで、複層ガラスの製造過程や、第1のガラス、第2のガラス、封着材から時間の経過とともに放出される気体成分を、吸着材に吸着することができる。これにより、時間の経過とともに密閉空間内に熱を伝導させる気体が拡散し、複層ガラスの断熱効果を低下させるという、経年変化を抑制することが可能となる。
さらに、吸着材が形成する高さを第1のガラスと第2のガラスとの間の所定間隔よりも小さくすることで、吸着材が、密閉空間の密閉性を阻害することを防止することが可能となる。また、封着材が第1のガラス及び第2のガラスの両ガラスと接触し、複層ガラスの断熱性が損なわれるということも防ぐことが可能となる。
このように吸着材の高さは、第1のガラスと第2のガラスとの間の所定間隔よりも小さくすることがより好ましい。これにより、吸着材が第1のガラスと第2のガラスとの両者に接触し、吸着材が一方のガラスから他方のガラスへの熱を伝導させる媒体となることを防ぐことができる。その結果、複層ガラスの断熱性の性能悪化を抑制することが可能となる。
また、吸着材は、複層ガラスのガラス表面端部から所定の距離以内に設けることが望ましい。具体的には、ガラス端部から所定の距離以内に密閉空間を形成する封着材、及び吸着材が設けられている状態である。これにより、複層ガラスを窓枠(サッシ)などと組み合わせたとき、封着材や吸着材が窓枠内に隠れるため、これらの部材を目立たなくすることが可能となる。なお、一般的にはこの所定の距離は15mm程度と考えられる。
本出願で説明する複層ガラスの製造方法は、以下のステップで構成される。一方のガラスのガラス表面上に、密閉空間内に残った気体を吸着する吸着材を混合した溶液を塗布するステップである。密閉空間は、第1のガラスと第2のガラスと封着材とにより形成される。吸着材は、溶剤に混合した溶液として扱われる。溶液は、第1のガラスの所望の位置に塗布される。その際、溶液が塗布される位置は、複層ガラスとしてみた場合に密閉空間の内部となる位置である。
次に塗布した溶液の溶剤を乾燥させるステップである。これにより、溶質である吸着材のみがガラス表面上に残り、溶剤を除去することができる。
そして、ガラス表面上に残った吸着材がすでに吸着している気体などを放出させるステップを行う。具体的には吸着材を加熱することで吸着材が吸着した気体を吸着材から放出させる。このステップは、複層ガラスの封着材をガラスと融着させるステップで行われる加熱処理と同時に行うものであってもよい。これにより、封着材の過熱処理と、吸着材の過熱処理とを同時に行うことも可能である。
さらに上記の処理とともに、密閉空間の減圧処理を行うステップがある。このステップでは、例えば密閉空間に通じる排気管などに吸引ポンプなどを接続することで、密閉空間内部の気圧を減圧させる。
上記吸着材の種類、溶剤の種類や濃度、またこれらの混合比、溶液の塗布方法などを適切に選択することで、複層ガラス完成時の吸着材の高さと幅を、複層ガラスの空間内部に、所定の高さと幅で形成することが可能となる。このため、十分な量の吸着材を配置でき、ガラスを削るなどの工程も不要で、さらに強度や外観を損なうことがない複層ガラスを実現できる。
上記複層ガラスの製造方法において、粉末状の吸着材と溶剤を混合する際、スペーサーの高さ、内部の減圧状態、使用目的などに合わせ、適切な高さ・幅で塗布できるように濃度や溶剤、塗布スピードなどを適切に調整することが望ましい。このようにすることで、複層ガラスの狭い空間内に適切な量の吸着材を所望の形状で配置することができる。
なお、上記の密閉空間の気圧を減圧させるステップでは、封着排気の際、減圧チャンバーでの排気や、後から排気管・排気口を除去する方法などを用いることにより、排気管や排気口を持たない複層ガラスを構成することが可能となる。このようにすることで、ガラス周辺部以外に吸着材や排気管が存在しなくなり、更なる外観の向上が可能になる。
さらに、上記の吸着材が吸着した気体を放出させるステップでは、吸着材は封止前に真空中で加熱し、活性化させることが好ましい。このようにすることで、よりガス吸着特性の高い吸着材を複層ガラス内部に配置することができる。
また、吸着材の活性化は、複層ガラス周辺の封着材を軟化点以上まで加熱して封着した後、軟化点以下まで温度を下げ、複層ガラス内部を減圧した後、一定時間高温を保持することにより行ってもよい。このようにすることで、封着排気プロセスと吸着材の活性化プロセスを同時に行うことができる。
さらに、封着材を形成する部分に、第1のガラスと第2のガラスとの間隙を規定する高さ規制部材を配置することが好ましい。このようにすることで、封着材が形成された周辺部でも両ガラスの間隙を所定のものに規制することができる。
また、密閉空間内に両ガラスの間隔を保持するためのスペーサーを設けてもよい。このスペーサーまたは高さ規制部材の少なくとも一方は、写真露光法により形成されたものであることが好ましい。写真露光法を用いることで、所定の位置に所定形状のスペーサーや高さ規制部材を正確に配置することができる。
以上のように、本出願における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本出願における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
以上説明したように、本出願の複層ガラスは、信頼性が高く、外観を損ねない複層ガラスとして、有用である。
1,2 板ガラス
3 密閉空間
4 封着材
5 吸着材
6 スペーサー
7 排気口
8 排気管

Claims (11)

  1. 第1のガラスと、
    前記第1のガラスと所定間隔を隔てて対向配置された第2のガラスと、
    前記第1のガラスと第2のガラスの周縁部を封着し、前記第1のガラスと前記第2のガラスとの間に密閉空間を形成する封着材と、
    前記密閉空間内の前記第1のガラスの表面上に固着させるとともに、前記所定間隔以下に形成された高さを有し、前記密閉空間内の気体を吸着する粉末状の吸着材とを備え、
    前記密閉空間内を減圧状態にした複層ガラス。
  2. 前記吸着材は、前記封着材に沿って配置される、
    請求項1に記載の複層ガラス。
  3. 前記吸着材は、全周に渡って配置される、
    請求項に記載の複層ガラス。
  4. 前記封着材は、実質的に矩形形状を有しており、
    前記吸着材は、前記封着材の一辺に沿って配置される、
    請求項2に記載の複層ガラス。
  5. 前記封着材は、実質的に矩形形状を有しており、
    前記吸着材は、前記封着材の四隅に配置される、
    請求項に記載の複層ガラス。
  6. 前記吸着材が形成する高さは、前記第1のガラスと前記第2のガラスの間隔未満である、
    請求項に記載の複層ガラス。
  7. 前記吸着材は、前記第1のガラスの端部から所定の距離以内の位置に固着されている、
    請求項1に記載の複層ガラス。
  8. 第1のガラスと第2のガラスとを備える複層ガラスの製造方法であって、
    前記第1のガラスのガラス表面上に、前記第1のガラスと前記第2のガラス間に形成される密閉空間内の気体を吸着する吸着材の溶液を塗布する塗布ステップと、
    前記塗布した吸着材の溶液を乾燥するとともに、前記吸着材を加熱し、前記吸着材が吸着した気体を放出するステップと、
    前記密閉空間内を減圧する減圧ステップと、
    前記密閉空間を密閉して、前記第1のガラスの前記密閉空間内の内面に、粉末状の前記吸着材が固着されて配置される封着ステップと、
    を備える
    複層ガラスの製造方法。
  9. さらに、封止前に真空中で加熱して活性化させる吸着材の活性化ステップを備える、
    請求項8に記載の複層ガラスの製造方法。
  10. 前記吸着材を塗布する高さは、前記第1のガラスと前記第2のガラスの間隔未満である、
    請求項8または9に記載の複層ガラスの製造方法。
  11. 前記吸着材の塗布ステップは、前記第1のガラスの端部から所定の距離以内の位置に前記溶液を塗布するものである
    請求項8または9に記載の複層ガラスの製造方法。
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