JP6141793B2 - 電気デバイス収納構造 - Google Patents
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Description
フロアパネル(例えば、後述の実施形態でのフロアパネルF)が固定される左右一対の骨格部材(例えば、後述の実施形態での骨格部材8)間に、電気デバイス(例えば、後述の実施形態での電気デバイスD)を収容する電気デバイス収納部(例えば、後述の実施形態での電気デバイス収容体P)が配置される、電気デバイス収納構造であって、
前記電気デバイス収納部は、前記電気デバイスを収納可能な箱状に形成された矩形のケース(例えば、後述の実施形態でのケース1)と、前記ケースの開口を覆う蓋部材(例えば、後述の実施形態での蓋2)と、を有し、
前記ケースは、前記開口の端部から左右両外側に延びた第1及び第2フランジ部(例えば、後述の実施形態での第1フランジ部36及び第2フランジ部38)を備え、
左右方向一方側の前記第1フランジ部に、前記電気デバイスの保守点検用スイッチ(例えば、後述の実施形態での保守点検用スイッチ37)が配設され、
左右方向他方側の前記第2フランジ部に、前記電気デバイスに接続される電力線(例えば、後述の実施形態でのDC線33)を挿通するための電力線挿通部(例えば、後述の実施形態での突出部39)が配設され、
前記蓋部材には、前記保守点検スイッチの上面が露出するための孔(例えば、後述の実施形態での孔hs)が形成されている。
前記ケースの上面視形状は、左右幅広に形成された略台形形状である。
前記第2フランジ部が延設された前記ケースの側壁(例えば、後述の実施形態での右側壁11c)と前記骨格部材との間に設けられた空間(例えば、後述の実施形態での空間S)に、前記電力線挿通部に挿通される前記電力線が配索される。
前記電力線挿通部は、前記第2フランジ部から上方に突出する管状の突出部(例えば、後述の実施形態での突出部39)を備え、
前記突出部は、上部開口(例えば、後述の実施形態での、上部開口39b)を有する突出部本体(例えば、後述の実施形態での突出部本体39a)を有し、
前記突出部本体には、前記上部開口に向かって前記電気デバイス側に傾斜する傾斜面(例えば、後述の実施形態での傾斜面39c)が形成されるとともに、前記電力線の線径(例えば、後述の実施形態での線径d)よりも大きな弧を有する円弧状の切欠部(例えば、後述の実施形態での切欠部39d)が前記上部開口から連続して前記傾斜面と対向するように形成される。
本実施形態の電気デバイス収納構造は、図1及び図8に示すように、後部座席9(図8参照)の下方のフロアパネルFに設けられた孔Hに、電気デバイスDが収容された電気デバイス収容体Pを配設している。電気デバイス収容体Pの左右方向一方側(左側)に設けられた第1フランジ部36には、保守点検用スイッチ37が配設され、他方側(右側)に設けられた第2フランジ部38には、電気デバイスDに接続されるDC線を挿通するための突出部39が配設されている。
先ず、電気デバイス収容体Pについて説明する。
図1及び図2に示す電気デバイス収容体Pは、バッテリ18及びDC/DCコンバータやインバータなどの高圧電気機器19等を含む電気デバイスD(図3参照)を収容するものであり、例えば、ハイブリッド車に搭載される。電気デバイス収容体Pは、金属製のフロアパネルF(ボディパネル)が固定される左右一対の骨格部材8間であって、後部座席9(図8参照)の下方のフロアパネルFに設けられた開口部(孔H)に上側から嵌め込んだ状態で、このフロアパネルFに締結される。
図3に示すケース1は、ケース本体11と、このケース本体11の側壁11aから外側に延びる環状の上側フランジ部12と、上側フランジ部12よりも下側に配置されケース本体11の側壁11aから外側に延びる環状の下側フランジ部13と、を有している。ケース1(ケース本体11)の底部1bには、図示しない排気管との干渉を避けるための凹部1cが車両前後方向に延びるように排気管に沿って設けられている(図2、図7参照)。
蓋2は、箱状を呈するケース本体11の開口を塞ぐものであり、例えば、金属板をプレス加工することで形成され、その上面で後部座席9を支持している(図8参照)。蓋2には、ケース本体11の開口に対応して略長方形に形成された天井部22と、天井部22の外周縁から一体に垂下する略四角枠状の縦壁23と、縦壁23の下端縁部から全周に亘って水平方向に延びるフランジ21と、が形成されている(図2、図6参照)。
図7に示す上側シール3は、上側フランジ部12に形成されたシール溝12v(上側フランジ部12の上面)に設置される環状のシール部材であり、上側フランジ部12と蓋2との間に介在している。なお、ケース1内への浸水を防止して電気デバイスDを保護するために、上側シール3には、後記する下側シール4よりも高いシール性能が要求される。したがって、上側シール3として、下側シール4よりも圧縮に伴う弾性復元力(反力)が大きいものを用いることが好ましい。上側シール3として、例えば、防水性の高いゴム製のOリングやガスケットを用いることが好ましい。
図7に示す下側シール4は、下側フランジ部13の下面に設置(例えば、接着)される環状のシール部材であり、下側フランジ部13とフロアパネルFとの間に介在している。下側シール4として、上側シール3よりも圧縮に伴う弾性復元力が小さい(つまり、柔軟である)エプトシーラー(発泡樹脂)や、シリコン製又はウレタン製のシーラーを用いることが好ましい。これによって、フロアパネルF等の部品公差を下側シール4で吸収しつつ、フロアパネルFの孔Hを介して車室に水が侵入することを防止できる。また、エプトシーラー等は、ゴム製のOリングと比較して安価であるという利点もある。
図3に示す補強部材51,52は、上側フランジ部12と下側フランジ部13とによって挟まれる金属部材であり、左右方向に延びている。上側フランジ部12及び下側フランジ部13は、上記したように平面視において四角枠状を呈しており、補強部材51,52は、四角枠状の一方の対辺(左右方向に沿う対辺)に対応する箇所に設置される。すなわち、図7に示すように、ケース1の前側から一方の補強部材51が嵌め込まれ、ケース1の後側から他方の補強部材52が嵌め込まれる。補強部材52の後方には、リヤフロアパネル6の下面にフロアクロスメンバ17が設けられている。
図4(a)に示すカラー61は、円筒状を呈する金属部材であり、補強部材51を貫通した状態でこの補強部材51に溶着されている。左右方向に延びる補強部材51に溶着された状態において、カラー61は上下方向に延びている(図7参照)。また、ボルトB1が締結された状態において、カラー61の上端は蓋2のフランジ21の下面に当接し、カラー61の下端はフロアパネルFの上面に当接している。
図6に示すフレーム部材7は、上下二段に配置された電気デバイスD(例えば、バッテリパック)をケース1の上側フランジ部12に掛けた状態で保持するための金属部材である。フレーム部材7は、電気デバイスDに締結されるデバイス側締結部71と、上側フランジ部12に締結されるフランジ側締結部72と、を有している。デバイス側締結部71は、上下方向に延びており、フランジ側締結部72は、デバイス側締結部71の上端から上側フランジ部12に向けて前方(または後方)に延びている。
図3に示すボルトB1及びナットN1(締結部材)は、蓋2と、補強部材51,52と、フロアパネルFと、を締結するものである。ボルトB1は、補強部材51に溶着されたカラー61を貫通し、その軸部の下端がフロアパネルFよりも下側に突出している。ボルトB1の軸部のうちフロアパネルFの下側に突出した箇所にナットN1が螺合される。なお、フロアパネルFの下面に予めナットN1を溶着するようにしてもよい。なお、他のボルトB2〜B4、ナットN2〜N4については、詳細な説明を省略する。
図8に示すように、フロントフロアパネル5及びキックアップ部5aの車室30内側は、上端部が後部座席9の下面と吸気カバー25の上面との間に挟持されたトリム15により覆われている。即ち、トリム15はフロントフロアパネル5及びキックアップ部5aの車室30内側を覆い、さらに上端部が後部座席9の下面まで延びて、吸気カバー25の上面に接続されている。トリム15には、車室30内の空気を取り入れるための吸気グリル16が、蓋2の縦壁23に対向する位置(前方)に設けられている。吸気部は、車室30内の空気を吸気グリル16から冷却用空気として取り入れ、吸気パイプ24の吸気口24aから電気デバイス収容体Pに供給する。
保守点検用スイッチ37は、図9に示すように、ケース本体11の左側に形成された第1フランジ部36に配設される。これにより、保守点検用スイッチ37は、後部座席9下の左前方に位置する。したがって、電気デバイスDのメンテナンス時には、後部座席9を取り外せば保守点検用スイッチ37を容易に操作することができる。なお、後部座席9の左前方に保守点検用スイッチ37へのガイド孔を設ければ、後部座席9を取り外すことなく保守点検用スイッチ37を操作することができる。また、保守点検用スイッチ37は、バッテリ18がオフセットして収納された左側に配置されているので、電気デバイス収容体P内の配線を短くすることができると共に、配線の取り回しが容易となる。
電気デバイスDに接続されるDC線33は、図10及び図11に示すように、電気デバイス収容体Pの外部から、ケース1の右側壁11cと骨格部材8との間の空間Sを通り、ケース本体11の右側に形成された第2フランジ部38に設けられた突出部39を介して、電気デバイス収容体Pの内部に配索される。電気デバイス収容体Pの外部から突出部39に挿通されるDC線33は、傾斜面39cによって電気デバイスD側に案内され、DC線33が上部開口39bと干渉しないよう円弧状の切欠部39dを通る。このため、DC線33の剛性が高く曲がり難い場合であっても、突出部39の傾斜面39cによって案内されることで大きな曲率で曲げられて、切欠部39dを通ることで上部開口39bと干渉せずに、無理なくDC線33を電気デバイス収容体Pの内部に配索することができる。また、突出部39は、高圧電気機器19がオフセットして収納された右側に配置されているので、電気デバイス収容体P内のDC線33を短くすることができると共に、DC線33の配索が容易となる。
続いて、本発明の変形例に係る電気デバイス収納構造について説明する。
図12は、車室内に配置される電気デバイス収容体が収納空間Gに挿入される前の状態を左前方から見下ろした斜視図である。図13は、図12に示す電気デバイス収容体のXIII―XIII矢視断面図である。図14は、車室内に配置される電気デバイス収容体のケースの突出部近傍の拡大斜視図である。図15は、図12に示す電気デバイス収容体のXV―XV矢視断面図である。
2 蓋(蓋部材)
8 骨格部材
11 ケース本体
11c 右側壁
33 DC線(電力線)
36 第1フランジ部
37 保守点検用スイッチ
38 第2フランジ部
39 突出部(電力線挿通部)
39a 突出部本体
39b 上部開口
39c 傾斜面
39d 切欠部
d DC線の線径
D 電気デバイス
F フロアパネル
P 電気デバイス収容体(電気デバイス収納部)
S 空間
Claims (4)
- フロアパネルが固定される左右一対の骨格部材間に、電気デバイスを収容する電気デバイス収納部が配置される、電気デバイス収納構造であって、
前記電気デバイス収納部は、前記電気デバイスを収納可能な箱状に形成された矩形のケースと、前記ケースの開口を覆う蓋部材と、を有し、
前記ケースは、前記開口の端部から左右両外側に延びた第1及び第2フランジ部を備え、
左右方向一方側の前記第1フランジ部に、前記電気デバイスの保守点検用スイッチが配設され、
左右方向他方側の前記第2フランジ部に、前記電気デバイスに接続される電力線を挿通するための電力線挿通部が配設され、
前記蓋部材には、前記保守点検スイッチの上面が露出するための孔が形成されている、電気デバイス収納構造。 - 請求項1に記載の電気デバイス収納構造であって、
前記ケースの上面視形状は、左右幅広に形成された略台形形状である、電気デバイス収納構造。 - 請求項1または請求項2に記載の電気デバイス収納構造であって、
前記第2フランジ部が延設された前記ケースの側壁と前記骨格部材との間に設けられた空間に、前記電力線挿通部に挿通される前記電力線が配索される、電気デバイス収納構造。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気デバイス収納構造であって、
前記電力線挿通部は、前記第2フランジ部から上方に突出する管状の突出部を備え、
前記突出部は、上部開口を有する突出部本体を有し、
前記突出部本体には、前記上部開口に向かって前記電気デバイス側に傾斜する傾斜面が形成されるとともに、前記電力線の線径よりも大きな弧を有する円弧状の切欠部が前記上部開口から連続して前記傾斜面と対向するように形成される、電気デバイス収納構造。
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