JP6163450B2 - 電気デバイスの冷却構造 - Google Patents
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フロアパネル(例えば、後述の実施形態でのフロアパネルF)が固定される左右一対の骨格部材(例えば、後述の実施形態での骨格部材8)間に配置された電気デバイス(例えば、後述の実施形態での電気デバイスD)と、
前記電気デバイスに車室内の空気を供給する吸気部と、
前記電気デバイスを冷却した空気を排気する排気部と、を備える電気デバイスの冷却構造であって、
前記排気部は、前記電気デバイスから延びる排気ダクト(例えば、後述の実施形態での排気ダクト41)を有し、
前記車室と荷室の間には、前記車室と前記荷室とを区画する、前記フロアパネルとホイールハウスとを連結する補強メンバ(例えば、後述の実施形態での補強メンバ54、環状バルク44)が設けられ、
前記補強メンバの下部には、前記車室と前記荷室とを連通する貫通孔(例えば、後述の実施形態での貫通孔45)が設けられ、
前記排気ダクトは、前記貫通孔に接続され、
前記電気デバイスは、前記車室側から挿入可能なように箱状に形成された矩形のケース(例えば、後述の実施形態でのケース1)及び前記ケースの開口を覆う蓋部材(例えば、後述の実施形態での蓋2)を備える電気デバイス収納部(例えば、後述の実施形態での電気デバイス収容体P)内に収納されて、後部座席(例えば、後述の実施形態での後部座席9)の下方に配置され、
前記排気ダクトは、上流端(例えば、後述の実施形態での上流端42b)が前記蓋部材の一側端(例えば、後述の実施形態での孔ht)に接続されて、前記後部座席の凹部を避けた側方且つ前記骨格部材上で前記骨格部材に沿って延設配置される。
前記排気ダクトは、前記補強メンバの後方において、前記補強メンバの内側縁(例えば、後述の実施形態での内側縁54a、開口縁46a)と、ホイールハウス(例えば、後述の実施形態でのホイールハウス48)の後端部を結び、荷室トリム(例えば、後述の実施形態での荷室トリム49)で囲まれる空間(例えば、後述の実施形態での空間50)に前記電気デバイスを冷却した空気を排気する。
前記排気ダクトは、室内側ダクト(例えば、後述の実施形態での室内側ダクト42)と荷室側ダクト(例えば、後述の実施形態での荷室側ダクト43)とを有し、
前記室内側ダクトが、前記補強メンバの前記室内側の貫通孔に接続され、
前記荷室側ダクトが、前記補強メンバの前記荷室側の貫通孔に接続される。
また、排気ダクトを短い距離で接続することができ、圧損を低減できる。また、座席の凹部(尻部、ヒップポイント)を避けた側方に排気ダクトを配置することで、シート高を変えることなく車室内空間を十分に確保することができる。これにより、車両全高の制限内においてシート座面と頭上空間を十分に確保することができる。
本実施形態の電気デバイスの冷却構造は、図1に示すように、フロアパネルFが固定される左右一対の骨格部材8間であって、後部座席9(図9参照)の下方のフロアパネルFに設けられた開口部(孔H)に電気デバイス収容体Pを配設し、吸気カバー25内に設けられた不図示の吸気口を介して車室30内の冷却用空気を電気デバイス収容体P内に供給して電気デバイスDを冷却した後、排気ダクト41を介して荷室31内に排気する構造となっている。
本実施形態の電気デバイスの冷却構造は、図1及び図8に示すように、後部座席9(図8参照)の下方のフロアパネルFに設けられた孔Hに電気デバイス収容体Pを配設し、後部座席9の下方に配置される吸気グリル16を介して車室30内の冷却用空気を電気デバイス収容体P内に供給して電気デバイスDを冷却した後、排気ダクト41を介して荷室31内に排気する構造となっている。
先ず、電気デバイス収容体Pについて説明する。
図1及び図2に示す電気デバイス収容体Pは、バッテリ、DC/DCコンバータ、インバータ、ECU等の電気デバイスD(図3参照)を収容するものであり、例えば、ハイブリッド車に搭載される。電気デバイス収容体Pは、金属製のフロアパネルF(ボディパネル)に形成された孔Hに上側から嵌め込んだ状態で、このフロアパネルFに締結される。
図3に示すケース1は、ケース本体11と、このケース本体11の側壁11aから外側に延びる環状の上側フランジ部12と、上側フランジ部12よりも下側に配置されケース本体11の側壁11aから外側に延びる環状の下側フランジ部13と、を有している。ケース本体11の側壁11a、上側フランジ部12、及び下側フランジ部13は、平面視において四角枠状を呈している(図7参照。)。
蓋2は、箱状を呈するケース本体11の開口を塞ぐものであり、例えば、金属板をプレス加工することで形成される。蓋2には、ケース本体11の開口に対応して略長方形に形成された天井部22と、天井部22の外周縁から一体に垂下する略4角枠状の縦壁23と、縦壁23の下端縁部から全周に亘って水平方向に延びるフランジ21と、が形成されている(図2、図6参照)。
図7に示す上側シール3は、上側フランジ部12に形成されたシール溝12v(上側フランジ部12の上面)に設置される環状のシール部材であり、上側フランジ部12と蓋2との間に介在している。なお、ケース1内への浸水を防止して電気デバイスDを保護するために、上側シール3には、後記する下側シール4よりも高いシール性能が要求される。したがって、上側シール3として、下側シール4よりも圧縮に伴う弾性復元力(反力)が大きいものを用いることが好ましい。上側シール3として、例えば、防水性の高いゴム製のOリングやガスケットを用いることが好ましい。
図7に示す下側シール4は、下側フランジ部13の下面に設置(例えば、接着)される環状のシール部材であり、下側フランジ部13とフロアパネルFとの間に介在している。下側シール4として、上側シール3よりも圧縮に伴う弾性復元力が小さい(つまり、柔軟である)エプトシーラー(発泡樹脂)や、シリコン製又はウレタン製のシーラーを用いることが好ましい。これによって、フロアパネルF等の部品公差を下側シール4で吸収しつつ、フロアパネルFの孔Hを介して車室に水が侵入することを防止できる。また、エプトシーラー等は、ゴム製のOリングと比較して安価であるという利点もある。
図3に示す補強部材51,52は、上側フランジ部12と下側フランジ部13とによって挟まれる金属部材であり、左右方向に延びている。上側フランジ部12及び下側フランジ部13は、上記したように平面視において四角枠状を呈しており、補強部材51、52は、四角枠状の一方の対辺(左右方向に沿う対辺)に対応する箇所に設置される。すなわち、図7に示すように、ケース1の前側から一方の補強部材51が嵌め込まれ、ケース1の後側から他方の補強部材52が嵌め込まれる。
図4(a)に示すカラー61は、円筒状を呈する金属部材であり、補強部材51を貫通した状態でこの補強部材51に溶着されている。左右方向に延びる補強部材51に溶着された状態において、カラー61は上下方向に延びている(図7参照)。また、ボルトB1が締結された状態において、カラー61の上端は蓋2のフランジ21の下面に当接し、カラー61の下端はフロアパネルFの上面に当接している。
図6に示すフレーム部材7は、上下二段に配置された電気デバイスD(例えば、バッテリパック)をケース1の上側フランジ部12に掛けた状態で保持するための金属部材である。フレーム部材7は、電気デバイスDに締結されるデバイス側締結部71と、上側フランジ部12に締結されるフランジ側締結部72と、を有している。デバイス側締結部71は、上下方向に延びており、フランジ側締結部72は、デバイス側締結部71の上端から上側フランジ部12に向けて前方(または後方)に延びている。
図3に示すボルトB1及びナットN1(締結部材)は、蓋2と、補強部材51、52と、フロアパネルFと、を締結するものである。ボルトB1は、補強部材51に溶着されたカラー61を貫通し、その軸部の下端がフロアパネルFよりも下側に突出している。ボルトB1の軸部のうちフロアパネルFの下側に突出した箇所にナットN1が螺合される。なお、フロアパネルFの下面に予めナットN1を溶着するようにしてもよい。なお、他のボルトB2〜B4、ナットN2〜N4については、詳細な説明を省略する。
フロントフロアパネル5及びキックアップ部5aの車室30内側は、上端部が後部座席9の下面と吸気カバー25の上面との間に挟持されたトリム15により覆われている。即ち、トリム15はフロントフロアパネル5及びキックアップ部5aの車室30内側を覆い、さらに上端部が後部座席9の下面まで延びて、吸気カバー25の上面に接続されている。トリム15には、車室30内の空気を取り入れるための吸気グリル16が、蓋2の縦壁23に対向する位置(前方)に設けられている。吸気部は、車室30内の空気を吸気グリル16から冷却用空気として取り入れ、吸気パイプ24の吸気口24aから電気デバイス収容体Pに供給する。
排気部は、図2及び図9に示すように、電気デバイス収容体P(蓋2)から延びて、車室30と荷室31とを区画する環状バルク44の貫通孔45に接続される排気ダクト41を備える。
2 蓋(蓋部材)
8 骨格部材
9 後部座席
41 排気ダクト
42 室内側ダクト(排気ダクト)
43 荷室側ダクト(排気ダクト)
44 環状バルク(補強メンバ)
45 貫通孔
46a 開口縁(内側縁)
48 ホイールハウス
49 荷室トリム
50 空間
54 補強メンバ
54a 内側縁
D 電気デバイス
F フロアパネル
ht 孔(蓋部材の一側端)
P 電気デバイス収容体(電気デバイス収納部)
Claims (3)
- フロアパネルが固定される左右一対の骨格部材間に配置された電気デバイスと、
前記電気デバイスに車室内の空気を供給する吸気部と、
前記電気デバイスを冷却した空気を排気する排気部と、を備える電気デバイスの冷却構造であって、
前記排気部は、前記電気デバイスから延びる排気ダクトを有し、
前記車室と荷室の間には、前記車室と前記荷室とを区画する、前記フロアパネルとホイールハウスとを連結する補強メンバが設けられ、
前記補強メンバの下部には、前記車室と前記荷室とを連通する貫通孔が設けられ、
前記排気ダクトは、前記貫通孔に接続され、
前記電気デバイスは、前記車室側から挿入可能なように箱状に形成された矩形のケース及び前記ケースの開口を覆う蓋部材を備える電気デバイス収納部内に収納されて、後部座席の下方に配置され、
前記排気ダクトは、上流端が前記蓋部材の一側端に接続されて、前記後部座席の凹部を避けた側方且つ前記骨格部材上で前記骨格部材に沿って延設配置される、電気デバイスの冷却構造。 - 請求項1に記載の電気デバイスの冷却構造であって、
前記排気ダクトは、前記補強メンバの後方において、前記補強メンバの内側縁と、前記ホイールハウスの後端部を結び、荷室トリムで囲まれる空間に前記電気デバイスを冷却した空気を排気する、電気デバイスの冷却構造。 - 請求項1又は請求項2に記載の電気デバイスの冷却構造であって、
前記排気ダクトは、室内側ダクトと荷室側ダクトとを有し、
前記室内側ダクトが、前記補強メンバの前記室内側の貫通孔に接続され、
前記荷室側ダクトが、前記補強メンバの前記荷室側の貫通孔に接続される、電気デバイスの冷却構造。
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