JP6134203B2 - 一液型止水剤 - Google Patents

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Description

本発明は一液型止水剤に関するものであり、詳しくは地盤や岩盤、コンクリート等の構造物の漏水箇所に注入することで、水と反応して柔軟かつ追従性のある硬化体を形成し、長期間にわたって止水効果を発揮する一液型止水剤に関するものである。
ポリウレタン樹脂は止水用注入剤としてこれまで各種工事現場や建築物等で広く使用されてきた(特許文献1〜4)。しかしそれらの多くは、水と反応して含水ゲルとなるいわゆる親水性タイプの樹脂を使用したものであり、ゲル状樹脂の分解劣化や、ゲル内部に存在する水分の蒸発による収縮により、止水効果が持続しにくいものであった。また疎水性タイプの発泡性樹脂を使用したものにおいては、発泡性樹脂のために硬化物が脆く、強度面で問題があり、しかも大きな漏水箇所に対して十分な止水性能が発揮されにくい点が指摘されている。
一方、特許文献5には、1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有するポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させて得られる末端イソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーを含有する一液型止水剤が記載されている。
しかし、その硬化物は柔軟性や振動等による注入箇所の変位に対する追従性に欠けるため、地震等の振動により亀裂が入りやすく、止水効果が長期にわたり持続させることが難しいという問題があった。
また、特許文献6には、優れた耐衝撃性及び耐アルカリ性を有するウレタンエラストマー充填材として、有機ポリイソシアネートと、平均官能基数が2〜4であり且つ数平均分子量が1000以下であるポリエーテルポリオールを主成分とするポリオールと、芳香族炭化水素系可塑剤とを含有するウレタンエラストマー充填材が記載されている。
しかし、該充填材は二液型であり、これらの原料を使用して一液型にすると発泡や収縮等により止水性の良好な硬化物が得られないという問題がある。
特開昭62−265383号公報 特開平01−299993号公報 特開平7−109369号公報 特開2002−003821号公報 特開2008−179681号公報 特開2010−24311号公報
本発明が解決しようとする課題は、地盤や岩盤、コンクリート等の構造物の漏水箇所に注入した際、水と反応しても発泡を殆ど生じることなくエラストマー状の柔軟な硬化物を形成し、また硬化後においても収縮が少なく、そして漏水箇所に生じ得る振動やずれなどに対しても十分な追従性を有するウレタンエラストマーを形成し、止水性に優れる一液型止水剤を提供することである。
本発明者らが検討した結果、ポリオール成分としてヒマシ油系ポリオールと、ポリテト
ラメチレングリコール及びテトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体の少なくとも一方のポリオールとを必須として採用し、これを有機ポリイソシアネートと反応させることにより得られるウレタンプレポリマーと、シリコーン系消泡剤との混合物が、水と反応して発泡や収縮が起きにくく柔軟であり、かつ注入箇所の振動やずれに対して追従性のある硬化体を形成し、止水性に優れることを見出した。
すなわち本発明は、ポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、シリコーン系消泡剤とを含有する一液型止水剤であって、前記ポリオールが、ヒマシ油系ポリオールと、ポリテトラメチレングリコール、テトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体、又はポリテトラメチレングリコール及びテトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体とを含有する一液型止水剤に関する。
本発明の一液型止水剤は、漏水を伴う地盤やコンクリート等の破損部分に注入して硬化体を形成することにより止水効果を発揮することができる。特に本発明の一液型止水剤により構成される硬化物は、柔軟かつ注入箇所の変位に対して十分な追従性を有するため、長期にわたって止水効果を維持することが期待できる。
図1は、実施例の施工性試験で使用した装置の外観図である。 図2は、実施例の施工性試験で使用した装置の断面図である。 図3は、実施例の施工性試験で使用した装置の断面図である。
[末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー]
本発明の一液型止水剤に使用する末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、ヒマシ油系ポリオールとポリテトラメチレングリコール及び/又はテトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体を必須として含むポリオールと、有機ポリイソシアネートとを反応させて得られる。
<ポリオール>
本発明で使用するポリオールは、ヒマシ油系ポリオールと、その構造内にオキシテトラメチレン基を有するポリオール、すなわち、ポリテトラメチレングリコール及びテトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体の少なくとも一方とを必須として用いることを特徴とする。
ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油及び変性ヒマシ油(トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオールで変性されたヒマシ油等)が挙げられる。ヒマシ油系ポリオールの含有量は、ポリオール全量に対して1〜30質量%使用することが好ましく、3〜20質量%であればより好ましい。
ポリテトラメチレングリコールは、数平均分子量が100〜3000であれば好ましく、200〜1500であればより好ましい。ポリテトラメチレングリコールの含有量はポリオール全量に対して1〜20質量%であれば好ましく、3〜10質量%であればより好ましい。
テトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体は、構造式:HO−(CHCHCHCHO)m−(CHC(CHCHO)n−で表されるポリエーテルグリコールである。ここで、テトラヒドロフラン由来の構造単位A[−(CHCHCHCHO)−]とネオペンチルググリコール由来の構造単位B[−(CHC(CHCHO)−]の好ましい割合としては、モル比で、構造単位A:構造単位B=92〜15:8〜85、より好ましくは同91〜55:9〜45、特に好ましくは91〜70:9〜30である。またテトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体の数
平均分子量としては、好ましくはは300〜30,000、より好ましくは500〜5,000、さらに好ましくは900〜2,000である。なお、市販品として旭化成せんい(株)製のPTXG(登録商標)シリーズを好適に使用することができる。テトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体の含有量は、ポリオール全量に対して1〜20質量%であれば好ましく、3〜10質量%であればより好ましい。
なお、原料としてのヒマシ油系ポリオールと、ポリテトラメチレングリコール及び/又はテトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体との配合量の比率は、質量比で90〜20:10〜80であれば好ましく、80〜30:20〜70であればより好ましく、例えば70〜40:30〜60である。
本発明で使用することができる上記以外のポリオールは特に限定されるものではないが、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアセタールポリオールを挙げることができる。
〈ポリエーテルポリオール〉
ポリエーテルポリオールとしては、2個以上の活性水素原子を有する化合物(たとえば多価アルコール、多価フェノール、アミンなど)にアルキレンオキサイドが付加した構造を有する(ポリオキシアルキレン鎖を有する)化合物およびそれらの混合物が挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,2−および1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ここで、多価アルコール類としてジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンを使用することが止水性能の向上の点で好ましい。
また、アルキレンオキサイドとしては、炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイドが挙げられ、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−、1,4−あるいは2,3−ブチレンオキサイドを挙げることができる。これらのアルキレンオキサイドは一種のみの使用(付加)としてもよいし、二種以上の併用(ブロックまたはランダム付加)としてもよい。これらの中でもプロピレンオキサイドを用いることが好ましい。
特に疎水性のポリエーテルポリオール、例えばポリオキシアルキレン鎖中に、該ポリオキシアルキレン鎖(付加させたアルキレンオキサイド)の総質量に基いて、オキシプロピレン基を70質量%以上有するポリエーテルポリオールが好ましく、オキシプロピレン基を80質量%以上有するポリエーテルポリオールがより好ましい。
これらのポリエーテルポリオールの中でも特に数平均分子量が100〜50,000のものが好ましく、200〜20,000のものがさらに好ましく使用できる。
上記ポリエーテルポリオールには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコールに加え、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールの1種または2種以上から構成される2量体、並びにその他の低分子量体も含まれる。この中でも特に数平均分子量が100〜50,000のものが好ましく、200〜20,000のものがさらに好ましく使用できる。
〈ポリエステルポリオール〉
ポリエステルポリオールの具体例として、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン又はトリメチロールプロパン等のポリオ
ールとコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等の飽和又は不飽和の多価カルボン酸、若しくはこれらの酸無水物との縮合生成物やポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。これらポリエステルポリオールは必要に応じ二種以上を混合使用することもできる。この中でも特に数平均分子量が100〜50,000のものが好ましく、200〜20,000のものがさらに好ましく使用できる。
〈低分子量ポリオール〉
さらに数平均分子量が500までの低分子量のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどを添加することで、硬化させた場合により強度のある樹脂となるため、適宜添加してもよい。ただし施工性などの面から、低分子量ポリオールの使用量は使用するポリオール全体の30質量%未満であることが好ましい。
<有機イソシアネート>
有機ポリイソシアネートの具体例としては、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(PMDI)、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(CMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
中でも、硬化速度及び経済性の面より、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート及びキシレンジイソシアネートからなる群から選ばれる1種または2種以上と、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートとの、計2種以上の混合イソシアネートとして使用することが好ましい。これら以外の有機ポリイソシアネートを併用する際は、この混合イソシアネートを全イソシアネートの総質量に対して70質量%以上とすることにより、優れた性能を得ることができる。
<ウレタンプレポリマー>
プレポリマー化は、通常、上記ポリオールおよび有機ポリイソシアネートを合成反応装置に仕込んで撹拌し、60〜160℃で反応させて行なうことが通常である。ポリオールと有機ポリイソシアネートの反応当量比は通常NCO/OH=1.5〜10が好ましい。
プレポリマー化の際、必要に応じてモノブチルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、テトラオクチルスズ、ジオクチルスズオキサイド、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート等のスズ系触媒を使用してもよい。
ウレタンプレポリマーのNCO含量は、好ましくは、1〜30質量%、さらに好ましくは3〜25質量%である。
[シリコーン系消泡剤]
本発明に使用するシリコーン系消泡剤としては、例えばオイル型シリコーン消泡剤、オイルコンパウンド型シリコーン消泡剤、自己乳化型シリコーン消泡剤、エマルジョン型シリコーン消泡剤、変性シリコーン消泡剤などが挙げられる。変性シリコーン消泡剤としては、例えばアミノ変性シリコーン消泡剤、カルビノール変性シリコーン消泡剤、メタクリル変性シリコーン消泡剤、ポリエーテル変性シリコーン消泡剤、アルキル変性シリコーン消泡剤、高級脂肪酸エステル変性シリコーン消泡剤、アルキレンオキサイド変性シリコーン消泡剤などが挙げられる。中でも、破泡効果に優れる点で、オイルコンパウンド型シリコーン消泡剤が好ましい。
なお、シリコーン系消泡剤の主成分としては、シリコーン樹脂、シリコーン油から適宜選択でき、中でも特にジメチルポリシロキサンが好適である。また、オイルコンパウンド型とは、シリコーンオイルにシリカ粉を配合したもので、エマルジョン型とは、オイルコンパウンドをO/W型エマルジョンとしたものである。
シリコーン系消泡剤は市販品を使用してもよく、例えば信越化学工業(株)製のシリコーン消泡剤(KM−72、KM−72F、KM−72S、KM−72FS)、東レ・ダウコーニング(株)製のシリコーン消泡剤(シリコンSAG−471、ANTIFOAM A COMPOUND FOOD GRADE、SH 5500 COMPOUND、ANTIFOAM C EMULSION FOOD GRADE、SM5571 EMULSION)などが挙げられる。
シリコーン系消泡剤は、本発明の一液型止水剤の全成分の総質量に対して0.01〜1質量%の量にて使用することが好ましい。
[希釈剤]
さらに本発明の一液型止水剤は、僅かなコンクリートのクラック等に充分に含浸させることができるように、必要に応じて希釈剤を配合することができる。希釈剤の具体例としては、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、2−オキソ−4−メチル−1,3−ジオキソラン、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、またはこれらの混合物が挙げられる。
希釈剤を使用する場合、本発明の一液型止水剤の全成分の総質量に対して20〜60質量%の量にて使用することが好ましい。
またその他、コンクリートのクラック等への含浸を補助する方法として、界面活性剤を使用して一液型止水剤の粘度を低粘度化する方法、ブロック化(オキシム系やイミダゾール系等のブロック化剤によるイソシアネート基の封鎖)する方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
またさらに目的に応じて、整泡剤、架橋剤、着色剤、樹脂改質剤、難燃剤、紫外線吸収剤、耐久性改良剤等の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
以上のようにして製造された一液型止水剤は、水と反応して硬化体を形成するために、配合剤を使用してもよい。このような配合剤として使用される化合物としては、主に有機アミンや金属系触媒が挙げられる。
有機アミンとしては例えばトリエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ステアリルアミン、ジメチルデシルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンテトラミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン等のモノアミン類又はポリアミン類を挙げることができる。
また金属系触媒としてはブチルリチウム、ナトリウムメトキサイド、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ビス(ネオデカエート)スズ等を好ましく挙げることができる。
本発明の一液型止水剤が水と反応することで形成される硬化物は、発泡倍率が通常1.0〜1.2であり、すなわち無発泡あるいは低発泡であることが特徴の一つである。こうした特徴により、高水圧下での止水において特に効果を発揮する。
また、施工状況に応じて、本発明の一液型止水剤の他に樹脂を併用し得る。このように併用できる樹脂としてはエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂(メチルメタアクリレート等)、スチレン系樹脂などがある。その他の樹脂を併用する場合、本発明の止水剤に用いるウレタンプレポリマーの質量に対して1〜50質量%配合することができる。
本発明の一液型止水剤は、従来一般に用いられるウレタン系止水剤と比較して、その硬化物が柔軟であり、注入箇所の振動やずれなどの変位に対する追従性が高く、このため止
水性能を長期にわたり発揮することが期待できる。
なお、本明細書において“追従性”とは、地震の振動等により硬化の充填箇所が変形した場合に、硬化物がその変形の挙動に適従し得るという柔軟性を示す概念であり、すなわち“追従性が高い”とは、振動等により硬化物が変形した場合であっても硬化物の割れや被接着面からの剥がれが生じにくい性質であることを意図したものである。従って本明細書において具体的に示される硬化物の伸び率や接着性の値は追従性に関連する指標として捉えられるものである。また“追従性”は、後述する実施例に示されるように、硬化物に変形を加えた後における止水性能の程度によっても評価され得る。
また本発明の止水剤は一液型であるため、従来提案されている二液型のフォームタイプの注入剤に比較して、実際の施工現場における作業性の面でも非常に良好である。
本発明が上述の効果を奏する要因として、止水剤に用いるウレタンプレポリマーの製造においてヒマシ油ポリオール、オキシテトラメチレン基を有するポリオール(ポリテトラメチレングリコール、テトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体)を使用し、そして止水剤にシリコーン系消泡剤を使用したことによる相乗効果によるものであると考えられる。すなわち、これらを併用することで、破泡効果を高めるとともに各成分同士の分散性を高めることにより、硬化物における発泡の抑制や止水性向上、そして追従性の向上につながったものと考えられる。
以下実施例により本発明を説明する。ただし本発明は、これらの実施例及び比較例によって何ら制限されるものではない。
製造例1
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてグリセリンベースのPOEO付加物(数平均分子量300)を21g、アデカポリエーテルP−1000(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテル、数平均分子量1000)を100g、ヒマシ油系ポリオールとしてUric H−30(伊藤製油(株)製ヒマシ油系ポリオール)を30g、さらにPTMG−650(三菱化学(株)製ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量650)を13g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてコロネート1130(日本ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI:MDI比が56:44、NCO%は32.0%)を200g加え、130〜135℃に昇温し2時間反応させて、NCO含量が10.8%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤としてトリエチレングリコールジメチルエーテル150gとγ−ブチロラクトン100g、そしてシリコーン系消泡剤としてシリコンSAG−471(東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコンパウンド)1.0gを加えて、一液型止水剤U−1を得た。
製造例2
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてジプロピレングリコールベースのPOEO付加物(数平均分子量400)を3.0g、アデカポリエーテルP−3000(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテル、数平均分子量3000)を150g、アデカポリエーテルP−400(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテル、数平均分子量400)を20.0g、ヒマシ油ベースのポリオールとしてHS 2T−1208(豊国製油(株)製ヒマシ油系ポリオール)を15g、さらにPTG−1000(保土谷化学工業(株)製ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量1000)を20.0g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてタケネート500(三井化学(株)製XDI、分子量188)を19g、ルプ
ラネートMB−9S(BASF INOAC ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI:MDI比が59:41、NCO%は32.0%)を200g加え、65〜70℃に昇温し6時間反応させて、NCO含量が14.0%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤としてDBAM(グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチルの混合エステル溶剤)200gとジエチレングリコールジエチルエーテル150g、そしてシリコーン系消泡剤としてSH 5500(東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコンパウンド)1.0gを加えて、一液型止水剤U−2を得た。
製造例3
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてサンニックスFA−703(三洋化成工業(株)製ポリエチレンポリプロピレン系3官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量5000)を5g、ジプロピレングリコールベースのPOEO付加物(数平均分子量3000)を10g、サンニックスPP−3000(三洋化成工業(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量3000)を50g、ヒマシ油系ポリオールとしてUric H−30(伊藤製油(株)製ヒマシ油系ポリオール)を10g、さらにPTG−2000(保土谷化学工業(株)製ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量2000)を10.0g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてタケネート500(三井化学(株)製XDI、分子量188)を30g、コロネート1130(日本ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI:MDI比が56:44、NCO%は32.0%)を300g加え、140〜145℃に昇温し5時間反応させて、NCO含量が24.2%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤としてメチルアセチルリシノレート200gとジエチレングリコールメチルエチルエーテル100g、そしてシリコーン系消泡剤としてシリコンSAG−471(東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコンパウンド)1.0gを加えて、一液型止水剤U−3を得た。
製造例4
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてグリセリンベースのPOEO付加物(数平均分子量300)を5g、ジプロピレングリコールベースのPOEO付加物(数平均分子量400)を10.0g、アデカポリエーテルP−2000(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量2000)を100g、アデカポリエーテルG−300(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系3官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量300)を12g、1,4−ブタンジオール(分子量90)を2.0g、ヒマシ油ベースのポリオールとしてHS CM−075P(豊国製油(株)製ヒマシ油系ポリオール)を20g、さらにPTMG−650(三菱化学(株)製ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量650)を13g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてルプラネートMB−9S(BASF INOAC ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI:MDI比が59:41、NCO%は32.0%)を80gとISONATE 143L(ダウ・ケミカル日本(株)カルボジイミド変性MDI、CMDI:MDI比が20〜40:60〜80)を200g加え、130〜135℃に昇温し4時間反応させて、NCO含量が13.1%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤として2−オキソ−4−メチル−1,3−ジオキソラン200gとブチルアセチルリシノレート150g、そしてシリコーン系消泡剤としてSH 5500(東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコンパウンド)1.0gを加えて、一液型止水剤U−4を得た。
製造例5
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてジプロピレングリコールベースのPOEO付加物(数平均分子量3000)を10.0g、アデカポリエーテルP−3000(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量3000)を50g、アデカポリエーテルP−1000(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量1000)を50g、ヒマシ油系ポリオールとしてHS 2T−1208(豊国製油(株)製ヒマシ油系ポリオール)を30g、さらにPTG−1000(保土谷化学工業(株)製ポリテトラメチレングリコール、数平均分子量1000)を15g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてISONATE 143L(ダウ・ケミカル日本(株)カルボジイミド変性MDI、CMDI:MDI比が20〜40:60〜80)を100g、ルプラネートMB−9S(BASF INOAC ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI:MDI比が59:41、NCO%は32.0%)を50g、タケネート500(三井武田ケミカル(株)製XDI、分子量188)を150g加え、90〜95℃に昇温し6時間反応させて、NCO含量が22.6%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤としてγ−ブチロラクトン50gとブチルアセチルリシノレート150g、そしてシリコーン系消泡剤としてシリコンSAG−471(東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコンパウンド)1.0gを加えて、一液型止水剤U−5を得た。
製造例6
製造例5で調製した一液型止水剤U−5 100gに対し、1gの割合でトリエチルアミンを配合剤として添加し、一液型止水剤U−6を得た。尚、トリエチルアミンの添加は水を添加して硬化させる直前、すなわち後述する<(2)硬化樹脂の性状>の試験時に、止水剤に対して水とともに添加した。
製造例7
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてグリセリンベースのPOEO付加物(数平均分子量300)を21g、アデカポリエーテルP−1000(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテル、数平均分子量1000)を100g、ヒマシ油系ポリオールとしてUric H−30(伊藤製油(株)製ヒマシ油系ポリオール)を30g、さらにPTXG−1000(旭化成せんい(株)製テトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体、数平均分子量1000)を13g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてコロネート1130(日本ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI:MDI比が56:44、NCO%は32.0%)を200g加え、130〜135℃に昇温し2時間反応させて、NCO含量が11.0%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤としてトリエチレングリコールジメチルエーテルを150gとγ−ブチロラクトン100g、そしてシリコーン系消泡剤としてシリコンSAG−471(東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコンパウンド)1.0gを加え、一液型止水剤U−7を得た。
製造例8
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてグリセリンベースのPOEO付加物(数平均分子量300)を21g、アデカポリエーテルP−1000(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテル、数平均分子量1000)を100g、ヒマシ油系ポリオールとしてUric H−30(伊藤製油(株)製ヒマシ油系ポリオール)を30g、さらにPTXG−1800(旭化成せんい(株)製テトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体、数平均分子量1800)を13g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてコロネート1130(日本ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI
:MDI比が56:44、NCO%は32.0%)を200g加え、130〜135℃に昇温し2時間反応させて、NCO含量が11.3%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤としてトリエチレングリコールジメチルエーテルを150gとγ−ブチロラクトン100g、そしてシリコーン系消泡剤としてシリコンSAG−471(東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコンパウンド)1.0gを加え、一液型止水剤U−8を得た。
比較製造例1
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてTR−4085(三洋化成工業(株)製ポリエーテルポリオール、数平均分子量4000)を12g、グリセリンベースのPOEO付加物(数平均分子量300)を9.0g、さらにアデカポリエーテルG−300(ADEKA(株)製グリコールベース・ポリプロピレン系3官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量300)を18.0g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてルプラネートMB−9S(BASF INOAC ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI:MDI比が59:41、NCO%は32.0%)を200g加え、80〜85℃に昇温し8時間反応させて、NCO含量が24.1%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤としてγ−ブチロラクトン170g、シリコーン系消泡剤としてシリコンSAG−471(東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコンパウンド)2.0gを加え、比較サンプルE−1を得た。
比較製造例2
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてDI−4060(三洋化成工業(株)製ポリエチレンポリプロピレン系2官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量4000)を40g、アデカポリエーテルG−300(ADEKA(株)製グリコールベース・ポリプロピレン系3官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量300)を12g、ジプロピレングリコールベースのPOEO付加物(数平均分子量400)を24g、さらにPTMG−650(三菱化学(株)製ポリテトラメチレングリコール、数平均分子量650)を6.5g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてトリレンジイソシアネート(TDI、分子量174)を150g加え、120〜125℃に昇温し2時間反応させて、NCO含量が26.0%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤として2−オキソ−4−メチル−1,3−ジオキソラン200gを加え、比較サンプルE−2を得た。
比較製造例3
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてアデカポリエーテルG−300(ADEKA(株)製グリコールベース・ポリプロピレン系3官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量300)を20g、アデカポリエーテルP−3000(プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテル、ADEKA(株)製ポリエーテルポリオール、数平均分子量3000)を60g、さらにUric H−30(伊藤製油(株)製ヒマシ油系ポリオール)を10g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてコロネート1130(日本ポリウレタン(株)製クルードMDI、NCO%は32.0%)を150g加え、130〜135℃に昇温し1.5時間反応させて、NCO含量が18.3%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤としてγ−ブチロラクトン100gとブチルアセチルリシノレート100gを加え、比較サンプルE−3を得た。
比較製造例4
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオー
ル成分としてアデカポリエーテルP−3000(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量3000)を10g、グリセリンベースのPOEO付加物(数平均分子量300)を3.0g、さらにアデカポリエーテルG−3000(ADEKA(株)製グリコールベース・ポリプロピレン系3官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量3000)90g、さらにHS CM−075P(豊国製油(株)製ヒマシ油系ポリオール)を10g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてルプラネートMB−9S(BASF INOAC ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI:MDI比が59:41、NCO%は32.0%)100gとトリレンジイソシアネート(TDI、分子量174)を50g加え、70〜75℃に昇温し7時間反応させて、NCO含量が18.9%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤として2−オキソ−4−メチル−1,3−ジオキソラン100gとγ−ブチロラクトン50g、シリコーン系消泡剤としてシリコンSAG−471(東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコンパウンド)1.0gを加え、比較サンプルE−4を得た。
比較製造例5
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてグリセリンベースのPOEO付加物(数平均分子量300)を21g、アデカポリエーテルP−1000(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテル、数平均分子量1000)を100g、ヒマシ油系ポリオールとしてUric H−30(伊藤製油(株)製ヒマシ油系ポリオール)を30g、さらにPTMG−650(三菱化学(株)製ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量650)を13g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてコロネート1130(日本ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI:MDI比が56:44、NCO%は32.0%)を200g加え、130〜135℃に昇温し2時間反応させてNCO含量が10.8%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤としてトリエチレングリコールジメチルエーテルを150gとγ−ブチロラクトン100gを加えて、比較サンプルE−5を得た。
比較製造例6
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてグリセリンベースのPOEO付加物(数平均分子量300)を21g、アデカポリエーテルP−1000(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテル、数平均分子量1000)を100g、さらにPTMG−650(三菱化学(株)製ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量650)を13g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてコロネート1130(日本ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI:MDI比が56:44、NCO%は32.0%)を200g加え、130〜135℃に昇温し2時間反応させてNCO含量が12.9%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤としてトリエチレングリコールジメチルエーテルを150gとγ−ブチロラクトン100g、そしてシリコーン系消泡剤としてシリコンSAG−471(東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコンパウンド)1.0gを加えて、比較サンプルE−6を得た。
比較製造例7
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてグリセリンベースのPOEO付加物(数平均分子量300)を21g、アデカポリエーテルP−1000(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテル、数平均分子量1000)を100g、さらにヒマシ油系
ポリオールとしてUric H−30(伊藤製油(株)製ヒマシ油系ポリオール)を30g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてコロネート1130(日本ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI:MDI比が56:44、NCO%は32.0%)を200g加え、130〜135℃に昇温し2時間反応させてNCO含量が12.0%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤としてトリエチレングリコールジメチルエーテルを150gとγ−ブチロラクトン100g、そしてシリコーン系消泡剤としてシリコンSAG−471(東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコンパウンド)1.0gを加えて、比較サンプルE−7を得た。
比較製造例8
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成装置にポリオール成分としてグリセリンベースのPOEO付加物(数平均分子量300)を21g、さらにアデカポリエーテルP−1000(ADEKA(株)製プロピレングリコールベース・ポリプロピレン系2官能ポリエーテル、数平均分子量1000)を100g加えた。次いで同装置にイソシアネート成分としてコロネート1130(日本ポリウレタン(株)製クルードMDI、PMDI:MDI比が56:44、NCO%は32.0%)を200g加え、130〜135℃に昇温し2時間反応させてNCO含量が14.0%のウレタンプレポリマーを得た。
最後に希釈剤としてトリエチレングリコールジメチルエーテルを150gとγ−ブチロラクトン100g、そしてシリコーン系消泡剤としてシリコンSAG−471(東レ・ダウコーニング(株)製シリコーンコンパウンド)1.0gを加えて比較サンプルE−8を得た。
[性能評価]
上記製造例1〜8及び比較製造例1〜8で得た一液型止水剤を以下(1)〜(5)の試験に供した。結果を表1に示す。
(1)止水剤性状
各止水剤の外観を目視にて観察した。またB型粘度計(ブルックフィールド社製)でNo.2のローターを用い、60rpm、20℃における粘度を測定した。
(2)硬化樹脂(止水剤硬化物)の性状
各止水剤10gを100gのデスカップに加えてから、ここに水1.0gを加え、止水剤の硬化時間と硬化直後の発泡倍率を測定した。得られた硬化樹脂の外観を観察し、硬化樹脂の性状、発泡及び収縮の有無(硬化直後・24時間後)を観察した。
(3)硬化樹脂の硬度
前記(2)の手順にて作製した硬化樹脂のショアA硬度をJIS K6253に準拠した方法で測定した。
(4)硬化樹脂の引張強度・伸び率
前記(2)の手順にて作製した硬化樹脂を硬化後3日間常温(およそ20℃)で放置した後、JIS K7161に基づき、硬化樹脂の引張強度と伸び率の測定を実施した。
(5)施工性試験
水を含浸させたコンクリートクラックにグリースガンで各止水剤を注入し、その注入性、硬化後の止水性、クラックの変位に対する追従性及びコンクリートへの接着性を以下の手順並びに評価基準により評価した。
<試験手順並びに評価基準>
1.コンクリート平板(横600mm×縦300mm×板厚60mm)の表面の縦横周辺部にスペーサー(5.0mm)をセットし、その上に上記と同じ大きさのコンクリート平板を所定の空隙幅(5.0mm)が確保されるように重ね合わせた。
2.スペーサによって確保された重ね合わせた2枚の平板の空隙の端部に、注水ノズルと排水孔をセットし、該ノズルと該排水孔とを急結セメントにて固定した(図1参照)。
3.注水ノズルより水を注入し、重ねあわせた2枚の平板表面を濡らして止水剤(樹脂)が硬化できる状態とした。
4.重ねあわせた2枚の平板の断面(厚さ)方向に対して、一方の面からハンマードリルで削孔(孔の深さ約90mm)し、削孔上部に直径13mmの薬液注入管(O注入管)を設置した。
5.高圧注入機を用い、0.5kg/cmの水圧にて注水ノズルから再度水を注入した。そして水の注入下にて薬液注入管を通して各止水剤を約1kg注入した(図2参照)。止水剤注入施工時における止水剤の注入性を、以下の基準により判定した。
<注入性>
良好:注入中、注入管に目詰りなどが生じずに止水剤を注入できる。
やや不良:注入中、注入管に目詰りが多少生じるが、止水剤は注入できる。
不良:注入中、注入管に目詰りが生じ、止水剤の注入が困難となる。
6.止水剤注入終了後、水の注入を停止し、止水剤の硬化を確認した後、注入水の水圧を1.0kg/cmに引き上げ、30分間このまま水の注入を保った。そして重ね合わせた2枚の平板の空隙より漏水した水を回収して質量(g)を測定した。漏水量が少ないほど止水性が高いと評価できる。
7.注入性及び止水性の試験後、上下のコンクリート平板をジャッキを用いて横方向に力を加え、2.0mmずらした(図3参照)。このとき、6.と同様に水圧を1.0kg/cmにて水道水を注水ノズルより30分間継続して注入した。6.の止水性の評価と同様に2枚の平板の空隙より漏水した水を回収して質量(g)を測定した。このときの漏水量が少ないほど追従性が高いと評価できる。
8.追従性の試験後、最後に、重ねあわせた2枚のコンクリート平板を解体した。このとき、2枚のコンクリート平板が簡単に剥がれたかどうかを以下の基準により評価し、接着性を評価した。
<接着性>
良好:平板上面(削孔された面)をフックにかけ、地上より10cmの高さに持ち上げても、30分以上下面との剥離はない。
やや不良:平板上面をフックにかけ、地上より10cmの高さに持ち上げると、10分〜30分で下面と剥離する。
不良:平板上面をフックにかけ、地上より10cmの高さに持ち上げると、10分未満で下面と剥離する。
Figure 0006134203
以上、表1の結果に示すとおり、本発明に係る一液型止水剤は、(1)〜(5)のいずれの性能においても優れているとする結果が得られた。

Claims (3)

  1. ポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、シリコーン系消泡剤とを含有する一液型止水剤であって、
    前記ポリオールが、ヒマシ油系ポリオールと、ポリテトラメチレングリコール、テトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体、又はポリテトラメチレングリコール及びテトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体とを含有することを特徴とする、一液型止水剤。
  2. 前記ポリオールが、ポリオキシアルキレン鎖中にオキシプロピレン基を該ポリオキシアルキレン鎖の総質量に基いて70質量%以上有するポリエーテルポリオールを更に含有する、請求項1に記載の一液型止水剤。
  3. さらに希釈剤を含有する、請求項1又は2に記載の一液型止水剤。
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