JP2005314681A - 1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材 - Google Patents
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Abstract
低分子有機溶剤を使用しない作業環境の良好な1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材を提供する。
【解決手段】
数平均分子量が250〜4000のポリオキシテトラメチレングリコールをポリオール混合物中の水酸基当量で40〜80%含有する(A)ポリオール成分と、(B)ポリイソシアネート成分を反応させるに際して、生成したイソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有率が1.5〜3.6質量%になるようにポリオール成分とイソシアネート成分を反応させて得られる、(C)イソシアネート基末端プレポリマーに、(D)二酸化炭素ガス吸収剤、(E)充填剤、(F)可塑剤と(G)硬化促進剤を添加し混合した、粘度が6000〜50000mPa・s/23℃の範囲にある、1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
【選択図】 なし
Description
「ポリウレタン応用技術」、シーエムシー、1999年、p.145〜147
イソシアネート基末端プレポリマー中のイソシアネート基含有率を下げるためには、プレポリマーの分子量を大きくして、単位体積あるいは単位重量当りの末端イソシアネート基の数を少なくする必要がある。そのため、プレポリマーの粘度が増加することになる。
イソシアネート基末端プレポリマーの粘度が高い場合、防水材の粘度を上記粘度範囲にするために、低沸点有機溶剤を防水材に加え、粘度を下げる方法がある。しかし、低沸点有機溶剤の人体に与える諸弊害を考慮すれば防水材中に低沸点有機溶剤を加えることは避けなければならない。
低沸点有機溶剤を加えずに、粘度を低下させる方法としては、低沸点有機溶剤の代わりに高沸点の可塑剤を加える方法があるが、可塑剤を多量に添加すると、硬化後の塗膜物性の低下を招く。特に高温時の強度保持率の低下が著しく、JIS A6021の温度依存性基準に適合しなくなる。
「建築工事標準仕様書・同解説 JASS 8 防水工事 1981」、日本建築学会、1981年、p.291
本発明は、低分子有機溶剤を使用しなくてよい点で、また多量の可塑剤を使用しなくてもよい点で従来の技術より優れている。
イソシアネート基含有率が1.5質量%未満だと、防水材の粘度を6000〜50000mPa・s/23℃にするために添加する可塑剤の量が多くなり、硬化後の塗膜物性の低下を招く。特に高温時の強度保持率の低下が著しく、JISA6021の規格に適合しない。3.6質量%を超えると、二酸化炭素ガスの発生量が多くなり、多くの二酸化炭素ガス吸収剤を防水材中に添加しなければならないので、防水材の粘度が50000mPa・s/23℃より大きくなり、施工が困難になる。
ポリオキシテトラメチレングリコールと併用するポリオールは、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、1,2−ポリブタジエンポリオール、1,4−ポリブタジエンポリオール、ポリブチレンアジペートと3−メチルペンタンジオールのエステル交換反応物、テトラヒドロフランと3−アルキルテトラヒドロフランの開環重合で得られる共重合体、テトラヒドロフランとプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドの共重合体、テトラヒドロフランと炭素数が2〜6の脂肪族であるグリコールの共重合体等の非晶性ポリオールで分子量が5000以下のものである。これらのポリオールを1種類あるいは2種類以上を混合して使用する。
1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材への二酸化炭素ガス吸収剤の配合量は、上記イソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して1〜17質量部である。比表面積が100m2/g以上の酸化マグネシウム1〜15質量部と水酸化カルシウム0.1〜2質量部を配合するのが好ましい。水酸化カルシウムが2質量部を超えると、塗膜の耐水性が低下する。
これら充填剤の配合量は、上記(C)イソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して5〜25質量部である。また、充填剤は前記充填剤の2種以上を混合して用いてもよい。
これらの可塑剤の添加量は、上記(C)イソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して5〜60質量部である。
硬化促進剤の添加量は、上記(C)イソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して0.001〜0.25質量部である。
次に撹拌装置、温度調節器、冷却管、減圧装置を取り付けた3リットル四つ口セパラブルフラスコにアジピン酸ジイソノニル650.2g、炭酸カルシウム305g、比表面積が100m2/gの酸化マグネシウム168g、水酸化カルシウム24g、着色剤であるPDグレーS−38(御国色素(株)(兵庫県姫路市)製)24g、酸化防止剤であるIRGANOX 1010(チバガイギー(株)(スイス)製)及び紫外線吸収剤であるTINUVIN 328(チバガイギー(株)(スイス)製)をそれぞれ4.8g、消泡剤であるフローレンAC−2000HF(共栄化学(株)(奈良)製)7.2gを計量して、良く撹拌混合しながら温度を60℃に調節し、次いで先に得られたプレポリマーの全量を加えて良く撹拌混合しながら1333Paの減圧度で1時間減圧脱泡したのち、温度を40℃に降下して最後にアミン系硬化促進剤であるU−CAT660M(サンアプロ(株)(京都市)製)を0.72g加えて良く混合して1成分形ウレタン塗膜防水材を得た。得られた1成分形ウレタン塗膜防水材の粘度は7800mPa・s/23℃であり、その硬化速度は温度23℃湿度50%の雰囲気下で24時間であった。
また、得られた1成分形ウレタン塗膜防水材をモルタル板上に膜厚さが3mmになるように塗布し、温度50℃湿度80%の雰囲気下で硬化させたとき、塗膜中に発砲現象が認められなかった。又温度23℃湿度50%の標準状態下で10日間硬化させた塗膜の物性はJISA6021のウレタンゴム系1類に規定される全ての要件を満たしていた。
次に撹拌装置、温度調節器、冷却管、減圧装置を取り付けた3リットル四つ口セパラブルフラスコにアジピン酸ジイソノニル703.8g、炭酸カルシウム305g、比表面積が20m2/gの酸化マグネシウム432.0g、水酸化カルシウム24g、着色剤であるPDグレーS−38(御国色素(株)(兵庫県姫路市)製)24g、酸化防止剤であるIRGANOX 1010(チバガイギー(株)(スイス)製)及び紫外線吸収剤であるTINUVIN 328(チバガイギー(株)(スイス)製)をそれぞれ4.8g、消泡剤であるフローレンAC−2000HF(共栄化学(株)(奈良)製)7.2gを計量して、良く撹拌混合しながら温度を60℃に調節し、次いで先に得られたプレポリマーの全量を加えて良く撹拌混合しながら1333Paの減圧度で1時間減圧脱泡したのち、温度を40℃に降下して最後にアミン系硬化促進剤であるU−CAT660M(サンアプロ(株)(京都市)製)を0.72g加えて良く混合して1成分形ウレタン塗膜防水材を得た。得られた1成分形ウレタン塗膜防水材の粘度は8400mPa・s/23℃であり、その硬化速度は温度23℃湿度50%の雰囲気下で24時間であった。
また、得られた1成分形ウレタン塗膜防水材をモルタル板上に膜厚さが3mmになるように塗布し、温度50℃湿度80%の雰囲気下で硬化させたとき、塗膜中に発砲現象が認められなかった。又温度23℃湿度50%の標準状態下で10日間硬化させた塗膜の物性はJISA6021のウレタンゴム系1類に規定される全ての要件を満たしていた。
撹拌装置、温度調節器、冷却管、減圧装置を取り付けた2リットル四つ口セパラブルフラスコに、水酸基価112.2のポリオキシプロピレンジオール300gと水酸基価が37.4のポリオキシプロピレントリオール600gと水酸基価が37.4のポリオキシプロピレンジオール300gを仕込み、110℃に加熱しながら、1333Paの減圧度で2時間脱水した後温度を60℃まで降下し、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートを285g加えて徐々に加熱し、30分で90℃まで昇温し、その90℃を維持しながら4時間反応を継続し、プレポリマー中の活性イソシアネート量が2.9質量%に到達した時点を反応の終点とし、温度を40℃に降下した。
次に撹拌装置、温度調節器、冷却管、減圧装置を取り付けた3リットル四つ口セパラブルフラスコにアジピン酸ジイソノニル650.2g、炭酸カルシウム305g、比表面積が100m2/gの酸化マグネシウム168g、水酸化カルシウム24g、着色剤であるPDグレーS−38(御国色素(株)(兵庫県姫路市)製)24g、酸化防止剤であるIRGANOX 1010(チバガイギー(株)(スイス)製)及び紫外線吸収剤であるTINUVIN 328(チバガイギー(株)(スイス)製)をそれぞれ4.8g、消泡剤であるフローレンAC−2000HF(共栄化学(株)(奈良)製)7.2gを計量して、良く撹拌混合しながら温度を60℃に調節し、次いで先に得られたプレポリマーの全量を加えて良く撹拌混合しながら1333Paの減圧度で1時間減圧脱泡したのち、温度を40℃に降下して最後にアミン系硬化促進剤であるU−CAT660M(サンアプロ(株)(京都市)製)を0.72g加えて良く混合して1成分形ウレタン塗膜防水材を得た。得られた1成分形ウレタン塗膜防水材の粘度は5800mPa・s/23℃であり、その硬化速度は温度23℃湿度50%の雰囲気下で48時間であった。
また、得られた1成分形ウレタン塗膜防水材をモルタル板上に膜厚さが3mmになるように塗布し、温度50℃湿度80%の雰囲気下で硬化させたとき、塗膜中に発砲現象が認められなかった。又温度23℃湿度50%の標準状態下で10日間硬化させた塗膜の物性はJISA6021のウレタンゴム系1類に規定される、引裂強度及び60℃熱間強度保持率をクリアーできなかった。
撹拌装置、温度調節器、冷却管、減圧装置を取り付けた2リットル四つ口セパラブルフラスコに、水酸基価112.2のポリオキシテトラメチレングリコール(保土谷化学工業製)300gと水酸基価が37.4のポリオキシプロピレントリオール600gと水酸基価が37.4のポリオキシプロピレンジオール300gを仕込み、110℃に加熱しながら、1333Paの減圧度で2時間脱水した後温度を60℃まで降下し、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートを285g加えて徐々に加熱し、30分で90℃まで昇温し、その90℃を維持しながら4時間反応を継続し、プレポリマー中の活性イソシアネート量が2.9質量%に到達した時点を反応の終点とし、温度を40℃に降下した。
次に撹拌装置、温度調節器、冷却管、減圧装置を取り付けた3リットル四つ口セパラブルフラスコにアジピン酸ジイソノニル650.2g、炭酸カルシウム497g、着色剤であるPDグレーS−38(御国色素(株)(兵庫県姫路市)製)24g、酸化防止剤であるIRGANOX 1010(チバガイギー(株)(スイス)製)及び紫外線吸収剤であるTINUVIN 328(チバガイギー(株)(スイス)製)をそれぞれ4.8g、消泡剤であるフローレンAC−2000HF(共栄化学(株)(奈良)製)7.2gを計量して、良く撹拌混合しながら温度を60℃に調節し、次いで先に得られたプレポリマーの全量を加えて良く撹拌混合しながら1333Paの減圧度で1時間減圧脱泡したのち、温度を40℃に降下して最後にアミン系硬化促進剤であるU−CAT660M(サンアプロ(株)(京都市)製)を0.72g加えて良く混合して1成分形ウレタン塗膜防水材を得た。得られた1成分形ウレタン塗膜防水材の粘度は6600mPa・s/23℃であり、その硬化速度は温度23℃湿度50%の雰囲気下で30時間であった。
また、得られた1成分形ウレタン塗膜防水材をモルタル板上に膜厚さが3mmになるように塗布し、温度50℃湿度80%の雰囲気下で硬化させたとき、塗膜中に著しい発砲現象が認められた。又温度23℃湿度50%の標準状態下で10日間硬化させた塗膜の物性はJISA6021のウレタンゴム系1類に規定される全ての要件を満たすことができなかった。これは塗膜形成段階での発泡現象によって、塗膜強度が著しく低下したことによるものである。
Claims (15)
- 数平均分子量が250〜4000のポリオキシテトラメチレングリコールをポリオール混合物中の水酸基当量で40〜80%含有する(A)ポリオール成分と、(B)ポリイソシアネート成分を反応させるに際して、生成したイソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有率が1.5〜3.6質量%になるようにポリオール成分とイソシアネート成分を反応させて得られる、(C)イソシアネート基末端プレポリマーに、(D)二酸化炭素ガス吸収剤、(E)充填剤、(F)可塑剤と(G)硬化促進剤を添加し混合した、粘度が6000〜50000mPa・s/23℃の範囲にある、1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(D)である二酸化炭素ガス吸収剤の配合量が、前記した(C)であるイソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して、1〜17質量部である請求項1記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(E)である充填剤の配合量が、前記した(C)であるイソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して、5〜25質量部である請求項1または請求項2記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(F)である可塑剤の配合量が、前記した(C)であるイソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して、5〜60質量部である請求項1〜3いずれかの項に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(G)である硬化促進剤の配合量が、前記した(C)であるイソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して、0.001〜0.25質量部である請求項1〜4いずれかの項に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(A)であるポリオール成分の数平均分子量が250〜2000である請求項1〜5いずれかの項に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(B)であるポリイソシアネート成分が、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートである請求項1〜6いずれかの項に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(D)である二酸化炭素ガス吸収剤が、酸化マグネシウム単独、または、酸化マグネシウムと水酸化カルシウムの混合物である請求項1〜7いずれかの項に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(D)である二酸化炭素ガス吸収剤が、比表面積が20m2/g以上の酸化マグネシウムである請求項1〜8いずれかの項に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(D)である二酸化炭素ガス吸収剤が、比表面積が100m2/g以上の酸化マグネシウムである請求項1〜9いずれかの項に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(D)である二酸化炭素ガス吸収剤が、前記した(C)であるイソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して、比表面積が100m2/g以上の酸化マグネシウム1〜15質量部と水酸化カルシウム0.1〜2質量部である請求項1〜10いずれかの項に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(E)である充填剤が、炭酸カルシウムである請求項1〜11いずれかの項に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(F)である可塑剤が、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ノルマルパラフィン、アルキルベンゼンから選択される1種類または2種類以上の混合物である請求項1〜12いずれかの項に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(F)である可塑剤が、アジピン酸ジイソノニルである請求項1〜13いずれかの項に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
- 前記した(G)である硬化促進剤が、ウレタン化触媒であるモノアミン類触媒、ジアミン類触媒、トリアミン類触媒、環状アミン類触媒、アルコールアミン類触媒、エーテルアミン類触媒、有機錫系触媒、有機水銀系触媒、有機鉛系触媒から選択される1種類または2種類以上の混合物である、請求項1〜14いずれかの項に記載の1液湿気硬化型ポリウレタン塗膜防水材。
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