以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る振動装置、電子機器、および携帯端末は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
図1〜図3に示すように、振動装置X1は、振動板1、支持板2、振動体3、および接着部材4を備えている。
振動板1は、使用者に対して触覚を伝達する役割を有する。振動板1は、第1主面1Aおよび第2主面1Bを有する。第1主面1Aは、第2主面1Bよりも使用者側に位置している。第2主面1Bは、第1主面1Aの反対側に位置している。振動装置X1は、例えば、振動板1の第1主面1A上における使用者の入力操作に応じて、当該使用者に触覚を伝達する。なお、本実施形態では、振動板1は、平面視して略矩形状であるが、これに限らず、例えば、平面視して略円形状あるいは略多角形状等であってもよい。
振動板1としては、例えば、ガラス基板、セラミック基板、あるいは樹脂基板等を採用することができる。なお、振動板1は、上記の基板のみによって構成されていなくともよい。すなわち、振動板1は、例えば、上記の基板上に複数の部材を備えていてもよい。ここで、複数の部材としては、例えば、振動板1を強化するための部材、振動板1に入力操作機能を付与するための部材、振動板1の一部を遮光するための部材、あるいは各種の配線導体等が挙げられる。
支持板2は、振動板1および振動体3を支持する役割を有する。支持板2は、第3主面2Aおよび第4主面2Bを有する。第3主面2Aは、振動板1の第2主面1Bと対向している。第4主面2Bは、第3主面2Aの反対側に位置している。なお、本実施形態では、支持板2は、平面視して矩形状であるが、これに限らず、略矩形状、略円形状、あるいは略多角形状であってもよい。
支持板2は、外縁部2aを有している。外縁部2aは、平面視して振動板1よりも外側に位置する部位である。換言すれば、外縁部2aは、平面視して振動板1と重なっていない。なお、支持板2の全部は、平面視して振動板1と重なっていてもよい。支持板2の全部が平面視して振動板1と重なっていると、振動装置X1の小型化を実現することができる。
支持板2の構成材料としては、例えば、金属材料、あるいは樹脂材料が挙げられる。金属材料としては、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金、あるいはステンレス鋼が挙げられる。また、樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂材料、ポリカーボネイト系樹脂材料、エポキシ系樹脂材料、あるいはポリイミド系樹脂材料が挙げられる。また、樹脂材料としては、繊維強化プラスチックスを用いることが好ましい。繊維強化プラスチックスとしては、炭素繊維強化プラスチックスを用いることができる。
なお、支持板2の構成材料としてステンレス鋼を採用した場合、支持板2の厚みを0.5mm以下とすることができる。また、支持板2の構成材料として炭素繊維強化プラスチックスを採用した場合、支持板2の厚みを0.3mm以下とすることができる。すなわち、支持板2をこれらの構成材料によって構成することで、当該支持板2の厚みを相対的に小さくすることができる。
振動体3は、支持板2および接着部材4を介して振動板1に伝達される振動を発生する役割を有する。本実施形態では、振動体3は、印加された電圧に基づいて支持板2を湾曲振動させる機能を有した圧電素子である。なお、本明細書において、湾曲振動とは、屈曲振動も含む意味である。振動体3は、図示しない接着材料を介して支持板2の第4主面2B上に設けられている。このため、支持板2は、振動体3の振動に対応して振動することができる。振動体3は、平面視して略矩形状であり、支持板2の長辺方向(図2にてY方向)に沿って2つ配置されている。
振動体3は、中央部3aを有している。中央部3aは、例えば、振動体3を当該振動体3の長手方向に7分割した場合における、真ん中に位置する部位とすることができる。なお、振動体3は、平面視して略矩形状でなくともよく、例えば、平面視して略円形状であってもよい。このような場合、中央部3aは、例えば、平面視して振動体3と略同心円で且つ当該振動体3の7分の1の半径を有する部位とすることができる。なお、振動体3の平面視形状、個数、あるいは配置位置は、任意であり、振動装置X1の使用態様に応じて適宜変更することができる。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、振動体3は、使用者が振動板1を第1主面1Aから第2主面1Bへ押圧した場合に、当該押圧による支持板2の歪に応じた電圧を発生する機能を有する。このため、本実施形態では、振動体3は、歪センサとしても機能する。
振動体3としては、例えば、誘電体層と電極層とが交互に積層された積層型圧電素子を用いることができる。振動体3として積層型圧電素子を用いると、歪センサとしての当該振動体3の感度を相対的に高くすることができる。また、振動体3の形状としては、ユニモルフ型あるいはバイモルフ型のいずれかを採用してもよい。なお、振動体3は、支持板2の第4主面2B上に直接設けられていなくともよい。すなわち、振動体3は、例えば、金属筺体に収容されており、当該金属筺体を介して支持板2を振動させる構成としてもよい。また、本実施形態では、振動体3として圧電素子を採用した例について説明したが、これに限らず、圧電素子に代えて、電磁式振動体あるいはモータ等を採用してもよい。
接着部材4は、振動板1の第2主面1Bと支持板2の第3主面2Aとの間に設けられている。具体的には、接着部材4は、振動板1の第2主面1Bに接着されるとともに、支持板2の第3主面2Aに接着されている。接着部材4の厚みは、例えば、0.01〜0.2mmとすることができる。特に、接着部材4の厚みは、0.05〜1mmとすることが好ましい。接着部材4の構成材料としては、例えば、エポキシ系、アクリル系、あるいはシリコーン系の接着剤が挙げられる。
ここで、接着部材4は、配置領域A1に位置している。配置領域A1は、振動板1の第2主面1Bと支持板2の第3主面2Aとの間において、接着部材4が配置される領域である。配置領域A1の全部は、平面視して振動板1の第2主面1Bの内側に位置している。このため、接着部材4の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さい。また、振動体3の少なくとも一部は、平面視して接着部材4と重なっている。このため、振動板1における振動が小さくなる可能性を低減しつつ、振動板1にクラック等の不良が生じる可能性を低減することができる。
具体的には、従来の振動装置では、例えば、接着部材は、振動板の第2主面の全面と接着される。このため、振動体における振動は、接着部材を介して振動板に伝達することができる。しかしながら、振動板の第2主面の全面と支持板の第3主面とが接着部材によって接着されている場合、振動体の振動によって支持板が湾曲した際に、当該湾曲に対応して振動板も湾曲することになる。このため、振動板には、当該湾曲に応じた応力が加わることになる。そのため、振動板にクラックあるいは欠けが生じてしまう可能性があった。また、振動板に設けられた部材が、当該振動板から剥がれてしまう可能性があった。特に、振動体として、伸縮運動を行う圧電素子等を採用した場合、上記の問題が生じる可能性は高かった。
そこで、振動装置X1では、接着部材4の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さい。このため、図4に示すように、振動体3の振動によって支持板
2が湾曲した場合に、接着部材4の平面視における面積が相対的に小さいので、当該湾曲が振動板1に伝達される可能性を低減することができる。そのため、支持板2の湾曲量に比して、振動板1の湾曲量を小さくすることができる。この結果、振動板1にクラック等の不良が生じる可能性を低減することができる。
しかしながら、接着部材4の平面視における面積が振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さい場合、振動板1の湾曲量を小さくすることができるものの、支持板2における振動が振動体3に伝達されにくくなる可能性がある。そこで、振動装置X1では、振動体3の少なくとも一部は、平面視して接着部材4と重なっている。このため、振動体3における振動によって支持板2が湾曲した際に、支持板2のうち当該湾曲量が相対的に大きい部位が、平面視して接着部材4と重なることになる。そのため、振動板1は、支持板2の湾曲に応じて、接着部材4を介して厚み方向(図3および図4にてZ方向)に押し上げられるように振動することができる。このため、振動板1が湾曲する可能性を低減しつつも、振動体3から振動板1に対して相対的に大きい振動を伝達することができる。
なお、本実施形態のように、振動体3の中央部3aは、平面視して接着部材4と重なっていることが好ましい。ここで、支持板2のうち振動体3の中央部3aと重なる部位は、湾曲量が相対的に大きくなりやすい部位である。このため、振動装置X1では、振動体3から振動板1に対してより大きい振動を伝達することができる。
また、本実施形態では、接着部材4は、振動板1の第2主面1Bに接着されるとともに、支持板2の第3主面2Aに接着されているが、これに限らない。接着部材4は、振動板1の第2主面1Bに接着されており、支持板2の第3主面2Aに接着されていなくともよい。また、接着部材4は、支持板2の第3主面2Aに接着されており、振動板1の第2主面1Bに接着されていなくともよい。このような構成によれば、振動体3の振動によって支持板2が湾曲した場合に、当該湾曲が振動板1に伝達される可能性をより低減することができる。このため、支持板2の湾曲量に比して、振動板1の湾曲量をより小さくすることができる。このような構成における接着部材4としては、例えば、ブタジエン系の樹脂材料、ウレタン系の樹脂材料、あるいはシリコーンゴム等からなる基部の一方側の表面に対して、エポキシ系、アクリル系、あるいはシリコーン系の接着剤を塗布したものを採用することができる。
また、接着部材4は、内部に気泡を有していてもよい。接着部材4が内部に気泡を有していると、当該気泡によって耐衝撃性が向上する。このため、支持板2の湾曲に応じて、振動板1がZ方向に押し上げられるように振動する場合に、振動板1に対する衝撃を緩和することができる。そのため、振動板1にクラックあるいは欠けが生じてしまう可能性をより低減することができる。また、振動板1上に設けられた部材が、当該振動板1から剥がれてしまう可能性をより低減することができる。
また、接着部材4における重心は、平面視して振動板1における重心の外側に位置していてもよい。換言すれば、接着部材4における重心は、平面視して振動板1における重心と重なっていなくともよい。このような構成によれば、振動板1は、接着部材4上において不安定に支持されることになる。このため、支持板2の湾曲に応じて振動板1がZ方向に押し上げられるように振動した場合に、振動板1は、接着部材4が配置される配置領域A1に対応する部位を起点として、振り子振動しやすくなる。そのため、使用者に対してより大きい振動を伝達することができる。
ここで、接着部材4における重心とは、例えば、接着部材4の平面視形状の重心とすることができる。なお、接着部材4が2つ以上設けられる場合には、各々の平面視形状の重心を結んだ線分において、各々の面積比率によって割り振った点を重心とすることができ
る。また、振動板1における重心とは、例えば、振動板1、および、接着部材4を除く振動板1の表面に設けられた部材からなる構造体の質量中心とすることができる。
また、本実施形態のように、振動体3は、使用者が振動板1を第1主面1Aから第2主面1Bへ押圧した場合に、当該押圧による支持板2の歪に応じた電圧を発生する機能を有することが好ましい。このような構成によれば、1つの振動体3によって、支持板2の歪を検出できるとともに、支持板2を振動させることができる。すなわち、1つの振動体3によって、振動装置X1に押圧検出機能および触覚伝達機能を付与することができる。
ここで、使用者が第1主面1Aから第2主面1Bへ振動板1を押圧した場合に、接着部材4を介して支持板2の第3主面2Aに応力が加わる。振動装置X1では、接着部材4の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの平面視における面積よりも小さいため、支持板2の第3主面2Aにおいて当該応力が加わる部位を集中させることができる。このため、支持板2の歪をより大きくすることができる。そのため、振動体3において、支持板2の歪の検出感度を向上することができる。
なお、振動体3は、使用者が振動板1を第1主面1Aから第2主面1Bへ押圧した場合に、当該押圧による支持板2の歪に応じた電圧を発生する機能を有していなくともよく、振動体3から独立して歪センサが設けられていてもよい。
次に、振動装置X1の動作例について、図5を参照しながら説明する。
なお、以下では、押圧検出機能および触覚伝達機能を有する場合の振動装置X1の動作例について説明するが、振動装置X1は、触覚伝達機能のみを有する構成としてもよい。また、以下では、触覚伝達のうち使用者に対して押圧感を伝達する場合の振動装置X1の動作例について説明するが、振動装置X1は、押圧感以外の、例えば、なぞり感、あるいは肌触り感等の様々な触覚を伝達する場合にも適用できることは勿論である。
図5に示すように、振動体3は、使用者が振動板1を第1主面1Aから第2主面1Bへと押圧した場合に、当該押圧荷重を検出する(Op1)。ここで、振動体3の荷重検出機能について説明する。すなわち、使用者が、振動板1を第1主面2Aから第2主面1Bへと押圧すると、接着部材4を介して支持板2の第3主面2Aに応力が加わる。支持板2の第3主面2Aに当該応力が加わると、支持板2は、第3主面2Aから第4主面2Bへと歪む。支持板2が第3主面2Aから第4主面2Bへと歪むと、振動体3も同じ方向に歪む。このため、振動板1への押圧荷重に応じて、振動体3に電圧が発生する。この結果、振動体3により振動板1への押圧荷重を検出することができる。
そして、図示しない押圧検出ドライバは、例えば、入力オブジェクトに対する入力操作を検出した場合に、Op1にて検出された押圧荷重が閾値以上であるか否かを判定する(Op2)。
そして、図示しない触覚伝達ドライバは、押圧検出ドライバがOp1にて検出された押圧荷重が閾値以上であると判定すれば(Op2にてYES)、振動体3をY方向に伸縮運動させる(Op3)。そして、Op3にて伸縮運動された振動体3によって、支持板2がZ方向に湾曲し、これに対応して振動板1がZ方向に振動する(Op4)。これにより、振動板1を第1主面1Aから第2主面1Bへと押圧した使用者に対して、押圧感が伝達される。一方、押圧検出ドライバは、Op1にて検出された押圧荷重が閾値未満であると判定すれば(Op2にてNO)、図5の処理を終了する。なお、本実施形態では、振動体3が伸縮運動することによって、支持板2を湾曲させる例について説明したが、これに限らない。振動体3は、例えば、縦振動あるいは横振動することによって、振動板1に振動を
伝達してもよい。
以上のように、振動装置X1は、振動板1における振動が小さくなる可能性を低減しつつ、振動板1にクラック等の不良が生じる可能性を低減することができる。
次に、振動装置X1を備えた電子機器Y1について、図6〜図8を参照しながら説明する。ここで、電子機器Y1としては、電子手帳、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム用の端末装置、デジタルカメラ、スマートフォン等の携帯端末、タブレット端末、あるいは車載用タッチスイッチ等の様々な電子機器を挙げられる。
図6〜図8に示すように、本実施形態に係る電子機器Y1は、振動装置X1、筐体100、両面テープ200、および保護板300を備えている。
筺体100は、振動装置X1を収容する役割を有する。筐体100は、一部が開口しており、当該開口した領域に対応して、振動装置X1における振動板1の第1主面1Aが配置されている。また、筐体100は、振動装置X1を載置するための載置部101を有している。振動装置X1は、支持板2の外縁部2aにおいて、載置部101上に載置されている。このため、支持板2が振動しやすくなる。筐体100の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、あるいは、ステンレス、アルミニウム等の金属が挙げられる。
なお、本実施形態では、支持板2の外縁部2aは、両面テープ200を介して筐体100の載置部101上に設けられている。すなわち、両面テープ200は、支持板2の外縁部2aと筐体100の載置部101とを接着している。このため、例えば、振動体3によって振動装置X1が振動した場合に、振動装置X1が位置ずれする可能性を低減することができる。なお、本実施形態では、外縁部2aは、平面視して支持板2の外周部分を指す。すなわち、本実施形態では、支持板2の外周部分と筺体100の載置部101とが両面テープ200によって接着されている。このため、例えば、支持板2の第4主面2Bと筺体とによって取り囲まれる領域における防塵性あるいは防水性を向上することができる。両面テープ200の構成材料としては、接着部材4と同様のものが挙げられる。
また、本実施形態では、支持板2の外縁部2aは、筐体100の側面から離間して位置している。このため、振動体3によって振動装置X1が振動した場合に、当該振動が筐体100に伝達されることによって振動装置X1の振動が減衰してしまう可能性を低減することができる。
保護板300は、使用者の入力操作あるいは押圧操作によって振動板1の第1主面1Aが傷ついてしまう可能性を低減する役割を有する。保護板300は、筐体100の開口を封止するように、当該開口に対応して設けられている。保護板300は、振動板1の第1主面1A上に位置している。なお、保護板300は、接着材料によって振動板1の第1主面1Aと接着されていてもよい。また、保護板300はなくともよく、振動板1の第1主面1Aが筐体100の開口において筐体100から露出していてもよい。保護板300の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチックが挙げられる。
以上のように、電子機器Y1は、振動装置X1を備えているため、振動板1における振動が小さくなる可能性を低減しつつ、振動板1にクラック等の不良が生じる可能性を低減することができる。
なお、上述した実施形態は、本発明の実施形態の一具体例を示したものであり、種々の変形が可能である。以下、いくつかの主な変形例を示す。なお、以下に示す各変形例にお
いて参照する各図では、図1〜図8に示された構成と同様の機能を有する部材について、同じ参照符号を付記し、その詳細の説明は省略する。
[変形例1]
変形例1では、図9および図10を参照しながら、振動装置X2について説明する。
図9および図10に示すように、振動装置X2では、振動装置X1が備える振動体3の代わりに、振動体5を備えている。
振動体5は、振動体3と同様の役割を有する。振動体5は、図示しない接着材料を介して支持板2の第4主面2B上に設けられている。振動体5は、平面視して略矩形状であり、Y方向に沿って2つ配置されている。なお、振動体5の個数および平面視形状は任意であり、振動装置X2に使用態様に応じて適宜変更することができる。振動体5は、中央部5a、および、中央部5aを挟んで当該振動体5の一端および他端に位置する端部5bを有する。
ここで、振動体5の端部5bは、平面視して接着部材4の外側に位置している。このため、振動体5の長手方向における長さを相対的に大きくすることができる。このため、振動体5の振動に応じて支持板2が湾曲する場合に、当該湾曲量を相対的に大きくすることができる。そのため、支持板2の湾曲に応じて振動板1がZ方向に押し上げられるように振動した場合に、振動板1のZ方向における振動をより大きくすることができる。
なお、変形例1のように、振動体5の端部5bは、支持板2の外縁部2a上に位置することが好ましい。振動体5の端部5bが支持板2の外縁部2a上に位置すると、振動体5の長手方向における長さをより大きくすることができる。このため、振動板1のZ方向における振動をより大きくすることができる。
[変形例2]
変形例2では、図11〜図15を参照しながら、振動装置X3について説明する。なお、図13は、振動装置X3のうち、振動板6のみを示した図である。また、図14は、振動装置X3のうち、支持板7のみを示した図である。
図11〜図15に示すように、振動装置X3では、振動装置X1が備える振動板1および支持板2の代わりに、振動板6および支持板7を備えている。また、振動装置X3は、入力検出ドライバ8およびフレキシブル基板F1をさらに備えている。
振動板6は、振動板1と同様の役割を有する。振動板6は、入力操作を行うための入力板である。振動板6は、入力領域E1および非入力領域E2を有する。入力領域E1は、使用者が入力操作を行うことができる領域である。なお、変形例2では、入力領域E1は、接着部材4の配置領域A1と同一の領域であるが、これに限らない。また、非入力領域E2は、使用者が入力操作を行うことができない領域である。なお、変形例2では非入力領域E2は、入力領域E1の外側に位置しているが、これに限らず、入力領域E1の内側に位置していてもよい。振動板6は、第1主面6Aおよび第2主面6Bを有する。第1主面6Aは、第2主面6Bよりも使用者に近い側に位置している。第2主面6Bは、第1主面6Aの反対側に位置している。
振動板6は、基板6a、第1検出電極6b、第2検出電極6c、および配線導体6dを有する。
基板6aは、第1検出電極6b、第2検出電極6c、および配線導体6dを支持する役
割を有する。基板6aの構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチック等が挙げられる。
第1検出電極6bは、X方向における入力操作位置を検出する役割を有する。第1検出電極6bは、第2主面6B側に位置している。第1検出電極6bは、入力領域E1に対応する基板6a上に設けられている。第1検出電極6bは、Y方向に沿って延びる電極であり、X方向に並んで配置されている。なお、変形例2では、第1検出電極6bは、平面視して略矩形状であるが、これに限らない。すなわち、第1検出電極6bの平面視形状は任意である。
第2検出電極6cは、Y方向における入力操作位置を検出する役割を有する。第2検出電極6cは、第2主面6B側に位置している。第2検出電極6cは、入力領域E1に対応する基板6a上に設けられている。第2検出電極6cは、X方向に沿って延びる電極であり、Y方向に並んで配置されている。なお、変形例2では、第2検出電極6cは、平面視して略矩形状であるが、これに限らない。すなわち、第2検出電極6cの平面視形状は任意である。
配線導体6dは、第1検出電極6bおよび第2検出電極6cと、フレキシブル基板F1とを電気的に接続する役割を有する。配線導体6dは、第2主面6B側に位置している。配線導体6dは、非入力領域E2に対応する基板6a上に設けられている。配線導体6dの一端は、第1検出電極6bおよび第2検出電極6cと電気的に接続されている。配線導体6dの他端は、非入力領域E2に含まれる第1導通領域G1に位置している。
第1検出電極6b、第2検出電極6c、および配線導体6dの構成材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ATO(Al-Doped Tin Oxide)、酸化錫、あるいは酸化亜鉛が挙げられる。また、第1検出電極6b、第2検
出電極6c、または配線導体6dは、金属薄膜であってもよい。金属薄膜の構成材料としては、例えば、アルミニウム膜、アルミニウム合金膜、クロム膜とアルミニウム膜との積層膜、クロム膜とアルミニウム合金膜との積層膜、銀膜、銀合金膜、あるいは金合金膜が挙げられる。
支持板7は、支持板2と同様の役割を有する。支持板7は、第3主面7Aおよび第4主面7Bを有する。第3主面7Aは、振動板6の第2主面6Bと対向している。第4主面7Bは、第3主面7Aの反対側に位置している。支持板7は、平面視して振動板6よりも外側に位置する外縁部7aを有する。
ここで、支持板7は、検出配線7bおよび貫通孔7cをさらに有する。検出配線7bは、支持板7の第3主面7A側に設けられている。検出配線の一端は、第1導通領域G1に位置する配線導体6dの他端に対応して位置している。検出配線7bの一端は、フレキシブル基板F1を介して配線導体6dの他端と電気的に接続されている。検出配線7bの他端は、支持板7の第3主面7A上に位置する第2導通領域G2に位置している。検出配線7bの構成材料としては、第1検出電極6b、第2検出電極6c、および配線導体6dと同様のものが挙げられる。貫通孔7cは、支持板7を第3主面7Aから第4主面7Bに亘って貫通するように設けられている。貫通孔7cは、第2導通領域G2において、検出配線7bの他端に対応して設けられている。
入力検出ドライバ8は、第1検出電極6bおよび第2検出電極6cにおいて検出された入力操作位置を決定する役割を有する。入力検出ドライバ8は、支持板7の第4主面7B上に設けられている。入力検出ドライバ8は、貫通孔7cに設けられた導電体を介して、検出配線7bに電気的に接続されている。
このように、振動装置X3では、第1検出電極6bおよび第2検出電極6cは、支持板7が有する検出配線7bに電気的に接続されている。すなわち、支持板7において、検出配線7bを引き回すことができる。
なお、変形例2のように、入力検出ドライバ8は、支持板7上に設けられていることが好ましい。入力検出ドライバ8が支持板7上に設けられていると、別途回路基板等を設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
また、変形例2のように、入力検出ドライバ8は、支持板7の第4主面7B上に設けられており、貫通孔7cを介して検出配線7bに電気的に接続されることが好ましい。このような構成によれば、平面視して支持板7の外側において配線を引き回す必要がなく、振動装置X3の小型化を実現することができる。また、振動装置X1に代えて振動装置X3が電子機器Y1に組み込まれた場合に、平面視して入力検出ドライバ8を取り囲んで両面テープ200を配置することができる。このため、塵あるいは水分の影響によって、入力検出ドライバ8に不具合が生じる可能性を低減することができる。
また、変形例2のように、第1検出電極6bおよび第2検出電極6cは、振動板6の第2主面6B側に設けられており、平面視して接着部材4と重なっていることが好ましい。このような構成によれば、大気中の水分の吸湿、あるいは、塵の付着から、第1検出電極6bおよび第2検出電極6cを保護することができる。
ここで、図16を参照しながら、振動装置X3の他の実施例である振動装置X3’について説明する。
図16に示すように、振動装置X3’では、配線導体6d、検出配線7b、および貫通孔7cは、接着部材4と重なっている。ここで、配線導体6dと検出配線7bとは、接着部材4の一部位に含まれる導電性粒子を介して、電気的に接続されている。このため、振動装置X3’では、フレキシブル基板F1を設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。また、配線導体6dおよび検出配線7bの少なくとも一部は、接着部材4によって封止されている。このため、大気中の水分の吸湿、あるいは、塵の付着から、配線導体6dおよび検出配線7bを保護することができる。
[変形例3]
変形例3では、図17および図18を参照しながら、振動装置X4について説明する。
図17および図18に示すように、振動装置X4では、振動装置X1が備える振動板1の代わりに、振動板9を備えている。
振動板9は、画像を表示するための表示素子を有した表示機能付き入力装置である。具体的には、振動板9は、入力板9aおよび表示板9bを有する。振動装置X4では、入力板9aの上面が、振動板9の第1主面9Aとなる。また、表示板9bは、表示素子を含んでおり、当該表示素子によって画像を表示する役割を有する。表示板9bは、入力板9aよりも支持板2側に位置している。振動装置X4では、表示板9bの下面が、振動板9の第2主面9Bとなる。また、入力板9aの下面と表示板9bの上面とは、光学接着部材9cによって接着されている。
このように、振動装置X4では、振動板9は、入力板9aおよび表示板9bを有している。このため、表示板9bにおける表示画像を視認しながら、入力板9aにおいて入力操作を行うことができる。ここで、振動板9は、入力板9aおよび表示板9bを有している
ため、振動板1に比して厚みが大きくなる可能性がある。また、振動板9は、入力板9aおよび表示板9bを有しているため、振動板1に比して質量が大きくなる可能性がある。すなわち、振動板9は、振動板1に比して振動しにくい可能性がある。そこで、本発明を適用した振動装置X4では、振動板9が入力板9aおよび表示板9bを有していたとしても、Z方向に押し上げるように振動板9を振動させることができるため、当該振動板9を十分に振動させることができる。
なお、変形例3では、入力板9aは、静電容量方式のタッチパネルであるが、これに限らない。入力板9aは、例えば、抵抗膜方式のタッチパネル、表面弾性波方式のタッチパネル、光学方式のタッチパネル、あるいは電磁誘導方式のタッチパネルであってもよい。
また、変形例3では、表示板9bは、液晶ディスプレイである。具体的には、表示板9bは、液晶パネル、導光板、および光源を有している。液晶パネルは、2つの対向する基板の間に、表示素子としての液晶を封入したパネル部材である。また、導光板は、液晶パネルの下面に対向して配置されている。導光板は、光源から出射される光を液晶パネルの下面に導出する役割を有する。
なお、表示板9bは、液晶パネル、導光板、および光源以外にも、種々の部材を備え得る。具体的には、表示板9bは、例えば、導電性を有するシールド板を有していてもよい。このようなシールド板は、例えば、振動板9の第2主面9B側に配置される。なお、シールド板は、支持板2と一体であってもよい。すなわち、支持板2が導電性を有する構成材料からなる場合、入力板9aおよび表示板9bから発生した電磁的ノイズが、支持板2の第4主面2B側に位置する部材に伝達される可能性を低減することができる。
また、表示板9bは、液晶ディスプレイでなくともよく、例えば、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FED(Field Emission Display)、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)、あるいは電子ペーパであってもよい。
また、振動板9は、入力板9aおよび表示板9bを有していなくともよい。すなわち、振動板9は、入力機能および表示機能を有する一体の部材であればよく、例えば、イン・セル方式のタッチパネル、あるいはオン・セル方式のタッチパネル等を採用することもできる。
[変形例4]
変形例4では、図19および図20を参照しながら、振動装置X5について説明する。
図19および図20に示すように、振動装置X5では、振動装置X1が備える接着部材4の代わりに、接着部材10を備えている。
接着部材10は、接着部材4と同様の役割を有する。接着部材10は、振動板1の第2主面1Bと支持板2の第3主面2Aとの間に設けられている。具体的には、接着部材10は、振動板1の第2主面1Bと接着されるとともに、支持板2の第3主面2Aと接着されている。また、接着部材10の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さい。
ここで、接着部材10は、第1構造体10a、第2構造体10b、および第3構造体10cを有する。具体的には、接着部材10は、複数の接着構造体に分断されている。第1構造体10aは、配置領域A2に配置されている。第2構造体10bは、図19にて配置領域A2の上側に位置する配置領域A3に配置されている。第3構造体10cは、図19にて配置領域A2の下側に位置する配置領域A4に配置されている。振動体3は、平面視
して配置領域A2〜A4を跨いで配置されている。
このように、接着部材10は、第1構造体10a、第2構造体10b、および第3構造体10cを有する。このため、振動体3の振動によって支持板2が湾曲した場合に、当該湾曲が振動板1に伝達される可能性をより低減することができる。このため、支持板2の湾曲量に比して、振動板1の湾曲量をより小さくすることができる。
なお、変形例4では、接着部材10は、振動板1の第2主面1Bと接着されるとともに、支持板2の第3主面2Aと接着されているが、これに限らない。接着部材10は、例えば、第1構造体10aのみが、振動板1の第2主面1Bと接着されるとともに、支持板2の第3主面2Aと接着されてもよい。すなわち、第2構造体10bおよび第3構造体10cは、振動板1の第2主面1B、または、支持板2の第3主面2Aのいずれか一方に接着されていてもよい。このような構成によれば、支持板2の湾曲量に比して、振動板1の湾曲量をより小さくすることができる。また、このような構成を採用する場合、振動体3の中央部3aは、平面視して配置領域A2と重なっていることが好ましい。具体的には、振動体3の中央部3aは、平面視して第1構造体10aと重なっていることが好ましい。ここで、支持板2のうち平面視して中央部3aと重なる部位は、湾曲量が相対的に大きくなりやすい。このため、振動板1は、当該部位上に位置する第1構造体10aを介して、Z方向により大きく振動することができる。
また、変形例4では、接着部材10は、第1構造体10a、第2構造体10b、および第3構造体10cの3つの接着構造体に分断されているがこれに限らない。すなわち、接着部材10は、複数の接着構造体を有していればよく、当該接着構造体の平面視形状、個数、および配置位置については、任意である。
[変形例5]
変形例5では、図21および図22を参照しながら、振動装置X6について説明する。
図21および図22に示すように、振動装置X6では、振動装置X1が備える接着部材4の代わりに、接着部材11を備えている。
接着部材11は、接着部材4と同様の役割を有する。接着部材11は、振動板1の第2主面1Bと支持板2の第3主面2Aとの間に設けられている。具体的には、接着部材11は、振動板1の第2主面1Bと接着されるとともに、支持板2の第3主面2Aと接着されている。また、接着部材11の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さい。
接着部材11は、第1部位11aおよび第2部位11bを有している。第2部位11bは、平面視して第1部位11aの間に位置している。ここで、第2部位11bは、第1部位11aによりも硬い。ここで、振動体3の振動によって支持板2が湾曲した場合に、振動板1は、Z方向に押し上げられるように振動する。この際、振動板1のうち平面視して第2部位11bと重なる部位は、平面視して第1部位11aと重なる部位に比して、Z方向に強く押し上げられることになる。このため、振動板1をより大きく振動させることができる。また、振動板1のうち平面視して第1部位11aと重なる部位は、平面視して第2部位11bと重なる部位に比して、湾曲を伝達しにくい。このため、支持板2の湾曲量に比して、振動板1の湾曲量をより小さくすることができる。
なお、本明細書において、「第2部位11bは、第1部位11aによりも硬い」とは、「第2部位11bの弾性率は、第1部位11aの弾性率よりも大きい」ことを意味する。すなわち、第1部位11aおよび第2部位11bを一定の面積および一定の荷重で押圧し
た際に、第2部位11bの変形量が、第1部位11aの変形量よりも小さければよい。
また、変形例5のように、振動体3の中央部3aは、平面視して第2部位11bと重なっていることが好ましい。中央部3aが平面視して第2部位11bと重なっていると、振動体3の振動によって支持板2が湾曲した場合に、振動板1をより強く大きく振動させることができる。
また、変形例5では、第2部位11bは、平面視して第1部位11aの間に位置しているが、これに限らない。すなわち、第1部位11aおよび第2部位11bの平面視形状、個数、および配置位置については、任意である。また、変形例5では、第1部位11aと第2部位11bとの間に境界を有しており、当該境界によって第1部位11aと第2部位11bとが明確に区別される例について示したが、これに限らない。接着部材11は、平面視における任意の2点間において、徐々に硬さが変化するように構成されていてもよい。このような構成であっても、接着部材11は、第1部位11aおよび第2部位11bを有することになる。
接着部材11の構成材料としては、例えば、異なる弾性を有する複数の接着部材が接合されて一体化されたウレタン系の複合体部材、あるいは高分子系の密度分布や配向などを制御した傾斜機能材料からなる部材等が挙げられる。
[変形例6]
変形例6では、図23〜図25を参照しながら、振動装置X7について詳細に説明する。
図23〜図25に示すように、振動装置X7では、振動装置X1が備える支持板2、振動体3、および接着部材4の代わりに、支持板12、振動体13、および接着部材14を備えている。
支持板12は、支持板2と同様の機能を有する。支持板12は、第3主面12Aおよび第4主面12Bを有する。第3主面12Aは、振動板1の第2主面1Bと対向している。第4主面12Bは、第3主面12Aの反対側に位置している。ここで、支持板12は、平面視して振動板1の一方側の短辺に沿って設けられている。また、支持板12の全部は、振動板1の一部と重なっている。換言すれば、振動板1は、一部が支持板12と重なっており、残部が支持板12と重なっていない。
振動体13は、振動体3と同様の機能を有する。振動体13は、支持板12の第4主面12B上に設けられている。振動体13は、平面視して振動板1の短辺に沿って1つ配置されている。
接着部材14は、接着部材4と同様の機能を有する。接着部材14は、振動板1の第2主面1Bと支持板12の第3主面12Aとの間に設けられている。
このように、振動装置X7では、振動板1は、一部が支持板12と重なっており、残部が支持板12と重なっていない。すなわち、支持板12の配置位置および形状については、任意であり、例えば、使用者による押圧が伝達されやすい領域にのみ配置してもよい。このような構成によれば、支持板12は、支持板2に比して平面視における面積を小さくすることができる。このため、振動板1の第2主面1B上において、支持板12以外の部材を配置できる領域を確保することができる。
[変形例7]
変形例7では、図26〜図28を参照しながら、振動装置X8について説明する。
図26〜図28に示すように、振動装置X8では、振動装置X1が備える振動板1、振動体3、および接着部材4の代わりに、振動板15、振動体16、および接着部材17を備えている。
振動板15は、振動板1と同様の機能を有する。振動板15は、第1主面15Aおよび第2主面15Bを有する。第1主面15Aは、第2主面15Bよりも使用者側に位置している。第2主面15Bは、第1主面15Aの反対側に位置している。振動板15は、平面視して略円形状である。
振動体16は、振動体3と同様の機能を有する。振動体16は、支持板2の第4主面2B上に設けられている。振動体16は、平面視して支持板2の長辺に沿って、当該支持板2の中央に1つ配置されている。
接着部材17は、接着部材4と同様の機能を有する。接着部材17は、振動板15の第2主面15Bと支持板2の第3主面2Aとの間に設けられている。
ここで、振動装置X8において、振動板15が平面視して略円形状であるのは、例えば、振動装置X8をタッチスイッチとして自動車のハンドルに組み込んだ際に、当該ハンドルと意匠性の統一を図るためである。すなわち、本発明に係る振動装置は、使用態様によって、振動板の形状を適宜変更することになる。このような場合、従来の振動装置では、振動板の平面視における面積が相対的に小さくなり、振動体を配置するスペースを確保できない可能性があった。
そこで、振動装置X8では、支持板2は、一部が振動板15と重なっており、残部が振動板15の外側に張り出している。具体的には、支持板2の外縁部2aは、平面視して振動板15の外側に張り出している。また、振動体16は、平面視して振動板15と重なっているとともに、支持板2の外縁部2aとも重なっている。このため、振動板15の平面視における面積が相対的に小さくなったとしても、振動体16を配置するスペースを確保することができる。そのため、振動板15の平面視形状を適宜変更したとしても、使用者に対して十分な触覚を伝達することができる。
[変形例8]
変形例8では、図29および図30を参照しながら、振動装置X9について説明する。
図29および図30に示すように、振動装置X9は、振動装置X1が備える支持板2および振動体3の代わりに、支持板18および振動体19を備えている。
支持板18は、支持板2と同様の機能を有する。支持板18は、第3主面18Aおよび第4主面18Bを有する。第3主面18Aは、振動板1の第2主面1Bと対向している。第4主面18Bは、第3主面18Aの反対側に位置している。ここで、支持板18は、平面視して振動板1の第2主面1Bの外側に位置する外縁部18aを有する。変形例8では、支持板18は、Y方向に沿って延びるように配置された略矩形状である。
振動体19は、振動体3と同様の機能を有する。振動体19は、支持板18の第4主面18B上に設けられている。振動体19は、平面視して支持板18の長辺に沿って、当該支持板18の中央に1つ配置されている。振動体19は、中央部19aおよび端部19bを有する。中央部19aは、平面視して接着部材4と重なって位置している。端部19bは、中央部19aを挟んで、振動体19の一端および他端に位置する部位である。端部1
9bは、支持板18の外縁部18b上に位置している。
次に、図31〜図34を参照しながら、振動装置X9を備えた携帯端末Z1について説明する。なお、図31は、携帯端末Z1の概略構成を示す斜視図である。図32は、携帯端末Z1の概略構成を示す平面図である。図33は、携帯端末Z1の概略構成を示す側面図であって、第2開口部400bが位置する側面を示した図である。図34は、図32中に示したXI−XI線断面図である。
図31〜図34に示すように、携帯端末Z1は、スマートフォン端末である。なお、携帯端末Z1は、スマートフォン端末でなくともよく、例えば、ゲーム用の端末装置、デジタルカメラ、あるいはタブレット端末等であってもよい。すなわち、携帯端末Z1は、使用者によって保持されつつ操作を行うものであればよい。
携帯端末Z1は、振動装置X9、筺体400、タッチパネル500、表示パネル600、および保護パネル700を備えている。
筺体400は、振動装置X9、タッチパネル500、および表示パネル600を収容する役割を有する。筺体400は、第1開口部400a、および、第1開口部400aとは独立して位置する第2開口部400bを有する。第2開口部400bは、筺体400の側面に位置している。
タッチパネル500は、携帯端末Z1の使用者が入力操作を行うための部材である。タッチパネル500は、第1開口部400aに対応して配置されている。具体的には、タッチパネル500は、第1開口部400aにおいて使用者が入力操作を行うことができるように配置されている。タッチパネル500としては、入力板9aと同様のものを採用することができる。
表示パネル600は、画像を表示するための部材である。表示パネル600は、タッチパネル500の下方に配置されている。このため、携帯端末Z1の使用者は、タッチパネル500を介して表示パネル600を視認しつつ、当該タッチパネル500において入力操作を行うことができる。表示パネル600としては、表示板9bと同様のものを採用することができる。
なお、タッチパネル500と表示パネル600とは、離間していてもよいし、光学接着部材等の接着部材を介して接着されていてもよい。また、表示パネル600の下方には、回路基板等の部材が設けられていてもよい。
保護パネル700は、使用者の入力操作によってタッチパネル500が傷ついてしまう可能性を低減する役割を有する。保護パネル700は、筐体400の第1開口部400aを封止するように、当該第1開口部400aに対応して設けられている。保護パネル700は、タッチパネル500上に位置している。なお、保護パネル700は、接着材料によってタッチパネル500と接着されていてもよい。また、保護パネル700はなくともよく、タッチパネル500が第1開口部400aにおいて筐体100から露出していてもよい。保護パネル700としては、保護板300と同様のものを採用することができる。
振動装置X9は、第2開口部400bに対応して配置されている。具体的には、振動装置X9は、筺体400に収容されており、第2開口部400bにおいて振動板1の第1主面1Aが露出している。振動装置X9は、支持板2の外縁部2aにおいて、筺体400に設けられた保持部400cに保持されている。
ここで、携帯端末Z1は、タッチパネル500における入力操作に応じて、振動装置X9が振動するように構成されている。ここで、携帯端末Z1の使用者は、振動板1の第1主面1Aに接触した状態で当該携帯端末Z1を保持しつつ、タッチパネル500における入力操作を行う。すなわち、携帯端末Z1では、タッチパネル500において行われた入力操作に応じて、使用者における携帯端末Z1の保持部位に対して触覚を伝達することができる。
なお、変形例8のように、振動板1のうち少なくとも一部は、筺体400と離間していることが好ましい。振動板1が筺体400と離間していると、当該筺体400によって振動が抑制される可能性を低減することができる。なお、振動板1と筺体400とが離間している場合に、当該離間した領域は、振動を抑制しない程度の弾性を有するシール部材によって封止されていてもよい、このような構成によれば、携帯端末Z1の防塵性および防水性を向上することができる。
[変形例9]
なお、本明細書は、上記の実施形態、および変形例1〜8について個別具体的に説明したが、これに限らず、上記の実施形態、および変形例1〜8に個別に記載された事項を適宜組み合わせた例についても記載されているものである。すなわち、本発明に係る振動装置は、振動装置X1〜X9に限定されるものではなく、上記の実施形態、および変形例1〜8に個別に記載された事項を適宜組み合わせた振動装置も含む。また、上記の実施形態では、振動装置X1を備えた電子機器Y1について説明したが、本発明に係る電子機器は、これに限定されない。本発明に係る電子機器は、振動装置X1に代えて振動装置X2〜X9を備えていてもよい。また、変形例8では、振動装置X9を備えた携帯端末Z1について説明したが、本発明に係る携帯端末は、これに限定されない。本発明に係る携帯端末は、振動装置X9に代えて振動装置X1〜X8を備えていてもよい。
また、上記の実施の形態では、本発明に係る振動装置を触覚伝達技術に適用した例について説明したが、これに限らない。本発明に係る振動装置は、触覚伝達技術以外にも、例えば、骨や軟骨を介して音声を伝達することができる骨伝導技術にも適用することができる。また、本発明に係る振動装置は、振動板における振動を利用して電力を発生する発電技術にも適用することができる。また、本発明に係る振動装置は、外部からの振動あるいは音波を電気エネルギーとして消費する防振・防音技術にも適用することができる。