以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る振動装置、電子機器、および携帯端末は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
図1〜図3に示すように、振動装置X1は、振動板1、支持板2、接着部材3、および第1振動体4を備えている。
振動板1は、例えば、使用者に対して触覚を伝達する役割を有する。振動板1は、第1主面1Aおよび第2主面1Bを有する。第1主面1Aは、第2主面1Bよりも使用者側に位置している。第2主面1Bは、第1主面1Aの反対側に位置している。振動装置X1は、例えば、振動板1の第1主面1A上における使用者の入力操作に応じて、当該使用者に触覚を伝達する。なお、本実施形態では、振動板1は、平面視して略矩形状であるが、これに限らず、例えば、平面視して略円形状あるいは略多角形状等であってもよい。
振動板1としては、例えば、ガラス基板、セラミック基板、あるいは樹脂基板等を採用することができる。なお、振動板1は、上記の基板のみによって構成されていなくともよ
い。すなわち、振動板1は、例えば、上記の基板上に複数の部材を備えていてもよい。ここで、複数の部材としては、例えば、振動板1を強化するための部材、振動板1に入力操作機能を付与するための部材、振動板1の一部を遮光するための部材、あるいは各種の配線導体等が挙げられる。
支持板2は、振動板1および第1振動体4を支持する役割を有する。支持板2は、第3主面2Aおよび第4主面2Bを有する。第3主面2Aは、振動板1の第2主面1Bと対向している。第4主面2Bは、第3主面2Aの反対側に位置している。なお、本実施形態では、支持板2は、平面視して矩形状であるが、これに限らず、略矩形状、略円形状、あるいは略多角形状であってもよい。
支持板2は、外縁部2aを有している。外縁部2aは、平面視して振動板1よりも外側に位置する部位である。すなわち、外縁部2aは、平面視して振動板1と重なっていない。なお、支持板2の全部は、平面視して振動板1と重なっていてもよい。
支持板2の構成材料としては、例えば、金属材料、あるいは樹脂材料が挙げられる。金属材料としては、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金、あるいはステンレス鋼が挙げられる。また、樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂材料、ポリカーボネイト系樹脂材料、エポキシ系樹脂材料、あるいはポリイミド系樹脂材料が挙げられる。また、樹脂材料としては、繊維強化プラスチックスを用いることが好ましい。繊維強化プラスチックスとしては、炭素繊維強化プラスチックスを用いることができる。
なお、支持板2の構成材料としてステンレス鋼を採用した場合、支持板2の厚みを0.5mm以下とすることができる。また、支持板2の構成材料として炭素繊維強化プラスチックスを採用した場合、支持板2の厚みを0.3mm以下とすることができる。すなわち、支持板2をこれらの構成材料によって構成することで、当該支持板2の厚みを相対的に小さくすることができる。
接着部材3は、振動板1の第2主面1Bと支持板2の第3主面2Aとの間に設けられている。具体的には、接着部材3は、振動板1の第2主面1Bに接着されるとともに、支持板2の第3主面2Aに接着されている。接着部材3は、配置領域A1に位置している。ここで、配置領域A1とは、振動板1の第2主面1Bと支持板2の第3主面2Aとの間の領域のうち、接着部材3が配置される領域である。配置領域A1の全部は、平面視して振動板1の第2主面1Bの内側に位置している。このため、接着部材3の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さい。接着部材3の厚みは、例えば、0.01〜0.2mmとすることができる。特に、接着部材3の厚みは、0.05〜1mmとすることが好ましい。接着部材3の構成材料としては、例えば、エポキシ系、アクリル系、あるいはシリコーン系の接着剤が挙げられる。
なお、本実施形態では、接着部材3は、1つの構造体であるが、これに限らない。接着部材3は、複数の構造体に分断されていてもよい。
第1振動体4は、支持板2および接着部材3を介して振動板1に伝達される振動を発生する役割を有する。本実施形態では、第1振動体4は、印加された電圧に基づいて支持板2を湾曲振動させる機能を有した圧電素子である。なお、本明細書において、湾曲振動とは、屈曲振動も含む意味である。第1振動体4は、図示しない接着材料を介して支持板2の第3主面2A上に設けられている。このため、支持板2は、第1振動体4の振動に対応して湾曲振動することができる。また、第1振動体4は、外側領域B1に位置している。ここで、外側領域B1とは、振動板1の第2主面1Bと支持板2の第3主面2Aとの間の領域のうち、接着部材3の外側に位置する領域である。換言すれば、外側領域B1とは、
振動板1の第2主面1Bと支持板の第3主面2Aとの間の領域のうち、配置領域A1以外の領域を指す。
第1振動体4は、平面視して略矩形状であり、支持板2の長辺方向(図2にてY方向)に沿って2つ配置されている。なお、第1振動体4は、平面視して略矩形状でなくともよく、例えば、平面視して略円形状等であってもよい。また、第1振動体4は、2つ配置されていなくともよい。第1振動体4の個数は、任意であり、振動装置X1の使用態様に応じて適宜変更することができる。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、第1振動体4は、使用者が振動板1を第1主面1Aから第2主面1Bへ押圧した場合に、当該押圧による支持板2の歪に応じた電圧を発生する機能を有する。このため、本実施形態では、第1振動体4は、歪センサとしても機能する。
第1振動体4としては、例えば、誘電体層と電極層とが交互に積層された積層型圧電素子を用いることができる。第1振動体4として積層型圧電素子を用いると、歪センサとしての当該第1振動体4の感度を相対的に高くすることができる。また、第1振動体4の形状としては、ユニモルフ型あるいはバイモルフ型のいずれかを採用してもよい。なお、第1振動体4は、支持板2の第4主面2B上に直接設けられていなくともよい。すなわち、第1振動体4は、例えば、金属筺体に収容されており、当該金属筺体を介して支持板2を振動させる構成としてもよい。
また、本実施形態では、第1振動体4として圧電素子を採用した例について説明したが、これに限らず、圧電素子に代えて、電磁式振動体あるいはモータ等を採用してもよい。
このように、振動装置X1では、接着部材3の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さい。また、第1振動体4は、支持板2の第3主面2A上に設けられている。また、第1振動体4は、外側領域B1に位置している。このため、振動装置X1では、小型化を実現することができる。
具体的には、従来の振動装置では、第1振動体は、支持板の第4主面上に設けられていた。このため、厚み方向(図3にてZ方向)において振動装置が大型化してしまう可能性があった。そこで、振動装置がZ方向において大型化してしまう可能性を低減するためには、第1振動体を支持板の第3主面上に設ける必要があった。ここで、従来の振動装置では、振動板の第2主面の全面は、接着部材を介して支持板の第3主面に接着されていた。このため、第1振動体を支持板の第3主面上に設けようとすると、支持板の第3主面の一部は、平面視して振動板の第2主面よりも外側に位置しなければならなかった。そのため、振動装置が平面方向(図2にてX方向あるいはY方向)に大型化してしまう可能性があった。
そこで、振動装置X1では、接着部材3の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さい。このため、振動板1の第2主面1Bと支持板2の第3主面2Aとの間の領域において、接着部材3が位置しない外側領域B1が存在することになる。ここで、第1振動体4は、支持板2の第3主面2A上に設けられている。このため、Z方向において振動装置X1が大型化してしまう可能性を低減することができる。また、第1振動体4は、外側領域B1に位置している。このため、第1振動体4は、平面視して振動板1の第2主面1Bと重なっている。そのため、X方向あるいはY方向において振動装置X1が大型化してしまう可能性を低減することができる。このように、振動装置X1では、小型化を実現することができる。
なお、振動装置X1では、振動板1にクラック等の不具合が生じる可能性を低減することもできる。具体的には、従来の振動装置では、例えば、振動板の第2主面の全面は、接着部材を介して支持板の第3主面と接着される。このため、第1振動体における振動は、接着部材を介して振動板に伝達することができる。しかしながら、振動板の第2主面の全面が接着部材を介して支持板に接着されている場合、第1振動体の振動によって支持板が湾曲した際に、当該湾曲に対応して振動板も湾曲することになる。このため、振動板には、当該湾曲に応じた応力が加わることになる。そのため、振動板にクラックあるいは欠けが生じてしまう可能性があった。また、振動板上に設けられた部材が、当該振動板から剥がれてしまう可能性があった。
そこで、振動装置X1では、接着部材3の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さい。このため、第1振動体4の振動によって支持板2が湾曲した場合に、接着部材3の平面視における面積が相対的に小さいので、当該湾曲が振動板1に伝達される可能性を低減することができる。そのため、支持板2の湾曲量に比して、振動板1の湾曲量を小さくすることができる。そのため、振動板1にクラック等の不具合が生じる可能性を低減することができる。なお、このような構成によれば、第1振動体4の振動によって支持板2が湾曲した際に、当該湾曲に応じて振動板1をZ方向に押し上げるように振動させることができる。このため、振動板1の振動が小さくなる可能性を低減することもできる。
なお、本実施形態では、第1振動体4の全部は、外側領域B1に位置しているが、これに限らず、第1振動体4の少なくとも一部が外側領域B1に位置していればよい。なお、本実施形態のように、第1振動体4の全部が外側領域B1に位置していると、振動装置X1をより小型化することができる。
なお、本実施形態のように、第1振動体4は、振動板1の第2主面1Bと離間していることが好ましい。具体的には、本実施形態では、第1振動体4は、空間S1を介して第1振動体4の第2主面1Bと離間している。このため、第1振動体4が振動した際に、振動板1と第1振動体4とが接触してしまう可能性を低減することができる。そのため、第1振動体4の振動が、振動板1に直接伝達される可能性を低減することができる。
なお、本実施形態では、第1振動体4は、空間S1を介して第1振動体4の第2主面1Bと離間しているが、これに限らず、接着材料を介して第1振動体4の第2主面1Bと離間していてもよい。すなわち、第1振動体4の振動が、振動板1に比して支持板2に伝達されやすい構成であればよい。また、本実施形態では、第1振動体4の全部は、第1振動体4の第2主面1Bと離間しているが、これに限らず、第1振動体4の少なくとも一部が第1振動体4の第2主面1Bと離間していればよい。
また、本実施形態のように、第1振動体4の全部は、平面視して外側領域B1に位置していることが好ましい。第1振動体4の全部が平面視して外側領域B1に位置していると、X方向あるいはY方向において振動装置X1が大型化してしまう可能性をより低減することができる。
また、本実施形態では、接着部材3は、振動板1の第2主面1Bに接着されるとともに、支持板2の第3主面2Aに接着されているが、これに限らない。接着部材3は、振動板1の第2主面1Bに接着されており、支持板2の第3主面2Aに接着されていなくともよい。また、接着部材3は、支持板2の第3主面2Aに接着されており、振動板1の第2主面1Bに接着されていなくともよい。このような構成によれば、第1振動体4の振動によって支持板2が湾曲振動した場合に、当該湾曲振動が振動板1に伝達される可能性をより低減することができる。このため、支持板2の湾曲量に比して、振動板1の湾曲量をより
小さくすることができる。そのため、振動板1に不具合が生じる可能性をより低減することができる。
このような構成における接着部材3としては、例えば、ブタジエン系の樹脂材料、ウレタン系の樹脂材料、あるいはシリコーンゴム等からなる基部の一方側の表面に対して、エポキシ系、アクリル系、あるいはシリコーン系の接着剤を塗布したものを採用することができる。
また、接着部材3は、内部に気泡を有していてもよい。接着部材3が内部に気泡を有していると、当該気泡によって耐衝撃性が向上する。このため、支持板2の湾曲に応じて、振動板1がZ方向に押し上げられるように振動する場合に、振動板1に対する衝撃を緩和することができる。そのため、振動板1にクラックあるいは欠けが生じてしまう可能性をより低減することができる。また、振動板1上に設けられた部材が、当該振動板1から剥がれてしまう可能性をより低減することができる。
また、接着部材3における重心は、平面視して振動板1における重心の外側に位置していてもよい。換言すれば、接着部材3における重心は、平面視して振動板1における重心と重なっていなくともよい。このような構成によれば、振動板1は、接着部材3上において不安定に支持されることになる。このため、支持板2の湾曲に応じて振動板1がZ方向に押し上げられるように振動した場合に、振動板1は、接着部材3が配置される配置領域A1に対応する部位を起点として、振り子振動しやすくなる。そのため、使用者に対してより大きい振動を伝達することができる。
ここで、接着部材3における重心とは、例えば、接着部材3の平面視形状の重心とすることができる。なお、接着部材3が2つ以上設けられる場合には、各々の平面視形状の重心を結んだ線分において、各々の面積比率によって割り振った点を重心とすることができる。また、振動板1における重心とは、例えば、振動板1、および、接着部材3を除く振動板1の表面に設けられた部材からなる構造体の質量中心とすることができる。
また、本実施形態のように、第1振動体4は、使用者が振動板1を第1主面1Aから第2主面1Bへ押圧した場合に、当該押圧による支持板2の歪に応じた電圧を発生する機能を有することが好ましい。このような構成によれば、1つの第1振動体4によって、支持板2の歪を検出できるとともに、支持板2を振動させることができる。すなわち、1つの第1振動体4によって、振動装置X1に押圧検出機能および触覚伝達機能を付与することができる。
ここで、使用者が第1主面1Aから第2主面1Bへ振動板1を押圧した場合に、接着部材3を介して支持板2の第3主面2Aに応力が加わる。振動装置X1では、接着部材3の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さいため、支持板2の第3主面2Aにおいて当該応力が加わる部位を集中させることができる。このため、支持板2の歪をより大きくすることができる。そのため、第1振動体4において、支持板2の歪の検出感度を向上することができる。
なお、第1振動体4は、使用者が振動板1を第1主面1Aから第2主面1Bへ押圧した場合に、当該押圧による支持板2の歪に応じた電圧を発生する機能を有していなくともよく、第1振動体4から独立して歪センサが設けられていてもよい。
次に、振動装置X1の動作例について、図4を参照しながら説明する。
なお、以下では、押圧検出機能および触覚伝達機能を有する場合の振動装置X1の動作
例について説明するが、振動装置X1は、触覚伝達機能のみを有する構成としてもよい。また、以下では、触覚伝達のうち使用者に対して押圧感を伝達する場合の振動装置X1の動作例について説明するが、振動装置X1は、押圧感以外の、例えば、なぞり感、あるいは肌触り感等の様々な触覚を伝達する場合にも適用できることは勿論である。
図4に示すように、第1振動体4は、使用者が振動板1を第1主面1Aから第2主面1Bへと押圧した場合に、当該押圧荷重を検出する(Op1)。ここで、第1振動体4の荷重検出機能について説明する。すなわち、使用者が、振動板1を第1主面2Aから第2主面1Bへと押圧すると、接着部材3を介して支持板2の第3主面2Aに応力が加わる。支持板2の第3主面2Aに当該応力が加わると、支持板2は、第3主面2Aから第4主面2Bへと歪む。支持板2が第3主面2Aから第4主面2Bへと歪むと、第1振動体4も同じ方向に歪む。このため、振動板1への押圧荷重に応じて、第1振動体4に電圧が発生する。この結果、第1振動体4により振動板1への押圧荷重を検出することができる。
そして、図示しない押圧検出ドライバは、例えば、入力オブジェクトに対する入力操作を検出した場合に、Op1にて検出された押圧荷重が閾値以上であるか否かを判定する(Op2)。
そして、図示しない触覚伝達ドライバは、押圧検出ドライバがOp1にて検出された押圧荷重が閾値以上であると判定すれば(Op2にてYES)、第1振動体4をY方向に伸縮運動させる(Op3)。そして、Op3にて伸縮運動された第1振動体4によって、支持板2がZ方向に湾曲し、これに対応して振動板1がZ方向に振動する(Op4)。これにより、振動板1を第1主面1Aから第2主面1Bへと押圧した使用者に対して、押圧感が伝達される。一方、押圧検出ドライバは、Op1にて検出された押圧荷重が閾値未満であると判定すれば(Op2にてNO)、図4の処理を終了する。なお、本実施形態では、第1振動体4が伸縮運動することによって、支持板2を湾曲させる例について説明したが、これに限らない。第1振動体4は、例えば、縦振動あるいは横振動することによって、振動板1に振動を伝達してもよい。
以上のように、振動装置X1は、小型化を実現することができる。
次に、振動装置X1を備えた電子機器Y1について、図5〜図7を参照しながら説明する。ここで、電子機器Y1としては、電子手帳、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム用の端末装置、デジタルカメラ、スマートフォン等の携帯端末、タブレット端末、あるいは車載用タッチスイッチ等の様々な電子機器を挙げられる。
図5〜図7に示すように、本実施形態に係る電子機器Y1は、振動装置X1、筐体100、両面テープ200、および保護板300を備えている。
筺体100は、振動装置X1を収容する役割を有する。筐体100は、一部が開口しており、当該開口した領域に対応して、振動装置X1における振動板1の第1主面1Aが配置されている。また、筐体100は、振動装置X1を載置するための載置部101を有している。振動装置X1は、支持板2の外縁部2aにおいて、載置部101上に載置されている。すなわち、振動板1の第2主面1Bは、平面視して載置部101と重なっていない。このため、第1振動体4の振動によって支持板2が湾曲した場合に、当該湾曲に応じて振動板1がZ方向に押し上げられるように振動しやすくなる。特に、本実施形態では、平面視して振動板1の第2主面1Bと重なる領域っており且つ支持板2の第4主面2Bと筺体100との間に位置する領域には、部材が配置されない空間が存在している。このため、振動板1がより振動しやすくなる。筐体100の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、あるいは、ステンレス、アルミニウム等の金属が挙げられる。
なお、本実施形態では、支持板2の外縁部2aは、両面テープ200を介して筐体100の載置部101上に設けられている。すなわち、両面テープ200は、支持板2の外縁部2aと筐体100の載置部101とを接着している。このため、例えば、第1振動体4によって振動装置X1が振動した場合に、振動装置X1が位置ずれする可能性を低減することができる。なお、本実施形態では、外縁部2aは、平面視して支持板2の外周部分を指す。すなわち、本実施形態では、支持板2の外周部分と筺体100の載置部101とが両面テープ200によって接着されている。このため、例えば、支持板2の第4主面2Bと筺体とによって取り囲まれる領域における防塵性あるいは防水性を向上することができる。両面テープ200の構成材料としては、接着部材3と同様のものが挙げられる。
また、本実施形態では、支持板2の外縁部2aは、筐体100の側面から離間して位置している。このため、第1振動体4によって振動装置X1が振動した場合に、当該振動が筐体100に伝達されることによって振動装置X1の振動が減衰してしまう可能性を低減することができる。
保護板300は、使用者の入力操作あるいは押圧操作によって振動板1の第1主面1Aが傷ついてしまう可能性を低減する役割を有する。保護板300は、筐体100の開口を封止するように、当該開口に対応して設けられている。保護板300は、振動板1の第1主面1A上に位置している。なお、保護板300は、接着材料によって振動板1の第1主面1Aと接着されていてもよい。また、保護板300はなくともよく、振動板1の第1主面1Aが筐体100の開口において筐体100から露出していてもよい。保護板300の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチックが挙げられる。
以上のように、電子機器Y1は、振動装置X1を備えているため、小型化を実現することができる。
なお、上述した実施形態は、本発明の実施形態の一具体例を示したものであり、種々の変形が可能である。以下、いくつかの主な変形例を示す。なお、以下に示す各変形例において参照する各図では、図1〜図7に示された構成と同様の機能を有する部材について、同じ参照符号を付記し、その詳細の説明は省略する。
[変形例1]
変形例1では、図8および図9を参照しながら、振動装置X2について説明する。
図8および図9に示すように、振動装置X2では、振動装置X1が備える第1振動体4の代わりに、第1振動体5を備えている。
第1振動体5は、第1振動体4と同様の役割を有する。第1振動体5は、図示しない接着材料を介して支持板2の第3主面2A上に設けられている。第1振動体5は、外側領域B1に位置している。第1振動体5は、平面視して略矩形状であり、Y方向に沿って2つ配置されている。なお、第1振動体5の個数および平面視形状は任意であり、振動装置X2の使用態様に応じて適宜変更することができる。第1振動体5は、当該第1振動体5の一端側および他端側に位置する端部5aを有する。
ここで、第1振動体5の端部5aは、平面視して支持板2の外縁部2a上に位置している。具体的には、第1振動体5は、外側領域B1から外縁部2a上に亘って設けられている。このため、第1振動体5の長手方向における長さを相対的に大きくすることができる。このため、第1振動体5の振動に応じて支持板2が湾曲する場合に、当該湾曲量を相対的に大きくすることができる。そのため、支持板2の湾曲に応じて振動板1がZ方向に押
し上げられるように振動した場合に、振動板1のZ方向における振動を相対的に大きくすることができる。
[変形例2]
変形例2では、図10および図11を参照しながら、振動装置X3について説明する。
図10および図11に示すように、振動装置X3では、振動装置X1が備える接着部材3、第1振動体4、および支持板2の代わりに、接着部材6、第1振動体7、および支持板8を備えている。また、振動装置X3は、導電性接続部材T1および配線基板9をさらに備えている。
接着部材6は、接着部材3と同様の役割を有する。接着部材6は、配置領域A1に位置している。具体的には、接着部材6は、振動板1の第2主面1Bと支持板8の第3主面8Aとの間に設けられている。接着部材6は、振動板1の第2主面1Bと接着されるとともに、支持板8の第3主面8Aと接着されている。また、接着部材6の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さい。接着部材6には、開口部6aが設けられている。ここで、変形例2において、平面視して開口部6aが位置する領域は、外側領域B1に含まれる。
なお、開口部6aは、入力装置X3の製造工程において、接着部材6の一部が開口するように切り欠く工程を要するものではない。すなわち、開口部6aは、接着部材6の形成と同時に形成されるものであってもよく、完成品としての振動装置X3において、外側領域B1を避けるように接着部材6一部が開口していればよい。
第1振動体7は、第1振動体4と同様の役割を有する。第1振動体7は、支持板8の第3主面2A上に設けられている。第1振動体7は、外側領域B1に位置している。具体的には、第1振動体7は、開口部6aにおいて接着部材6から露出した支持板8の第3主面8A上に設けられている。
第1振動体7は、接続端子7aを有している。変形例2では、接続端子7aは、第1振動体7の一端側および他端側のそれぞれに設けられている。
支持板8は、支持板2と同様の役割を有する。支持板8は、第3主面8Aおよび第4主面8Bを有している。支持板8の第3主面8Aは、振動板1の第2主面1Bと対向している。支持板8の第4主面8Bは、第3主面8Aの反対側に位置している。支持板8は、平面視して振動板1の第2主面1Bの外側に位置する外縁部8aを有する。
支持板8は、第1配線導体8b、第2配線導体8c、および貫通孔8dをさらに有している。
第1配線導体8bは、支持板8の第3主面8A側に設けられている。第1配線導体8bの一端は、平面視して開口部6aが位置する領域に位置している。具体的には、第1配線導体8bの一端は、第1振動体7の接続端子7aに対応して位置している。第1配線導体8bの一端は、導電性接続部材T1を介して第1振動体7の接続端子7aに電気的に接続されている。第1配線導体8bの他端は、配置領域A1に位置している。
導電性接続部材T1としては、例えば、半田、導電ペースト、ACF(anisotropic conductive film)、ACP(anisotropic conductive paste)、あるいはボンディングワ
イヤ等を採用することができる。なお、導電性接続部材T1はなくともよく、第1配線導体8bの一端と第1振動体7の接続端子7aとが直接圧着されていてもよい。
第2配線導体8cは、支持板8の第4主面8B側に設けられている。第2配線導体8cの一端は、平面視して開口部6aが位置する領域に位置している。ここで、支持板8には、第3主面8Aから第4主面8Bに亘って貫通孔8dが設けられている。第2配線導体8cの一端は、貫通孔8dに設けられた導電体を介して、第1配線導体8bの他端と電気的に接続されている。第2配線導体8cの他端は、第1導通領域G1に位置している。第1導通領域G1は、第2配線導体8cの他端と配線基板9の導電層9aとが電気的に接続される領域である。なお、変形例2では、第1導通領域G1は、支持板8の外縁部8aに位置しているが、これに限らず、支持板2のうち平面視して振動板1の第2主面1Bと重なる部位に位置していてもよい。
第1配線導体8bおよび第2配線導体8cの構成材料としては、例えば、アルミニウム膜、アルミニウム合金膜、クロム膜とアルミニウム膜との積層膜、クロム膜とアルミニウム合金膜との積層膜、銀膜、銅膜、銀合金膜、あるいは金合金膜等の金属薄膜が挙げられる。また、第1配線導体8bおよび第2配線導体8cの構成材料としては、例えば、導体粒子を含有する導電性樹脂材料、あるいは、熱硬化または紫外線硬化型の導電ペーストを挙げることもできる。金属薄膜の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、あるいは蒸着法が挙げられる。なお、導電ペーストを用いる場合は、例えば、スクリーン印刷法を用いることができる。
配線基板9は、第1振動体7と図示しない触覚伝達ドライバとを電気的に接続する役割を有する。配線基板9は、導電層9aおよび絶縁層9bを有している。導電層9aは、絶縁層9bに被覆されている。ここで、導電層9aの一部は、絶縁層9bから露出している。導電層9aの一部は、第1導通領域G1において、導電性接続部材T1を介して第2配線導体8cの他端と電気的に接続されている。配線基板9としては、例えば、従来周知のフレキシブルプリント配線基板を用いることができる。
なお、配線基板9はなくともよく、例えば、振動装置X1に代えて振動装置X3を電子機器Y1に組み込んだ場合に、第1導通領域G1に対応する支持板8を、筐体100等の電子機器Y1を構成する部材に設けられたソケットに挿入する方法を採用してもよい。すなわち、第1導通領域G1に位置する複数の配線導体9bの他端と触覚伝達ドライバとを電気的に接続可能であればよい。
このように、振動装置X3では、第1振動体7は、開口部6aにおいて接着部材6から露出した支持板2の第3主面2A上に設けられている。このような構成によれば、第1振動体7は、平面視して接着部材6に取り囲まれることになる。このため、第1振動体7に対する防塵性あるいは防水性を向上することができる。そのため、振動装置X3の信頼性が向上する。
なお、変形例2のように、第1振動体7は、支持板8の第3主面8A側に設けられた第1配線導体8bに電気的に接続されており、第1配線導体8bは、貫通孔8dに設けられた導電体を介して第2配線導体8cに電気的に接続されていることが好ましい。このような構成によれば、平面視して支持板8の外側において、配線を引き回す必要がなく、振動装置X3をより小型化することができる。また、振動装置X1に代えて振動装置X3を電子機器Y1に組み込んだ場合に、平面視して配線基板9を取り囲んで両面テープ200を配置することができる。このため、振動装置X3では、塵あるいは水分の影響によって、配線基板9に不具合が生じる可能性を低減することができる。
また、変形例2のように、貫通孔8dは、平面視して配置領域A1と重なって位置していることが好ましい。貫通孔8dが平面視して配置領域A1と重なっていると、第1配線
導体8bは、平面視して開口部6aが位置する領域から配置領域A1に亘って位置することになる。このため、振動装置X3では、大気中の水分の吸湿あるいは塵の付着等によって、第1配線導体8bが腐食してしまう可能性を低減することができる。
[変形例3]
変形例3では、図12および図13を参照しながら、振動装置X4について説明する。
図12および図13に示すように、振動装置X4では、振動装置X1が備える振動板1および第1振動体4の代わりに、振動板10および第1振動体11を備えている。
振動板10は、振動板1と同様の役割を有する。振動板10は、入力操作を行うための入力板である。振動板10は、入力領域E1および非入力領域E2を有する。入力領域E1は、使用者が入力操作を行うことができる領域である。なお、変形例3では、入力領域E1は、平面視して配置領域A1と同一の領域である。また、非入力領域E2は、使用者が入力操作を行うことができない領域である。なお、変形例3では、非入力領域E2は、平面視して外側領域B1と同一の領域である。振動板10は、第1主面10Aおよび第2主面10Bを有する。第1主面10Aは、第2主面10Bよりも使用者に近い側に位置している。第2主面10Bは、第1主面10Aの反対側に位置している。
振動板10は、基板10a、第1検出電極10b、第2検出電極10c、絶縁体10d、および検出配線10eを有する。
基板10aは、第1検出電極10b、第2検出電極10c、絶縁体10d、および検出配線10eを支持する役割を有する。基板10aの構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチック等が挙げられる。
第1検出電極10bは、X方向における入力操作位置を検出する役割を有する。第1検出電極10bは、第2主面10B側に位置している。第1検出電極10bは、入力領域E1に対応する基板10a上に設けられている。第1検出電極10bは、Y方向に沿って延びる電極であり、X方向に並んで配置されている。なお、第1検出電極10bの平面視形状については、任意であり、振動装置X4の使用態様に応じて適宜変更することができる。
第2検出電極10cは、Y方向における入力操作位置を検出する役割を有する。第2検出電極10cは、第2主面10B側に位置している。第2検出電極10cは、入力領域E1に対応する基板10a上に設けられている。第2検出電極10cは、X方向に沿って延びる電極であり、Y方向に並んで配置されている。なお、第1検出電極10bの平面視形状については、任意であり、振動装置X4の使用態様に応じて適宜変更することができる。
第1検出電極10bおよび第2検出電極10cの構成材料としては、例えば、透光性を有する導電性部材が挙げられる。透光性を有する導電性部材としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ATO(Al-Doped Tin Oxide)、
酸化錫、酸化亜鉛、あるいは導電性高分子が挙げられる。第1検出電極10bおよび第2検出電極10cの形成方法としては、例えば、上述の材料をスパッタリング法、蒸着法、あるいはCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって基板10a上に成膜する。そ
して、この膜の表面に感光性樹脂を塗布し、露光、現像、エッチング工程を経て、膜がパターニングされることで、第1検出電極10bおよび第2検出電極10cが形成される。
絶縁体10dは、第1検出電極10bと第2検出電極10cとを電気的に絶縁する役割
を有する。すなわち、第2検出電極10cの一部は、平面視して第1検出電極10bの一部と交差している。絶縁体10dは、第1検出電極10bの一部と第2検出電極10cの一部との間に介在している。絶縁体10dの構成材料としては、有機材料からなる樹脂が挙げられる。有機材料からなる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、あるいはシリコーン樹脂が挙げられる。
検出配線10eは、第1検出電極10bおよび第2検出電極10cと、外部に位置する図示しない位置検出ドライバとを電気的に接続する役割を有する。検出配線10eは、第2主面10B側に位置している。検出配線10eは、非入力領域E2に対応する基板10a上に設けられている。検出配線10eの一端は、第1検出電極10bおよび第2検出電極10cと電気的に接続されている。検出配線10eの他端は、非入力領域E2に含まれる第2導通領域G2に位置している。なお、第2導通領域G2の配置位置については、任意であり、振動装置X4の使用態様に応じて適宜変更することができる。検出配線10eの構成材料および形成方法としては、第1配線導体8bおよび第2配線導体8cと同様のものが挙げられる。
第1振動体11は、第1振動体4と同様の役割を有する。第1振動体11は、図示しない接着材料を介して支持板2の第3主面2A上に設けられている、第1振動体11は、外側領域B1に位置している。すなわち、第1振動体11は、平面視して非入力領域E2と重なって位置している。第1振動体11は、平面視して検出配線10eの外側に位置している。換言すれば、第1振動体11は、平面視して検出配線10eと重なっていない。第1振動体11は、平面視して略矩形状であり、Y方向に沿って2つ配置されている。なお、第1振動体5の個数および平面視形状は任意であり、振動装置X4に使用態様に応じて適宜変更することができる。
このように、振動装置X4では、接着部材3が位置する配置領域A1は、平面視して入力領域E1と重なっている。また、第1振動体11は、平面視して非入力領域E2と重なって位置している。このため、第1振動体11は、入力領域E1の外側に位置することになる。そのため、例えば、第1振動体11に交流電圧を印加した場合に、当該交流電圧によって発生した電気的ノイズが、第1検出電極10bまたは第2検出電極10cに混入してしまう可能性を低減することができる。そのため、入力板としての振動板10に誤動作が生じる可能性を低減することができる。
また、変形例3のように、第1振動体11は、平面視して検出配線10eの外側に位置していることが好ましい。換言すれば、第1振動体11は、平面視して検出配線10eと重なっていないことが好ましい。このような構成によれば、例えば、第1振動体11に交流電圧を印加した場合に、当該交流電圧によって発生した電気的ノイズが、検出配線10eに混入してしまう可能性を低減することができる。そのため、入力板としての振動板10に誤動作が生じる可能性を低減することができる。
また、変形例3のように、第1検出電極10bおよび第2検出電極10cは、振動板10の第2主面10B側に設けられており、平面視して接着部材3と重なっていることが好ましい。このような構成によれば、大気中の水分の吸湿、あるいは、塵の付着から、第1検出電極10bおよび第2検出電極10cを保護することができる。
[変形例4]
変形例4では、図14〜図16を参照しながら、振動装置X5について説明する。
図14〜図16に示すように、振動装置X5では、振動装置X1が備える振動板1の代わりに、振動板12を備えている。
振動板12は、画像を表示するための表示素子を有した表示機能付き入力装置である。具体的には、振動板12は、入力板12aおよび表示板12bを有する。振動装置X5では、入力板12aの上面が、振動板12の第1主面12Aとなる。また、表示板12bは、表示素子を含んでおり、当該表示素子によって画像を表示する役割を有する。表示板12bは、入力板12aよりも支持板2側に位置している。振動装置X5では、表示板12bの下面が、振動板12の第2主面12Bとなる。また、入力板12aの下面と表示板12bの上面とは、光学接着部材12cによって接着されている。
このように、振動装置X5では、振動板12は、入力板12aおよび表示板12bを有している。このため、表示板12bにおける表示画像を視認しながら、入力板12aにおいて入力操作を行うことができる。ここで、振動板12は、入力板12aおよび表示板12bを有しているため、振動板1に比して厚みが大きくなる可能性がある。すなわち、振動板12は、振動板1に比して振動しにくい可能性がある。そこで、本発明を適用した振動装置X4では、振動板12が入力板12aおよび表示板12bを有していたとしても、当該振動板12を十分に振動させることができる。
なお、変形例4では、入力板12aは、静電容量方式のタッチパネルであるが、これに限らない。入力板12aは、例えば、抵抗膜方式のタッチパネル、表面弾性波方式のタッチパネル、光学方式のタッチパネル、あるいは電磁誘導方式のタッチパネルであってもよい。
また、変形例4では、表示板12bは、液晶ディスプレイである。具体的には、表示板12bは、液晶パネル、導光板、および光源を有している。液晶パネルは、2つの対向する基板の間に、表示素子としての液晶を封入したパネル部材である。また、導光板は、液晶パネルの下面に対向して配置されている。導光板は、光源から出射される光を液晶パネルの下面に導出する役割を有する。
なお、表示板12bは、液晶パネル、導光板、および光源以外にも、種々の部材を備え得る。具体的には、表示板12bは、例えば、導電性を有するシールド板を有していてもよい。このようなシールド板は、例えば、振動板12の第2主面12B側に配置される。なお、シールド板は、支持板2と一体であってもよい。すなわち、支持板2が導電性を有する構成材料からなる場合、入力板12aおよび表示板12bから発生した電磁的ノイズが、支持板2の第4主面2B側に位置する部材に伝達される可能性を低減することができる。
また、表示板12bは、液晶ディスプレイでなくともよく、例えば、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FED(Field Emission Display)、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)、あるいは電子ペーパであってもよい。
また、振動板12は、入力板12aおよび表示板12bを有していなくともよい。すなわち、振動板12は、入力機能および表示機能を有する一体の部材であればよく、例えば、イン・セル方式のタッチパネル、あるいはオン・セル方式のタッチパネル等を採用することもできる。
[変形例5]
変形例5では、図17および図18を参照しながら、振動装置X6について説明する。
図17および図18に示すように、振動装置X6では、第2振動体13をさらに備える。
第2振動体13は、第1振動体4と同様の役割を有する。第2振動体13は、圧電素子である。第2振動体13は、支持板2の第4主面2B上に設けられている、第2振動体13は、平面視して外側領域B1と重なって位置している。具体的には、第2振動体13は、平面視して第1振動体4と重なっている。このため、振動装置X6では、第1振動体4、支持板2、および第2振動体13がバイモルフ型の圧電構造体として機能する。そのため、使用者に対してより強い振動を伝達することができる。
[変形例6]
変形例6では、図19〜図21を参照しながら、振動装置X7について詳細に説明する。
図19〜図21に示すように、振動装置X7では、振動装置X1が備える支持板2、接着部材3、および第1振動体4の代わりに、支持板14、接着部材15、および第1振動体16備えている。
支持板14は、支持板2と同様の機能を有する。支持板14は、第3主面14Aおよび第4主面14Bを有する。第3主面14Aは、振動板1の第2主面1Bと対向している。第4主面14Bは、第3主面14Aの反対側に位置している。ここで、支持板14は、平面視して振動板1の一方側の短辺に沿って設けられている。また、支持板14の全部は、振動板1の一部と重なっている。換言すれば、振動板1は、一部が支持板14と重なっており、残部が支持板14と重なっていない。
接着部材15は、接着部材3と同様の機能を有する。接着部材15は、振動板1の第2主面1Bと支持板14の第3主面14Aとの間に設けられている。接着部材15は、配置領域A1に位置している。変形例6では、配置領域A1は、平面視して2つの領域に分かれている。接着部材15の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さい。
第1振動体16は、第1振動体4と同様の機能を有する。第1振動体16は、支持板14の第3主面14A上に設けられている。第1振動体16は、平面視して振動板1の短辺に沿って1つ配置されている。第1振動体16は、外側領域B1に位置している。具体的には、第1振動体16は、平面視して互いに隣り合う2つの配置領域A1の間に位置している。
このように、支持板14の配置位置および形状については、任意であり、例えば、使用者による押圧が伝達されやすい領域にのみ配置することができる。このような構成によれば、支持板14は、支持板2に比して平面視における面積を小さくすることができる。このため、振動板1の第2主面1B上において、支持板14以外の部材を配置できる領域を確保することができる。
[変形例7]
変形例7では、図22〜図24を参照しながら、振動装置X8について説明する。
図22〜図24に示すように、振動装置X8では、振動装置X1が備える振動板1、接着部材3、および第1振動体4の代わりに、振動板17、接着部材18、および第1振動体19を備えている。
振動板17は、振動板1と同様の機能を有する。振動板17は、第1主面17Aおよび第2主面17Bを有する。第1主面17Aは、第2主面17Bよりも使用者側に位置して
いる。第2主面17Bは、第1主面17Aの反対側に位置している。振動板17は、平面視して略円形状である。
接着部材18は、接着部材3と同様の機能を有する。接着部材18は、振動板17の第2主面17Bと支持板2の第3主面2Aとの間に設けられている。接着部材18は、配置領域A1に位置している。変形例7では、配置領域A1は、平面視して2つの領域に分かれている。接着部材18の平面視における面積は、振動板17の第2主面17Bの面積よりも小さい。
第1振動体19は、第1振動体4と同様の機能を有する。第1振動体19は、支持板2の第4主面2B上に設けられている。第1振動体19は、平面視して支持板2の長辺に沿って1つ配置されている。第1振動体19は、外側領域B1に位置している。具体的には、第1振動体19は、平面視して互いに隣り合う2つの配置領域A1の間に位置している。
ここで、振動装置X8において、振動板17が平面視して略円形状であるのは、例えば、振動装置X8をタッチスイッチとして自動車のハンドルに組み込んだ際に、当該ハンドルと意匠性の統一を図るためである。すなわち、本発明に係る振動装置は、使用態様によって、振動板の形状を適宜変更することになる。このような場合、従来の振動装置では、振動板の平面視における面積が相対的に小さくなり、振動体を配置するスペースを確保できない可能性があった。
そこで、振動装置X8では、支持板2は、一部が振動板17と重なっており、残部が振動板17の外側に張り出している。具体的には、支持板2の外縁部2aは、平面視して振動板17の外側に張り出している。このため、振動板17の平面視における面積が相対的に小さくなったとしても、第1振動体19を配置するスペースを確保することができる。そのため、振動板17の平面視形状を適宜変更したとしても、使用者に対して十分な触覚を伝達することができる。
[変形例8]
変形例8では、図25および図26を参照しながら、振動装置X9について説明する。
図25および図26に示すように、振動装置X9は、振動装置X1が備える支持板2、接着部材3、および第1振動体4の代わりに、支持板20、接着部材21、および第1振動体22を備える。
支持板20は、支持板2と同様の機能を有する。支持板20は、第3主面20Aおよび第4主面20Bを有する。第3主面20Aは、振動板1の第2主面1Bと対向している。第4主面20Bは、第3主面20Aの反対側に位置している。ここで、支持板20は、平面視して振動板1の第2主面1Bの外側に位置する外縁部20aを有する。変形例8では、支持板20は、Y方向に沿って延びるように配置された略矩形状である。
接着部材21は、接着部材3と同様の役割を有する。接着部材21は、振動板1の第2主面1Bと支持板20の第3主面20Aとの間に設けられている。接着部材21は、配置領域A1に位置している。変形例8では、配置領域A1は、平面視して2つの領域に分かれている。接着部材21の平面視における面積は、振動板1の第2主面1Bの面積よりも小さい。
第1振動体22は、第1振動体4と同様の機能を有する。第1振動体22は、支持板20の第4主面20B上に設けられている。第1振動体22は、平面視して支持板20の長
辺に沿って1つ配置されている。第1振動体22は、外側領域B1に位置している。具体的には、第1振動体22は、平面視して互いに隣り合う2つの配置領域A1の間に位置している。第1振動体22は、当該第1振動体22の一端側および他端側に位置する端部22aを有する。端部22aは、支持板20の外縁部20a上に位置している。
次に、図27〜図30を参照しながら、振動装置X9を備えた携帯端末Z1について説明する。なお、図27は、携帯端末Z1の概略構成を示す斜視図である。図28は、携帯端末Z1の概略構成を示す平面図である。図29は、携帯端末Z1の概略構成を示す側面図であって、第2開口部400bが位置する側面を示した図である。図30は、図28中に示したX−X線断面図である。
図27〜図30に示すように、携帯端末Z1は、スマートフォン端末である。なお、携帯端末Z1は、スマートフォン端末でなくともよく、例えば、ゲーム用の端末装置、デジタルカメラ、あるいはタブレット端末等であってもよい。すなわち、携帯端末Z1は、使用者によって保持されつつ操作を行うものであればよい。
携帯端末Z1は、振動装置X9、筺体400、タッチパネル500、表示パネル600、および保護パネル700を備えている。
筺体400は、振動装置X9、タッチパネル500、および表示パネル600を収容する役割を有する。筺体400は、第1開口部400a、および、第1開口部400aとは独立して位置する第2開口部400bを有する。第2開口部400bは、筺体400の側面に位置している。
タッチパネル500は、携帯端末Z1の使用者が入力操作を行うための部材である。タッチパネル500は、第1開口部400aに対応して配置されている。具体的には、タッチパネル500は、第1開口部400aにおいて使用者が入力操作を行うことができるように配置されている。タッチパネル500としては、入力板12aと同様のものを採用することができる。
表示パネル600は、画像を表示するための部材である。表示パネル600は、タッチパネル500の下方に配置されている。このため、携帯端末Z1の使用者は、タッチパネル500を介して表示パネル600を視認しつつ、当該タッチパネル500において入力操作を行うことができる。表示パネル600としては、表示板12bと同様のものを採用することができる。
なお、タッチパネル500と表示パネル600とは、離間していてもよいし、光学接着部材等の接着部材を介して接着されていてもよい。また、表示パネル600の下方には、回路基板等の部材が設けられていてもよい。
保護パネル700は、使用者の入力操作によってタッチパネル500が傷ついてしまう可能性を低減する役割を有する。保護パネル700は、筐体400の第1開口部400aを封止するように、当該第1開口部400aに対応して設けられている。保護パネル700は、タッチパネル500上に位置している。なお、保護パネル700は、接着材料によってタッチパネル500と接着されていてもよい。また、保護パネル700はなくともよく、タッチパネル500が第1開口部400aにおいて筐体100から露出していてもよい。保護パネル700としては、保護板300と同様のものを採用することができる。
振動装置X9は、第2開口部400bに対応して配置されている。具体的には、振動装置X9は、筺体400に収容されており、第2開口部400bにおいて振動板1の第1主
面1Aが露出している。振動装置X9は、支持板2の外縁部2aにおいて、筺体400に設けられた保持部400cに保持されている。
ここで、携帯端末Z1は、タッチパネル500における入力操作に応じて、振動装置X9が振動するように構成されている。ここで、携帯端末Z1の使用者は、振動板1の第1主面1Aに接触した状態で当該携帯端末Z1を保持しつつ、タッチパネル500における入力操作を行う。すなわち、携帯端末Z1では、タッチパネル500において行われた入力操作に応じて、使用者における携帯端末Z1の保持部位に対して触覚を伝達することができる。
なお、変形例8のように、振動板1のうち少なくとも一部は、筺体400と離間していることが好ましい。振動板1が筺体400と離間していると、当該筺体400によって振動が抑制される可能性を低減することができる。なお、振動板1と筺体400とが離間している場合に、当該離間した領域は、振動を抑制しない程度の弾性を有するシール部材によって封止されていてもよい、このような構成によれば、携帯端末Z1の防塵性および防水性を向上することができる。
[変形例9]
なお、本明細書は、上記の実施形態、および変形例1〜8について個別具体的に説明したが、これに限らず、上記の実施形態、および変形例1〜8に個別に記載された事項を適宜組み合わせた例についても記載されているものである。すなわち、本発明に係る振動装置は、振動装置X1〜X9に限定されるものではなく、上記の実施形態、および変形例1〜8に個別に記載された事項を適宜組み合わせた振動装置も含む。また、上記の実施形態では、振動装置X1を備えた電子機器Y1について説明したが、本発明に係る電子機器は、これに限定されない。本発明に係る電子機器は、振動装置X1に代えて振動装置X2〜X9を備えていてもよい。また、変形例8では、振動装置X9を備えた携帯端末Z1について説明したが、本発明に係る携帯端末は、これに限定されない。本発明に係る携帯端末は、振動装置X9に代えて振動装置X1〜X8を備えていてもよい。
また、上記の実施の形態では、本発明に係る振動装置を触覚伝達技術に適用した例について説明したが、これに限らない。本発明に係る振動装置は、触覚伝達技術以外にも、例えば、骨や軟骨を介して音声を伝達することができる骨伝導技術にも適用することができる。また、本発明に係る振動装置は、振動板における振動を利用して電力を発生する発電技術にも適用することができる。また、本発明に係る振動装置は、外部からの振動あるいは音波を電気エネルギーとして消費する防振・防音技術にも適用することができる。