以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る接続構造体、入力装置、表示装置、および電子機器は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る入力装置X1は、投影型の静電容量方式タッチパネルであって、入力領域E1および非入力領域E2を有している。入力領域E1は、使用者が入力操作を行うことができる領域である。非入力領域E2は、使用者が入力操作を行うことができない領域である。本実施形態に係る非入力領域E2は、入力領域E1を取り囲むように当該入力領域E1の外側に位置しているが、これに限らない。例えば、入力領域E1内に非入力領域E2が位置していてもよい。
なお、入力装置X1は、投影型の静電容量方式タッチパネルに限らず、例えば、表面型の静電容量方式タッチパネル、抵抗膜方式タッチパネル、表面弾性波方式タッチパネル、光学方式タッチパネル、あるいは電磁誘導方式タッチパネルであってもよい。
入力装置X1は、基体2、第1検出電極パターン3、第2検出電極パターン4、絶縁体5、遮光層6、被覆層7、金属層8、第1導電層9、第2導電層10、樹脂層11、配線基板12、接続部材13、第1保護層14、第2保護層15、および保護シート16を備える。
まず、図1〜5を参照しつつ、基体2、第1検出電極パターン3、第2検出電極パターン4、絶縁体5、遮光層6、被覆層7、および金属層8について説明する。なお、図2では、説明の便宜上、絶縁体5の図示は省略する。
なお、上記の各部材のうち、基体2、金属層8、第1導電層9、第2導電層10、樹脂層11、配線基板12、および接続部材13が、本発明に係る接続構造体の一実施形態となる。
基体2は、上記の各部材を支持する役割を有する。基体2は、第1主面2Aおよび第2主面2Bを有する。第1主面2Aは、第2主面2Bよりも使用者側に位置している。第2主面2Bは、第1主面2Aの反対側に位置している。基体2は、絶縁性を有するとともに、基体2の第1主面2Aおよび第2主面2Bに交差する方向に入射する光に対して透光性を有する。なお、本実施形態における「透光性」とは、可視光の一部または全部を透過する性質を指す。
なお、入力装置X1では、基体2は、平面視して、略矩形状であるが、これに限らず、楕円形状あるいは多角形状であってもよい。
基体2の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチックが挙げられる。
第1検出電極パターン3は、入力領域E1に対応する基体2の第1主面2Aに接近した使用者の指F1との間において静電容量を発生し、Y方向における入力位置を検出する役割を有する。第1検出電極パターン3は、入力領域E1に対応する基体2の第2主面2B上に、Y方向に並んで複数設けられている。また、第1検出電極パターン3は、第1検出電極3aおよび第1電極間配線3bを有する。
第1検出電極3aは、使用者の指F1との間において静電容量を発生する役割を有する。第1検出電極3aは、X方向に並んで複数設けられている。第1電極間配線3bは、第1検出電極3a同士を電気的に接続する役割を有する。第1電極間配線3bは、互いに隣り合う第1検出電極3aの間に設けられている。
第2検出電極パターン4は、入力領域E1に対応する基体2の第1主面2Aに接近した使用者の指F1との間において静電容量を発生し、X方向における入力位置を検出する役割を有する。第2検出電極パターン4は、入力領域E1に対応する基体2の第2主面2B上に、X方向に並んで複数設けられている。また、第2検出電極パターン4は、第2検出電極4aおよび第2電極間配線4bを有する。
第2検出電極4aは、使用者の指F1との間において静電容量を発生する役割を有する。第2検出電極4aは、Y方向に並んで複数設けられている。第2電極間配線4bは、第2検出電極4a同士を電気的に接続する役割を有する。第2電極間配線4bは、互いに隣り合う第2検出電極4aの間において、第1電極間配線3bと電気的に絶縁するように、絶縁体5を跨いで当該絶縁体5上に設けられている。ここで、絶縁体5は、第1電極間配線3bを覆うように基体2の第2主面2B上に設けられている。絶縁体5の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、二酸化ケイ素、あるいは窒化珪素等の透明樹脂が挙げられる。
上述の第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4の構成材料としては、透光性を有する導電性部材が挙げられる。透光性を有する導電性部材としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Al-Doped Zinc Oxide)、酸化錫、酸化亜鉛、あるいは導電性高分子が挙げられる。
第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4の形成方法としては、例えば、上述の材料をスパッタリング法、蒸着法、あるいはCVD(Chemical Vapor Deposition
)法によって基体2の第2主面2B上に成膜する。そして、この膜の表面に感光性樹脂を塗布し、露光、現像、エッチング工程を経て、膜がパターニングされることで、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4が形成される。
遮光層6は、入力装置X1の非入力領域E2を遮光する役割を有する。このため、遮光層6は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に設けられている。遮光層6の構成材料としては、樹脂材料に着色材料を含んだものが挙げられる。樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、あるいはシリコーン系樹脂が挙げられる。着色材料としては、例えば、カーボン、チタン、あるいはクロムが挙げられる。遮光層6の形成方法としては、例えば、スクリーン印刷法、スパッタリング法、CVD法、あるいは蒸着法が挙げられる。
被覆層7は、遮光層6を保護する役割を有する。ここで、遮光層6を保護する役割としては、例えば、遮光層6を水分の吸湿による腐食から保護する役割、あるいは、遮光層6の材質が変質してしまう可能性を低減する役割が挙げられる。被覆層7は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に設けられており、遮光層6を被覆している。被覆層7の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、あるいはウレタン系樹脂が挙げられる。被覆層7の形成方法としては、例えば、転写印刷法、スピンコート法、あるいはスリットコート法が挙げられる。
金属層8は、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4と指F1との間において発生した静電容量の変化を検出する役割を有する。金属層8は、被覆層7上に複数設けられている。複数の金属層8は、一方の群と他方の群とに分けられる。一方の群に含まれる金属層8は、一端が第1検出電極パターン3に接続され、他端が導通領域G1に位置している。また、他方の群に含まれる金属層8は、一端が第2検出電極パターン4に電気的に接続され、他端が導通領域G1に位置している。
なお、導通領域G1とは、後述する配線基板12の接続端子12cと金属層8とを電気的に接続するための領域である。入力装置X1では、導通領域G1は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上において、基体2の短辺に沿って位置している。
金属層8は、硬質で高い形状安定性を得るべく、金属薄膜で形成される。金属薄膜の構成材料としては、例えば、アルミニウム膜、アルミニウム合金膜、クロム膜とアルミニウム膜との積層膜、クロム膜とアルミニウム合金膜との積層膜、銀膜、銀合金膜、あるいは金合金膜が挙げられる。金属薄膜の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、あるいは蒸着法が挙げられる。
次に、図1〜5に加えて、図6〜8を参照しながら、第1導電層9、第2導電層10、樹脂層11、配線基板12、および接続部材13について具体的に説明する。図6は、図2中に示した領域A1を拡大した平面図である。図6では、説明の便宜上、保護シート16の図示は省略する。図7は、図6中に示したIV−IV線断面図である。図8は、図6中に示したV−V線断面図である。なお、なお、図2では、説明の便宜上、第1導電層9、第2導電層10、樹脂層11、および接続部材13の図示は省略する。
第1導電層9は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に設けられている。具体的には、第1導電層9は、導通領域G1に位置している。第1導電層9は、載置領域9aおよび載置領域9aの外側に位置する接続領域9bを有する。載置領域9a上には、金属層8が位置している。すなわち、第1導電層9は、載置領域9aにおいて、当該載置領域9a上に位置する金属層8に電気的に接続されている。
なお、入力装置X1では、第1導電層9の接続領域9bは、導通領域G1において、載置領域9aを取り囲むように位置しているが、これに限らず、載置領域9aの外側に位置していればよい。また、入力装置X1では、第1導電層9は、平面視して矩形状であるが、これに限らず、平面視して楕円形状あるいは多角形状であってもよい。
第2導電層10は、金属層8が、大気中の水分を吸湿することによって腐食してしまう可能性を低減する役割を有する。また、第2導電層10は、金属層8と配線基板12の接続端子12cとを電気的に接続する役割を有する。第2導電層10は、導通領域G1に位置しており、第1導電層9および金属層8を被覆している。第2導電層10は、第1導電層9の接続領域9bに接続されている。すなわち、第2導電層10は、第1導電層9の接続領域9bにおいて、当該第1導電層9に電気的に接続されている。
なお、入力装置X1では、第2導電層10は、導通領域G1において、第1導電層9および金属層8を完全に被覆しているが、これに限らず、第1導電層9の一部および金属層8の一部を被覆していてもよい。
第1導電層9および第2導電層10の構成材料としては、例えば、金属層8よりも酸化しにくい導電性材料が挙げられる。具体的には、例えば、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4と同様の構成材料が挙げられる。なお、金属層8よりも酸化しにくい導電性材料とは、金属層8の構成材料よりもイオン化傾向が小さい構成材料を指すことができる。また、加速劣化試験によって、金属層8、第1導電層9、および第2導電層10の酸化しやすさを評価することもできる。第1導電層9および第2導電層10の形成方法としては、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4と同様のものが挙げられる。
樹脂層11は、導通領域G1に位置しており、金属層8と第2導電層10との間に介在している。具体的には、樹脂層11は、金属層8を被覆している。また、第1導電層9の接続領域9bは、樹脂層11から露出している。このため、第2導電層10は、樹脂層11上から第1導電層9の接続領域9b上に亘って位置している。なお、入力装置X1では、樹脂層11は、導通領域G1において、金属層8を完全に被覆しているが、これに限らず、金属層8上に位置していればよい。樹脂層11の構成材料および形成方法としては、被覆層7と同様のものが挙げられる。
配線基板12は、金属層8と図示しない位置検出ドライバとを電気的に接続する役割を有する。配線基板12は、配線12aの一部が露出するように、配線12aの残部が絶縁層12bに被覆されている。絶縁層12bから露出した配線12aは、接続端子12cとして機能する。配線基板12としては、例えば、従来周知のフレキシブルプリント配線基板を用いることができる。
ここで、入力装置X1では、樹脂層11上に位置する第2導電層10は、導電性粒子13aを含んだ接続部材13を介して、配線基板12の接続端子12cに電気的に接続されている。このため、入力装置X1では、第2導電層10にクラックが生じる可能性を低減することができる。
具体的には、導電性粒子を含んだ接続部材を介して、第2導電層と配線基板の接続端子とを電気的に接続するためには、接続端子に対して、第2導電層が位置する方向へ押圧を加えることによって、第2導電層と接続端子との間に位置する複数の導電性粒子同士の間隔を密にする必要がある。しかしながら、従来の入力装置では、金属層は、第2導電層に直接被覆されており、金属層の直上に第2導電層が位置していた。ここで、金属層は、金属材料からなるため、弾性率が相対的に大きく、硬質で脆い部材である。このため、導電
性粒子を含んだ接続部材を介して、第2導電層と配線基板の接続端子とを電気的に接続するために、接続端子に対して、第2導電層が位置する方向へ押圧を加えた際に、第2導電層に導電性粒子がめり込み、金属層および第2導電層にクラックが生じてしまう可能性があった。金属層にクラックが生じた場合、第1導電層との電気的接続信頼性の低下あるいは金属層に腐食が生ずる可能性がある。また、第2導電層にクラックが生じた場合、電気的接続信頼性が低下する可能性がある。
そこで、入力装置X1では、金属層8と第2導電層10との間には、樹脂層11が介在している。樹脂層11上に位置する第2導電層10は、導電性粒子13aを含んだ接続部材13を介して、配線基板12の接続端子12cに電気的に接続されている。ここで、樹脂層11は、樹脂材料からなるため、金属層8に比して、弾性率が小さく軟質である。このため、導電性粒子13aを含んだ接続部材13を介して、第2導電層10と配線基板12の接続端子12cとを電気的に接続するために、接続端子12cに対して、第2導電層10が位置する方向へ押圧を加えた際に、当該押圧を樹脂層11によって緩和することができる。そのため、第2導電層10に対して導電性粒子13aが過剰にめり込む可能性を低減することができ、金属層8および第2導電層10にクラックが生じる可能性を低減することができる。
なお、接続部材13としては、従来周知の異方性導電フィルムあるいは等方性導電フィルム等を用いることができる。ここで、入力装置X1では、接続部材13は、接着成分を含有した異方性導電フィルムであり、導通領域G1の全領域に亘って設けられている。このため、配線基板12が基体2の第2主面2B上から剥がれてしまう可能性を低減することができる。
また、入力装置X1では、樹脂層11を備えているため、基体2の第2主面2Bから樹脂層11上に位置する第2導電層10までの距離を相対的に大きくすることができる。このため、導通領域G1において、基体2の第2主面2Bと第2導電層10とがなす表面の凹凸を大きくすることができる。そのため、アンカー効果によって、接続部材13の密着性を向上させることができ、配線基板12が基体2の第2主面2B上から剥がれてしまう可能性をより低減することができる。
また、入力装置X1は、第2導電層10は、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4と同じ透明導電性材料からなる。このため、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4の形成過程において、第2導電層10を同時に形成することができ、製造工程数を低減することができる。
次に、第1保護層14、第2保護層15、および保護シート16について説明する。なお、図2では、説明の便宜上、保護シート16の図示は省略する。
第1保護層14は、金属層8を保護する役割を有する。金属層8を保護する役割としては、例えば、水分の吸湿による腐食から保護する役割、あるいは、静電気の混入による誤動作を防止する役割が挙げられる。第1保護層14は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に設けられている。具体的には、第1保護層14は、被覆層7上に位置しており、金属層8を被覆している。なお、第1保護層14は、導通領域G1には設けられていない。第1保護層14の構成材料および形成方法としては、樹脂層11と同様のものが挙げられる。なお、第1保護層14は、樹脂層11と一体として形成されていてもよい。
第2保護層15は、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4を保護する役割を有する。ここで、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4を保護す
る役割としては、例えば、水分の吸湿による腐食から保護する役割、あるいは、静電気の混入による誤動作を防止する役割が挙げられる。第2保護層15は、入力領域E1および非入力領域E2の一部に対応する基体2の第2主面2b上に設けられている。第2保護層15は、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4を被覆している。第2保護層15の構成材料としては、例えば、透光性を有する無機材料が挙げられる。透光性を有する無機材料としては、例えば、二酸化ケイ素あるいは窒化ケイ素が挙げられる。第2保護層15を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、スクリーン印刷法、あるいはインクジェット印刷法が挙げられる。
保護シート16は、使用者の指F1の接触によって基体2の第1主面2Aを傷付けないように保護する役割を有する。保護シート16は、図示しない粘着材を介して、入力領域E1および非入力領域E2に対応する基体2の第1主面2A上の全面に亘って設けられている。なお、保護シート16は、基体2の第1主面2A上の全面に亘って設けられていなくともよい。すなわち、保護シート16は、入力領域E1に対応する基体2の第1主面2A上にのみ設けられていてもよいし、なくともよい。保護シート16は、透光性を有する。保護シート16の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチックが挙げられる。
次に、入力装置X1の検出原理について説明する。
位置検出ドライバは、配線基板12を介して、金属層8に電気的に接続されている。また、位置検出ドライバは、電源装置を備えている。電源装置は、金属層8を介して、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4に電圧を供給している。ここで、入力領域E1に対応する基体2の第1主面2Aに、保護シート16を介して導電体である指F1が近接、接触、または押圧すると、指F1と第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4との間において静電容量が発生する。位置検出ドライバは、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4において発生する静電容量を常に検出しており、検出した静電容量が所定値に達した第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4の組合せによって、使用者が入力操作を行った入力位置を検出する。このようにして、入力装置X1は、入力位置を検出することができる。
以上のように、入力装置X1では、金属層8および第2導電層10にクラックが生じる可能性を低減することができる。
次に、図9を参照しながら、入力装置X1を備えた表示装置Y1について説明する。図9は、表示装置Y1の概略構成を示す断面図である。
図9に示すように、本実施形態に係る表示装置Y1は、入力装置X1、第1筐体100、表示パネル200、バックライト300、および回路基板400を備えている。
第1筺体100は、入力装置X1、表示パネル200、バックライト300、および回路基板400を収容する役割を有する。第1筺体100は第1支持部101を有する。第1支持部101は、入力装置X1を基体2の第2主面2B側から支持する役割を有する。
第1筐体100の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、あるいは、ステンレス、アルミニウム等の金属が挙げられる。
表示パネル200は、画像あるいは動画を表示する役割を有する。表示パネル200は、上側基板201、下側基板202、液晶層203、および封止部材204を有する。
上側基板201は、入力装置X1の基体2の第2主面2Bに対向して、配置されている。なお、入力装置X1は、固定部材を介して上側基板201上に設けられていてもよい。固定部材としては、例えば、両面テープ、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、あるいはねじ等の止め具が挙げられる。下側基板202は、上側基板201に対向して配置されている。上側基板201および下側基板202の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチック等の透明樹脂材料が挙げられる。
液晶層203は、画像あるいは動画を表示するための表示部材層であり、上側基板201と下側基板202との間に介在している。具体的には、液晶層203は、上側基板201、下側基板202、および封止部材204によって、上側基板201と下側基板202との間の領域に封止されている。なお、本実施形態に係る表示パネル200では、表示部材層として液晶層203を備えているが、これに限らない。液晶層203に変えて、プラズマ発生層あるいは有機EL層等を備えていてもよい。
バックライト300は、表示パネル200の下面全体にわたって、光を入射する役割を有する。バックライト300は、表示パネル200の後方に配置されている。バックライト300は、光源301および導光板302を備えている。光源301は、導光板302に向けて光を出射する役割を担う部材であり、LED(Light Emitting Diode)から構成されている。なお、光源301はLEDから構成されていなくともよく、例えば、冷陰極蛍光ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプあるいはEL(Electro-Luminescence)から構成されてもよい。導光板302は、表示パネル200の下面全体にわたって、光源301からの光を略均一に導くための役割を担う部材である。なお、表示パネル200の代わりに自発光素子を用いた表示パネルを用いる場合は、バックライト300はなくともよい。
回路基板400は、入力装置X1の位置検出ドライバ、表示パネル200およびバックライト300を制御する制御回路、抵抗器、あるいはコンデンサ等の電子部品を支持する役割を有する。回路基板400は、バックライト300の後方に配置されている。なお、図9では、回路基板400上に位置する入力装置X1の位置検出ドライバに、配線基板12の配線12aが電気的に接続されている例について示したが、これに限らない。入力装置X1の位置検出ドライバは、例えば、配線基板12の絶縁層12b上に配置されていてもよい。また、回路基板400上に配置された制御回路は、図示しないフレキシブルプリント配線基板によって、表示パネル200およびバックライト300と電気的に接続されている。
このように、表示装置Y1は、入力装置X1を介して表示パネル200を透視しながら、入力装置X1の入力領域E1を入力操作することによって、各種の情報を入力することができる。なお、各種の情報を入力する際に、情報を入力した使用者に対して、押圧感、なぞり感、肌触り感等の様々な触感を呈示する機能を入力装置X1に付与してもよい。この場合、入力装置X1における基体2に、1または複数の振動体(例えば、圧電素子等)を備え、所定の入力操作あるいは所定の押圧荷重を検知した場合に、当該振動体を所定の周波数で振動させることで実現することができる。
以上のように、表示装置Y1では、入力装置X1を備えているため、金属層8および第2導電層10にクラックが生じる可能性を低減することができる。
次に、図10を参照しながら、表示装置Y1を備えた携帯端末Z1について説明する。図10は、表示装置Y1を備えた携帯端末Z1の斜視図である。
図10に示すように、本実施形態に係る携帯端末Z1は、スマートフォン端末である。
なお、携帯端末Z1は、スマートフォン端末に限らず、例えば、携帯電話、タブレット端末、あるいはPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器であってもよい。
携帯端末Z1は、表示装置Y1、音声入力部501、音声出力部502、キー入力部503、および第2筐体504を備えている。
音声入力部501は、使用者の音声等を入力する役割を有し、マイク等により構成されている。音声出力部502は、相手方からの音声等を出力する役割を有し、電磁スピーカあるいは圧電スピーカ等により構成されている。キー入力部503は、機械的なキーにより構成されている。キー入力部503は、表示画面に表示された操作キーであってもよい。第2筐体504は、表示装置Y1、音声入力部501、音声出力部502、およびキー入力部503を収容する役割を有する。第2筐体504の構成材料としては、第1筐体100と同様のものが挙げられる。なお、第2筐体504と表示装置Y1の第1筐体100とは、一体であってもよい。
他にも、携帯端末Z1は、必要な機能に応じて、デジタルカメラ機能部、ワンセグ放送用チューナ、赤外線通信機能部等の近距離無線通信部、無線LANモジュール、および各種インタフェース等を備える場合もあるが、これらの詳細についての図示および説明は省略する。
以上のように、携帯端末Z1は、表示装置Y1を備えているため、金属層8および第2導電層10にクラックが生じる可能性を低減することができる。
ここで、表示装置Y1は、上記の携帯端末Z1の代わりに、電子手帳、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム用の端末装置、テレビ、デジタルカメラ、あるいは産業用途で使用されるプログラマブル表示器等の様々な電子機器に備えられていてもよい。
なお、上述した実施形態は、本発明の実施形態の一具体例を示したものであり、種々の変形が可能である。以下、いくつかの主な変形例を示す。
[変形例1]
図11は、変形例1に係る入力装置X2の概略構成を示す平面図である。図12は、図11中に示した1点鎖線で囲んだ領域A2を拡大した平面図である。図13は、図12中に示したVI−VI線断面図である。なお、図11〜13において、図2、図6、および図8と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明は省略する。
図11〜13に示すように、入力装置X2では、入力装置X1が備える樹脂層11の代わりに、樹脂層21を備えている。樹脂層21は、金属層8と第2導電層10との間に介在している。樹脂層21は、金属層8を被覆している。樹脂層21は、中央部21aおよび中央部21aを取り囲むように位置する外縁部21bを有する。なお、変形例1では、図12に示すように、導通領域G1において、平面視して金属層8と重なる部位を中央部21aとすることができる。また、導通領域G1において、平面視して金属層8と重ならない部位を外縁部21bとすることができる。
ここで、外縁部21bは、中央部21aから遠ざかるにつれて厚みが小さくなっている。このため、樹脂層21の表面に生じる段差を緩やかにすることができる。ここで、第2導電層10は、中央部21a上および外縁部21b上に位置している。このため、樹脂層21の表面に生じる段差によって、第2導電層10にクラックあるいは剥がれが生じる可能性を低減することができる。
なお、入力装置X2のように、外縁部21bは、凸曲面を有することが好ましい。外縁部21bが凸曲面を有していると、使用者が入力装置X2を押圧した場合に、樹脂層21の一部に応力が集中してしまう可能性を低減することができる。このため、樹脂層21および当該樹脂層21上に位置する第2導電層10に剥がれが生じる可能性をより低減することができる。
また、外縁部21bは、凹曲面を有していてもよい。外縁部21bが凹曲面を有していると、上記と同様に、樹脂層21および当該樹脂層21上に位置する第2導電層10に剥がれが生じる可能性をより低減することができる。
[変形例2]
図14は、変形例2に係る入力装置X3の概略構成を示す平面図である。図15は、図14中に示した1点鎖線で囲んだ領域A3を拡大した平面図である。図16は、図15中に示したVII−VII線断面図である。図17は、図15中に示したVIII−VIII線断面図である。なお、図14〜17において、図2、および図6〜8と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明は省略する。
図14〜17に示すように、入力装置X3では、入力装置X1が備える金属層8、第1導電層9、第2導電層10、樹脂層11、および接続部材13の代わりに、第1導電層31、金属層32、樹脂層33、第2導電層34、および接続部材35を備える。
第1導電層31は、導通領域G1に位置しており、載置領域31aおよび載置領域31aの外側に位置する接続領域31bを有している。
金属層32は、一端が第1検出電極パターン3または第2検出電極パターン4に電気的に接続されており、他端が導通領域G1に位置している。導通領域G1に位置する金属層32は、第1導電層31の載置領域31a上に位置している。また、金属層32は、平面視して、金属層32の載置領域31aが位置する領域において、第1開口部32aを有する。第1導電層31は、載置領域31aのうち、第1開口部32aに対応して金属層32から露出した露出領域31cを有している。具体的には、第1開口部32aは、平面視して第1導電層31の露出領域31cと重なって位置している。
樹脂層33は、金属層32と第2導電層34との間に介在している。具体的には、樹脂層33は、導通領域G1において、金属層32を被覆している。樹脂層33は、第1導電層31の露出領域31cに対応して第2開口部33aを有している。第1導電層31の露出領域31cは、第2開口部33aに対応して樹脂層33から露出している。具体的には、第2開口部33aは、平面視して第1導電層31の露出領域31cと重なって位置している。なお、変形例2では、樹脂層33は、導通領域G1において、金属層32を完全に被覆している。このため、金属層32の第1開口部32aの内壁は、樹脂層33に被覆されている。
第2導電層34は、導通領域G1において、第1導電層31および金属層32を被覆して設けられている。具体的には、第2導電層34は、樹脂層33上から第1導電層31の接続領域31b上に亘って位置しており、当該接続領域31bに接続されている。
接続部材35は、導電性粒子35aを含んでいる、接続部材35は、導通領域G1において、樹脂層33上に位置する第2導電層34と配線基板12の接続端子12cとを電気的に接続している。
ここで、図17に示すように、第2導電層34は、第2開口部33aを介して露出領域31c上に設けられている。露出領域31c上に設けられた第2導電層34は、第1導電層31の露出領域31c上に延在しており、当該露出領域31cに接続されている。このため、第1導電層31と接続されている。このため、入力装置X3では、第1導電層31と第2導電層32との接続部位における抵抗値を相対的に小さくすることができる。そのため、配線基板12の配線12aを介して、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4に電力を供給する際に、第1導電層31および第2導電層32が焼損してしまう可能性を低減することができる。
なお、入力装置X3のように、第2導電層34は、第2開口部33aの内壁および前記露出領域上に設けられた部位が、凹部34aを形成しており、接続部材35は、凹部34aに埋入していることが好ましい。接続部材35が凹部34aに埋入していると、アンカー効果によって、接続部材35による接着強度を高めることができる。なお、接続部材35は、凹部34aの全部に埋入していなくともよく、接続部材13が凹部34aの一部に埋入していればよい。
また、入力装置X3のように、第2開口部33aは、断面視してテーパ形状であることが好ましい。第2開口部33aが断面視してテーパ形状であると、第2開口部33aが位置する領域に気泡が混入してしまう可能性を低減することができる。
[変形例3]
図18は、変形例3に係る表示装置Y2の概略構成を示す断面である。図18において、図9と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明は省略する。
図18に示すように、表示装置Y2は、オン・セル型の静電容量方式タッチパネルである。表示装置Y2では、表示装置Y1が備える入力装置X1の代わりに、入力装置X4を備えている。また、表示装置Y2は、カバーパネル600および加飾層700をさらに備えている。
入力装置X4は、入力装置X1から、当該入力装置X1が備える遮光層6、被覆層7、第1保護層14、第2保護層15および保護シート16を除いたものである。入力装置X4は、入力装置X1とは異なり、基体2の第2主面2Bが、第1主面2Aよりも使用者側に位置している。第1主面2Aは、第2主面2Bの反対側に位置している。
カバーパネル600は、入力装置X4における基体2の第2主面2B上に位置する第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4を保護する役割を有する。カバーパネル600は、接着材を介して、入力領域E1および非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に配置されている。このため、使用者は、入力領域E1に対応するカバーパネル600上において、入力操作を行うことができる。カバーパネル600の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチック等の透明樹脂材料が挙げられる。
加飾層700は、表示装置Y1を加飾する役割、および、当該加飾層700下に位置する部材が使用者に視認される可能性を低減する役割を有する。加飾層700は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2Bとカバーパネル600との間に設けられている。加飾層700の構成材料としては、遮光層6と同様のものが挙げられる。
ここで、表示装置Y2では、表示装置Y1における表示パネル200の上側基板201が、入力装置X4における基体2と一体として設けられている。具体的には、表示パネル200の下側基板202は、基体2の第1主面2Aに対向して配置されており、基体2と
下側基板202との間に液晶層203が介在している。このため、表示装置Y2では、基体2と上側基板201とを、個別に設ける必要がなく、小型化を実現することができる。
[変形例4]
なお、本明細書は、上記の実施形態および変形例1〜3について個別具体的に説明したが、これに限らず、上記の実施形態および変形例1〜3に個別に記載された事項を適宜組み合わせた例についても記載されているものである。すなわち、本発明に係る入力装置は、入力装置X1〜4に限定されるものではなく、上記の実施形態および変形例1〜3に個別に記載された事項を適宜組み合わせた入力装置も含む。
また、本実施形態では、入力装置X1を備えた表示装置Y1について説明したが、これに限らず、入力装置X1に代えて、入力装置X2または入力装置X3を採用してもよい。また、本実施形態では、表示装置Y1を備えた携帯端末Z1について説明したが、これに限らず、表示装置Y1に代えて、表示装置Y2を採用してもよい。
[変形例5]
また、上記の実施形態、および変形例1〜4では、本発明の接続構造体を入力装置、表示装置、および携帯端末に適用した例について説明したが、これに限らない。本発明の接続構造体は、例えば、表示パネルにも適用することができる。この場合、表示パネルは、例えば、第1基体および第2基体を有し、第1基体と第2基体との間に表示部材層が介在している。また、第1基体上または第2基体上には、金属材料からなる配線電極が設けられている。配線電極の一端部は、表示部材層に電気的に接続されており、配線電極の他端部は、フレキシブル配線基板の接続端子に電気的に接続されている。
具体的には、配線電極の他端部は、第1基体上または第2基体上に設けられた第1導電層の載置領域上に位置している。第1導電層および配線電極の他端部は、第2導電層に被覆されており、第2導電層は、載置領域の外側に位置する第1導電層の接続領域に接続されている。また、配線電極の他端部と第2導電層との間には、樹脂層が介在しており、樹脂層上に位置する第2導電層は、導電性粒子を含んだ接続部材を介して、フレキシブル配線基板の接続端子に電気的に接続される。
なお、フレキシブル配線基板の接続端子は、例えば、フレキシブル配線基板が有する配線の一端部を指しており、当該配線の他端部は、表示部材層の動作を制御するための駆動ICに電気的に接続される。
このように、変形例5で示した表示パネルでは、本発明に係る接続構造体を備えているため、配線電極および第2導電層にクラックが生じる可能性を低減することができる。