以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る入力装置、表示装置、および電子機器は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
図1に示すように、本実施形態に係る入力装置X1は、投影型の静電容量方式のタッチパネルであって、入力領域E1および非入力領域E2を有している。入力領域E1は、使用者が入力操作を行うことができる領域である。非入力領域E2は、使用者が入力操作を行うことができない領域である。非入力領域E2は、入力領域E1を取り囲むように当該入力領域E1の外側に位置している。
なお、入力装置X1は、投影型の静電容量方式のタッチパネルに限らず、例えば、表面型の静電容量方式のタッチパネル、抵抗膜方式のタッチパネル、表面弾性波方式のタッチパネル、光学方式のタッチパネル、あるいは電磁誘導方式のタッチパネルであってもよい。
図1〜5に示すように、入力装置X1は、基体2、第1検出電極パターン3、第2検出電極パターン4、絶縁体5、第1遮光層6、被覆層7、検出用配線8、遮光部材9、保護層10、第2遮光層11、および保護シート12を備えている。
なお、図1では、説明の便宜上、絶縁体5および遮光部材9の図示は省略する。また、図5は、図1および図4に示したIII−III線断面図である。すなわち、図1に示したIII−III線と、図4に示したIII−III線とは、同一箇所を示している。
基体2は、第1検出電極パターン3、第2検出電極パターン4、および絶縁体5を支持する役割を有する。基体2は、第1主面2A、第2主面2B、および端面2Cを有する。第1主面2Aは、第2主面2Bよりも使用者側に位置している。第2主面2Bは、第1主面2Aの反対側に位置している。端面2Cは、第1主面2Aおよび第2主面2Bに隣接している。基体2は、絶縁性を有するとともに、基体2の第1主面2Aおよび第2主面2Bに交差する方向に入射する光に対して透光性を有する。基体2の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチックが挙げられる。
第1検出電極パターン3は、入力領域E1に対応する基体2の第1主面2Aに接近した使用者の指F1との間において静電容量を発生し、Y方向における入力位置を検出する役割を有する。第1検出電極パターン3は、入力領域E1に対応する基体2の第2主面2B上に、Y方向に並んで複数設けられている。また、第1検出電極パターン3は、第1検出電極3aおよび第1電極間配線3bを有する。
第1検出電極3aは、使用者の指F1との間において静電容量を発生する役割を有する。第1検出電極3aは、X方向に並んで複数設けられている。第1電極間配線3bは、第1検出電極3a同士を電気的に接続する役割を有する。第1電極間配線3bは、互いに隣り合う第1検出電極3aの間に設けられている。
第2検出電極パターン4は、入力領域E1に対応する基体2の第1主面2Aに接近した使用者の指F1との間において静電容量を発生し、X方向における入力位置を検出する役割を有する。第2検出電極パターン4は、入力領域E1に対応する基体2の第2主面2B上に、X方向に並んで複数設けられている。また、第2検出電極パターン4は、第2検出電極4aおよび第2電極間配線4bを有する。
第2検出電極4aは、使用者の指F1との間において静電容量を発生する役割を有する。第2検出電極4aは、Y方向に並んで複数設けられている。第2電極間配線4bは、第2検出電極4a同士を電気的に接続する役割を有する。第2電極間配線4bは、互いに隣り合う第2検出電極4aの間において、第1電極間配線3bと電気的に絶縁するように、絶縁体5を跨いで当該絶縁体5上に設けられている。ここで、絶縁体5は、第1電極間配線3bを覆うように基体2の第2主面2B上に設けられている。絶縁体5の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、二酸化ケイ素、あるいは窒化珪素等の透明樹脂が挙げられる。なお、図2では、絶縁体5の図示は省略している。
上述の第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4の構成材料としては、透光性を有する導電性部材が挙げられる。透光性を有する導電性部材としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ATO(Al-Doped Zinc Oxide)、酸化錫、酸化亜鉛、あるいは導電性高分子が挙げられる。
第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4の形成方法としては、例えば、上述の材料をスパッタリング法、蒸着法、あるいはCVD(Chemical Vapor Deposition
)法によって基体2の第2主面2B上に成膜する。そして、この膜の表面に感光性樹脂を塗布し、露光、現像、エッチング工程を経て、膜がパターニングされることで、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4が形成される。
第1遮光層6は、入力装置X1が表示装置Y1に組み込まれた場合に(図6参照)、バ
ックライト300から入力装置X1に入射する光を遮光する役割を有する。なお、本実施形態における「遮光」とは、反射あるいは吸収によって可視光の一部または全部を遮蔽することを意味する。第1遮光層6は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に設けられている。第1遮光層6は、入力領域E1を取り囲むように位置している。また、第1遮光層6は、基体2の第2主面2B側の外縁を含む第1縁部6aを有している。
第1遮光層6の構成材料としては、樹脂材料に着色材料を含んだものが挙げられる。樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、あるいはシリコーン系樹脂が挙げられる。着色材料としては、例えば、カーボン、チタン、あるいはクロムが挙げられる。なお、第1遮光層6は、黒色に限らず、黒色以外の色を着色していてもよい。第1遮光層6の形成方法としては、例えば、スクリーン印刷法、スパッタリング法、CVD法、あるいは蒸着法が挙げられる。
なお、第1遮光層6の第1縁部6aは、基体2の端面2Cから所定距離以上離れて位置している。このため、入力装置X1の製造工程において、歩留まりが低下してしまう可能性を低減することができる。具体的には、後述する第2遮光層11および保護シート12を基体2上に設ける前の構造体において、基体2の端面2Cを研磨する場合、まず、紫外線硬化樹脂を介して構造体を積層し、当該紫外線硬化樹脂を硬化させることにより、複数の構造体の積層体を生成する。次に、積層体の端面をフッ酸によってエッチングすることで、一度の処理で複数の構造体における基体2の端面2Cを加工する。ここで、当該構造体は、第1遮光層6の第1縁部6aが、基体2の端面2Cから所定距離以上離れて位置しているため、基体2の端面2Cと第1遮光層6の第1縁部6aとの間の領域に位置する紫外線硬化樹脂を十分に硬化させることができる。このため、積層体の端面をエッチングする際に、構造体と紫外線硬化樹脂との間にフッ酸が侵入し、第1検出電極パターン3、第2検出電極パターン4、第1遮光層6、あるいは検出用配線8が腐食してしまう可能性を低減することができる。
被覆層7は、第1遮光層6を保護する役割を有する。ここで、第1遮光層6を保護する役割としては、例えば、第1遮光層6を水分の吸湿による腐食から保護する役割、あるいは、第1遮光層6の材質が変質してしまう可能性を低減する役割が挙げられる。被覆層7は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に設けられており、第1遮光層6を被覆している。被覆層7の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、あるいは、ケイ素を含む無機化合物が挙げられる。被覆層7の形成方法としては、例えば、転写印刷法、スピンコート法、あるいはスリットコート法が挙げられる。
検出用配線8は、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4と指F1との間において発生した静電容量の変化を検出する役割を有する。検出用配線8は、被覆層7上に位置している。このため、検出用配線8と第1遮光層6とが接触することによって、当該第1遮光層6の材質が変質してしまう可能性を低減することができる。また、第1遮光層6が導電性を有していた場合に、検出用配線8と第1遮光層6とが接触することによって、検出用配線8同士が互いに電気的に導通してしまう可能性を低減することができる。なお、被覆層7はなくともよく、検出用配線8は、第1遮光層6上に直接設けられていてもよい。検出用配線8の一端は、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4に電気的に接続されている。検出用配線8の他端は、外部導通領域G1に位置している。
検出用配線8は、硬質で高い形状安定性を得るべく、金属薄膜で形成される。金属薄膜の構成材料としては、例えば、アルミニウム膜、アルミニウム合金膜、クロム膜とアルミニウム膜との積層膜、クロム膜とアルミニウム合金膜との積層膜、銀膜、銀合金膜、ある
いは金合金膜が挙げられる。金属薄膜の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、あるいは蒸着法が挙げられる。
遮光部材9は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に設けられている。遮光部材9は、第1遮光層6よりも基体2の端面2C側に位置している。また、遮光部材9は、第1遮光層6の第1縁部6aに沿って、入力領域E1を取り囲むように複数配置されている。
なお、本実施形態では、遮光部材9は、列状に複数配置されているが、これに限定されない。遮光部材9は、蛇行状に複数配置されていてもよいし、ランダムに複数配置されていてもよい。また、本実施形態では、遮光部材9は、平面視して楕円形状をなしているが、これに限らず、円形状あるいは矩形状等であってもよい。
遮光部材9の構成材料および形成方法としては、第1遮光層6と同様のものが挙げられる。なお、本実施形態では、遮光部材9は、第1遮光層6と同一の構成材料からなる。
保護層10は、第1遮光層6、遮光部材9、および検出用配線8を水分の吸湿による腐食から保護する役割を有する。保護層10は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2b上に設けられている。また、保護層10は、第1遮光層6、遮光部材9、および検出用配線8を被覆している。保護層10の構成材料としては、例えば、透光性を有する無機材料が挙げられる。透光性を有する無機材料としては、例えば、二酸化ケイ素あるいは窒化ケイ素が挙げられる。保護層10を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、スクリーン印刷法、あるいはインクジェット印刷法が挙げられる。
なお、保護層10は、基体2の端面2Cに隣接して位置している。より詳細には、保護層10は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上の全領域に位置しており、第1遮光層6、被覆層7、検出用配線8、および遮光部材9を被覆している。このため、入力装置X1の製造工程において、歩留まりが低下してしまう可能性を低減することができる。
具体的には、上述したように、入力装置X1の製造工程において、紫外線硬化樹脂を介して構造体を積層した積層体を製造し、当該積層体の端面をフッ酸によってエッチングすることで、複数の構造体における基体2の端面2Cを加工する。その後、積層体から紫外線硬化樹脂を取り剥がし、複数の構造体に分離することによって、複数の入力装置X1を製造する。ここで、入力装置X1では、保護層10は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上の全領域に位置しており、第1遮光層6、被覆層7、検出用配線8、および遮光部材9を被覆している。このため、非入力領域E2において、紫外線硬化樹脂が、保護層10以外の部材と接する可能性を低減することができる。そのため、積層体から紫外線硬化樹脂を取り剥がす際に、当該紫外線硬化樹脂が入力装置X1上に残留してしまう可能性を低減することができる。
第2遮光層11は、入力装置X1が表示装置Y1に組み込まれた場合に、バックライト300から入力装置X1に入射する光を遮光する役割を有する。第2遮光層11は、非入力領域E2に対応する保護層10上に設けられている。第2遮光層11は、入力領域E1を取り囲むように位置している。第2遮光層11の構成材料および形成方法としては、第1遮光層6と同様のものが挙げられる。なお、第2遮光層11は、第1遮光層6と同様の色相を有することが好ましい。
第2遮光層11は、一部11aおよび残部11bを有する。
第2遮光層11の一部11aは、平面視して第1遮光層6よりも基体2の端面2C側に位置している。具体的には、第2遮光層11の一部11aは、平面視して基体2の端面2Cと第1遮光層6の第1縁部6aとの間の領域に位置している。また、第2遮光層11の一部11aは、平面視して複数の遮光部材9と重なっている。
第2遮光層11の残部11bは、平面視して第1遮光層6と重なっている。なお、入力装置X1では、第2遮光層11の残部11bは、平面視して第1遮光層6の全部と重なっているが、これに限らず、第1遮光層6の第1縁部6aのみと重なっていてもよい。
このように、入力装置X1では、第2遮光層11の一部11aは、平面視して複数の遮光部材9と重なっている。このため、入力装置X1では、第1遮光層6と第2遮光層11との境界が視認されてしまう可能性を低減することができる。
具体的には、第1遮光層の第1縁部は、上述したように、基体の端面を加工する目的で、基体の端面から所定距離以上離れて設けられている。このため、入力装置が表示装置に組み込まれた場合に、バックライトから入力装置に入射した光が、第1遮光層の第1縁部と基体の端面との間の領域から漏れてしまう可能性があった。また、保護層は、入力装置上に紫外線硬化樹脂が残留する可能性を低減する目的で、非入力領域に対応する基体の第2主面上の全領域に設けられており、第1遮光層を覆っている。このため、第1遮光層の第1縁部と基体の端面との間の領域から光が漏れてしまう可能性を低減するためには、当該領域に対応する保護層上に、第2遮光層を設ける必要があった。しかしながら、第2遮光層が保護層上に設けられていると、第2遮光層は、第1遮光層に比して、基体からの距離が遠いことになる。このため、第1遮光層と第2遮光層とは、互いに同じ色相を有していたとしても、光の反射あるいは屈折の度合いが異なることによって、使用者に視認される色味が互いに異なる可能性があった。使用者に視認される色味が互いに異なると、平面視した場合に、第1遮光層の縁部から第2遮光層の一部へ変化する部分、および、第2遮光層11の一部11aから第1遮光層6の第1縁部6aに変化する部分において、色味が大きく変化してしまう可能性があった。
そこで、入力装置X1では、遮光部材9は、基体2の第2主面2B上において、保護層10に被覆されて設けられている。また、遮光部材9は、第1遮光層6の第1縁部6aに沿って入力領域E1を取り囲むように複数配置されている。また、遮光部材9は、平面視して第2遮光層11に重なって位置している。このため、平面視した場合に、第1遮光層6の第1縁部6aから第2遮光層11の一部11aへ変化する部分、および、第2遮光層11の一部11aから第1遮光層6の第1縁部6aに変化する部分において、色味が大きく変化してしまう可能性を低減することができる。このため、入力装置X1では、第第1遮光層6と第2遮光層11との境界が視認されてしまう可能性を低減することができる。
なお、入力装置X1では、複数の遮光部材9は、基体2の端面2Cと第1遮光層6の第1縁部6aとの間の領域に対応する基体2の第2主面2B上の一部の領域に設けられている。具体的には、遮光部材9は、当該領域に対応する基体2の第2主面2B上において、互いに離間して複数配置されている。すなわち、当該領域に対応する基体2の第2主面2B上には、遮光部材9が配置されていない領域が存在することになる。このため、入力装置X1の製造工程において、積層体を製造する際に、基体2の端面2Cと第1遮光層6の第1縁部6aとの間の領域のうち、遮光部材9が配置されていない領域から紫外線を照射することで、紫外線硬化樹脂を硬化することができる。このため、基体2の端面2Cと第1遮光層6の第1縁部6aとの間の領域において、紫外線硬化樹脂が十分に硬化せず、歩留まりが低下してしまう可能性を低減することができる。
また、本実施形態のように、第1遮光層6の構成材料は、遮光部材9の構成材料と同一であることが好ましい。第1遮光層6と遮光部材9とが同一の構成材料からなると、第1遮光層6と遮光部材9とが同一の色相を有することになり、第1遮光層6と第2遮光層11との境界が視認されてしまう可能性をより低減することができる。
また、本実施形態のように、遮光部材9は、平面視して外縁が曲線状であることが好ましい。遮光部材9の外縁が曲線状であると、第2遮光層11と遮光部材9との色味が異なることによって、遮光部材9の外縁が使用者に視認されてしまう可能性を低減することができる。
また、本実施形態のように、保護層10は、入力領域E1に対応する基体2の第2主面2B上に延在しており、延在した保護層10が、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4を被覆していることが好ましい。保護層10が第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4を被覆していると、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4が水分の吸湿によって腐食してしまう可能性を低減することができる。
また、本実施形態のように、検出用配線8は、第1遮光層6上に設けられており、平面視して第2遮光層11の残部11bと重なっていることが好ましい。具体的には、検出用配線8は、平面視して第1遮光層6と第2遮光層11の残部11bとが重なる領域に対応する被覆層7上に設けられていることが好ましい。検出用配線8が第1遮光層6と第2遮光層11の残部11bとが重なる領域に位置していると、入力装置X1が表示装置Y1に組み込まれた場合に、バックライト300から入力装置X1に入射した光の光量が相対的に大きい場合であっても、検出用配線8が使用者に視認されてしまう可能性を低減することができる。
また、第2遮光層11は、導電性を有することが好ましい。第2遮光層11が導電性を有すると、入力装置X1が表示装置Y1に組み込まれた場合に、入力装置X1の周囲に位置する電子部材から発生したノイズを、第2遮光層11の残部11bによって遮蔽することができる。このため、当該ノイズが、第2遮光層11の残部11bと重なって位置する検出用配線8に混入してしまう可能性を低減することができる。
保護シート12は、使用者の指F1の接触によって基体2の第1主面2Aを傷付けないように保護する役割を有する。保護シート12は、図示しない粘着材を介して、入力領域E1および非入力領域E2に対応する基体2の第1主面2Aの全面に亘って設けられている。なお、保護シート12は、入力領域E1に対応する基体2の第1主面2A上にのみ設けられていてもよい。保護シート12の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチックが挙げられる。
次に、入力装置X1の検出原理について説明する。
図示しない位置検出ドライバは、図示しないフレキシブル基板を介して、外部導通領域G1に位置する検出用配線8の他端に電気的に接続されている。位置検出ドライバは、例えば、フレキシブル基板上、あるいは表示装置Y1の回路基板400上に設けられている。また、位置検出ドライバは、電源装置を備えている。電源装置は、検出用配線8を介して、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4に電圧を供給している。ここで、入力領域E1に対応する基体2の第1主面2Aに、保護シート12を介して導電体である指F1が近接、接触、または押圧すると、指F1と第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4との間において静電容量が発生する。位置検出ドライバは、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4において発生する静電容量を常に検出しており、所定値以上の静電容量を検出した第1検出電極パターン3および第2検出電極パ
ターン4の組合せによって、使用者が入力操作を行った入力位置を検出する。このようにして、入力装置X1は、入力位置を検出することができる。
以上のように、入力装置X1では、第1遮光層6と第2遮光層11との境界が視認されてしまう可能性を低減することができる。
次に、入力装置X1を備えた表示装置Y1について、図6を参照しながら説明する。ここで、図6は、表示装置Y1の概略構成を示す断面図である。
図6に示すように、本実施形態に係る表示装置Y1は、入力装置X1、第1筐体100、表示パネル200、バックライト300、および回路基板400を備えている。
入力装置X1は、第1筐体100に収容されている。第1筐体100の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、あるいは、ステンレス、アルミニウム等の金属が挙げられる。また、入力装置X1は、第1筐体100の支持部101上に設けられている。
表示パネル200は、画像あるいは動画を表示する役割を有する。表示パネル200は入力装置X1に対向して配置され、第1筐体100に収容されている。なお、入力装置X1および表示パネル200は、所定の間隔をあけて配置されているが、これに限らず、入力装置X1が固定部材を介して表示パネル200上に設けられていてもよい。固定部材としては、例えば、両面テープ、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、あるいはねじ等の止め具が挙げられる。なお、本実施形態に係る表示パネル200は、液晶構造体を用いた液晶パネルであるが、これに限らず、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FED(Field Emission Display)、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display
)、あるいは電子ペーパであってもよい。
バックライト300は、表示パネル200の下面全体にわたって、光を入射する役割を有する。バックライト300は、表示パネル200の後方に配置されている。バックライト300は、光源301および導光板302を備えている。光源301は、導光板302に向けて光を出射する役割を担う部材であり、LED(Light Emitting Diode)から構成されている。なお、光源301はLEDから構成されていなくともよく、例えば、冷陰極蛍光ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプあるいはEL(Electro-Luminescence)から構成されてもよい。導光板302は、表示パネル200の下面全体にわたって、光源301からの光を略均一に導くための役割を担う部材である。なお、表示パネル200の代わりに自発光素子を用いた表示パネルを用いる場合は、バックライト300はなくともよい。
回路基板400は、表示パネル200およびバックライト300を制御する制御回路、抵抗器、あるいはコンデンサ等の電子部品を支持する役割を有する。回路基板400は、バックライト300の後方に配置されている。回路基板400上に位置する制御回路は、図示しないフレキシブル基板によって、表示パネル200およびバックライト300と電気的に接続されている。
このように、表示装置Y1は、表示パネル200を、入力装置X1を介して透視しながら、入力装置X1の入力領域E1を入力操作することによって、各種の情報を入力することができる。なお、各種の情報を入力する際に、情報を入力した使用者に対して、押圧感、なぞり感、肌触り感等の様々な触感を呈示する機能を入力装置X1に付与してもよい。この場合、入力装置X1における基体2に、1または複数の振動体(例えば、圧電素子等)を備え、所定の入力操作あるいは所定の押圧荷重を検知した場合に、当該振動体を所定
の周波数で振動させることで実現することができる。
以上のように、表示装置Y1では、入力装置X1を備えているため、第1遮光層6と第2遮光層11との境界が視認されてしまう可能性を低減することができる。
次に、表示装置Y1を備えた携帯端末Z1について、図7を参照しながら説明する。
図7に示すように、本実施形態に係る携帯端末Z1は、スマートフォン端末である。なお、携帯端末Z1は、スマートフォン端末に限らず、例えば、携帯電話、タブレット端末、あるいはPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器であってもよい。
携帯端末Z1は、表示装置Y1、音声入力部501、音声出力部502、キー入力部503、および第2筐体504を備えている。
音声入力部501は、使用者の音声等を入力する役割を有し、マイク等により構成されている。音声出力部502は、相手方からの音声等を出力する役割を有し、電磁スピーカあるいは圧電スピーカ等により構成されている。キー入力部503は、機械的なキーにより構成されている。キー入力部503は、表示画面に表示された操作キーであってもよい。第2筐体504は、表示装置Y1、音声入力部501、音声出力部502、およびキー入力部503を収容する役割を有する。なお、第2筐体504はなくともよく、表示装置Y1の第1筐体100に音声入力部501、音声出力部502、およびキー入力部503が収容されていてもよい。第2筐体504の構成材料としては、第1筐体100と同様のものが挙げられる。
他にも、携帯端末Z1は、必要な機能に応じて、デジタルカメラ機能部、ワンセグ放送用チューナ、赤外線通信機能部等の近距離無線通信部、無線LANモジュール、および各種インタフェース等を備える場合もあるが、これらの詳細についての図示および説明は省略する。
以上のように、携帯端末Z1は、表示装置Y1を備えているため、第1遮光層6と第2遮光層11との境界が視認されてしまう可能性を低減することができる。
ここで、表示装置Y1は、上記の携帯端末Z1の代わりに、電子手帳、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム用の端末装置、テレビ、デジタルカメラ、あるいは産業用途で使用されるプログラマブル表示器等の様々な電子機器に備えられていてもよい。
なお、上述した実施形態は、本発明の実施形態の一具体例を示したものであり、種々の変形が可能である。以下、いくつかの主な変形例を示す。
[変形例1]
図8は、変形例1に係る入力装置X2の概略構成を示す平面図である。図9は、図8中に示したIV−IV線断面図である。なお、図8および図9において、図4および図5と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明は省略する。また、図8では、説明の便宜上、基体2、第1遮光層6、遮光部材21、および第2遮光層11のみ図示する。
図8および図9に示すように、入力装置X2では、入力装置X1が備える遮光部材9の代わりに、遮光部材21を備えている。遮光部材21は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に設けられている。遮光部材21は、第1遮光層6よりも基体2の端面2C側に位置している。また、遮光部材21は、第1遮光層6の第1縁部6aに沿って
、入力領域E1を取り囲むように複数配置されている。
遮光部材21は、列状に複数配置された第1遮光部材21a、および、複数の第1遮光部材21aよりも基体2の端面2C側に位置しておりかつ列状に複数配置された第2遮光部材21bを有する。なお、第2遮光部材21bの平面視における面積は、第1遮光部材21aの平面視における面積よりも小さい。
ここで、平面視して、第2遮光層11の一部11aが位置する領域を、第1遮光層6の第1縁部6aに沿って3つに領域に等分割し、当該3つの領域を第1遮光層6の第1縁部6aに近い側がら、第1領域A1、第2領域A2、第3領域A3とする。このとき、第1領域A1には、複数の第1遮光部材21aが位置している。第2領域A2には、複数の第2遮光部材21bが位置している。第3領域A3には、遮光部材21は位置していない。すなわち、第1領域A1、第2領域A2、第3領域A3のそれぞれに位置する複数の遮光部材21の平面視における総面積は、第1領域A1、第2領域A2、第3領域A3に向かうに従って、小さくなっている。このため、平面視して第2遮光層11の一部11aが位置する領域において、色味を段階的に変化させることができ、第1遮光層6と第2遮光層11との境界が視認されてしまう可能性をより低減することができる。
なお、変形例1のように、第2遮光部材21bは、部材間領域B1に隣り合って位置しており、当該部材間領域B1を挟んで隣り合う第1遮光部材21aの平面視における面積よりも小さい面積を有することが好ましい。ここで、部材間領域B1とは、互いに隣り合う第1遮光部材21aの間の領域を指す。第2遮光部材21bが部材間領域B1に隣り合って位置していると、平面視した場合に、部材間領域B1に位置する第2遮光層11の一部11aと、当該部材間領域B1を挟んで隣り合う第1遮光部材21aとの境界が視認されてしまう可能性を低減することができる。また、第2遮光部材21bの平面視における面積が、第1遮光部材21aの平面視における面積よりも小さいと、平面視した場合に、第2遮光層11の一部11aが位置する領域において、使用者に視認される色味を段階的に変化させることができる。
なお、変形例1において、「第2遮光部材21bが部材間領域B1に隣り合って位置する」とは、部材間領域B1を基体2の短辺方向に延長した場合に、当該延長した領域に第2遮光部材21bが位置していることを指す。
[変形例2]
図10は、変形例2に係る入力装置X3の概略構成を示す平面図である。図11は、図10中に示したV−V線断面図である。なお、図10および図11において、図4および図5と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明は省略する。また、図10では、基体2、第1遮光層6、遮光部材31、および第2遮光層11のみ図示する。
図10および図11に示すように、入力装置X3では、入力装置X1が備える遮光部材9の代わりに、遮光部材31を備えている。遮光部材31は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に設けられている。遮光部材31は、第1遮光層6よりも基体2の端面2C側に位置している。また、遮光部材31は、第1遮光層6の第1縁部6aに沿って、入力領域E1を取り囲むように複数配置されている。
遮光部材31は、列状に複数配置された第1遮光部材31a、および、複数の第1遮光部材31aよりも基体2の端面2C側に位置しておりかつ列状に複数配置された第2遮光部材31bを有する。
ここで、複数の第2遮光部材31bの厚みD1の平均値は、複数の第1遮光部材31aの厚みD2の平均値よりも小さい。このため、平面視して第2遮光層11の一部11aが位置する領域において、色味を段階的に変化させることができ、第1遮光層6と第2遮光層11との境界が視認されてしまう可能性をより低減することができる。
なお、複数の第2遮光部材31bの厚みD1の平均値とは、複数の第2遮光部材31bの全ての厚みD1を平均した値を指すが、これに限らない。複数の第2遮光部材31bの厚みD1の平均値は、例えば、複数の第2遮光部材31bのうち、任意に選択した10個の第2遮光部材31bの厚みD1を平均した値とすることもできる。なお、複数の第1遮光部材31aの厚みD2の平均値についても同様である。
[変形例3]
図12は、変形例3に係る入力装置X4の概略構成を示す平面図である。図13は、図12中に示したVI−VI線断面図である。なお、図12および図13において、図4および図5と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明は省略する。また、図12では、基体2、第1遮光層41、遮光部材42、および第2遮光層11のみ図示する。
図12および図13に示すように、入力装置X4では、入力装置X1が備える第1遮光層6の代わりに、第1遮光層41を備えている。第1遮光層41は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上において、非入力領域E2を取り囲むように設けられている。第1遮光層41は、基体2の第2主面2B側の外縁を含む縁部41aを有している。ここで、第1遮光層41の縁部41aは、基体2の端面2Cに近づくにつれて厚みが小さくなっている。このため、入力装置X4では、第1遮光層41の縁部41aにおいて、色味を段階的に変化させることができる。そのため、第1遮光層41と第2遮光層11との境界が視認されてしまう可能性をより低減することができる。
また、入力装置X4では、入力装置X1が備える遮光部材9の代わりに、遮光部材42を備えている。遮光部材42は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に設けられている。遮光部材42は、第1遮光層41よりも基体2の端面2C側に位置している。また、遮光部材42は、第1遮光層41の縁部41aに沿って、入力領域E1を取り囲むように複数配置されている。また、遮光部材42は、第2縁部42aおよび当該第2縁部42aに取り囲まれた中央部42bを有する。
ここで、遮光部材42の第2縁部42aは、中央部42bに近づくにつれて厚みが大きくなっている。具体的には、遮光部材42は、断面して、基体2の第2主面2Bに近づくにつれて幅広な台形状を有している。このため、入力装置X4では、遮光部材42の第2縁部42aにおいて、色味を段階的に変化させることができる。このため、平面視した場合における遮光部材42の外縁が、使用者に視認されてしまう可能性を低減することができる。
なお、入力装置X4では、遮光部材42は、断面視して、台形状であるが、これに限らない。遮光部材42は、断面視して、半円状であってもよい。また、遮光部材42の第2縁部42aの表面は、凸曲面であってもよい。遮光部材42の第2縁部42aの表面が凸曲面であれば、遮光部材42の第2縁部42aに応力が集中にすることによって、遮光部材42の第2縁部42aに剥がれが生じる可能性を低減することができる。
[変形例4]
図14は、変形例1に係る入力装置X5の概略構成を示す平面図である。図15は、図14中に示したVII−VII線断面図である。なお、図14および図15において、図
4および図5と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明は省略する。また、図14では、基体2、第1遮光層6、遮光部材9、および第2遮光層11のみ図示する。
図12および図13に示すように、入力装置X5では、入力装置X1が備える保護層10の代わりに、保護層51を備えている。保護層51は、保護層51は、第1遮光層6および遮光部材9を被覆して非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に設けられている。具体的には、保護層51は、非入力領域E2に対応する基体2の第2主面2B上に位置する第1遮光層6、被覆層7、検出用配線8、および遮光部材9を被覆しており、入力領域E1に対応する基体2の第2主面2B上に延在している。延在した保護層51は、第1検出電極パターン3および第2検出電極パターン4を被覆している。
ここで、入力装置X5では、基体2の第2主面2Bと遮光部材9とがなす角部C1に位置する保護層51の厚みD3は、遮光部材9上に位置する保護層51の厚みD4よりも大きい。このため、保護層51の表面に生じる凹凸を緩やかにすることができる。そのため、保護層51と当該保護層51上に設けられた第2遮光層11との間に気泡が介在し、当該気泡が使用者に視認されてしまう可能性を低減することができる。
なお、変形例4における「角部C1に位置する保護層51の厚みD3」とは、角部C1から保護層51の表面までの最短距離を指す。また、変形例4における「遮光部材9上に位置する保護層51の厚みD4」とは、遮光部材9の表面から保護層51の表面までの最短距離を指す。
[変形例5]
なお、本発明は、上記の実施形態、および変形例1〜4に限定されるものではなく、入力装置X1〜X5は、適宜組み合わせてもよい。また、本実施形態では、入力装置X1を備えた表示装置Y1について説明したが、これに限らず、入力装置X1に代えて、入力装置X2〜X5のいずれかを採用してもよい。また、本実施形態では、入力装置X1を備えた携帯端末Z1について説明したが、これに限らず、入力装置X1に代えて、入力装置X2〜X5のいずれかを採用してもよい。