JP6128452B1 - 急速冷凍方法及び急速冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】凍結槽内のブラインの温度を略一定に精度良く保持して被冷凍物の凍結品質を確保する。【解決手段】凍結処理用ブライン53内に被冷凍物50を浸漬させてこれを急速に冷凍させるに際し、固体粒子を含むシャーベット状の2種類の温度の異なる冷却ブライン51,52を用意し、これら2種類の冷却ブライン51,52を適宜量ずつ凍結槽4内の凍結処理用ブライン53に供給する。係る構成によれば、該凍結処理用ブライン53の温度が常時略一定に精度良く保持され、被冷凍物の凍結処理が略一定温度の下で急速に行われることから、氷結晶が小さくなり細胞破壊が可及的に防止され、その凍結品質が向上するとともに、凍結処理時間の短縮化が促進され、凍結コストの低減が図れる。【選択図】図1

Description

本願発明は、食品等の被冷凍物を急速冷凍する際に用いられる急速冷凍方法、及び急速冷凍装置に関するものである。
食品を長期に亘って保存する手段として、常温下にある食品を凍結させて保存する冷凍保存が知られている。また、この常温下にある食品を凍結させる場合、食品中の水分が氷に変化する際の体積膨張によって食品の細胞が壊され、食品の味とか食感が損なわれることから、凍結に伴う氷の結晶をできるだけ小さくして細胞破壊作用を抑制すること、即ち、凍結速度を早くし、食品の氷結晶生成温度帯(−5℃〜−1℃の範囲)をより短時間で通過させることが必要であり、これを実現する手法として、急速冷凍法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2 参照)。
特許文献1に示される食品冷凍法は、密閉不凍液槽内で、ブラインとしてのエチルアルコール水溶液を−30℃〜−50℃に冷却するとともに、この冷却されたブラインを噴流撹拌機により噴流撹拌し、この冷却ブラインの撹拌噴流中に食品等の被冷凍物を浸漬し、該被冷凍物の周囲から包み込むように噴流を作用させてこれを均等に冷却して凍結させるものである。
特許文献2には、ブラインとして、−30℃〜−135℃のメタノール、エタノールなどのアルコール、アセトン、又はエチレングリコールなどを用いて、被冷凍物を急速冷凍する技術が示されている。
特公平7−28710号公報 特開平10−179105号公報
ところで、食品等の急速冷凍では、上掲技術にも示されるように、低温のブライン内に食品を浸漬させて行うことから、凍結された被冷凍物の品質を一定状態に保持するためには、凍結作用中を通してブラインの温度が略一定に保持されることが必要となる。
しかし、特許文献1の急速冷凍方法は、バッチ方式で急速冷凍作用を行わせる構成であることから、一回の凍結処理の間にブラインの温度が、被冷凍物からの受熱によって次第に上昇変化し、氷結晶が大きくなり、凍結に伴う細胞破壊が進むなど、凍結品質(凍結後における被冷凍物の主として組成的な品質)が低下することが懸念される。
一方、特許文献2の急速冷凍方法では、その記載からバッチ方式で急速冷凍作用を行わせる構成であると考えられ、しかもこの急速冷凍時に、被凍結物中の水のクラスターを小さくして凍結に伴う細胞破壊作用を抑制する観点から、トルマリン、ブラックシリカ等のエネルギ伝達物質をブラインに混合させるようにしている。しかし、この場合も、特許文献1の場合と同様に、被凍結物及びエネルギ伝達物質からの受熱によってブラインの温度が次第に上昇変化することから、上記エネルギ伝達物質を混合した効果が減殺され、凍結品質が低下することが懸念される。
即ち、被冷凍物の凍結処理中におけるブラインの温度を一定に保持して被冷凍物の凍結品質を良好に維持するための技術は未だ提案されておらず、係る技術の開発が要請されるところである。
そこで本願発明は、上記要請に応えるべく、凍結槽内のブラインの温度を略一定に保持して被冷凍物の凍結品質を確保する急速冷凍方法及び急速冷凍装置を提案することを目的としてなされたものである。
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
本願の第1の発明に係る急速冷凍方法では、凍結槽に貯留された凍結処理用ブライン内に被冷凍物を浸漬させて該被冷凍物を急速に凍結させるに際し、固体粒子を含むシャーベット状の2種類の温度の異なる冷却ブラインを用意し、これら2種類の冷却ブラインを適宜量ずつ上記凍結槽内の凍結処理用ブラインに供給する急速冷凍方法であって、上記2種類の冷却ブラインは、まず高温側の冷凍機によって二次冷媒としてのブラインを冷却して高温側の冷却ブラインを生成し、次いで上記高温側の冷凍機から供給される高温側の冷却ブラインを二次冷媒としてこれを低温側の冷凍機によって冷却して低温側の冷却ブラインを生成することで用意されることを特徴としている。
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る急速冷凍方法において、上記凍結槽内の凍結処理用ブラインに、上記冷却ブラインの供給位置から一定方向への流れを発生させ、該凍結処理用ブラインに浸漬される上記被冷凍物を上記凍結処理用ブラインの流れに対向する方向へ移動させることを特徴としている。
本願の第3の発明では、上記第1又は第2の発明に係る急速冷凍方法において、上記被冷凍物の余熱を、上記凍結処理用ブラインへの浸漬による凍結処理に先立って除去することを特徴としている。
本願の第4の発明に係る急速冷凍装置では、凍結処理用ブラインが貯留された凍結槽と、該凍結処理用ブライン内に被冷凍物を浸漬状態で移動させることでこれを凍結させる凍結手段と、ブラインを冷却して固体粒子を含むシャーベット状の2種類の温度の異なる冷却ブラインを生成する冷却ブライン生成手段と、上記2種類の冷却ブラインを上記凍結槽内の凍結処理用ブラインに供給する冷却ブライン供給手段と、上記凍結槽内の凍結処理用ブラインの温度に応じて上記冷却ブライン供給手段による上記2種類の冷却ブラインの供給割合を調整する供給量調整手段を備えた急速冷凍装置であって、上記冷却ブライン生成手段が、高温側の冷凍機と低温側の冷凍機を備え、高温側の冷凍機では二次冷媒としてのブラインを冷却して高温側の冷却ブラインを生成し、低温側の冷凍機では上記高温側の冷凍機から供給される高温側の冷却ブラインを二次冷媒としてこれを冷却して低温側の冷却ブラインを生成するように構成されたことを特徴としている。
本願の第5の発明では、上記第4の発明に係る急速冷凍装置において、上記高温側の冷凍機の蒸発側熱交換器と上記低温側の冷凍機の蒸発側熱交換器を、共に傾斜配置されたパネル熱交換器で構成し、該各パネル熱交換器の上面に二次冷媒としてのブラインを流すことを特徴としている。
本願の第6の発明では、上記第4又は第5の発明に係る急速冷凍装置において、上記凍結手段による上記被冷凍物の移動方向の前方側に上記冷却ブライン供給手段から上記凍結槽への冷却ブラインの供給位置を、上記被冷凍物の移動方向の手前側に該凍結槽内の凍結処理用ブラインの排出位置をそれぞれ設定したことを特徴としている。
本願の第7の発明では、上記第4、第5又は第6の発明に係る急速冷凍装置において、上記凍結手段の前段側に、上記被冷凍物の余熱を除去する余熱除去手段を設けたことを特徴としている。
(a)本願の第1の発明
本願の第1の発明に係る急速冷凍方法によれば、凍結槽に貯留された凍結処理用ブライン内に被冷凍物を浸漬させて該被冷凍物を急速に凍結させるに際し、固体粒子を含むシャーベット状の2種類の温度の異なる冷却ブラインを用意し、これら2種類の冷却ブラインを適宜量ずつ上記凍結槽内の凍結処理用ブラインに供給するようにしているので、上記凍結処理用ブラインに2種類の冷却ブラインを適宜量ずつ供給することによって、該凍結処理用ブラインの温度を常時略一定に精度良く保持することができる。この結果、凍結処理用ブラインへの浸漬によって凍結される被冷凍物は、その凍結処理が略一定温度の下で急速に行われることから、氷結晶が小さくなり細胞破壊が可及的に防止され、その凍結品質が向上することになる。
また、被冷凍物を略一定温度の凍結処理用ブラインによって凍結させることから、例えば、凍結処理用ブラインが凍結処理の進行に伴って昇温変化する場合に比して、凍結時間の短縮化が促進され、延いては、凍結コストの低減が図れる。
さらに、上記凍結処理用ブラインに供給される2種類の温度の異なる冷却ブラインは、共に固体粒子を含むシャーベット状とされていることから、これら各冷却ブラインは上記凍結処理用ブラインへの供給前においては、固体粒子の溶解潜熱によって所定温度を維持し易くなっている。したがって、これら温度の異なる2種類の冷却ブラインを上記凍結処理用ブラインに供給してその温度調整を行う場合における調整精度が高められ、延いては、被冷凍物の凍結品質の向上効果がさらに促進される。
ここで、冷却ブラインが固体粒子を含むシャーベット状であるとは、エタノールや水からなる冷却ブラインが、これらの固体粒子と液体とが混ざった状態であることをいい、固体粒子の含有割合が低く液体の含有割合が高いために液体と略同等の流動性を示す状態のものから、固体粒子の含有割合が高く液体の含有割合が低いために流動性が低下した状態のものまでを広く含む。但し、固体粒子の含有割合が高過ぎて管路内の移送に支障を生ずるような状態のものは含まない。
なお、上記凍結処理用ブラインは固体粒子を含むシャーベット状である必要はなく、完全な液体の状態で良い。
また、上記2種類の冷却ブラインは、まず高温側の冷凍機によって二次冷媒としてのブラインを冷却して高温側の冷却ブラインを生成し、次いで上記高温側の冷凍機から供給される高温側の冷却ブラインを二次冷媒としてこれを低温側の冷凍機によって冷却して低温側の冷却ブラインを生成することで用意されるようにしているので、大きな温度差をもつ2種類の冷却ブラインを得ることができ、これら2種類の冷却ブラインを適宜量ずつ上記凍結処理用ブラインに供給して該凍結処理用ブラインの温度を調整する場合における調整温度幅をより大きくとることができ、被冷凍物の種類に応じた凍結状態を得ることが可能となる。
(b)本願の第2の発明
本願の第2の発明に係る急速冷凍方法によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記凍結槽内の凍結処理用ブラインに、上記冷却ブラインの供給位置から一定方向への流れを発生させ、該凍結処理用ブラインに浸漬される上記被冷凍物を上記凍結処理用ブラインの流れに対向する方向へ移動させるようにしているので、上記凍結槽内の凍結処理用ブラインには、その流れ方向の上流側、即ち、上記冷却ブライン供給位置側から流れ方向下流側に向かって温度が次第に高くなるような温度勾配が生じる。従って、上記被冷凍物は、凍結処理用ブライン内を、その温度の高い側から低い側へ向けて移動することになる。
この結果、凍結処理用ブラインの温度勾配と被冷凍物の温度変化状態が対応し、該被冷凍物はその温度が高い状態では比較的高温側の凍結処理用ブラインによって冷却が開始されるとともに、その温度変化(降温変化)の進行に伴って次第に低温側の凍結処理用ブラインによって冷却されることから、熱損失の少ない(即ち、凍結処理用ブラインの温度上昇の少ない)効率的な凍結作用が実現され、延いては冷凍コストの低廉化が図れることになる。
(c)本願の第3の発明
本願の第3の発明では、上記(a)又は(b)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記被冷凍物の余熱を、上記凍結処理用ブラインへの浸漬による凍結処理に先立って除去するようにしているので、凍結処理用ブラインでの熱損失が少なく(即ち、凍結処理用ブラインの温度上昇が少なく)効率的な凍結作用が実現される。また、被冷凍物が余熱をもったまま凍結処理用ブラインに浸漬される場合に比して、凍結時間の短縮化が促進され、冷凍コストの低減が図れる。
(d)本願の第4の発明
本願の第4の発明に係る急速冷凍装置によれば、凍結処理用ブラインが貯留された凍結槽と、該凍結処理用ブライン内に被冷凍物を浸漬状態で移動させることでこれを凍結させる凍結手段と、ブラインを冷却して固体粒子を含むシャーベット状の2種類の温度の異なる冷却ブラインを生成する冷却ブライン生成手段と、上記2種類の冷却ブラインを上記凍結槽内の凍結処理用ブラインに供給する冷却ブライン供給手段と、上記凍結槽内の凍結処理用ブラインの温度に応じて上記冷却ブライン供給手段による上記2種類の冷却ブラインの供給割合を調整する供給量調整手段を備えているので、上記冷却ブライン生成手段で生成された温度の異なる2種類の冷却ブラインを上記冷却ブライン供給手段から上記凍結槽の凍結処理用ブライン内に供給するとともに、この2種類の冷却ブラインの上記凍結処理用ブラインへの供給割合を、該凍結処理用ブラインの温度に応じて上記供給量調整手段によって調整することで、該凍結処理用ブラインの温度を略一定に保持することが可能となる。
このように、凍結処理用ブラインの温度を略一定に保持できることで、例えば、被冷凍物はその凍結作用が略一定温度の下で行われることから、凍結に伴う被冷凍物内の氷結晶が小さくなりその細胞破壊が可及的に防止され、これにより被冷凍物の凍結品質が向上する。
また、被冷凍物を略一定温度の凍結処理用ブラインによって凍結させることから、例えば、凍結処理用ブラインが凍結処理の進行に伴って昇温変化するような場合に比して、凍結時間の短縮化が促進され、延いては、凍結コストの低減が図れる。
さらに、上記凍結処理用ブラインに供給される2種類の温度の異なる冷却ブラインは、共に固体粒子を含むシャーベット状とされていることから、これら各冷却ブラインは上記凍結処理用ブラインへの供給前においては、固体粒子の溶解潜熱によって所定温度を維持し易い。このため、これら2種類の温度の異なる冷却ブラインの供給による上記凍結処理用ブラインの温度調整の精度を高めることができ、その結果、被冷凍物の凍結品質の向上効果がさらに促進される。
また、この発明では、上記冷却ブライン生成手段を、高温側の冷凍機と低温側の冷凍機を備え、高温側の冷凍機では二次冷媒としてのブラインを冷却して高温側の冷却ブラインを生成し、低温側の冷凍機では上記高温側の冷凍機から供給される高温側の冷却ブラインを二次冷媒としてこれを冷却して低温側の冷却ブラインを生成するように構成したので、大きな温度差をもつ2種類の冷却ブラインを得ることができ、これら2種類の冷却ブラインを適宜割合で上記凍結処理用ブラインに供給して該凍結処理用ブラインの温度を調整する場合における調整温度幅をより大きくとることができ、被冷凍物の種類に応じた凍結状態を得ることが可能となる。
(e)本願の第5の発明
本願の第5の発明では、上記(d)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記高温側の冷凍機の蒸発側熱交換器と上記低温側の冷凍機の蒸発側熱交換器を、共に傾斜配置されたパネル熱交換器で構成し、該各パネル熱交換器の上面に二次冷媒としてのブラインを流すようにしているので、該パネル熱交換器でのブラインの冷却効率が高く、より短時間で所要温度の冷却ブラインを得ることができるとともに、該パネル熱交換器の上面におけるブラインの冷却状態、例えば、シャーベット状のブラインにおける固体粒子の生成状態等を目視にて確認することができる。
(f)本願の第6の発明
本願の第6の発明では、上記(d)又は(e)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記凍結手段による上記被冷凍物の移動方向の前方側に上記冷却ブライン供給手段から上記凍結槽への冷却ブラインの供給位置を、上記被冷凍物の移動方向の手前側に該凍結槽内の凍結処理用ブラインの排出位置をそれぞれ設定しているので、上記凍結槽内の凍結処理用ブラインには、上記冷却ブライン供給位置側から凍結処理用ブラインの排出位置側へ向かう流れが生成され、この流れ方向の上流側から下流側に向かって温度が次第に高くなるような温度勾配が生じ、被冷凍物は凍結処理用ブライン内を、その温度の高い側から低い側へ向けて移動することになる。
したがって、凍結処理用ブラインの温度勾配と被冷凍物の温度変化状態が対応し、該被冷凍物はその温度が高い状態では比較的高温側の凍結処理用ブラインによって冷却が開始されるとともに、その温度変化(降温変化)に伴って次第に低温側の凍結処理用ブラインによって冷却されて凍結されることとなり、熱損失の少ない(即ち、凍結処理用ブラインの温度上昇の少ない)効率的な凍結作用が実現され、延いては冷凍コストの低廉化が図れることになる。
(g)本願の第7の発明
本願の第7の発明では、上記(d)、(e)又は(f)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記凍結手段の前段側に、上記被冷凍物の余熱を除去する余熱除去手段を設けているので、該被冷凍物は余熱が除去され、温度が下がった状態で上記凍結槽の凍結処理用ブライン内に浸漬されて冷却されることから、該凍結処理用ブラインの温度上昇を低く抑えることができる。
本願発明の実施形態に係る急速冷凍装置のシステム構成図である。
図1には、本願発明の実施形態に係る急速冷凍装置Zのシステム構成図を示している。この急速冷凍装置Zは、食品等の被冷凍物50を、低温のブラインによって急速に冷却してこれを凍結させるものであって、低温に冷却された冷却ブライン51,52を生成する第1冷凍機1と第2冷凍機2からなる冷却ブライン生成手段Aと、凍結処理用ブラインを貯留した凍結槽4を備えた凍結手段Bと、上記各冷凍機1,2で生成された冷却ブライン51,52を上記凍結槽4に供給する冷却ブライン供給手段Cと、上記冷却ブライン供給手段Cによる冷却ブライン51,52の上記凍結槽4への供給量を調整する供給量調整手段Dと、被冷凍物50の余熱を除去する余熱除去手段Eを備えて構成される。
「冷却ブライン生成手段A」
上記冷却ブライン生成手段Aは、常温のブラインを冷却して「約−50℃」の高温側の冷却ブライン51を生成する第1冷凍機1(特許請求の範囲中の「高温側の冷凍機」に該当する)と、上記第1冷凍機1において生成された冷却ブライン51をさらに冷却して「約−70℃」の低温側の冷却ブライン52を生成する第2冷凍機2(特許請求の範囲中の「低温側の冷凍機」に該当する)を備えて構成される。なお、この実施形態では、上記ブライン(第1冷凍機1及び第2冷凍機2における二次冷媒)として、例えば、65質量%の濃度のエチルアルコールを採用している。
ここで、図1では、第1冷凍機1として、その蒸発器として機能する熱交換器12,13(特許請求の範囲中の「蒸発側の熱交換器」に該当する)部分のみを図示し、他の冷凍サイクル構成部分の図示は省略している。そして、図示していないが、この冷凍サイクルは二次冷媒(この実施形態ではブライン)を「−50℃」という極低温まで冷却させるものであるため、二元冷凍サイクルの冷凍機(即ち、沸点の異なる冷媒を用いた二つの冷凍サイクルを、熱交換器を介して結合した構成の冷凍機)を採用している。
また、上記第2冷凍機2においても、その蒸発器として機能する熱交換器22,23(特許請求の範囲中の「蒸発側熱交換器」に該当する)部分のみを図示し、他の冷凍サイクル構成部分の図示は省略している。そして、図示していないが、この冷凍サイクルは二次冷媒(この実施形態では上記第1冷凍機1で生成された冷却ブライン51)を「−70℃」という極低温まで冷却させるものであるため、上記第1冷凍機1と同様に、二元冷凍サイクルの冷凍機を採用している。このように、上記第2冷凍機2は、二次冷媒として上記第1冷凍機1で生成された冷却ブライン51を用いることを除けば、上記第1冷凍機1の場合と同様の構成とされている。以下の説明においては、これら第1冷凍機1の熱交換器12,13、及び上記第2冷凍機2の熱交換器22,23部分のみを、便宜上、「第1冷凍機1」、「第2冷凍機2」と称する。
「第1冷凍機1」
上記第1冷凍機1には、熱交換室11が設けられ、この熱交換室11内には、扁平板状形体をもつパネル熱交換器で構成される熱交換器12と熱交換器13(共に、蒸発器として機能する)が、一方の熱交換器12の下端側に他方の熱交換器13が折り返して連続するように、該熱交換室11の壁面にそれぞれ傾斜状態で配置されている。そして、上記熱交換室11の上方で且つ上記熱交換器12の上端側に開口した管路31から導入されるブライン(後述の凍結槽4内に貯留され、凍結処理に供されて昇温した凍結処理用ブライン53であって、例えば、−35℃程度の温度をもつブライン)が供給される。
この熱交換器12の上端側に供給される凍結処理用ブライン53は、該熱交換器12の上面に沿ってその上端側から下端側へ流下したのち、さらに上記熱交換器13の上端側に落下し、該熱交換器13の上面に沿ってその上端側から下端側に向けて流下し、該熱交換室11の底部に一時貯留される。この場合、上記凍結処理用ブライン53は、上記熱交換器12の上面及び上記熱交換器13の上面をこれに沿って流下する際に、該各熱交換器12,13内を流れる極低温の一次冷媒との熱交換によって急速に冷却され、「約−50℃」の温度をもち且つ固体粒子を含むシャーベット状の冷却ブライン51が生成される。
そして、この熱交換室11内で生成された冷却ブライン51は、該熱交換室11の底部からその隣に設けられた貯留室14側に流入し、ここに一時貯留される。この貯留室14の底部には流量調整弁37を備えた管路32が接続されるとともに、該貯留室14の壁部には、その下流端が上記第2冷凍機2の熱交換室21の上部に開口する管路30が設けられており、この管路30を介して上記第1冷凍機1の貯留室14と上記第2冷凍機2の熱交換室21が連通される。
したがって、上記第1冷凍機1の貯留室14に貯留された冷却ブライン51は、その一部が上記管路32を介して後述する凍結手段Bの凍結室3側に導出されるとともに、他の一部は上記管路30を介して上記第2冷凍機2の熱交換室21側へ導出され得る状態となっている。
「第2冷凍機2」
上記第2冷凍機2には、熱交換室21が設けられ、この熱交換室21内には、扁平板状形体をもつパネル熱交換器で構成される二つの熱交換器22、23が、一方の熱交換器22の下端側に他方の熱交換器23が折り返して連続するように、該熱交換室21の壁面にそれぞれ傾斜状態で配置されている。そして、上記熱交換室21の上方で且つ上記熱交換器22の上端側に開口した上記管路30から「約−50℃」の温度をもつ上記冷却ブライン51が供給される。
この熱交換器22の上端側に供給される冷却ブライン51は、該熱交換器22の上面に沿ってその上端側から下端側へ流下したのち、さらに上記熱交換器23の上端側に落下し、該熱交換器23の上面に沿ってその上端側から下端側に向けて流下し、該熱交換室21の底部に一時貯留される。この場合、上記冷却ブライン51は、上記熱交換器22の上面及び上記熱交換器23の上面をこれに沿って流下する際に、該各熱交換器22,23内を流れる極低温の一次冷媒との熱交換によって急速に冷却され、「約−70℃」の温度をもち且つ固体粒子を含むシャーベット状の冷却ブライン52とされる。
そして、この熱交換室21内で生成された冷却ブライン52は、該熱交換室21の底部からその隣に設けられた貯留室24側に流入し、ここに一時貯留される。この貯留室24の底部には、流量調整弁38とポンプ42を備え且つその下流端が上記管路32の上記流量調整弁37の下流側に合流する管路34が接続されている。したがって、この第2冷凍機2の貯留室24に貯留された冷却ブライン52は、上記管路34及び上記管路32を介して上記凍結手段Bの凍結室3側に導出され得る状態となっている。
「冷却ブライン供給手段C」
上記冷却ブライン供給手段Cは、上述のように、上記冷却ブライン生成手段Aの各冷凍機1,2で生成された冷却ブライン51,52を上記凍結槽4に供給するためのものであって、上記第1冷凍機1の貯留室14と上記凍結手段Bの凍結室3を連結する上記管路32と、上記第2冷凍機2の貯留室24と上記管路32を介して上記凍結手段Bの凍結室3を連結する管路34で構成される。なお、上記管路32に設けられた流量調整弁37と上記管路34に設けられた流量調整弁38は、後述する供給量調整手段Dの構成部材の一つとなる。
「凍結手段B」
上記凍結手段Bは、所要容積をもつ凍結室3内に、凍結処理用ブライン53が所要量貯留された横長の凍結槽4と、該凍結槽4内の凍結処理用ブライン53中に浸漬状態で設けられて被冷凍物50を上記凍結槽4の一端4a側から他端4b側へ向けて移送する浸漬移送コンベア7を配置して構成される。また、上記浸漬移送コンベア7の前段側には被冷凍物50を上記浸漬移送コンベア7側に搬入する搬入コンベア6が、後段側には上記浸漬移送コンベア7側から上記被冷凍物50を搬出する搬出コンベア8が備えられている。さらに、上記凍結槽4の上部で、凍結処理用ブライン53の液面直下位置には、上記浸漬移送コンベア7で移送される被冷凍物50の浮上を阻止して凍結を促進させる浮上阻止板9が配置されている。
なお、上記凍結処理用ブライン53の温度は、被冷凍物50の種類とか大きさ等の条件によって、該被冷凍物50を良好状態で凍結させるに最適な温度(最適凍結温度)に設定されるが、この実施形態ではこの最適凍結温度を「−35℃」に設定している。
また、上記冷却ブライン生成手段Aの上記管路32は、上記凍結槽4の他端4b寄り位置に開口され、ここから上記凍結槽4内に冷却ブライン51,52が供給される。一方、上記凍結槽4の一端4a寄りの底部には、凍結処理用ブライン53の排出位置となる管路36が設けられている。そして、この管路36にはブライン貯留タンク5が取り付けられ、該ブライン貯留タンク5内の凍結処理用ブライン53はポンプ41により管路31を介して上記冷却ブライン生成手段Aの第1冷凍機1の熱交換室11側に送給されるようになっている。
「供給量調整手段D」
上記供給量調整手段Dは、上述のように、上記冷却ブライン供給手段Cによる冷却ブライン51,52の上記凍結槽4への供給量を調整し、これによって上記凍結槽4内の凍結処理用ブライン53の温度調整を行うものであって、上記冷却ブライン生成手段Aの第1冷凍機1に設けられた温度センサ39及び上記第2冷凍機2に設けられた温度センサ40と、上記冷却ブライン供給手段Cの管路32に設けられた流量調整弁37及び上記管路34に設けられた流量調整弁38と、上記凍結手段Bの上記凍結槽4に設けられた温度センサ45、及び制御装置29を備えて構成される。
上記制御装置29では、常時、上記冷却ブライン生成手段A側の各温度センサ39,40と、上記凍結手段B側の上記温度センサ45においてそれぞれ検出される温度信号を受けて、例えば、上記凍結槽4内の凍結処理用ブライン53の温度が、予め設定した被冷凍物50の最適凍結温度(例えば、−35℃)から所定温度以上に上昇したとき、上記温度センサ39で検出される温度をもつ上記第1冷凍機1側の冷却ブライン51と、上記温度センサ40で検出される温度をもつ上記第2冷凍機2側の冷却ブライン52とを、所定割合で混合してこれを上記管路32から上記凍結槽4内の凍結処理用ブライン53に供給し、該凍結処理用ブライン53の温度を上記最適凍結温度まで低下させる。これによって、上記凍結槽4内の凍結処理用ブライン53は、常時被冷凍物50の凍結に最適な温度に維持されることになる。
なお、上記冷却ブライン生成手段Aの第1冷凍機1で生成される冷却ブライン51は、該第1冷凍機1が2元冷凍サイクルで構成され、高温側サイクルと低温側サイクルそれぞれの一次冷媒の種類を選択することで二次冷媒を所定温度(この実施形態では−50℃)とすべく制御されるが、例えば、冷却ブライン51は上記貯留室14内での貯留時間等によって温度変化するため、上記温度センサ39で温度測定してその温度情報を用いることで上記供給量調整手段Dにおける供給量調整の精度を担保するものである。この点は、上記第2冷凍機2側において上記温度センサ40で冷却ブライン52の温度測定を行う場合も同様である。
「余熱除去手段E」
上記余熱除去手段Eは、上記凍結手段Bへの搬入に先立って、上記被冷凍物50の余熱を除去し、該凍結手段Bでの凍結作用の効率化を図るものであって、この実施形態では、上記凍結室3の前段側に、上記凍結槽4の一端4a寄りの一部と上記搬入コンベア6の一部を覆うようにして余熱除去室10を設け、上記凍結室3にブロア43を備えた管路35の一端を開口させるとともに、該管路35の他端を上記余熱除去室10内に配置し、且つその先端ノズル44を取り付ける。そして、上記管路35を通して上記凍結室3内の冷気を上記余熱除去室10側に導入し、これを上記ノズル44から噴出させるとともに、その噴流を上記搬入コンベア6によって移送されてくる被冷凍物50に吹き付けることでこれを冷却し、その余熱を除去するようにしている。
なお、この余熱除去手段Eは、係る構成に限られるものではなく、例えば、上記冷却ブライン生成手段Aで生成される冷却ブライン51,52を管路によって上記余熱除去室10側へ導入し、これをノズルによって噴流として噴出させて上記被冷凍物50を冷却し、その余熱を除去することもできる。
「急速冷凍装置Zの動作説明等」
以上のように構成された急速冷凍装置Zは以下のように動作する。
上記凍結手段Bの上記凍結槽4には、最適凍結温度(約−35℃)に温度設定された凍結処理用ブライン53が所要量投入されている。この凍結槽4の凍結処理用ブライン53内に、上記搬入コンベア6によって移送される被冷凍物50が、余熱除去手段Eにおいて余熱が除去された状態で、順次浸漬される。そして、この被冷凍物50は、上記浸漬移送コンベア7によって該凍結槽4の一端4a側から他端4b側へ移動される間に、該凍結処理用ブライン53によって冷却されて凍結する。凍結された被冷凍物50は、上記搬出コンベア8によって次工程へ搬出される。
一方、上記凍結槽4内の凍結処理用ブライン53は、上記ブライン貯留タンク5を介して上記冷却ブライン生成手段Aの第1冷凍機1の熱交換室11側へ導入され、ここで「約−50℃」の固体粒子を含むシャーベット状の冷却ブライン51とされ、その一部は貯留室14内に貯留されるが、他の一部はさらに上記第2冷凍機2の熱交換室21側へ導入され、ここで「約−70℃」の固体粒子を含むシャーベット状の冷却ブライン52とされ、貯留室24内に貯留される。
上記凍結槽4における凍結処理の進行に伴って、その凍結処理用ブライン53は、例えば、被冷凍物50側からの吸熱によって次第に温度が上昇し、これが上記最適凍結温度以上に達すると、上記供給量調整手段Dが作動し、該凍結処理用ブライン53の最適凍結温度への復帰操作が開始される。即ち、上記制御装置29において、上記第1冷凍機1の冷却ブライン51の温度と上記第2冷凍機2の冷却ブライン52の温度及び上記凍結槽4内の凍結処理用ブライン53の温度を受けて、該凍結処理用ブライン53の温度を上記最適凍結温度「−35℃」に復帰させるべく、「−50℃」の冷却ブライン51と「−70℃」の冷却ブライン52の混合割合を算出し、この算出割合に基いて上記冷却ブライン51と冷却ブライン52を混合させ、これを上記凍結槽4の他端4b側に供給する。すると、該凍結槽4内の凍結処理用ブライン53は、新たに供給される冷却ブライン51,52によってその温度が下げられ、上記最適凍結温度「−35℃」に復帰され、これによって上記被冷凍物50の最適状態での凍結処理が継続されるものである。
このように構成され、且つ動作する上記急速冷凍装置Zにおいては、以下のような特有の作用効果が得られる。
(1)この急速冷凍装置Zでは、上記凍結槽4に貯留された凍結処理用ブライン53内に被冷凍物50を浸漬させて該被冷凍物50を急速に凍結させるに際し、固体粒子を含むシャーベット状の2種類の温度の異なる冷却ブライン51,52を用意し、これら2種類の冷却ブライン51,52を適宜量ずつ上記凍結槽4内の凍結処理用ブライン53に供給するようにしているので、該凍結処理用ブライン53の温度を常時略一定に精度良く保持することができ、この結果、凍結処理用ブライン53への浸漬によって凍結される被冷凍物50は、その凍結処理が略一定温度の下で急速行われることから、氷結晶が小さくなり、凍結に伴う細胞破壊が可及的に防止されるなど、その凍結品質が向上することになる。
(2)被冷凍物50を略一定温度の凍結処理用ブライン53によって凍結させることから、例えば、凍結処理用ブライン53が凍結処理の進行に伴って昇温変化する場合に比して、凍結時間の短縮化が促進され、延いては、凍結コストの低減が図れる。
(3)上記凍結処理用ブライン53に供給される2種類の温度の異なる冷却ブライン51,52は、共に固体粒子を含むシャーベット状とされていることから、これら各冷却ブライン51,52は上記凍結処理用ブライン53への供給前においては、固体粒子の溶解潜熱によって所定温度を維持し易い。このため、これら2種類の温度の異なる冷却ブライン51,52の供給による上記凍結処理用ブライン53の温度調整の精度が高められ、その結果、被冷凍物50の凍結品質の向上効果がさらに促進される。
(4)上記凍結槽4の他端4b寄り位置に上記冷却ブライン51,52の供給位置を設定するとともに、該凍結槽4の一端4a寄りに該凍結槽4内の凍結処理用ブライン53の排出位置(管路36)を設けることで、該凍結槽4内の凍結処理用ブライン53に、該凍結槽4の他端4b側から一端4a側へ向かう流れを発生させているので、上記凍結槽4内の凍結処理用ブライン53には、その流れ方向の上流側(上記凍結槽4の他端4b側)から流れ方向下流側(上記凍結槽4の一端4a側)に向かって温度が次第に高くなるような温度勾配が生じることになる。
一方、上記凍結槽4内の凍結処理用ブライン53に浸漬される上記被冷凍物50は、該凍結槽4の一端4a側から他端4b側へ向けて移動される。即ち、凍結処理用ブライン53の流れに対向する方向へ移動される。
このように、上記凍結処理用ブライン53の流れ方向と上記被冷凍物50の移動方向が対向することで、凍結処理用ブライン53の温度勾配と被冷凍物50の温度変化状態が対応し、該被冷凍物50はその温度が高い状態では比較的高温側の凍結処理用ブライン53によって冷却が開始されるとともに、その温度変化(降温変化)に伴って次第に低温側の凍結処理用ブライン53によって冷却されて凍結されることから、熱損失の少ない(即ち、凍結処理用ブライン53の温度上昇の少ない)効率的な凍結作用が実現され、延いては冷凍コストの低廉化が図れることになる。
(5)上記被冷凍物50の余熱を、上記凍結処理用ブライン53への浸漬に先立って除去するようにしているので、凍結処理用ブライン53での熱損失が少なく(即ち、凍結処理用ブライン53の温度上昇が少なく)効率的な凍結作用が実現される。また、被冷凍物が余熱をもったまま凍結処理用ブライン53に浸漬される場合に比して、凍結時間の短縮化が促進され、冷凍コストの低減が図れる。
(6)上記冷却ブライン生成手段Aを、高温側の第1冷凍機1と低温側の第2冷凍機2を備え、上記第1冷凍機1では二次冷媒としての凍結処理用ブライン53を冷却して高温側の冷却ブライン51を生成し、上記第2冷凍機2では上記第1冷凍機1から供給される高温側の冷却ブライン51を二次冷媒としてこれを冷却して低温側の冷却ブライン52を生成するように構成しているので、大きな温度差をもつ2種類の冷却ブライン51,52を得ることができ、その結果、これら2種類の冷却ブライン51,52を適宜割合で上記凍結処理用ブライン53に供給して該凍結処理用ブライン53の温度を調整する場合において、温度調整幅がより大きくとれ、被冷凍物50の種類形状等に応じた最適な凍結状態を得ることが可能となる。
(7)高温側の第1冷凍機1の熱交換器12,13と低温側の第2冷凍機2の熱交換器22,23を、共に傾斜配置されたパネル熱交換器で構成し、該熱交換器12,13、同22,23の上面に二次冷媒としての凍結処理用ブライン53あるいは冷却ブライン51を流すようにしているので、該各熱交換器12,13、同22,23での冷却効率が高く、より短時間で所要温度の冷却ブライン51,52を得ることができるとともに、該各熱交換器12,13、同22,23の上面における冷却状態、例えば、シャーベット状のブラインにおける固体粒子の生成状態等を目視にて確認することができる。
本願発明に係る急速冷凍方法及び急速冷凍装置は、食品等の被冷凍物の急速冷凍分野において利用されるものである。
1 ・・第1冷凍機
2 ・・第2冷凍機
3 ・・凍結室
4 ・・凍結槽
5 ・・ブライン貯留タンク
6 ・・搬入コンベア
7 ・・浸漬移送コンベア
8 ・・搬出コンベア
9 ・・浮上阻止板
10 ・・余熱除去室
11 ・・熱交換室
12 ・・熱交換器
13 ・・熱交換器
14 ・・貯留室
21 ・・熱交換室
22 ・・熱交換器
23 ・・熱交換器
24 ・・貯留室
50 ・・被冷凍物
51 ・・冷却ブライン
52 ・・冷却ブライン
53 ・・凍結処理用ブライン
A ・・冷却ブライン生成手段
B ・・凍結手段
C ・・冷却ブライン供給手段
D ・・供給量調整手段
E ・・余熱除去手段
Z ・・急速冷凍装置

Claims (7)

  1. 凍結槽に貯留された凍結処理用ブライン内に被冷凍物を浸漬させて該被冷凍物を急速に凍結させるに際し、
    固体粒子を含むシャーベット状の2種類の温度の異なる冷却ブラインを用意し、これら2種類の冷却ブラインを適宜量ずつ上記凍結槽内の凍結処理用ブラインに供給する急速冷凍方法であって、
    上記2種類の冷却ブラインは、まず高温側の冷凍機によって二次冷媒としてのブラインを冷却して高温側の冷却ブラインを生成し、次いで上記高温側の冷凍機から供給される高温側の冷却ブラインを二次冷媒としてこれを低温側の冷凍機によって冷却して低温側の冷却ブラインを生成することで用意されることを特徴とする急速冷凍方法。
  2. 請求項1において、
    上記凍結槽内の凍結処理用ブラインに、上記冷却ブラインの供給位置から一定方向への流れを発生させ、該凍結処理用ブラインに浸漬される上記被冷凍物を上記凍結処理用ブラインの流れに対向する方向へ移動させることを特徴とする急速冷凍方法。
  3. 請求項1又は2において、
    上記被冷凍物は、上記凍結処理用ブラインへの浸漬による凍結処理に先立って、その余熱が除去されることを特徴とする急速冷凍方法。
  4. 凍結処理用ブラインが貯留された凍結槽と、
    該凍結処理用ブライン内に被冷凍物を浸漬状態で移動させることでこれを凍結させる凍結手段と、
    ブラインを冷却して固体粒子を含むシャーベット状の2種類の温度の異なる冷却ブラインを生成する冷却ブライン生成手段と、
    上記2種類の冷却ブラインを上記凍結槽内の凍結処理用ブラインに供給するブライン供給手段と、
    上記凍結槽内の凍結処理用ブラインの温度に応じて上記ブライン供給手段による上記2種類の冷却ブラインの供給割合を調整するブライン供給量調整手段と、
    を備えた急速冷凍装置であって、
    上記冷却ブライン生成手段が、高温側の冷凍機と低温側の冷凍機を備え、高温側の冷凍機では二次冷媒としてのブラインを冷却して高温側の冷却ブラインを生成し、低温側の冷凍機では上記高温側の冷凍機から供給される高温側の冷却ブラインを二次冷媒としてこれを冷却して低温側の冷却ブラインを生成するように構成されたことを特徴とする急速冷凍装置。
  5. 請求項4において、
    上記高温側の冷凍機の蒸発側熱交換器と上記低温側の冷凍機の蒸発側熱交換器が、共に傾斜配置されたパネル熱交換器で構成され、該各パネル熱交換器の上面に二次冷媒としてのブラインが流されることを特徴とする急速冷凍装置。
  6. 請求項4又は5において、
    上記凍結手段による上記被冷凍物の移動方向の前方側に上記ブライン供給手段から上記凍結槽への冷却ブラインの供給位置が、上記被冷凍物の移動方向の手前側に該凍結槽内の凍結処理用ブラインの排出位置がそれぞれ設定されていることを特徴とする急速冷凍装置。
  7. 請求項4、5又は6において、
    上記凍結手段の前段側に、上記被冷凍物の余熱を除去する余熱除去手段が設けられていることを特徴とする急速冷凍装置。
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