JP6094905B2 - 水溶液の過冷却制御方法および水溶液の過冷却制御装置、冷却装置および冷却システム - Google Patents

水溶液の過冷却制御方法および水溶液の過冷却制御装置、冷却装置および冷却システム Download PDF

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Description

本発明は、水溶液の過冷却制御方法および水溶液の過冷却制御装置、水溶液による氷蓄熱装置、水溶液による冷却装置、および水溶液による冷却システムに関し、より詳細には、冷凍機をリスタートする際、冷媒の気化潜熱により、不意の過冷却解除が生じないように水溶液回路中の水溶液を過冷却するとともに、過冷却開始後に水溶液をすみやかに強制的に過冷却解除して氷スラリー状態を生成しつつ、水溶液凍結に伴う水溶液回路中での流路の閉塞を抑制可能な水溶液の過冷却制御方法および水溶液の過冷却制御装置、冷凍機をリスタートする際、冷媒の気化潜熱により、不意の過冷却解除が生じないように水溶液回路中の水溶液を過冷却するとともに、過冷却開始後に水溶液をすみやかに強制的に過冷却解除して氷スラリー状態で効率的に熱輸送して氷蓄熱しつつ、水溶液凍結に伴う水溶液回路中での流路の閉塞を抑制可能な氷蓄熱装置、冷凍機をリスタートする際、冷媒の気化潜熱により、不意の過冷却解除が生じないように水溶液回路中の水溶液を過冷却するとともに、過冷却開始後に水溶液をすみやかに強制的に過冷却解除して氷スラリー状態で効率的に熱輸送して負荷側を冷却しつつ、水溶液凍結に伴う水溶液回路中での流路の閉塞を抑制可能な水溶液による冷却装置、および冷凍機をリスタートする際、冷媒の気化潜熱により、不意の過冷却解除が生じないように水溶液回路中の水溶液を過冷却するとともに、過冷却開始後に水溶液をすみやかに強制的に過冷却解除して氷スラリー状態で効率的に熱輸送することにより、氷蓄熱および/または負荷側を冷却しつつ、水溶液凍結に伴う水溶液回路中での流路の閉塞を抑制可能な水溶液による冷却システムに関する。
真水を過冷却して過冷却水とし、その後過冷却水に振動等の衝撃を与えて過冷却状態を解除することにより、水に氷の細片が混合したシャーベット状の氷スラリーを生成する装置や方法は従来から実用に供されている。このような装置、方法によって生成された氷スラリーは流動性があって搬送が容易であり、かつ氷の潜熱を利用できるので、高密度熱搬送の効果によりエネルギー効率が良好であるという利点がある。
そのため、例えば特許文献1および特許文献2に開示されているように、ダイナミック式すなわち蓄熱槽(氷蓄槽)外部において生成した氷を蓄熱槽に供給するタイプの氷蓄熱装置用の冷熱源として広く実用に供されている。
ところで、上述のように製氷用水を真水とするのではなく、溶質を溶媒に溶解した水溶液のブラインとすれば、真水を使用した場合と同様に顕熱、潜熱が大であるので、水溶液を冷熱の媒体とすれば氷点下温度の水溶液を蓄熱槽へ送ることができることから、この蓄熱槽に貯留された低温の水溶液は、蓄熱槽から例えば低温の空調設備へ送られてその冷熱源として有効に利用できる。
しかしながら、従来の真水を製氷用水とする装置、方法では製氷量が大となってもその凍結温度に変化がないが、水溶液の場合は水溶液回路内全体における水溶液の総量に対する氷結部分(固体相)の割合が大になると、未氷結部分(液相)部分の濃度が大となり、水溶液濃度が大になると凍結点が低下する。
したがって、水溶液回路により水溶液を循環せしめて使用する場合、蓄熱槽内での氷蓄量が小である製氷初期段階の水溶液凍結点と、蓄熱槽内での氷蓄量が大である製氷終期段階の水溶液凍結点とでは顕著な温度差がある。すなわち、製氷初期段階と製氷終期段階とでは、安定した過冷却を得るために設定すべき蒸発温度が異なり、凍結温度の変化に追従した蒸発温度制御を行う必要がある。
冷媒の蒸発温度を製氷終期において安定した製氷ができるように低い温度に設定すると、製氷初期段階においては凍結温度と蒸発温度の差が大きくなり過冷却熱交換器内において伝熱面の温度が凍結温度より低くなりすぎることに起因して、過冷却状態を維持できずに過冷却熱交換器、より詳しくは、過冷却熱交換器の出口付近における管壁内面の最も温度が低くなる箇所で特に凍結する可能性が高まり、この水溶液の凍結によって過冷却用熱交換器の水溶液流路が閉塞して製氷が停止するという問題が生じるおそれがある。
この点、特許文献3は、このような問題を解決するものであり、冷凍機から供給される冷媒の気化潜熱により製氷用水溶液を過冷却用熱交換器で過冷却して、その後水溶液の過冷却状態を解除することにより水溶液と氷の細片が混合した氷スラリーを生成して、蓄熱槽内に氷を氷蓄する氷蓄方法において、氷スラリー送管によって蓄熱槽へ送られる過冷却解除直後の氷スラリーの凍結温度と、過冷却熱交換器における冷媒蒸発温度との差を一定の値に保つようにする水溶液の過冷却による製氷方法を開示する。
また、特許文献3は、圧縮機とコンデンサを備える冷凍機から供給される冷媒の気化潜熱により製氷用の水溶液を過冷却する過冷却用熱交換器と、同熱交換器にて過冷却された水溶液の過冷却状態を解除して水溶液と氷の細片が混合した氷スラリーを生成する氷核発生器と、氷スラリーを受け入れる蓄熱槽とをこの順に備え、負荷側からの製氷用水溶液を蓄熱槽を介して過冷却用熱交換器に送る水溶液送管と、蓄熱槽内の冷水を負荷側へ送る氷スラリー送管とを備え、かつ、過冷却用熱交換器出口における過冷却解除直後の負荷側へ送られる前の氷スラリーの温度と過冷却熱交換器における過冷却水溶液との差が一定の値に保たれるように、冷媒蒸発温度の温度を調節する制御回路を備えてなる水溶液の過冷却による製氷装置を開示する。
このような構成により、過冷却用熱交換器に供給される水溶液の濃度が蓄熱槽内の製氷量の変化に伴って変動しても、安定した製氷を行なうことができ、したがって過冷却用熱交換器内における水溶液の凍結のような不具合が生じるおそれを軽減できる。
しかしながら、特許文献3には、冷凍機をリスタートする際に、以下のような技術的問題点が存する。
より詳細には、製氷装置の運転モードには、たとえば、夜間電力利用による電力負荷の平準化に資するために、夜間蓄熱を行い、昼間は、この蓄熱を利用して、冷凍機を停止した状態で、蓄熱槽と負荷側との間で水溶液を循環させることにより、負荷側を冷却したり、あるいは、夜間蓄熱による蓄熱量が不足する場合に、蓄熱の冷熱を利用ながら、同時に冷凍機を運転し(以下、追っかけ運転と称する)しながら、負荷側を冷却する場合がある。この場合、冷凍機は負荷の大きさによって運転したり止めたりすることがある。
その際、冷凍機をいったん停止したことに伴い、蓄熱槽内の氷は、一部または全部氷解するとともに、氷スラリーの生成が中断されることにより系統内の水溶液の凍結温度(濃度)が不明となるとともに、水溶液の過冷却状態が再び未過冷却状態となり、そのために、制御回路により、氷核発生器出口における過冷却解除直後の負荷側へ送られる前の氷スラリーの温度と蒸発温度過冷却水溶液の温度との差が一定の値に保たれるように、過冷却熱交換器における冷媒蒸発温度を調節 蒸発圧力調整弁の開度を調節するとしても、水溶液を再度過冷却状態とするために、リスタートの際、冷媒の蒸発温度を何度に設定するべきかが不明となる。
この場合、リスタートの際、冷凍機を停止する直前の冷媒の蒸発温度に設定すると、リスタート初期段階においては氷の一部または全部が解氷して水溶液の凍結温度が上昇している場合には、凍結温度と蒸発温度(厳密には冷却伝熱面の温度)の差が所定より大きくなり、伝達面近傍において水溶液の局部的な過冷却度の拡大を生じさせることにより、過冷却状態を維持できずに過冷却熱交換器、より詳しくは過冷却熱交換器の出口における管壁内面の最も温度が低くなる箇所で特に凍結する可能性が高く、この水溶液の凍結によって過冷却用熱交換器の水溶液流路が閉塞して製氷が停止するという問題が生じるおそれがある。
このような問題は氷蓄熱装置に利用される製氷方法、装置にだけ生じるものではなく、例えば氷スラリーを直接空調用の熱交換器等の負荷側熱交換器に送って冷熱を利用する場合にも同様に生じる問題である。

特開平5−180467 特開平5−296503 特許第4623995号
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、冷凍機をリスタートする際、冷媒の気化潜熱により、不意の過冷却解除が生じないように水溶液回路中の水溶液を過冷却するとともに、過冷却開始後に水溶液をすみやかに強制的に過冷却解除して氷スラリー状態を生成しつつ、水溶液凍結に伴う水溶液回路中での流路の閉塞を抑制可能な水溶液の過冷却制御方法および水溶液の過冷却制御装置を提供することにある。
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、冷凍機をリスタートする際、冷媒の気化潜熱により、不意の過冷却解除が生じないように水溶液回路中の水溶液を過冷却するとともに、過冷却開始後に水溶液をすみやかに強制的に過冷却解除して氷スラリー状態で効率的に熱輸送して氷蓄熱しつつ、水溶液凍結に伴う水溶液回路中での流路の閉塞を抑制可能な水溶液による氷蓄熱装置を提供することにある。
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、冷凍機をリスタートする際、冷媒の気化潜熱により、不意の過冷却解除が生じないように水溶液回路中の水溶液を過冷却するとともに、過冷却開始後に水溶液をすみやかに強制的に過冷却解除して氷スラリー状態で効率的に熱輸送して負荷側を冷却しつつ、水溶液凍結に伴う水溶液回路中での流路の閉塞を抑制可能な水溶液による冷却装置を提供することにある。
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、冷凍機をリスタートする際、冷媒の気化潜熱により、不意の過冷却解除が生じないように水溶液回路中の水溶液を過冷却するとともに、過冷却開始後に水溶液をすみやかに強制的に過冷却解除して氷スラリー状態で効率的に熱輸送することにより、氷蓄熱および/または負荷側を冷却しつつ、水溶液凍結に伴う水溶液回路中での流路の閉塞を抑制可能な水溶液による冷却システムを提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明の水溶液の過冷却制御方法は、
冷凍機による冷媒の気化潜熱により水溶液回路中の水溶液を過冷却し、水溶液回路の過冷却部より下流において、過冷却した水溶液を過冷却解除することにより、氷スラリーを生成する水溶液の過冷却制御方法であって、目標過冷却度を達成するまで、過冷却部より下流における水溶液凍結温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を調整する水溶液の過冷却制御方法において、
冷凍機をリスタートする際、
水溶液回路中に設けた、氷スラリーを受け入れる水溶液タンク内の水溶液の液面に基づいて、水溶液濃度を算出し、算出した水溶液濃度に基づいて、水溶液の凍結温度を予測する段階と、
予測した水溶液の凍結温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を初期設定する段階を有し、それにより、水溶液回路の過冷却部において過冷却解除が生じないように水溶液を過冷却し、
水溶液回路中の水溶液が過冷却開始した後、過冷却部より下流において水溶液の過冷却解除を達成するまで、過冷却度が目標過冷却度に近づく過程において、強制的な過冷却解除動作を行ってから過冷却解除達成の有無を判定するサイクルを繰り返す段階と、
予測した水溶液の凍結温度から、過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度に切り替えて、氷スラリーの測定温度と冷媒の蒸発温度との温度差が前記一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を調整しつつ、氷スラリーによる熱輸送を行う段階とを有する、構成としている。
水溶液回路の過冷却部においては、水溶液の目標過冷却達成までに過冷却解除が発生しないように、水溶液の凍結温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、水溶液を冷却するとともに、いったん、目標過冷却度を達成したら、過冷却部の下流側において、すみやかに過冷却解除を行い、氷スラリーを生成する。
特に、冷凍機をリスタートする際、氷スラリーにより生成した水溶液タンク内の氷が氷解しており、その分、水溶液の凍結温度が上がっていることから、水溶液の凍結温度が不明で有り、水溶液タンク内の水溶液の液位より、水溶液の濃度を介して水溶液の凍結温度を予測して、予測した水溶液の凍結温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、水溶液を過冷却する。
次いで、水溶液回路中の水溶液が過冷却開始した後、過冷却部より下流の所定の位置において水溶液の過冷却解除を達成するまで、過冷却度が目標過冷却度に近づく過程において、強制的な過冷却解除動作を行ってから過冷却解除達成の有無を判定するサイクルを繰り返す。
水溶液の過冷却解除を達成してからは、予測した水溶液の凍結温度から、過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度に切り替えて、氷スラリーの測定温度と冷媒の蒸発温度との温度差が前記一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を調整しつつ、氷スラリーを生成する。
以上のように、水溶液の過冷却を達成するまでは、思わぬ過冷却解除が発生しないようにしつつ水溶液を冷却し、いったん、水溶液の過冷却が開始したら、水溶液の正確な凍結温度により蒸発温度の調整を行うことにより、水溶液を過冷却部下流で過冷却解除して、氷スラリー状態を生成しつつ、水溶液凍結に伴う水溶液回路中での流路の閉塞を抑制可能である。
また、前記蒸発温度初期設定段階は、水溶液回路の過冷却部において過冷却解除が生じないように、予測した水溶液の凍結温度に対して所定温度上げた温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、設定するのがよい。
さらに、水溶液の過冷却解除動作は、水溶液回路の過冷却部より下流に設けた過冷却解除器により、水溶液中に氷核を発生させることにより行い、
前記過冷却解除動作を繰り返す段階は、予測した水溶液の凍結温度と、前記過冷却解除器出口の水溶液温度との温度差が、強制的に過冷却解除をするに十分な値となってから行うのがよい。
さらにまた、水溶液の過冷却解除の達成は、前記過冷却解除器上流の水溶液温度と、前記過冷却解除器下流の水溶液温度との温度差が所定温度となることにより判定する、のがよい。
加えて、水溶液の目標過冷却度は、過冷却部において水溶液を過冷却するまでに過冷却解除が発生せず、水溶液の過冷却開始後、過冷却部より下流において、水溶液を強制的に過冷却解除するに十分な値に設定するのがよい。
また、過冷却した水溶液の過冷却解除は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器により行い、
氷核発生器の上流側の水溶液温度と、氷核発生器の下流側の水溶液温度との温度差が、所定値以上となるまで、氷核発生器を稼動して保持する段階を繰り返すのがよい。
さらに、過冷却した水溶液の過冷却解除は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器により行い、
氷核発生器の上流側の水溶液温度と、氷核発生器の下流側の水溶液温度との温度差が、所定値以上となるまで、氷核発生器の上流側の水溶液温度が所定温度低下するたびに、氷核発生器を稼動する段階を繰り返すのでもよい。
さらにまた、過冷却した水溶液の過冷却解除は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器により行い、
氷核発生器の上流側の水溶液温度と、氷核発生器の下流側の水溶液温度との温度差が、所定値以上となるまで、設定された初期蒸発温度を下げて保持した後、氷核発生器を稼動する段階を繰り返すのでもよい。
上記課題を達成するために、本発明の水溶液の過冷却制御装置は、
圧縮機とコンデンサを備える冷凍機から供給される冷媒の気化潜熱により水溶液を過冷却する過冷却熱交換器と、水溶液の過冷却状態を解除する過冷却解除器と、水溶液を受け入れる水溶液タンクとが、この順に、水溶液配管を介して接続された水溶液回路と、
水溶液の凍結温度に応じて冷媒蒸発温度を調節する制御回路とを有する、水溶液の過冷却制御装置において、前記制御回路はさらに、
前記水溶液タンク内の水溶液の液位に基づいて、水溶液凍結温度を予測する予測演算器と、
前記過冷却解除器と前記水溶液タンクとの間の水溶液温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を調整する蒸発温度調整手段と、
前記過冷却解除器と前記水溶液タンクとの間の水溶液温度について、予測した水溶液の凍結温度と過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度との間で切り替える切り替え手段と、
前記過冷却熱交換器と前記過冷却解除器との間の水溶液温度と、前記過冷却解除器と前記水溶液タンクとの間の水溶液温度との温度差を算出する温度差算出手段とを有し、
前記蒸発温度調整手段は、前記温度差算出手段によって算出される温度差が所定値となるまで、前記予測演算器により予測した水溶液の凍結温度と冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を調整し、前記温度差算出手段によって算出される温度差が所定値となったら、前記切り替え手段によって予測した水溶液の凍結温度から過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度に切り替えて、過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を調整する、構成としている。
さらに、前記過冷却解除器は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器であり、
前記過冷却熱交換器と前記氷核発生器との間水溶液温度と、前記氷核発生器と前記水溶液タンクとの間の水溶液温度との温度差が、0.5℃以上となるまで、氷核発生器を30秒稼動して1分間保持する段階を繰り返すのがよい。
また、前記過冷却解除器は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器であり、
前記過冷却熱交換器と前記氷核発生器との間水溶液温度と、前記氷核発生器と前記水溶液タンクとの間の水溶液温度との温度差が、0.5℃以上となるまで、前記氷核発生器の上流側の水溶液温度が所定温度低下するたびに、前記氷核発生器を30秒稼動する段階を繰り返すのでもよい。
さらにまた、前記過冷却解除器は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器であり、
前記過冷却熱交換器と前記氷核発生器との間水溶液温度と、前記氷核発生器と前記水溶液タンクとの間の水溶液温度との温度差が、0.5℃以上となるまで、設定された初期蒸発温度を0.1℃下げて1分間保持した後、前記氷核発生器を20秒稼動する段階を繰り返すのでもよい。
上記課題を達成するために、本発明の冷却装置は、
請求項9ないし請求項12のいずれか1項に記載の水溶液の過冷却制御装置を有する冷却装置であって、
前記過冷却解除器により過冷却解除されることにより生成された氷スラリーを負荷冷却側に送る氷スラリー送り管と、負荷冷却側から水溶液を前記水溶液タンクに戻す水溶液戻し管とを有する、構成としている。
上記課題を達成するために、本発明の冷却システムは、
請求項9ないし請求項12のいずれか1項に記載の過冷却制御装置を有する冷却システムであって、
前記水溶液タンクは、前記過冷却解除器により生成された氷スラリーを受け入れて、内部に氷を氷蓄する氷蓄熱槽であり、
前記過冷却解除器と前記氷蓄熱槽との間に、負荷冷却器が設置され、
前記過冷却解除器と前記負荷冷却器との間に三方切り替え弁と、前記三方切り替え弁と前記蓄熱槽とを接続する負荷冷却器バイパス管とが設けられ、
前記三方切り替え弁の切り替えにより、前記過冷却解除器により過冷却解除されることにより生成された氷スラリーにより前記負荷冷却器を冷却するか、前記負荷冷却器バイパス管を介して、前記過冷却解除器により過冷却解除されることにより生成された氷スラリーにより前記蓄熱槽内に氷を製氷するかを選択可能とした、構成としている。
さらに、過冷却解除後の氷スラリーの温度と過冷却熱交換器における冷媒蒸発温度との温度差を、前記過冷却熱交換器における冷媒の蒸発圧力を制御して一定の値に保つようにするのがよい。
また、前記過冷却熱交換器の冷媒出口と圧縮機の吸入口との間の冷媒復管の途中に、前記制御回路からの制御信号に基づいて開度が調節される制御弁を設け、この制御弁の開度調節により冷媒の蒸発温度が調節されるようにするのがよい。
発明の実施の形態
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本冷却システムの構成図を示す。
冷却システム10は、冷凍回路12および水溶液回路14を有し、冷凍回路12および水溶液回路14は、氷核融解熱交換器54および過冷却熱交換器24(後に説明)において、冷媒と水溶液との間で熱交換している。
冷凍回路12は、圧縮機28、空冷凝縮器30、受液器76、氷核融解熱交換器54、膨張弁72、過冷却熱交換器24、蒸発圧力調整弁74がこの順に、冷媒配管13を介して接続され循環回路を形成している。冷媒は、たとえば、R134aである。
一方、水溶液回路14は、氷核融解部、過冷却部16、過冷却解除部18、負荷冷却部20および蓄熱部22とから概略構成され、氷蓄熱槽34、水溶液液送ポンプ92、氷核融解熱交換器54、氷核滞留フィルター56、過冷却熱交換器24、過冷却解除器32(氷核発生器78)、および負荷冷却器20がこの順に、水溶液配管36を介して接続され循環回路を形成している。
氷蓄熱槽34は、過冷却解除器32により生成された氷スラリーを受け入れて、内部に氷を蓄氷するものであり、過冷却解除器32と氷蓄熱槽34との間に、負荷冷却器20が設置され、過冷却解除器32と負荷冷却器20との間に三方切り替え弁48と、三方切り替え弁48と氷蓄熱槽34とを接続する負荷冷却器バイパス管60とが設けられ、三方切り替え弁48の切り替えにより、過冷却解除器32により過冷却解除されることにより生成された氷スラリーにより負荷冷却器20を冷却するか、負荷冷却器バイパス管60を介して、過冷却解除器32により過冷却解除されることにより生成された氷スラリーにより氷蓄熱槽34内に氷を氷蓄するかを選択可能としている。
なお、負荷冷却器20は、たとえば、物流冷蔵庫荷捌き室(CAないしCDは、トラックの後部をつける開口部を示す)の0℃空調として用いられる。
図2および図3に示すように、蓄熱媒体(以下、水溶液)にはプロピレングリコール系(以下、PG系)の水溶液を使用しているため、濃度と凍結温度は氷蓄量に伴って変化する。水溶液の初期濃度は、氷蓄熱槽34の運用IPF範囲と、放熱終了時の蓄熱温度(凍結温度)、および水溶液の物性によって求められる。本実施形態では、氷蓄熱槽34の運用IPFを10〜45%、放熱終了時(氷蓄熱槽IPF10%)の蓄熱温度を−4℃と想定しており、この条件から算出される初期の水溶液濃度は約17.7wt%(凍結温度≒−3.5℃)、蓄熱終了時の(氷蓄熱槽34IPF45%)の凍結温度は約−7.3℃となる。
なお、市販のPG系水溶液では、使用可能濃度範囲が設けられているが、下限濃度未満で使用する場合には、添加されている防錆剤や防腐食剤などが薄まって効果が不十分となるため、追加調整を要する場合がある。
図1において、符号24は過冷却用熱交換器、符号32は氷核発生器78を具備する過冷却解除器をそれぞれ示し、氷蓄熱槽34の下部(液相側)に一端が接続された水溶液管36が、水溶液液送ポンプ92、氷核融解熱交換器54および氷核滞留フィルター56を介して過冷却用熱交換器24の水溶液入口に接続され、同出口に一端が接続された水溶液管36の他端が過冷却解除器32を介して負荷冷却器20に接続されている。
圧縮機28の吐出口に一端が接続された冷媒管13の他端が、空冷凝縮器30、受液器76、氷核融解熱交換器54および膨張弁72を介して過冷却用熱交換器24の冷媒入口に接続され、同出口に一端が接続された冷媒管13の他端が圧縮機28の吸入口に接続されて、冷凍回路12を構成している。
水溶液液送ポンプ92の駆動により氷蓄熱槽34から水溶液管36を経て過冷却熱交換器24に送られた水溶液は、水溶液の凍結温度よりも2℃低温の過冷却状態に冷却され(過冷却度2K)、過冷却解除器32に送られるようにしている。
過冷却解除器32において、過冷却状態の水溶液は、氷核発生器78により振動、衝撃等の物理的作用を与えられてその過冷却状態が解除され、水溶液(液相)と氷の細片(固体相)とが混合したシャーベット状の氷スラリーとなり、後に説明する三方切り替え弁48により、水溶液管36によって負荷冷却器20に熱輸送されるか、負荷冷却器バイパス管60によって氷蓄熱槽34へ送られ、氷蓄熱槽34内に貯留される。
本実施形態の冷却システム10において、水溶液回路14の過冷却解除器32の出口側に、氷スラリーの温度すなわち過冷却用熱交換器24に供給される製氷用水溶液の現在の濃度に対応する水溶液の凍結温度を検出する温度センサ98を設けるとともに、過冷却解除器32の入口側に、水溶液温度を検出する温度センサ96を設け、冷凍回路12の冷媒管13における過冷却用熱交換器24の冷媒出口近傍に、冷媒圧力を検出する圧力センサ94と蒸発圧力調整弁74をこの順に設けてあって、これら温度センサ98、96、圧力センサ94および蒸発圧力調整弁74は、温度センサと圧力センサからの信号に基づいて蒸発圧力調整弁74の開度を調節する制御回路82に接続されている。
すなわち、過冷却解除後の氷スラリーの温度と過冷却熱交換器24における冷媒蒸発温度TEとの温度差を、過冷却熱交換器24における冷媒の蒸発圧力を制御して一定の値に保つようにしている。
より詳細には、過冷却熱交換器24の冷媒出口と圧縮機28の吸入口との間の冷媒管13の途中に、制御回路82(図4参照)からの制御信号に基づいて開度が調節される蒸発圧力調整弁74を設け、この蒸発圧力調整弁74の開度調節により冷媒の蒸発温度TEが調節されるようにしている。
具体的には、水溶液の過冷却制御装置は、圧縮機28と空冷凝縮器30を備える冷凍機から供給される冷媒の気化潜熱により水溶液を過冷却する過冷却熱交換器24と、水溶液の過冷却状態を解除する過冷却解除器32と、水溶液を受け入れる氷蓄熱槽34とが、この順に、水溶液配管36を介して接続された水溶液回路14と、水溶液の凍結温度に応じて冷媒蒸発温度TEを調節する制御回路82とを有する。
図4に示すように、制御回路82はさらに、氷蓄熱槽34内の水溶液の液位LSに基づいて、水溶液凍結温度を予測する予測演算器84と、過冷却解除器32と三方切り替え弁48との間の水溶液温度と、冷媒の蒸発温度TEとの温度差が一定値ΔT1となるように、冷媒の蒸発温度TEを調整する蒸発温度TE調整手段86と、過冷却解除器32と三方切り替え弁48との間の水溶液温度について、予測した水溶液の凍結温度と過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度との間で切り替える切り替え手段88と、過冷却熱交換器24と過冷却解除器32との間の水溶液温度と、過冷却解除器32と三方切り替え弁48との間の水溶液温度との温度差ΔT3を算出する温度差算出手段90とを有する。
蒸発温度TE調整手段86は、温度差算出手段90によって算出される温度差ΔT3が所定値となるまで、予測演算器84により予測した水溶液の凍結温度と冷媒の蒸発温度TEとの温度差が一定値ΔT1となるように、冷媒の蒸発温度TEを調整し、温度差算出手段90によって算出される温度差が所定値となったら、切り替え手段88によって予測した水溶液の凍結温度から過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度に切り替えて、過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度と、冷媒の蒸発温度TEとの温度差が一定値ΔT1となるように、冷媒の蒸発温度TEを調整するようにしている。一定値ΔT1は、たとえば、3Kである。
採用する水溶液の種類あるいは過冷却熱交換器のタイプに応じて、ΔT1を設定するのが好ましい。たとえば、アルコール系水溶液の場合には、過冷却熱交換器により過冷却状態を維持しがたく、不意の過冷却解除を生じる可能性があることから、ΔT1を3Kより小さくするのがよく、たとえば、プロピレングリコール系またはエチレングリコール系水溶液の場合には、過冷却熱交換器により過冷却状態を維持しやすく、不意の過冷却解除を生じる可能性が低いことから、ΔT1を3Kより大きくしてもよい。
また、たとえば、シェルアンドチューブ式熱交換器の場合には、熱交換効率が比較的低く、そのため不意の過冷却解除を生じる可能性が低いことから、ΔT1を3Kより大きくしてもよく、たとえば、プレート式熱交換器の場合には、熱交換効率が比較的高く、そのため不意の過冷却解除を生じる可能性があることから、ΔT1を3Kより小さくするのがよい。
このように、過冷却熱交換器において、熱流束が比較的大きな条件で熱交換する際には、不意の過冷却解除を防止するために、ΔT1を3Kより小さくするのがよい。
より詳しくは、氷蓄熱槽34における貯氷量が増大して製氷用として過冷却用熱交換器24に供給される水溶液の濃度が高くなると、水溶液の凍結温度が低下し、したがって過冷却解除直後の氷スラリー温度と冷媒蒸発温度TEの差が小となるので、蒸発圧力調整弁74の開度を大きくすることにより蒸発圧力を小すなわち冷媒の蒸発温度TEを降下させる。
一方、氷蓄熱槽34における貯氷量が減少して製氷用として過冷却用熱交換器24に供給される水溶液の濃度が低くなると、水溶液の凍結温度が上昇し、したがって過冷却解除直後の氷スラリー温度と冷媒蒸発温度TEの差が大となるので、蒸発圧力調整弁74の開度を小さくすることにより蒸発圧力を大すなわち冷媒の蒸発温度TEを上昇させる。
このように、水溶液の凍結温度(過冷却解除直後の氷スラリーの温度)変化に対応して冷媒蒸発温度TEが調節されることにより、過冷却用熱交換器24の水溶液出口における過冷却水溶液の温度すなわち水溶液の最低温度も冷媒蒸発温度TEに対応して変化し、水溶液の凍結温度と過冷却熱交換器24における冷媒蒸発温度TEとの差が一定となるように制御される。
過冷却解除器32は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器78を具備し、過冷却熱交換器24と過冷却解除器32との間の水溶液温度と、過冷却解除器32と三方切り替え弁48との間の水溶液温度との温度差が、0.5℃以上となるまで、過冷却解除器32を30秒稼動して1分間保持する段階を繰り返す。
変形例として、過冷却熱交換器24と過冷却解除器32との間の水溶液温度と、過冷却解除器32と三方弁48との間の水溶液温度との温度差が、0.5℃以上となるまで、過冷却解除器32の上流側の水溶液温度が所定温度低下するたびに、過冷却解除器32を30秒稼動する段階を繰り返すのでもよい。所定温度は、たとえば、0.1℃である。
別の変形例として、過冷却熱交換器24と過冷却解除器32との間水溶液温度と、過冷却解除器32と三方弁48との間の水溶液温度との温度差が、0.5℃以上となるまで、設定された初期蒸発温度TEを0.1℃下げて1分間保持した後、過冷却解除器32を20秒稼動する段階を繰り返すのでもよい。
いずれにせよ、いったん、水溶液の過冷却が開始したら、なるべく早く、強制的に過冷却を解除することにより、氷スラリーを生成するようにするのが好ましい。
本冷却システム10は「蓄熱(氷蓄)運転」と「放熱(追かけ)運転」の2つの動作パターン統一で構成されており、いずれも、圧縮機28の稼動を前提として、氷スラリーにより氷蓄熱槽34または負荷冷却器20に熱輸送しており、三方切り替え弁48の流路方向選択のみによって切替わるようにしている。
氷蓄熱槽34を起点とした動作フローを、以下の(1)〜(5)に示す。
(1) 氷蓄熱槽34から取水された水溶液が、氷核融解熱交換器54に送水される。取水口には、メッシュサイズの異なる金網68が、数百ミリ程度の間隔で二重に設けられており、過冷却熱交換器24において過冷却の妨げとなる氷晶の流出を抑制している。また、取水温度は、蓄熱運転中であれば、その時点の水溶液濃度に応じた凍結温度とほぼ同じ温度となり、放熱運転中であれば、これより2K程度高い温度になる。
(2) 蓄熱運転中は、氷核融解熱交換器54により水溶液を、凍結温度+0.5Kまで加熱する。
これは水溶液中に残留した、過冷却の妨げとなる微細な氷晶(氷核)を融解するためであり、過冷却熱交換器24内での凍結による、流路の閉塞を防止する効果が達成される。
氷核除去フィルター56には、氷晶の大きさが一定以下になるまで滞留させる役割があり、小さくなって通過した氷晶は、過冷却熱交換器24に達するまでにおいて、0.5Kの温度差によって完全に融解することが可能である。
加熱源には、冷凍サイクルにおける、高温高圧過冷却域の顕熱を利用しており、加えた熱量は、冷凍能力(冷凍効果)の増加で相殺されるため、エネルギーロスは生じない。
また、放熱運転中や蓄熱運転中であっても、取水温度が凍結温度+0.5Kよりも高い場合には、高温高圧冷媒液の流路(図1参照)を切替えて、氷核融解熱交換器54をバイパスさせることにより、無用に冷却前の水溶液温度を上昇させないようにしてもよい。これは、冷却熱量増大による過冷却熱交換器24の大型化の抑制と、冷却温度幅の増加により、過冷却の安定性が損なわれることを防止する効果を達成する。
(3)過冷却状態となった水溶液は、過冷却解除器32内で過冷却解除され、過冷却分の熱量に相当した氷晶を含む氷スラリーとなる。
システム起動後の初期段階では、過冷却解除器32内に氷核となる氷晶が存在していないため、過冷却解除器32内での自発的な過冷却解除は生じない。このため、過冷却熱交換器24出口の水溶液が、所定の過冷却度に達した時点で、過冷却解除器32の氷核発生器78により振動を与えることにより、強制的に過冷却解除を促している。過冷却が解除されると水溶液氷スラリー(以下、氷スラリー)の温度は凍結温度まで上昇するため、これを温度センサ98により検知して過冷却解除器32は停止させる。一旦、過冷却解除器32内に氷晶が存在する状態となれば、以降はこの氷晶が核となって、水溶液の過冷却解除器32への流入と同時に連続して自発的な過冷却解除が継続される。
(4)図6ないし図9に示すように、生成した氷スラリーは、三方切り替え弁48の流路切替えにより、蓄熱運転中であれば氷蓄熱槽34へ、また、放熱運転中であれば負荷冷却器20へ送られる。
より詳細には、図6および図7は、氷蓄熱運転を行っている場合、図8および図9は、冷却運転を行っている場合であり、図6および図7において共通に、水溶液は、氷蓄熱槽34から冷水搬送ポンプ92により氷核融解熱交換器54および氷核除去フィルター56を介して、過冷却熱交換器24に到り、ここで冷媒の気化潜熱により過冷却され、過冷却解除器32において、過冷却解除され、氷スラリーが形成され、三方切り替え弁48により、負荷冷却器バイパス管60を介して氷蓄熱槽34に送られ、それに対して、図8および図9においては、氷蓄熱槽34から過冷却解除器32において、過冷却解除され、氷スラリーが形成される点では、図6および図7と同様であるが、三方切り替え弁48により、負荷冷却器20に送られ、散布ノズル62を通じて氷蓄熱槽34に戻される。
図6と図7との違いは、図6は、冷凍機をリスタートした直後の過冷却解除達成前の運転であり、そのために、水溶液の凍結温度と冷媒の蒸発温度TEとの温度差が所定値(例:3K)に保たれるように、目標蒸発温度TE(蒸発圧力調整弁の開度)を可変するのに、水溶液の凍結温度として、予測温度(T1´)を用いており、図7は、過冷却解除達成後の運転であり、水溶液の凍結温度として、測定温度(T1)を用いており、図8と図9との違いは、図6と図7との違いと同様である。
本冷却システムでは、放熱運転中の冷却熱媒に氷スラリーを用いているため、高密度な冷熱搬送により、搬送動力が低減されるだけでなく、負荷冷却器20の熱媒側温度が低く維持されるため、熱交換効率が向上し、負荷冷却器20の小型化を図れる効果を奏する。
(5)負荷冷却器20へ送られた氷スラリーは、空調負荷を受けて氷晶が融解し、顕熱も僅かに上昇して氷蓄熱槽34へ流入する。戻し口には散水スプレー62が設けられており、水溶液が氷蓄熱槽34内へ均等に散水されるように配置されている。なお、参照番号64は、散水量を増すための循環系統であり、解氷促進ポンプ66により氷蓄熱槽34から取水され水溶液配管36からの水溶液と合流して散水されている。
氷蓄熱槽34で氷蓄に偏りが生じると、水溶液は蓄氷が少ない(通水抵抗が小さい)ルートへ流れやすくなり、蓄氷と十分に熱交換しないまま取水口へショートサーキットしてしまうため、所定の放熱が得られなくなる問題が生じる。このような場合には、適宜の判断で部分的な散水を行う機能を付加させるのが好ましい。
本冷却システム10では、常に水溶液の凍結温度と冷媒の蒸発温度TEとを検出、または予測して両者の温度差を算出しており、この値が所定値(例:3K)に保たれるように、目標蒸発温度TE(蒸発圧力調整弁の開度)を可変するフィードバック制御を行っている。
すなわち、水溶液の過冷却制御方法は、冷凍機による冷媒の気化潜熱により水溶液回路14中の水溶液を過冷却し、水溶液回路14の過冷却部16より下流において、過冷却した水溶液を過冷却解除することにより、氷スラリーを生成して、熱輸送する水溶液の過冷却制御方法であって、目標過冷却度を達成するまで、過冷却部16より下流における水溶液凍結温度と、冷媒の蒸発温度TEとの温度差が一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度TEを調整する。
なお、水溶液の目標過冷却度は、過冷却部16において水溶液を過冷却するまでに過冷却解除が発生せず、水溶液の過冷却開始後、過冷却部16より下流において、水溶液を強制的に過冷却解除するに十分な値に設定する。目標過冷却度は、たとえば、1Kないし2K程度である。
より詳細には、図5に示すように、冷凍機をリスタートする際、水溶液回路14中に設けた、氷スラリーを受け入れる氷蓄熱槽34内の水溶液の液面LSに基づいて、水溶液濃度を算出し、算出した水溶液濃度に基づいて、水溶液の凍結温度を予測する(ステップ1)。より具体的には、氷蓄熱槽34では、蓄熱(氷)量が増加すると液面は低下傾向となる。この関係性を利用して、氷蓄熱槽34側面に設けた液位センサ80により、蓄熱(氷)量を判定し、概略の凍結温度(T1´)を予測して、蒸発温度TEの制御を行う初期蒸発温度を決定する(ステップ2およびステップ3)。次いで、温度センサ96、98および圧力センサ94により過冷却解除器出口側水溶液温度T1、過冷却解除器入口側水溶液温度T3、および冷媒蒸発圧力PEを測定開始(ステップ4)したうえで、氷蓄熱運転から冷却運転の選択をし(ステップ5)、それに応じて、三方切り替え弁48を切り替え(ステップ6)、水溶液液送ポンプ92を起動してから(ステップ7)、冷凍機をオンとする(ステップ8)。
次いで、予測した水溶液の凍結温度T1´と、冷媒の蒸発温度TEとの温度差が一定値ΔT1となるように、冷媒の蒸発圧力を調整することにより蒸発温度TEを調整し、それにより、水溶液回路14の過冷却部16において不意の過冷却解除が生じないようにしている(ステップ9およびステップ10)。その際、装置起動後、予測される凍結温度より僅かに高い温度(例:0.3K)を、予測の精度を安全側で加味した仮の凍結温度(T1´)と見なし、蒸発温度TEを目標値に制御した冷却運転を行う。これにより、水溶液回路14の過冷却部において不意の過冷却解除が確実に生じないようにしている。
次いで、予測した水溶液の凍結温度と、過冷却解除器32出口の水溶液温度との温度差が、強制的に過冷却解除をするに十分な値ΔT2となってから、過冷却解除動作を繰り返す(ステップ11およびステップ12)。ΔT2は、たとえば、0.5Kである。なお、アルコール系水溶液の場合、強制的に過冷却解除を行うタイミングとして、ΔT2を0.5Kより小さく設定してもよい。
水溶液の過冷却解除動作は、水溶液回路14の過冷却部16より下流に設けた過冷却解除器32により、水溶液中に氷核を発生させることにより行い、なお、過冷却解除器32を振動させても、過冷却解除器32の出口温度が上昇しない場合には、過冷却解除が達成できていないと判定し、適宜に間隔(時間間隔または過冷却度拡大)をあけて、同様の動作を過冷却が解除されるまで繰り返し行う。
次いで、水溶液回路14中の水溶液が過冷却開始した後、過冷却部16より下流において水溶液の過冷却解除を達成するまで、過冷却度が目標過冷却度に近づく過程において、強制的な過冷却解除動作を行ってから過冷却解除達成の有無を判定するサイクルを繰り返す(ステップ13ないしステップ14)。
水溶液の過冷却解除の達成は、過冷却解除器32出口の水溶液測定温度と、過冷却解除器32入口の水溶液測定温度との温度差がΔT3となることにより判定する。ΔT3は、たとえば、0.5Kである。
次いで、過冷却解除器32内で過冷却が解除されると、生成した氷スラリーの温度は凍結温度まで上昇するため、過冷却解除器32出口で正確な凍結温度の検出が可能となり、以降は、T1を用いたより高精度な蒸発温度TE制御に切替える(ステップ15)。
すなわち、予測した水溶液の凍結温度から、過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度に切り替えて、氷スラリーの測定温度と冷媒の蒸発温度TEとの温度差が一定値ΔT1となるように、冷媒の蒸発温度TEを調整しつつ、氷スラリーによる熱輸送を行う(ステップ16およびステップ17)。
製氷運転を開始した後は、蓄熱量の増加に伴って水溶液が濃縮し、凍結温度が低下するが、このような蒸発温度TEのフィードバック制御により、氷スラリーの測定温度と冷媒の蒸発温度TEとの温度差がΔT1に保たれた状態で、連続的に過冷却製氷が行われる。蓄熱終了(満氷)に対応した凍結温度に達した場合は装置を停止する。以上の蒸発温度TE制御により、水溶液を用いた安定した過冷却製氷の継続が可能となる。
図10は、本実施形態の冷却システム10による水溶液過冷却製氷運転の実測データ例を示す。
図10によれば、過冷却解除後における、過冷却熱交換器入口水溶液温度、過冷却熱交換器出口水溶液温度、過冷却解除器出口水溶液温度および過冷却熱交換器冷媒蒸発温度TEの時間変化が示されている。
過冷却解除器出口水溶液温度がほぼステップ状に温度上昇することにより、過冷却解除が開始され、蓄熱(氷)量の増加に伴い水溶液が濃縮するため、過冷却解除器出口水溶液温度(凍結温度)が低下し、凍結温度の低下に応じて、過冷却解除器出口水溶液温度と過冷却熱交換器冷媒蒸発温度TEとの温度差がΔT1になるように蒸発温度TEが制御されていることがわかる。
以上の構成によれば、水溶液回路14の過冷却部16においては、水溶液の過冷却達成までに 不意の過冷却解除が発生しないように、水溶液の凍結温度と、冷媒の蒸発温度TEとの温度差が一定値ΔT1となるように、水溶液を冷却するとともに、いったん、目標過冷却度を達成したら、過冷却部16の下流側において、すみやかに過冷却解除を行い、氷スラリーを生成する。
特に、冷凍機をリスタートする際、氷スラリーにより生成した氷蓄熱槽34内の氷が氷解しており、その分、水溶液の凍結温度が上がっていることから、水溶液の凍結温度が不明で有り、氷蓄熱槽34内の水溶液の液位より、水溶液の濃度を介して水溶液の凍結温度を予測して、予測した水溶液の凍結温度と、冷媒の蒸発温度TEとの温度差が一定値ΔT1となるように、水溶液を過冷却する。
次いで、水溶液回路14中の水溶液が過冷却開始した後、過冷却部16より下流において水溶液の過冷却解除を達成するまで、過冷却度が目標過冷却度に近づく過程において、強制的な過冷却解除動作を行ってから過冷却解除達成の有無を判定するサイクルを繰り返す。
水溶液の過冷却解除を達成してからは、予測した水溶液の凍結温度から、過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度に切り替えて、氷スラリーの測定温度と冷媒の蒸発温度TEとの温度差が一定値ΔT1となるように、冷媒の蒸発温度TEを調整しつつ、氷スラリーを生成する。
以上のように、水溶液の過冷却を達成するまでは、思わぬ過冷却解除が発生しないようにしつつ水溶液を冷却し、いったん、水溶液の過冷却が開始したら、水溶液の正確な凍結温度により蒸発温度TEの調整を行うことにより、水溶液を過冷却部下流で過冷却解除して、氷スラリー状態を生成しつつ、水溶液凍結に伴う水溶液回路14中での流路の閉塞を抑制可能である。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態において、負荷冷却運転および氷蓄熱運転いずれにおいても、水溶液の強制的な過冷却解除により氷スラリー形態で熱輸送を行うものとして説明したが、それに限定されることなく、負荷冷却運転においては、氷スラリー形態でなく冷水形態で熱輸送をしてもよい。その場合、水溶液回路において、冷凍機をオフにして冷水を負荷冷却器20に熱輸送してもよいし、または、負荷冷却器20と氷蓄熱槽34との間に、水溶液回路とは独立に、氷蓄熱槽34から負荷冷却器20への冷水送り管と、負荷冷却器20から氷蓄熱槽34への冷水戻し管とを設けたうえで、冷凍機をオフにして冷水を負荷冷却器20と氷蓄熱槽34との間で循環させてもよい。
たとえば、本実施形態において、負荷冷却運転および氷蓄熱運転いずれにおいても、水溶液の強制的な過冷却解除により氷スラリー形態で熱輸送を行い、水溶液回路において、三方切り替え弁による切替により、冷凍機をオンにした状態で負荷冷却運転および氷蓄熱運転を選択的に行ういわゆる追っかけ運転を行うものとして説明したが、それに限定されることなく、水溶液回路において、負荷冷却器20と氷蓄熱槽34とを並列的に配置して、水溶液の流量配分の調整により、負荷冷却運転および氷蓄熱運転を同時運転するのでもよい。
たとえば、本実施形態において、氷蓄熱運転において、水溶液の強制的な過冷却解除により氷スラリー形態で熱輸送を行うものとして説明したが、それに限定されることなく、例えば、氷蓄熱を行うことなく、氷スラリーを直接空調用の熱交換器等の負荷側熱交換器に送って冷熱を利用する場合にも適用可能である。
たとえば、本実施形態において、冷却システム10として、氷スラリーによる熱輸送形態により冷却運転および蓄熱運転を行う場合として説明したが、それに限定されることなく、過冷却の際、思わぬ過冷却解除を発生せず、強制的な過冷却解除の際、円滑な過冷却解除を達成し、氷スラリーを生成する限りにおいて、生成した氷スラリーをそのまま利用したり、あるいは氷スラリーによる効率的な熱輸送形態を利用する限り、氷スラリーによる熱輸送形態を冷却運転または蓄熱運転のいずれかに利用するのでもよい。
本発明の実施形態に係わる水溶液による冷却システム10の全体構成図である。 本発明の実施形態に係わる水溶液による冷却システム10の氷蓄熱槽34のIPF,水溶液濃度および凍結温度の関係を示す表である。 本発明の実施形態に係わる水溶液による冷却システム10の氷蓄熱槽34のIPF,水溶液濃度および凍結温度の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係わる水溶液による冷却システム10の制御回路の構成図である。 本発明の実施形態に係わる水溶液による冷却システム10の水溶液の過冷却制御フローを示すフロー図である。 本発明の実施形態に係わる水溶液による冷却システム10の冷却運転1を示す図1と同様な図である。 本発明の実施形態に係わる水溶液による冷却システム10の冷却運転2を示す図1と同様な図である。 本発明の実施形態に係わる水溶液による冷却システム10の氷蓄熱運転1を示す図1と同様な図である。 本発明の実施形態に係わる水溶液による冷却システム10の氷蓄熱運転2を示す図1と同様な図である。 本発明の実施形態に係わる水溶液による冷却システム10による製氷運転実測データ、横軸に時間、縦軸に温度により示すグラフである。
T1 過冷却解除器出口側水溶液温度
T1´予測した水溶液の凍結温度
T3 過冷却解除器入口側水溶液温度
ΔT1 T1´(T1)―TE
ΔT2 T1´―T1
ΔT3 T3 ―T1
PE 冷媒蒸気圧力
TE 冷媒蒸気温度
LS 水溶液液位
10 冷却システム
12 冷凍回路
14 水溶液回路
16 過冷却部
18 過冷却解除部
20 負荷冷却部
22 蓄熱部
24 過冷却熱交換器
26 過冷却制御装置
28 圧縮機
30 空冷凝縮器
32 過冷却解除器
34 氷蓄熱槽
36 水溶液配管
48 三方切り替え弁
54 氷核融解熱交換器
56 氷核除去フィルター
60 負荷冷却器バイパス管
62 散布ノズル
64 バイパス管
66 解氷促進ポンプ
68 金網
70 調整弁
72 膨張弁
74 蒸発圧力調整弁
76 受液器
78 氷核発生器
80 液位計
82 制御回路
84 予測演算器
86 蒸発温度調整手段
88 切り替え手段
90 温度差算出手段
92 冷水搬送ポンプ
94 圧力センサ
96 温度センサ
98 温度センサ

Claims (16)

  1. 冷凍機による冷媒の気化潜熱により水溶液回路中の水溶液を過冷却し、水溶液回路の過冷却部より下流において、過冷却した水溶液を過冷却解除することにより、氷スラリーを生成する水溶液の過冷却制御方法であって、目標過冷却度を達成するまで、過冷却部より下流における水溶液凍結温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を調整する水溶液の過冷却制御方法において、
    冷凍機をリスタートする際、
    水溶液回路中に設けた、氷スラリーを受け入れる水溶液タンク内の水溶液の液面に基づいて、水溶液濃度を算出し、算出した水溶液濃度に基づいて、水溶液の凍結温度を予測する段階と、
    予測した水溶液の凍結温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を初期設定する段階を有し、それにより、水溶液回路の過冷却部において過冷却解除が生じないように水溶液を過冷却し、
    水溶液回路中の水溶液が過冷却開始した後、過冷却部より下流において水溶液の過冷却解除を達成するまで、過冷却度が目標過冷却度に近づく過程において、強制的な過冷却解除動作を行ってから過冷却解除達成の有無を判定するサイクルを繰り返す段階と、
    予測した水溶液の凍結温度から、過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度に切り替えて、氷スラリーの測定温度と冷媒の蒸発温度との温度差が前記一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を調整する段階とを有する、ことを特徴とする水溶液の過冷却制御方法。
  2. 前記蒸発温度初期設定段階は、水溶液回路の過冷却部において過冷却解除が生じないように、予測した水溶液の凍結温度に対して所定温度上げた温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、設定する、請求項1に記載の水溶液の過冷却制御方法。
  3. 水溶液の過冷却解除動作は、水溶液回路の過冷却部より下流に設けた過冷却解除器により、水溶液中に氷核を発生させることにより行い、
    前記過冷却解除動作を繰り返す段階は、予測した水溶液の凍結温度と、前記過冷却解除器出口の水溶液温度との温度差が、強制的に過冷却解除をするに十分な値となってから行う、請求項2に記載の水溶液の過冷却制御方法。
  4. 水溶液の過冷却解除の達成は、前記過冷却解除器上流の水溶液温度と、前記過冷却解除器下流の水溶液温度との温度差が所定温度となることにより判定する、請求項3に記載の水溶液の過冷却制御方法。
  5. 水溶液の目標過冷却度は、過冷却部において水溶液を過冷却するまでに過冷却解除が発生せず、水溶液の過冷却開始後、過冷却部より下流において、水溶液を強制的に過冷却解除するに十分な値に設定する、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の水溶液の過冷却制御方法。
  6. 過冷却した水溶液の過冷却解除は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器により行い、
    氷核発生器の上流側の水溶液温度と、氷核発生器の下流側の水溶液温度との温度差が、所定値以上となるまで、氷核発生器を稼動して保持する段階を繰り返す、請求項1に記載の水溶液の過冷却制御方法。
  7. 過冷却した水溶液の過冷却解除は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器により行い、
    氷核発生器の上流側の水溶液温度と、氷核発生器の下流側の水溶液温度との温度差が、所定値以上となるまで、氷核発生器の上流側の水溶液温度が所定温度低下するたびに、氷核発生器を稼動する段階を繰り返す、請求項1に記載の水溶液の過冷却制御方法。
  8. 過冷却した水溶液の過冷却解除は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器により行い、
    氷核発生器の上流側の水溶液温度と、氷核発生器の下流側の水溶液温度との温度差が、所定値以上となるまで、設定された初期蒸発温度を下げて保持した後、氷核発生器を稼動する段階を繰り返す、請求項1に記載の水溶液の過冷却制御方法。
  9. 圧縮機とコンデンサを備える冷凍機から供給される冷媒の気化潜熱により水溶液を過冷却する過冷却熱交換器と、水溶液の過冷却状態を解除する過冷却解除器と、水溶液を受け入れる水溶液タンクとが、この順に、水溶液配管を介して接続された水溶液回路と、
    水溶液の凍結温度に応じて冷媒蒸発温度を調節する制御回路とを有する、水溶液の過冷却制御装置において、前記制御回路はさらに、
    前記水溶液タンク内の水溶液の液位に基づいて、水溶液凍結温度を予測する予測演算器と、
    前記過冷却解除器と前記水溶液タンクとの間の水溶液温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を調整する蒸発温度調整手段と、
    前記過冷却解除器と前記水溶液タンクとの間の水溶液温度について、予測した水溶液の凍結温度と過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度との間で切り替える切り替え手段と、
    前記過冷却熱交換器と前記過冷却解除器との間の水溶液温度と、前記過冷却解除器と前記水溶液タンクとの間の水溶液温度との温度差を算出する温度差算出手段とを有し、
    前記蒸発温度調整手段は、前記温度差算出手段によって算出される温度差が所定値となるまで、前記予測演算器により予測した水溶液の凍結温度と冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を調整し、前記温度差算出手段によって算出される温度差が所定値となったら、前記切り替え手段によって予測した水溶液の凍結温度から過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度に切り替えて、過冷却解除により生成される氷スラリーの測定温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が一定値ΔTとなるように、冷媒の蒸発温度を調整する、
    ことを特徴とする水溶液の過冷却制御装置。
  10. 前記過冷却解除器は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器であり、
    前記過冷却熱交換器と前記氷核発生器との間水溶液温度と、前記氷核発生器と前記水溶液タンクとの間の水溶液温度との温度差が、所定値以上となるまで、氷核発生器を稼動して保持する段階を繰り返す、請求項9に記載の水溶液の過冷却制御装置。
  11. 前記過冷却解除器は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器であり、
    前記過冷却熱交換器と前記氷核発生器との間水溶液温度と、前記氷核発生器と前記水溶液タンクとの間の水溶液温度との温度差が、所定値以上となるまで、前記氷核発生器の上流側の水溶液温度が所定温度低下するたびに、前記氷核発生器を稼動する段階を繰り返す、請求項9に記載の水溶液の過冷却制御装置。
  12. 前記過冷却解除器は、過冷却した水溶液に振動を伝えて、水溶液中に氷核を発生させる氷核発生器であり、
    前記過冷却熱交換器と前記氷核発生器との間水溶液温度と、前記氷核発生器と前記水溶液タンクとの間の水溶液温度との温度差が、所定値以上となるまで、設定された初期蒸発温度を下げて保持した後、前記氷核発生器を稼動する段階を繰り返す、請求項9に記載の水溶液の過冷却制御装置。
  13. 請求項9ないし請求項12のいずれか1項に記載の水溶液の過冷却制御装置を有する冷却装置であって、
    前記過冷却解除器により過冷却解除されることにより生成された氷スラリーを負荷冷却側に送る氷スラリー送り管と、負荷冷却側から水溶液を前記水溶液タンクに戻す水溶液戻し管とを有することを特徴とする冷却装置。
  14. 請求項9ないし請求項12のいずれか1項に記載の過冷却制御装置を有する冷却システムであって、
    前記水溶液タンクは、前記過冷却解除器により生成された氷スラリーを受け入れて、内部に蓄氷する氷蓄熱槽であり、
    前記過冷却解除器と前記氷蓄熱槽との間に、負荷冷却器が設置され、
    前記過冷却解除器と前記負荷冷却器との間に三方切り替え弁と、前記三方切り替え弁と前記蓄熱槽とを接続する負荷冷却器バイパス管とが設けられ、
    前記三方切り替え弁の切り替えにより、前記過冷却解除器により過冷却解除されることにより生成された氷スラリーにより前記負荷冷却器を冷却するか、前記負荷冷却器バイパス管を介して、前記過冷却解除器により過冷却解除されることにより生成された氷スラリーにより前記蓄熱槽内に氷を氷蓄するかを選択可能とした、ことを特徴とする冷却システム。
  15. 過冷却解除後の氷スラリーの温度と過冷却熱交換器における冷媒蒸発温度との温度差を、前記過冷却熱交換器における冷媒の蒸発圧力を制御して一定の値に保つようにしたことを特徴とする請求項14に記載の冷却システム。
  16. 前記過冷却熱交換器の冷媒出口と圧縮機の吸入口との間の冷媒復管の途中に、前記制御回路からの制御信号に基づいて開度が調節される制御弁を設け、この制御弁の開度調節により冷媒の蒸発温度が調節されるようにした請求項15に記載の冷却システム。
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