JP2009168445A - 氷蓄熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】氷蓄熱方法において、氷水生成時に冷水の予熱を制御することにより、冷水流路及び氷水流路の氷結を防止することを課題とする。
【解決手段】氷蓄熱槽9から供給される冷水の温度を冷水予熱装置3で調整し、温度調整された冷水を過冷却器5により過冷却状態とし、過冷却状態を解除することにより氷を生成する氷蓄熱方法において、冷水の温度を検出し、冷水予熱装置3による予熱がなされている状態で、過冷却解除前の冷水の温度が過冷却解除不足温度域に達した場合に、過冷却解除不足温度域を脱するまで冷水予熱装置3による冷水の予熱を停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、過冷却水を利用して氷蓄熱を行う氷蓄熱装置及びそれに用いられる冷水予熱装置に関する。
冷暖房等の空調設備の分野では、蓄熱媒体に蓄熱する蓄熱システムの一種として、蓄熱媒体に氷を採用し、この氷の製造にあたって、水を過冷却状態に冷却した後に過冷却状態を解除して氷水を生成する氷蓄熱装置及び氷蓄熱方法が従来より知られている。
前記氷蓄熱装置においては、水及び氷を貯える氷蓄熱槽と、氷蓄熱槽から供給された冷水を過冷却状態に冷却する過冷却器とが用いられるが、過冷却器の伝熱管内で冷水が氷結することを防止するために、過冷却前の冷水の温度を調整する冷水予熱装置が用いられる。冷水予熱装置には、電気ヒータや空調負荷からの還水や冷却塔への往水を導く熱交換器のほか、ヒートポンプを利用したシステムが知られている。
前述した冷水予熱装置を有する氷蓄熱装置としては、例えば、水及び氷を貯える氷蓄熱槽と、この氷蓄熱槽から供給された冷水の温度を調整する冷水予熱装置と、温度調整された冷水を過冷却状態に冷却する過冷却器とを有し、過冷却水の過冷却状態を解除して氷を生成する氷蓄熱装置において、前記冷水予熱装置は、冷媒を収容しこの冷媒及び前記冷水の間で熱交換させる予熱器と、予熱に用いられた冷媒を膨張させて冷媒の圧力を下げる減圧装置と、減圧状態の冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸気状態の冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮させ予熱器に収容される冷媒を生成する凝縮器と、前記予熱器よりも上流側及び下流側の流路を接続する冷媒バイパス流路とを有する氷蓄熱装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この氷蓄熱装置は、予熱器及び冷媒バイパス流路への流れる冷媒を適切に分配し、予熱器への冷媒流量を調整することにより、前記冷水の温度を適切に調整しようとするものである。
また氷蓄熱装置としては、例えば、過冷却器と冷水予熱装置との間においてブラインを共用して流通させることにより、過冷却器及び冷水予熱装置での冷熱を自己製造する氷蓄熱装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この氷蓄熱装置は、過冷却前の冷水に含まれる氷を融解させるための熱源を独立して設ける必要がないことから、構造の複雑化やそれに伴うコストアップを抑制する上で優れた装置である。
また氷蓄熱方法としては、例えば、過冷却解除後の氷水に氷点を越えた温度の冷水を注入する氷蓄熱方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。この氷蓄熱方法は、システム起動時などの不安定期に、過冷却の解除により生成する氷水が氷水流路において氷結することを防止する上で優れた方法である。
特開平10−288361号公報 特開平10−185248号公報 特開平10−122610号公報
特許文献1に記載の氷蓄熱装置は、冷水の温度調整に関して優れているものの、構造の複雑化及びそれに伴うコストアップやスペースファクタの改善等について検討の余地が残されている。また特許文献2に記載の氷蓄熱装置は、イニシャルコスト及びランニングコストの低減に関して優れているものの、冷水の温度調整及びそれに伴う製氷能力のさらなる向上等について検討の余地が残されている。
また氷蓄熱装置では凝縮器で冷媒が凝縮されることから、予熱器に供給される冷媒は液体及びその温度における飽和状態の気体から構成される。気体状態の冷媒は、冷水の予熱に際して相変化し液状の冷媒になる。すなわち気体状態の冷媒は冷水の予熱に際して潜熱を利用できることから液体冷媒に比べて高い加熱能力を有するが、自己製造型の氷蓄熱装置ではこの潜熱は蒸発器で捨てられるべき熱(冷水の過冷却で用いられるべきエネルギー)であり、冷媒の潜熱が冷水の予熱に用いられることは、製氷及び冷熱の生成過程における省力化という観点から好ましくない。
また前述したような氷蓄熱装置では過冷却水に落下エネルギー等の衝撃エネルギーを与えることにより過冷却水を相変化させてシャーベット状の氷水を生成するが、氷蓄熱装置の運転初期など過冷却器出口における冷水の過冷却度が小さい場合では、その後の過冷却解除が不十分であり、氷水流路で徐々に過冷却状態の解除が行われ、氷水流路で氷結することがある。
特許文献3に記載の氷蓄熱方法では上記のような場面を回避することが可能であるが、生成した氷水に冷水を注入することにより氷結を防止することから生成した氷水のロスを含み、氷水の生成効率の観点から検討の余地が残されている。
本発明は、自己製造型の氷蓄熱装置において、冷水の温度調整に優れ、かつ製氷のさらなる省力化を達成することを第一の課題とする。
また本発明は氷蓄熱方法において、氷水生成時に冷水の予熱を制御することにより、冷水流路及び氷水流路の氷結を防止することを第二の課題とする。
<本発明の氷蓄熱装置>
本発明は少なくとも前記第一の課題を解決するための手段として、水を過冷却状態に冷却する過冷却器と、過冷却水の過冷却状態を解除して生成する氷及び水を貯える氷蓄熱槽と、この氷蓄熱槽から前記過冷却器に供給される冷水の温度を調整する冷水予熱装置と、前記冷水の温度を検出する温度検出手段とを有する氷蓄熱装置において、冷水予熱装置は、冷媒を収容しこの冷媒と冷水との間で熱交換させる予熱器と、冷媒を膨張させて冷媒の圧力を下げる減圧装置と、減圧状態の冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸気状態の冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮させ予熱器に収容される冷媒を生成する凝縮器と、予熱器が液状の冷媒で満たされるように予熱器における液状冷媒の量を制御する冷媒量制御手段とを有し、過冷却器は、蒸発器で冷却されたブラインにより冷水を過冷却状態に冷却することを特徴とする氷蓄熱装置を提供する。
前記構成によれば、予熱器に供給される液状冷媒の流量を制御することが可能であることから、冷水の適切な温度調整が可能である。また前記構成によれば、液状冷媒で予熱器を満たすことが可能であることから、液状冷媒の顕熱による冷水の温度調整が可能であり、過冷却器に導かれる冷水の温度調整に気体状冷媒の潜熱が用いられないことから、自己製造型の氷蓄積装置において気体状の冷媒が含まれる冷媒によって冷水の予熱を行う場合に比べてよりエネルギー効率の良い冷水の予熱が実現でき、自己製造型の氷蓄熱装置において製氷のさらなる省力化の達成が可能である。
本発明では、前記氷蓄熱槽としては従来より知られている種々の氷蓄熱槽を用いることができる。
また本発明では、前記過冷却器としては冷水予熱装置において冷熱を生成できる構成の過冷却器であれば特に限定されない。このような過冷却器としては、従来より知られているように、冷水予熱装置における蒸発器とブラインを共有する過冷却器を挙げることができる。このような構成により、冷水の予熱(加熱)及び冷却(過冷却)に用いられる冷熱を装置内で生成可能な氷蓄熱装置が構成される。なお蒸発器と過冷却器がブラインを共有する構成については、前述した特開平10−185248号公報に記載されている構成を好適に用いることができる。
また温度検出手段には温度計等の公知の手段を用いることができる。温度検出手段の配置については、一般に過冷却器での冷水の冷却温度差は一定であることから、冷水の温度を検出する位置であれば特に限定されず、氷蓄熱槽から過冷却状態前の冷水の温度を検出できる位置までの任意の位置に設けることができる。一般的には氷蓄熱槽の出口である。前記温度検出手段を設けることにより、冷水の温度に応じた冷水の適切な予熱を実現することが可能である。
以下、本発明で用いられる冷水予熱装置について説明する。
本発明に用いられる冷水予熱装置は、前記冷媒量制御手段を有することを特徴とするが、それ以外の構成としては従来より知られているヒートポンプシステムを利用することができる。このようなシステムとしては、予熱器、減圧装置、蒸発器、圧縮機、及び凝縮器で構成される一連の装置が挙げられる。したがって本発明で用いられる予熱器、減圧装置、蒸発器、圧縮機及び凝縮器には、ヒートポンプの構成要素として従来より知られているもの、及びそれに準ずる構成要素(前述した作用を奏するもの)を用いることができる。また本発明では、上記予熱器等で冷水予熱装置を構成するに当たり、自動弁や各種センサを適宜用い、所望の運転条件を実現できるように構成することができる。
また本発明に用いられる冷媒及びブラインには、前述した構成要素と同様に、ヒートポンプに適用される種々の冷媒及びブラインを用いることができる。また本発明に用いられる冷媒及びブラインの種類については、潜熱や顕熱等の熱力学的物性、安定性等の化学的物性、及び経済性等において本発明の氷蓄熱装置に適した諸条件により選択することが好ましい。
以下、本発明に用いられる冷水予熱装置における冷媒量制御手段について説明する。
前記冷媒量制御手段は、予熱器が液状の冷媒で満たされるように予熱器における液状冷媒の量を制御する手段であり、本発明ではこのような機能を有する手段であれば特に限定されず、上記機能を有する種々の構成を単独で又は複数を用いることができる。なお本発明において「予熱器が液状冷媒で満たされる」とは、冷媒と冷水との間で熱交換される予熱器における熱交換部位が液状冷媒で浸される状態を言う。
本発明では上記のような冷媒量制御手段により予熱器における冷水の加熱量が制御できる。ここで冷水予熱装置による加熱量は、氷蓄熱装置の運転条件や周囲の環境等によっても異なるが、冷水予熱装置における予熱能力の20〜25%であることが好ましい。加熱量が予熱能力の20%を下回ると過冷却器前で冷水の氷結を生じるおそれがあり、加熱量が予熱能力の25%を上回ると製氷におけるさらなる省力化の未達や冷水の過冷却不足等を生じるおそれがある。
上記のような冷媒量制御手段としては、例えば予熱器よりも下流側の冷媒流路に設けられた自動弁等の流量調整手段と、予熱器において冷媒が熱交換部位を浸すのに十分な冷媒の液面位置を検出する液面計とを有し、液面計での液面検出の有無によって流量調整手段により冷媒の流量を調整する構成を例示することができる。上記液面計は上記の液面位置(但し変動する)よりも上側で前記凝縮器よりも下側の流路における任意の位置に設けることができる。
また冷媒量制御手段は、冷媒流路において予熱器を循環する冷媒の流路の二点を接続する冷媒バイパス流路と、凝縮された冷媒を予熱器及び冷媒バイパス流路に分配する冷媒分配手段とを有する構成であることが好ましい。このような構成によれば、冷水の予熱に要する冷媒の予熱器への流量をより適切に制御することが可能になる。
なお冷媒バイパス流路は、凝縮器において冷媒が予熱器における熱交換部位を浸すのに十分な冷媒の液面位置よりも下流側で、かつ予熱器よりも冷媒の流れの上流側の流路における任意の位置に起点を有し、予熱器よりも下流側で減圧装置よりも上流側の流路における任意の位置に終点を有するものであれば良く、冷媒バイパス流路としては、例えば前述したように規定される冷媒の液面を確保するオーバーフロー流路を例示することができる。
上記冷媒分配手段としては、例えば冷媒バイパス流路の起点に設けられ、冷媒の流路を所望の割合に分ける三方コックや、冷媒バイパス流路及び予熱器よりも下流側の流路に設けられる流量調整バルブ等を例示することができ、これらのバルブ類は自動弁であることが好ましい。冷媒分配手段は、前記の液面計と連動する構成が好ましく、少なくとも冷媒の液面が適切な液面位置であるか否かによって冷媒を分配する。なお前記減圧装置に自動制御の膨張弁を用いる場合等では、減圧装置を冷媒分配手段としても用いて構成を簡略化させることができる。
また冷媒量制御手段は、予熱器よりも上方に設けられ凝縮器で凝縮された冷媒を収容する冷媒液タンクと、冷媒液タンクに収容された冷媒の液面を検出する液面計等のレベル検出手段とをさらに有することが好ましい。このような構成によれば、予熱器が液状の冷媒で満たされるように液状冷媒の量をより確実に制御することが可能である。なおこのような構成とする場合では、前記冷媒バイパス流路は冷媒液タンクよりも下流側で予熱器よりも上流側の冷媒流路における任意の位置に起点を有する。
上記のレベル検出手段には前述した液面計を用いることができる。レベル検出手段は、冷媒液タンクにおける冷媒の液面位置を随時検出する手段であっても良いし、冷媒液タンクにおける所定の冷媒液面位置(例えば冷媒液タンクにおける冷媒の液面上限位置及び液面下限位置など)にあって接触の有無のみを検出する手段であっても良い。
上記のような構成の冷水予熱装置によれば、予熱器における液状冷媒の量を制御することで冷水の適切な温度調整及び製氷のさらなる省力化が達成されるが、冷媒量の制御条件が設定当初の条件からずれることがある。このような場合に放置しておくと製氷能力が低下し支障を来すおそれがあることから、本発明では上記の場合に対応可能な構成を提供する。
上記の場合のうち、液状冷媒の保有顕熱量が冷水予熱量に対して過多である場合に対応する構成として本発明では、氷蓄熱槽よりも下流側の冷水流路及び過冷却器よりも上流側の冷水流路を接続する冷水バイパス流路と、冷水の温度を温度検出手段によって検出しその検出結果に基づき冷水予熱装置及び冷水バイパス流路に冷水を分配する冷水分配手段とを有する構成を提供する。
上記のような場合では冷水予熱装置における冷媒量の制御によって十分対応することが可能であるが、前記構成によれば、氷蓄熱槽→冷水予熱装置→過冷却器という冷水流路、及び氷蓄熱槽→過冷却器という冷水流路のいずれか一方又は両方を選択することができ、過剰な予熱により温度が上昇した冷水の供給を過冷却前に抑えることが可能となり、製氷に支障を来す場面を回避し、正常な運転へ早期に復旧する上で好ましい。なお前述した構成は、必ずしも予熱が過多な場合にのみ用いられるものではなく、冷水予熱装置による冷水の予熱制御を補助する構成として通常運転時に用いても良い。
前記冷水バイパス流路、前記冷水分配手段及び温度検出手段には、前述した冷媒バイパス流路、冷媒分配手段及び温度検出手段と同様に構成することができる。また冷水バイパス流路については、氷蓄熱槽から冷水予熱装置に至る冷水流路(管路)における任意の位置に起点を有し、冷水予熱装置から過冷却器に至る冷水流路(管路)における任意の位置に終点を有するものであれば良い。
また予熱が過多である場合では、冷水と冷媒との熱交換を停止することが有効である。熱交換の停止については、冷水予熱装置への冷水の送液停止や冷水予熱装置の運転停止等の態様がある。前述した手段や措置等により適切な対処がなされたら通常運転に復旧する。
また前述した場合のうち、凝縮器に用いられる冷却手段における冷却能力の低下や冷媒の種類等の要因によって液状冷媒の保有顕熱量が冷水予熱量に対して不足する場合に対応可能な構成として本発明では、冷媒量制御手段は、液状の冷媒における顕熱が不足する場合では気体状の冷媒が予熱器に導入されるように予熱器における液状冷媒の量を制御する構成を提供する。上記の場合では冷媒量制御手段は、前述した流量調整手段や冷媒分配手段等を制御して予熱器から液状冷媒を流出させるように液状冷媒の量を制御する。
このような構成によれば、製氷のさらなる省力化が損なわれることになるが、過冷却前における冷水の氷結を防止することが可能となり、製氷に支障を来す場面を回避することが可能となる。
なお本発明の氷蓄熱装置には、気体状の冷媒を予熱器に導入したことをシステム管理者に知らせる警報装置や、氷蓄熱槽出口に設けられ上記の場合にのみ作動して冷水を加熱する加熱装置等を補助的な手段として設けても良い。
<本発明の氷蓄熱方法>
本発明は少なくとも前記第二の課題を解決するための手段として、水及び氷を貯える氷蓄熱槽から供給される冷水の温度を冷水予熱装置で調整し、温度調整された冷水を過冷却器により過冷却状態に冷却し、冷却された冷水の過冷却状態を解除することにより氷を生成する氷蓄熱方法において、温度検出手段により冷水の温度を検出し、冷水予熱装置による予熱時において過冷却解除前の冷水の温度が過冷却解除不足温度域に達した場合に前記冷水の温度が過冷却器による冷却により過冷却解除不足温度域を脱するまで冷水予熱装置による冷水の予熱を停止することを特徴とする氷蓄熱方法を提供する。
上記の氷蓄熱方法によれば、冷水の温度が過冷却解除不足温度域を素早く脱する(スキップする)ことから、過冷却解除不足の発生が抑制されて過冷却解除により氷水が生成するため、氷蓄熱装置の運転初期などにおいて過冷却度不足に起因する氷水流路の氷結を防止することが可能となる。また過冷却不足の解消が素早くなされることから氷水の生成効率をより向上させる上で有利である。
なお前記過冷却解除不足温度域とは、過冷却解除によっても過冷却状態の冷水が氷結せず、氷水流路で徐々に過冷却状態が解除されて氷水流路で氷結するおそれのある氷水の温度域であり、環境の変動や冷水の状態等によって多少異なるが一般に−0.5〜0℃である。過冷却解除不足温度域到達後では、前記温度域における任意の温度から冷水の予熱を停止すれば良いが、前記温度域の上限で冷水の予熱を停止することが過冷却解除不足の発生を抑制する上で好ましい。
ところで氷蓄熱装置の運転初期では冷水は過冷却器により冷却されるが、冷水の温度が氷点に対して高いことから冷水予熱装置を作動させる必要はない。しかし、そのまま冷水を過冷却状態まで冷却しようとすると、前記過冷却解除不足温度域をスキップさせる前に、冷水流路における氷結を生じる場合がある。一方で冷水流路における氷結を防止するために氷蓄熱装置の運転初期から冷水予熱装置を作動させることは製氷の省力化の観点から好ましくない。
そこで本発明の氷蓄熱方法では、冷水予熱装置による予熱がなされずに過冷却解除前の冷水の温度が冷水不安定温度域まで降下した場合に前記冷水の温度が過冷却器による冷却により冷水不安定温度域を脱するまで冷水予熱装置により冷水を予熱することが好ましい。
前記冷水不安定温度域とは、冷水中に核となり得る物体(例えば微小な氷の粒子や塵埃等の異物粒子など)の存在等の条件により容易に氷を生成するおそれのある冷水の温度域であり、環境の変動や冷水の状態等によって多少異なるが一般に0〜0.5℃である。
上記の冷水の予熱によれば、冷水不安定温度域の冷水中で氷結が発生してもこれを融解させることが可能となる。冷水不安定温度域到達後では、前記温度域における任意の温度から冷水の予熱を行えば良く、前記温度域の上限付近の温度を維持するように冷水を予熱しても良い。
本発明の氷蓄熱方法では、冷水の温度を検出することにより冷水の予熱を制御するが、ここで冷水温度の検出については、過冷却器による冷却前後での温度差が一般にほぼ一定であることから冷水の温度であれば前記温度差が反映されるため特に限定されないが、流路中における冷水の温度を検出することが冷水予熱装置による予熱や過冷却器による冷却の効果がすぐに反映されやすいことから好ましく、過冷却器出口における冷水の温度を検出することが過冷却水の温度を確認する上でより好ましい。
本発明の氷蓄熱方法は、過冷却状態に冷却される前の冷水を予熱する冷水予熱装置を有する氷蓄熱装置であれば、従来より知られている様々な氷蓄熱装置を利用して実現することができるが、本発明の氷蓄熱方法には前述した本発明の氷蓄熱装置を用いることが経済性等の観点から好ましい。
以上の説明からわかるように、本発明によれば自己製造型の氷蓄熱装置における冷水予熱装置において予熱器が液状の冷媒で満たされるように予熱器における液状冷媒の量を制御する冷媒量制御手段を有することから、予熱器における冷媒の量を自在に制御することができ、冷水の温度調整に優れる氷蓄熱装置を提供することができる。また本発明によれば、凝縮により生成する液状冷媒で冷水を予熱することから、冷媒による冷水の予熱とブラインによる冷水の冷却とのエネルギー収支に無駄がなく、かつ製氷のさらなる省エネルギー化を達成することができる。
また本発明によれば、冷媒量制御手段は、予熱器よりも上流側及び下流側の流路を接続
する冷媒バイパス流路と、凝縮された冷媒を前記予熱器及び冷媒バイパス流路に分配する冷媒分配手段とを有する構成とすると、液状冷媒の量を自在に制御する上でより効果的である。
また本発明によれば、冷媒量調整手段は、予熱器よりも上方に設けられ凝縮器で凝縮された冷媒を収容する冷媒液タンクと、冷媒液タンクに収容された冷媒の液面を検出するレベル検出手段とを有する構成とすると、液状冷媒に量を自在に制御する上でより一層効果的である。
また本発明によれば、氷蓄熱槽よりも下流側の流路及び過冷却器よりも上流側の流路を接続する冷水バイパス流路と、冷水の温度を温度検出手段によって検出しその検出結果に基づき冷水予熱装置及び冷水バイパス流路に冷水を分配する冷水分配手段とを有する構成とすると、予熱器に供給される冷水の量が自在に制御され、冷水の過剰な予熱を防止する上でより一層効果的である。
また本発明によれば、冷媒量制御手段は、液状の冷媒における顕熱が不足する場合では気体状の冷媒が予熱器に導入されるように予熱器における液状冷媒の量を制御する構成とすると、予熱量不足による冷水の氷結に対しても対応することができる。
また本発明によれば、水及び氷を貯える氷蓄熱槽から供給される冷水の温度を冷水予熱装置で調整し、温度調整された冷水を過冷却器により過冷却状態に冷却し、冷却された冷水の過冷却状態を解除することにより氷を生成する氷蓄熱方法において、温度検出手段により冷水の温度を検出し、冷水予熱装置による予熱時において過冷却解除前の冷水の温度が過冷却解除不足温度域(より具体的には−0.5〜0℃)に達した場合に冷水の温度が過冷却器による冷却により過冷却解除不足温度域を脱するまで冷水予熱装置による冷水の予熱を停止すると、冷水予熱装置による冷水の予熱を制御することにより過冷却不足に起因する氷水流路での氷結を防止することができ、かつ氷水の生成効率をより向上させることができる。
また本発明によれば、冷水予熱装置による予熱がなされずに過冷却解除前の冷水の温度が冷水不安定温度域(より具体的には0〜0.5℃)まで降下した場合に前記冷水の温度が過冷却器による冷却により冷水不安定温度域を脱するまで冷水予熱装置により冷水を予熱すると、氷水スラリー搬送管路又は過冷却器での冷水の氷結を防止する上でより効果的である。
また本発明によれば、前述した氷蓄熱方法を行うに当たり、前述した氷蓄熱装置を用いることが、より優れた製氷をより経済的に行う上でより一層効果的である。
本発明の一実施の形態における氷蓄熱装置を示す図である。 本発明の一実施の形態における氷蓄熱方法による冷水の温度変化を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態における氷蓄熱装置は図1に示すように、冷水15及び氷13を貯える氷蓄熱槽9と、氷蓄熱槽9から供給された冷水の温度を調整する冷水予熱装置3と、温度調整された冷水を過冷却状態に冷却する過冷却器5と、落下エネルギーにより過冷却水の過冷却状態を解除するための過冷却解除槽7とを有する。氷蓄熱槽9と冷水予熱装置3及び冷水予熱装置3と過冷却器5は冷水流路62で接続されており、過冷却解除槽7と氷蓄熱槽
9は氷水流路64で接続されている。また冷水流路62には氷蓄熱槽9から冷水予熱装置3を介さずに過冷却器5へ通ずる冷水バイパス流路67が設けられている。
冷水バイパス流路67の起点よりも上流側の冷水流路62には冷水の温度を検出するための第一の温度計37が設けられており、冷水バイパス流路67の終点よりも下流側で過冷却器5よりも上流側の冷水流路には冷水の温度を検出するための第二の温度計38が設けられている。また冷水バイパス流路67の起点よりも下流側で冷水予熱装置3よりも上流側の冷水流路62には予熱される冷水を冷水予熱装置3に送るための冷水予熱ポンプ17が設けられており、冷水バイパス流路67には冷水循環ポンプ18が設けられている。第一及び第二の温度計37、38は本発明における温度検出手段であり、冷水予熱ポンプ17及び冷水循環用ポンプ18は本発明における冷水分配手段である。なお、前記冷水分配手段は、図1において、第二の温度計38と過冷却器5との間にポンプを一台介装させ、冷水バイパス流路67と冷水流路62にバルブを設けることにより、冷水予熱ポンプ17及び冷水循環ポンプ18を省略して構成することができる。
冷水予熱装置3は、例えばプレート型熱交換器やセルアンドチューブ型熱交換器等であり冷媒を収容し冷媒と冷水との間で熱交換させる予熱器19と、冷媒を膨張させて冷媒の圧力を下げる第一及び第二の膨張弁27、28と、減圧状態の冷媒を蒸発させる蒸発器21と、蒸気状態の冷媒を圧縮する圧縮機23と、圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器25と、凝縮された冷媒を収容する冷媒液タンク26とを有している。冷媒液タンク26は予熱器19よりも上方に設けられている。
予熱器19と第一の膨張弁27と蒸発器21と圧縮機23と凝縮器25と冷媒液タンク26、さらに冷媒液タンク26と予熱器19は冷媒流路61で互いに接続されている。また予熱器19を循環する冷媒の冷媒流路61は、冷媒バイパス流路66で接続されている。冷媒バイパス流路66は冷媒液タンク26よりも下流側で予熱器19よりも上流側の冷媒流路61に起点を有し、予熱器19よりも下流側で蒸発器21よりも上流側の冷媒流路に終点を有する。冷媒バイパス流路66には第二の膨張弁28が設けられている。
第一及び第二の膨張弁27、28は自動弁であり、本発明における減圧装置であり、冷媒量制御手段であり、かつ本発明における冷媒分配手段である。
蒸発器21はブラインを過冷却器5と共有しており、蒸発器21と過冷却器5とはブライン流路63で接続されている。ブライン流路63にはブライン循環ポンプ30が設けられている。
凝縮器25は冷却塔11を冷却熱源として蒸気状態の冷媒を冷却し凝縮させる。凝縮器と冷却塔11は冷却水流路65で接続されており、冷却水流路65には冷却水循環ポンプ33と、凝縮器25から出た冷却水の温度を検出する第三の温度計39とが設けられている。
冷媒液タンク26には冷媒液タンク26に収容された冷媒の液面を検出する第一及び第二の液面計35、36が設けられている。第一及び第二の液面計35、36は本発明におけるレベル検出手段であり、第一の液面計35は冷媒液タンク26の低液面を検出し、第二の液面計36は冷媒液タンク26の高液面を検出する。
なお第一、第二及び第三の温度計37、38、39は温度値収集パネル(TGP)と接続されており、TGPは温度指示調節計(TIC)と接続されており、TICは第一及び第二の膨張弁27、28に接続されている。また図示しないが第一及び第二の膨張弁27、28はそれぞれ第一及び第二の液面計35、36と接続されている。第一及び第二の膨
張弁27、28は冷水の温度、冷却水の温度及び液状冷媒の量によって冷媒の減圧及び冷媒の分配を行う。
以下、本実施形態における氷蓄熱装置の運転状況について説明する。まず冷水及び氷水の循環について説明する。
冷水は氷蓄熱槽9から冷水流路62を通って予熱器19及び過冷却器5のいずれか一方又は両方に送られる。このときの冷水の供給先及びその割合については、冷水予熱ポンプ17と冷水循環ポンプ18の運転状況によって決まる。
冷水を予熱器19に全量供給する場合では冷水循環ポンプ18を停止し、冷水予熱ポンプ17によって冷水を送液する。冷水を予熱せずに過冷却器5に全量供給する場合では冷水予熱ポンプ17を停止し、冷水循環ポンプ18によって冷水を送液する。冷水を氷蓄熱槽9から予熱器19及び過冷却器5の両方に供給する場合では冷水予熱ポンプ17及び冷水循環ポンプ18の両方によって冷水を送液する。なお予熱器19に供給された冷水は過冷却器5に送られる。
過冷却器5に供給された冷水は冷却され、過冷却状態に冷却された冷水は過冷却解除槽7に投入されシャーベット状の氷水となる。生成した氷水は氷水流路64を通って氷蓄熱槽9に送られる。
次に冷水予熱装置3における冷媒の循環について説明する。
冷媒液タンク26に収容されている冷媒は、起動時を除く定常運転時では、冷媒液タンク26から冷媒流路61を通って予熱器19に送られる。冷媒液タンク26が予熱器19及び冷媒バイパス流路66よりも上方に位置すること、及び第一及び第二の膨張弁27、28が設けられていることから、冷媒液タンク26に冷媒が収容されている場合では、予熱器19及び冷媒液タンク26から第一及び第二膨張弁27、28までの冷媒流路(冷媒バイパス流路66を含む)は冷媒で満たされている。
冷媒液タンク26の冷媒を予熱器19に全量供給する場合では第二の膨張弁28を全閉にする。冷媒液タンク26の冷媒を第二の膨張弁28に全量供給する場合では第一の膨張弁27を全閉にする。予熱器19及び第二の膨張弁28の両方に冷媒を供給する場合では第一及び第二の膨張弁27、28の両方を開く。なお予熱器19に供給された冷媒は第一の膨張弁27に送られる。
予熱器19及び第二の膨張弁28への冷媒の分配割合は両膨張弁の開度によって任意に設定される。また冷媒の分配割合は、第一及び第二の温度計37、38により検出される冷水温度、凝縮器25で用いられ第三の温度計39によって検出される冷却水温度、及び冷媒液タンク26に設けられた第一及び第二の液面計35、36の検出結果によって決定される。
第一及び第二の膨張弁27、28に送られた冷媒は、膨張弁の通過に伴い圧力が低下し一部が気体に変わり、気体状に変化した冷媒が残りの液状冷媒を冷却し、この状態で蒸発器21に送られる。蒸発器21に送られた冷媒は過冷却器5から供給されるブラインから熱を奪い蒸発する。熱が奪われた(冷却されたブライン)は過冷却器5に送られて冷水の冷却に用いられる。
蒸気状態の冷媒は蒸発器21から圧縮機23に送られる。圧縮機23では蒸気状態の冷媒が圧縮され、高い温度及び高い圧力の状態となって凝縮器25に送られる。凝縮器25に送られた冷媒は前記冷却水による冷却を受けて凝縮する。凝縮器25の中は圧力が十分
高いため、気体状体の冷媒は比較的高い温度でも凝縮して液状になる。
凝縮器25で凝縮された冷媒は冷媒液タンク26に送られる。冷媒液タンク26では液状冷媒が貯えられる。
次に前記氷蓄熱装置の運転状況を種々の条件において説明し、本発明の氷蓄熱方法における実施の形態を説明する。
<通常運転>
冷媒によって予熱される冷水の温度(過冷却器入口温度)を0.5℃とし、冷水予熱ポンプ17及び冷水循環ポンプ18の運転条件により予熱器19への冷水の流量を冷水全流量の1/10とした場合を例に説明する。冷水予熱装置3における冷媒の循環量は冷水予熱装置3の出力によって決まるが、本実施の形態では予熱器19の出口における冷媒温度は5℃となるように第一の膨張弁27の開度を調整するものとする。また過冷却器5前後における冷水の温度差は2.5℃と一定である。なお冷水温度が0℃以上である場合では冷水中に氷がないことから冷水の予熱を行わないこととし、冷水の予熱を行う場合について説明する。
冷媒の保有顕熱量は予熱器19に送られる冷媒の量と凝縮温度によって決まる。冷媒による予熱が好適に行われている場合(冷媒液タンク26の液面が図1に示すように十分である場合)では、液状冷媒の液面低下が第一の液面計35によって検出されなければ、第一及び第二の液面計間に液状冷媒の液面がある状態を保ちつつ冷水予熱装置3における冷媒の循環が行われる。
冷媒の保有顕熱が必要とする冷水予熱量に対して下回る場合では予熱器19に送られる冷媒量の増加及び凝縮温度の低下によって対応することができる。冷媒量の増加については第二の膨張弁28を閉じる方向で調整する。凝縮温度の低下については冷却水循環ポンプ33により冷却水の循環量を増やす方向で調整する。
冷媒の保有顕熱が必要とする冷水予熱量に対して上回る場合では予熱器19に送られる冷媒量の減少、凝縮温度の上昇、及び予熱器19への冷水の供給量の増加によって対応することができる。冷媒量の減少については第一の膨張弁27を閉じる方向で調整する。凝縮温度の上昇については冷却水循環ポンプ33により冷却水の循環量を減らす方向で調整する。予熱器19への冷水の供給量増加については冷水予熱ポンプ17と冷水循環ポンプ18により予熱器19に供給される冷水の割合を増やす方向で調整する。
第一の液面計35により液状冷媒の液面が検出される場合では、第一及び第二の膨張弁27、28のいずれか一方又は両方を閉じる方向で調整する。また凝縮器25における冷却水の循環量を増やす方向で調整する。
第二の液面計36により液状冷媒の液面が検出される場合では、第一及び第二の膨張弁27、28のいずれか一方又は両方を開く方向で調整する。また凝縮器25における冷却水の循環量を減らす方向で調整する。
なお予熱器19への液状冷媒の供給量は第二の膨張弁28の開閉によって微視的には変化するが、圧縮方式における冷水予熱装置の蒸発器は一種のアキュムレータであるので、冷媒液タンク26における両液面計間の容量を適切に(例えば蒸発器21が保有する液状冷媒量の2%程度に)選定することにより、予熱器19への液状冷媒供給量の微視的変化による蒸発温度の変動は許容値内に十分に収まる。
このように氷蓄熱装置の運転を制御することにより、冷水流路62における冷水の氷結を防止することができ、過冷却器入口における冷水の温度が0.5℃に保たれ、過冷却器出口温度が−2℃に保たれ、過冷却状態の解除により氷水が生成する。なお予熱の停止については、冷水の急激な温度変化を防止するために、予熱器19への冷媒の供給を停止すると共に予熱器19への冷水の供給を停止することが望ましい。
<起動運転>
次に氷蓄熱装置の起動時における運転状況を説明し、あわせて本発明の氷蓄熱方法における一実施の形態を説明する。なお起動運転時には氷蓄熱槽9における氷は融解しているものとして説明する。
氷蓄熱装置の起動時では氷蓄熱槽出口温度が0.5℃以上である場合は予熱操作は行わない。予熱操作を行わないためには、冷水予熱ポンプ17を停止、又は第一の膨張弁27を全閉する。第一の膨張弁27を全閉する場合では、第二の膨張弁28を固定オリフィス(開度を一定)として冷水予熱装置3内を循環する冷媒の循環量を確保する。なお第二の膨張弁28を固定オリフィスとせず、冷媒液タンク26における液状冷媒の液面検出によって第二の膨張弁28を制御しても良い。
冷水予熱装置3による冷水の予熱を行わない状態では、冷水の温度は図2に示すように過冷却器5による冷却で低下する。図2には過冷却器出口温度、氷蓄熱槽出口温度、及び過冷却器入口温度をそれぞれ示すが、説明をわかりやすくするために、以下では過冷却器出口温度に基づき氷蓄熱装置における起動時の運転を説明する。
過冷却器出口温度が0〜0.5℃、すなわち冷水不安定温度域に達すると、過冷却器5内での冷水の氷結を生じるおそれがある。そこで冷水予熱装置3により過冷却出口温度が0.5℃になるまで冷水を予熱する。この操作により過冷却器5に供給される冷水の温度は急激に上昇し、冷水不安定温度域をスキップして0℃から0.5℃に上昇する。この操作により冷水中の氷は一旦融解し、再度温度を降下させた場合でも氷結しにくくなる。
過冷却器出口温度を0.5℃まで上げたら冷水予熱装置3による予熱を続けながら過冷却器5による冷水の冷却を続ける。冷水予熱装置3における運転制御は前述した通常運転における適切な制御方法を選択して行う。この運転制御を冷水の温度が再び0℃に達するまで行う。
過冷却器出口温度が−0.5〜0℃、すなわち過冷却解除不足温度域に達すると、過冷却解除槽7における過冷却解除が不十分となり、氷水流路64で徐々に過冷却状態が解除されることによる氷水流路64の氷結が生じ、又は過冷却器5の伝熱管内の凍結が生じるおそれがある。そこで過冷却器出口温度が再度0℃に達したら冷水予熱装置3による冷水の予熱を停止する。冷水予熱装置3における予熱の停止については前述した通りである。この操作により、予熱がなくなった一方で過冷却器5による冷水の冷却が変わらずに行われることから、過冷却器5に供給される冷水の温度は急激に低下し、過冷却解除不足温度域をスキップして0℃ から−0.5℃に低下する。この操作により過冷却状態の冷水は過冷却解除槽7において過冷却解除されるのに十分な温度まで冷却され、過冷却解除不足による氷水流路64での過冷却状態解除が発生せず、氷水流路64の氷結が防止される。
過冷却器出口温度が過冷却解除不足温度帯をスキップしたら、その条件を維持しつつ冷水を過冷却器5により冷却すれば良いが、過冷却器入口温度が0.5℃に達したら冷水予熱装置3による予熱を再度行う。この操作により過冷却器入口温度は1℃まで急激に上昇し、冷水不安定温度域から脱する。
過冷却器入口温度が1℃に達したら冷水予熱装置3により予熱しつつ冷水の温度を再び下げる。過冷却器入口温度が再度0.5℃にまで低下したら0.5℃を維持するように通常運転に入る。この操作により過冷却器5入口までの冷水流路62における冷水の氷結が防止される。
なお図2に示すように過冷却器による冷却能力に応じて冷水の温度差は一定となることから、過冷却器出口温度や過冷却器入口温度に限らず、冷水の温度を検出することが可能であればいずれの位置にある冷水の温度であっても良く、氷蓄熱槽出口温度を検出することでも上記の起動運転は可能である。
<予熱優先運転>
前述した通常運転における制御によっても冷媒の保有顕熱量が冷水予熱量に対して不足する場合では、第一の膨張弁27を開く方向で調整し、冷媒液タンク26における冷媒液面を第一の液面計35よりも低下させ、予熱器19に気体状の冷媒を導入する。予熱器19には液状冷媒の顕熱不足分を補う気体状の冷媒が入り、冷水予熱量を満足することができる。また、冷媒液タンク26の液面が第一の液面計35よりも下がっていることから第二の膨張弁28は全閉となり、液状冷媒が予熱器19をバイパスして蒸発器21に流れることがなく、液状冷媒の顕熱を予熱器19において優先して活用することができる。
本実施の形態によれば、前述した構成の氷蓄熱装置を構成したことから、自己製造型の氷蓄熱装置において予熱器19における液状冷媒の量を自在に制御でき、冷水の温度調整に優れ、かつ製氷のさらなる省エネルギー化を達成することができる。
また本実施の形態によれば、冷水の冷却過程において冷水不安定温度域及び過冷却解除不足温度域をスキップするように冷水予熱装置3による冷水の予熱を制御することから、冷水流路及び氷水流路の氷結を防止することができる。また氷水流路での過冷却解除による氷水流路の氷結を防止することから、過冷却解除槽7での氷水の生成効率が良い。
また本実施の形態では、第一及び第二の膨張弁27、28が液状冷媒の流量調整や、液状冷媒の分配手段を兼ねていることから、より簡易な構成で予熱器19における液状冷媒の好適な量を制御することができる。
1 氷蓄熱装置
3 冷水予熱装置
5 過冷却器
7 過冷却解除槽
9 氷蓄熱槽
11 冷却塔
13 氷
15 冷水
17 冷水予熱ポンプ(冷水分配手段)
18 冷水循環ポンプ(冷水分配手段)
19 予熱器
21 蒸発器
23 圧縮機
25 凝縮器
26 冷媒液タンク
27 第一の膨張弁(減圧装置)
28 第二の膨張弁(減圧装置)
30 ブライン循環ポンプ
33 冷却水循環ポンプ
35 第一の液面計(レベル検出手段)
36 第二の液面計(レベル検出手段)
37 第一の温度計(温度検出手段)
38 第二の温度計(温度検出手段)
39 第三の温度計
61 冷媒流路
62 冷水流路
63 ブライン流路
64 氷水流路
65 冷却水流路
66 冷媒バイパス流路
67 冷水バイパス流路

Claims (5)

  1. 水及び氷を貯える氷蓄熱槽から供給される冷水の温度を冷水予熱装置で調整し、温度調整された冷水を過冷却器により過冷却状態に冷却し、冷却された冷水の過冷却状態を解除することにより氷を生成する氷蓄熱方法において、
    温度検出手段により冷水の温度を検出し、冷水予熱装置による予熱がなされている状態で、過冷却解除前の冷水の温度が、過冷却解除によっても過冷却状態の冷水が氷結せず徐々に過冷却状態が解除されて流路内で氷結するおそれのある過冷却解除不足温度域に達した場合に、前記冷水の温度が過冷却器による冷却により過冷却解除不足温度域を脱するまで、冷水予熱装置による冷水の予熱を停止することを特徴とする氷蓄熱方法。
  2. 前記過冷却解除不足温度域が−0.5〜0℃であることを特徴とする請求項1に記載の氷蓄熱方法。
  3. 冷水予熱装置による予熱がなされていない状態で、過冷却解除前の冷水の温度が、冷水中に核となり得る物体が存在することで氷が生成されるおそれのある冷水不安定温度域まで降下した場合に、前記冷水の温度が過冷却器による冷却により冷水不安定温度域を脱するまで、冷水予熱装置により冷水を予熱することを特徴とする請求項1に記載の氷蓄熱方法。
  4. 前記冷水不安定温度域が0〜0.5℃であることを特徴とする請求項3に記載の氷蓄熱方法。
  5. 水を過冷却状態に冷却する過冷却器と、過冷却水の過冷却状態を解除して生成する氷及び水を貯える氷蓄熱槽と、この氷蓄熱槽から前記過冷却器に供給される冷水の温度を調整する冷水予熱装置と、前記冷水の温度を検出する温度検出手段とを有する氷蓄熱装置であって、
    前記冷水予熱装置は、冷媒を収容しこの冷媒と前記冷水との間で熱交換させる予熱器と、冷媒を膨張させて冷媒の圧力を下げる減圧装置と、減圧状態の冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸気状態の冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮させ予熱器に収容される冷媒を生成する凝縮器と、前記予熱器が液状の冷媒で満たされるように予熱器における液状冷媒の量を制御する冷媒量制御手段とを有し、
    前記過冷却器は、前記蒸発器で冷却されたブラインにより前記冷水を過冷却状態に冷却することを特徴とする氷蓄熱装置
    を用いて実行されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の氷蓄熱方法。
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