JPH10185248A - 氷蓄熱装置 - Google Patents

氷蓄熱装置

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JPH10185248A
JPH10185248A JP8345743A JP34574396A JPH10185248A JP H10185248 A JPH10185248 A JP H10185248A JP 8345743 A JP8345743 A JP 8345743A JP 34574396 A JP34574396 A JP 34574396A JP H10185248 A JPH10185248 A JP H10185248A
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ice
water
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過冷却器内に供給される冷水内に氷が混在し
ていた場合、この氷を融解する熱源を氷蓄熱装置とは別
個の熱源を用いることなくその氷を融解する。 【解決手段】 蒸発器21と圧縮機23と凝縮器25と
膨張弁27を有した冷凍機3と、冷水15と氷13を貯
える氷蓄熱槽9と、氷蓄熱槽9から供給される冷水を蒸
発器21のブラインにより過冷却状態に冷却する過冷却
器5とを備え、過冷却器5で過冷却状態にした冷水の過
冷却状態を解除して氷を生成し、この氷を氷蓄熱槽9に
貯える氷蓄熱装置1において、氷蓄熱槽9から過冷却器
5に流れる冷水を冷凍器3の凝縮器21から膨張弁27
へ流れる冷媒によって加熱する予熱器19を備える。氷
蓄熱装置1は別個の熱源を用いずに、凝縮器25から膨
張弁27へ流れる冷媒によって氷を加熱して融解でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、氷蓄熱装置に関
し、更に詳細には過冷却水を利用して氷蓄熱を行う氷蓄
熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和や産業プロセスにおいて、熱源
容量を小さくすることができ、安価な夜間電力の利用が
可能であり、運転管理の容易化を実現することができる
ことから、冷熱や温熱を蓄積する蓄熱システムは多く利
用されている。そして、その蓄熱媒体としては、安全で
且つ安価であり液体としては比熱が大きく取り扱いが容
易な、「水」が使用されている。
【0003】しかし、冷熱蓄熱において、水の温度差に
よる顕熱を利用する水蓄熱は、都市の高層化による高負
荷や産業プロセスの高密度化により、膨大な水の容量が
必要となり、また、建築的な制約で所望の水の容量を確
保できず十分な蓄熱量が得られないという問題が生じて
いた。
【0004】このため、例えば特開平8−178483
号公報に記載されたように、水蓄熱に比べ5〜7倍の蓄
熱量が得られる氷の潜熱を利用した氷蓄熱システムが開
発された。この氷蓄熱システムは、蒸発器と圧縮機と膨
張器と減圧装置から構成される冷凍機と、水の過冷却状
態を生成する過冷却器と、水の過冷却状態を解除して氷
に相変化させる過冷却解除器と、氷を貯える氷蓄熱槽、
から構成されている。
【0005】この氷蓄熱システムは、過冷却器で生成さ
れた過冷却状態の水に落下エネルギーや過冷却解除器に
よる衝撃エネルギーを与えてシャーベット状の氷を生成
し、その流動性を利用して氷蓄熱槽に搬送して貯え、冷
熱の利用はシャーベット状の氷の溶け易い性質を利用し
て氷を0℃の冷水に相変化させ、この潜熱を空気調和等
に利用する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、氷蓄熱
槽から過冷却器へ戻る0℃の冷水中に微細な氷が混入す
ると、それが核となり過冷却器の冷水流路内で過冷却水
が氷析出を起こし、最終的にはその回路が閉塞してしま
い氷蓄熱システムの運転が不可能になるという問題が生
じる。
【0007】そこで、氷が過冷却器に供給されるのを防
止し、冷水のみを過冷却器に供給する氷蓄熱装置が開発
された。例えば、特開平8−219503号公報に記載
された氷蓄熱装置は、氷蓄熱槽と過冷却器とを接続した
冷水管に熱交換器を設け、この熱交換器に氷蓄熱装置と
は別の系の熱媒体を流して冷水管内を流れる冷水との間
で熱交換をし、冷水の温度を上昇させて冷水内の氷を融
解させている。
【0008】しかしながら、この場合には、冷水内の氷
を融解させるに別の系の設備が必要であり、設備計画に
左右される。また、わざわざ系統分けをすれば、その系
のための配管などを分けなければならず、コストアップ
を招く。
【0009】一方、特開平7−42975号公報に記載
されたものは、氷蓄熱槽と過冷却器とを接続した冷却管
の途中に氷捕集フィルタを設け、この氷捕集フィルタに
より冷却管内の氷を除去して過冷却器に冷水のみを供給
する。
【0010】しかしながら、この場合には、氷捕集フィ
ルタにより0℃の柔らかい微細な氷を捕集する際に、氷
や冷水と一緒に混在するゴミ等により氷捕集フィルタに
目詰まりが生じ、所望の流量を確保するには循環ポンプ
の動力を増加させる必要があり、フィルタの洗浄や交換
等のメンテナンスが必要となり、実用化は困難である。
【0011】また、過冷却解除部と氷蓄熱槽を別に設け
た場合など、過冷却解除後に氷水スラリーを搬送する場
合には、搬送部に氷がこびりつき、この付着地点で氷に
よる流路の閉塞が生じる。この現象は放置すると過冷却
解除部からの氷水スラリーのあふれや過冷却水飛沫の跳
ね返りによる過冷却器出口部での氷析出を引き起こす、
という問題が生じていた。
【0012】本発明の目的は、このような従来の技術の
問題点に鑑みてなされたものであり、既存の氷蓄熱装置
の熱源を利用して、氷蓄熱装置における冷水流路内の凍
結を防止することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。
【0014】(1) 本発明は、蒸発器と圧縮機と凝縮
器と減圧装置を有する冷凍機と、水と氷を貯える氷蓄熱
槽と、この氷蓄熱槽から供給される冷水を冷凍機におけ
る蒸発器で冷却されたブラインにより過冷却状態に冷却
する過冷却器とを備え、過冷却器で生成した過冷却水の
過冷却状態を解除して氷を生成し、この氷を前記氷蓄熱
槽に貯える氷蓄熱装置において、氷蓄熱槽から過冷却器
に流れる冷水を冷凍機の液冷媒の顕熱によって加熱する
予熱器を備えることを特徴とする氷蓄熱装置である。
【0015】冷凍機における液冷媒は、凝縮器の後に設
けられた予熱器により氷蓄熱槽から供給される冷水を加
熱して冷水内に混入した氷を融解する。このとき、冷媒
はさらに冷却され過冷却状態になり、冷媒の単位流量あ
たりの冷却能力は増加する。
【0016】そして、加熱された冷水は過冷却器に供給
され、ブラインにより過冷却状態に冷却された後、過冷
却状態が解除されて氷に相変化して氷蓄熱槽に貯えられ
る。従って、液冷媒の顕熱を有する冷媒を冷水の加熱源
として利用することにより、冷水を加熱する熱源を氷蓄
熱装置とは別個に設ける必要がない。
【0017】また、冷媒が冷水を加熱することにより冷
媒の冷却能力を増加させ、大きな潜熱量を有した冷媒に
よりブラインを介して冷水を過冷却状態にすることがで
きるので、氷を生成するシステムとしてきわめて効率が
良い。即ち、前記増加した冷却能力を冷水を過冷却状態
にするブラインの冷熱回収に利用することにより、より
多くの熱量を冷水から吸熱して冷水を過冷却状態に変化
させることができ、また、冷媒の冷凍能力が高められ少
ない冷媒の循環量で冷媒を所望の温度に冷却することが
できる。
【0018】(2) 本発明は、蒸発器と圧縮機と凝縮
器と減圧装置を有する冷凍機と、冷凍機の凝縮器に冷却
水流路を介して冷却水を供給し冷凍機の冷媒を冷却する
冷却器と、水と氷を貯える氷蓄熱槽と、この氷蓄熱槽か
ら供給される冷水を分流して冷凍機における蒸発器で冷
却されたブラインにより過冷却状態に冷却する複数の過
冷却器と、各過冷却器で生成した過冷却水の過冷却状態
を解除して氷を生成する複数の過冷却解除部とを備え、
この過冷却解除部で生成された氷を冷水と共に氷水とし
て氷水流路を介し前記氷蓄熱槽に供給する氷蓄熱装置に
おいて、(イ)前記氷蓄熱槽から前記過冷却器に流れる
冷水を前記冷凍機の液冷媒の顕熱によって加熱する予熱
器と、(ロ)前記冷却器から冷凍機の凝縮器に流れる冷
却水により氷蓄熱槽から過冷却器に導かれる冷水を加熱
する加熱器と、(ハ)過冷却器により過冷却水を生成す
る通常運転では前記加熱器をバイパスして冷水を氷蓄熱
槽から過冷却器に流し、氷水流路内部の凍結により氷水
が流れにくくなった場合にその氷析出部位を融解する融
解運転では冷水を前記加熱器に通して加熱し氷蓄熱槽か
ら過冷却器に流す第1流路切換手段と、(ニ)前記通常
運転では各過冷却器に蒸発器のブラインを供給し、前記
融氷運転では氷水流路の凍結部位に氷水を供給可能な一
方の過冷却器へのブラインの供給を停止する第2流路切
替手段と、を備えることを特徴とする氷蓄熱装置であ
る。
【0019】通常運転では加熱器は運転されず、第1流
路切替手段はそのままの状態に維持されて加熱器には冷
水が供給されない。従って、氷蓄熱槽から氷を濾過して
分離した冷水は予熱器に送られて加熱され冷水に混入す
る氷を融解して直接複数の過冷却器に供給される。各過
冷却器において冷水は蒸発器との間で循環するブライン
により冷却されて過冷却状態に冷却されたのち、各過冷
却解除部にて過冷却状態を解除して氷を生成し、この氷
を前記氷蓄熱槽に貯える。
【0020】氷水流路に氷が付着して氷析出すると、氷
水が流れにくくなる。その場合には融解運転に切り換え
る。ここで、氷水の流れ易さは、例えば、過冷却解除部
の水位上昇により検出する。融解運転では第2流路切替
手段を切り換えて凍結部位に連係する過冷却器にブライ
ンの供給を停止し、他の過冷却器へのブラインの供給を
継続する。
【0021】このとき、過冷却器2台のシステムを例に
とると、一方の過冷却器へのブライン供給を停止するた
め冷凍機の運転は1/2にダウンされる(循環する冷媒
量も半分)。そして、それまで例えば0.5℃で過冷却
器に供給されていた冷水は前記事情で予熱器の能力が半
分になるため0.25℃に低下する。そこで、稼動中の
過冷却器の伝熱管内氷析出の防止と停止した過冷却器の
系の氷水通路閉塞の融解をすべく冷水供給温度を制御す
る必要がある。
【0022】次に、加熱器に接続された第1流路切替手
段を切り換え氷蓄熱槽から流れる冷水を加熱器に供給し
て加熱する。この加熱された冷水は各過冷却器に供給さ
れる。ブラインの供給を停止された過冷却器に供給され
た冷水は過冷却されることなく過冷却解除部を経由して
氷水流路の氷が付着した部位に到達して氷を溶かしなが
ら氷蓄熱槽に押し流す。
【0023】これと同時に他方の過冷却器においては、
供給された冷水は通常通りに過冷却されて過冷却水とな
り、過冷却解除部にて過冷却状態が解除されて氷に生成
され、この氷を前記氷蓄熱槽に貯える。
【0024】氷水流路に氷が付着して凍結し氷水が流れ
にくくなっても、冷凍機は運転を継続させたままの状態
で加熱器を運転させて前記氷を溶かすことができるの
で、氷蓄熱槽に氷を蓄熱する時間が大きく遅延すること
はない。
【0025】加熱器は予熱器の上流に設置してもよい
し、下流に設置してもよい。融解運転をする場合には冷
凍機の冷凍能力を低下させることができる。
【0026】(3) 本発明は、蒸発器と圧縮機と凝縮
器と減圧装置を有する冷凍機と、冷凍機の凝縮器に冷却
水流路を介して冷却水を供給し冷凍機の冷媒を冷却する
冷却器と、水と氷を貯える氷蓄熱槽と、この氷蓄熱槽か
ら供給される冷水を冷凍機における蒸発器で冷却された
ブラインにより過冷却状態に冷却する過冷却器と、過冷
却器で生成した過冷却水の過冷却状態を解除して氷を生
成する過冷却解除部とを備え、この過冷却解除部で生成
された氷を冷水と共に氷水として氷水流路を介し前記氷
蓄熱槽に供給する氷蓄熱装置において、(イ)前記氷蓄
熱槽から前記過冷却器に流れる冷水を前記冷凍機の液冷
媒の顕熱によって加熱する予熱器と、(ロ)前記冷却器
から冷凍機の凝縮器に流れる冷却水により氷蓄熱槽から
過冷却器に流れる冷水を加熱する加熱器と、(ハ)過冷
却器により過冷却水を生成する通常運転では前記加熱器
をバイパスして冷水を氷蓄熱槽から過冷却器に流し、氷
水流路内部の凍結により氷水が流れにくくなった場合に
その凍結部位を融解する融解運転では冷水を前記加熱器
に通して加熱し氷蓄熱槽から過冷却器に流す流路切換手
段と、を備え、前記融氷運転では冷凍機の運転を停止す
ることを特徴とする氷蓄熱装置である。
【0027】通常運転では加熱器は運転させず、流路切
替手段はそのままの状態に維持されて加熱器には冷水が
供給されない。従って、氷蓄熱槽に貯えられた氷が溶け
た冷水は予熱器に送られて加熱され冷水に混入する氷を
融解して過冷却器に供給される。過冷却器において冷水
は蒸発器との間で循環するブラインにより冷却されて過
冷却状態に冷却されたのち、過冷却解除槽にて過冷却状
態を解除して氷を生成し、この氷を前記氷蓄熱槽に貯え
る。
【0028】氷水流路に氷が付着して凍結すると、氷水
が流れにくくなる。その場合には融解運転に切り換え
る。ここで、氷水の流れ易さは、例えば、過冷却解除部
の水位上昇により検出する。融解運転では冷凍機を停止
させる。従って、過冷却器内を流れる冷水は冷却される
ことはない。
【0029】次に、加熱器に接続された流路切替手段を
切り換えて氷蓄熱槽から過冷却器へ流れる冷水を加熱器
に供給して加熱する。加熱器は冷凍機の凝縮器の余熱や
外気からの温熱を取得して前記加熱に供される。
【0030】加熱された冷水は過冷却器にて冷却される
ことなく過冷却解除部を経由して氷水流路に流れ、氷水
流路内に付着した氷を溶かしながら氷蓄熱槽に押し流
す。過冷却解除部と氷蓄熱槽との間の氷水流路に氷が付
着して凍結し氷水が流れにくくなっても、加熱器を用い
てその氷析出を短時間で解除することができる。
【0031】加熱器は予熱器の上流に設置してもよい
し、下流に設置してもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る氷蓄熱装置の
実施の形態を図1から図4の図面に基づいて説明する。
【0033】〔第1の実施の形態〕初めに、第1の実施
の形態について図1,図2,図3に基づいて説明する。
図1は氷蓄熱装置の構成図を示す。氷蓄熱装置1は冷凍
機3と、過冷却器5と、過冷却解除槽(過冷却解除部)
7と、氷蓄熱槽9と、冷却塔(冷却器)11から構成さ
れている。冷凍機3としてはターボ冷凍機を、冷却塔1
1としては開放型冷却塔を例示できる。また、過冷却器
5としてはシェルアンドチューブ型熱交換器を例示でき
る。
【0034】氷蓄熱槽9に貯えられた氷13が溶けた冷
水(水)15は冷水循環ポンプ17を介し予熱器19を
経由して過冷却器5に送られる。この過冷却器5におい
て冷水を過冷却状態(以下、「過冷却水」と記す。)に
した後、過冷却解除槽7に送り過冷却状態を解除してシ
ャーベット状の氷水に相変化させ、これを氷水流路64
を介して氷蓄熱槽9に貯える。
【0035】冷凍機3は蒸発器21、圧縮機23、凝縮
器25、予熱器19及び膨張弁(減圧装置)27を備え
ており、この順番に冷媒流路61を介して閉回路に構成
されている。前記予熱器19は、氷蓄熱槽9から冷水循
環ポンプ17により冷水流路62を通って搬送された冷
水を凝縮器25から膨張弁27へ流れる冷媒によって加
熱する機能を有し、これにより、冷水内に混入する氷を
融解して冷水のみを過冷却器5に供給する。予熱器19
としては図3に示す構造のものを使用することができ
る。即ち、図3に示す予熱器19は凝縮器25と予熱器
19を一体の枠体29内に収めたものである。
【0036】蒸発器21には前記過冷却器5とブライン
循環ポンプ30が接続されている。蒸発器21で冷却さ
れたブラインはブライン流路63を通って過冷却器5に
送られ冷水を過冷却状態にした後、ブライン循環ポンプ
30によりブライン流路63を通って蒸発器21に戻さ
れる。
【0037】凝縮器25には冷却塔11と冷却水循環ポ
ンプ33が接続されている。凝縮器25により加熱され
た冷却水は冷却塔11で冷却された後、冷却水循環ポン
プ33により冷却水流路65を通って凝縮器25に戻さ
れる。
【0038】次に、氷蓄熱槽9に氷13を貯えるための
一実施例を温度条件に基づいて説明する。まず、氷蓄熱
槽9に貯えられている0℃の冷水15を冷水循環ポンプ
17でポンプアップし、冷水流路62を介して予熱器1
9に供給する。予熱器19において凝縮器25から膨張
弁27へ流れる3℃程度の冷媒の冷熱が0℃の冷水を
0.5℃に加熱し、冷水内に混入した氷を融解する。そ
して、0.5℃にされた冷水は過冷却器5に供給され
る。
【0039】過冷却器5において、0.5℃の冷水は−
6℃のブラインによって−2℃の過冷却状態に冷却され
る。ブラインは冷水から吸熱することにより、−6℃か
ら−3℃にその温度を上昇した後、ブライン循環ポンプ
30により蒸発器21に搬送され、蒸発器21において
−6℃の温度に冷却され再び過冷却器5に供給される。
【0040】次に、過冷却器5で生成した過冷却水を過
冷却解除槽7にて過冷却状態を解除し、シャーベット状
の氷水を生成する。ここで、一般に過冷却水の氷への相
変化の程度は、過冷却水温度できまり、過冷却水温度を
氷の融解潜熱で除した値で表すことができる。例えば、
−2℃の過冷却水温度では2.5%が氷に相変化する。
【0041】そして、シャーベット状の氷水は氷水流路
64を通って氷蓄熱槽9に貯えられる。図2は氷蓄熱装
置1においてモリエル線図上の冷凍機3の冷凍サイクル
を示す。図中、D−A間は蒸発器21において圧力を一
定に保ったまま、冷媒がブラインから熱を吸収してエン
タルピを増加させ次々に蒸発してガスとなり飽和蒸気線
に近づく様子を示している。A−B間は圧縮機23が蒸
発器21から飽和蒸気となった冷媒を吸い込み、これを
圧縮して圧力とエンタルピを増加させて過熱蒸気の状態
にする様子を示している。B−C間は凝縮器25におい
て、圧縮機23で過熱蒸気にされた冷媒が一定圧力のも
とで冷却水により冷却されて再び湿り蒸気の状態に戻さ
れ、それから後は、冷やされて熱量が減れば減るほど凝
縮をつづけ、飽和液線に次第に近づきすべて液体にな
り、さらに予熱器19で冷やされて飽和液線を越え飽和
液温度より低い温度の過冷却状態になる様子を示してい
る。C−D間は膨張弁27おいて、液体になった冷媒は
膨張弁27を通過する際に圧力が急激に降下する状態を
示している。この際、熱の出入りがないのでエンタルピ
は一定のままである。
【0042】冷凍機3の冷凍サイクルでは、予熱器19
で冷媒を過冷却状態にすることにより冷媒の潜熱量をΔ
iだけ増加させることができる。従って、この潜熱量Δ
iを冷水中に混入する氷を融解するための温熱として使
用することにより、氷蓄熱装置1とは別個の熱源を用い
て氷を融解する必要がなくなり極めて経済的である。
【0043】また、前記潜熱量Δiを冷水を過冷却状態
にするブラインの冷熱吸収に利用することにより、より
多くの熱量を冷水から吸収して冷水を過冷却状態に変化
させることができ、また、冷媒の冷凍能力が高められ少
ない冷媒の循環量でブラインを所望の温度に冷却するこ
とができ、冷凍機の効率が向上して経済的である。
【0044】〔第2の実施の形態〕次に、第2の実施の
形態の氷蓄熱装置について図4に基づいて説明する。第
2の実施の形態の氷蓄熱装置は、第1の実施の形態の氷
蓄熱装置1に主に加熱器43と過冷却器5bと過冷却解
除槽7bを追加したものであり、過冷却解除槽7a,7
bと氷蓄熱槽9とを連通する氷水流路64が凍結により
氷水が流れにくくなってもその凍結部位を融解する凍結
融解機能を有したものである。
【0045】図4は氷蓄熱装置の構成図を示す。氷蓄熱
装置41は冷凍機3と、2基の過冷却器5a,5bと、
2基の過冷却解除槽7a,7bと、氷蓄熱槽9と、冷却
塔(冷却器)11と、加熱器43から構成されている。
【0046】ここで、冷凍機3と冷凍機3内に設けられ
た予熱器19は前述した第1の実施の形態と同一なので
同一態様部分については同一符号を附けて説明を省略す
る。蒸発器21には前記過冷却器5a,5bとブライン
循環ポンプ30とブライン流路切替弁(第2流路切替手
段)45a,45b,45c,45dが接続されてい
る。
【0047】凝縮器25には冷却水流路65を介して冷
却塔11と冷却水循環ポンプ33が接続されており、冷
却水循環ポンプ33の上流と凝縮器25の下流の冷却水
流路65にはこの冷却水流路65をバイパスするバイパ
ス流路67が連通している。このバイパス流路67には
ポンプ56と加熱器43と流路切替弁57が設けられて
いる。
【0048】加熱器43には氷蓄熱槽9から冷水循環ポ
ンプ17へ流れる冷水をバイパスする冷水バイパス流路
47が接続されており、この加熱器43は氷蓄熱槽9か
ら冷水循環ポンプ17へ流れる冷水を冷却塔11から凝
縮器25に流れる冷却水により加熱する機能を有してい
る。
【0049】冷水バイパス流路47には氷蓄熱槽9から
流れる冷水を加熱器43に供給するための冷水供給ポン
プ58とバイパス流路切替弁(第1流路切替手段)51
a,51bが設けられている。
【0050】予熱器19の上流側と過冷却気5aの下流
側との間の冷水流路62には、予熱器19から供給され
る冷水の温度を管理するための温度センサ55が設けら
れており、過冷却器5a,5bと予熱器19との間の冷
水流路62であって各過冷却器5a,5bの入口の近傍
には冷水の供給を切り換える流路切替弁(第1流路切替
手段)49a,49bが設けられている。
【0051】過冷却解除槽7a,7bは過冷却水を氷に
相変化させ、冷水と共に氷を一時的に貯える機能を有し
ており、この過冷却解除槽7a,7bの上部には貯えら
れた氷を含んだ冷水の液面の位置を検出するためのセン
サ53a,53bが設けられている。次に、2基の過冷
却器5a,5bにより過冷却水を生成する通常運転につ
いて説明する。
【0052】通常運転において加熱器43は利用されな
いので、ポンプ56と冷水供給ポンプ58は運転され
ず、流路切替弁57とバイパス流路切替弁51a,51
bは閉じられている。また、流路切替弁49a,49b
は開いた状態にある。従って、氷蓄熱槽9から流れ出る
冷水は加熱器43をバイパスし予熱器19を経由して2
基の過冷却器5a,5bに供給される。また、ブライン
流路切替弁45a,45b,45c,45dは開いたま
まの状態に維持されて蒸発器21から流れるブラインは
過冷却器5a,5bに供給される。
【0053】このような条件のもとに、氷蓄熱槽9に貯
えられた氷13が氷フィルタ(図示せず)によって分離
した冷水15は冷水循環ポンプ17を介し予熱器19を
経由して過冷却器5a,5bに供給される。この運転条
件は第1の実施の形態の氷蓄熱装置1と同じであり、過
冷却器5a,5b内の冷水流路すなわち伝熱管(図示せ
ず)内での結氷を未然に防止している。
【0054】そして、過冷却器5a,5bにおいて、蒸
発器21で冷却されたブラインは冷水を過冷却水にした
後、ブライン循環ポンプ30によりブライン流路63を
通って蒸発器21に戻される。
【0055】過冷却水は過冷却解除槽7a,7bに送ら
れて過冷却状態が解除されてシャーベット状の氷に相変
化し、これを氷蓄熱槽9に供給して貯える。次に、2基
の過冷却器5a,5bにより過冷却水を生成する通常運
転の継続中に氷蓄熱槽9と過冷却解除槽7a,7bとの
間を連通する氷水流路64の一部に氷が付着して流路の
閉塞現象が生じ氷水が流れにくくなった時に、氷を昇温
と送水圧により融解して氷水の良好な流れを回復するた
めの融解運転について、過冷却解除槽7bで生成された
氷水が流通する部位Aに氷が付着して流路の閉塞現象が
生じた場合と、過冷却解除槽7aで生成された氷水が流
通する部位Bに氷が付着して流路の閉塞現象が生じた場
合に分けて説明する。
【0056】(1)氷水流路64の部位Aに氷が付着し
て流路の閉塞現象が生じた場合 氷水流路64の部位Aに氷が付着して流路の閉塞現象が
生じると、過冷却解除槽7bの水位が上昇する。この水
位を水位計53bによって検出し、設定水位に達したら
ブライン流路63の途中に設けられている2つのブライ
ン流路切替弁45c,45dを閉じて過冷却器5bへの
ブラインの供給を停止する。従って、過冷却器5bに流
れる冷水はブラインにより冷却されることはない。尚、
ブライン流路切替弁45a,45bは開いたままの状態
であり、過冷却器5aへのブラインの供給は継続する。
【0057】次に、流路切替弁57とバイパス流路切替
弁51a,51bを開き、ポンプ56と冷水供給ポンプ
58を運転させて、氷蓄熱槽9から流れる冷水を加熱器
43により加熱し、さらに予熱器19により加熱する。
尚、冷水は、冷水流路62に設けられた温度センサ55
の信号に基づき冷凍機3の冷却能力が調整されて所定温
度になるように制御される。
【0058】所定温度に加熱された冷水は各過冷却器5
a,5bに供給される。過冷却器5bに供給された冷水
は過冷却されることなく過冷却解除槽7bを経由して氷
水流路64の部位Aに到達し、部位Aに付着して流路の
閉塞現象が生じさせた氷を昇温と送水により融解しなが
ら氷蓄熱槽9に押し流す。
【0059】これと同時に他方の過冷却器5aに供給さ
れた冷水は通常通りにブラインにより過冷却状態にされ
て過冷却水となり過冷却解除槽7aに供給される。そし
て、過冷却水は過冷却解除槽7aで過冷却状態を解除し
て氷に生成され、この氷を氷水流路64を介して氷蓄熱
槽9に蓄える。
【0060】そして、過冷却解除槽7bの水位が元に戻
ったことを水位計53bが検知したならば、この水位計
53bの検知信号に基づいて融解運転から通常運転に切
り換えるとともに冷凍機の冷却能力も元の能力に戻され
る。
【0061】尚、冷凍機3は氷水流路64の部位Aに氷
が付着して流路の閉塞現象が生じても常に運転を継続し
ているが、加熱器43を運転させた場合には、冷凍機3
は通常の半分の冷却能力まで運転を低下させることがで
きる。これは、過冷却器5bへのブラインの循環を停止
させるので、ブライン流路63のブラインの循環量が半
分に低下して蒸発器21のブラインから熱の吸収量が半
分に低下するからである。
【0062】(2)氷水流路64の部位Bに氷が付着し
て流路の閉塞現象が生じた場合 氷水流路64の部位Bに氷が付着して流路の閉塞現象が
生じると、過冷却解除槽7aの水位が上昇する。この水
位を水位計53aによって検出し、設定水位に達したら
2つのブライン流路切替弁45a,45bを切り換えて
閉じた状態にして過冷却器5aへのブラインの供給を停
止する。従って、過冷却器5aに流れる冷水はブライン
により冷却されることはない。尚、ブライン流路切替弁
45c,45dは開いており、過冷却器5bへのブライ
ンの供給は継続する。
【0063】次に、流路切替弁57とバイパス流路切替
弁51a,51bを開き、ポンプ56と冷水供給ポンプ
58を運転させて、氷蓄熱槽9から流れる冷水を加熱器
43により加熱し、さらに予熱器19により加熱する。
尚、冷水は、冷水流路62に設けられた温度センサ55
の信号に基づき冷凍機3の冷却能力が調整されて所定温
度になるように制御される。
【0064】所定温度に加熱された冷水は各過冷却器5
a,5bに供給される。過冷却器5aに供給された冷水
は過冷却されることなく過冷却解除槽7aを経由して氷
水流路64の部位Bに到達し、部位Bに付着して流路の
閉塞現象が生じさせた氷を昇温と送水により融解しなが
ら氷蓄熱槽9に押し流す。
【0065】これと同時に他方の過冷却器5bに供給さ
れた冷水は通常通りにブラインにより過冷却状態にされ
て過冷却水となり過冷却解除槽7bに供給される。そし
て、過冷却水は過冷却解除槽7bで過冷却状態を解除し
て氷に生成され、この氷を氷水流路64を介して氷蓄熱
槽9に蓄える。
【0066】そして、過冷却解除槽7aの水位が元に戻
ったことを水位計53aが検知したならば、この水位計
53aの検知信号に基づいて融解運転から通常運転に切
り換えるとともに冷凍機の冷却能力も元の能力に戻され
る。
【0067】尚、冷凍機3は氷水流路64の部位Bに氷
が付着して流路の閉塞現象が生じても常に運転を継続し
ているが、加熱器43を運転させたときには、通常の半
分の冷却能力まで低下させて運転することができる。前
述(1)と同様の理由であるため説明は省略する。
【0068】第2の実施の形態における氷蓄熱装置41
は、冷凍機3の凝縮器25から膨張弁27へ流れる冷媒
を過冷却器5に供給される冷水中に混入する氷を融解す
るための冷熱として使用することにより、氷蓄熱装置4
1とは別個の熱源を用いて氷を融解する必要がないので
極めて経済的である。
【0069】また、氷水流路64に氷が付着して流路の
閉塞現象が生じても、冷凍機3は運転を継続させたまま
の状態で加熱器43を運転させて前記氷を溶かすととも
に、1基の過冷却器は運転を継続している。従って、氷
蓄熱槽9への氷の蓄熱時間のロスを極めて短時間にする
ことができて極めて経済的である。また、冷凍機3の冷
凍能力を通常の半分に低下させて運転をすることができ
るので、消費電力の無駄を防止することができる。
【0070】〔第3の実施の形態〕次に、第3の実施の
形態の氷蓄熱装置について図5に基づいて説明する。第
3の実施の形態の氷蓄熱装置は、前記第2の実施の形態
で過冷却器5a,5bと過冷却解除槽7a,7を各々2
基備えていたのを各1基にしたものであり、過冷却解除
槽7と氷蓄熱槽9とを連通する氷水流路64に流路の閉
塞現象が生じ氷水が流れにくくなってもその氷の凝集部
位を開通する氷の凝集融解機能を有したものである。
【0071】図5は氷蓄熱装置の構成図を示す。氷蓄熱
装置81は冷凍機3と、過冷却器5と、過冷却解除槽7
と、氷蓄熱槽9と、冷却塔(冷却器)11と、加熱器4
3から構成されている。氷蓄熱装置81は第2の実施の
形態の氷蓄熱装置41から過冷却器5と過冷却解除槽7
をそれぞれ1基減した点を除けば他の点は同一なので同
一態様部分については同一符号を附して説明を省略す
る。
【0072】また、過冷却器5により過冷却水を生成す
る通常運転については、前記した通りである。次に、過
冷却器5により過冷却水を生成する通常運転の継続中に
氷蓄熱槽9と過冷却解除槽7との間を連通する氷水流路
64の一部に氷が付着して流路の閉塞現象が生じ氷水が
流れにくくなった時に、氷を昇温と送水圧により融解し
て氷水の良好な流れを回復するための融解運転について
説明する。
【0073】氷水流路64の部位Cに氷が付着して流路
の閉塞現象が生じると、過冷却解除槽7の水位が上昇す
る。この水位を水位計53によって検出し、設定水位に
達したら冷凍機3を停止させる。従って、過冷却器5に
おいて冷水は冷却されることはない。
【0074】次に、流路切替弁57とバイパス流路切替
弁51a,51bを開くとともに、ポンプ56と冷水供
給ポンプ58を運転して、予熱器19により加熱された
冷水は冷水バイパス流路を通り加熱器43を経由してさ
らに加熱された後、過冷却器5に供給される。
【0075】尚、冷水供給ポンプ58と冷水循環ポンプ
17の送水能力は一定であるので過冷却器5に供給され
る冷水の温度も一定に保たれる。また、この冷水の温度
は温度センサ55により監視されており、冷水供給ポン
プ58の送水能力を変化させることにより冷水の温度を
調整することができる。
【0076】次に、加熱された冷水は過冷却器5にて冷
却されることなく過冷却解除槽7を経由して氷水流路6
4に流れて氷が付着して流路の閉塞現象が生じた部位C
に到達し、氷を昇温と送水圧により融解しながら氷蓄熱
槽9に押し流す。
【0077】そして、水位計53により過冷却解除槽7
の水位が元に戻ったと検知したならば融解運転から通常
運転に切り換える。第3の実施の形態における氷蓄熱装
置81は、冷凍機3の凝縮器25から膨張弁27へ流れ
る冷媒を過冷却器5に供給される冷水中に混入する氷を
融解するための冷熱として使用することにより、氷蓄熱
装置81とは別個の熱源を用いて氷を融解する必要がな
いので極めて経済的である。
【0078】また、過冷却解除槽7と氷蓄熱槽9との間
を連通する氷水流路64に氷が付着して管内閉塞現象が
生じ氷水が流れにくくなったとしても、加熱器43を用
いてその閉塞した流路を短時間で開通することができ
る。従って、氷蓄熱槽9への氷の蓄熱時間のロスを極め
て短時間にし、ランニングコストの増加を抑制すること
ができる。
【0079】また、加熱器43の利用に際しては、冷凍
機3を停止しても冷凍機3の凝縮器25の余熱を利用で
き、あるいは冷却塔11を運転し外気から熱を取得して
利用することもできる。
【0080】〔第4の実施の形態〕次に、第4の実施の
形態の氷蓄熱装置について図6に基づいて説明する。第
4の実施の形態の氷蓄熱装置は、前記第2の実施の形態
で過冷却器5a,5bと過冷却解除槽7a,7を各々2
基備えていたのを各3基にしたものであり、過冷却解除
槽7と氷蓄熱槽9とを連通する氷水流路64に流路の閉
塞現象が生じ氷水が流れにくくなってもその氷の凝集部
位を開通する氷の凝集融解機能を有したものである。
【0081】図6は氷蓄熱装置の構成図を示す。氷蓄熱
装置83は冷凍機3と、過冷却器5と、過冷却解除槽7
と、氷蓄熱槽9と、冷却塔(冷却器)11と、加熱器4
3から構成されている。氷蓄熱装置83は第2の実施の
形態の氷蓄熱装置41から主に過冷却器5と過冷却解除
槽7をそれぞれ1基増加減した点を除けば他の点は同一
なので同一態様部分については同一符号を附して説明を
省略する。
【0082】また、過冷却器5により過冷却水を生成す
る通常運転や融解運転については第2の実施の形態の氷
蓄熱装置41に準じて運転するのでその説明は省略す
る。過冷却器5を3基設けても第2の実施の形態の氷蓄
熱装置41と同様の効果をえることができる。
【0083】このように過冷却器5を3基以上有する設
備でも、弁の切替によりシステムの停止をすることなく
製氷を継続でき、大規模な過冷却式氷蓄熱システムの安
定運転が達成される。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
本発明の氷蓄熱装置によれば、氷蓄熱槽から過冷却器に
流れる冷水を冷凍機の凝縮器から減圧装置へ流れる冷媒
によって加熱する予熱器を有することにより、氷蓄熱装
置と別個の熱源を用いずに過冷却器に供給される冷水中
に混入する氷を融解することができるので極めて経済的
である。また、予熱器で冷却された冷媒の潜熱量を冷水
を過冷却状態にするブラインの冷熱吸収に利用すること
により、より多くの熱量を冷水から吸収して冷水を過冷
却状態に変化させることができ、また、冷媒の冷却能力
が高められ少ない冷媒の循環量でブラインを所望の温度
に冷却することができ、冷凍機の効率が向上して経済的
である。
【0085】また、請求項2に記載の本発明の氷蓄熱装
置によれば、予熱器と、加熱器と、第1流路切換手段
と、第2流路切換手段とを備えることにより、氷水流路
に氷が付着して閉塞し氷水が流れにくくなっても、冷凍
機は運転を継続させたままの状態で加熱器を運転させて
氷を融解・洗い落すとともに、1基の過冷却器は運転を
継続させることができる。従って、氷蓄熱槽への氷の蓄
熱時間のロスを極めて短時間にすることができて極めて
経済的である。また、冷凍機の冷凍能力を通常の半分に
低下させて運転することができるので、消費電力の無駄
を防止することができる。
【0086】また、請求項3に記載の本発明の氷蓄熱装
置によれば、予熱器と、加熱器と、流路切換手段と、を
備え、融解運転では冷凍機の運転を停止させることによ
り、過冷却解除部と氷蓄熱槽との間を連通する氷水流路
に氷が付着して閉塞し氷水が流れにくくなったとして
も、加熱器を用いてその閉塞を短時間で開通することが
できる。従って、氷蓄熱槽への氷の蓄熱時間のロスを極
めて短時間にし、ランニングコストの増加を抑制するこ
とができる。
【0087】また、加熱器の利用に際しては、冷凍機を
停止しても冷凍機の凝縮器の予熱を利用でき、あるいは
冷却器を運転し外気から熱を取得して利用することもで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における氷蓄熱装
置を示す構成図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態の氷蓄熱装置にお
ける冷凍機の冷媒の状態を表したモリエル線図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態の氷蓄熱装置にお
ける冷凍機の予熱器の概略構成図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態における氷蓄熱装
置を示す構成図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態における氷蓄熱装
置を示す構成図である。
【図6】 本発明の第4の実施の形態における氷蓄熱装
置を示す構成図である。
【符号の説明】
1,41,81 氷蓄熱装置 3 冷凍機 5,5a,5b 過冷却器 7,7a,7b 過冷却解除槽 9 氷蓄熱槽 11 冷却塔(冷却器) 13 氷 15 冷水(水) 19 予熱器 21 蒸発器 23 圧縮機 25 凝縮器 27 膨張弁(減圧装置) 43 加熱器 45a,45b,45c,45d,45e,45f ブ
ライン流路切替弁(第2流路切替手段) 49a,49b,49c 流路切替弁(第1流路切替手
段) 51a,51b バイパス流路切替弁(第1流路切替手
段) 64 氷水流路 65 冷却水流路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸発器と圧縮機と凝縮器と減圧装置を有
    する冷凍機と、水と氷を貯える氷蓄熱槽と、この氷蓄熱
    槽から供給される冷水を冷凍機における蒸発器で冷却さ
    れたブラインにより過冷却状態に冷却する過冷却器とを
    備え、過冷却器で生成した過冷却水の過冷却状態を解除
    して氷を生成し、この氷を前記氷蓄熱槽に貯える氷蓄熱
    装置において、 氷蓄熱槽から過冷却器に流れる冷水を冷凍機の液冷媒の
    顕熱によって加熱する予熱器を備えることを特徴とする
    氷蓄熱装置。
  2. 【請求項2】 蒸発器と圧縮機と凝縮器と減圧装置を有
    する冷凍機と、冷凍機の凝縮器に冷却水流路を介して冷
    却水を供給し冷凍機の冷媒を冷却する冷却器と、水と氷
    を貯える氷蓄熱槽と、この氷蓄熱槽から供給される冷水
    を分流して冷凍機における蒸発器で冷却されたブライン
    により過冷却状態に冷却する複数の過冷却器と、各過冷
    却器で生成した過冷却水の過冷却状態を解除して氷を生
    成する複数の過冷却解除部とを備え、この過冷却解除部
    で生成された氷を冷水と共に氷水として氷水流路を介し
    前記氷蓄熱槽に供給する氷蓄熱装置において、 前記氷蓄熱槽から前記過冷却器に流れる冷水を前記冷凍
    機の液冷媒の顕熱によって加熱する予熱器と、 前記冷却器から冷凍機の凝縮器に流れる冷却水により氷
    蓄熱槽から過冷却器に導かれる冷水を加熱する加熱器
    と、 過冷却器により過冷却水を生成する通常運転では前記加
    熱器をバイパスして冷水を氷蓄熱槽から過冷却器に流
    し、氷水流路内部の凍結により氷水が流れにくくなった
    場合にその凍結部位を融解する融解運転では冷水を前記
    加熱器に通して加熱し氷蓄熱槽から過冷却器に流す第1
    流路切換手段と、 前記通常運転では各過冷却器に蒸発器のブラインを供給
    し、前記融氷運転では氷水流路の凍結部位に氷水を供給
    可能な一方の過冷却器へのブラインの供給を停止する第
    2流路切替手段と、 を備えることを特徴とする氷蓄熱装置。
  3. 【請求項3】 蒸発器と圧縮機と凝縮器と減圧装置を有
    する冷凍機と、冷凍機の凝縮器に冷却水流路を介して冷
    却水を供給し冷凍機の冷媒を冷却する冷却器と、水と氷
    を貯える氷蓄熱槽と、この氷蓄熱槽から供給される冷水
    を冷凍機における蒸発器で冷却されたブラインにより過
    冷却状態に冷却する過冷却器と、過冷却器で生成した過
    冷却水の過冷却状態を解除して氷を生成する過冷却解除
    部とを備え、この過冷却解除部で生成された氷を冷水と
    共に氷水として氷水流路を介し前記氷蓄熱槽に供給する
    氷蓄熱装置において、 前記氷蓄熱槽から前記過冷却器に流れる冷水を前記冷凍
    機の液冷媒の顕熱によって加熱する予熱器と、 前記冷却器から冷凍機の凝縮器に流れる冷却水により氷
    蓄熱槽から過冷却器に流れる冷水を加熱する加熱器と、 過冷却器により過冷却水を生成する通常運転では前記加
    熱器をバイパスして冷水を氷蓄熱槽から過冷却器に流
    し、氷水流路内部の凍結により氷水が流れにくくなった
    場合にその凍結部位を融解する融解運転では冷水を前記
    加熱器に通して加熱し氷蓄熱槽から過冷却器に流す流路
    切換手段と、 を備え、前記融氷運転では冷凍機の運転を停止すること
    を特徴とする氷蓄熱装置。
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