JP6115914B2 - 硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池正極用活物質として有用な硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂及びその用途に関する。
リチウム二次電池は、充放電容量が高く、高出力化が可能な二次電池であり、現在、主として携帯電子機器用の電源として用いられており、更に、今後普及が予想される電気自動車用の電源として期待されている。しかしながら、これらの用途に用いる場合、特に、自動車用電源として用いる場合には、コストダウンと省スペース化が求められており、また、現在の主要用途である携帯電子機器用としては、更なる短小軽薄化が要望されている。
現在使用されているリチウム二次電池では、正極電極材料として、コバルト、ニッケルなどのレアメタルと呼ばれる希少資源を用いるものが主流であり、より資源的に有利な電池材料が要望されている。
硫黄は、資源的に豊富で安価な材料であり、しかもリチウム二次電池用正極活物質として用いた場合に、理論的には既知の正極材料の中で最大容量を有する材料であり、現在市販されている中で最も使われているコバルト酸リチウム正極材料に比べて約6倍の電気容量が得られるとされており、正極材料としての実用化が望まれている。
しかしながら、硫黄とリチウムとの化合物は、リチウム二次電池用の非水系電解液として用いられているエチレンカーボネートやジメチルカーボネート等の非水系溶媒に可溶性であるため、これを正極材料として用いると、電解液への溶出により次第に劣化し電池容量が低下するという問題点がある。また、電解液への溶出を抑えるためにポリマー電解質や固体電解質を用いる方法も報告されているが、抵抗が高くなり室温や低温では駆動し難いために高温で駆動する必要があり、出力が低いなどの問題もある。
従って、非水系溶媒に対する硫黄の溶出を抑制して、硫黄含有材料をリチウム二次電池の正極材料として実用化できれば、リチウム二次電池の容量増加や、軽量化・省スペース化等が実現できる。また、ポリマー電解質や固体電解質ではなく、非水系溶媒からなる電解液を用いることで、室温や低温での駆動も可能となる。
硫黄の非水系溶媒への溶出を抑制する試みとして、-CS-CS-結合や-S-S-結合でつながった硫黄系ポリマー物質が提案されている(下記非特許文献1参照)。しかしながら、この硫黄系ポリマー物質を正極材料として用いる場合には、放電時にLiとSが結合することにより、ポリマーが切断されて反応の可逆性が失われ、電池としてのサイクル特性が低下するという問題点がある。
また、下記特許文献1には、炭素と硫黄を主な構成要素とするポリ硫化カーボンが記載されている。このポリ硫化カーボンは、安定性が良好で充放電サイクル特性が優れているとされているが、例えば、集電体としてアルミニウム箔を用いた実施例9では、充放電10サイクル目で活物質当り610mAh/gを示していた放電容量が、50サイクル目では146mAh/gまで劣化しており、サイクル特性が十分に改善されているとはいえない。これは、該ポリ硫化カーボンが、直鎖状不飽和ポリマーに硫黄を付加させている構造であるため、充放電サイクルにおいて-CS-CS-結合や-S-S-結合が容易に切れてポリマーが低分子化して電解液に溶解するなどの原因が考えられる。
更に、該ポリ硫化カーボンの合成方法は非常に煩雑で、合成には多段階の工程と時間を要するという欠点がある。しかも、該ポリ硫化カーボンは、導電性が十分ではなく、このため、正極活物質として用いる場合には、多量の導電助剤の添加が必要であり、電極重量当りの容量が低くなるという問題点もある。
サイクル特性やその他の特性に優れた硫黄含有材料を製造する試みとして、特許文献2には、硫黄粉末とポリアクリロニトリル粉末を含む原料粉末を混合し、硫黄蒸気の流出を防止しつつ、非酸化性雰囲気で加熱する硫黄変性ポリアクリロニトリルの製造方法が記載されている。
しかしながら、特許文献2記載の硫黄変性ポリアクリロニトリルにおいても十分な電気容量を有しているとはいえず、さらなる高容量化が望まれている。
特開2002−154815号公報 再公表2010/044437号公報
ポリマーリチウム電池 著/植谷慶雄 出版/(株)シーエムシー
本発明は、上記従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、リチウム二次電池用の正極材料として用いられる硫黄系材料において、より高容量な硫黄系正極材料を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、アクリロニトリル等のニトリル基含有単量体と様々な単量体とを共重合させてニトリル基含有共重合体を合成し、そのニトリル基含有共重合体をさらに硫黄で変性させた硫黄変性ニトリル基含有共重合体が、リチウム二次電池用正極材料として高容量を有することを見出し、本発明として提案するものである。
即ち、本発明は、ニトリル基含有単量体単位70〜99.9モル%と該ニトリル基含有単量体単位と重合可能な単量体単位0.1〜30モル%とを含有するニトリル基含有共重合体樹脂に、該ニトリル基含有共重合体樹脂100重量部に対して50〜1000重量部の硫黄物質を作用させて得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂であって、前記ニトリル基含有単量体単位が、アクリル系ニトリル基含有単量体単位、シアン系ニトリル基含有単量体単位およびフマル系ニトリル基含有単量体単位からなる群から選択される1種以上を含有することを特徴とする硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂、また、前記ニトリル基含有単量体単位と重合可能な単量体単位が、アクリル酸エステル単量体単位、カルボン酸ビニル単量体単位およびアミド基含有単量体単位からなる群から選択される1種以上を含有することを特徴とする硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を提供するものである。
本発明によれば、上記ニトリル基含有単量体単位70〜99.9モル%と該ニトリル基含有単量体単位と重合可能な上記単量体単位0.1〜30モル%とを含有するニトリル基含有共重合体樹脂に、該ニトリル基含有共重合体樹脂100重量部に対して50〜1000重量部の硫黄物質を作用させて得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂であることにより、単体のニトリル基含有単量体を硫黄で変性させた硫黄変性ニトリル基含有樹脂に比べて高容量のリチウム電池正極材料とすることができる。
この理由として、ニトリル基含有単量体をこれと重合可能な単量体と共重合させることで、ガラス転移点(Tg)が下がって柔らかくなり、これにより硫黄とニトリル基含有共重合体樹脂が反応しやすくなったことが考えられる。これにより、硫黄をより多く又はより低温でも最終合成物質中に導入することができるようになり、また、原料に従来よりも粗大な粒子を使用したとしても硫黄を導入しやすくなる。
また、従来の硫黄変性ポリアクリロニトリルと同様、非水系溶媒に対する溶出が抑制され、優れたサイクル特性を有するリチウム二次電池正極材料とすることができる。
本発明の硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、重合性官能基を2個以上含有する単量体単位を含有してもよく、該重合性官能基を2個以上含有する単量体単位の含有量が、全単量体単位の0.05〜10モル%であることが好ましい。
これにより、ニトリル基含有共重合体樹脂のポリマー鎖間に架橋構造が形成され、より高容量なリチウム電池正極材料とすることができる。
ニトリル基含有単量体単位と重合可能な単量体単位は、下記式5で表されるアクリル酸エステル単量体単位を含有することができる。但し、式中、Rは炭素数0〜18の炭化水素基、又は芳香族基であり、Rは水素、ハロゲン基、又はヒドロキシル基である。
ニトリル基含有単量体単位と重合可能な単量体単位は、下記式6で表されるカルボン酸ビニル単量体単位を含有することができる。但し、式中、Rは炭素数0〜18の炭化水素基、又は芳香族基であり、Rは水素又はハロゲン基である。
ニトリル基含有単量体単位と重合可能な単量体単位は、アミド基含有単量体単位を含有することができ、該アミド基含有単量体単位が、下記式7で表されるN−ビニルカルボン酸アミド単量体単位、又は下記式8で表される(N−アルキル)アクリルアミド単量体単位であることが好ましい。但し、式中、R及びRは水素又は炭素数1〜5の炭化水素基である。
ニトリル基含有単量体単位と重合可能な単量体として上記単量体を用いることにより、より高容量のリチウム二次電池用正極活物質とすることができる。
本発明には、本発明の硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を活物質として含むリチウム二次電池用正極、および該正極を構成要素として含むリチウム二次電池も含まれる。
このリチウム二次電池用正極、および該正極を構成要素として含むリチウム二次電池は、従来の硫黄系材料を正極活物質として用いたリチウム二次電池よりも高容量であり、非常に有用である。
本発明によれば、非常に高容量であり、非水系溶媒への溶出が抑制され、優れたサイクル特性を有するリチウム二次電池用正極並びにリチウム二次電池を提供することができる。
比較例1の硫黄系材料を正極活物質としたときの充放電曲線を表すグラフである。 比較例1の硫黄系材料を正極活物質としたときのサイクル特性を表すグラフである。 実施例1の硫黄系材料を正極活物質としたときの充放電曲線を表すグラフである。 実施例1の硫黄系材料を正極活物質としたときのサイクル特性を表すグラフである。 実施例2の硫黄系材料を正極活物質としたときの充放電曲線を表すグラフである。 実施例2の硫黄系材料を正極活物質としたときのサイクル特性を表すグラフである。 実施例3の硫黄系材料を正極活物質としたときの充放電曲線を表すグラフである。 実施例3の硫黄系材料を正極活物質としたときのサイクル特性を表すグラフである。 実施例4の硫黄系材料を正極活物質としたときの充放電曲線を表すグラフである。 実施例4の硫黄系材料を正極活物質としたときのサイクル特性を表すグラフである。 実施例5の硫黄系材料を正極活物質としたときの充放電曲線を表すグラフである。 実施例5の硫黄系材料を正極活物質としたときのサイクル特性を表すグラフである。 硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂の製造方法において用いられる反応装置を模式的に示す概略図である。 硫黄変性ポリアクリロニトリルのラマンスペクトルを示す図面である。 導電助剤を添加した状態で熱処理して得られた硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を模式的に示す図面である。 硫黄粉末及びニトリル基含有共重合体樹脂粉末を集電体に充填した状態で加熱して得られる電極を模式的に示す図面である。
以下、本発明の硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂及びその用途の実施形態について説明する。
本発明の硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、ニトリル基含有単量体単位70〜99.9モル%と該ニトリル基含有単量体単位と重合可能な単量体単位0.1〜30モル%とを含有するニトリル基含有共重合体樹脂に、該ニトリル基含有共重合体樹脂100重量部に対して50〜1000重量部の硫黄物質を作用させて得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂である。
<ニトリル基含有単量体単位>
ニトリル基含有単量体としては、アクリロニトリル及びメタアクリロニトリルのようなアクリル系ニトリル基含有単量体、α−シアノアクリレート及びジシアノビニリデンのようなシアン系ニトリル基含有単量体、フマロニトリルのようなフマル系ニトリル基含有単量体を用いることができる。これらの中では、重合のし易さやコストパフォーマンスの点および、加熱時の環化形成の点から、アクリロニトリルが好ましい。
これらのニトリル基含有単量体は、単独で、又は二種類以上組み合わせて用いることが出来る。
アクリル系ニトリル基含有単量体のうち、(メタ)アクリロニトリル単量体単位は、下記式9に示す構造式で表される。
シアン系ニトリル基含有単量体のうち、α−シアノアクリレート単位は、下記式10に示す構造式で表される。
上記ニトリル基含有単量体の含有量は、70〜99.9モル%であることが好ましく、85〜99モル%であることがより好ましい。ニトリル基含有単量体が70モル%未満の場合、硫黄物質と接触する樹脂の表面積が低下して電池容量が低下する恐れがある。ニトリル基含有単量体が99.9モル%を超える場合、十分な容量の向上効果が得られず好ましくない。
ニトリル基含有単量体の含有量は、ニトリル基含有単量体と重合可能な単量体重合性不飽和ビニル単量体のガラス転移温度などの物性を考慮して、決定することがより好ましい。
<ニトリル基含有単量体と重合可能な単量体単位>
ニトリル基含有単量体と重合可能な単量体単位としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレートやラウリルアクリレート、アクリル酸などのアクリル酸エステル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニル単量体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド基含有単量体を用いることができ、また、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、弗化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル単量体;マレイン酸イミド、フェニルマレイミドなどのマレイミド類;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体;イタコン酸、クロトン酸などの2個以上のカルボキシル基を含有する単量体;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル単量体を用いることができる。
これらのニトリル基含有単量体と重合可能な単量体単位は、単独で、又は二種類以上組み合わせて、用いることが出来る。
アクリル酸エステル単量体は、下記式11に示す構造式で表される。
カルボン酸ビニル単量体は、下記式12に示す構造式で表される。
アミド基含有単量体のうち、N−ビニルカルボン酸アミド単量体単位は下記式13、(N−アルキル)アクリルアミド単量体単位は下記式14に示す構造式で表される。
ハロゲン化ビニル単量体は、下記式15に示す構造式で表される。
芳香族ビニル単量体は、下記式16に示す構造式で表される。
上記ニトリル基含有単量体と重合可能な単量体単位の含有量は、0.1〜30モル%であることが好ましく、1〜15モル%であることがより好ましい。ニトリル基含有単量体と重合可能な単量体単位が30モル%より多いと、硫黄物質と接触する樹脂の表面積が低下して電池容量が低下する恐れがある。ニトリル基含有単量体と重合可能な単量体単位が0.1モル%未満の場合、十分な容量の向上効果が得られず好ましくない。
ニトリル基含有単量体と重合可能な単量体の選定と含有量はガラス転移温度などの物性を考慮して、決定することが望ましい。
<重合性官能基を2個以上含有する単量体>
硫黄物質で処理する前の樹脂のガラス転移温度等の物性を考慮して、重合性官能基を2個以上含有する単量体を加えても良い。重合性官能基を2個以上有する単量体の種類は特に制限はなく、例えば、ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリル酸エステル類;N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどのビス(メタ)アクリルアミド類;トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリル酸エステル類;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のシアヌレート系単量体;ブタジエン、イソプレンなどのジエン類、アリルメタクリレートなどが挙げられる。
上記重合性官能基を2個以上含有する単量体の含有量は、0.05〜10モル%、好ましくは0.1〜10モル%であることが望ましい。重合性官能基を2個以上含有する単量体が導入されれば、ニトリル基含有共重合体樹脂のポリマー鎖間に架橋構造が形成される。2個以上含有する単量体の含有量は、得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂の放電容量を考慮して決定することが望ましい。
<ニトリル基含有共重合体樹脂の製造方法>
本発明のニトリル基含有共重合体樹脂は、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合など公知の方法を用いて製造することができる。環境低負荷な水を重合溶剤として使用できる懸濁重合、乳化重合より得ることが望ましい。
<重合開始剤>
懸濁重合に用いる重合開始剤としては、重合開始効率等に優れることから、水溶性重合開始剤が好ましい。水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過酸化水素等の水溶性過酸化物;2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド等の水溶性アゾ化合物が挙げられる。過硫酸塩等の酸化剤は、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイト等の還元剤、及び硫酸、硫酸鉄、硫酸銅等の重合促進剤と組み合わせて、レドックス系開始剤として用いることもできる。
これらの中では、共重合体の製造が容易であることから、過硫酸塩が好ましい。
<連鎖移動剤>
懸濁重合では、分子量調節等の目的で、連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては、例えば、メルカプタン化合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレンダイマーが挙げられる。これらの中では、臭気が少なく取扱いが容易であることから、α−メチルスチレンダイマーが好ましい。
<溶媒>
懸濁重合では、得られる共重合体の粒子径を調節するため、水以外の溶媒を加えることができる。
水以外の溶媒としては、例えば、NMP、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメチルウレア等のウレア類;γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン等のラクトン類;プロピレンカーボネート等のカーボネート類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート等のエステル類;ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム類;トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン等のスルホン類;メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類が挙げられる。
これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<界面活性剤>
重合体を乳化重合で製造する場合、界面活性剤を用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル等のノニオン系界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルアミン等のカチオン系界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂の製造方法>
(a)原料
上記の製造方法で得られたニトリル基含有共重合体樹脂粉末に硫黄粉末を作用させることにより、本発明の硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を得ることができる。
硫黄粉体の粒径については、特に限定的ではないが、篩いを用いて分級した際に、150μm〜40μm程度の範囲内にあるものが好ましく、100μm〜40μm程度の範囲内にあるものがより好ましい。
ニトリル基含有共重合体樹脂粉末としては、重量平均分子量が10,000〜3000,000程度の範囲内にあるものが好ましい。また、ニトリル基含有共重合体樹脂の粒径については、電子顕微鏡によって観察した際に、0.5〜50μm程度の範囲内にあるものが好ましく、1〜10μm程度の範囲内にあるものがより好ましい。
硫黄粉末とニトリル基含有共重合体樹脂粉末の混合割合については、特に限定的ではないが、ニトリル基含有共重合体樹脂粉末100重量部に対して、硫黄粉体を50〜1000重量部程度とすることが好ましく、50〜500重量部程度とすることがより好ましく、150〜350重量部程度とすることが更に好ましい。
(b)硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂の製造方法
上記した硫黄の粉末とニトリル基含有共重合体樹脂の粉末を原料として用い、硫黄の流出を防止しつつ、非酸化性雰囲気下において原料粉末を加熱する。これにより、ニトリル基含有共重合体樹脂の閉環反応と同時に、蒸気状態の硫黄がニトリル基含有共重合体樹脂と反応して、硫黄によって変性されたニトリル基含有共重合体樹脂が得られる。
硫黄の流出を防止しつつ加熱する方法の一例として、密閉された雰囲気中で加熱する方法を採用できる。この場合、密閉された雰囲気としては、加熱によって発生する硫黄の蒸気が散逸しない程度の密閉状態が保たれていればよい。
また、非酸化性雰囲気としては、酸化反応が進行しない程度の低酸素濃度とした減圧状態;窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気;硫黄ガス雰囲気等とすればよい。
密閉状態の非酸化性雰囲気とするための具体的な方法については特に限定はなく、例えば、硫黄蒸気が散逸しない程度の密閉性が保たれる容器中に原料を入れて、容器内を減圧状態又は不活性ガス雰囲気として加熱すればよい。その他、硫黄粉末とニトリル基含有共重合体樹脂の粉末の混合物を、アルミニウムラミネートフィルム等の硫黄の蒸気と反応を生じない材料で真空包装した状態で加熱してもよい。この場合、発生した硫黄蒸気によって包装材料が破損しないように、例えば、水を入れたオートクレーブ等の耐圧容器中に、包装された原料を入れて加熱し、発生した水蒸気で包装材の外部から加圧する状態とすることが好ましい。この方法によれば、包装材料の外部から水蒸気によって加圧されるので、硫黄蒸気によって包装材料が膨れて破損することが防止される。
硫黄粉体とニトリル基含有共重合体樹脂粉体は、単に混合しただけの状態でも良いが、例えば、混合物をペレット状に成形した状態としてもよい。
加熱温度は、250〜500℃程度とすることが好ましく、250〜450℃程度とすることがより好ましく、250〜400℃程度とすることがさらに好ましい。
加熱時間については、特に限定的ではなく、実際の加熱温度によって異なるが、通常、上記した温度範囲内に10分〜10時間程度保持すればよく、30分〜6時間程度保持することが好ましい。この方法によれば、この様な短時間で硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を形成することが可能である。
また、硫黄の流出を防止しつつ加熱する方法のその他の例として、反応によって生成する硫化水素を排出する開口部を有する反応容器中で、硫黄蒸気を還流させながら硫黄粉末とニトリル基含有共重合体樹脂粉末を含む原料粉末を加熱する方法を採用できる。この場合、硫化水素を排出するための開口部は、発生した硫黄蒸気がほぼ完全に液化して還流し、開口部からの硫黄蒸気の流出を防止できる位置に設ければよい。例えば、反応容器内の温度が100℃以下程度となる部分に開口部を設けることによって、反応によって生成する硫化水素については該開口部から外部に排出されるが、硫黄蒸気は開口部の部分では凝縮して、外部に排出されることなく反応容器中に戻すことができる。
この方法で使用できる反応装置の一例の概略図を図13に示す。図13に示す装置では、原料粉末を収容した反応容器を電気炉中に入れ、反応容器の上部は、電気炉から露出した状態としている。このような装置を用いることによって、反応容器の上部は、電気炉中の反応容器の温度より低い温度となる。この際、反応容器の上部の温度が硫黄蒸気が液化する温度であればよい。図13に示す反応容器では、該反応容器の上部は、シリコーンゴム製の栓をして、この栓に硫化水素を排出するための開口部と、不活性ガスを導入するための開口部を設けている。更に、シリコーンゴム製の栓には、原料温度を測定するために熱電対が設置されている。シリコーンゴム製の栓は、下に凸状の形状であり、この部分で凝縮して液化した硫黄は、容器下部に滴下する。反応容器は、例えば、アルミナタンマン管、耐熱ガラス管等の熱や硫黄による腐食に対して強い材料を用いることが好ましい。シリコーンゴム製の栓は、例えば、フッ素樹脂製のテープで腐食防止のための処理が施されている。
反応容器内を非酸化性雰囲気とするためには、例えば、加熱初期には、不活性ガス導入口から、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを導入して不活性ガス雰囲気とすればよい。原料の温度が上昇すると徐々に硫黄蒸気が発生するので、析出した硫黄によって不活性ガス導入口が閉塞することを避けるために、原料の温度が100℃程度以上となると、不活性ガス導入口を閉じることが好ましい。その後加熱を続けることによって、発生する硫化水素とともに不活性ガスが排出されて、反応容器内は、主として硫黄蒸気雰囲気となる。
この場合の加熱温度も、密閉された雰囲気中で加熱する方法と同様に、250〜500℃程度とすることが好ましく、250〜450℃程度とすることがより好ましく、250〜400℃程度とすることがさらに好ましい。反応時間についても、上記した方法と同様に250〜500℃の温度範囲に10分〜10時間程度保持すればよいが、通常は、反応容器の内部が上記した温度範囲に達した後、加熱を停止すれば、反応は発熱を伴うため、上記した温度範囲に必要な時間保持されることになる。また、発熱反応による昇温分を含めて最高温度が上述の加熱温度に達するように加熱条件を制御することが必要である。尚、反応は発熱を伴うために、毎分10℃以下の昇温速度が望ましい。
この方法では、反応中に生じた余分な硫化水素ガスが除去されて、反応容器内は硫黄の液体と蒸気で満たされる状態が保持されており、密閉容器中で反応を行なう場合よりも硫黄粉末とニトリル基含有共重合体樹脂との反応を促進させることができる。
反応容器から排出された硫化水素は、過酸化水素水、アルカリ水溶液等を通過させることによって、硫黄の沈殿を形成して処理すればよい。
反応容器内が所定の反応温度に達した後、加熱をやめて自然冷却して、生成した硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂と硫黄の混合物を取り出せばよい。
この方法によれば、この様な簡便な方法で高い電気容量の硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を得ることができる。
(c)硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂
上記した方法によれば、ニトリル基含有共重合体樹脂の閉環反応と、硫黄とニトリル基含有共重合体樹脂との反応が同時に生じて、硫黄によって変性されたニトリル基含有共重合体樹脂が得られる。
得られた硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、元素分析の結果、炭素、窒素、及び硫黄を含み、更に、少量の酸素及び水素を含む場合もある。
上記した製造方法の内で、密閉された雰囲気中で加熱する方法によれば、得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、元素分析の結果より、該硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂中の含有量として、炭素が40〜60質量%、硫黄が15〜30質量%、窒素が10〜25質量%、水素が1〜5質量%程度の範囲となる。
また、上記した製造方法の内で、硫化水素ガスを排出しながら加熱する方法では、得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、硫黄の含有量が大きくなり、元素分析とXPS測定によるピーク面積比の計算結果より、該硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂中の含有量として、炭素が25〜50質量%、硫黄が25〜55質量%、窒素が10〜20質量%、酸素が0〜5質量%、水素が0〜5質量%程度の範囲となる。この方法で得られる硫黄含有量の大きい硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、正極活物質として使用した際には、電気容量が大きくなる。
また、この方法によって得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、室温から900℃まで20℃/分の昇温速度で加熱した際の熱重量分析による重量減は400℃時点で10%以下である。一方、硫黄粉末とニトリル基含有共重合体樹脂粉末の混合物を同様の条件で加熱すると120℃付近から重量減少が認められ、200℃以上になると急激に硫黄の消失に基づく大きな重量減が認められる。
更に、該硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、CuKα線によるX線回折の結果、硫黄に基づくピークが消失して、回折角(2θ)が20〜30°付近にブロードなピークのみが確認される。
これらの点から、上記した方法で得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、硫黄とニトリル基含有共重合体樹脂の単純な混合物ではなく、硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂では、硫黄は、(1)閉環の進行したニトリル基含有共重合体樹脂と結合した状態と、(2)ニトリル基含有共重合体樹脂の環化反応により生成した共役構造が形成するグラフェン状化合物の層間や細孔内の、(1)(2)どちらか一方、または(1)(2)の両方に存在していると考えられる。
ニトリル基含有共重合体樹脂としてポリアクリロニトリルを用いた場合において、ポリアクリロニトリル100重量部に対して、硫黄原子を200重量部用いて得られた硫黄変性ポリアクリロニトリルについてのラマンスペクトルの一例を図14に示す。該硫黄変性ポリアクリロニトリルは、ラマンスペクトルにおいて、ラマンシフトの1331cm-1付近に主ピークが存在し、かつ、200cm-1〜1800cm-1の範囲で1548cm-1、939cm-1、479cm-1、381cm-1、317cm-1付近にピークが存在することを特徴とするものである。上記したラマンシフトのピークについては、ポリアクリロニトリルに対する硫黄原子の比率を変更した場合にも同様のピーク位置に観測されるものであり、この方法で得られる硫黄変性ポリアクリロニトリルを特徴づけるものである。317cm-1、381cm-1、479cm-1、939cm-1のピークは共役構造に起因する振動に帰属され、ポリアクリロニトリルの環化反応に由来する。1331cm-1、1548cm-1のピークはそれぞれカーボンのDバンドとGバンドに対応し、硫黄が脱水素反応を起こして黒鉛化を促進したものと考えられる。環化反応によって分子内の共役系が多くなるため前駆体は白色から黒色へ変色した。また、474cm-1のピークについてはC-S結合またはS-S結合に由来する振動であると推定されるが、低波数領域であるため同定が難しい。上記した各ピークは、上記したピーク位置を中心としては、ほぼ±8cm-1の範囲内に存在することができる。尚、上記したラマンシフトは、日本分光社製 RMP-320(励起波長λ=532nm、グレーチング:1800gr/mm、分解能:3cm-1)で測定したものである。尚、ラマンスペクトルは、入射光の波長や分解能の違いなどにより、ピークの数が変化することや、ピークトップの位置がずれることがある。
上記した方法で得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、原料物質であるニトリル基含有共重合体樹脂を加熱した場合に起こる閉環反応が3次元的に縮合環を形成して進むという特性を持つため、硫黄と混合して加熱することで、ニトリル基含有共重合体樹脂が三次元的に架橋した硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂構造が形成される。
(d)熱処理工程
上記した方法で得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、更に、非酸化性雰囲気中で加熱することによって、未反応の硫黄が存在する場合に、これを除去することができる。これにより、より高純度の硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を得ることができる。熱処理後の硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、充放電のサイクル特性がより向上する。
非酸化性雰囲気としては、例えば、酸化反応が進行しない程度の低酸素濃度とした減圧状態;窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気等でよい。
加熱温度は、150〜400℃程度とすることが好ましく、150〜300℃程度とすることがより好ましく、200〜300℃程度とすることが更に好ましい。加熱時間が高くなりすぎると、硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂が分解することがあるので注意が必要である。
熱処理時間は、特に限定的ではないが、通常、1〜6時間程度とすることが好ましい。
リチウム二次電池用正極
上記した硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、リチウム二次電池用正極活物質として有効に使用できる。該硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を用いる正極は、通常のリチウム二次電池用正極と同様の構造とすることができる。
例えば、上記した方法で得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂に、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)等の導電助剤、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidine DiFluoride:PVdF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)等のバインダー、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の溶媒を加えてペースト状として、これを集電体に塗布することによって正極を作製することができる。導電助剤の使用量については、特に限定的ではないが、例えば、硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂100重量部に対して、20〜100重量部程度とすることができる。また、バインダーの使用量についても、特に限定的ではないが、例えば、硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂100重量部に対して、10〜20重量部程度とすることができる。また、その他の方法として、該硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂と、上記の導電助剤およびバインダーを混合したものを、乳鉢やプレス機を用いて混練してフィルム状とし、これを集電体へプレス機で圧着する方法によっても正極を製造することが出来る。
集電体としては、特に限定はなく、従来からリチウム二次電池用正極として使用されている材料、例えば、アルミ箔、アルミメッシュ、ステンレスメッシュなどを用いることができる。また、上記した硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、1〜3V程度という比較的低い電圧域で使用するため、従来のコバルト酸リチウムを活物質とする場合には、使用電位領域が高く、使用時に溶解する危険性があるために利用できなかったニッケルを素材とする集電体、例えば、発泡ニッケル、ニッケル不織布等も使用可能である。更に、カーボン不織布、カーボン織布なども集電体として使用でき、特に、黒鉛化度の高い炭素材料からなる不織布、織布などは、硫黄との反応性が低いために好適である。この様な黒鉛化度の高い炭素材料は、硫黄との反応性が高い水素を含まないことが好ましく、例えば、カーボン繊維の材料となるピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)やポリアクリロニトリル繊維(PAN)を、一般的にカーボン繊維と呼ばれる材料と同様に処理する方法、すなわち、非酸化性雰囲気下において、2000℃〜3200℃の温度で加熱処理して、水素を除去して黒鉛化度を高めることによって得ることができる。熱処理時間については特に限定的ではないが、通常、10分〜10時間程度の熱処理時間とすればよい。この場合の非酸化性雰囲気としては、上記した熱処理工程における非酸化性雰囲気と同様とすればよい。また、水素が完全に除去できる限りにおいては、上記の加熱温度と加熱時間より低温、短時間の熱処理でも構わない。
また、導電助剤の内で、気相法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、黒鉛等の結晶性の高い炭素材料については、ニトリル基含有共重合体樹脂の閉環反応に伴う硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂の生成反応を阻害することがないので、硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を製造する際に、原料となる硫黄粉末及びニトリル基含有共重合体樹脂粉末に加えた状態で加熱処理するのが導電性を向上させるために好ましい。特に、気相法炭素繊維(VGCF)を用いる場合には、直径が100nm〜500nm、長さが5μm〜数10μmのものが好適である。図15は、導電助剤を添加した状態で熱処理して得られた硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂の構造を模式的に示す図面である。図15に示すように、この方法では、直径数100nm程度の硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂粒子の表面や粒子間にナノレベルでの導電性ネットワークを構築することができ、より導電性に優れた正極活物質とすることができる。この場合の導電助剤の使用量については、特に限定的ではないが、硫黄粉末及びニトリル基含有共重合体樹脂粉末の合計量100重量部に対して1〜50重量部程度、好ましくは、5〜20重量部程度とすることができる。この方法で得られる炭素材料が複合化された硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂粉末は、導電性が良好であり、集電体に塗着させて正極とする際に、導電助剤やバインダー量を大幅に低減でき、電極容量密度や電極出力密度を大幅に向上させることができる。
また、集電体として、カーボン不織布(カーボンペーパー)、カーボン織布、発泡ニッケル、ニッケル不織布などの多孔質材料を用いる場合には、硫黄粉末及びニトリル基含有共重合体樹脂粉末を集電体に充填した状態で、前述した条件で加熱することによって、集電体中で硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を形成することができる。この場合には、バインダーを用いることなく、硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を集電体と一体化させることができる。その結果、得られる正極材料は、優れたサイクル特性を有することに加えて、バインダーを用いないことで電極容量密度と出力密度を更に向上させることができる。更に、硫黄粉末及びニトリル基含有共重合体樹脂粉末と共に上記した結晶性の高い炭素材料を集電体に充填して加熱処理することによって、形成される正極材料の導電性をより向上させることができる。この場合の各成分の比率については、ニトリル基含有共重合体樹脂粉末100重量部に対して、硫黄粉体を50〜500重量部程度、より好ましくは150〜350重量部程度、導電助剤となる上記の高結晶性炭素原料を1〜50重量部程度とすることができる。
上記した原料粉末を多孔質の集電体に充填する方法としては、例えば、硫黄粉末とニトリル基含有共重合体樹脂粉末に、更に、必要に応じて炭素材料を加え、これらの混合粉末を、集電体にのせ、振動を与える方法やヘラ等で押し込むなどして集電体の多孔部分へ充填する方法や、またこれとは別の方法として、例えば、硫黄粉末とニトリル基含有共重合体樹脂粉末に、更に、必要に応じて炭素材料を加え、これをN-メチル-2-ピロリドン(NMP)やアルコール等の溶媒に分散させてスラリー状として、集電体に塗布し、振動を与える方法や、真空含浸させる方法などを適宜適用すればよい。また、必要に応じて、上記スラリーを繰り返し塗布することができる。その後、前述した条件、即ち、密閉された非酸化性条件下で加熱することによって、集電体と一体化した硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を含む正極を形成することができる。
図16は、上記方法で得られた正極を模式的に示す図面である。図16に示す様に、この正極は、硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂の少なくとも一部が、多孔質体からなる電極の内部まで充填されて一体化された状態となり、活物質と集電体の間の密着性および導電性の特性が優れた電極となる。例えば、カーボン不織布を集電体に用いた場合はその繊維質の隙間に硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を保持することができる。
また、発泡ニッケルを集電体に用いた場合には、硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂粉末と発泡ニッケルの界面においてニッケル硫化物が形成され、より強固に活物質を集電体に保持することが出来る。また、上記のニッケルの硫化物はリチウム二次電池用の正極活物質としても機能する物質であるため、電池にした際に充放電容量に寄与するという利点がある。
また、カーボン不織布(カーボンペーパー)、カーボン織布などを集電体として用いる場合には、特に、前述した黒鉛化度の高い炭素材料からなる不織布(カーボンペーパー)又は織布は、硫黄との反応性が低く、これを集電体として用いることによって硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂の合成反応を阻害することなく、高い導電性を有する電極を得ることができる。
尚、アルミや銅、鉄、クロムを素材とする多孔質集電体については、原料物質を充填して反応させる場合には、表面被膜の形成により導電性が低下し易く、また、硫黄とニトリル基含有共重合体樹脂との反応によって硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を合成する際に、反応を阻害するなどの弊害があるため、この様な目的の集電体としては好ましくない。
更に、硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を集電体に付着させる方法、或いは、硫黄粉末及びニトリル基含有共重合体樹脂粉末を集電体に充填した状態で加熱する方法のいずれの方法で得られた正極についても、上記した熱処理工程と同様の方法で、非酸化性雰囲気中で加熱することによって、未反応の硫黄単体が残存する場合にこれを容易に除去できる。この熱処理によって、硫黄が電解液に溶出することを防止して、電極や電池劣化を抑えて、サイクル特性をより向上させることができる。
本発明のリチウム二次電池用正極は、その形状、厚さなどについては特に限定的ではないが、例えば、活物質を充填した後、圧縮することによって、厚さを10〜200μm、より好ましくは20〜100μm程度とすることが好ましい。従って、使用する集電体の種類、構造等に応じて、圧縮後に上記した厚さとなるように、活物質の充填量を適宜決めればよい。
リチウム二次電池
上記したリチウム二次電池用正極を用いるリチウム二次電池は、公知の手法により製造することができる。すなわち、正極材料として、上記した正極を使用し、負極材料として、公知の金属リチウム、黒鉛などの炭素系材料、シリコン薄膜などのシリコン系材料、銅−錫やコバルト−錫などの合金系材料を使用し、電解液として、公知のエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの非水系溶媒に過塩素酸リチウム、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3などのリチウム塩を0.5mol/lから1.7mol/l程度の濃度で溶解させた溶液を使用し、さらにその他の公知の電池構成要素を使用して、常法に従って、リチウム二次電池を組立てればよい。
尚、負極材料として、リチウムを含まない材料、例えば、上記した負極材料の内で、炭素系材料、シリコン系材料、合金系材料等を用いる場合には、デンドライドの発生による正負極間の短絡を生じ難い点で有利である。但し、これらのリチウムを含まない負極材料を用いる場合には、本発明の正極と組み合わせて用いると、正極及び負極がいずれもリチウムを含まないため、負極及び正極のいずれか一方、又は両方にあらかじめリチウムを挿入するリチウムプリドープ処理が必要となる。リチウムのプリドープ法としては公知の方法に従えば良く、例えば負極にリチウムをドープする場合には、対極に金属リチウムを用いて半電池を組み、電気化学的にリチウムをドープする電解ドープ法によってリチウムを挿入する方法;金属リチウム箔を電極に貼り付けたあと電解液の中に放置し電極へのリチウムの拡散を利用してドープする、貼り付けプリドープ法によりリチウムを挿入する方法、などの方法によってリチウムを挿入した後、対極と組み合わせて電池を構成すればよい。また、正極にリチウムをプリドープする場合にも、上記した電解ドープ法を利用することが出来る。
リチウムを含まない負極材料としては、特に、高容量の負極材料であるシリコン系材料が好ましく、その中でも電極厚さが薄くて体積当りの容量で有利となる薄膜シリコンがより好ましい。
本発明のリチウム二次電池用正極、および該正極を構成要素として含むリチウム二次電池は、従来の硫黄系材料を正極活物質として用いたリチウム二次電池よりも高容量であり、非常に有用である。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<ニトリル基含有共重合体樹脂の合成>
(製造例1)
攪拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備した2リットルのセパラブルフラスコに、蒸留水1300gを仕込み、窒素ガスを通気量100mL/分で15分間バブリングした。攪拌しながら60℃まで昇温し、窒素ガスの通気をフローに切り替えた。
次いで、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.2g、50質量%亜硫酸水素アンモニウム3.6g、0.01質量%硫酸鉄0.8g及び蒸留水30gを投入した。
アクリロニトリル140gに窒素ガスを15分間バブリングした後、セパラブルフラスコに30分かけて滴下投入した。60℃で3時間保持して重合を完了させた。攪拌を止めて冷却し、反応液を吸引濾過した。60℃の温水で洗浄後、80℃で24時間乾燥させた。得られた樹脂1gと硫黄5gを乳鉢で混合し、混合粉末を硫黄ガス雰囲気下中で400℃30分加熱した。ついで、減圧下で250℃で3時間加熱することにより、比較例1の硫黄系正極活物質(樹脂−1)を得た。
(製造例2)
滴下するモノマーをアクリロニトリル122gとアクリル酸18gとした以外は、製造例1と同様に調製し、実施例1の硫黄系正極活物質(樹脂−2)を得た。
(製造例3)
滴下するモノマーをアクリロニトリル119gと酢酸ビニル21gとした以外は、製造例1と同様に調製し、実施例2の硫黄系正極活物質(樹脂−3)を得た。
(製造例4)
滴下するモノマーをアクリロニトリル122gとN−ビニルホルムアミド18gとした以外は、製造例1と同様に調製し、実施例3の硫黄系正極活物質(樹脂−4)を得た。
(製造例5)
滴下するモノマーをアクリロニトリル139gとN,N’−メチレンビスアクリルアミド1gとした以外は、製造例1と同様に調製し、実施例4の硫黄系正極活物質(樹脂−5)を得た。
(製造例6)
滴下するモノマーをアクリロニトリル139.8gとN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.2gとした以外は、製造例1と同様に調製し、実施例5の硫黄系正極活物質(樹脂−6)を得た。
〈リチウム二次電池の製作〉
〔1〕正極
製造例1−6で得られた硫黄系正極活物質−伝導材複合体3mgとアセチレンブラック2.7mgとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)0.3mgとの混合物を、ヘキサンを適量加えつつ、メノウ製乳鉢でフィルム状になるまで混練し、フィルム状の正極材料を得た。この正極材料全量を、直径14mmの円形に打ち抜いたアルミニウムメッシュ(メッシュ粗さ#100)にプレス機で圧着し、80℃で一晩乾燥した。この工程で、比較例1および実施例1−5のリチウム二次電池用正極を得た。なお、この正極における伝導材はLaであり、硫黄系正極活物質と伝導材との含有比(質量比)は10:0.6であった。
〔2〕負極
負極としては、金属リチウム箔(直径14mm、厚さ500μmの円盤状、本城金属製)を用いた。
〔3〕電解液
電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒に、LiPFを溶解した非水電解質を用いた。エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとは体積比1:1で混合した。電解液中のLiPFの濃度は、1.0mol/lであった。
〔4〕電池
〔1〕、〔2〕で得られた正極および負極を用いて、コイン電池を製作した。詳しくは、ドライルーム内で、セパレータ(Celgard社製Celgard2400、厚さ25μmのポリプロピレン微孔質膜)と、ガラス不織布フィルタ(厚さ440μm、ADVANTEC社製、GA100)と、を正極と負極との間に挟装して、電極体電池とした。この電極体電池を、ステンレス容器からなる電池ケース(CR2032型コイン電池用部材、宝泉株式会社製)に収容した。電池ケースには〔3〕で得られた電解液を注入した。電池ケースをカシメ機で密閉して、比較例1および実施例1−5のリチウム二次電池を得た。
〔放電レート特性試験〕
比較例1および実施例1−5のリチウム二次電池の放電レート特性を測定した。詳しくは、各リチウム二次電池に、正極活物質の1gあたりの電流値を0.1Cとして繰り返し充放電を行った。このときのカットオフ電圧は3.0V〜1.0Vであった。温度は27℃であった。放電レート特性試験の結果を表1および図1〜12に示す。図1は比較例1の充放電曲線、図2は比較例1のサイクル特性、図3は実施例1の充放電曲線、図4は実施例1のサイクル特性、図5は実施例2の充放電曲線、図6は実施例2のサイクル特性、図7は実施例3の充放電曲線、図8は実施例3のサイクル特性、図9は実施例4の充放電曲線、図10は実施例4のサイクル特性、図11は実施例5の充放電曲線、図12は実施例5のサイクル特性を表すグラフである。
ニトリル基含有単量体と重合可能な単量体を添加せずアクリロニトリル単体を硫黄変性させた比較例1の正極活物質を用いたリチウム二次電池は、充放電1サイクル目の放電容量が857mAh/gであるのに対し、アクリル酸を添加させた実施例1、酢酸ビニルを添加させた実施例2、N−ビニルホルムアミドを添加させた実施例3、N,N’−メチレンビス(アクリルアミド)を添加させた実施例4および5は、充放電1サイクル目の放電容量がそれぞれ、897mAh/g、942mAh/g、934mAh/g、894mAh/g、931mAh/gであり、いずれも比較例1のものよりも、高い放電容量を達成できた。
本発明により得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂は、リチウム二次電池用正極活物質として好適に用いられ、この正極活物質を備えるリチウム二次電池は、例えば、移動体通信機器、携帯用電子機器、電動自転車、電動二輪車、電気自動車等の主電源等の用途に利用することが可能である。

Claims (5)

  1. ニトリル基含有単量体単位70〜99.9モル%と該ニトリル基含有単量体単位と重合可能な単量体単位0.1〜30モル%とを含有するニトリル基含有共重合体樹脂に、該ニトリル基含有共重合体樹脂100重量部に対して50〜1000重量部の硫黄物質を作用させて得られる硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂であって、
    前記ニトリル基含有単量体単位が、アクリル系ニトリル基含有単量体単位、シアン系ニトリル基含有単量体単位およびフマル系ニトリル基含有単量体単位からなる群から選択される1種以上を含有し、
    前記ニトリル基含有単量体単位と重合可能な単量体単位が、カルボン酸ビニル単量体単位およびアミド基含有単量体単位からなる群から選択される1種以上を含有することを特徴とする硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を活物質として含むリチウム二次電池用正極。
  2. 重合性官能基を2個以上含有する単量体単位を含有し、該重合性官能基を2個以上含有する単量体単位の含有量が、全単量体単位の0.05〜10モル%であることを特徴とする請求項1記載の硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を活物質として含むリチウム二次電池用正極
  3. 前記ニトリル基含有単量体単位と重合可能な単量体単位が、下記式2で表されるカルボン酸ビニル単量体単位(但し、式中、R は炭素数0〜18の炭化水素基、又は芳香族基であり、R は水素又はハロゲン基である)を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を活物質として含むリチウム二次電池用正極。
  4. 前記ニトリル基含有単量体単位と重合可能な単量体単位が、アミド基含有単量体単位を含有し、該アミド基含有単量体単位が、下記式3で表されるN−ビニルカルボン酸アミド単量体単位(但し、式中、R 及びR は水素又は炭素数1〜5の炭化水素基である)、又は下記式4で表される(N−アルキル)アクリルアミド単量体単位(但し、式中、R 及びR は水素又は炭素数1〜5の炭化水素基である)であることを特徴とする請求項1または2に記載の硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂を活物質として含むリチウム二次電池用正極。
  5. 請求項1乃至4のいずれかひとつに記載の正極を構成要素として含むリチウム二次電池。
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