JP6115552B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
1次側コイルと2次側コイルとを有する変圧器と、
前記1次側コイルと、前記1次側コイルの両端に接続される2つのリアクトルが磁気結合して構成される磁気結合リアクトルとを有するブリッジ部を含む1次側フルブリッジ回路と、
前記1次側フルブリッジ回路の正極母線に接続される第1のポートと、
前記1次側コイルのタップに接続される第2のポートと、
前記2次側コイルを有するブリッジ部を含む2次側フルブリッジ回路と、
前記2次側フルブリッジ回路の正極母線に接続される第3のポートと、
前記磁気結合リアクトルのコアに巻かれる第1のサーチコイルと、
前記変圧器のコアに巻かれる第2のサーチコイルと、
前記第1のサーチコイルの電圧と前記第2のサーチコイルの電圧と前記第1のポートの電圧とのうち前記第1のサーチコイルの電圧と前記第2のサーチコイルの電圧の少なくとも2つの電圧を合成することにより生成されるセンス電圧の変化を測定することによって、前記第1のポートの電圧と前記第3のポートの電圧を検出する検出回路とを備える、電力変換装置が提供される。
図1は、電力変換装置の一実施形態である電源装置101の構成の一例を示す図である。電源装置101は、例えば、電源回路10と、検出回路70とを備える電源システムである。電源装置101は、例えば、自動車等の車両に搭載され、車載の各負荷に配電するシステムである。
1次側フルブリッジ回路200の昇降圧比
=第2のポート60cの電圧/第1のポート60aの電圧
=δ/T
と表される。
第1の期間t2−t4内のタイミングt3では、U2,/V2がオンとなっていることから、変圧器400の2次側コイル302の両端にはポート電圧Vbが印加される。変圧器400は、ポート電圧Vbで励磁され、サーチコイル42の電圧VSTRは、変圧器400の原理から、「VSTR=−Vb/Ntr」となる。Ntrは、2次側コイル302とサーチコイル42との巻き数比(=Tb/Tsb)を表す。Tbは、2次側コイル302の巻き数を表し、Tsbは、サーチコイル42の巻き数を表す。Tsbは、Tbよりも小さい。
1次側磁気結合リアクトル204は、その極性により、同じ方向に流れる電流のみで励磁される。逆方向に流れる電流成分は、磁力がキャンセルされるからである。第1のポート60aと第3のポート60bとの間でやりとりされる電流は、1次側磁気結合リアクトル204では逆方向に流れるため、1次側磁気結合リアクトル204は励磁されない。第1のポート60aと第2のポート60cとの間でやりとりされる電流は、1次側磁気結合リアクトル204では同方向に流れるため、1次側磁気結合リアクトル204は励磁される。
VL1_A=0−Vc
VL2_A=Va−Vc
となる。したがって、1次側磁気結合リアクトル204は、タイミングt3において、VL1_AとVL2_Aとが合成された電圧VL_TOTAL_A(=Va−2×Vc)で励磁されることになる。
VL1_B=0−Vc
VL2_B=0−Vc
となる。したがって、1次側磁気結合リアクトル204は、タイミングt6において、VL1_BとVL2_Bとが合成された電圧VL_TOTAL_B(=−2×Vc)で励磁されることになる。
図1より、サーチコイル41,42及びセンス抵抗71に生ずる各電圧は、式(1)が成立する。
VR=VSL+VSTR ・・・(1)
また、各タイミングt3,t6,t9で測定される電圧も同様に式(2)、(3)、(4)で表される。
VR_A=VSL_A+VSTR_A・・・(2)
VR_B=VSL_B+VSTR_B・・・(3)
VR_C=VSL_C+VSTR_C・・・(4)
式(4)から式(2)を引くと、式(5)が得られる。
VR_C−VR_A=VSL_C+VSTR_C−VSL_A−VSTR_A・・・(5)
VSL_AとVSL_Cは等しい。なぜなら、原理上、1次側磁気結合リアクトル204は、第1のポート60aと第2のポート60cとの間に流れる電流によってのみ励磁されるからである。
VSL_A=VSL_C ・・・(6)
式(5)に式(6)を代入すると、式(7)が得られる。
VR_C−VR_A=VSL_C+VSTR_C−VSL_C−VSTR_A
=VSTR_C−VSTR_A・・・(7)
一方、電圧Vb'は、式(8)で表される。なぜなら、変圧器400の高電圧側には2次側フルブリッジ回路300にて正負逆転した電圧が印加されるが、原理上、変圧器400の低電圧側にも相似形の電圧が印加されるからである。
Vb'=(VSTR_C−VSTR_A)/2・・・(8)
式(8)に式(7)を代入すると、式(9)が得られる。
Vb'=(VR_C−VR_A)/2・・・(9)
ポート電圧Vbは、変圧器400の原理により、Vb'と巻数比Ntrで決まる。Ntrは、2次側コイル302とサーチコイル42との巻き数比(=Tb/Tsb)を表す。
Vb=Vb'×Ntr・・・(10)
式(10)に式(9)を代入することにより、式(11)を導出することができる。
Vb=(VR_C−VR_A)/2×Ntr・・・(11)
つまり、式(11)によれば、検出回路70は、第1の期間t2−t4でセンス電圧VRを測定して得られる測定値VR_Aと、第3の期間t8−t10でセンス電圧VRを測定して得られる測定値VR_Cとに基づいて、ポート電圧Vbを検出することができる。例えば、演算処理回路50は、式(11)に基づいて、ポート電圧Vbを算出することができる。
式(4)から式(3)を引くと、式(12)が得られる。
VR_C−VR_B=VSL_C+VSTR_C−VSL_B−VSTR_B・・・(12)
一方、変圧器400の原理より、式(13)が成り立つ。
Vb'=(VSTR_C−VSTR_B)・・・(13)
また、上述の通り、式(14)が成り立つ。
Va=VSL_A−VSL_B=VSL_C−VSL_B・・・(14)
式(12)の右辺の順番を並び替えて、式(13)及び式(14)を代入すると、式(15)が得られる。
VR_C−VR_B=VSL_C−VSL_B+VSTR_C−VSTR_B
=Va+Vb'・・・(15)
式(15)を変形すると、式(16)が得られる。
Va=VR_C−VR_B−Vb'・・・(16)
式(16)に式(9)を代入することにより、式(17)を導出することができる。
Va=VR_C−VR_B−(VR_C−VR_A)/2・・・(17)
つまり、式(17)によれば、検出回路70は、第1の期間t2−t4でセンス電圧VRを測定して得られる測定値VR_Aと、第2の期間t5−t7でセンス電圧VRを測定して得られる測定値VR_Bと、第3の期間t8−t10でセンス電圧VRを測定して得られる測定値VR_Cとに基づいて、ポート電圧Vaを検出することができる。例えば、演算処理回路50は、式(17)に基づいて、ポート電圧Vaを算出することができる。
ポート電圧Vcは、ポート電圧Vaとデューティ比Dによって決まり、式(18)で表すことができる(降圧コンバータの基本原理式)。
Vc=Va×D・・・(18)
例えば、演算処理回路50は、式(17)により算出されるポート電圧Vaを用いて、式(18)に基づいて、ポート電圧Vcを算出することができる。
図4は、電力変換装置の一実施形態である電源装置102の構成の一例を示す図である。電源装置101と同様の構成及び効果についての説明は省略する。検出回路74は、絶対値回路73を有する点で、図1の検出回路70と異なる。
Va=VR_C+VR_B−(VR_C−VR_A)/2・・・(19)
つまり、図4の場合、演算処理回路50は、式(19)に基づいて、ポート電圧Vaを算出することができる。なお、図4の場合、演算処理回路50は、式(11)に基づいて、ポート電圧Vbを算出することができ、式(18)に基づいて、ポート電圧Vcを算出することができる。
図5は、電力変換装置の一実施形態である電源装置103の構成の一例を示す図である。電源装置101と同様の構成及び効果についての説明は省略する。図5のサーチコイル41の一端が、1次側フルブリッジ回路200の1次側正極母線298に接続される点で、図1の場合と異なる。
図5より、サーチコイル41,42及びセンス抵抗71に生ずる各電圧は、式(21)が成立する。
VR=VSL+VSTR+Va・・・(21)
また、各タイミングt3,t6,t9で測定される電圧も同様に式(22)、(23)、(24)で表される。
VR_A=VSL_A+VSTR_A+Va・・(22)
VR_B=VSL_B+VSTR_B+Va・・(23)
VR_C=VSL_C+VSTR_C+Va・・(24)
式(24)から式(22)を引くと、式(5)が得られ、式(24)から式(23)を引くと、式(12)が得られる。つまり、Vaは、キャンセルされる。したがって、ポート電圧Va,Vb,Vcは、それぞれ、上記同様に、式(17),式(11),式(18)で表される。
20 1次側変換回路
30 2次側変換回路
41 サーチコイル(第1のサーチコイルの一例)
42 サーチコイル(第2のサーチコイルの一例)
50 演算処理回路
60a 第1のポート(第1のポートの一例)
60b 第3のポート(第3のポートの一例)
60c 第2のポート(第2のポートの一例)
62b 主機バッテリ(第2のバッテリの一例)
62c 補機バッテリ(第1のバッテリの一例)
70 検出回路
71 センス抵抗
72 AD変換器
73 絶対値回路
101,102,103 電源装置(電力変換装置の一例)
200 1次側フルブリッジ回路
202 1次側コイル
202m センタータップ
204 1次側磁気結合リアクトル
204c コア
207 1次側第1アーム回路(第1アーム回路の一例)
207m 中点(第1中点の一例)
211 1次側第2アーム回路(第2アーム回路の一例)
211m 中点(第2中点の一例)
298 1次側正極母線
299 1次側負極母線
300 2次側フルブリッジ回路
302 2次側コイル
307 2次側第1アーム回路(第3アーム回路の一例)
307m 中点(第3中点の一例)
311 2次側第2アーム回路(第4アーム回路の一例)
311m 中点(第4中点の一例)
398 2次側正極母線
399 2次側負極母線
400 変圧器
401 コア
C1 キャパシタ
U1,V1,U2,V2 上アーム
/U1,/V1,/U2,/V2 下アーム
Claims (5)
- 1次側コイルと2次側コイルとを有する変圧器と、
前記1次側コイルと、前記1次側コイルの両端に接続される2つのリアクトルが磁気結合して構成される磁気結合リアクトルとを有するブリッジ部を含む1次側フルブリッジ回路と、
前記1次側フルブリッジ回路の正極母線に接続される第1のポートと、
前記1次側コイルのタップに接続される第2のポートと、
前記2次側コイルを有するブリッジ部を含む2次側フルブリッジ回路と、
前記2次側フルブリッジ回路の正極母線に接続される第3のポートと、
前記磁気結合リアクトルのコアに巻かれる第1のサーチコイルと、
前記変圧器のコアに巻かれる第2のサーチコイルと、
前記第1のサーチコイルの電圧と前記第2のサーチコイルの電圧と前記第1のポートの電圧とのうち前記第1のサーチコイルの電圧と前記第2のサーチコイルの電圧の少なくとも2つの電圧を合成することにより生成されるセンス電圧の変化を測定することによって、前記第1のポートの電圧と前記第3のポートの電圧を検出する検出回路とを備える、電力変換装置。 - 前記1次側フルブリッジ回路と前記2次側フルブリッジ回路は、それぞれ、第1上アームと、前記第1上アームに直列に接続される第1下アームと、第2上アームと、前記第2上アームに直列に接続される第2下アームとを有し、
前記1次側フルブリッジ回路と前記2次側フルブリッジ回路の両方に関して、前記第1上アームと前記第2下アームがオンし、且つ、前記第2上アームと前記第1下アームがオフする期間を第1の期間とし、
前記1次側フルブリッジ回路と前記2次側フルブリッジ回路の両方に関して、前記第1下アームと前記第2下アームがオンし、且つ、前記第1上アームと前記第2上アームがオフする期間を第2の期間とし、
前記1次側フルブリッジ回路と前記2次側フルブリッジ回路の両方に関して、前記第1下アームと前記第2上アームがオンし、且つ、前記第1上アームと前記第2下アームがオフする期間を第3の期間とするとき、
前記検出回路は、前記第1の期間で前記センス電圧を測定して得られる第1の測定値と、前記第2の期間で前記センス電圧を測定して得られる第2の測定値と、前記第3の期間で前記センス電圧を測定して得られる第3の測定値とに基づいて、前記第1のポートの電圧を検出し、前記第1の測定値と前記第3の測定値とに基づいて、前記第3のポートの電圧を検出する、請求項1に記載の電力変換装置。 - 前記第1の測定値をVR_A、前記第2の測定値をVR_B、前記第3の測定値をVR_C、前記2次側コイルの巻き数をTb、前記第2のサーチコイルの巻き数をTsbとするとき、
前記検出回路は、
前記第1のポートの電圧を、(VR_C−VR_B)−(VR_C−VR_A)/2に基づいて算出し、
前記第3のポートの電圧を、(VR_C−VR_A)/2×(Tb/Tsb)に基づいて算出する、請求項2に記載の電力変換装置。 - 前記第1のサーチコイルの一端は、前記1次側フルブリッジ回路の正極母線に接続される、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
- 前記第1のサーチコイルの一端は、前記1次側フルブリッジ回路のグランド基準に接続される、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
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