JP5928518B2 - 電力変換装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のポート間で電力を変換する技術に関する。
従来、負荷又はバッテリが接続される複数のポート間で電力を変換する電力変換装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2011−193713号公報
電力変換装置のポートに接続される負荷が回生電力を発生させる場合、ポートから入力された回生電力の電圧(回生電圧)は、負荷の状態(例えば、モータの回転数など)によって様々な値になり得る。しかしながら、バッテリが回生電力を回収可能な電圧範囲は限られているため、回生電圧がその電圧範囲内でなければ、回生電力を回収できない場合がある。
そこで、回生電力を回収できるバッテリを適切に選択できる、電力変換装置及びその制御方法の提供を目的とする。
一つの案では、
1次側と2次側の巻き数比を1:Nとする変圧器と、
前記変圧器の1次側に設けられた1次側フルブリッジ回路と、
前記1次側フルブリッジ回路に接続された第1のポートと、
前記変圧器の1次側のセンタータップに接続された第2のポートと、
前記変圧器の2次側に設けられた2次側フルブリッジ回路と、
前記2次側フルブリッジ回路に接続された第3のポートと、
前記第1のポートから入力された回生電力が前記第2のポートに接続される第1のバッテリと前記第3のポートに接続される第2のバッテリの少なくとも一方に充電されるように、前記1次側フルブリッジ回路及び前記2次側フルブリッジ回路を制御する制御部とを備え、
前記回生電力の電圧をVR、前記第1のバッテリの放電終止電圧をVCd、前記第1のバッテリの充電終止電圧をVCc、前記第2のバッテリの放電終止電圧をVBd、前記第2のバッテリの充電終止電圧をVBc、前記1次側フルブリッジ回路のデューティ比Dの下限値をDminとするとき、
前記制御部は、(VBd/N)≦VR≦(VBc/N)を満たす場合、前記回生電力を前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリに充電できる可能性があると判断し、VCd≦VR≦(VCc/Dmin)を満たす場合、前記回生電力を前記第1のバッテリに充電できる可能性があると判断する、電力変換装置が提供される。
一態様によれば、回生電力を回収できるバッテリを適切に選択できる。
電力変換装置の構成例を示した図 制御部の構成例を示したブロック図 1次側回路及び2次側回路のスイッチング例を示したタイミングチャート 回生電力を回収可能な電圧範囲の一例を示す図 電力変換装置の制御方法の一例を示すフローチャート 回生電力のバッテリへの充電可能性の有無を判断する方法の一例を示すフローチャート 回生電力のバッテリへの充電可否を判断する方法の一例を示すフローチャート 回生電力が充電されるバッテリを選択する方法の一例を示すフローチャート 回生電力が充電されるバッテリを選択するための基準の一例を示す図 回生電力を補機バッテリに充電する方法の一例を示すフローチャート 回生電力を主機バッテリの充電する方法の一例を示すフローチャート
<電源装置101の構成>
図1は、電力変換装置の一実施形態である電源装置101の構成例を示したブロック図である。電源装置101は、例えば、電源回路10と、制御部50と、センサ部70とを備えた電源システムである。電源装置101は、例えば、自動車等の車両に搭載され、車載の各負荷に配電するシステムである。このような車両の具体例として、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車などが挙げられる。電源装置101は、エンジンを走行駆動源とする車両に搭載されてもよい。
電源装置101は、例えば、1次側高電圧系負荷61aが接続される第1入出力ポート60aと、1次側低電圧系負荷61c及び補機バッテリ(auxiliary battery)62cが接続される第2入出力ポート60cとを、1次側ポートとして有している。補機バッテリ62cは、補機バッテリ62cと同じ電圧系(例えば、12V系)で動作する1次側低電圧系負荷61cに電力を供給する1次側低電圧系電源の一例である。また、補機バッテリ62cは、例えば、補機バッテリ62cと異なる電圧系(例えば、12V系よりも高い48V系)で動作する1次側高電圧系負荷61aに、電源回路10に構成される1次側変換回路20によって昇圧された電力を供給する。補機バッテリ62cの具体例として、鉛バッテリ等の二次電池が挙げられる。
電源装置101は、例えば、2次側高電圧系負荷61b及び主機バッテリ(propulsion battery/traction battery)62bが接続される第3入出力ポート60bと、2次側低電圧系負荷61d及び2次側低電圧系電源62dが接続される第4入出力ポート60dとを、2次側ポートとして有している。主機バッテリ62bは、主機バッテリ62bと同じ電圧系(例えば、12V系及び48V系よりも高い288V系)で動作する2次側高電圧系負荷61bに電力を供給する2次側高電圧系電源の一例である。また、主機バッテリ62bは、例えば、主機バッテリ62bと異なる電圧系(例えば、288V系よりも低い72V系)で動作する2次側低電圧系負荷61dに、電源回路10に構成される2次側変換回路30によって降圧された電力を供給する。主機バッテリ62bの具体例として、リチウムイオン電池等の二次電池が挙げられる。
2次側低電圧系電源62dは、2次側低電圧系電源62dと同じ電圧系(例えば、72V系)で動作する2次側低電圧系負荷61dに電力を供給する。また、2次側低電圧系電源62dは、例えば、2次側低電圧系電源62dよりも高い電圧系(例えば、288V系)で動作する2次側高電圧系負荷61bに、電源回路10に構成される2次側変換回路30によって昇圧された電力を供給する。2次側低電圧系電源62dの具体例として、ソーラー電源(ソーラー発電装置)、商用交流電力を直流電力に変換するAC−DCコンバータ、二次電池などが挙げられる。
電源回路10は、上述の4つの入出力ポートを有し、それらの4つの入出力ポートのうちから任意の2つの入出力ポートが選択され、当該2つの入出力ポートの間で電力変換を行う機能を有する電力変換回路である。なお、電源回路10を備えた電源装置101は、少なくとも3つ以上の複数の入出力ポートを有し、少なくとも3つ以上の複数の入出力ポートのうちどの2つの入出力ポート間でも電力を変換することが可能な装置でもよい。例えば、電源回路10は、第4入出力ポート60dが無い3つの入出力ポートを有する回路でもよい。
ポート電力Pa,Pc,Pb,Pdは、それぞれ、第1入出力ポート60a,第2入出力ポート60c,第3入出力ポート60b,第4入出力ポート60dにおける入出力電力(入力電力又は出力電力)である。ポート電圧VA,VC,VB,VDは、それぞれ、第1入出力ポート60a,第2入出力ポート60c,第3入出力ポート60b,第4入出力ポート60dにおける入出力電圧(入力電圧又は出力電圧)である。ポート電流Ia,Ic,Ib,Idは、それぞれ、第1入出力ポート60a,第2入出力ポート60c,第3入出力ポート60b,第4入出力ポート60dにおける入出力電流(入力電流又は出力電流)である。
電源回路10は、第1入出力ポート60aに接続されて設けられるキャパシタC1と、第2入出力ポート60cに接続されて設けられるキャパシタC3と、第3入出力ポート60bに接続されて設けられるキャパシタC2と、第4入出力ポート60dに接続されて設けられるキャパシタC4とを備えている。キャパシタC1,C2,C3,C4の具体例として、フィルムコンデンサ、アルミニウム電解コンデンサ、セラミックコンデンサ、固体高分子コンデンサなどが挙げられる。
キャパシタC1は、第1入出力ポート60aの高電位側の端子613と、第1入出力ポート60a及び第2入出力ポート60cの低電位側の端子614との間に挿入される。キャパシタC3は、第2入出力ポート60cの高電位側の端子616と、第1入出力ポート60a及び第2入出力ポート60cの低電位側の端子614との間に挿入される。キャパシタC2は、第3入出力ポート60bの高電位側の端子618と、第3入出力ポート60b及び第4入出力ポート60dの低電位側の端子620との間に挿入される。キャパシタC4は、第4入出力ポート60dの高電位側の端子622と、第3入出力ポート60b及び第4入出力ポート60dの低電位側の端子620との間に挿入される。
キャパシタC1,C2,C3,C4は、電源回路10の内部に設けられてもよいし、電源回路10の外部に設けられてもよい。
電源回路10は、1次側変換回路20と、2次側変換回路30とを含んで構成された電力変換回路である。なお、1次側変換回路20と2次側変換回路30とは、1次側磁気結合リアクトル204及び2次側磁気結合リアクトル304を介して接続され、且つ、変圧器400(センタータップ式変圧器)で磁気結合されている。第1入出力ポート60a及び第2入出力ポート60cから構成される1次側ポートと、第3入出力ポート60b及び第4入出力ポート60dから構成される2次側ポートとは、変圧器400を介して接続されている。
1次側変換回路20は、1次側フルブリッジ回路200と、第1入出力ポート60aと、第2入出力ポート60cとを含んで構成された1次側回路である。1次側フルブリッジ回路200は、変圧器400の1次側に設けられている。1次側フルブリッジ回路200は、変圧器400の1次側コイル202と、1次側磁気結合リアクトル204と、1次側第1上アームU1と、1次側第1下アーム/U1と、1次側第2上アームV1と、1次側第2下アーム/V1とを含んで構成された1次側電力変換部である。ここで、1次側第1上アームU1と、1次側第1下アーム/U1と、1次側第2上アームV1と、1次側第2下アーム/V1は、それぞれ、例えば、Nチャネル型のMOSFETと、当該MOSFETの寄生素子であるボディダイオード(寄生ダイオード)とを含んで構成されたスイッチング素子である。当該MOSFETに並列にダイオードが追加接続されてもよい。図1には、ダイオード81,82,83,84が例示されている。
1次側フルブリッジ回路200は、第1入出力ポート60aの高電位側の端子613に接続される1次側正極母線298と、第1入出力ポート60a及び第2入出力ポート60cの低電位側の端子614に接続される1次側負極母線299とを有している。
1次側正極母線298と1次側負極母線299との間には、1次側第1上アームU1と、1次側第1下アーム/U1とを直列接続した1次側第1アーム回路207が取り付けられている。1次側第1アーム回路207は、1次側第1上アームU1及び1次側第1下アーム/U1のオンオフのスイッチング動作による電力変換動作が可能な1次側第1電力変換回路部(1次側U相電力変換回路部)である。さらに、1次側正極母線298と1次側負極母線299との間には、1次側第2上アームV1と、1次側第2下アーム/V1とを直列接続した1次側第2アーム回路211が1次側第1アーム回路207と並列に取り付けられている。1次側第2アーム回路211は、1次側第2上アームV1及び1次側第2下アーム/V1のオンオフのスイッチング動作による電力変換動作が可能な1次側第2電力変換回路部(1次側V相電力変換回路部)である。
1次側第1アーム回路207の中点207mと1次側第2アーム回路211の中点211mを接続するブリッジ部分には、1次側コイル202と1次側磁気結合リアクトル204とが設けられている。ブリッジ部分についてより詳細に接続関係について説明すると、1次側第1アーム回路207の中点207mには、1次側磁気結合リアクトル204の1次側第1リアクトル204aの一方端が接続される。そして、1次側第1リアクトル204aの他方端には、1次側コイル202の一方端が接続される。さらに、1次側コイル202の他方端には、1次側磁気結合リアクトル204の1次側第2リアクトル204bの一方端が接続される。それから、1次側第2リアクトル204bの他方端が1次側第2アーム回路211の中点211mに接続される。なお、1次側磁気結合リアクトル204は、1次側第1リアクトル204aと、1次側第1リアクトル204aと結合係数kで磁気結合する1次側第2リアクトル204bとを含んで構成される。
中点207mは、1次側第1上アームU1と1次側第1下アーム/U1との間の1次側第1中間ノードであり、中点211mは、1次側第2上アームV1と1次側第2下アーム/V1との間の1次側第2中間ノードである。
第1入出力ポート60aは、1次側フルブリッジ回路200に接続され、1次側正極母線298と1次側負極母線299との間に設けられるポートである。第1入出力ポート60aは、端子613と端子614とを含んで構成される。第2入出力ポート60cは、変圧器400の1次側のセンタータップ202mに接続され、1次側負極母線299と1次側コイル202のセンタータップ202mとの間に設けられるポートである。第2入出力ポート60cは、端子614と端子616とを含んで構成される。
センタータップ202mは、第2入出力ポート60cの高電位側の端子616に接続されている。センタータップ202mは、1次側コイル202に構成される1次側第1巻線202aと1次側第2巻線202bとの中間接続点である。
2次側変換回路30は、2次側フルブリッジ回路300と、第3入出力ポート60bと、第4入出力ポート60dとを含んで構成された2次側回路である。2次側フルブリッジ回路300は、変圧器400の2次側に設けられている。2次側フルブリッジ回路300は、変圧器400の2次側コイル302と、2次側磁気結合リアクトル304と、2次側第1上アームU2と、2次側第1下アーム/U2と、2次側第2上アームV2と、2次側第2下アーム/V2とを含んで構成された2次側電力変換部である。ここで、2次側第1上アームU2と、2次側第1下アーム/U2と、2次側第2上アームV2と、2次側第2下アーム/V2は、それぞれ、例えば、Nチャネル型のMOSFETと、当該MOSFETの寄生素子であるボディダイオード(寄生ダイオード)とを含んで構成されたスイッチング素子である。当該MOSFETに並列にダイオードが追加接続されてもよい。図1には、ダイオード85,86,87,88が例示されている。
2次側フルブリッジ回路300は、第3入出力ポート60bの高電位側の端子618に接続される2次側正極母線398と、第3入出力ポート60b及び第4入出力ポート60dの低電位側の端子620に接続される2次側負極母線399とを有している。
2次側正極母線398と2次側負極母線399との間には、2次側第1上アームU2と、2次側第1下アーム/U2とを直列接続した2次側第1アーム回路307が取り付けられている。2次側第1アーム回路307は、2次側第1上アームU2及び2次側第1下アーム/U2のオンオフのスイッチング動作による電力変換動作が可能な2次側第1電力変換回路部(2次側U相電力変換回路部)である。さらに、2次側正極母線398と2次側負極母線399との間には、2次側第2上アームV2と、2次側第2下アーム/V2とを直列接続した2次側第2アーム回路311が2次側第1アーム回路307と並列に取り付けられている。2次側第2アーム回路311は、2次側第2上アームV2及び2次側第2下アーム/V2のオンオフのスイッチング動作による電力変換動作が可能な2次側第2電力変換回路部(2次側V相電力変換回路部)である。
2次側第1アーム回路307の中点307mと2次側第2アーム回路311の中点311mを接続するブリッジ部分には、2次側コイル302と2次側磁気結合リアクトル304とが設けられている。ブリッジ部分についてより詳細に接続関係について説明すると、2次側第1アーム回路307の中点307mには、2次側磁気結合リアクトル304の2次側第1リアクトル304aの一方端が接続される。そして、2次側第1リアクトル304aの他方端には、2次側コイル302の一方端が接続される。さらに、2次側コイル302の他方端には、2次側磁気結合リアクトル304の2次側第2リアクトル304bの一方端が接続される。それから、2次側第2リアクトル304bの他方端が2次側第2アーム回路311の中点311mに接続される。なお、2次側磁気結合リアクトル304は、2次側第1リアクトル304aと、2次側第1リアクトル304aと結合係数kで磁気結合する2次側第2リアクトル304bとを含んで構成される。
中点307mは、2次側第1上アームU2と2次側第1下アーム/U2との間の2次側第1中間ノードであり、中点311mは、2次側第2上アームV2と2次側第2下アーム/V2との間の2次側第2中間ノードである。
第3入出力ポート60bは、2次側フルブリッジ回路300に接続され、2次側正極母線398と2次側負極母線399との間に設けられるポートである。第3入出力ポート60bは、端子618と端子620とを含んで構成される。第4入出力ポート60dは、変圧器400の2次側のセンタータップ302mに接続され、2次側負極母線399と2次側コイル302のセンタータップ302mとの間に設けられるポートである。第4入出力ポート60dは、端子620と端子622とを含んで構成される。
センタータップ302mは、第4入出力ポート60dの高電位側の端子622に接続されている。センタータップ302mは、2次側コイル302に構成される2次側第1巻線302aと2次側第2巻線302bとの中間接続点である。
図1において、電源装置101は、センサ部70を備えている。センサ部70は、第1乃至第4入出力ポート60a,60c,60b,60dの少なくとも一つのポートにおける入出力値Yを所定の検出周期で検出し、その検出した入出力値Yに対応する検出値Ydを制御部50に対して出力する検出手段である。検出値Ydは、入出力電圧を検出して得られた検出電圧でもよいし、入出力電流を検出して得られた検出電流でもよいし、入出力電力を検出して得られた検出電力でもよい。センサ部70は、電源回路10の内部に備えられても外部に備えられてもよい。
センサ部70は、例えば、第1乃至第4入出力ポート60a,60c,60b,60dの少なくとも一つのポートに生ずる入出力電圧を検出する電圧検出部を有している。センサ部70は、例えば、ポート電圧VAとポート電圧VCの少なくとも一方の検出電圧を1次側電圧検出値として出力する1次側電圧検出部と、ポート電圧VBとポート電圧VCの少なくとも一方の検出電圧を2次側電圧検出値として出力する2次側電圧検出部とを有している。
センサ部70の電圧検出部は、例えば、少なくとも一つのポートの入出力電圧値をモニタする電圧センサと、該電圧センサによってモニタされた入出力電圧値に対応する検出電圧を制御部50に対して出力する電圧検出回路とを有している。
センサ部70は、例えば、第1乃至第4入出力ポート60a,60c,60b,60dの少なくとも一つのポートに流れる入出力電流を検出する電流検出部を有している。センサ部70は、例えば、ポート電流Iaとポート電流Icの少なくとも一方の検出電流を1次側電流検出値として出力する1次側電流検出部と、ポート電流Ibとポート電流Idの少なくとも一方の検出電流を2次側電流検出値として出力する2次側電流検出部とを有している。
センサ部70の電流検出部は、例えば、少なくとも一つのポートの入出力電流値をモニタする電流センサと、該電流センサによってモニタされた入出力電流値に対応する検出電流を制御部50に対して出力する電流検出回路とを有している。
電源装置101は、制御部50を備えている。制御部50は、例えば、CPUを内蔵するマイクロコンピュータを備えた電子回路である。制御部50は、電源回路10の内部に備えられても外部に備えられてもよい。
制御部50は、第1乃至第4入出力ポート60a,60c,60b,60dの少なくとも一つのポートにおける入出力値Yの検出値Ydが、該ポートに設定された目標値Yoに収束するように、電源回路10による電力変換動作をフィードバック制御する。目標値Yoは、例えば、各入出力ポートに接続される負荷(例えば、1次側低電圧系負荷61c等)毎に規定される駆動条件に基づいて、制御部50又は制御部50以外の所定の装置によって設定される指令値である。目標値Yoは、電力がポートから出力されるときには出力目標値として機能し、電力がポートに入力されるときには入力目標値として機能し、目標電圧値でもよいし、目標電流値でもよいし、目標電力値でもよい。
また、制御部50は、1次側変換回路20と2次側変換回路30との間で変圧器400を介して伝送される伝送電力Pが、設定された目標伝送電力Poに収束するように、電源回路10による電力変換動作をフィードバック制御する。伝送電力は、電力伝送量とも呼ばれる。目標伝送電力は、指令伝送電力とも呼ばれる。
制御部50は、所定の制御パラメータXの値を変化させることによって、電源回路10で行われる電力変換動作をフィードバック制御し、電源回路10の第1乃至第4の各入出力ポート60a,60c,60b,60dにおける入出力値Yを調整できる。主な制御パラメータXとして、位相差φ及びデューティ比D(オン時間δ)の2種類の制御変数が挙げられる。
位相差φは、1次側フルブリッジ回路200と2次側フルブリッジ回路300との間で同じ相の電力変換回路部間でのスイッチングタイミングのずれ(タイムラグ)である。デューティ比D(オン時間δ)は、1次側フルブリッジ回路200及び2次側フルブリッジ回路300に構成される各電力変換回路部でのスイッチング波形のデューティ比(オン時間)である。
これらの2つの制御パラメータXは、互いに独立に制御されることが可能である。制御部50は、位相差φ及びデューティ比D(オン時間δ)を用いた1次側フルブリッジ回路200及び2次側フルブリッジ回路300のデューティ比制御及び/又は位相制御によって、電源回路10の各入出力ポートにおける入出力値Yを変化させる。
図2は、制御部50のブロック図である。制御部50は、1次側変換回路20の1次側第1上アームU1等の各スイッチング素子と2次側変換回路30の2次側第1上アームU2等の各スイッチング素子のスイッチング制御を行う機能を有する制御部である。制御部50は、電力変換モード決定処理部502と、位相差φ決定処理部504と、オン時間δ決定処理部506と、1次側スイッチング処理部508と、2次側スイッチング処理部510とを含んで構成される。制御部50は、例えば、CPUを内蔵するマイクロコンピュータを備えた電子回路である。
電力変換モード決定処理部502は、例えば、所定の外部信号(例えば、いずれかのポートにおける検出値Ydと目標値Yoとの偏差を表す信号)に基づいて、次に述べる電源回路10の電力変換モードA〜Lの中から動作モードを選択して決定する。電力変換モードは、第1入出力ポート60aから入力された電力を変換して第2入出力ポート60cへ出力するモードAと、第1入出力ポート60aから入力された電力を変換して第3入出力ポート60bへ出力するモードBと、第1入出力ポート60aから入力された電力を変換して第4入出力ポート60dへ出力するモードCがある。
そして、第2入出力ポート60cから入力された電力を変換して第1入出力ポート60aへ出力するモードDと、第2入出力ポート60cから入力された電力を変換して第3入出力ポート60bへ出力するモードEと、第2入出力ポート60cから入力された電力を変換して第4入出力ポート60dへ出力するモードFがある。
さらに、第3入出力ポート60bから入力された電力を変換して第1入出力ポート60aへ出力するモードGと、第3入出力ポート60bから入力された電力を変換して第2入出力ポート60cへ出力するモードHと、第3入出力ポート60bから入力された電力を変換して第4入出力ポート60dへ出力するモードIがある。
それから、第4入出力ポート60dから入力された電力を変換して第1入出力ポート60aへ出力するモードJと、第4入出力ポート60dから入力された電力を変換して第2入出力ポート60cへ出力するモードKと、第4入出力ポート60dから入力された電力を変換して第3入出力ポート60bへ出力するモードLがある。
位相差φ決定処理部504は、電源回路10をDC−DCコンバータ回路として機能させるために、1次側変換回路20と2次側変換回路30との間でのスイッチング素子のスイッチング周期運動の位相差φを設定する機能を有する。
オン時間δ決定処理部506は、1次側変換回路20と2次側変換回路30をそれぞれ昇降圧回路として機能させるために、1次側変換回路20と2次側変換回路30のスイッチング素子のオン時間δを設定する機能を有する。
1次側スイッチング処理部508は、電力変換モード決定処理部502と位相差φ決定処理部504とオン時間δ決定処理部506の出力に基づいて、1次側第1上アームU1と、1次側第1下アーム/U1と、1次側第2上アームV1と、1次側第2下アーム/V1の各スイッチング素子をスイッチング制御する機能を有する。
2次側スイッチング処理部510は、電力変換モード決定処理部502と位相差φ決定処理部504とオン時間δ決定処理部506の出力に基づいて、2次側第1上アームU2と、2次側第1下アーム/U2と、2次側第2上アームV2と、2次側第2下アーム/V2の各スイッチング素子をスイッチング制御する機能を有する。
<電源装置101の動作>
上記電源装置101の動作について、図1及び図2を用いて説明する。例えば、電源回路10の電力変換モードをモードFとして動作させることを要求する外部信号が入力されてきた場合には、制御部50の電力変換モード決定処理部502は、電源回路10の電力変換モードをモードFとして決定する。このとき、第2入出力ポート60cに入力された電力が1次側変換回路20の昇圧機能によって昇圧され、その昇圧された電力が電源回路10のDC−DCコンバータ回路としての機能によって第3入出力ポート60b側へと伝送され、さらに、2次側変換回路30の降圧機能によって降圧されて第4入出力ポート60dから出力される。
ここで、1次側変換回路20の昇降圧機能について詳細に説明する。第2入出力ポート60cと第1入出力ポート60aについて着目すると、第2入出力ポート60cの端子616は、1次側第1巻線202aと、1次側第1巻線202aに直列接続される1次側第1リアクトル204aを介して、1次側第1アーム回路207の中点207mに接続される。そして、1次側第1アーム回路207の両端は、第1入出力ポート60aに接続されているため、第2入出力ポート60cの端子616と第1入出力ポート60aとの間には昇降圧回路が取り付けられていることとなる。
さらに、第2入出力ポート60cの端子616は、1次側第2巻線202bと、1次側第2巻線202bに直列接続される1次側第2リアクトル204bを介して、1次側第2アーム回路211の中点211mに接続される。そして、1次側第2アーム回路211の両端は、第1入出力ポート60aに接続されているため、第2入出力ポート60cの端子616と第1入出力ポート60aとの間には、昇降圧回路が並列に取り付けられていることとなる。なお、2次側変換回路30は、1次側変換回路20とほぼ同様の構成を有する回路であるため、第4入出力ポート60dの端子622と第3入出力ポート60bとの間には、2つの昇降圧回路が並列に接続されていることとなる。したがって、2次側変換回路30は、1次側変換回路20と同様に昇降圧機能を有する。
次に、電源回路10のDC−DCコンバータ回路としての機能について詳細に説明する。第1入出力ポート60aと第3入出力ポート60bについて着目すると、第1入出力ポート60aには、1次側フルブリッジ回路200が接続され、第3入出力ポート60bは、2次側フルブリッジ回路300が接続されている。そして、1次側フルブリッジ回路200のブリッジ部分に設けられる1次側コイル202と、2次側フルブリッジ回路300のブリッジ部分に設けられる2次側コイル302とが結合係数kで磁気結合することで、変圧器400が巻き数1:Nのセンタータップ式変圧器として機能する。したがって、1次側フルブリッジ回路200と2次側フルブリッジ回路300でのスイッチング素子のスイッチング周期運動の位相差φを調整することで、第1入出力ポート60aに入力された電力を変換して第3入出力ポート60bに伝送させ、あるいは、第3入出力ポート60bに入力された電力を変換して第1入出力ポート60aに伝送させることができる。
図3は、制御部50の制御によって、電源回路10に構成される各アームのオンオフのスイッチング波形のタイミングチャートを示す図である。図3において、U1は、1次側第1上アームU1のオンオフ波形であり、V1は、1次側第2上アームV1のオンオフ波形であり、U2は、2次側第1上アームU2のオンオフ波形であり、V2は、2次側第2上アームV2のオンオフ波形である。1次側第1下アーム/U1、1次側第2下アーム/V1、2次側第1下アーム/U2、2次側第2下アーム/V2のオンオフ波形は、それぞれ、1次側第1上アームU1、1次側第2上アームV1、2次側第1上アームU2、2次側第2上アームV2のオンオフ波形を反転した波形である(図示省略)。なお、上下アームの両オンオフ波形間には、上下アームの両方がオンすることで貫通電流が流れないようにデッドタイムが設けられているとよい。また、図3において、ハイレベルがオン状態を表し、ローレベルがオフ状態を表している。
ここで、U1とV1とU2とV2の各オン時間δを変更することで、1次側変換回路20と2次側変換回路30の昇降圧比を変更することができる。例えば、U1とV1とU2とV2の各オン時間δを互いに等しくすることで、1次側変換回路20の昇降圧比と2次側変換回路30の昇降圧比を等しくできる。
オン時間δ決定処理部506は、1次側変換回路20と2次側変換回路30の昇降圧比が互いに等しくなるように、U1とV1とU2とV2の各オン時間δを互いに等しくする(各オン時間δ=1次側オン時間δ11=2次側オン時間δ12=時間値δa)。
1次側変換回路20の昇降圧比は、1次側フルブリッジ回路200に構成されるスイッチング素子(アーム)のスイッチング周期Tに占めるオン時間δの割合であるデューティ比Dによって決まる。同様に、2次側変換回路30の昇降圧比は、2次側フルブリッジ回路300に構成されるスイッチング素子(アーム)のスイッチング周期Tに占めるオン時間δの割合であるデューティ比Dによって決まる。1次側変換回路20の昇降圧比は、第1入出力ポート60aと第2入出力ポート60cとの間の変圧比であり、2次側変換回路30の昇降圧比は、第3入出力ポート60bと第4入出力ポート60dとの間の変圧比である。
したがって、例えば、
1次側変換回路20の昇降圧比
=第2入出力ポート60cの電圧/第1入出力ポート60aの電圧
=δ11/T=δa/T
2次側変換回路30の昇降圧比
=第4入出力ポート60dの電圧/第3入出力ポート60bの電圧
=δ12/T=δa/T
と表される。つまり、1次側変換回路20と2次側変換回路30の昇降圧比は互いに同じ値(=δa/T)である。
なお、図3のオン時間δは、1次側第1上アームU1及び1次側第2上アームV1のオン時間δ11を表すとともに、2次側第1上アームU2及び2次側第2上アームV2のオン時間δ12を表す。また、1次側フルブリッジ回路200に構成されるアームのスイッチング周期Tと2次側フルブリッジ回路300に構成されるアームのスイッチング周期Tは等しい時間である。
また、U1とV1との位相差は、例えば、180度(π)で動作させ、U2とV2との位相差も180度(π)で動作させる。U1とV1との位相差は、タイミングt2とタイミングt6との間の時間差であり、U2とV2との位相差は、タイミングt1とタイミングt5との間の時間差である。
さらに、U1とU2の位相差φuと、V1とV2の位相差φvとの少なくとも一方を変更することで、1次側変換回路20と2次側変換回路30の間で伝送される伝送電力Pを調整することができる。位相差φuは、タイミングt1とタイミングt2との間の時間差であり、位相差φvは、タイミングt5とタイミングt6との間の時間差である。
制御部50は、位相差φu及び位相差φvを調整して、1次側フルブリッジ回路200と2次側フルブリッジ回路300との間で変圧器400を介して伝送される伝送電力Pを制御する制御部の一例である。
位相差φuは、1次側第1アーム回路207のスイッチングと2次側第1アーム回路307のスイッチングとの間の時間差である。例えば、位相差φuは、1次側第1上アームU1のターンオンのタイミングt2と2次側第1上アームU2のターンオンのタイミングt1との間の差である。1次側第1アーム回路207のスイッチングと2次側第1アーム回路307のスイッチングは、制御部50によって互いに同相で(すなわち、U相で)制御される。同様に、位相差φvは、1次側第2アーム回路211のスイッチングと2次側第2アーム回路311のスイッチングとの間の時間差である。例えば、位相差φvは、1次側第2上アームV1のターンオンのタイミングt6と2次側第2上アームV2のターンオンのタイミングt5との間の差である。1次側第2アーム回路211のスイッチングと2次側第2アーム回路311のスイッチングは、制御部50によって互いに同相で(すなわち、V相で)制御される。
位相差φu>0又は位相差φv>0であれば、1次側変換回路20から2次側変換回路30に伝送電力Pを伝送し、位相差φu<0又は位相差φv<0であれば、2次側変換回路30から1次側変換回路20に伝送電力Pを伝送することができる。つまり、1次側フルブリッジ回路200と2次側フルブリッジ回路300との間で同じ相の電力変換回路部間において、上アームが先にオンした電力変換回路部を備えるフルブリッジ回路から、上アームが後にオンした電力変換回路部を備えるフルブリッジ回路に、伝送電力Pが伝送される。
例えば、図3の場合、2次側第1上アームU2のターンオンのタイミングt1が1次側第1上アームU1のターンオンのタイミングt2よりも先である。したがって、2次側第1上アームU2を有する2次側第1アーム回路307を備える2次側フルブリッジ回路300から、1次側第1上アームU1を有する1次側第1アーム回路207を備える1次側フルブリッジ回路200に、伝送電力Pが伝送される。同様に、2次側第2上アームV2のターンオンのタイミングt5が1次側第2上アームV1のターンオンのタイミングt6よりも先である。したがって、2次側第2上アームV2を有する2次側第2アーム回路311を備える2次側フルブリッジ回路300から、1次側第2上アームV1を有する1次側第2アーム回路211を備える1次側フルブリッジ回路200に、伝送電力Pが伝送される。
位相差φは、1次側フルブリッジ回路200と2次側フルブリッジ回路300との間で同じ相の電力変換回路部間でのスイッチングタイミングのずれ(タイムラグ)である。例えば、位相差φuは、1次側第1アーム回路207と2次側第1アーム回路307との対応する相間でのスイッチングタイミングのずれであり、位相差φvは、1次側第2アーム回路211と2次側第2アーム回路311との対応する相間でのスイッチングタイミングのずれである。
制御部50は、通常、位相差φuと位相差φvとを互いに等しくしたまま制御するが、伝送電力Pに要求される精度が満たされる範囲内で、位相差φuと位相差φvとを互いにずらして制御してもよい。すなわち、位相差φuと位相差φvは、通常、互いに同じ値に制御されるが、伝送電力Pに要求される精度が満たされれば、互いに異なる値に制御されてもよい。
したがって、例えば、電源回路10の電力変換モードをモードFとして動作させることを要求する外部信号が入力されてきた場合に、電力変換モード決定処理部502はモードFを選択することを決定する。そして、オン時間δ決定処理部506は、1次側変換回路20を第2入出力ポート60cに入力された電力を昇圧して第1入出力ポート60aに昇圧後の電力を出力する昇圧回路として機能させる場合の昇圧比を規定するオン時間δを設定する。なお、2次側変換回路30では、オン時間δ決定処理部506によって設定されたオン時間δによって規定された降圧比で第3入出力ポート60bに入力された電力を降圧して第4入出力ポート60dに降圧後の電力を出力する降圧回路として機能する。さらに、位相差φ決定処理部504は、第1入出力ポート60aに入力された電力を昇圧して所望の電力伝送量Pで第3入出力ポート60bに伝送するための位相差φを設定する。
1次側スイッチング処理部508は、1次側変換回路20を昇圧回路として、かつ、1次側変換回路20をDC−DCコンバータ回路の一部として機能させるように、1次側第1上アームU1と、1次側第1下アーム/U1と、1次側第2上アームV1と、1次側第2下アーム/V1の各スイッチング素子をスイッチング制御する。
2次側スイッチング処理部510は、2次側変換回路30を降圧回路として、かつ、2次側変換回路30をDC−DCコンバータ回路の一部として機能させるように、2次側第1上アームU2と、2次側第1下アーム/U2と、2次側第2上アームV2と、2次側第2下アーム/V2の各スイッチング素子をスイッチング制御する。
上記のように、1次側変換回路20および2次側変換回路30を昇圧回路あるいは降圧回路として機能させることができ、かつ、電源回路10を双方向DC−DCコンバータ回路としても機能させることができる。したがって、電力変換モードA〜Lの全てのモードの電力変換を行うことができ、換言すれば、4つの入出力ポートのうちから選択された2つの入出力ポート間で電力変換をすることができる。
制御部50により位相差φに応じて調整される伝送電力P(電力伝送量Pともいう)は、1次側変換回路20と2次側変換回路30において一方の変換回路から他方の変換回路に変圧器400を介して送られる電力であり、
P=(N×VA×VB)/(π×ω×L)×F(D,φ)
・・・式1
で表される。
なお、Nは、変圧器400の巻き数比、VAは、第1入出力ポート60aのポート電圧、VBは、第3入出力ポート60bのポート電圧である。πは、円周率、ω(=2π×f=2π/T)は、1次側変換回路20及び2次側変換回路30のスイッチングの角周波数である。fは、1次側変換回路20及び2次側変換回路30のスイッチング周波数、Tは、1次側変換回路20及び2次側変換回路30のスイッチング周期、Lは、磁気結合リアクトル204,304と変圧器400の電力伝送に関わる等価インダクタンスである。F(D,φ)は、デューティ比Dと位相差φを変数とする関数であり、デューティ比Dに依存せずに、位相差φが増加するにつれて単調増加する変数である。デューティ比D及び位相差φは、所定の上下限値に挟まれた範囲内で変化するように設計された制御パラメータである。
制御部50は、1次側ポートと2次側ポートのうち少なくとも一つの所定のポートにおけるポート電圧Vpが目標ポート電圧Voに収束するように、位相差φを変更することによって、伝送電力Pを調整する。したがって、当該所定のポートに接続される負荷の消費電流が増えても、制御部50は、位相差φを変化させることにより伝送電力Pを調整することによって、ポート電圧Vpが目標ポート電圧Voに対して落ち込むことを防止できる。
例えば、制御部50は、1次側ポートと2次側ポートのうち伝送電力Pの伝送先である片方のポートにおけるポート電圧Vpが目標ポート電圧Voに収束するように、位相差φを変更することによって、伝送電力Pを調整する。したがって、伝送電力Pの伝送先のポートに接続される負荷の消費電流が増えても、制御部50は、位相差φを上昇変化させることにより伝送電力Pを増加方向に調整することによって、ポート電圧Vpが目標ポート電圧Voに対して落ち込むことを防止できる。
<電力変換装置の制御方法>
図1において、電源回路10からポート60aを介して給電される負荷61aが回生電力PRを発生させる場合、負荷61aからの回生電力PRがポート60aに入力されることがある。回生電力PRを発生させる負荷61aの具体例として、電動パワーステアリング装置で使用されるモータ、電動スタビライザ装置で使用されるモータなどのアクチュエータが挙げられる。
負荷61aからポート60aに入力された回生電力PRの電圧(回生電圧VR)は、負荷61aの状態(例えば、モータの回転数など)によって様々な電圧値になることがある。しかしながら、主機バッテリ62b又は補機バッテリ62cがポート60aから入力された回生電力PRを回収可能な電圧範囲は、放電終止電圧から充電終止電圧までの所定の範囲に限られる必要がある。
放電終止電圧とは、放電を停止すべきバッテリの端子電圧であり、例えば、バッテリを放電しきった時の端子電圧である。放電終止電圧よりも低い電圧ではバッテリを充電することはできない。充電終止電圧とは、満充電(完全充電)時のバッテリの端子電圧である。バッテリの過充電を防止するため、充電終止電圧以下の電圧でバッテリを充電する必要がある。
また、1次側コイル202と2次側コイル302との巻き数比が1:N(N>1)である場合、ポート60aから入力された回生電力PRは、変圧器400によってN倍に昇圧され、昇圧後の電力がポート60bに出力される。そのため、ポート60bに接続される主機バッテリ62bの放電終止電圧をVBd、主機バッテリ62bの充電終止電圧をVBcとすると、ポート60aから入力される回生電圧VRの許容範囲は、(VBd/N)以上(VBc/N)以下の電圧範囲に限られる。したがって、ポート60aから入力された回生電圧VRが(VBd/N)未満又は(VBc/N)を超える場合、ポート60aから入力された回生電力PRを主機バッテリ62bで回収できないため、電力の無駄が大きくなる。
そこで、制御部50は、図4に示されるように、センサ部70により検出された回生電圧VRが(VBd/N)≦VR≦(VBc/N)を満たす場合、回生電力PRを補機バッテリ62cと主機バッテリ62bの両方に充電できる可能性があると判断する。一方、制御部50は、1次側フルブリッジ回路200を降圧回路として機能させることにより、ポート電圧VCを回生電圧VRよりも低い電圧(すなわち、デューティ比D(≦1)と回生電圧VRとの乗算値(D×VR))に制御できる。したがって、制御部50は、図4に示されるように、センサ部70により検出された回生電圧VRがVCd≦VR≦(VCc/Dmin)を満たす場合、回生電力PRを補機バッテリ62cに充電できる可能性があると判断する。
なお、補機バッテリ62cの放電終止電圧をVCd、補機バッテリ62cの充電終止電圧をVCc、1次側フルブリッジ回路200のデューティ比Dの下限値をDminとする。下限値Dminは、1次側フルブリッジ回路200のデューティ比Dがとり得る最小値である。下限値Dminは、例えば、PWM制御の分解能、動作周波数、スイッチング素子の応答速度などから決まる値である。
このように、制御部50は、センサ部70により検出された回生電圧VRの電圧値に応じて、回生電力PRを充電できる可能性があるバッテリを判断できるため、回生電力PRを回収できるバッテリを適切に選択できる。
そして、制御部50は、回生電圧VRが(VBd/N)≦VR≦(VBc/N)を満たしていれば、主機バッテリ62bだけでなく補機バッテリ62cにも回生電力PRを充電できる可能性があると判断できるので、回生電力PRの回収先の候補を増やすことができる。また、制御部50は、回生電圧VRがVCd≦VR≦(VCc/Dmin)を満たしていれば、回生電力PRを補機バッテリ62cに充電できる可能性があると判断できるので、回生電力PRを回収可能な電圧範囲を範囲VR1から範囲VR2に広げることができる。
図5は、電源装置101の制御方法の一例を示すフローチャートである。図5に示される制御方法は、制御部50によって実行される。制御部50は、回生電力PRが補機バッテリ62cと主機バッテリ62bの少なくとも一方に充電されるように、1次側フルブリッジ回路200及び2次側フルブリッジ回路300のスイッチングを制御する。制御部50は、まず、回生電力PRをどのバッテリに充電できる可能性があるのかを判断し、その判断結果に応じて、1次側フルブリッジ回路200及び2次側フルブリッジ回路300のスイッチングを制御する。
ステップS10で、制御部50は、ポート60aから回生電力PRが入力された場合、回生電力PRを主機バッテリ62b又は補機バッテリ62cに充電できる可能性があるか否かを判断する。制御部50は、例えば、ポート電圧VAの上昇、ポート60aから流入する電流の増加、ポート60aから流入する電力の増加の少なくとも一つをセンサ部70により検出することによって、回生電力PRがポート60aから入力されたか否かを判断するとよい。
図6は、回生電力PRのバッテリへの充電可能性の有無を判断するステップS10の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS11で、制御部50は、例えば、センサ部70により所定電圧値Vth以上のポート電圧VAを回生電圧VRとして取得する。ステップS12で、制御部50は、センサ部70により取得された回生電圧VRが(VBd/N)≦VR≦(VBc/N)を満たすか否かを判断する。
制御部50は、センサ部70により取得された回生電圧VRが(VBd/N)≦VR≦(VBc/N)を満たすと判断した場合、ステップS13で、回生電力PRを主機バッテリ62bと補機バッテリ62cの両方に充電できる可能性があると判断する(図4参照)。一方、制御部50は、センサ部70により取得された回生電圧VRが(VBd/N)≦VR≦(VBc/N)を満たさないと判断した場合、ステップS14で、回生電力PRを回収できる可能性があるバッテリは補機バッテリ62cのみであると判断する(図4の斜線部参照)。
なお、図1,4において、電源回路10の故障防止のため、補機バッテリ62cでも回生電力PRを回収できないVCd未満又は(VCc/Dmin)を超える回生電圧VRは、ポート60aに接続される負荷61a側で出力されないように調整されているとする。
図5のステップS20で、制御部50は、回生電力PRを回収できる可能性があるバッテリは補機バッテリ62cのみであるとステップS10で判断したか否かを判定する。制御部50は、回生電力PRを回収できる可能性があるバッテリは補機バッテリ62cのみであると判断した場合、ステップS60の処理を実行する。一方、制御部50は、回生電力PRを回収できる可能性があるバッテリは補機バッテリ62cのみではない(つまり、回生電力PRを補機バッテリ62cと主機バッテリ62bの両方に充電できる可能性がある)と判断した場合、ステップS30の処理を実行する。
ステップS30で、制御部50は、主機バッテリ62bと補機バッテリ62cのそれぞれについて、回生電力PRを実際に充電できるかどうかを判断する。制御部50は、例えば、回生電力PRの入力によりバッテリに印可される電圧が、そのバッテリの端子電圧よりも高いか否かに応じて、そのバッテリに回生電力PRを充電できるか否かを判断できる。制御部50は、回生電力PRの入力によりバッテリに印可される電圧が、そのバッテリの端子電圧よりも高い場合、回生電力PRをそのバッテリに充電できると判断し、回生電力PRの入力によりバッテリに印可される電圧が、そのバッテリの端子電圧よりも低い場合、回生電力PRをそのバッテリに充電できないと判断する。バッテリの端子電圧は、そのバッテリが接続されるポートの電圧にほぼ等しい。
図7は、回生電力PRのバッテリへの充電可否を判断するステップS30の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS32で、制御部50は、ステップS11で検出された回生電圧VRが、ステップS31でセンサ部70により検出されたポート電圧VBをNで除算した値(VB/N)よりも高いか否かによって、回生電力PRを主機バッテリ62bに充電できるか否かを判断する。なぜならば、制御部50は、回生電力PRが変圧器400でN倍に昇圧されて主機バッテリ62bに印可される電圧が、主機バッテリ62bの端子電圧(すなわち、ポート電圧VB)よりも高い場合、回生電力PRを主機バッテリ62bに充電できると判断できるからである。
制御部50は、回生電圧VRがVB/Nよりも高いと判断した場合、ステップS33で、回生電力PRを主機バッテリ62bに充電できると判断する。一方、制御部50は、回生電圧VRがVB/N以下と判断した場合、ステップS34で、回生電力PRを主機バッテリ62bに充電できないと判断する。
ステップS35で、制御部50は、ステップS11で検出された回生電圧VRが、ステップS31でセンサ部70により検出されたポート電圧VCよりも高いか否かによって、回生電力PRを補機バッテリ62cに充電できるか否かを判断する。なぜならば、制御部50は、回生電力PRが1次側フルブリッジ回路200でデューティ比Dに従って降圧されて補機バッテリ62cに印可される電圧が、補機バッテリ62cの端子電圧(すなわち、ポート電圧VC)よりも高い場合、回生電力PRを補機バッテリ62cに充電できると判断できるからである。デューティ比Dは、Dminから1.0までの範囲で制御可能であるので、回生電圧VRがポート電圧VCよりも高ければ、デューティ比Dが例えば1.0に設定されることで、回生電力PRを補機バッテリ62cに充電することができる。
制御部50は、回生電圧VRがVCよりも高いと判断した場合、ステップS36で、回生電力PRを補機バッテリ62cに充電できると判断する。一方、制御部50は、回生電圧VRがVC以下と判断した場合、ステップS37で、回生電力PRを補機バッテリ62cに充電できないと判断する。
図5のステップS40で、制御部50は、回生電力PRが実際に充電されるバッテリを選択する。図8は、回生電力PRが実際に充電されるバッテリを選択するステップS40の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS42で、制御部50は、ステップS11で検出された回生電圧VRから、ステップS41でセンサ部70により検出されたポート電圧VBをNで除算した値(VB/N)を減算した第1の電圧差VdiffBを算出する。ステップS43で、制御部50は、ステップS11で検出された回生電圧VRから、ステップS41でセンサ部70により検出されたポート電圧VCをデューティ比Dで除算した値(VC/D)を減算した第2の電圧差VdiffCを算出する。
VdiffBがVdiffCよりも大きい場合、回生電力PRの入力によりバッテリに印可される電圧とそのバッテリの端子電圧との差は、主機バッテリ62bの方が補機バッテリ62cよりも大きくなる。よって、制御部50は、VdiffBがVdiffCよりも大きい場合、回生電力PRを補機バッテリ62cに充電せずに主機バッテリ62bに充電する動作を1次側フルブリッジ回路200及び2次側フルブリッジ回路300にさせることで、回生電力PRを補機バッテリ62cに充電するよりも効率よく短時間で主機バッテリ62bに充電できる。
一方、VdiffCがVdiffBよりも大きい場合、回生電力PRの入力によりバッテリに印可される電圧とそのバッテリの端子電圧との差は、補機バッテリ62cの方が主機バッテリ62bよりも大きくなる。よって、制御部50は、VdiffCがVdiffBよりも大きい場合、回生電力PRを主機バッテリ62bに充電せずに補機バッテリ62cに充電する動作を1次側フルブリッジ回路200及び2次側フルブリッジ回路300にさせることで、回生電力PRを主機バッテリ62bに充電するよりも効率よく短時間で補機バッテリ62cに充電できる。
また、制御部50は、ステップS44のように、VdiffBからVdiffCを減算した減算値Vjudgeを算出してもよい。この場合、制御部50は、ステップS45で減算値Vjudgeに従って、図9に示されるように、回生電力PRが充電されるバッテリを決定する。
図9は、減算値Vjudgeと、回生電力PRが充電されるバッテリとの関係の一例を示す図である。制御部50は、Vjudgeが第1の閾値β(>0)以上の場合、回生電力PRが充電されるバッテリとして主機バッテリ62bを選択する。あるいは、制御部50は、Vjudgeが第1の閾値βよりも小さな第2の閾値α(<0)未満の場合、回生電力PRが充電されるバッテリとして補機バッテリ62cを選択する。あるいは、制御部50は、Vjudgeが閾値α以上閾値β未満の場合、回生電力PRが充電されるバッテリとして補機バッテリ62cと主機バッテリ62bの両方を選択する。
図5のステップS50で、制御部50は、回生電力PRが充電されるバッテリとしてステップS40で選択されたバッテリが補機バッテリ62cのみである場合、ステップS60で、回生電力PRを補機バッテリ62cのみに充電する。あるいは、制御部50は、回生電力PRが充電されるバッテリとしてステップS40で選択されたバッテリが主機バッテリ62bのみである場合、ステップS70で、回生電力PRを主機バッテリ62bのみに充電する。あるいは、制御部50は、回生電力PRが充電されるバッテリとしてステップS40で選択されたバッテリが補機バッテリ62cと主機バッテリ62bの両方である場合、ステップS80で、回生電力PRを補機バッテリ62cと主機バッテリ62bの両方に充電する。
図10は、回生電力PRを補機バッテリ62cに充電する図5のステップS60の処理の一例を示すフローチャートである。
制御部50は、ステップS61で、位相差φを零に設定する。位相差φが零に設定されることにより、回生電力PRに応じた伝送電力Pが2次側フルブリッジ回路300側に伝送されることを防止でき、回生電力PRが主機バッテリ62bに充電されることを防止できる。
制御部50は、ステップS62で、1次側フルブリッジ回路200のデューティ比Dを、補機バッテリ62cの充電終止電圧VCcをステップS11で検出された回生電圧VRで除算した値(VCc/VR)に設定する。1次側フルブリッジ回路200のデューティ比DがVCc/VRに設定されることにより、回生電力PRを充電終止電圧VCcで補機バッテリ62cに充電できる。
制御部50は、ステップS63で、回生電力PRのポート60aへの入力が終了したか否かを判断する。例えば、制御部50は、回生電圧VRが所定電圧値Vth未満に低下したことがセンサ部70により検出された場合、回生電力PRのポート60aへの入力が終了したと判断する。
制御部50は、回生電力PRのポート60aへの入力が終了したと判断した場合、ステップS64で、位相差φを調整して伝送電力Pを制御しデューティ比Dを調整して昇降圧比を制御する通常のフィードバック制御に切り替える。
図11は、回生電力PRを主機バッテリ62bに充電する図5のステップS70の処理の一例を示すフローチャートである。
制御部50は、ステップS71で、1次側フルブリッジ回路200から2次側フルブリッジ回路300に伝送される伝送電力Pが最大値になるように、1次側フルブリッジ回路200のデューティ比Dを最適値(例えば、0.5)に設定する。同様に、制御部50は、ステップS72で、1次側フルブリッジ回路200から2次側フルブリッジ回路300に伝送される伝送電力Pが最大値になるように、位相差φの絶対値を最適値(例えば、所定の上限値)に設定する。デューティ比D及び位相差φが最適値に設定されることにより、回生電力PRの主機バッテリ62bへの充電が完了するまでの時間を短縮できる。
制御部50は、ステップS73で、回生電力PRのポート60aへの入力が終了したか否かを判断する。例えば、制御部50は、回生電圧VRが所定電圧値Vth未満に低下したことがセンサ部70により検出された場合、回生電力PRのポート60aへの入力が終了したと判断する。
制御部50は、回生電力PRのポート60aへの入力が終了したと判断した場合、ステップS74で、位相差φを零に戻してから、ステップS75で、位相差φを調整して伝送電力Pを制御しデューティ比Dを調整して昇降圧比を制御する通常のフィードバック制御に切り替える。
以上、電力変換装置及びその制御方法を実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
例えば、上述の実施形態では、スイッチング素子の一例として、オンオフ動作する半導体素子であるパワーMOSFETを挙げた。しかしながら、スイッチング素子は、例えば、IGBT、MOSFETなどの絶縁ゲートによる電圧制御型パワー素子でもよいし、バイポーラトランジスタでもよい。
また、第1入出力ポート60aに接続可能な電源があってもよい。また、第3入出力ポート60bに接続可能な電源があり、且つ、第4入出力ポート60dに接続可能な電源が無くてもよい。第3入出力ポート60bに接続可能な電源が無く、且つ、第4入出力ポート60dに接続可能な電源があってもよい。
また、本発明は、少なくとも3つ以上の複数の入出力ポートを有し、少なくとも3つ以上の複数の入出力ポートのうちどの2つの入出力ポート間でも電力を変換することが可能な電力変換装置に適用できる。例えば、本発明は、図1に例示された4つの入出力ポートのうちいずれか一つの入出力ポートが無い構成を有する電源装置に対しても適用できる。例えば、第4入出力ポート60dは無くてもよく、第4入出力ポート60dが無い場合、キャパシタC4、センタータップ302m及び2次側磁気結合リアクトル304は無くてもよい。
また、上述の説明において、1次側を2次側と定義し、2次側を1次側と定義してもよい。上述の説明では、伝送電力Pが2次側ポートから1次側ポートに伝送される場合を例示したが、伝送電力Pが1次側ポートから2次側ポートに伝送される場合に上述の説明を適用できる。
10 電源回路
20 1次側変換回路
30 2次側変換回路
50 制御部
60a 第1入出力ポート(第1のポートの一例)
60b 第3入出力ポート(第3のポートの一例)
60c 第2入出力ポート(第2のポートの一例)
60d 第4入出力ポート(第4のポートの一例)
62b 主機バッテリ(第2のバッテリの一例)
62c 補機バッテリ(第1のバッテリの一例)
70 センサ部
81,82,83,84,85,86,87,88,185,186,187,188 ダイオード
92,93,94 スイッチ
101電源装置(電力変換装置の一例)
200 1次側フルブリッジ回路
202 1次側コイル
202m センタータップ
204 1次側磁気結合リアクトル
207 1次側第1アーム回路
211 1次側第2アーム回路
207m,211m 中点
298 1次側正極母線
299 1次側負極母線
300 2次側フルブリッジ回路
302 2次側コイル
302m センタータップ
304 2次側磁気結合リアクトル
307 2次側第1アーム回路
311 2次側第2アーム回路
307m,311m 中点
398 2次側正極母線
399 2次側負極母線
400 変圧器
C* キャパシタ
U*,V* 上アーム
/U*,/V* 下アーム

Claims (7)

  1. 1次側と2次側の巻き数比を1:Nとする変圧器と、
    前記変圧器の1次側に設けられた1次側フルブリッジ回路と、
    前記1次側フルブリッジ回路に接続された第1のポートと、
    前記変圧器の1次側のセンタータップに接続された第2のポートと、
    前記変圧器の2次側に設けられた2次側フルブリッジ回路と、
    前記2次側フルブリッジ回路に接続された第3のポートと、
    前記第1のポートから入力された回生電力が前記第2のポートに接続される第1のバッテリと前記第3のポートに接続される第2のバッテリの少なくとも一方に充電されるように、前記1次側フルブリッジ回路及び前記2次側フルブリッジ回路を制御する制御部とを備え、
    前記回生電力の電圧をVR、前記第1のバッテリの放電終止電圧をVCd、前記第1のバッテリの充電終止電圧をVCc、前記第2のバッテリの放電終止電圧をVBd、前記第2のバッテリの充電終止電圧をVBc、前記1次側フルブリッジ回路のデューティ比Dの下限値をDminとするとき、
    前記制御部は、(VBd/N)≦VR≦(VBc/N)を満たす場合、前記回生電力を前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリに充電できる可能性があると判断し、VCd≦VR≦(VCc/Dmin)を満たす場合、前記回生電力を前記第1のバッテリに充電できる可能性があると判断する、電力変換装置。
  2. 前記第2のポートの電圧をVC、前記第3のポートの電圧をVBとするとき、
    前記制御部は、前記回生電力を前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリに充電できる可能性があると判断し、且つ、VR>(VB/N)を満たす場合、前記回生電力を前記第2のバッテリに充電できると判断し、
    前記制御部は、前記回生電力を前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリに充電できる可能性があると判断し、且つ、VR>VCを満たす場合、前記回生電力を前記第1のバッテリに充電できると判断する、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記第2のポートの電圧をVC、前記第3のポートの電圧をVBとするとき、
    前記制御部は、VRからVB/Nを減算した第1の電圧差が、VRからVC/Dを減算した第2の電圧差よりも大きい場合、前記回生電力を前記第2のバッテリに充電し、前記第2の電圧差が前記第1の電圧差よりも大きい場合、前記回生電力を前記第1のバッテリに充電する、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  4. 前記制御部は、前記第1の電圧差から前記第2の電圧差を減算した減算値が第1の閾値以上の場合、前記回生電力を前記第2のバッテリに充電し、前記減算値が前記第1の閾値よりも小さな第2の閾値未満の場合、前記回生電力を前記第1のバッテリに充電し、前記減算値が前記第2の閾値以上前記第1の閾値未満の場合、前記回生電力を前記第1のバッテリと前記第2のバッテリに充電する、請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記制御部は、前記回生電力を前記第1のバッテリに充電する場合、前記1次側フルブリッジ回路のスイッチングと前記2次側フルブリッジ回路のスイッチングとの位相差を零に設定し、前記デューティ比DをVCc/VRに設定する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御部は、前記回生電力を前記第2のバッテリに充電する場合、前記1次側フルブリッジ回路から前記2次側フルブリッジ回路に伝送される伝送電力が最大値になるように、前記デューティ比Dと、前記1次側フルブリッジ回路のスイッチングと前記2次側フルブリッジ回路のスイッチングとの位相差とを設定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  7. 1次側と2次側の巻き数比を1:Nとする変圧器と、
    前記変圧器の1次側に設けられた1次側フルブリッジ回路と、
    前記1次側フルブリッジ回路に接続された第1のポートと、
    前記変圧器の1次側のセンタータップに接続された第2のポートと、
    前記変圧器の2次側に設けられた2次側フルブリッジ回路と、
    前記2次側フルブリッジ回路に接続された第3のポートとを備え、
    前記第1のポートから入力された回生電力が前記第2のポートに接続される第1のバッテリと前記第3のポートに接続される第2のバッテリの少なくとも一方に充電されるように、前記1次側フルブリッジ回路及び前記2次側フルブリッジ回路を制御する、電力変換装置の制御方法であって、
    前記回生電力の電圧をVR、前記第1のバッテリの放電終止電圧をVCd、前記第1のバッテリの充電終止電圧をVCc、前記第2のバッテリの放電終止電圧をVBd、前記第2のバッテリの充電終止電圧をVBc、前記1次側フルブリッジ回路のデューティ比Dの下限値をDminとするとき、
    (VBd/N)≦VR≦(VBc/N)を満たす場合、前記回生電力を前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリに充電できる可能性があると判断し、VCd≦VR≦(VCc/Dmin)を満たす場合、前記回生電力を前記第1のバッテリに充電できる可能性があると判断する、電力変換装置の制御方法。
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