JP2013212023A - 双方向電力変換装置 - Google Patents

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崇 竹内
Hiroo Ito
広雄 伊藤
Shinichiro Kuniyasu
慎一郎 國保
Yasuhiro Koike
靖弘 小池
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Abstract

【課題】損失を低減するようにした双方向電力変換装置を提供する。
【解決手段】トランス6の3次巻線6cに接続されたLV(低圧)バッテリ充電系に切替スイッチ回路18を設け、充電モード時はスイッチ回路18のリレー路を下側に接続してトランス6による結合で充電電流をコイル13、スイッチ素子16、リレー路、低圧側コイル19を経て低圧側コンデンサ21に流して充電する。一方、走行モード時は高圧バッテリHVから低電圧バッテリLVを充電するように、スイッチ回路18のリレー路を上側に接続し、コイル13、スイッチ素子16、ダイオード17をバイパスして低電圧バッテリLVを充電する際の電圧を調整する回路部に電流が流れないようする。こうすることで電力変換における損失を低減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、双方向電力変換装置に関する。
下記特許文献1は、充電時には、第2二次巻線に誘起された低圧交流出力がスイッチング回路6により降圧され、二次側整流回路8により整流されて副バッテリ7を充電し、運行時には、主バッテリ4の電力が両動作回路5により高周波の交流に変換され、上述の第2二次巻線に誘起された交流出力が導通状態のスイッチング回路6を通過し、二次側整流回路8により整流されて副バッテリ7を充電するようにした充電装置を開示している。
特開平8−154311号公報(図1)
特許文献1では、一次側のAC/DCコンバータのスイッチング動作に同期して副バッテリに整流した電力を供給する回路におかれたスイッチング回路6を一次側のAC/DCコンバータのスイッチング動作を制御する制御回路とは異なる制御回路により制御して副バッテリの充電電圧が適正になるように制御していた。しかし、素子による損失を低減することについては考慮されていなかった。
そこで本発明は、損失を低減するようにした双方向電力変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の双方向電力変換装置は、第1方向の電力変換時に1入力多出力となる電力変換回路と、前記第1方向とは異なる第2方向への電力変換時に損失を低減する損失低減回路と、を有することを特徴とする。
上記において、前記損失低減回路は、リレー路と短絡線とが接続されて構成され、前記第1方向と前記第2方向とで前記リレー路が切替えられることを特徴とする。
また上記において、前記電力変換回路は、前記第1方向の電力変換時に1入力2出力となり、該2出力の一方には、第1のバッテリが接続され、該2出力の他方には、前記第1のバッテリよりも容量の小さい第2のバッテリが接続されることを特徴とする。
また上記において、前記電力変換回路は、絶縁型DCDCコンバータであり、トランスの1次側と前記絶縁型DCDCコンバータの入力側との間には第1の電力変換回路が接続され、トランスの2次側と前記第1のバッテリとの間には第2の電力変換回路が接続され、トランスの3次側と前記第2のバッテリとの間には第3の電力変換回路が接続されることを特徴とする。
また上記において、前記損失低減回路は、前記第3の電力変換回路内の回路素子をバイパスするものであることを特徴とする。
さらに、前記損失低減回路は、前記第2の電力変換回路の回路素子をバイパスするものであることを特徴とする。
またさらに、前記損失低減回路は、前記第1の電力変換回路から前記第2の電力変換回路にかけて各回路内の回路素子をバイパスするものであることを特徴とする。
上記において、前記リレー路は、前記第2の電力変換回路内に設けられていることを特徴とする。
また上記において、さらに、前記リレー路は、前記第1の電力変換回路内に設けられていることを特徴とする。
上記において、前記損失低減回路は、多入力1出力からなる多相回路で構成され、前記多入力1出力における多入力部の各相にはスイッチング素子がそれぞれ設けられており、前記スイッチング素子は同時にオンされることを特徴とする。
また上記において、前記電力変換回路は、前記第1方向の電力変換時に1入力2出力となり、該2出力の一方には、第1のバッテリが接続され、該2出力の他方には、前記第1のバッテリよりも容量の小さい第2のバッテリが接続されることを特徴とする。
また上記において、前記電力変換回路は、絶縁型DCDCコンバータであり、トランスの1次側と前記絶縁型DCDCコンバータの入力側の間には第1の電力変換回路が接続され、トランスの2次側と前記第1のバッテリとの間には第2の電力変換回路が接続され、トランスの3次側と前記第2のバッテリとの間には第3の電力変換回路が接続されることを特徴とする。
さらに前記損失低減回路は、前記第3の電力変換回路内の回路要素を多相化するものであることを特徴とする。
本発明の双方向電力変換装置によれば、損失を低減することができる。
本発明の第1の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電中動作(充電モード)を説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係る双方向電力変換装置の走行中動作(走行モード)を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電動作(充電モード)の流れを説明するための図(その1)である。 本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電動作(充電モード)の流れを説明するための図(その2)である。 本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電動作(充電モード)の流れを説明するための図(その3)である。 本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電動作(充電モード)の流れを説明するための図(その4)である。 本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電動作(充電モード)の流れを説明するための図(その5)である。 本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の走行動作(走行モード)の流れを説明するための図である。 本発明の第4の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る双方向電力変換装置の動作を説明する図である。 本発明の第6の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を応用した第1の応用例を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を応用した第2の応用例を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を応用した第3の応用例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を示す図である。図1において本発明の第1の実施形態に係る双方向電力変換装置は、第1方向の電力変換時に1入力多出力となる電力変換回路と、上記第1方向とは異なる第2方向への電力変換時に損失を低減する損失低減回路と、を備えて構成される。そして上記損失低減回路は、リレー路と短絡線とが接続されて構成され、上記第1方向と上記第2方向とで上記リレー路が切替えられる。また上記電力変換回路は、上記第1方向の電力変換時に1入力2出力となり、該2出力の一方には、第1のバッテリが接続され、該2出力の他方には、上記第1のバッテリよりも容量の小さい第2のバッテリが接続される。また上記電力変換回路は、絶縁型DCDCコンバータで構成され、トランスの1次側と上記絶縁型DCDCコンバータの入力側との間には第1の電力変換回路が接続され、トランスの2次側と上記第1のバッテリとの間には第2の電力変換回路が接続され、トランスの3次側と上記第2のバッテリとの間には第3の電力変換回路が接続される。さらに、上記において損失低減回路は、リレー路と短絡線により上記第3の電力変換回路内の回路素子をバイパスするようにして構成される。
より具体的には、上記において第1の電力変換回路は、平滑回路4のコイル、コンデンサ及びQ11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路に相当し、第2の電力変換回路は、Q21〜Q24から成るブリッジ型スイッチング回路、高圧側コイル8及び高圧側コンデンサ10に相当し、第3の電力変換回路は、整流ダイオードD31,D32、コイル13、コンデンサ14、スイッチ素子16、低圧側コイル19、低圧側出力コンデンサ21及びダイオード17に相当する。また上記において、第1方向は充電モードに相当し、第2方向は走行モードに相当する。さらに、第1のバッテリは車両高圧バッテリに相当し、第2のバッテリは車両低圧バッテリに相当する。また上記において、損失低減回路は、切替スイッチ回路18によりLV制御用のコイル素子13、スイッチ素子16、ダイオード素子17をバイパスする側に切り替えられたリレー路と、コイル素子13、スイッチ素子16及びダイオード素子17を短絡して回路素子を機能させないようにする短絡線23に相当している。またLV制御用のコイル素子13及びコンデンサ14は、整流ダイオードD31,D32で整流した電力をエネルギーとして一旦保持するとともに制御回路3が電圧検知器15の値の監視し、その監視結果に応じてスイッチ素子16を制御して車両低圧バッテリの充電電圧を調整する電圧調整部を構成している。なお以下の図2及び図3の説明においても同様であるが、平滑回路4の前段には、AC入力(図示せず)を不図示の(ダイオード)ブリッジ回路、昇圧回路を介して整流した直流電圧に変換するAC/DC変換部が設けられている。また、第1方向の場合、制御回路1は、高圧側の電流センサ9の値および電圧検知器11の値を監視し、その結果に基づいてQ11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路をフィードバック制御し、制御回路3は、低圧側に設けた電圧検知器15の値を監視し、その結果に基づいてスイッチ素子16をフィードフォワード制御している。また、第2方向の場合、制御回路2は、低圧側の電流センサ20の値および電圧検知器22の値を監視し、その結果に基づいてQ21〜Q24から成るブリッジ型スイッチング回路をフィードバック制御している。
本発明の第1の実施形態に係る双方向電力変換装置は、双方向電力変換の第1方向(充電モード)、双方向電力変換の第2方向(走行モード)を切り替える切替スイッチ回路18を備え、双方向電力変換の第2方向(走行モード)においては、LV制御用のコイル素子(チョークコイル)13、スイッチ素子(バイポーラトランジスタ)16、ダイオード素子(ツェナーダイオード)17を短絡する(バイパスする)側に切替スイッチ回路18のリレー路を切り替えることで、LV側で電圧制御する素子に流れる電流を低減する若しくはゼロにして損失を低減させるとともに損失を低減させる分、上記コイル素子13、スイッチ素子16、ダイオード素子17を小型化して充電モード(上記短絡を解除する(バイパスしない)場合)においても損失の低減を図れるようにしている。
なお、整流回路は昇圧回路と一体化された回路でもよい。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電モードを説明する図である。充電モード時には、切替スイッチ回路18のリレー路は図示のとおり接点Bに設定されている。図2において、AC入力(図示せず)に基づいて充電する場合、AC入力を不図示の(ダイオード)ブリッジ回路、昇圧回路で整流、昇圧して平滑回路4で平滑してQ11〜Q14をPWM制御して交流電圧に変換する。トランス1次側巻線6aからトランス2次側巻線6bに誘起された交流電圧がQ21〜Q24によって整流され、高圧側コイル素子8、高圧側コンデンサ10によって平滑され、高圧バッテリが充電される。トランス3次側巻線6cに誘起された交流電圧を整流ダイオードD31,D32によって整流して、コイル素子13とスイッチ素子16のPWM制御とによって電圧調整し、切替スイッチ回路18のリレー路を介して、低圧側コイル19および低圧側出力コンデンサ21から成る平滑回路で平滑して低圧バッテリ(LV)を充電する。なお充電モード時においては、走行モードでのみ動作する制御回路2は動作しないように設定(図中に消去線で動作していないことを表示)されている。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る双方向電力変換装置の走行モードを説明する図である。走行モード時には、切替スイッチ回路18のリレー路は図示のとおり接点Aに設定されている。図3において、車両高圧バッテリから低圧バッテリに電力を供給する場合には、制御回路2によってQ21〜Q24が制御されて所定のIGBT素子がオンして直流電圧を交流電圧に変換する。トランス2次巻線6bから3次巻線6cに誘起された交流電圧が整流ダイオードD31,D32によって整流され、短絡線23およびリレー路を介して低圧側コイル19、低圧側出力コンデンサ21によって平滑され、低圧バッテリが充電される。なお、走行モード時においては、図2に示した制御回路1及び制御回路3は動作しないように設定(図中に消去線で動作していないことを表示)され、制御回路2のみが動作するように設定される。
[実施形態2]
図4は、本発明の第2の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を示す図である。本発明の第2の実施形態に係る双方向電力変換装置は、第1方向の電力変換時に1入力多出力となる電力変換回路と、上記第1方向とは異なる第2方向への電力変換時に損失を低減する損失低減回路と、を備える。そして上記損失低減回路は、リレー路と短絡線とが接続されて構成され、上記第1方向と上記第2方向とで上記リレー路が切替えられる。また上記電力変換回路は、上記第1方向の電力変換時に1入力2出力となり、該2出力の一方には、第1のバッテリが接続され、該2出力の他方には、上記第1のバッテリよりも容量の小さい第2のバッテリが接続される。また上記電力変換回路は、絶縁型DCDCコンバータで構成され、トランスの1次側と上記絶縁型DCDCコンバータの入力側との間には第1の電力変換回路が接続され、トランスの2次側と上記第1のバッテリとの間には第2の電力変換回路が接続され、トランスの3次側と上記第2のバッテリとの間には第3の電力変換回路が接続される。さらに、上記において損失低減回路は、リレー路と短絡線により上記第2の電力変換回路内の回路素子をバイパスするようにして構成される。
より具体的には、上記において第1の電力変換回路は、平滑回路34のコイル、コンデンサ及びQ11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路に相当し、第2の電力変換回路は、Q21〜Q24から成るブリッジ型スイッチング回路、コイル38、コンデンサ39、スイッチ素子41、高圧側コイル44、高圧側コンデンサ46及びダイオード42に相当し、第3の電力変換回路は、整流ダイオードD31,D32、低圧側コイル49及び低圧側出力コンデンサ51に相当する。また上記において、第1方向は充電モードに相当し、第2方向は走行モードに相当する。さらに、第1のバッテリは車両高圧バッテリに相当し、第2のバッテリは車両低圧バッテリに相当する。また上記において、損失低減回路は、切替スイッチ回路43によりコイル素子38、スイッチ素子41、ダイオード素子42をバイパスする側に切り替えられたリレー路と、コイル素子38、スイッチ素子41及びダイオード素子42を短絡して回路素子を機能させないようにする短絡線53に相当している。またHV制御用のコイル素子38及びコンデンサ39は、Q21〜Q24で整流した電力をエネルギーとして一旦保持するとともに制御回路32が電圧検知器40の値の監視し、その監視結果に応じてスイッチ素子41をPWM制御して車両高圧バッテリの充電電圧を調整する電圧調整部を構成している。なお、平滑回路34の前段には、AC入力(図示せず)を不図示の(ダイオード)ブリッジ回路、昇圧回路を介して整流、昇圧した直流電圧に変換するAC/DC変換部が設けられている。また、第1方向の場合、制御回路31は、低圧側の電流センサ50の値および電圧検知器52の値を監視し、その結果に基づいてQ11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路をフィードバック制御し、制御回路32は、高圧側に設けた電圧検知器40の値を監視し、その結果に基づいてスイッチ素子41をフィードフォワード制御し、制御回路33は、高圧側の電流センサ45の値および電圧検知器47の値を監視している。また、第2方向の場合、制御回路33は高圧側の電流センサ45の値および電圧検知器47の値を監視し、その結果に基づいてQ21〜Q24から成るブリッジ型スイッチング回路をフィードフォワード制御している。
本発明の第2の実施形態に係る双方向電力変換装置は、双方向電力変換の第1方向(充電モード)、双方向電力変換の第2方向(走行モード)を切り替える切替スイッチ回路43を備える。充電モードにおいては、切替スイッチ回路18のリレー路は接点Bに設定されている。走行モードにおいては、切替スイッチ回路18のリレー路は接点Aに設定されている。走行モードにおいては、コイル素子(チョークコイル)38、スイッチ素子(バイポーラトランジスタ)41、ダイオード素子(ツェナーダイオード)42を短絡する(バイパスする)側に切替スイッチ回路43のリレー路を切り替えることで、HV側で電圧制御する素子に流れる電流を低減する若しくはゼロにして損失を低減させるとともに損失を低減させる分、上記コイル素子38、スイッチ素子41、ダイオード素子42を小型化して充電モード(上記短絡を解除する(バイパスしない)場合)においても損失の低減を図れるようにしたものである。なお、第1の実施形態では、LV制御側に付加されていた損失低減回路を、本実施形態ではHV制御側に設けている。
なお、整流回路は昇圧回路と一体化された回路でもよい。
図4は、走行モードを説明する図である。走行モード時には、切替スイッチ回路43のリレー路は図示のとおり接点Aに設定されている。図4において、車両高圧バッテリから低圧バッテリに電力を供給する場合には、リレー路および短絡線53を介して制御回路33によってQ21〜Q24が制御されて所定のIGBT素子がオンして直流電圧を交流電圧に変換する。トランス2次巻線36bから3次巻線36cに誘起された交流電圧が整流ダイオードD31,D32によって整流され、低圧側コイル49、低圧側出力コンデンサ51によって平滑され、低圧バッテリに電力が供給される。
充電モード時には、切替スイッチ回路43のリレー路は接点Bに設定されている。AC入力(図示せず)を不図示の(ダイオード)ブリッジ回路、昇圧回路で整流、昇圧して平滑回路4で平滑した直流電圧をQ11〜Q14をPWM制御して交流電圧に変換する。トランス1次側巻線36aからトランス2次側巻線36bに誘起された交流電圧をQ21〜Q24によって整流して、コイル素子38とスイッチ素子41のPWM制御とによって電圧調整して、切替スイッチ回路43のリレー路を介して、高圧側コイル素子44、高圧側コンデンサ46によって平滑して、高圧バッテリを充電する。トランス3次側巻線6cに誘起された交流電圧を整流ダイオードD31,D32によって整流して、低圧側コイル19および低圧側出力コンデンサ21からなる平滑回路で平滑して低圧バッテリ(LV)を充電する。
[実施形態3]
図5は、本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を示す図である。本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置は、第1方向の電力変換時に1入力多出力となる電力変換回路と、上記第1方向とは異なる第2方向への電力変換時に損失を低減する損失低減回路と、を備える。そして上記損失低減回路は、リレー路と短絡線とが接続されて構成され、上記第1方向と上記第2方向とで上記リレー路が切替えられる。また上記電力変換回路は、上記第1方向の電力変換時に1入力2出力となり、該2出力の一方には、第1のバッテリが接続され、該2出力の他方には、上記第1のバッテリよりも容量の小さい第2のバッテリが接続される。また上記電力変換回路は、絶縁型DCDCコンバータで構成されており、トランスの1次側と上記絶縁型DCDCコンバータの入力側との間には第1の電力変換回路が接続され、トランスの2次側と上記第1のバッテリとの間には第2の電力変換回路が接続され、トランスの3次側と上記第2のバッテリとの間には第3の電力変換回路が接続される。さらに、上記において損失低減回路は、リレー路と短絡線により上記第1の電力変換回路から上記第2の電力変換回路にかけて回路素子をバイパスするようにして構成される。また上記リレー路は、上記第2の電力変換回路内に設けられる。
より具体的には、上記において第1の電力変換回路は、平滑回路(図示せず)のコンデンサ101及びIGBT素子Q11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路に相当し、第2の電力変換回路は、高速ダイオードD21〜D24から成るダイオードブリッジ回路、コイル108及び高圧側コンデンサ110に相当し、第3の電力変換回路は、整流ダイオードD31,D32、スイッチ素子114、コイル115、低圧側出力コンデンサ117及びダイオード119に相当する。また上記において、第1方向は充電モードに相当し、第2方向は走行モードに相当する。さらに、第1のバッテリは車両高圧バッテリに相当し、第2のバッテリは車両低圧バッテリに相当する。また損失低減回路は、切替スイッチ回路107によるリレー路と短絡線120および切替スイッチ回路112によるリレー路と短絡線121とによって構成されている。
なお、平滑回路の前段には、AC入力(図示せず)を不図示の(ダイオード)ブリッジ回路、昇圧回路を介して整流、昇圧した直流電圧に変換するAC/DC変換部が設けられている。
また、第1方向の場合、制御回路100は、高圧側の電流センサ109の値および電圧検知器111の値を監視し、その結果に基づいてQ11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路をフィードバック制御し、低圧側の電流センサ116の値および電圧検知器118の値を監視し、その結果に基づいてスイッチ素子114をフィードバック制御している。また、第2方向の場合、制御回路100は低圧側の電流センサ116の値および電圧検知器118の値を監視し、その結果に基づいてスイッチ素子114をフィードバック制御している。
図6Aないし図6Eは、本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電中動作(充電モード)を説明する図である。先ず図6Aは、本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電動作(充電モード)の流れを説明するための図(その1)である。図6Aでは、図5に示した制御回路100によりPWM制御されるブリッジ型スイッチング回路のIGBT素子Q11、Q14が同時オンされると、電流はIGBT素子Q11、電流センサ104、トランス105の1次巻線105aを経てIGBT素子Q14に流れる。充電モード時は(第1の)切替スイッチ回路107のリレー路が図示のとおり下側に設定されており、切替スイッチ112のリレー路が図示のとおり上側に設定されている。トランス105の2次巻線105bに誘起された電圧によって電流は高速ダイオードD21を介して(第1の)切替スイッチ回路107のリレー路、高圧側コイル108、高圧側コンデンサ110、(第2の)切替スイッチ回路112のリレー路、高速ダイオードD24に流れる。一方、トランス105の3次巻線105cに誘起された電圧によって電流はダイオードD31、図5に示した制御回路100によりPWM制御されるMOSFET114、低圧側コイル115、低圧側出力コンデンサ117に流れる。
図6Bは、本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電動作(充電モード)の流れを説明するための図(その2)である。図6Bでは、図5に示した制御回路100によりPWM制御されているMOSFET114がスイッチオフにされ、低圧側コイル115に蓄積された磁気エネルギーがダイオード119を介してループして磁気エネルギーの保持に務め、低圧側バッテリ(LV)を充電する。トランス1次側のIGBT素子Q11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路の電流の流れ、および、高圧側コンデンサ110への電流の流れは、図6Aに示すのと同じであるように継続して流れる。
図6Cは、本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電動作(充電モード)の流れを説明するための図(その3)である。図6Cでは、図5に示した制御回路100によりPWM制御されるIGBT素子Q12、Q13が同時オンされると、電流はIGBT素子Q13、トランス105の1次巻線105a、電流センサ104を経てIGBT素子Q12に流れる。トランス105の2次巻線105bに誘起された電圧によって電流は高速ダイオードD23を介して(第1の)切替スイッチ回路107の下側のリレー路、高圧側コイル108、高圧側コンデンサ110、(第2の)切替スイッチ回路112の上側のリレー路、高速ダイオードD22に流れる。一方、トランス105の3次巻線105cに誘起された電圧によって電流はMOSFET114がオフのままであるため、低圧側コイル115にエネルギーを供給することができず、低圧側(LV側)では低圧側コイル115に蓄積された磁気エネルギーは、ダイオード119を介してループして磁気エネルギーが保持され、低圧側バッテリ(LV)を充電する。
図6Dは、本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電動作(充電モード)の流れを説明するための図(その4)である。図6Dでは、MOSFET114が図5に示した制御回路100により制御されてオンする。すると、トランス3次巻線105cに誘起された電圧によって電流はダイオードD32、MOSFET114、低圧側コイル115、低圧側出力コンデンサ117に流れる。それ以外の点は、図6Cと同様なので説明を省略する。
図6Eは、本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の充電動作(充電モード)の流れを説明するための図(その5)である。図6Eでは、MOSFET114がスイッチオフにされ、低圧側コイル115に蓄積された磁気エネルギーがダイオード119を介してループして磁気エネルギーの保持に務め、低圧側バッテリ(LV)を充電する。トランス1次側のIGBT素子Q11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路の電流の流れ、および、高圧側コンデンサ110への電流の流れは、図6Cに示すのと同じであるように継続して流れる。
なお図6B及び図6Eにおいて、図5に示した制御回路100によりPWM制御されるブリッジ型スイッチング回路のIGBT素子がオフされた場合には、トランス1次側の電流の流れが停止されることになり、低圧側のMOSFET114がスイッチオフされた場合と同様に、高圧側コイル108に蓄積された磁気エネルギーは、(第1の)切替スイッチ回路107のリレー路、高圧側コイル108、高圧側コンデンサ110、(第2の)切替スイッチ回路112のリレー路、高速ダイオードD22及び高速ダイオードD21/高速ダイオードD24及び高速ダイオードD23をループして磁気エネルギーが保持され、高圧側バッテリ(HV)を充電する。
以上で一連の充電動作のサイクルが終了するが、図6Eの状態から図6Aの状態に移行することになる。この場合、低圧側バッテリ(LV)が充電されていれば、図6Aをパスして図6B以降のサイクルを繰り返すことになる。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置の走行中動作(走行モード)を説明するための図である。図7において車両の走行中には、(第1の)切替スイッチ回路107のリレー路、(第2の)切替スイッチ回路112のリレー路が図7に図示する位置に切り替えられる。制御回路100によりPWM制御されるIGBT素子Q11、Q14が同時にオンされると、車両高圧バッテリ(HV)から電流センサ109、高圧側コイル108、(第1の)切替スイッチ回路107のリレー路、短絡線120を介して流れる電流は、IGBT素子Q11、電流センサ104、トランス105の1次巻線105aを経てIGBT素子Q14に流れる。一方、トランス105の3次巻線105cに誘起された電圧によって電流は整流ダイオードD31、MOSFET114、低圧側コイル115、低圧側出力コンデンサ117に流れる。
そして制御回路100によりPWM制御されているMOSFET114がスイッチオフにされると、低圧側コイル115に蓄積された磁気エネルギーがダイオード119を介してループして磁気エネルギーの保持に務め、低圧側バッテリ(LV)を充電する。
次に制御回路100によりPWM制御されるIGBT素子Q12、Q13が同時にオンされると、車両高圧バッテリ(HV)から電流センサ109、高圧側コイル108、(第1の)切替スイッチ回路107のリレー路、短絡線120を介して流れる電流は、IGBT素子Q13、トランス105の1次巻線105a、電流センサ104を経てIGBT素子Q12に流れる。
そして制御回路100によりPWM制御される低圧側のMOSFET114がスイッチオンにされると、トランス105の3次巻線105cに誘起された電圧によって電流はダイオードD32、MOSFET114、低圧側コイル115、低圧側出力コンデンサ117に流れるようになる。その後、制御回路100によりPWM制御されているMOSFET114がスイッチオフにされると、低圧側コイル115に蓄積された磁気エネルギーがダイオード119を介してループして磁気エネルギーの保持に務め、低圧側バッテリ(LV)を充電する。
図5において、制御回路100は、切替スイッチ回路107,112のリレー路の設定を制御し、走行モードにおいて切替スイッチ回路107のリレー路を上側に設定して短絡線120に接続されるように、また切替スイッチ回路112のリレー路を下側に設定して短絡線121に接続されるようにして、走行モードにおいてトランス2次側の高速ダイオードD21〜D24から成るダイオードブリッジ回路を接続することなく、モード切替を行うことで、リレー路に流れる電流を大幅に減らすようにしている。また同時にシャーシアースとグランドアースとを共通としてトランス1次側の電流センサ、電圧検知器に対してトランス2次側及びトランス3次側の電流センサ、電圧検知器とを絶縁不要としている。
また制御回路100は、上述のブリッジ型スイッチング回路のIGBT素子Q11、Q14をPWM1-1によってPWM制御すると共にIGBT素子Q12、Q13をPWM1-2によってPWM制御するが、LV側のスイッチ素子(MOSFET)114に対するPWM2によるPWM制御において、そのPWM1-1及びPWM1-2の最小デューティー(D1MIN)よりPWM2の最大デューティー(D2MAX)を小さくすることで、LV出力電圧をMOSFET114にて制御可能にしている。
その一方、トランス2次側のブリッジ回路を高価なIGBT素子からコストが掛からない高速ダイオードにするとともにトランス1次側のブリッジ型スイッチング回路のIGBT素子Q11〜Q14を充電モード時と走行モード時で共通に使用するようにして、コストをさらに低減するよう構成している。
以上、本発明の第3の実施形態に係る双方向電力変換装置によれば、リレー路に流れる電流を減らすことができるので損失を低減できる。また、切替スイッチ回路を構成するリレーの大幅な小型化が可能となる。また、HV側のブリッジ回路をIGBT素子からダイオードにできるため、低コスト化が可能となる。さらに、制御、ドライブ回路の充電モード時/走行モード時における共用化できる部分が多くなるため、コストの低減、小型化を実現することができる。
[実施形態4]
図8は、本発明の第4の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を示す図である。本発明の第4の実施形態に係る双方向電力変換装置は、第1方向の電力変換時に1入力多出力となる電力変換回路と、上記第1方向とは異なる第2方向への電力変換時に損失を低減する損失低減回路と、を備える。そして上記損失低減回路は、リレー路と短絡線とが接続されて構成され、上記第1方向と上記第2方向とで上記リレー路が切替えられる。また上記電力変換回路は、上記第1方向の電力変換時に1入力2出力となり、該2出力の一方には、第1のバッテリが接続され、該2出力の他方には、上記第1のバッテリよりも容量の小さい第2のバッテリが接続される。また上記電力変換回路は、絶縁型DCDCコンバータで構成されており、トランスの1次側と上記絶縁型DCDCコンバータの入力側との間には第1の電力変換回路が接続され、トランスの2次側と上記第1のバッテリとの間には第2の電力変換回路が接続され、トランスの3次側と上記第2のバッテリとの間には第3の電力変換回路が接続される。さらに、上記において損失低減回路は、リレー路と短絡線により上記第1の電力変換回路から上記第2の電力変換回路にかけて回路素子をバイパスするようにして構成される。また上記リレー路は、上記第2の電力変換回路内に設けられる。
より具体的には、上記において第1の電力変換回路は、平滑回路(図示せず)のコンデンサ101及びIGBT素子Q11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路に相当し、第2の電力変換回路は、高速ダイオードD21〜D24から成るダイオードブリッジ回路、高圧側コイル108及び高圧側コンデンサ110に相当し、第3の電力変換回路は、整流ダイオードD31,D32、スイッチ素子201、スイッチ素子201に接続されるコイル202、低圧側出力コンデンサ204、ダイオード206及びスイッチ素子211、スイッチ素子211に接続されるコイル212、出力コンデンサ214、ダイオード216、・・・に相当する。また上記において、第1方向は充電モードに相当し、第2方向は走行モードに相当する。さらに、第1のバッテリは車両高圧バッテリに相当し、第2のバッテリは低圧バッテリLV1,LV2,・・・に相当する。
そのうえで本発明の第4の実施形態に係る双方向電力変換装置は、LV系の構成を、LV系1段から多段(5V/12V/24V/42Vなど)の構成にしてLV系の多段出力を可能としたものである。
より具体的には図8においてトランス3次巻線105cに誘起された交流電圧を整流ダイオードD31,D32によって整流して、図示していない制御回路でMOSFET201,211,・・・をPWM制御して、低圧側コイル202,212,・・・、低圧側出力コンデンサ204,214,・・・で平滑する。これにより低圧側バッテリLV1,LV2,・・・を統合的に得ることができる。
例えば、トランス3次巻線105cに誘起された交流電圧を整流ダイオードD31によって整流して、図示していない制御回路でMOSFET201をPWM制御して、低圧側コイル202と低圧側出力コンデンサ204とで平滑する。さらに、トランス3次巻線105cに誘起された交流電圧を整流ダイオードD31によって整流して、図示していない制御回路でMOSFET211をPWM制御して、低圧側コイル212と低圧側出力コンデンサ214とで平滑する。
それ以外の構成は、上述した第3の実施形態に係る双方向電力変換装置と同様であるためその説明を省略する。こうすることでLV系における多段の出力を統合的に得られるようになるため、より大幅なコスト低減、小型化を実現することができる。
なお、本実施形態においても、上記第3の実施形態で説明したように、充電モードおよび走行モードで、切替スイッチ回路107、112の各リレー路と各短絡線により損失低減回路が構成されることに変わりはない。
[実施形態5]
図9は、本発明の第5の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を示す図である。本発明の第5の実施形態に係る双方向電力変換装置は、第1方向の電力変換時に1入力多出力となる電力変換回路と、上記第1方向とは異なる第2方向への電力変換時に損失を低減する損失低減回路と、を備える。また上記損失低減回路は、多入力1出力からなる多相回路で構成され、上記多入力1出力における多入力部の各相にはスイッチング素子がそれぞれ設けられており、上記スイッチング素子は同時にオンされる。また上記電力変換回路は、上記第1方向の電力変換時に1入力2出力となり、該2出力の一方には第1のバッテリが接続され、該2出力の他方には上記第1のバッテリよりも容量の小さい第2のバッテリが接続される。また上記電力変換回路は、絶縁型DCDCコンバータで構成されており、トランスの1次側と上記絶縁型DCDCコンバータの入力側の間には第1の電力変換回路が接続され、トランスの2次側と上記第1のバッテリとの間には第2の電力変換回路が接続され、トランスの3次側及び4次側と上記第2のバッテリとの間には第3の電力変換回路が接続される。また上記損失低減回路は、上記第3の電力変換回路内の回路要素のMOSFETを多相化することにより実現されるものである。
より具体的には、上記において第1の電力変換回路は、平滑回路(図示せず)のコンデンサ101及びIGBT素子Q11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路に相当し、第2の電力変換回路は、IGBT素子Q21〜Q24から成るブリッジ型スイッチング回路、高圧側コイル108及び高圧側コンデンサ110に相当し、第3の電力変換回路は、スイッチ素子305、整流ダイオードD31,D32、スイッチ素子307、整流ダイオードD33,D34、コイル115、低圧側出力コンデンサ117及びダイオード119に相当する。また上記において、第1方向は充電モードに相当し、第2方向は走行モードに相当する。さらに、第1のバッテリは車両高圧バッテリに相当し、第2のバッテリは車両低圧バッテリに相当する。
そのうえで本発明の第5の実施形態に係る双方向電力変換装置は、LV側(低圧側)に設置された降圧チョッパ部のMOSFETのターン・オフ時にトランスの漏れインダクタンスとスイッチングoff時のdi/dt(単位時間あたりの電流変化量)によるサージ発生を、そのサージ抑制のためにdi/dtを遅くする方法や、スナバ回路にて対策する方法を採らずに、低圧側コイルの入力部を多相化し、漏れインダクタンスに流れる電流を低下させてサージを抑制することで、電力変換効率を低下させずにサージを低減できるようにする。なお、発生したサージは一般的に損失として扱われて電力変換効率の低下要因になるので、電力変換効率を低下させずにサージを低減することは有用である。
具体的には図9において、低圧側コイル115の入力側で、トランス300の3次巻線300c,4次巻線300d,・・・などの高次巻線および該巻線に接続される整流ダイオードD31,D32、D33,D34、・・・及びMOSFET305,307,・・・などを多相化する。
例えば、トランス300の3次巻線300cおよび該巻線に接続される整流ダイオードD31,D32及びMOSFET305で1相を構成し、トランス300の4次巻線300dおよび該巻線に接続される整流ダイオードD33,D34及びMOSFET307で2相を構成することで多相化する。
図10は、本発明の第5の実施形態に係る双方向電力変換装置の動作を説明する図である。図10において、多相化されたMOSFET305,307の出力において得られる電流をI1,I2とすると、低圧側コイル115にはI1とI2が加算された電流が得られる。しかし、トランス通過電流は多相化により低減(2相の場合1/2、N相の場合1/n)されるため、MOSFET305,307のオフ時において発生するサージVsはトランスの漏れインダクタンスをLとすると、Vs=L*di/dtとなるものの、dt(単位時間あたり)のdi(電流変化量)が多相化により減る分、サージも低下する。このように本発明の第5の実施形態に係る双方向電力変換装置は、低圧側コイルの入力部を多相化することによりサージを低減できるため、サージによる損失を低減することができる。
[実施形態6]
図11は、本発明の第6の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を示す図である。本発明の第6の実施形態に係る双方向電力変換装置は、第1方向の電力変換時に1入力多出力となる電力変換回路と、上記第1方向とは異なる第2方向への電力変換時に損失を低減する損失低減回路と、を有するものである。そして上記損失低減回路は、リレー路と短絡線とが接続されて構成され、上記第1方向と上記第2方向とで上記リレー路が切替えられる。また上記電力変換回路は、上記第1方向の電力変換時に1入力2出力となり、該2出力の一方には、第1のバッテリが接続され、該2出力の他方には、上記第1のバッテリよりも容量の小さい第2のバッテリが接続される。さらに、上記において損失低減回路は、リレー路と短絡線により上記第1の電力変換回路から上記第2の電力変換回路にかけて回路素子をバイパスするようにして構成される。また上記リレー路は、上記第2の電力変換回路内に設けられる。
より具体的には、上記において第1の電力変換回路は、ダイオードD11〜D14から成るダイオードブリッジ回路、PFC回路403、コンデンサ404及びIGBT素子Q11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路に相当し、第2の電力変換回路は、ダイオードD21〜D24から成るダイオードブリッジ回路、高圧側コイル411及び高圧側コンデンサ413に相当し、第3の電力変換回路は、整流ダイオードD31,D32、スイッチ素子417、低圧側コイル418、低圧側出力コンデンサ420及びダイオード422に相当する。また上記において、第1方向は充電モードに相当し、第2方向は走行モードに相当する。さらに、第1のバッテリは車両高圧バッテリに相当し、第2のバッテリは車両低圧バッテリに相当する。なお、PFC回路403は力率改善機能の他に昇圧機能を具備してもよい。
そのうえで本発明の第6の実施形態に係る双方向電力変換装置では、広電圧範囲の高圧バッテリ(例.Li-ion系バッテリ)において、低コストで走行モード時のDCDCコンバータの高効率化を実現するものである。
図11において、本発明の第6の実施形態に係る双方向電力変換装置は、車両高圧バッテリHVの接続先を走行モード時には(第1の)切替スイッチ回路410のリレー路(上側接点)、短絡線423を介してトランス1次側のPFC回路403の入力部に接続し、また該入力部から短絡線424、(第2の)切替スイッチ回路415のリレー路(下側接点)を経てシャーシアースに流れるようにし、その際、走行モード時のDCDCコンバータ制御をPFC回路及びHブリッジにより2ステージ化するものである。このように走行モード時、車両高圧バッテリHVの接続先を切替スイッチ回路410のリレー路(上側接点)、短絡線423を介してトランス1次側のPFC回路403の入力部に接続し、また該入力部から短絡線424、(第2の)切替スイッチ回路415のリレー路(下側接点)を経てシャーシアースに流れる回路(高圧側に設けられたD21〜D24から成るブリッジ回路、トランス408の2次巻線408bを介するトランス結合をバイパスする回路)で損失低減回路を構成する。こうすることで充電モード時と走行モード時とのHブリッジ(入力側コンデンサ404、Q11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路、電流センサ407、及び、トランス408の1次巻線408a、グランドアースに流れる回路)への入力電圧を370V〜380V程度で一定にすることができる。そのため、Hブリッジの駆動Dutyを固定にしてZVS(Zero Volt Switching)(フェーズシフト)を容易に行えるようになるか又は高圧側電流を少なめに設定できるようになるため、トランス巻線比を高く設定することができる。
さらにトランス408の3次巻線408cの中点をグランドに接続することで上述のサージを減らせるため、整流素子(ダイオード)D31,D32を低耐圧/低損失化することが可能になる。この場合、既に知られているダイオードD11〜D14から成るダイオードブリッジ回路、PFC回路403、Hブリッジを備える充電器回路を流用してコストアップ無しに2ステージ化が可能である。
なお、高圧側(HV側)のダイオードD21〜D24から成るダイオードブリッジ回路は、充電モードでは、(第1の)切替スイッチ回路410のリレー接点が下側におよび(第2の)切替スイッチ回路415のリレー接点が上側にそれぞれ接続されているときに機能する。そして、高圧側のダイオードD21〜D24から成るダイオードブリッジ回路で整流して、高圧側コイル411と高圧側コンデンサ413とで平滑する。
ここで2ステージ化について説明すると、1ステージでは、入力最小電圧の時に出力電圧を確保できるようにトランスの巻数比を決めるので、入力最大電圧の時にはトランス2次側に印加される電圧が非常に高くなり、トランス2次側整流部に損失の大きい素子を選ばざるを得なくなる。しかし2ステージ化すればトランス2次側整流部に損失の大きい素子を選ばないで済ますことができる。
図12は、本発明の第6の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を応用した第1の応用例を示す図であり、低圧側(LV側)側にMOSFETを並列に接続して同期整流回路430を構成して効率を向上させたものであり、その他の構成は図11に示したのと同様なのでその説明を省略する。この構成の場合、同期整流用に採用したMOSFETの耐圧を低くして損失の低いものを選べるので電力変換効率及びコスト低減に有利となる。
図13は、本発明の第6の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を応用した第2の応用例を示す図であり、図11に示した構成例に対して低圧バッテリ(LV)側におけるMOSFET441,442、コイル443、ダイオード444及びMOSFET445,446、コイル447、ダイオード448でもってトランスの3次巻線408cに誘起された電圧に基づく電流を2分し、該2分された電流の流れる経路を2重化するカレントダブラー構成にする。その他の構成は図11に示したのと同様なのでその説明を省略する。この構成の場合、電力変換効率をさらに向上させる、換言すればカレントダブラーを使用しないときの損失を低減させる、ことができる。
図14は、本発明の第6の実施形態に係る双方向電力変換装置の構成を応用した第3の応用例を示す図であり、(ブリッジレス)PFC回路の入力部に更に付加した切替スイッチ回路502,504によるリレー路を経てPFC回路506とIGBT素子Q11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路とにより2ステージ化した構成を採用するようにしている。本応用例において、第1方向の電力変換は、充電モードであり、第2方向の電力変換は、走行モードである。また第1の電力変換回路は、PFC回路506、コンデンサ507及びIGBT素子Q11〜Q14から成るブリッジ型スイッチング回路に相当し、損失低減回路は、切替スイッチ回路514,518のリレー路、該リレー路に接続される短絡線526,527、および短絡線526,527にそれぞれ接続される切替スイッチ回路502,504のリレー路により構成されている。なお、図11ないし図13におけるPFC回路403では、その前段にダイオードD11〜D14から成るダイオードブリッジ回路が設けられているのに対して図14におけるPFC回路506はコイル503とダイオード間にIGBT素子がT字接続された構成を有する通常のPFC回路に更に並列にコイル505とダイオード間にIGBT素子をT字接続する構成を付加することでその入力段にダイオードD11〜D14から成るダイオードブリッジ回路を設ける必要がないことからブリッジレスPFC回路と称している。その他の構成は図11に示したのと同様なのでその説明を省略する。
このような構成において、図11に示したのと同様に走行モード時には車両高圧バッテリHVの接続先をPFC回路506の入力部に更に付加した切替スイッチ回路502,504によるリレー路(図示の接点上側)を経てブリッジレスPFC回路に入力する。こうすることで図14に示した第3の応用例はダイオードブリッジ回路無しに走行モード時のDCDCコンバータ制御を2ステージ化することができるものである。このためトランス2次側整流部に損失の大きい素子を選ばないで済む、換言すれば損失が低減される、という有利性がある。
なお、上述した本発明の第1ないし第6の実施形態に係る双方向電力変換装置において、ディジタル制御することで、スイッチング電源装置の経年劣化をしづらくし、かつ回路を小型化させることができる。
この発明による双方向電力変換装置は、電気自動車、ハイブリッド自動車などに搭載されるバッテリを充電する充電器に好適に用いることが可能である。
1〜3、31〜33 制御回路
4、34 平滑回路
6、36 トランス
8、44 高圧側コイル(チョークコイル)
9、45 電流センサ
10、46 高圧側コンデンサ
11、47 電圧検知器
13、38 コイル
14、39 コンデンサ
15、40 電圧検知器
16、41 スイッチ素子(バイポーラトランジスタ)
17、42 ダイオード(ツェナーダイオード)
18、43 切替スイッチ回路(リレー)
19、49 低圧側コイル(チョークコイル)
20、50 電流センサ
21、51 低圧側出力コンデンサ
22、52 電圧検知器
Q11〜Q14 IGBT素子から成るブリッジ型スイッチング回路
Q21〜Q24 IGBT素子から成るブリッジ型スイッチング回路
D21〜D24 高速ダイオードから成るダイオードブリッジ回路
D31、D32 整流ダイオード

Claims (13)

  1. 第1方向の電力変換時に1入力多出力となる電力変換回路と、
    前記第1方向とは異なる第2方向への電力変換時に損失を低減する損失低減回路と、
    を有することを特徴とする双方向電力変換装置。
  2. 前記損失低減回路は、リレー路と短絡線とが接続されて構成され、
    前記第1方向と前記第2方向とで前記リレー路が切替えられることを特徴とする請求項1に記載の双方向電力変換装置。
  3. 前記電力変換回路は、前記第1方向の電力変換時に1入力2出力となり、
    該2出力の一方には、第1のバッテリが接続され、
    該2出力の他方には、前記第1のバッテリよりも容量の小さい第2のバッテリが接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の双方向電力変換装置。
  4. 前記電力変換回路は、絶縁型DCDCコンバータであり、トランスの1次側と前記絶縁型DCDCコンバータの入力側との間には第1の電力変換回路が接続され、トランスの2次側と前記第1のバッテリとの間には第2の電力変換回路が接続され、トランスの3次側と前記第2のバッテリとの間には第3の電力変換回路が接続されることを特徴とする請求項3に記載の双方向電力変換装置。
  5. 前記損失低減回路は、前記第3の電力変換回路内の回路素子をバイパスするものであることを特徴とする請求項4に記載の双方向電力変換装置。
  6. 前記損失低減回路は、前記第2の電力変換回路の回路素子をバイパスするものであることを特徴とする請求項4に記載の双方向電力変換装置。
  7. 前記損失低減回路は、前記第1の電力変換回路から前記第2の電力変換回路にかけて回路内の回路素子をバイパスするものであることを特徴とする請求項4に記載の双方向電力変換装置。
  8. 前記リレー路は、前記第2の電力変換回路内に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の双方向電力変換装置。
  9. 前記リレー路は、前記第1の電力変換回路内に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の双方向電力変換装置。
  10. 前記損失低減回路は、多入力1出力からなる多相回路で構成され、
    前記多入力1出力における多入力部の各相にはスイッチング素子がそれぞれ設けられており、前記スイッチング素子は同時にオンされることを特徴とする請求項1に記載の双方向電力変換装置。
  11. 前記電力変換回路は、前記第1方向の電力変換時に1入力2出力となり、
    該2出力の一方には、第1のバッテリが接続され、
    該2出力の他方には、前記第1のバッテリよりも容量の小さい第2のバッテリが接続されることを特徴とする請求項10に記載の双方向電力変換装置。
  12. 前記電力変換回路は、絶縁型DCDCコンバータであり、トランスの1次側と前記絶縁型DCDCコンバータの入力側の間には第1の電力変換回路が接続され、トランスの2次側と前記第1のバッテリとの間には第2の電力変換回路が接続され、トランスの3次側と前記第2のバッテリとの間には第3の電力変換回路が接続されることを特徴とする請求項11に記載の双方向電力変換装置。
  13. 前記損失低減回路は、前記第3の電力変換回路内の回路要素を多相化するものであることを特徴とする請求項12に記載の双方向電力変換装置。
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