JP6115212B2 - 周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法、それに用いる製造装置 - Google Patents
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Description
[1]反応容器内を該反応容器の外からヒーターで加熱するとともに、該反応容器内にそれぞれ開口するGa原料含有ガス供給用ノズルおよびNH 3 含有ガス供給用ノズルを通して該反応容器内にGa原料含有ガスおよびNH 3 含有ガスを供給して、該反応容器内に設置した下地基板の主面上にGaN結晶を成長させる成長工程を含み、該成長工程においては、該下地基板の該主面のうち、該Ga原料含有ガス供給用ノズルの供給口をその供給方向に向かって投影した際の投影軌跡に含まれる面積割合が50%以上99%以下であることを特徴とするGaN結晶の製造方法。
[2]前記NH 3 含有ガス供給用ノズルの供給口の面積に対する、前記Ga原料含有ガス供給用ノズルの供給口の面積の比が、0.5以上であることを特徴とする[1]に記載の製造方法。
[3]前記成長工程において、前記NH 3 含有ガス供給用ノズルの供給口におけるNH 3 含有ガスの線速に対する、前記Ga原料含有ガス供給用ノズルの供給口におけるGa原料含有ガスの線速の比が0.1以上であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記成長工程において、前記Ga原料含有ガス供給用ノズルの供給口から、前記下地基板の前記主面までの最短距離が0.5cm以上30cm以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記成長工程において、前記Ga原料含有ガス供給用ノズルの供給口の面積に対する、前記Ga原料含有ガス供給用ノズルの供給口をその供給方向に向かって投影した際の投影軌跡に含まれる前記下地基板の前記主面の面積の比が0.1以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記成長工程において、前記Ga原料含有ガスの供給方向と、前記下地基板の前記主面とがなす角度が0°から±40°以内であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]前記Ga原料含有ガスが、GaClガス、GaCl 3 ガスまたはGa 2 Oガスを少なくとも含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記Ga原料含有ガスがGaClガスを含み、HClガスをGaと反応させることによって該GaClガスを生成させる、[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。
なお、本願において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本願におけるミラー指数は、指数が負である場合に当該指数の前にマイナス記号をつけて表記している。また、本明細書において<・・・・>との表記は方向の集合表現、[・・・・]との表記は方向の個別表現を表す。それに対して{・・・・}との表記は面の集合表現、(・・・・)との表記は面の個別表現を表す。
本願明細書において「主面」とは、結晶に存在する表面のうち最も広い面を意味し、下地基板の「主面」は通常結晶成長が行われるべき面となる。
本願明細書において、「C面」とは、六方晶構造(ウルツ鉱型結晶構造)における{0001}面であり、c軸に直交する面である。かかる面は極性面であり、周期表第13族金属窒化物半導体結晶では「+C面」は周期表第13族金属面(窒化ガリウムの場合はガリウム面)であり、「−C面」は窒素面である。
また、本願明細書において、「A面」とは{2−1−10}面と等価な面であり、具体的には(2−1−10)面、(−12−10)面、(−1−120)面、(−2110)面、(1−210)面、或いは(11−20)面であり、a軸に直交する面である。かかる面は非極性面である。本明細書において「c軸」「m軸」「a軸」とは、それぞれC面、M面、A面に垂直な軸を意味する。
また、本明細書においてC面、M面、A面や特定の指数面を称する場合には、±0.01°以内の精度で計測される各結晶軸から10°以内のオフ角を有する範囲内の面を含む。好ましくはオフ角が5°以内であり、より好ましくは3°以内である。
本発明の製造方法は、反応容器内において下地基板の主面を成長面として周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる成長工程を含む周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法である。その特徴は、成長工程において周期表第13族金属原料含有ガス供給用ノズルから周期表第13族金属原料含有ガスを前記反応容器内に供給する点と、下地基板の成長面のうち、前記周期表第13族金属原料含有ガス供給用ノズルの供給口をその供給方向に向かって投影した際の投影軌跡に含まれる面積割合を50%以上とする点にある。
また、本発明でいう周期表第13族金属原料含有ガス供給用ノズルの供給口をその供給方向に向かって投影した際の投影軌跡とは、ノズルの供給口をその供給方向に向かって投影した際に形成される仮想の空間領域であって、その供給口の外縁に対応する投影線の軌跡によって仕切られる空間領域である。例えば図1のように、周期表第13族金属原料含有ガス供給用ノズル1として、その供給口2が四角形状である直方体形状のノズルを用いて、供給方向3が図中左から右に向かう方向となるように周期表第13族金属原料含有ガスを前記ノズル1から供給した場合において、任意の投影面4を設定し該投影面に供給口を投影すると、投影面には供給口の外縁に対応する投影線5が形成される。このような投影面を供給方向に連続して設定し、それぞれ投影線5を形成すると、投影線5の軌跡によって直方体状の領域6が形成される。本発明では、供給口の外縁に対応する投影線の軌跡によって仕切られるこのような領域を、供給口をその供給方向に向かって投影した際の投影軌跡と呼ぶ。
断面形状が供給口2と同一形状の四角形状である、直方体状の領域となる。図3(b)の例では、下地基板の主面10が直方体状の投影軌跡6の底面と同一の平面上に存在しており、下地基板の主面(成長面)10のうち前記投影軌跡6に含まれる領域11は、下地基板の主面(成長面)における端部の一部を除いたものとなっている。この場合、下地基板の主面(成長面)10に占める、投影軌跡に含まれる領域11の面積割合が、「下地基板の成長面のうち、前記周期表第13族金属原料含有ガス供給用ノズルの供給口をその供給方向に向かって投影した際の投影軌跡に含まれる面積割合」となる。
ガス供給用ノズルと下地基板の主面との位置関係を変更することが好ましく、周期表第13族金属原料含有ガス供給用ノズルと下地基板の主面との位置関係を時間とともに周期的に変更することがより好ましい。例えば、ノズルを固定しておいて下地基板を回転させたり、下地基板を固定しておいてノズル供給口を移動させたり回転させたりすることもできる。さらに、ノズル供給口と下地基板の両方を移動させることも可能である。好ましいのは、ノズルを固定しておいて、下地基板を回転させる態様である。特に、下地基板の成長面の中心を回転軸として下地基板を回転させる態様を採用することが好ましい。このときの回転速度は成長工程中、一定に維持してもよいし、変動させてもよい。回転速度は、1rpm以上とすることが好ましく、3rpm以上とすることがより好ましく、5rpm以上とすることがさらに好ましい。また、60rpm以下とすることが好ましく、30rpm以下とすることがより好ましく、15rpm以下とすることがさらに好ましい。このようにして時間によって周期表第13族金属原料含有ガス供給用ノズルと下地基板の主面との位置関係を変更することにより、一段と膜厚分布が小さくて良質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造することができる傾向がある。
周期表第13族金属原料含有ガスの供給方向と、下地基板の主面とがなす角度については何ら限定されないが、0°もしくは90°から±40°以内であることが好ましく、±20°以内であることがより好ましく、±5°以内であることがさらに好ましい。特に、生産性・効率性の観点からは、前記角度が0°、つまり周期表第13族金属原料含有ガスの供給方向と、下地基板の主面とが平行であることが好ましく、一方で、結晶性等の品質の観点からは、前記角度が90°、つまり周期表第13族金属原料含有ガスの供給方向と下地基板の主面とが垂直であることが好ましい。
また、周期表第13族金属原料含有ガスの供給方向と、重力方向とがなす角度については何ら限定されず、0°、90°、又は180°等任意の角度をとれる。例えば、熱対流等に起因した原料ガスの舞い上がりによる反応容器内への多結晶体の付着を極力防止した
い場合などは、前記角度が90°、つまり周期表第13族金属原料含有ガスの供給方向と重力方向とが垂直であることが好ましい。
本発明の製造方法における下地基板は、例えば、GaNに代表される周期表第13族金属窒化物、または、サファイア、Si、SiC、Ga2O3、GaAs、ZnO(酸化亜鉛)などの基板が挙げられ、周期表第13族金属窒化物、サファイア、GaAs、酸化亜鉛、SiおよびSiCからなる群から選ばれる少なくとも1種の結晶であることが好ましい。また、周期表第13族金属窒化物の中でも、その上に成長させる周期表第13族金属窒化物半導体結晶と同種の結晶であることが好ましい。例えば、GaN結晶を成長させようとしている場合は、下地基板もGaN基板であることが好ましい。周期表第13族金属窒化物半導体結晶としては、GaNの他に、AlN、InN、またはこれらの混晶などを挙げることができる。混晶としては、AlGaN、InGaN、AlInN、AlInGaNなどを挙げることができる。好ましいのはGaNおよびGaを含む混晶であり、より好ましいのはGaNである。なお、下地基板として、その上に成長させる周期表第13族金属窒化物半導体結晶と異種の結晶を含む基板を用いる場合には、異種の結晶上にその上に成長させる周期表第13族金属窒化物半導体結晶と同種の結晶からなる結晶層を形成したもの(テンプレート基板)を用いることが好ましい。
基板の主面であって、その上に周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる面を意味する。例えば、下地基板の主面の一部が基板ホルダー等で被覆されて成長し得ない領域となっている場合には、成長面にはその領域は含まれないものとする。
下地基板の厚みも特に限定されないが、100μm以上であることが好ましく、300μm以上であることがより好ましく、また、3mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。
本発明の製造方法において、周期表第13族金属原料含有ガス供給用ノズル供給口から供給されるガスは、周期表第13族金属原料ガスを少なくとも含むガスである。周期表第13族金属原料ガスのみからなるものであってもよいが、通常はキャリアガスやドーパントガスなどを含む混合ガスを採用する。周期表第13族金属原料ガスとしては、GaClガス、トリメチルガリウムガス、GaCl3ガス、Ga2Oガス、GaHガス、AlClガス、InClガス、AlCl3ガス、InCl3ガスなどを挙げることができる。例えば、GaClガスは、Gaを入れたリザーバーにHClガスを供給することにより生成することができる。キャリアガスとしては、例えば、H2ガス、N2ガス、Heガス、Neガス、Arガスのような不活性ガスを挙げることができる。また、ドーパントガスは、製造しようとしている周期表第13族金属窒化物半導体結晶に求められる性能に基づいて決定することができ、例えばn型のドーパントガスであれば、SiH4ガス、SiH2Cl2ガス、H2Sガス等を挙げることができる。ノズル供給口から混合ガスを供給する場合、混合ガスに含まれる周期表第13族金属原料ガスの濃度は、0.1%以上とすることが好ましく、0.5%以上とすることがより好ましく、1%以上とすることがさらに好ましい。また、30%以下とすることが好ましく、20%以下とすることがより好ましく、15%以下とすることがさらに好ましい。
本発明の製造方法に用いることができる周期表第13族金属原料含有ガス供給用ノズルの供給口の形状は、本発明の製造方法の条件を満たすことができるような形状であれば特に制限されない。例えば、供給口の形状は、円形、楕円形、正方形、長方形、中央部が細く端部が太い細長形状、放射状、端部が円形でそれを連結する中央部が長方形である形状を挙げることができる。
することがさらに好ましく、また、1000cm2以下とすることが好ましく、500cm2以下とすることがより好ましく、300cm2以下とすることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることで得られる結晶の膜厚分布が小さくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで周期表第13族金属原料ガスの利用効率が高くなる傾向がある。なお、1つの投影軌跡内に複数の下地基板の主面のそれぞれの一部又は全部が含まれる態様においては、下地基板の成長面の面積とは、前記複数の下地基板の成長面の面積の総和を意味する。
本発明の製造方法に用いる周期表第13族金属原料含有ガス供給用ノズルは、反応容器内において脱着可能なものであることが好ましい。脱着可能であれば、必要に応じて洗浄することが可能であり、また、下地基板の成長面の形状やサイズに応じて、ノズルを適宜交換することも可能である。
本発明の製造方法において、窒素原料含有ガスを窒素原料含有ガス供給用ノズルの供給口から供給しても良い。窒素原料含有ガスは、窒素原料ガスを少なくとも含むガスである。窒素原料ガスのみからなるものであってもよいが、通常はキャリアガスやドーパントガスなどを含む混合ガスを採用する。窒素原料ガスとしては、反応性の観点からNH3を好ましく用いることができる。キャリアガスとしては、例えば、H2ガス、N2ガス、Heガス、Neガス、Arガスのような不活性ガスを挙げることができる。また、ドーパントガスは、製造しようとしている周期表第13族金属窒化物半導体結晶に求められる性能に基づいて決定することができ、例えばn型のドーパントガスであれば、SiH4ガス、SiH2Cl2ガス、H2Sガス等を挙げることができる。ノズル供給口から混合ガスを供給する場合、混合ガスに含まれる窒素原料ガスの濃度は、1%以上とすることが好ましく、5%以上とすることがより好ましく、10%以上とすることがさらに好ましい。また、98%以下とすることが好ましく、95%以下とすることがより好ましく、90%以下とすることがさらに好ましい。
本発明の製造方法に用いることができる窒素原料含有ガス供給用ノズルの供給口の形状は特に制限されないが、例えば、供給口の形状は、円形、楕円形、正方形、長方形、中央部が細く端部が太い細長形状、放射状、端部が円形でそれを連結する中央部が長方形である形状を挙げることができる。
族金属原料含有ガスを反応容器内に供給し、かつ、窒素原料含有ガス供給用ノズルから窒素含有原料ガスを反応容器内に供給し、さらに、窒素原料含有ガス供給用ノズルの供給口の面積に対する周期表第13族金属原料含有ガス供給用ノズルの供給口の面積の比を前記範囲としたものとすることができる。
ここで、窒素原料含有ガス供給用ノズルの供給口をその供給方向に向かって投影した際の投影軌跡から下地基板の成長面までの距離とは、投影軌跡の外縁から下地基板の成長面までの最短距離を意味する。
本発明では、下地基板上に周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させることができる製造装置を適宜選択して用いることができる。以下では、好ましい製造装置の一例として、図4を参照しながらハイドライド気相成長法(HVPE)法の製造装置を説明する。
図4は、本発明の製造方法で用いることができる製造装置の一例を示す概略図である。図4の製造装置は、反応容器100内に、下地基板110を載置するためのサセプター108と、成長させる周期表第13族金属窒化物の原料を入れるリザーバー106とを備えている。また、反応容器100内にガスを導入するための導入管101〜104と、リザーバー106にガスを導入するための導入管105と、反応容器から排気するための排気管109が設置されている。さらに、反応容器100を側面から加熱するためのヒーター107が設置されている。
反応容器100の材質としては、石英、焼結体窒化ホウ素、ステンレス等が用いられる。好ましい材質は石英である。反応容器100内には、反応開始前にあらかじめ雰囲気ガスを充填しておく。雰囲気ガス(キャリアガス)としては、例えば、水素、窒素、He、Ne、Arのような不活性ガス等を挙げることができる。これらのガスは混合して用いてもよい。
サセプター108の材質としてはカーボンもしくはSiCを含む材質であることが好ましい。サセプター108の形状は、本発明で用いる下地基板を設置することができる形状であれば特に制限されないが、結晶成長する際に成長面付近に構造物が存在しないものであることが好ましい。成長面付近に成長する可能性のある構造物が存在すると、そこに多結晶体が付着し、その生成物としてHClガスが発生して結晶成長させようとしている結晶に悪影響が及んでしまう可能性がある。
リザーバー106には、成長させる周期表第13族金属窒化物の原料を入れる。具体的には、周期表第13族源となる原料を入れる。そのような周期表第13族源となる原料として、Ga、Al、Inなどを挙げることができる。リザーバー106にガスを導入するための導入管105からは、リザーバー106に入れた原料と反応するガスを供給する。例えば、リザーバー106に周期表第13族となる原料を入れた場合は、導入管105からHClガスを供給することができる。このとき、HClガスとともに、導入管105からキャリアガスを供給してもよい。キャリアガスとしては、例えば水素、窒素、He、Ne、Arのような不活性ガス等を挙げることができる。これらのガスは混合して用いてもよい。リザーバー内で、周期表第13族源となる原料とHClガスとが反応し、GaClなどの周期表第13族金属原料ガスとなって反応容器100に供給される。
導入管101からは、窒素源となる原料ガス(窒素原料含有ガス)を供給する。本発明の製造方法に用いる窒素原料含有ガスは、周期表第13族金属窒化物結晶成長用として一般に知られている窒素化合物を用いることができるが、NH3を供給することが好ましい。NH3は取り扱いが簡単であるとともに、比較的安価で入手可能である。さらに、NH3は分解効率が良好であり、結晶成長速度を高めることができるため、好適な窒素源である。NH3は反応容器内の全体に供給されることが好ましく、ノズル開口部近傍におけるNH3の供給方向を示すベクトルは、少なくとも周期表第13族金属窒化物を含むガスの供給流路のベクトル成分を有することがより好ましい。
ガス排気管109は、反応容器内壁の上面、底面、側面に設置することができる。ゴミ
落ちの観点から結晶成長端よりも下流側にあることが好ましく、図7のようにガス導入管とは反対側にガス排気管109が設置されていることがより好ましい。
HVPE法による結晶成長は、通常は800℃〜1200℃で行い、900℃〜1100℃で行うことが好ましく、925℃〜1070℃で行うことがより好ましく、950℃〜1050℃で行うことがさらに好ましい。反応容器内の圧力は10kPa〜200kPaであるのが好ましく、30kPa〜150kPaであるのがより好ましく、50kPa〜120kPaであるのがさらに好ましい。エッチングを行うときのエッチング温度や圧力は、前記の結晶成長の温度や圧力と同一であっても異なっていてもよい。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法により製造した結晶を加工することにより、周期表第13族金属窒化物半導体基板を製造することができる。所望の形状の周期表第13族金属窒化物基板を得るために、得られた周期表第13族金属窒化物結晶に対してスライス、外形加工、表面研磨などを適宜行うことが好ましい。これらの方法は、いずれか1つだけを選択して用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。組み合わせて用いる場合は、例えば、スライス、外形加工、表面研磨の順に行うことができる。各処理について詳しく説明すると、スライスは、例えばワイヤーで切断することにより行うことができる。外形加工とは、基板形状を円形にしたり、長方形にしたりすることを意味し、例えばダイシング、外周研磨、ワイヤーで切断する方法などを挙げることができる。表面研磨の例として、ダイヤモンド砥粒などの砥粒を用いて表面を研磨する方法、CMP(chemical mechanical polishing)、機械研磨後のRIEでのダメージ層エッチングなどを挙げることができる。
MOCVD法によってサファイア基板上に窒化ガリウム層を約15μm成長させた円形テンプレート基板(主面における成長面の最大径:94mm)を用意した。
このテンプレート基板を図4に示すHVPE装置内のカーボン製のサセプター108に下地基板110として固定した後、これを反応容器100内に設置した。このとき、リザーバー106から下地基板方向に設置されているGa原料含有ガス供給ノズルの供給口を、ガス供給方向に向かって投影した投影軌跡の中に含まれる下地基板110の成長面の割合、成長面中心部の割合、成長面外周部の割合、およびGa原料含有ガス供給ノズルの供給口面積と窒素原料含有ガス供給ノズル(導入管101)の供給口面積との比、Ga原料含有ガス供給ノズルから下地基板110の成長面までの最短距離は、それぞれ表1のようになった。なお、成長面中心部とは成長面中心から37.6mmの範囲に含まれる領域であり、外周部とは中心部以外の領域である。
れのガスの分圧および各ノズル出口でのガス線速は表1に示す通りとした。また、結晶成長中は下地基板を固定したサセプターを3rpmで回転させた。GaN結晶成長を1時間行った後、原料ガスの導入を止めて反応容器内を室温まで降温し、GaN結晶を取り出した。
得られたGaN結晶の結晶膜厚を、結晶中心から5mmごとの間隔で円周上90°おきにそれぞれ8点測定し、下式で表される膜厚分布を算出した。結果を表1に示す。
また、得られたGaN結晶の結晶膜厚からGaの原料利用効率を下式にしたがって計算した。結果を表1に示す。
Ga原料含有ガス供給ノズルの供給口をガス供給方向に向かって投影した投影軌跡の中に含まれる下地基板の成長面の割合、成長面中心部の割合、成長面外周部の割合、およびGa原料含有ガス供給ノズルの供給口面積と窒素原料含有ガス供給ノズルの供給口面積との比、また各ガス分圧および各ノズル出口でのガス線速を表1に示す値とした以外は、実
施例1と同様の方法にてGaN結晶成長を行った。
膜厚分布およびGaの原料利用効率を表1に示す。
得られたGaN結晶は凸型の形状であったが、表1に示した通り膜厚分布は比較例1、2よりも大きく改善していることが確認された。
Ga原料含有ガス供給ノズルの供給口をガス供給方向に向かって投影した投影軌跡の中に含まれる下敷基板の成長面の割合、成長面中心部の割合、成長面外周部の割合、およびGa原料含有ガス供給ノズルの供給口面積と窒素原料含有ガス供給ノズルの供給口面積との比、また各ガス分圧および各ノズル出口でのガス線速を表1に示す値とした以外は、実施例1と同様の方法にてGaN結晶成長を行った。
製造することができる。このため、本発明は周期表第13族金属窒化物半導体結晶を利用した工業製品の開発や製造に効果的に利用することができ、産業上の利用可能性が高い。
2:供給口
3:供給方向
4:任意の投影面
5:供給口の外縁に対応する投影線
6:ノズルの供給口をその供給方向に向かって投影した際の投影軌跡
7:投影線同士を結ぶ接線
8:投影軌跡に挟まれた領域
9:下地基板
10:主面
100:反応容器
101〜105:導入管
106:リザーバー
107:ヒーター
108:サセプター
109:排気管
110:下地基板
Claims (8)
- 反応容器内を該反応容器の外からヒーターで加熱するとともに、該反応容器内にそれぞれ開口するGa原料含有ガス供給用ノズルおよびNH 3 含有ガス供給用ノズルを通して該反応容器内にGa原料含有ガスおよびNH 3 含有ガスを供給して、該反応容器内に設置した下地基板の主面上にGaN結晶を成長させる成長工程を含み、
該成長工程においては、該下地基板の該主面のうち、該Ga原料含有ガス供給用ノズルの供給口をその供給方向に向かって投影した際の投影軌跡に含まれる面積割合が50%以上99%以下であることを特徴とするGaN結晶の製造方法。 - 前記NH 3 含有ガス供給用ノズルの供給口の面積に対する、前記Ga原料含有ガス供給用ノズルの供給口の面積の比が、0.5以上であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記成長工程において、前記NH 3 含有ガス供給用ノズルの供給口におけるNH 3 含有ガスの線速に対する、前記Ga原料含有ガス供給用ノズルの供給口におけるGa原料含有ガスの線速の比が0.1以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記成長工程において、前記Ga原料含有ガス供給用ノズルの供給口から、前記下地基板の前記主面までの最短距離が0.5cm以上30cm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記成長工程において、前記Ga原料含有ガス供給用ノズルの供給口の面積に対する、前記Ga原料含有ガス供給用ノズルの供給口をその供給方向に向かって投影した際の投影軌跡に含まれる前記下地基板の前記主面の面積の比が0.1以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記成長工程において、前記Ga原料含有ガスの供給方向と、前記下地基板の前記主面とがなす角度が0°から±40°以内であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記Ga原料含有ガスが、GaClガス、GaCl 3 ガスまたはGa 2 Oガスを少なくとも含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記Ga原料含有ガスがGaClガスを含み、HClガスをGaと反応させることによって該GaClガスを生成させる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の製造方法。
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