JP2014088272A - 周期表第13族金属窒化物半導体結晶 - Google Patents

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悠貴 江夏
Shuichi Kubo
秀一 久保
Satoru Nagao
哲 長尾
Takeshi Fujito
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Abstract

【課題】積層欠陥が少なく、デバイス形成用の半導体基板として好適な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を提供することを課題とする。
【解決手段】主面の結晶面が{m0−m−n}面又は{m0−mn}面[但し、m、nは1以上の整数である]であるとともに、キャリア濃度の差が7.0×1017cm−3以上である高キャリア領域及び低キャリア領域を有する周期表第13族金属窒化物半導体結晶が、積層欠陥が少なく、デバイス形成用の半導体基板として好適な高品質な結晶となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、周期表第13族金属窒化物半導体結晶に関する。
窒化ガリウム(GaN)に代表される周期表第13族金属窒化物半導体は、大きなバンドギャップを有し、さらにバンド間遷移が直接遷移型であることから、紫外、青色等の発光ダイオードや半導体レーザー等の比較的短波長側の発光素子として実用化されている。これらのデバイスは、同種の材料からなり、かつ結晶欠陥の少ない高品質な半導体基板(自立基板)を用いて製造されることが好ましく、このような半導体基板となり得る周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造技術が盛んに研究されている。代表的な製造方法として、ハイドライド気相成長法(HVPE法)や有機金属化学蒸着法(MOCVD法)等の気相成長法を利用した製造方法が一般的に知られている。
周期表第13族金属窒化物半導体基板については、ピエゾ電界の影響を抑制する観点から、非極性面又は半極性面を主面とするものが必要とされており、例えば(0001)面等の極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を用い、その主面上に結晶成長させて、形成された成長層を非極性面又は半極性面が現れるように研磨又は切断することによって製造することができる。しかしながら、極性面を主面とする下地基板を用いる方法では、非極性面又は半極性面を主面とする大口径の半導体基板を効率よく製造することは困難である。そこで最近では、非極性面又は半極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を用い、かかる主面上に結晶成長させて製造する方法が注目されている。
一方で、非極性面上又は半極性面上に既知の方法で結晶成長させるだけでは、成長層に多数の積層欠陥が発生してしまうことが明らかとなっており、高品質な周期表第13族金属窒化物半導体基板を実現するためには、積層欠陥を低減する技術が必要である。
積層欠陥を低減する方法として、例えば使用するGaN種結晶基板の不純物濃度と形成するGaN結晶層との不純物濃度の差を、3×1018cm−3以下とする成長方法が提案されている(特許文献1参照)。積層欠陥に対する不純物濃度の影響は十分に明らかとなっていないが、GaN種結晶基板とGaN結晶層との間の不純物濃度の差が大きくなりすぎると、形成するGaN結晶層の格子定数が変化し、格子定数差に起因する応力を緩和するため、積層欠陥が発生する原理が報告されている。
また、積層欠陥の課題とは別に、デバイス特性のバラツキを抑制する観点から、極性面以外の面を主面とする大口径のGaN単結晶基板について、主面内のキャリア濃度の分布を実質的に均一にする方法が報告されている(特許文献2参照)。
特開2012−66983号公報 特開2011−51863号公報
前述のように、非極性面又は半極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を用い、その主面上に結晶成長させて周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造する場合、成長層に多数の積層欠陥が発生してしまうため、デバイス形成用の半導体基板として好適な高品質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得ることは困難であった。
本発明は、積層欠陥が少なく、半導体基板として好適な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、主面の結晶面が{m0−m−n}面又は{m0−mn}面[但し、m、nは1以上の整数である]であり、キャリア濃度の差が7.0×1017cm−3以上である高キャリア領域及び低キャリア領域を有する周期表第13族金属窒化物半導体結晶が、積層欠陥が少なく、半導体基板として好適な高品質な結晶となることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1) 主面の結晶面が{m0−m−n}面又は{m0−mn}面[但し、m、nは1以
上の整数である]であり、キャリア濃度の差が7.0×1017cm−3以上である高キャリア領域及び低キャリア領域を有することを特徴とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
(2)前記高キャリア領域及び低キャリア領域が隣接する位置に配置されている、(1)に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
(3) 前記高キャリア領域及び低キャリア領域を、それぞれ2以上有する、(1)又は
(2)に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
(4) 前記高キャリア領域及び低キャリア領域が、k軸方向に交互に配置されている、
(3)に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
(5) 前記高キャリア領域及び/又は低キャリア領域のk軸方向の長さが、50μm以
上である、(4)に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
(6) 前記高キャリア領域及び低キャリア領域のキャリア濃度が、いずれも1.0×1
18cm−3以上である、(1)乃至(5)のいずれかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
(7) 基底面積層欠陥密度が300cm−1以下である、(1)乃至(6)のいずれか
に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
本発明によれば、高品質な周期表第13族金属窒化物半導体基板を提供することができる。
下地基板上に形成された成長層の断面を表す概念図である。 成長形態を表す概念図である。 HVPE法を利用し、昇温工程及び成長工程を含む製造方法の温度変化を経時的に表す概念図である。 本発明の製造方法で用いることができる製造装置の一例を示す概略図である。 実施例1及び比較例において得られたGaN自立基板のキャリア濃度分布を表すグラフである((a)実施例1、(b)比較例)。
以下において、本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。
なお、本願において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本願におけるミラー指数は、
指数が負である場合に当該指数の前にマイナス記号をつけて表記している。また、本明細書において<・・・・>との表記は方向の集合表現、[・・・・]との表記は方向の個別表現を表す。それに対して{・・・・}との表記は面の集合表現、(・・・・)との表記は面の個別表現を表す。
本明細書において「オフ角」とは、ある面の指数面からのずれを表す角度である。
本願明細書において「主面」とは、結晶に存在する表面のうち最も広い面を意味し、下地基板の「主面」は通常結晶成長が行われるべき面となる。
本願明細書において、「C面」とは、六方晶構造(ウルツ鉱型結晶構造)における{0001}面であり、c軸に直交する面である。かかる面は極性面であり、周期表第13族金属窒化物半導体結晶では「+C面」は周期表第13族金属面(窒化ガリウムの場合はガリウム面)であり、「−C面」は窒素面である。
また、本願明細書において、「M面」とは{1−100}面と等価な面であり、具体的には(1−100)面、(01−10)面、(−1010)面、(−1100)面、(0−110)面、或いは(10−10)面であり、m軸に直交する面である。かかる面は非極性面であり、通常は劈開面である。
また、本願明細書において、「A面」とは{2−1−10}面と等価な面であり、具体的には(2−1−10)面、(−12−10)面、(−1−120)面、(−2110)面、(1−210)面、或いは(11−20)面であり、a軸に直交する面である。かかる面は非極性面である。本明細書において「c軸」「m軸」「a軸」とは、それぞれC面、M面、A面に垂直な軸を意味する。
また、本願明細書において「半極性面」とは、例えば、周期表第13族金属窒化物半導体結晶が六方晶であってその主面が(hklm)で表される場合、h、k、lのうち少なくとも2つが0でなく、且つmが0でない面をいう。また、半極性面は、C面、すなわち{0001}面に対して傾いた面で、表面に周期表第13族金属元素と窒素元素の両方あるいは片方のみが存在する場合で、かつその存在比が1:1でない面を意味する。h、k、l、mはそれぞれ独立に−5〜5のいずれかの整数であることが好ましく、−3〜3のいずれかの整数であることがより好ましく、低指数面であることが好ましい。具体的には、例えば{20−21}面、{20−2−1}面、{30−31}面、{30−3−1}面、{10−11}面、{10−1−1}面、{10−12}面、{10−1−2}面、{11−22}面、{11−2−2}面、{11−21}面、{11−2−1}面など低指数面が挙げられる。
<周期表第13族金属窒化物半導体結晶>
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、「主面の結晶面が{m0−m−n}面又は{m0−mn}面[但し、m、nは1以上の整数である]」であるとともに、「キャリア濃度の差が7.0×1017cm−3以上である高キャリア領域及び低キャリア領域を有する」ことを特徴とする。
前述のように、非極性面又は半極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を用い、その主面上に結晶成長させて周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造する場合、成長層に多数の積層欠陥が発生してしまうため、デバイス形成用の半導体基板として好適な高品質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得ることは困難であった。本発明者らは、主面の結晶面が{m0−m−n}面又は{m0−mn}面である周期表第13族金属窒化物半導体結晶において、キャリア濃度の差が7.0×1017cm−3以上である高キャリア領域と低キャリア領域を包含するように結晶を製造することによって、積層欠陥の少ない高品質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶となることを見出した。これは、高キャリア領域と低キャリア領域が存在することによって、その境界領域が結晶内に発生する応力のはけ口となって、応力に起因した積層欠陥の発生を抑制するためで
あると考えられる。特に高キャリア領域と低キャリア領域の差が7.0×1017cm−3以上であると、その効果が顕著であり、積層欠陥の少ない高品質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶となることを明らかとしたのである。
なお、「キャリア濃度の差が7.0×1017cm−3以上である高キャリア領域及び低キャリア領域を有する」とは、周期表第13族金属窒化物半導体結晶内にキャリア濃度の異なる領域があり、そのキャリア濃度の差が7.0×1017cm−3以上であることを意味する。即ち、「高キャリア領域」とは、7.0×1017cm−3以上というキャリア濃度の差におけるキャリア濃度の高い側の領域を意味し、具体的なキャリア濃度は特に限定されないことを意味する。一方、「低キャリア領域」も、7.0×1017cm−3以上というキャリア濃度の差におけるキャリア濃度の低い側の領域を意味し、具体的なキャリア濃度は特に限定されないものとする。また、「領域」とは、キャリア濃度が厳密に同一である範囲を意味するものではなく、例えば1.0×1017cm−3以下のキャリア濃度の差は誤差として、同一の領域内として扱ってもよいものとする。そして「高キャリア領域」及び「低キャリア領域」の形状、寸法、また周期表第13族金属窒化物半導体結晶内における数、分布等は特に限定されないことを意味する。
但し、前述のように高キャリア領域と低キャリア領域の境界領域が結晶内に発生する応力のはけ口となるため、高キャリア領域及び低キャリア領域は隣接する位置に配置されていることが好ましい。なお、「高キャリア領域及び低キャリア領域は隣接する位置に配置されている」とは、高キャリア領域と低キャリア領域とが直接接触しているほか、高キャリア領域と低キャリア領域との最短距離が800μm以内、好ましくは300μm以内、より好ましくは100μm以内にあることを意味するものとする。
なお、キャリア濃度は、例えばラマン分光測定を行うことによって特定することができ、本願明細書においては、励起光源に中心波長514nmのArレーザーを使用した場合の数値を用いている。また、ラマン分光測定を行う際の測定面は特に限定されないが、結晶の主面であることが好ましい。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、主面の結晶面が{m0−m−n}面又は{m0−mn}面であることを特徴とするが、m及びnは1以上の整数であれば具体的数値は特に限定されず、またm及びnの数値は同じであっても、或いは異なるものであってもよい。mの具体的数値としては1、2、3が、nの具体的数値としては1、2が挙げられる。また、具体的な面方位としては、{20−2−1}面、{30−3−1}面、{10−1−1}面、{10−1−2}面、{40−4−1}面、{50−5−1}面、{60−6−1}面、{20−21}面、{30−31}面、{10−11}面、{10−12}面、{40−41}面、{50−51}面、{60−61}面等が挙げられる。
特に主面の結晶面が{m0−m−n}面である周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、製造する際に下地基板表面の原子構造がGa−polarityライクとなって、鏡面成長が起こり易くなる傾向にある。従って、主面の結晶面が{m0−m−n}面である周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、より生産性に優れていると言え、主面の結晶面が{m0−mn}面であるものに比べて好ましい。なお、mの具体的数値としては好ましくは1、2、3、特に好ましくは2であり、nの具体的数値としては好ましくは1である。また、具体的な面方位としては、好ましくは{10−1−1}面、{20−2−1}面、{30−3−1}面、特に好ましくは{20−2−1}面である。上記のような結晶面であると、デバイス形成用の半導体基板としてより好適な周期表第13族金属窒化物半導体結晶となる。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、キャリア濃度の差が7.0×1017cm−3以上である高キャリア領域及び低キャリア領域を有することを特徴とするが、高キャリア領域及び低キャリア領域のキャリア濃度の差の具体的数値は特に限定されず、好ましくは1.0×1018cm−3以上、より好ましくは1.2×1018cm−3以上、さらに好ましくは1.5×1018cm−3以上であり、好ましくは1.0×10
cm−3以下、より好ましくは7.0×1018cm−3以下、さらに好ましくは4.0×1018cm−3以下である。上記範囲内であると、積層欠陥の極めて少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶となり易い傾向がある。なお、本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、高キャリア領域及び低キャリア領域以外の領域を備えるものであってもよい。
また、本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶における高キャリア領域及び低キャリア領域それぞれのキャリア濃度の具体的数値は特に限定されないが、高キャリア領域及び低キャリア領域のいずれもが、1.0×1018cm−3以上であることが好ましく、3.0×1018cm−3以上であることが好ましい。また、本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶のキャリア濃度の具体的数値も特に限定されないが、1.0×1018cm−3以上であることが好ましく、3.0×1018cm−3以上であることが好ましい。
高キャリア領域のキャリア濃度の具体的数値としては、通常2.0×1018cm−3以上、好ましくは2.5×1018cm−3以上、より好ましくは3.0×1018cm−3以上であり、通常1.0×1019cm−3以下、好ましくは8.0×1018cm−3以下、より好ましくは6.0×1018cm−3以下である。
低キャリア領域のキャリア濃度の具体的数値としては、通常1.0×1018cm−3以上、好ましくは1.5×1018cm−3以上、より好ましくは2.0×1018cm−3以上であり、通常9.0×1018cm−3以下、好ましくは7.0×1018cm−3以下、より好ましくは5.0×1018cm−3以下である。上記範囲内であると、積層欠陥の極めて少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶となり易い傾向がある。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、キャリア濃度の差が7.0×1017cm−3以上である高キャリア領域及び低キャリア領域を有することを特徴とするが、高キャリア領域及び低キャリア領域の形状、数、分布等の特徴は特に限定されず、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の形状に応じて適宜設定することができる。
例えば、本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、主面の面積の10%以上が高キャリア領域で占められていることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、40%以上であることが更に好ましい。また、本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、主面の面積の5%以上が低キャリア領域で占められていることが好ましく、8%以上であることがより好ましく、10%以上であることが更に好ましい。
以下に高キャリア領域及び低キャリア領域の特徴について説明するが、本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、かかる態様に限定されるべきものではない。なお、高キャリア領域及び低キャリア領域の特徴を説明するにあたり、図1を参照して説明するが、1は[m0−m−n]方向、2はc軸方向、3はa軸方向、4はk軸方向、5は下地基板、6が成長層、7が高キャリア領域、8が低キャリア領域を表す。ここで「k軸方向」とは、c軸を主面の法線方向から主面上に投影した場合に、投影された投影軸の伸びる方向を意味するものとする。図1の(a)〜(c)は、下地基板上に形成された成長層の断面を表す概念図であり、図1の(a)は高キャリア領域及び低キャリア領域を有さず、キャリア濃度が均一な成長層、図1の(b)は高キャリア領域及び低キャリア領域をそれぞれ2以上有する成長層であり、高キャリア領域及び低キャリア領域が交互かつ周期的に配置されている成長層、図1の(c)は高キャリア領域及び低キャリア領域をそれぞれ2以上有する成長層であり、高キャリア領域及び低キャリア領域が交互に配置されているが、周期的でない成長層を表す。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶において、高キャリア領域及び低キャリア領域は、それぞれ2以上存在することが好ましく、それぞれ5以上存在することがより好ましく、それぞれ10以上存在することがさらに好ましい。上記範囲内であると、高キャリア領域及び低キャリア領域が結晶全体に広く分布することができ、積層欠陥の極めて少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶となり易い傾向がある。
高キャリア領域及び低キャリア領域は、k軸方向に交互に配置されることが好ましい。
高キャリア領域及び低キャリア領域がk軸方向に交互に配置されることによって、結晶内に発生する応力を適度に緩和し、積層欠陥の極めて少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶となり易い傾向がある。
高キャリア領域及び低キャリア領域は、k軸方向に交互かつ周期的に配置されていることが好ましい。高キャリア領域及び低キャリア領域がk軸方向に交互かつ周期的に配置されることによって、デバイス形成用の半導体基板により好適な周期表第13族金属窒化物半導体結晶となる。
高キャリア領域及び低キャリア領域は、k軸方向の長さがそれぞれ50μm以上であることが好ましく、k軸方向の長さが200μm以上であることがより好ましく、k軸方向の長さが400μm以上であることがさらに好ましい。また、高キャリア領域及び低キャリア領域は、通常+k軸方向の長さが2000μm以下である。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、積層欠陥の少ない結晶であることを特徴とするが、基底面積層欠陥密度の具体的数値は特に限定されない。「基底面積層欠陥」とは、基底面、即ち極性面である(0001)面に平行に存在する面欠陥を意味し、極性面に交差する断面(特に極性面に垂直な断面)を観察することによって積層欠陥を直線状の欠陥として、観察することができる。積層欠陥は、例えば結晶表面を蛍光顕微鏡や低温CL(カソードルミネッセンス法)で観察することにより観察することができる。具体的には、積層欠陥を観察したい結晶表面に405nmの発光を示すようなLED構造を作製し、この表面を蛍光顕微鏡で像観察すると積層欠陥部位に輝線が現れることになる。または、低温PLで観察されるスペクトルには3.41eV(364nm)付近に積層欠陥(基底面積層欠陥;BSF)由来のピーク(BSFピーク)が現れ、これを利用して、LED構造を作製せず積層欠陥を観察したい結晶そのものであっても、波長分光可能な低温CLで像観察すると、積層欠陥部位に輝線を観察することができる。
基底面積層欠陥密度は、通常500cm−1以下、好ましく300cm−1は以下、より好ましくは100cm−1以下である。上記範囲内であれば、発光素子等の半導体基板に好適な周期表第13族金属窒化物半導体結晶となり得る。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、前述の特徴を有する結晶であればその製造方法は特に限定されず、ハイドライド気相成長法(HVPE法)、有機金属化学蒸着法(MOCVD法)、有機金属塩化物気相成長法(MOC法)、昇華法、融液成長、高圧溶液法、フラックス法、アモノサーマル法等の公知の成長方法及び成長条件を適宜採用して製造することができる。但し、「キャリア濃度の差が7.0×1017cm−3以上である高キャリア領域及び低キャリア領域を有する」という特徴を満たし易くなる観点から、下地基板の主面に対して垂直な方向への結晶成長が比較的速い成長方法及び/又は成長条件を採用することが好ましい。図2を参照して説明すると、図2の(a)は下地基板の主面に対して平行な方向への結晶成長が速く、比較的均一に厚みが増して結晶成長が進む成長形態、図2の(b)は下地基板の主面に対して垂直な方向への結晶成長が速く、9のような特有の面(ファセット)が現れて結晶成長が進む成長形態を表す。成長層に現れた面は、その面方位によって酸素(O)やケイ素(Si)等のドーパントの取り込み易さが異なり、図2の(b)のような成長形態で形成された成長層は、場所によってキャリア濃度に差が生じ易くなる。即ち、図2の(b)のような成長形態で結晶成長させることにより、高キャリア領域及び低キャリア領域を有する本発明のような周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造することが可能となる。但し、図2の(b)のような成長形態で結晶成長させる具体的な成長方法や成長条件は、下地基板の形状や主面の面方位等に応じて適宜選択されるべきものであり、本発明においては特に限定されるものではない。また、結晶成長に用いる下地基板の主面に成長阻害層(マスク)や溝を設けることによっても、成長環境について面方向で差異を設けることができ、本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得るために応用することもできる。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得るための具体的な製造方法として、
ハイドライド気相成長法(HVPE法)を利用し、下記の(I)昇温工程及び(II)成長工程を含むことを特徴とする製造方法が挙げられる。以下、かかる製造方法の詳細について説明するが、本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶はかかる製造方法によって得られるものに限定されるものではない。
(I)主面の結晶面が{m0−m−n}面又は{m0−mn}面[但し、m、nは1以上の整数である]である周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を配置した成長部の温度を所定の温度T1(700℃≦T1≦950℃)まで昇温する昇温工程。
(II)ハイドライド気相成長法により下地基板上に周期表第13族金属窒化物層を成長させる成長工程であって、温度T1において周期表第13族金属原料及び/又は窒素原料の供給を開始して両原料の同時供給を行い、両原料の同時供給を行いながら成長部の温度を所定の温度T2(T1<T2)まで昇温する昇温過程を含む工程。
かかる製造方法は、結晶成長を進める上での主条件となる本成長過程(温度:T2)に至る前の昇温段階において、周期表第13族金属原料及び窒素原料の同時供給を行い、成長部の温度が比較的に低い状態から結晶成長を開始しようとする方法である。成長部の温度が比較的に低い状態から結晶成長を開始することによって、基板表面における原料原子の拡散長を短くし、基板表面に構成されるステップテラス構造のうち、ステップ端部への原料原子の取り込み量を意図的に低減させることで、主面に対して垂直な方向への結晶成長を促し、成長初期段階において図2の(b)のような成長形態を実現することができると考えられる。成長初期段階において図2の(b)のような成長形態を実現すると、その後の本成長過程においても容易に図2の(b)のような成長形態にて結晶成長を行うことができる。
なお、本願明細書において「成長部の温度」とは、結晶成長が進行する下地基板表面近傍の温度を意図するものであるが、厳密には下地基板を設置するサセプターの温度を意味するものとする。
また、本願明細書において「成長工程」とは、実際に周期表第13族金属窒化物層の成長が進行しているか否かに関わらず、周期表第13族金属原料及び窒素原料の両原料の同時供給が行われ、結晶成長が進行し得る条件が整った状態を意味するものとする。よって、周期表第13族金属原料及び窒素原料の両原料の同時供給が行われた時点で成長工程に移行するものとする。「両原料の同時供給」とは、周期表第13族金属原料および窒素原料が共に成長部に供給されている状態を意味し、周期表第13族金属原料および窒素原料の両原料の供給を同時に開始するほか、例えば、昇温工程において既に窒素原料を流通させているような場合においては、これに加えて周期表第13族金属原料の供給を開始し、両原料の供給が揃った時点で「両原料の同時供給」を行っているものとする。
(昇温工程)
昇温工程は、成長部の温度を所定の温度T1(700℃≦T1≦950℃)まで昇温する工程であるが、温度T1は、好ましくは750℃以上、より好ましくは790℃以上、さらに好ましくは830℃以上であり、好ましくは940℃以下、より好ましくは910℃以下、さらに好ましくは870℃以下である。上記範囲内であると、積層欠陥の極めて少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造し易い傾向がある。
昇温工程においてその他の条件については特に限定されないが、T1までの昇温速度は、通常5℃/min以上、好ましくは8℃/min以上、より好ましくは12℃/min以上であり、通常20℃/min以下、好ましくは25℃/min以下、より好ましくは30℃/min以下である。上記範囲内であると、積層欠陥の極めて少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造し易い傾向がある。
昇温工程における雰囲気ガスの種類は特に限定されないが、水素(H)、アンモニア(NH)、若しくは窒素(N)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)等の不活性ガス種、又はこれらの混合ガスが挙げられる。この中でも、水素(H
、アンモニア(NH)、窒素(N)を含むことが好ましく、アンモニア(NH)および窒素(N)であることがより好ましい。
また、雰囲気ガス中の各ガス濃度も特に限定されないが、不活性ガス種の濃度は、通常10体積%以上、好ましくは20体積%以上、より好ましくは30%体積%以上である。水素(H)の濃度は、通常1体積%以上、好ましくは5体積%以上、より好ましくは8%体積%以上であり、通常90体積%以下、好ましくは80体積%以下、より好ましくは70%体積%以下である。アンモニア(NH)の濃度は、通常5体積%以上、好ましくは10体積%以上、より好ましくは15%体積%以上である。
さらに昇温工程は、密閉系で行われても、或いは雰囲気ガスを逐次導入する流通系で行われてもよいが、雰囲気ガスの条件を制御し易くなる観点から、雰囲気ガスを逐次導入する流通系で行われることが好ましい。
昇温工程は、リアクター内の温度条件等が安定するまで、設定条件を短時間保持するような保持過程が含まれるものであってもよい。例えば、温度T1に達した後、成長工程に移行する前、即ち、周期表第13族金属原料及び窒素原料の両原料の同時供給が始まる前に保持過程が含まれる態様が挙げられる(以下、温度T1に達した後、周期表第13族金属原料及び窒素原料の両方が供給されている状態になるまでの所定の時間を「時間M1」と略す場合がある。)。時間M1は、不純物の付着を低減する観点から極力短い方が好ましいが、製造装置の構造等によって、リアクター内の温度が安定するまでに時間を要する場合もある。従って、M1の具体的な時間は、製造装置の構造等によって適宜設定されるべきものであるが、通常60分以下、好ましくは30分以下、より好ましくは10分以下である。上記範囲内であると、積層欠陥の極めて少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造し易い傾向がある。
(成長工程)
成長工程は、上記の昇温工程を経ることによって到達した温度T1において、ハイドライド気相成長法に使用される周期表第13族金属原料および窒素原料の両原料が供給されて結晶成長が開始し、さらに周期表第13族金属原料および窒素原料を供給しながら成長部の温度を所定の温度T2(T1<T2)まで昇温する昇温過程(以下、「昇温過程」と略す場合がある。)を含む成長工程である。但し、温度T2はT1<T2であれば具体的温度は特に限定されず、通常950℃以上、好ましくは970℃以上、より好ましくは990℃以上であり、通常1200℃以下、好ましくは1100℃以下、より好ましくは1080℃以下、さらに好ましくは1050℃以下である。なお、成長工程の具体的態様として、昇温過程を終えた後、即ち成長部の温度がT2に達した後に、直ぐに後述する本成長過程に移行する態様が挙げられるが、この場合T2は本成長過程の温度条件に設定することが好ましい。
昇温過程におけるT2までの昇温速度は特に限定されないが、通常5℃/min以上、好ましくは8℃/min以上、より好ましくは11℃/min以上であり、通常30℃/min以下、好ましくは27℃/min以下、より好ましくは24℃/min以下である。上記範囲内であると、積層欠陥の極めて少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造し易い傾向がある。
昇温過程において使用する周期表第13族金属原料および窒素原料の具体的種類は、特に限定されず、ハイドライド気相成長法に使用される公知のものを適宜採用することができるが、周期表第13族金属原料としては塩化ガリウム(GaCl)が、窒素原料としてはアンモニア(NH)が挙げられる。
昇温過程における周期表第13族金属原料および窒素原料の供給量も特に限定されないが、周期表第13族金属原料としてGaClを使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるGaClの分圧は、通常1.20×10Pa以上、好ましくは1.6
0×10Pa以上、より好ましくは2.00×10Paであり、通常9.00×10Pa以下、好ましくは7.00×10Pa以下、より好ましくは5.00×10Pa以下である。
窒素原料としてNHを使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるNHの分圧は、通常3.5×10Pa以上、好ましくは6.2×10Pa以上、より好ましくは9.3×10Paであり、通常2.7×10Pa以下、好ましくは圧力2.0×10Pa以下、より好ましくは1.2×10Pa以下である。
キャリアガスとして水素(H)を使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるHの分圧として、1.00×10Pa以上、好ましくは5.00×10Pa以上、より好ましくは1.00×10Pa以上である。
上記範囲内であると、昇温過程における結晶成長速度を適度な範囲に制御し、積層欠陥の極めて少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造し易い傾向がある。
昇温過程の雰囲気ガスについて、全体のガス流量の40体積%以上を窒素等の不活性ガス種とすることが好ましい。なお、全体のガス流量の70体積%以上を不活性ガス種とすることが好ましく、90%体積%以上を不活性ガス種とすることがより好ましい。全体のガス流量における不活性ガス種の濃度は、反応装置に流通させたすべてのガスの流量の総和に対する反応装置に流通させたすべての不活性ガス種の流量の総和から算出することができる。不活性ガス種の具体的種類も特に限定されず、窒素(N)のほか、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)等も挙げられる。
成長工程のガス導入に際して、各ガスが所定のガス分圧(ガス流量)に達するまでにかかる時間(以下、ガス導入時間と称する)を、比較的短時間にすることで、初期成長層の表面モフォロジーや成長様式に影響を与え、その後に成長層を厚膜化する場合にも、成長方向と成長面との間の異方的な歪みの発生が抑制され、積層欠陥の拡大・伝播を抑制することが可能となるので好ましい。具体的には、10分以下であることが好ましく、5分以下であることがより好ましく、2分以下であることがさらに好ましい。特に、成長工程において、水素ガスを含むキャリアガスを用いる場合に、上述の効果が得やすいため好ましい。
成長工程は、上記昇温過程のほか、結晶成長を進める上での主条件となる本成長過程(以下、「本成長過程」と略す場合がある。)や降温過程等の異なる条件過程を含むものであってもよい。
以下、本成長過程における好ましい条件について説明するが、本発明の製造方法はこれらの条件に限定されるものではない。
本成長過程の温度は、好ましくは950℃以上、より好ましくは970℃以上、さらに好ましくは990℃以上であり、通常1200℃以下、好ましくは1100℃以下、より好ましくは1080℃以下、さらに好ましくは1050℃以下である。上記のような範囲であれば、良質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を効率よく成長させることができる。
本成長過程の圧力(リアクター内の圧力)は、通常10kPa以上、好ましくは30kPa以上、より好ましくは50kPa以上であり、通常200kPa以下、好ましくは150kPa以下、より好ましくは120kPa以下である。
本成長過程における周期表第13族金属原料の供給量は、GaClを使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるGaClの分圧として、通常1.20×10Pa以上、好ましくは1.60×10Pa以上、より好ましくは2.00×10Paであり、通常9.00×10Pa以下、好ましくは7.00×10Pa以下、より好ましくは5.00×10Pa以下である。
窒素原料としてNHを使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるN
の分圧として、通常3.5×10Pa以上、好ましくは6.2×10Pa以上、より好ましくは9.3×10Paであり、通常2.7×10Pa以下、好ましくは圧力2.0×10Pa以下、より好ましくは1.2×10Pa以下である。
キャリアガスとして水素(H)を使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるHの分圧として、1.00×10Pa以上、好ましくは5.00×10Pa以上、より好ましくは1.00×10Pa以上である。
本成長過程における雰囲気ガスについて、全体のガス流量の40体積%以上を窒素等の不活性ガス種とすることが好ましく、全体のガス流量の70体積%以上を不活性ガス種とすることよりが好ましく、90体積%以上を不活性ガス種とすることがより好ましい。
また不活性ガス種の濃度は、成長工程中一定であっても、或いは成長工程中に変更するものであってもよい。但し、不活性ガス種の濃度を変更する場合には、変更時間は1秒以上であることが好ましく、1分以上であることがより好ましく、1時間以上であることが更に好ましい。前記変更は、全ガス種を同時に変更してもよいし、ガス種毎に順次変更してもよい。また、成長工程中の間にガス種を変更せずに一定にしてもよいし、変更してもよく、例えば成長初期の不活性ガスとしてNを用い、本成長は不活性ガスとしてArを用いるといった場合が考えられる。
全体のガス流量における不活性ガス種の濃度の増加に伴い、リアクター内部でのガス流れに変化が生じる。各導入管からのガス流れのバランス関係が崩れるとノズル内部に多結晶が多量に付着し、冷却時にリアクターが劣化するといった問題がある。そこで周期表第13族金属原料と窒素原料とをガスで供給するための導入管内部に多結晶が発生しないようにするためのガス条件を探索し、周期表第13族金属原料を含むガス(以下、「周期表第13族金属原料ガス」と略す場合がある。)と窒素原料を含むガス(以下、「窒素原料ガス」と略す場合がある。)との密度の比(周期表第13族金属原料ガス密度/窒素原料ガス密度)が特定の範囲内であることが好ましいことを見出した。周期表第13族金属原料ガス密度/窒素原料ガス密度としては、好ましくは1未満であり、より好ましくは0.8以下である。上記範囲内であれば、導入管の出口とサセプター、下地基板表面との間で自然対流が発生しにくく、導入管内で多結晶が発生することを抑制できるためこのましい。ここで、周期表第13族金属原料ガスおよび窒素原料ガスは、それぞれ窒原料ガスとキャリアガスの混合ガスであるような場合が想定されるが、混合ガスの密度は、各々のガス単独の密度と混合比率から算出することができる。例えば、以下の式(1)を用いて算出可能である。
DT=Σ(DnLn)/ΣLn (1)
(DT:混合ガスの密度、Dn:各々のガスの単独の密度、Ln:各々のガスの供給流量)
本成長過程の成長時間は特に限定されないが、通常10時間〜100時間である。成長膜厚によって成長時間は適宜変更可能である。
本成長過程の成長速度は、成長方法、成長温度、原料ガス供給量、結晶成長面方位等により適宜設定されるものであるが、一般的に5μm/h〜500μm/hの範囲であり、30μm/h以上が好ましく、70μm/h以上がより好ましく、150μm/h以上であることがさらに好ましい。成長速度は、上記の他、キャリアガスの種類、流量、供給口−結晶成長端距離等を適宜設定することによって制御することができる。
成長工程において成長させる成長層の厚さは、最終的に取得したい周期表第13族金属窒化物半導体結晶のサイズ等に応じて適宜決定することができるが、より厚く成長させるほど本発明の効果をより好適に利用することができる。具体的な厚さとしては、通常1mm以上、好ましくは3mm以上、より好ましくは10mm以上であり、通常51mm以下、好ましくは24mm以下、より好ましくは14mm以下である。ここでいう厚さは、下
地基板の主面に対して垂直な方向の厚さを意味する。
(下地基板)
下地基板は、周期表第13族金属窒化物半導体結晶からなるものであれば具体的種類は特に限定されないが、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、又はこれらの混晶等を挙げることができる。但し、目的とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶と同種の結晶を下地基板として用いることが好ましい。例えば、窒化ガリウム(GaN)半導体基板を製造する場合は、窒化ガリウム(GaN)下地基板を用いて窒化ガリウム層を製造することが好ましい。なお、成長させる成長層と下地基板とは、完全に同一の組成である必要はなく、99.75%(原子比)以上の組成が一致していれば同種の周期表第13族金属窒化物半導体結晶であるとする。例えば、GaN下地基板上に、ケイ素(Si)や酸素(O)等をドーピングした成長層を成長させる場合は、同種の周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させているとしてホモエピタキシャル成長と称する。
また、下地基板は、目的とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶の主面と同一の結晶面を主面とすることが好ましい。即ち、下地基板は、主面の結晶面が{m0−m−n}面又は{m0−mn}面であるものを用いることが好ましい。
下地基板は、単一の周期表第13族金属窒化物半導体結晶に限られず、複数の周期表第13族金属窒化物半導体結晶を配列して下地基板として使用してもよい(以下、複数の周期表第13族金属窒化物半導体結晶を配列して下地基板として使用した場合の各結晶を「周期表第13族金属窒化物シード」と略す場合がある。)。下地基板として大型のものを準備できない場合でも、複数の周期表第13族金属窒化物シードの主面の面方位を{m0−m−n}面又は{m0−mn}面として配列し、大面積の主面を作製すればよい。複数の周期表第13族金属窒化物シードを使用した場合であっても、複数の周期表第13族金属窒化物シード上に一体となった結晶を成長させることができるため、大面積の周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得ることが可能となる。
複数の周期表第13族金属窒化物シードは、同一の指数面を有するものを用いても、異なる指数面を有するものをあわせて用いてもよい。複数の周期表第13族金属窒化物シードを並べる際には、同一平面上に結晶方位(面方位)をそろえて並べ、隣り合うシードが互いに接していても、接していなくてもよい。なお、結晶方位(面方位)とは各シードにおける主面法線方向の傾きを意味するものであるため、結晶方位(面方位)をそろえることはシード間のオフ角度をそろえることと同義である。
特に、得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶が均一になることから、周期表第13族金属窒化物シード間の主面の面方位の分布が±5°以内であることが好ましく、より好ましくは±3°以内、さらに好ましくは±1°以内、もっとも好ましくは±0.5°以内である。なお、面方位とは各シードにおける主面法線方向の傾きを意味するものであるため、面方位の分布が±5°以内であることはオフ角度が±5°以内であることと同義である。
複数の周期表第13族金属窒化物シードの配置方法は特に限定されず、同一平面上に隣り合うように配置してもよいし、平面上で重なり合って隣り合うように配置してもよい。複数の周期表第13族金属窒化物シードの主面が異なる面方位である場合には、各々の主面の面方位が同一方向となるように配置すると、周期表第13族金属窒化物シードの接合部上に得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶の結晶性が良好になる傾向があり好ましい。なお、複数の周期表第13族金属窒化物シードを並べる際には各周期表第13族金属窒化物シードの主面と極性面との交線方向を揃えて並べることが好ましく、各周期表第13族金属窒化物シード間の主面と極性面との交線方向の分布が±5°以内となるよう
に揃えることが好ましく、±3°以内となるように揃えることがより好ましく、±1°以内となるようにそろえることがさらに好ましく、±0.5°以内となるように揃えることが特に好ましい。
(製造装置)
1)基本構造
図4には、ハイドライド気相成長法に用いられる装置(以下、「HVPE装置」と略す場合がある。)の概念図を示す。図4に図示したHVPE装置は、リアクター100内に、下地基板(シード)を載置するためのサセプター107と、成長させる周期表第13族金属源を入れるリザーバー105とを備えている。また、リアクター100内にガスを導入するための導入管101〜104と、排気するための排気管108が設置されている。さらに、リアクター100を側面から加熱するためのヒーター106が設置されている。
2)リアクターの材質
リアクター100の材質としては、石英、焼結体窒化ホウ素、ステンレス等が用いられる。好ましい材質は石英である。
3)サセプターの材質、形状、成長面からサセプターまでの距離
サセプター107の材質としてはカーボンが好ましく、SiCで表面をコーティングしているものがより好ましい。サセプター107の形状は、本発明で用いる下地基板(シード)を設置することができる形状であれば特に制限されないが、結晶成長する際に結晶成長面付近に構造物が存在しないものであることが好ましい。結晶成長面付近に成長する可能性のある構造物が存在すると、そこに多結晶体が付着し、その生成物としてHClガスが発生して結晶成長させようとしている結晶に悪影響が及んでしまう。シード109とサセプター107の接触面は、シードの主面(結晶成長面)から1mm以上離れていることが好ましく、3mm以上離れていることがより好ましく、5mm以上離れていることがさらに好ましい。
4)リザーバー
リザーバー105には、成長させる周期表第13族金属源を入れる。そのような周期表第13族金属源として、Ga、Al、Inなどを挙げることができる。リザーバー105にガスを導入するための導入管103からは、リザーバー105に入れた原料と反応するガスを供給する。例えば、リザーバー105に周期表第13族金属源を入れた場合は、導入管103からHClガスを供給することができる。このとき、HClガスとともに、導入管103からキャリアガスを供給してもよい。キャリアガスとしては、例えば水素、窒素、He、Ne、Arのようなガス等を挙げることができる。これらのガスは混合して用いてもよい。
5)窒素原料(アンモニア)、セパレートガス、ドーパントガス
導入管104からは、窒素原料を供給する。通常はNHを供給する。また、導入管101および導入管102からは、キャリアガスを供給する。キャリアガスとしては、導入管103から供給するキャリアガスと同じものを例示することができる。このキャリアガスは原料ガス同士の気相での反応を抑制し、ノズル先端に多結晶が付着することを防ぐ効果もある。また、導入管102からは、ドーパントガスを供給することもできる。例えば、O、HO、SiHやSiHCl、HS等のn型のドーパントガスを供給することができる。
6)ガス導入方法
導入管101〜104から供給する上記ガスは、それぞれ互いに入れ替えて別の導入管から供給しても構わない。また、窒素原料とキャリアガスは、同じ導入管から混合して供
給してもよい。さらに他の導入管からキャリアガスを混合してもよい。これらの供給態様は、リアクター100の大きさや形状、原料の反応性、目的とする結晶成長速度などに応じて、適宜決定することができる。
7)排気管の設置場所
ガス排気管108は、リアクター内壁の上面、底面、側面に設置することができる。ゴミ落ちの観点から結晶成長端よりも下部にあることが好ましく、図4のようにリアクター底面にガス排気管108が設置されていることがより好ましい。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、前述の成長工程を経たままの状態の結晶ほか、下地基板と分離する分離工程やスライス工程、表面研磨工程等の公知の処理工程を経た結晶であってもよい。スライス工程としては、具体的にはワイヤースライス、内周刃スライス等が挙げられ、表面研磨工程としては、例えばダイヤモンド砥粒等の砥粒を用いて表面を研磨する操作、CMP(chemical mechanical polishing)、機械研磨後RIEでダメージ層エッチングする操作が挙げられる。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、周期表第13族金属を含む窒化物結晶であればその種類は特に限定されないが、GaN、AlN、InN等の1種類の周期表第13族金属からなる窒化物のほかに、GaInN、AlGaN等の2種類以上の周期表第13族金属からなる混晶も挙げられる。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、さまざまな用途に用いることができる。特に紫外〜青色の発光ダイオード又は半導体レーザー等の比較的短波長側の発光素子、及び緑色〜赤色の比較的長波長側の発光素子を製造するための半導体基板として、さらに電子デバイス等の半導体デバイスの半導体基板としても有用である。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(1)成長用基板として主面の結晶面が(20−2−1)面であり、且つ主面がc軸方向にオフしていないGaNからなる成長用基板を用意した。かかる成長用基板をHVPE装置のリアクター内の基板ホルダーに(20−2−1)面が上向きになるようにセットした。
(2)NとHにNHを添加した雰囲気ガス(NH:10体積%、N:20体積%、H:70体積%)を導入しながら成長部(サセプター107)の温度を850℃ま
で上げた。その後、周期表第13族金属原料であるGaClと窒素原料であるNHを、各々の導入管から下地基板の主面方向へ供給しながら、成長部の温度を950℃まで昇温し、該温度に到達後、50時間保持してGaN層を成長させた。なお、成長工程における成長圧力は、1.01×10Paであり、GaClガスの分圧は3.29×10Pa、NHの分圧は1.05×10Paとした。キャリアガスとしてHガスの分圧は4.04×10Pa、Nガスの分圧は4.34×10Paとした。
(3)成長工程の終了後室温まで降温し、GaN結晶を得た。結晶は[20−2−1]方向に3.0mmの平均成長膜厚であり、表面は凹凸形状であった。
(4)得られたGaNバルク結晶について外形加工、表面研磨処理を行った後、通常の手法でこれを平面研削し、研磨を行って、厚さ330μmの(20−2−1)面を主面とするGaN自立基板を作製した。
作製したGaN自立基板のキャリア濃度分布をラマン分光測定にて評価した。励起光源に中心波長514nmのArレーザーを使用し、ビームスポット径は50μmとした。測定箇所は主面の面内5点で、各測定点において25μmピッチでa軸と直交する方向(k軸方向)に1.2mm長スキャンし評価したところ、キャリア濃度が4.8×1018cm−3である高キャリア領域とキャリア濃度が3.0×1018cm−3である低キャリア領域とが隣接し、さらに交互に存在していることを確認した。また、高キャリア領域と低キャリア領域が存在することから、結晶成長の際にドーパントが取り込まれ易い領域と取り込まれにくい領域が存在したことが示唆される。なお、高キャリア領域及び低キャリア領域のk軸方向の長さはそれぞれ約300μmであった(図5の(a)参照)。
次にGaN自立基板の積層欠陥密度を、低温カソードルミネッセンス(LTCL)を用いて評価した。測定条件は加速電圧7kV、電流2nA、200倍視野、測定温度82Kと設定した。
観察した結果、積層欠陥密度は30cm−1と非常に低密度であることが確認された。GaN結晶の面内で7.0×1017cm−3以上のキャリア濃度差を有する高キャリア領域と低キャリア領域とを交互に形成させることで、積層欠陥密度を大幅に低減させることができることが明らかである。
<実施例2>
(1)成長用基板として主面の結晶面が(20−2−1)面であり、且つ主面がc軸方向にオフしていないGaNからなる成長用基板を用意した。かかる成長用基板をHVPE装置のリアクター内の基板ホルダーに(20−2−1)面が上向きになるようにセットした。
(2)NとHにNHを添加した雰囲気ガス(NH:10体積%、N:20体積%、H:70体積%)を導入しながら成長部(サセプター107)の温度を850℃ま
で上げた。その後、周期表第13族金属原料であるGaClと窒素原料であるNHを、各々の導入管から下地基板の主面方向へ供給しながら、成長部の温度を1050℃まで昇温し、該温度に到達後、50時間保持してGaN層を成長させた。なお、成長工程における成長圧力は、1.01×10Paであり、GaClガスの分圧は3.29×10Pa、NHの分圧は1.05×10Paとした。キャリアガスとしてHガスの分圧は4.04×10Pa、Nガスの分圧は4.34×10Paとした。
(3)成長工程の終了後室温まで降温し、GaN結晶を得た。結晶は[20−2−1]方向に3.0mmの平均成長膜厚であり、表面は凹凸形状であった。
(4)得られたGaNバルク結晶について外形加工、表面研磨処理を行った後、通常の手法でこれを平面研削し、研磨を行って、厚さ330μmの(20−2−1)面を主面とするGaN自立基板を作製した。
作製したGaN自立基板のキャリア濃度分布をラマン分光測定にて評価した。励起光源に中心波長514nmのArレーザーを使用とした。ビームスポット径は50μmで、測定ピッチは25μmとした。測定箇所は主面の面内5点で、各測定点において25μmピッチでa軸と直交する方向(k軸方向)に1.2mm長スキャンし評価したところ、キャリア濃度が2.0×1018cm−3である高キャリア領域とキャリア濃度が1.0×1018cm−3である低キャリア領域とが隣接し、さらに交互に存在していることを確認した。なお、高キャリア領域及び低キャリア領域のk軸方向の長さはそれぞれ約500μmであった。
次にGaN自立基板の積層欠陥密度を、低温カソードルミネッセンス(LTCL)を用いて評価した。測定条件は加速電圧7kV、電流2nA、200倍視野、測定温度82Kと設定した。
観察した結果、積層欠陥密度は15cm−1と非常に低密度であることが確認された。GaN結晶の面内で7.0×1017cm−3以上のキャリア濃度差を有する高キャリア領域と低キャリア領域とを交互に形成させることで、積層欠陥密度を大幅に低減させることができた。
<参考例>
(1)成長用基板として主面の結晶面が(20−21)面であり、且つ主面がc軸方向にオフしていないGaNからなる成長用基板を用意した。かかる成長用基板をHVPE装置のリアクター内の基板ホルダーに(20−21)面が上向きになるように結晶をセットした。
(2)NとHにNHを添加した雰囲気ガス(NH:10体積%、N:20体積%、H:70体積%)を導入しながら成長部(サセプター107)の温度を850℃ま
で上げた。その後、周期表第13族金属原料であるGaClと窒素原料であるNHを、各々の導入管から下地基板の主面方向へ供給しながら、成長部の温度を950℃まで昇温し、該温度に到達後、50時間保持してGaN層を成長させた。なお、成長工程における成長圧力は、1.01×10Paであり、GaClガスの分圧は3.29×10Pa、NHの分圧は1.05×10Paとした。キャリアガスとしてHガスの分圧は4.04×10Pa、Nガスの分圧は4.34×10Paとした。
(3)成長工程の終了後室温まで降温し、GaN結晶を得た。結晶は[20−21]方向に3.0mmの平均成長膜厚であり、表面は凹凸形状であった。
(4)得られたGaNバルク結晶について外形加工、表面研磨処理を行った後、通常の手法でこれを平面研削し、研磨を行って、厚さ330μmの(20−21)面を主面とするGaN自立基板を作製した。
作製したGaN自立基板の積層欠陥密度を、低温カソードルミネッセンス(LTCL)を用いて評価した。測定条件は加速電圧7kV、電流2nA、200倍視野、測定温度82Kと設定した。
CL像よりa軸と直交する方向(k軸方向)に明部、暗部が交互に現れることが確認され、面内でキャリア濃度の異なる領域が交互に存在していることが示唆される。明部、暗部のk軸方向への幅をCL像より測長すると約240μmであった。積層欠陥密度は40cm−1と非常に低密度であることが確認された。
<比較例>
(1)成長用基板として主面の結晶面が(20−2−1)面であり、且つ主面がc軸方向にオフしていないGaNからなる成長用基板を用意した。かかる成長用基板をHVPE装置のリアクター内の基板ホルダーに(20−2−1)面が上向きになるように結晶をセットした。
(2)NとHにNHを添加した雰囲気ガス(NH:10体積%、N:20体積%、H:70体積%)を導入しながら成長部(サセプター107)の温度を950℃ま
で上げた。その後、周期表第13族金属原料であるGaClと窒素原料であるNHを、各々の導入管から下地基板の主面方向へ供給しながら、50時間保持してGaN層を成長させた。なお、成長工程における成長圧力は、1.01×10Paであり、GaClガスの分圧は3.29×10Pa、NHの分圧は1.05×10Paとした。キャリアガスとしてHガスの分圧は4.04×10Pa、Nガスの分圧は4.34×10Paとした。
(3)成長工程の終了後室温まで降温し、GaN結晶を得た。結晶は[20−2−1]方向に3.0mmの平均成長膜厚であり、表面は平坦であった。
(4)得られたGaNバルク結晶について外形加工、表面研磨処理を行った後、通常の手法でこれを平面研削し、研磨を行って、厚さ330μmの(20−2−1)面を主面とするGaN自立基板を作製した。
作製したGaN自立基板のキャリア濃度分布をラマン分光測定にて評価した。励起光源に中心波長514nmのArレーザーを使用し、ビームスポット径は50μmとした。測定箇所は主面の面内5点で、各測定点において25μmピッチでa軸と直交する方向(k軸方向)に1.2mm長スキャンし評価したところ、測定全域でキャリア濃度は2.0×1018cm−3であり、分布が無いことを確認した(図5の(b)参照)。
次にGaN自立基板の積層欠陥密度を、低温カソードルミネッセンス(LTCL)を用いて評価した。測定条件は加速電圧7kV、電流2nA、200倍視野、測定温度82Kと設定した。観察した結果、積層欠陥密度は500cm−1と高密度であることが確認された。
Figure 2014088272
1 [m0−m−n]方向
2 c軸方向
3 a軸方向
4 k軸方向
5 下地基板
6 成長層
7 高キャリア領域
8 低キャリア領域
9 特有の面(ファセット)
100 リアクター
101 キャリアガス用導入管
102 ドーパントガス用導入管
103 周期表第13族金属原料用導入管
104 窒素原料用導入管
105 周期表第13族金属原料リザーバー
106 ヒーター
107 サセプター
108 排気管
109 下地基板(シード)

Claims (7)

  1. 主面の結晶面が{m0−m−n}面又は{m0−mn}面[但し、m、nは1以上の整数である]であり、キャリア濃度の差が7.0×1017cm−3以上である高キャリア領域及び低キャリア領域を有することを特徴とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
  2. 前記高キャリア領域及び低キャリア領域が隣接する位置に配置されている、請求項1に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
  3. 前記高キャリア領域及び低キャリア領域を、それぞれ2以上有する、請求項1又は2に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
  4. 前記高キャリア領域及び低キャリア領域が、k軸方向に交互に配置されている、請求項3に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
  5. 前記高キャリア領域及び/又は低キャリア領域のk軸方向の長さが、50μm以上である、請求項4に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
  6. 前記高キャリア領域及び低キャリア領域のキャリア濃度が、いずれも1.0×1018cm−3以上である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
  7. 基底面積層欠陥密度が300cm−1以下である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
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